特許第6598416号(P6598416)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6598416
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】釣り糸ガイド及びこれを備える釣り竿
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/04 20060101AFI20191021BHJP
【FI】
   A01K87/04 E
【請求項の数】20
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2019-531363(P2019-531363)
(86)(22)【出願日】2018年12月25日
(86)【国際出願番号】JP2018047623
【審査請求日】2019年6月11日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0024645
(32)【優先日】2018年2月28日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0093079
(32)【優先日】2018年8月9日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】特願2018-5465(P2018-5465)
(32)【優先日】2018年1月17日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000237385
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大村 一仁
【審査官】 田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−112844(JP,A)
【文献】 実開昭58−94380(JP,U)
【文献】 特開2012−75332(JP,A)
【文献】 特開2015−202055(JP,A)
【文献】 特開2003−274809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 87/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り竿の管状竿に取り付けられて釣り糸を案内する釣り糸ガイドであって、
環状の取付部と、
釣り糸が通るガイドリングと、
金属製の薄板からなり前記取付部と部分的に結合されて前記ガイドリングを支持するリングサポートと、を含み、
前記リングサポートは、前記ガイドリングが結合されるリング保持孔を有するリング保持部と、前記リング保持部と一体に形成されて前記取付部に部分的に埋め込まれて前記取付部と結合されるリング支持部と、を含み、
前記取付部は、前記リングサポートを金型内のインサートとして長さが5mm〜10mmであるカーボン長繊維を含むカーボン長繊維強化樹脂材料からインサート射出されて前記リングサポートの前記リング支持部を部分的に取り囲むように形成される、
釣り糸ガイド。
【請求項2】
前記カーボン長繊維は、前記カーボン長繊維強化樹脂材料の全重量の20〜40重量%を有する、
請求項1に記載の釣り糸ガイド。
【請求項3】
前記取付部は、前記管状竿の外周面に嵌合される環状体と、前記環状体の外周面に外側半径方向に突出するように形成された第1リブとを含む、
請求項1に記載の釣り糸ガイド。
【請求項4】
前記環状体は、前記釣り竿のバットに向かう後方方向に位置し、前記第1リブが形成された小外径部と、前記小外径部より大きい外径を有し、前記リング支持部の下側一部が埋め込まれる大外径部とを含む、
請求項3に記載の釣り糸ガイド。
【請求項5】
前記第1リブは、前記釣り竿のバットに向かう後方方向に前記小外径部の後端面まで延長するように形成される、
請求項4に記載の釣り糸ガイド。
【請求項6】
前記第1リブは、前記大外径部の外側半径方向の先端から前記小外径部の後端面に向かって傾斜するように形成された外周面を有する、
請求項4に記載の釣り糸ガイド。
【請求項7】
前記第1リブの外周面に含まれた長手方向の中心線は、前記釣り竿の中心軸と所定の角度を形成する、
請求項6に記載の釣り糸ガイド。
【請求項8】
前記第1リブは、前記釣り竿のバットに向かう前記第1リブの後端から前記釣り竿のチップに向かう前記第1リブの前端へ行くほど拡大する幅を有する、
請求項3に記載の釣り糸ガイド。
【請求項9】
前記取付部は、前記第1リブに対して周方向に離隔されるように配置され、前記環状体の外周面に外側半径方向にそれぞれ突出するように形成された第2及び第3リブをさらに含む、
請求項3に記載の釣り糸ガイド。
【請求項10】
前記取付部の内周面には周方向に配列され前記釣り竿の中心軸の方向に延長する複数のセレーションが形成された、
請求項1に記載の釣り糸ガイド。
【請求項11】
前記複数のセレーションは、先端にチップが形成されるように三角形状の断面を有する、
請求項10に記載の釣り糸ガイド。
【請求項12】
前記取付部は、周方向に沿って一定の厚さを有する下側取付部と、前記下側取付部の両先端から周方向に沿って厚さが増加するように構成された上側取付部と含む、
請求項1に記載の釣り糸ガイド。
【請求項13】
釣り竿の管状竿に取り付けられて釣り糸を案内する釣糸ガイドであって、
釣り糸が通るガイドリングと、
前記ガイドリングを支持するガイド本体と、を含み、
前記ガイド本体は、
環状の取付部と、
前記ガイドリングを支持するリングサポートと、を含み、
前記リングサポートは、前記ガイドリングが結合されるリング保持孔を有するリング保持部と、前記取付部と前記リング保持部との間に形成されるリング支持部と、を含み、
前記ガイド本体は長さが5mm〜10mmであるカーボン長繊維を含むカーボン長繊維強化樹脂材料から一体に形成され、
前記取付部は、前記管状竿の外周面に嵌合される環状体と、前記釣り竿のチップに向かう前端が前記リング支持部と繋がるように前記環状体の外周面に外側半径方向に突出した第1リブとを含み、
前記取付部は、前記リング支持部から延長形成された大外径部と、前記大外径部から前記釣り竿のバット方向に延長形成された小外径部を含む、
釣り糸ガイド。
【請求項14】
前記リング支持部には、前記リングサポートの幅方向の中心線を基準に対称する2つの開口が形成される、
請求項13に記載の釣り糸ガイド。
【請求項15】
前記リング支持部は、前記2つの開口の一部の縁をそれぞれ構成するように前記取付部の外周面から突出した2つの補強リブを含む、
請求項14に記載の釣り糸ガイド。
【請求項16】
前記第1リブは、前記釣り竿のバットに向かう後方方向に前記環状体の後端面まで延長するように形成される、
請求項13に記載の釣り糸ガイド。
【請求項17】
前記第1リブは、前記リング支持部の外側半径方向の先端から前記環状体の後端面に向かって傾斜するように形成された外周面を有し、
前記第1リブの外周面に含まれた長手方向の中心線は、前記釣り竿の中心軸と所定の角度を形成する、
請求項16に記載の釣り糸ガイド。
【請求項18】
前記取付部を形成するために、前記カーボン長繊維強化樹脂材料を射出成形し始めるゲート位置は、前記大外径部の下端に位置し、
前記小外径部は、周方向に沿って一定の厚さを有する下側取付部と、前記下側取付部の両先端から周方向に沿って厚さが増加するように構成された上側取付部とを含み、
前記上側取付部は、前記第1リブと繋がるように形成された、
請求項13に記載の釣り糸ガイド。
【請求項19】
前記取付部の内周面は、前記釣り竿の中心軸の方向と並んで配置される複数の平らな面で構成される、
請求項13に記載の釣り糸ガイド。
【請求項20】
複数の管状竿と、
前記管状竿の1つに取り付けられる請求項1〜請求項19のいずれか1項に記載の釣り糸ガイドとを含む、
釣り竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、釣り糸を案内する釣り糸ガイド及びこれを備える釣り竿に関するものである。
【背景技術】
【0002】
仕掛けをキャストする際に、または魚を釣り上げる際に釣り糸をガイドするために釣り糸ガイドが釣り竿の管状竿に取り付けられる。釣り糸ガイドは、釣り糸が通るガイドリングと、ガイドリングを保持及び支持するフレームと、フレームと結合して釣り竿の管状竿に取り付けられる取付部とを有する。
【0003】
釣り竿のうち、いわゆる振出式釣り竿(telescopic fishing rod)には、釣り竿の管状竿の外周面に締まり嵌めにより固定される遊動ガイドまたはスライディングガイドが用いられている。遊動ガイドは、釣り竿の管状竿が貫通する環状の取付部を有する。遊動ガイドは、管状竿が取付部を貫通した状態で管状竿に沿って移動可能であり、取付部と管状竿の外周面との間の締まり嵌めにより管状竿に固定される。
【0004】
遊動ガイドの一例として、日本国特許第4275457号公報(特許文献1)と日本国実公平7−7726号公報(特許文献2)は、管状竿に嵌合される環状の取付部と、ガイドリングを支持して取付部に嵌合される取付リングを有する金属製のフレームとを備える遊動ガイドを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本国特許第4275457号公報
【特許文献2】日本国実公平7−7726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
遊動ガイドを振出式釣り竿に設置するために、遊動ガイドの環状取付部は、釣り竿の後端に向かってスライド移動する。振出式釣り竿の管状竿は、釣り竿の先端へ行くほど直径が小さくなるテーパ状を有する。従って、管状竿の外径と取付部の内径が同一となる位置で、取付部は管状竿の外周面に固定され得る。この時、取付部を釣り竿の後端側に強く押すと、取付部が若干変形され、取付部が管状竿の外周面に締まり嵌めにより固定され得る。
【0007】
仕掛けをキャストする際に、または魚を釣り上げる際に、取付部に結合したフレームに多様な外力が作用する。例えば、釣り竿に横方向に外力がフレームに加えられると、フレームと取付部が管状竿を中心として回転することができ、その場合、遊動ガイドの釣り糸案内機能が喪失する。しかし、環状の取付部と取付リングにより取付部と結合するフレームを有する従来技術の遊動ガイドは、フレームに加えられる横方向の力に抵抗する十分な回転防止強度を有せず、ユーザーがフレームに加える不注意な衝撃、または釣り場所での岩または地面がフレームに加える衝撃により、管状竿を中心として容易に回転することができる。従来技術の遊動ガイドは、管状竿を中心とした回転に抵抗する回転防止強度が大きくなるように設計されていない。また、従来技術の遊動ガイドは、金属製の取付リングがフレームから突出しているため、十分な曲げ強度を有せず、遊動ガイドに発生する釣り糸の糸絡みを円滑に解除することができない。
【0008】
振出式釣り竿は、水辺、浜、磯等での釣りのために用いられる。磯釣りのための振出式釣り竿は、4.5m〜5.5mの全長を有することができ、このような振出式釣り竿には、一般に10個〜15個の遊動ガイドが取り付けられることができる。仕掛けのキャストを円滑にするために、または魚を容易に釣り上げるためには、軽量の釣り竿が有利であり、このためには、軽量の遊動ガイドが振出式釣り竿に要求される。しかし、金属製の取付リングを有する金属製のフレームにより、従来技術の遊動ガイドは軽量化に応じることができない。
【0009】
本開示による多様な実施例は、前述の従来技術の問題のうち、少なくとも一部を解決した釣り糸ガイドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施例によると、強度が向上した樹脂材料を用いて、十分な強度を備えながらも軽量である釣り糸ガイドが提供される。一実施例によると、釣り竿の管状竿を中心とした回転に抵抗する回転防止強度が向上した釣り糸ガイドが提供される。
【0011】
本開示の一実施例による、釣り竿の管状竿に取り付けられて釣り糸を案内する釣糸ガイドは、環状の取付部と、釣り糸が通るガイドリングと、金属製の薄板からなり前記取付部と部分的に結合されて前記ガイドリングを支持するリングサポートと、を含み、前記リングサポートは、前記ガイドリングが結合されるリング保持孔を有するリング保持部と、前記リング保持部と一体に形成されて前記取付部に部分的に埋め込まれて前記取付部と結合されるリング支持部と、を含み、前記取付部は、前記リングサポートを金型内のインサートとして長さが5mm〜10mmであるカーボン長繊維を含むカーボン長繊維強化樹脂材料からインサート射出されて前記リングサポートの前記リング支持部を部分的に取り囲むように形成され得る。
【0012】
一実施例によると、前記カーボン長繊維材料は、前記カーボン長繊維強化樹脂の全重量の20〜40重量%を有することができる。
【0013】
一実施例によると、前記取付部は、前記管状竿の外周面に嵌合される環状体と、前記環状体の外周面に外側半径方向に突出するように形成された第1リブとを含むことができる。
【0014】
一実施例によると、前記環状体は、前記釣り竿のバットに向かう後方方向に位置し、前記第1リブが形成された小外径部と、前記小外径部より大きい外径を有し、前記リング支持部の下側一部が埋め込まれる大外径部とを含むことができる。
【0015】
一実施例によると、前記第1リブは、前記釣り竿のバットに向かう後方方向に前記小外径部の後端面まで延長するように形成され得る。
【0016】
一実施例によると、前記第1リブは、前記大外径部の外側半径方向の先端から前記小外径部の後端面に向かって傾斜するように形成された外周面を有することができる。
【0017】
一実施例によると、前記第1リブの外周面に含まれた長手方向の中心線は、前記釣り竿の中心軸と所定の角度を形成することができる。
【0018】
一実施例によると、前記第1リブは、前記釣り竿のバットに向かう前記第1リブの後端から前記釣り竿のチップに向かう前記第1リブの前端へ行くほど拡大する幅を有することができる。
【0019】
一実施例によると、前記取付部は、前記第1リブに対して周方向に離隔されるように配置され前記環状体の外周面に外側半径方向にそれぞれ突出するように形成された第2及び第3リブをさらに含むことができる。
【0020】
一実施例によると、前記取付部の内周面には周方向に配列され前記釣り竿の中心軸の方向に延長する複数のセレーションが形成され得る。
【0021】
一実施例によると、前記複数のセレーションは、先端にチップが形成されるように三角形状の断面を有することができる。
【0022】
一実施例によると、前記取付部は、周方向に沿って一定の厚さを有する下側取付部;及び前記下側取付部の両先端から周方向に沿って厚さが増加するように構成された上側取付部を含むことができる。
【0023】
本開示の他の実施例による釣り竿の管状竿に取り付けられて釣り糸を案内する釣糸ガイドは、釣り糸が通るガイドリングと、前記ガイドリングを支持するガイド本体とを含み、前記ガイド本体は、環状の取付部と、前記ガイドリングを支持するリングサポートと、を含み、前記リングサポートは、前記ガイドリングが結合されるリング保持孔を有するリング保持部と、前記取付部と前記リング保持部との間に形成されるリング支持部と、を含み、前記ガイド本体は長さが5mm〜10mmであるカーボン長繊維を含むカーボン長繊維強化樹脂材料から一体に形成され得る。
【0024】
一実施例によると、前記リング支持部には、前記リングサポートの幅方向の中心線を基準に対称する2つの開口が形成され得る。
【0025】
一実施例によると、前記リング支持部は、前記2つの開口の一部の縁をそれぞれ構成するように前記取付部の外周面から突出した2つの補強リブを含むことができる。
【0026】
一実施例によると、前記ガイド本体は、前記リング保持孔と隣接した前記リング保持部の上端から前記釣り竿の中心軸の方向に垂直な前記取付部の先端面まで延長するように形成された第1リブを含むことができる。
【0027】
一実施例によると、前記取付部は、前記管状竿の外周面に嵌合される環状体;及び前記釣り竿のチップに向かう前端が前記リング支持部と繋がるように前記環状体の外周面に外側半径方向に突出した第1リブを含むことができる。
【0028】
一実施例によると、前記第1リブは、前記釣り竿のバットに向かう後方方向に前記環状体の後端面まで延長するように形成され得る。
【0029】
一実施例によると、前記第1リブは、前記リング支持部の外側半径方向の先端から前記環状体の後端面に向かって傾斜するように形成された外周面を有し、前記第1リブの外周面に含まれた長手方向の中心線は、前記釣り竿の中心軸と所定の角度を形成することができる。
【0030】
一実施例によると、前記取付部は、周方向に沿って一定の厚さを有する下側取付部と、前記下側取付部の両先端から周方向に沿って厚さが増加するように構成された上側取付部とを含むことができる。
【0031】
一実施例によると、前記取付部の内周面は、前記釣り竿の中心軸の方向と並んで配置される複数の平らな面で構成され得る。
【0032】
本開示のさらに他の実施例による前記釣り竿は、複数の管状竿と、前記管状竿の1つに取り付けられる前述の実施例による釣り糸ガイドを含むことができる。
【発明の効果】
【0033】
本開示の多様な実施例によると、取付部がカーボン長繊維強化樹脂からインサート射出されて製造されるため、取付部のウェルド強度を向上させることができる。また、取付部の内周面に形成されたセレーションにとがったチップを形成してもカーボン長繊維強化樹脂自体の強度が高いのでチップが潰れないため、釣り竿に対する取付部の固定力が強化されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本開示の多様な実施例による釣り糸ガイドが設置された振出式釣り竿を示す。
図2A】本開示の第1実施例による釣り糸ガイドを示す図である。
図2B】本開示の第1実施例による釣り糸ガイドを示す図である。
図2C】本開示の第1実施例による釣り糸ガイドを示す図である。
図3A図2A図2Cに示す釣り糸ガイドのリングサポート及びガイドリングの結合体を示す図である。
図3B図2A図2Cに示す釣り糸ガイドのリングサポート及びガイドリングの結合体を示す図である。
図3C図2A図2Cに示す釣り糸ガイドのリングサポート及びガイドリングの結合体を示す図である。
図4A】本開示の第2実施例による釣り糸ガイドを示す図である。
図4B】本開示の第2実施例による釣り糸ガイドを示す図である。
図4C】本開示の第2実施例による釣り糸ガイドを示す図である。
図4D】本開示の第2実施例による釣り糸ガイドを示す図である。
図5A】本開示の第3実施例による釣り糸ガイドを示す図である。
図5B】本開示の第3実施例による釣り糸ガイドを示す図である。
図5C】本開示の第3実施例による釣り糸ガイドを示す図である。
図6】本開示の多様な実施例による釣り糸ガイドに用いられるカーボン長繊維強化樹脂の特性を説明するための表である。
図7図6で説明するカーボン長繊維強化樹脂に含浸されるカーボン長繊維のランナー部の様子を撮影した写真である。
図8図7で撮影されたカーボン長繊維のランナー部の先端を500倍に拡大した様子を撮影した写真である。
図9図7で撮影されたカーボン長繊維のランナー部の先端を2000倍に拡大した様子を撮影した写真である。
図10】本開示の第2実施例による釣り糸ガイドを製造する過程でウェルド強度を改善する過程を説明するための図である。
図11A】本開示の第2実施例による釣り糸ガイドを製造する過程を流動解析を通じて説明するための図である。
図11B】本開示の第2実施例による釣り糸ガイドを製造する過程を流動解析を通じて説明するための図である。
図11C】本開示の第2実施例による釣り糸ガイドを製造する過程を流動解析を通じて説明するための図である。
図12】本開示の第2実施例による釣り糸ガイドを製造する過程を流動解析を通じて説明するための図である。
図13】本開示の第1実施例による釣り糸ガイドを製造する過程でウェルド強度を改善する過程を説明するための図である。
図14A】本開示の第1実施例による釣り糸ガイドを製造する過程を流動解析を通じて説明するための図である。
図14B】本開示の第1実施例による釣り糸ガイドを製造する過程を流動解析を通じて説明するための図である。
図14C】本開示の第1実施例による釣り糸ガイドを製造する過程を流動解析を通じて説明するための図である。
図15】本開示の第1実施例による釣り糸ガイドに提供された回転耐力を向上するための構造を説明するための図である。
図16】本開示の第1実施例による釣り糸ガイドを構成する材料を説明するための図である。
図17】本開示の第1実施例による釣り糸ガイドを構成する材料の特性を説明するための図である。
図18】本開示の多様な実施例による釣り糸ガイドにカーボン長繊維強化樹脂を用いて、回転耐力が向上した程度を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示の実施例は、本開示の技術的思想を説明する目的で例示されたものである。本開示による権利範囲が、以下に提示される実施例やこれらの実施例に関する具体的説明で限定されるものではない。
【0036】
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、異なって定義されない限り、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は、本開示をさらに明確に説明する目的で選択されたものであって、本開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
【0037】
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」などのような表現は、当該表現が含まれる語句または文章で異なって言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open−ended terms)と理解されるべきである。
【0038】
本開示で記述された単数型の表現は、異なって言及しない限り、複数型の意味を含み得、これは請求の範囲に記載された単数型の表現にも同様に適用される。
【0039】
本開示で用いられる「第1」、「第2」などの表現は、複数の構成要素を相互に区分するために用いられ、当該構成要素の順序または重要度を限定するものではない。
【0040】
本開示で、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり、「接続されて」いると言及された場合、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結され得たり、接続され得るものとして、または新たな他の構成要素を介して連結され得たり、接続され得るものとして理解されるべきである。
【0041】
本開示で記載される寸法と数値は、記載された寸法と数値のみに限定されるものではない。異なって特定されない限り、このような寸法と数値は、記載された値及びこれを含む同等の範囲を意味するものとして理解され得る。例えば、本開示に記載された「7mm」という寸法は「略7mm」を含むものとして理解され得る。
【0042】
本開示で用いられる「上方」、「上」等の方向指示語は、添付の図面でガイドリングが取付部に対して位置する方向を基準とし、「下方」、「下」等の方向指示語は、その反対方向を意味する。添付の図面に示す釣り糸ガイドは異なって配向されることもでき、前記方向指示語はそれに合わせて解釈されることができる。
【0043】
本開示の図面に表示された座標系で、「TD」は前方方向を意味し、「BD」は後方方向を意味する。また、「UD」は上方方向を意味し、「LD」は下方方向を意味する。また、「WD」は幅方向を意味する。
【0044】
本開示で用いられる「TC−モデル」は、第1実施例による釣り糸ガイド1を指すモデル名であり、「C1−モデル」は、第2実施例による釣り糸ガイド2を指すモデル名であり、「C2−モデル」は、第3実施例による釣り糸ガイド3を指すモデル名であり、「C−モデル」は、第2実施例による釣り糸ガイド2と第3実施例による釣り糸ガイド3である。
【0045】
以下、添付の図面を参照し、本開示の実施例を説明する。添付の図面で、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略され得る。しかし、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものと意図されるものではない。
【0046】
図1は、本開示の多様な実施例による釣り糸ガイド1,2,3が設置された振出式釣り竿1000を示す。
【0047】
矢印(TD)は、釣り竿のチップ(tip)1001に向かう前方方向を指し、矢印(BD)は、釣り竿のバット(butt)1002に向かう後方方向を指す。図1に示す釣り竿1000は、当該分野で振出式(telescopic)釣り竿として参照され得る。釣り竿1000は、水辺、浜、船上、磯等での釣りのために用いられるものの、釣り竿1000の使用場所が前述の場所に限定されるものではない。
【0048】
釣り竿1000は、長い円筒状の竿体1005を含む。竿体1005は、釣り竿1000に作用する種々の外力に抵抗して、釣り竿1000の形状を維持する構造物として機能することができる。竿体1005は、第1〜第5管状竿1110,1120,1130,1140,1150を含むことができる。また、1つの管状竿が、その次に位置し、それより大きい外径を有する管状竿の内部に嵌められるテレスコピック(telescopic)方式で複数の管状竿が結合して、竿体1005を構成することができる。図1は、拡張された釣り竿1000の竿体1005を示す。
【0049】
竿体1005の管状竿のうち、釣り竿1000の後端に位置する第1管状竿1110は、ユーザーが握ることができる元竿として機能する。第1管状竿1110にはリールシート1115が取り付けられ、リールシート1115には釣り糸(図示せず)を放出したり巻くためのリール(図示せず)が除去可能に取り付けられる。
【0050】
釣り竿1000は、第2〜第5管状竿1120,1130,1140,1150に設置される複数の釣り糸ガイドを備えることができる。釣り糸ガイドは、仕掛けをキャストする際にリールから放出されたり、魚を釣り上げる際にリールに巻かれる釣り糸を案内する。前記複数の釣り糸ガイドとして、開示された種々の実施例のいずれか1つによる釣り糸ガイドが用いられる。本開示の多様な実施例による1つ以上の釣り糸ガイド1,2,3が竿体1005の第2〜第5管状竿1120,1130,1140,1150の1つに取り付けられることができる。
【0051】
本開示の多様な実施例による釣り糸ガイド1,2,3は順に、直径が大きい管状竿から直径が小さい管状竿に取り付けられることができる。釣り糸ガイド1(図2A参照)は、第2管状竿(1120)または第3管状竿(1130)に取り付けられることができる。釣り糸ガイド2(図4A参照)は、第4管状竿(1140)に取り付けられることができる。釣り糸ガイド3(図5A参照)は、第5管状竿1150に取り付けられることができる。
【0052】
例えば、竿体1005の第3管状竿1130が釣り糸ガイド1の環状の取付部を貫通して、釣り糸ガイド1が竿体1005に取り付けられる。釣り糸ガイド1が竿体1005に取り付けられる前に、釣り糸ガイド1はその取付部で竿体1005に沿って前方方向(TD)または後方方向(BD)にスライド可能であり、竿体1005に対して回転可能である。竿体1005の第3管状竿1130は、前方方向(TD)に外径が小さくなるテーパ状を有する。従って、釣り糸ガイド1を後方方向(BD)に移動させるにつれて、釣り糸ガイド1の取付部が第3管状竿1130の外周面と締まり嵌めで結合することにより、釣り糸ガイド1が竿体1005に取り付けられることができる。実施例による釣り糸ガイドは、当該分野において「遊動ガイド」または「スライディングガイド」として参照され得る。
【0053】
図2A図2Cは、本開示の第1実施例による釣り糸ガイド1を多様な方向で示す図である。図2Aは、釣り糸ガイド1の斜視図であり、図2Bは、釣り糸ガイド1の正面図であり、図2Cは、釣り糸ガイド1の側面図である。
【0054】
釣り糸ガイド1は、リングサポート1a及びリングサポート1aと結合される取付部1bを含むことができる。リングサポート1aは、リング保持孔10aが形成されるリング保持部11及びリング保持部11から下側に延長形成されるリング支持部13を含むことができる。リング保持孔10aには、ガイドリング12が挿入されて固定され得る。取付部1bは、リングサポート1aをインサートとしてカーボン長繊維強化樹脂からインサート射出成形されてリング支持部13を取り囲むように形成され得る。取付部1bは、図1に示す釣り竿1000の外周に沿って移動可能に設置され得る。
【0055】
取付部1bは環状の形状を有し、竿体1005の管状竿のうち、例えば、第3管状竿1130が取付部1bを貫通することができる。取付部1bは、第3管状竿1130が貫通できる環状体16を含む。環状体16には、第3管状竿1130の外周面に嵌合される円筒状のボア10bが釣り竿の中心軸(R)に沿って貫通している。ボア10bの直径は、前方方向(TD)または後方方向(BD)に均一であってもよい。第3管状竿1130がボア10bを貫通した状態で、取付部1bは第3管状竿1130に沿ってスライド可能であり、第3管状竿1130に対して回転することができる。
【0056】
第3管状竿1130は、前方方向(TD)に細くなるテーパ状を有する。従って、環状体16を後方方向(BD)に移動させる途中、第3管状竿1130の外径とボア10bの直径が略同一となる位置で、環状体16は第3管状竿1130の外周面と嵌合され得る。この時、環状体16を後方方向(BD)にさらに移動させると、環状体16が若干変形されながら、取付部1bは第3管状竿1130に堅固に嵌合されて固定され得る。
【0057】
環状体16の内周面にはボア10bの軸方向に延長して中心軸(R)に向かって突出した複数のセレーション17が形成され得る。複数のセレーション17の端部にはとがった形状のチップが形成され得る。複数のセレーション17は、竿体1005と環状体16との間の固定力を強化することができる。
【0058】
リング保持孔10aは、リング保持部11にリング保持部11の厚さ方向に貫通している。リング保持孔10aは、ガイドリング12の外周面に合わせられるように楕円形の内周面を有することができる。ガイドリング12は、釣り糸による摩耗の防止のために、セラミック材料で構成されることができる。ガイドリング12は、その外周面でリング保持孔10aの内周面に嵌合され、点接触または面接触などによりリング保持孔10aの内周面と結合され得る。また、リング保持孔10aの内周面とガイドリング12の外周面との間には、これらを接着させるための接着剤が塗布されることもできる。リング保持部11は、リング保持孔10aによりガイドリング12の全周に沿ってガイドリング12を保持するように略環状をとる。
【0059】
環状体16は、前方方向(TD)に位置して外径が相対的に大きい大外径部16aと、大外径部16aより小さい外径を有して大外径部16aと繋がっている小外径部16bとを有する。大外径部16aでの環状体16の半径方向厚さは、小外径部16bでの環状体16の半径方向厚さより大きい。大外径部16aの前方方向(TD)の表面が、取付部1bの環状の前端面161aを形成し、小外径部16bの後方方向(BD)の表面が取付部1bの環状の後端面161bを形成することができる。
【0060】
取付部1bは、リングサポート1aと結合する結合部18を含むことができる。結合部18は、大外径部16aの上側の外周部に形成され得る。結合部18は、前方結合部18aと後方結合部18bとを含むことができる。
【0061】
環状体16の外周面には、第1〜第3リブ15a,15b,15cが形成され得る。第1リブ15aは中央リブと説明でき、第2及び第3リブ15b、15cは側方リブと説明できる。第1リブ15aは、後方結合部18bの外側端部と小外径部16bの後端面161bとの間に形成され得る。第2及び第3リブ15b、15cは、小外径部16bの下側部分の両側に形成され得る。第1〜第3リブ15a、15b、15cは、正面方向で概ね三角形状をなすことができる。
【0062】
第1リブ15aは、リング支持部13に隣接して環状体16の上端に位置することができる。第1リブ15aは、後方結合部18bと小外径部16bにわたって形成されている。第1リブ15aの上面151aは、中心軸(R)に向かって傾いている。第1リブ15aは、釣り竿のバットに向かう後方方向(BD)にテーパされる形状を有することができる。これにより、第1リブ15aは、後方方向(BD)における後端面161bから釣り竿のチップに向かう前方方向(TD)に拡大する幅を有することができる。第1リブ15aの上面151aに含まれた長手方向の中心線(M)は、釣り竿の中心軸(R)と所定の角度(δ)を形成することができる。
【0063】
第2及び第3リブ15b,15cは、環状体16の側端で環状体16の中心より下に位置する。第2及び第3リブ15b,15cは、大外径部16aと小外径部16bにわたって形成されている。第2及び第3リブ15b,15cの幅は、第1リブ15aの幅より小さい。第1リブ15aと第2及び第3リブ15b,15cとの間の中心軸(R)に対する角度は、略120°となってもよいが、これに限定されるものではない。
【0064】
図2Bを参照すると、小外径部16bは、周方向に沿って一定の半径方向の厚さを有する下側取付部161と、下側取付部161の両先端から周方向に沿って半径方向の厚さが増加するように構成された上側取付部162とを含むことができる。上側取付部162は、中心軸(R)を基準として上側に位置することができ、下側取付部161は、中心軸(R)を基準として下側に位置することができる。上側取付部162は、第1リブ15aと繋がるように形成され得る。
【0065】
上側取付部162は、下側取付部161の両先端から第1リブ15aへ行くほど次第に半径方向の厚さが厚くなる形状を有することができる。即ち、上側取付部162で第1リブ15aと繋がる部分の半径方向厚さが最も大きくなり得る。中心軸(R)と下側取付部161の両先端を連結した線間の角度(α)は、170°以下になり得る。上側取付部162は、インサート射出成形時に、中心線(M)に向かう射出物の流速を減少させて反転流の流入を促すことにより、ウェルドラインの形成を抑制することができる。これに関する詳細な説明は後述する。
【0066】
図3A図3Cは、図2A図2Cに示すリングサポート1a及びガイドリング12の結合体を多様な方向で示す図である。図3Aは、リングサポート1a及びガイドリング12の結合体の正面図であり、図3Bは、リングサポート1a及びガイドリングの結合体の下面図であり、図3Cは、リングサポート1a及びガイドリング12の結合体のI−I線断面図である。
【0067】
リングサポート1aは、ガイドリング12を保持し、取付部1bに対してガイドリング12を支持することができる。リングサポート1aは、ステンレススチール、ステンレス合金、チタン合金、純チタンなどの金属材料で製造された薄板からなることができる。リングサポート1aは、その中に形成された曲げ部によりリングサポート1aを構成する部分が互いに対して折り曲げられたり、湾曲している薄板として形成されている。また、リングサポート1aは、前記金属材料の1つからなる薄い金属シート(当該分野で、このような金属シートはブランク(blank)として参照され得る)をパンチング、ブランキング、ベンディングのようなプレス加工により形成され得る。
【0068】
リング支持部13には、複数の開口13aがパンチングされて形成され得る。取付部1bは、インサート射出成形過程で、取付部1bをなす樹脂材料が複数の開口13aの一部の開口を満たすように形成され得る。従って、取付部1bの一部とリング支持部13の一部が互いに交差する構造を有するため、リングサポート1aと取付部1bとの間の固定力が強化されることができる。
【0069】
リングサポート1aのリング保持部11には、バーリング部11aが形成され得る。バーリング部11aによりリング保持孔10aを取り囲む部分の厚さがリングサポート1aの残りの部分より厚く形成されるため、ガイドリング12との接触面積を増加させて、ガイドリング12とリング保持部11との結合性を向上させることができ、リング保持部11自体の強度を向上させることができる。
【0070】
リング支持部13には、例えば、4つの開口13aが形成され得、インサート射出成形過程で取付部1bの結合部18が下側に配置された2つの開口13aを満たすように形成され得る。リング支持部13の下側端部13bは、リング保持部11に向かって「V」字状に凹んだ形状を有することができる。このようなリング支持部13の下側端部13bの構造は、取付部1bが射出成形される過程で取付部1bの円筒状の内周面の形状を提供させることができる。
【0071】
リング支持部13は、中心線(M)を基準として両側に形成された第1及び第2リング支持部131、132を含むことができる。第1及び第2リング支持部131、132は、中心線(M)を基準として「V」字状に曲がるように形成され得る。第1及び第2リング支持部131,132が形成する角度(β)は、120°と170°との間の鈍角になってもよい。
【0072】
図4A図4Dは、本開示の第2実施例による釣り糸ガイド2を多様な方向で示す図である。図4Aは、釣り糸ガイド2の斜視図であり、図4Bは、釣り糸ガイド2の正面図であり、図4Cは、釣り糸ガイド2の側面図であり、図4Dは、釣り糸ガイド2をII−II線で切断した断面図である。
【0073】
釣り糸ガイド2は、例えば、第5管状竿1150に設置され得る。釣り糸ガイド2は、釣り糸が通るガイドリング22及びガイドリング22を支持するガイド本体20を含むことができる。ガイド本体20は、カーボン長繊維強化樹脂材料から射出されて一体に形成され得る。ガイド本体20は、環状の取付部23とガイドリング22を支持するリングサポート20aとを含むことができる。リングサポート20aは、ガイドリング22が結合されるリング保持孔26を有するリング保持部21と、取付部23とリング保持部21との間に形成されるリング支持部29とを含むことができる。ガイドリング22は、リング保持孔26に挿入されて固定され得る。また、リング保持孔26の内周面とガイドリング22の外周面との間にはこれらを接着させるための接着剤が塗布され得る。ガイドリング22には、釣り糸が通ることができる。
【0074】
取付部23は、釣り竿の外周に沿って移動可能に設置され得る。取付部23には、釣り竿の中心軸(R)方向に貫通したボア27が形成され得る。ボア27には、釣り竿が通ることができる。ボア27は、リング保持孔26より大きい大きさで構成され得る。
【0075】
取付部23は、リング支持部29から延長形成された大外径部23aと、大外径部23aから釣り竿の中心軸R方向に延長形成された小外径部23bとを含むことができる。大外径部23aの半径方向厚さは、小外径部23bの半径方向厚さより厚く形成され得る。大外径部23aの前方方向(TD)の表面が取付部23の環状の前端面231aを形成し、小外径部23bの後方方向(BD)の表面が取付部23の環状の後端面231bを形成することができる。
【0076】
リング保持部21と取付部23との間のリング支持部29には、2つの開口24が形成され得る。開口24は、中心線(M)を基準としてリング支持部29の両側に形成され得る。
【0077】
ガイド本体20は、リング保持孔26と隣接したリング支持部29の上端291から釣り竿の中心軸(R)方向に垂直な取付部23の後端面231bまで延長するように形成された第1リブ25を含むことができる。第1リブ25は、釣り竿の中心軸(R)方向に傾斜するように形成され得る。第1リブ25の外周面251に含まれた長手方向の中心線(M)は、釣り竿の中心軸(R)と所定の角度(δ)を形成することができる。
【0078】
図4Bを参照すると、小外径部23bは、周方向に沿って一定の半径方向の厚さを有する下側取付部231と、下側取付部231の両先端から周方向に沿って半径方向の厚さが増加するように構成された上側取付部232とを含むことができる。上側取付部232は、中心軸(R)を基準として上側に位置することができ、下側取付部231は、中心軸(R)を基準として下側に位置することができる。上側取付部232は、第1リブ25と繋がるように形成され得る。
【0079】
上側取付部232は、下側取付部231の両先端から第1リブ25へ行くほど次第に半径方向の厚さが厚くなる形状を有することができる。即ち、上側取付部232で第1リブ25と繋がる部分の半径方向の厚さが最も大きくなり得る。中心軸(R)と下側取付部231の両先端を連結した線間の角度(γ)は、170°以下になり得る。上側取付部232は射出成形時に、中心線(M)に向かう射出物の流速を減少させて反転流の流入を促すことにより、ウェルドラインの形成を抑制することができる。
【0080】
リング支持部29は、2つの開口24の一部の縁をそれぞれ構成するように大外径部23aの外周面から突出した2つの補強リブ28を含むことができる。補強リブ28は、リング支持部29に形成された開口24の下側縁に形成され得る。補強リブ28は、大外径部23aから2つの開口24のそれぞれの内部に向かって突出することができる。補強リブ28は、大外径部23aの周方向に沿って形成され得る。補強リブ28は、中心線(M)を基準として対称するように形成され得る。補強リブ28は、射出成形時に、ガイド本体20の中心線(M)付近にウェルドラインが形成されることを防止するように、射出物の流速を増加させることができる。
【0081】
ガイド本体20は、カーボン長繊維強化樹脂から一体に形成されるため、リングサポート20aにバーリング部が形成されないことがある。また、取付部23の内周面には、セレーションが形成されないことがある。釣り竿との結合性を強化するために、取付部23の内周面は複数の平面23cで構成され得る。複数の平面23cは、釣り竿の中心軸(R)方向と並んで配置され得る。
【0082】
図5A図5Cは、本開示の第3実施例による釣り糸ガイド3を多様な方向で示す図である。図5Aは、釣り糸ガイド3の斜視図であり、図5Bは、釣り糸ガイド3の正面図であり、図5Cは、釣り糸ガイド3の右側面図である。
【0083】
釣り糸ガイド3は、例えば、竿体1005の第5管状竿1150に設置され得る。釣り糸ガイド3は、ガイド本体30及びガイドリング32を含むことができる。ガイド本体30は全体的に、上側から下側へ行くほど幅が狭くなる形状を有することができる。ガイド本体30は、カーボン長繊維強化樹脂から射出成形されて一体に形成され得る。
【0084】
ガイド本体30は、リングサポート30a及び取付部33を含むことができる。リングサポート30aは、リング保持孔34が形成されたリング保持部31及びリング保持部31から延長形成されたリング支持部39を含むことができる。取付部33には、ボア37が形成され、取付部33は釣り竿の外周に沿って移動可能に設置され得る。ボア37には、釣り竿が通ることができる。ガイドリング32は、リング保持孔34に挿入されて固定され得る。又、リング保持孔34の内周面とガイドリング32の外周面との間には、これらを接着させるための接着剤が塗布され得る。
【0085】
ボア37は、リング保持孔34より小さい大きさで構成され得る。ボア37は、概ね六角形状を有することができる。釣り竿の管状竿のうち、最も直径が小さい第5管状竿1150は、ボア37の六角形状に対応するように、六角形状の断面を有することができる。
【0086】
取付部33は、リング支持部39から延長形成された大外径部33a、大外径部33aからボア37の軸方向に延長形成された小外径部33bを含むことができる。大外径部33aの半径方向厚さは、小外径部33bの半径方向厚さより厚く形成され得る。大外径部33aの前方方向(TD)の表面が取付部33の前端面331aを形成し、小外径部33bの後方方向(BD)の表面が取付部33の後端面331bを形成することができる。
【0087】
リング保持部31と取付部33との間のリング支持部39には、2つの開口36が形成され得る。リング支持部39と取付部33の外周面との間には、第1リブ35が形成され得る。第1リブ35は、リング保持孔34と隣接したリング支持部39の上端391から釣り竿の中心軸(R)方向に垂直な取付部33の後端面331bまで延長するように形成され得る。2つの開口36は、中心線(M)を基準として第1リブ35の両側に形成され得る。第1リブ35は、釣り竿の中心軸Rに向かって傾斜するように形成され得る。第1リブ35の外周面351に含まれた長手方向の中心線(M)は、釣り竿の中心軸(R)と所定の角度(δ)を形成することができる。
【0088】
ガイド本体30は、カーボン長繊維強化樹脂から一体に形成されるため、リング保持部31にバーリング部が形成されないことがある。また、取付部33の内側面には、セレーションが形成されないことがある。また、取付部33の内側面は、複数の平面33cで構成され得る。
【0089】
図6は、本開示の多様な実施例による釣り糸ガイドに用いられるカーボン長繊維強化樹脂の特性を説明するための表である。
【0090】
カーボン長繊維強化樹脂材料は、カーボン短繊維強化樹脂材料に比べて3〜5倍の高い衝撃強度を有することができる。カーボン長繊維強化樹脂材料は、高い繊維配合量で高剛性を有し、高温で優れたクリープ特性を有する。カーボン長繊維強化樹脂材料は、高温で高い弾性保持率を有し、低温で優れた衝撃保持率を有する。カーボン長繊維強化樹脂材料は、撓み変形量や引っ張り変形量が小さく、線膨張係数が小さいため寸法安定性が高く、優れた耐摩耗性を有する。カーボン長繊維は、略7mmの長さと円筒状を有することができる。カーボン長繊維強化樹脂材料におけるカーボン含量は、略30%になってもよい。カーボン長繊維強化樹脂材料における樹脂は、ナイロン樹脂であってもよい。
【0091】
図6を参照すると、DAICELは、本開示の一実施例による樹脂材料を生産する会社の名称である。プラストロン(plastron(登録商標)、PA12−CF30)は、DAICELが生産するカーボン長繊維強化樹脂材料である。比較例1は、合成樹脂材料で構成され得、例えば、POMであってもよい。POMは、エンジニアリングプラスチックの一種であって、ポリオキシメチレン(polyoxymethylen)で構成され得る。比較例2は、比較例1とは異なる合成樹脂材料で構成され得る。比較例2は、例えばPA(ポリアミド)であって、非晶性のPAで構成された透明な材料であるということが特徴になり得る。一例として、カーボン長繊維強化樹脂材料で取付部及び/又はガイド本体が形成される場合、前記カーボン長繊維強化樹脂材料として、ダイセル化学工業株式会社(Daicel Chemical Industries,LTD)製造のプラストロンが用いられる。
【0092】
一実施例で、取付部は、長さが5mm〜10mmのカーボン長繊維を含むカーボン長繊維強化樹脂材料から射出されることができる。プラストロンは、例えば、7mmの長さのカーボン長繊維を含むことができる。一例で、プラストロンは、9mmの長さのカーボン長繊維を含むことができる。7mmまたは9mmの長さのカーボン長繊維は、合成樹脂材料内で含浸できる。カーボン長繊維の含有量は、カーボン長繊維と合成樹脂材料を合わせた全重量の20〜50重量%になってもよい。一例として、カーボン長繊維と合成樹脂材料を合わせた全重量の30重量%になってもよい。プラストロンは、本開示による実施例で必要とする技術的特徴を満たすことができる。
【0093】
プラストロンは、本開示の多様な実施例による釣り糸ガイド1、2、3に用いられる。プラストロンは、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、ノッチ付きシャルピー衝撃強度(Charpy notched impact strength)、荷重たわみ温度、及び密度を含む全ての特性において、他の材料である比較例1及び比較例2より優れる。従って、プラストロンを用いる場合、取付部の強度が強化されることができる。
【0094】
プラストロンは、カーボン長繊維強化樹脂であるため、高衝撃性を有することができる。例えば、短繊維強化樹脂に比べて3〜5倍の衝撃強度を有することができる。また、プラストロンは、30%のカーボン樹脂含有量を有する高剛性材料である。また、プラストロンは優れたクリープ強度(長時間の荷重により材料が継続的に徐々に塑性変形を引き起こす現象)を有することができ、特に高温でのクリープ強度に優れている。即ち、長い時間用いたり、高温で用いてもあまり塑性変形しない。また、プラストロンは、寸法安定性に優れる。即ち、プラストロンで製造された部品は、たわみまたは曲がりが少なく、線膨張係数が低い。
【0095】
図7は、図6で説明する樹脂材料に含浸されるカーボン長繊維のランナー部の様子を撮影した写真である。
【0096】
図7に撮影された部分は、製品に流入する前(即ち、樹脂に含浸させる前)のランナー部分であるため、繊維方向が一定に配列されることが確認できる。即ち、カーボン長繊維の長手方向は、一定の方向に配列されることができる。カーボン長繊維の構造を確認するために、カーボン長繊維強化樹脂を燃焼させてナイロン樹脂を除去することができる。また、燃焼したカーボン長繊維強化樹脂は、形状に応じてカーボン長繊維がワイヤー状に絡みついて構成されていることが確認できる。
【0097】
図8は、図7で撮影されたカーボン長繊維のランナー部の先端を500倍に拡大した様子を撮影した写真であり、図9は、図7で撮影されたカーボン長繊維のランナー部の先端を2000倍に拡大した様子を撮影した写真である。図8及び9は、2000倍以上の倍率を有する顕微鏡でカーボン長繊維を撮影した写真である。
【0098】
図8を参照すると、カーボン長繊維は、概ね円筒形状を有することが確認できる。図9は、図8の写真の中で、繊維の断面が正面に向かっている部分を拡大した写真である。図9を参照すると、細い繊維が束状に纏まっていることが確認できる。
【0099】
図10は、本開示の第2実施例による釣り糸ガイド2を製造する過程でウェルド強度を改善する過程を説明するための図である。図10(a)乃至図10(c)はそれぞれ、比較例A、B及びCを示す斜視図であり、図10(d)は、本開示による実施例Dを示す斜視図である。図10(e)は、比較例A〜Cと実施例Dを比較説明するための表である。
【0100】
釣り人は釣り中に、釣り竿に対する釣り糸ガイドの回転を防止するために、釣り竿の外周上に釣り糸ガイドを強く押しつけて固定することができる。釣り糸ガイドが実施例Dのような構造を有する場合、釣り糸ガイドの取付部が釣り竿に固定されるのに十分な強度を確保することができる。
【0101】
本開示の多様な実施例は、カーボン長繊維強化樹脂の欠点と見られる射出成形時の低いウェルド強度を克服するために、射出成形時のカーボン長繊維強化樹脂の流動を制御できる構造を提案する。実施例Dは、本開示の第2実施例による釣り糸ガイド2に対応する実施例であり、比較例A、B及びCは、本開示の実施例Dを導き出す過程で考慮していた代案である。
【0102】
図10(a)を参照すると、比較例Aは、第1リブ25の先端は、後端面231bまで延長され得ず、取付部23の中間程度で終わるように形成され得る。また、後端面231bの厚さが均一に構成される。図10(b)を参照すると、比較例Bは比較例Aと比較して、後端面231bの厚さが均一に構成されないように、小外径部23bが下側取付部231及び下側取付部231の両先端から周方向に沿って半径方向の厚さが増加するように構成された上側取付部232を含む。図10(c)を参照すると、比較例Cは比較例Bと比較して、第1リブ25が後端面231bまで延長するように構成される。図10(d)を参照すると、実施例Dは比較例Cと比較して、開口24の下端に補強リブ28が追加されている。
【0103】
図10(e)を参照すると、比較例A、B、C及び実施例Dは、(i)取付部の後端面231bの厚さの変化、(ii)リブ25の取付部の後端面231bまでの到達可否、及びiii補強リブ28の採用可否で互いに差異を有する。比較例Aは、上記(i)〜(iii)の構成をいずれも含んでいない。比較例Bは、(i)の構成のみを含む。比較例Cは、(i)及び(ii)の構成を含む。実施例Dは、(i)〜(iii)の構成をいずれも含む。
【0104】
図10(e)において、取付部の押込耐力を比較すると、比較例Aに比べて実施例Dは52%程度向上したことが確認できる。従って、比較例Aに比べて実施例Dの取付部は、50%以上大きい押込耐力を有することができるため、釣り人が有する最大の力で強く遊動ガイドを釣り竿に押し込んでも、取付部の破損を防止することができる。即ち、実施例Dは、カーボン長繊維強化樹脂で構成されたガイド本体のウェルド強度を改善することができる。
【0105】
数値流動解析結果によると、ウェルド制御は、比較例Aから実施例Dへ行くほど優れた改善程度を示し、詳細は後述する。
【0106】
図11A図11Cは、本開示の第2実施例による釣り糸ガイドを製造する過程を流動解析を通じて説明するための図である。図11Aは、樹脂材料の射出が始まる位置を示す。図11Bは、射出過程で進行される流動の方向を示す。図11Cは、射出の進行過程を流動解析結果を通じて示す。
【0107】
図11Aを参照すると、取付部を形成するために、カーボン長繊維強化樹脂を射出成形し始めるゲート位置(IP)は、取付部の下端に位置することができる。ゲート位置(IP)は、ノズル(N)から溶融したカーボン長繊維強化樹脂が放出される位置を意味する。具体的には、ゲート位置(IP)は、リング保持部から延長される大外径部23aの下端に位置することができる。ノズル(N)から溶融状態で注入されたカーボン長繊維強化樹脂は、金型内で、大外径部23aに対応する部分を経て小外径部23bに対応する部分に流れ、次にリング支持部29に対応する部分に流れることができる。
【0108】
図11Cを参照すると、比較例A〜C及び実施例Dは、図10に示す比較例A〜C及び実施例Dと同一である。射出成形の時間の流れは、T1の段階からT4の段階に進みながら、初期状態から後期状態に進む過程を示す。
【0109】
図11Bを参照すると、ゲート位置(I)から始まるカーボン長繊維強化樹脂の流動は、金型内で多数の流動の流れ(b1,b1’,a1,a1’,c1,c1’)に分かれることができる。第1及び第2流動(b1、b1’)は、ゲート位置(I)から大外径部(内円部分)を形成するように流れる流動と定義されることができる。第3及び第4流動(a1,a1’)は、ゲート位置(I)から小外径部を形成するように流れる流動と定義されることができる。第5及び第6流動(c1,c1’)は、リング保持部及びリング支持部を形成するように流れる流動と定義されることができる。
【0110】
図11Bに示す釣り糸ガイドの姿勢のような状態で金型に対してカーボン長繊維強化樹脂の射出成形が進められるため、第3及び第4流動(a1,a1’)は、重力方向に対する反対方向への流路を先に流れることになり、相当な流速の損失が発生する。従って、第3及び第4流動(a1,a1’)は、第1及び第2流動(b1,b1’)に比べて相当遅い流速を有する。
【0111】
小外径部を形成するように第3及び第4流動(a1,a1’)が流れながら、半径方向の厚さが次第に増加する上側取付部部分が形成され得る。下側取付部より半径方向の厚さが厚い上側取付部部分を製造するために、金型に形成されたチャネルの間隔もこれに対応して広くなるため、前記チャネルを通過する射出物の流速が減少することができる。これを通じて、第3及び第4流動(a1,a1’)の流速と第1及び第2流動(b1,b1’)の流速の差をさらに増加させることができる。
【0112】
図11Cを参照すると、第1及び第2流動(b1,b1’)の流速が第3及び第4流動(a1,a1’)の流速より速いため、T1の段階では、溶融した射出物の射出端部が傾いた形状を有することができる。その後、T2の段階では、第1及び第2流動(b1,b1’)が先に会うことになり、第1リブの長手方向に対応する釣り糸ガイドの参考線(第1リブの長手方向の中心線、M)を基準として、V字状に合わさる。T3の段階では、反転流(x1,x1’,y1,y1’)が第3及び第4流動(a1,a1’)の衝突ラインに沿って流れることになり、ウェルドラインの形成が防止される。T4の段階では、第5及び第6流動(c1,c1’)がリング保持部を形成するように流れることになる。
【0113】
第1及び第2流動(b1,b1’)は、金型内で円筒状の経路に沿って円周方向に流れた後に、それぞれ3つの流動に分かれる。第1−2流動(y1)及び第2−2流動(y1’)は、リング支持部の上端及び第1リブの上端を形成するように流れる流動である。第1−3流動(x1)及び第2−3流動(x1’)は、大外径部の上端及び第1リブの下端を形成するように流れる流動である。第5及び第6流動(c1、c1’)は、リング保持部を形成するように流れる流動である。
【0114】
第1−2流動(y1)及び第2−2流動(y1’)及び第1−3流動(x1)及び第2−3流動(x1’)は、第3及び第4流動(a1,a1’)より流速が速いため、第1及び第2流動(b1,b1’)の流れの方向とは反対方向に流れる反転流を形成するようになる。反転流は、リング支持部の上端から小外径部の後端面に向かって流れることになる。即ち、反転流は、第1リブの長手方向の中心線(釣り竿の中心軸に向かう方向、M)に沿って、第1リブを形成しながら、第1リブの上端(リング保持孔に隣接した位置)から下端(後端面)に流れることができる。このような反転流は、第3及び第4流動(a1,a1’)が180゜で衝突して、ウェルドラインを形成することを防止することができる。
【0115】
図11Cを参照すると、比較例A及び比較例Bは、カーボン長繊維強化樹脂の流動が円周方向に沿って流れる2方向の流れのみを有することになり得る。このような2方向の流れは互いに180゜で衝突(CO)して、ウェルドラインを形成することが容易である。これとは異なり、比較例C及び実施例Dは、カーボン長繊維強化樹脂の流動が反転流(IF)を含む3方向の流れを有することになるため、反転流(IF)が残りの2方向の流れの180°の衝突(CO)を遮断することになり、ウェルド強度を改善することができる。ここで、反転流(IF)の流れが速いほど、ウェルドラインの形成が抑制され得る。
【0116】
実施例Dは、ガイド本体が補強リブを含むため、第1−2(y1)流動及び第2−2流動(y1’)の流れが強化される。従って、実施例Dは、補強リブを含まない比較例Cに比べて、反転流(IF)を通じたウェルドラインの抑制程度がさらに大きくなる。
【0117】
前述の実施例により、カーボン長繊維強化樹脂の欠点と見られる射出成形時の低いウェルド強度を克服するために、カーボン長繊維強化樹脂の流動をコントロールできる構造を提案することができる。金型内の樹脂の流れを複数に作り、それぞれの速度が異なるように調節する場合、カーボン長繊維強化樹脂のぶつかり合う領域が複雑に絡み合うようになり、ウェルドによる強度低下を解消することができる。これとは異なり、比較例Aまたは比較例Bのように反転流の形成を誘導できなくなり、2方向の流れがぶつかり合うようになると、ぶつかる領域には大きいウェルドラインが発生して、相対的に広い範囲で強度低下が生じ得る。従って、遅い流速の第3及び第4流動(a1,a1’)と、反転流(x1,x1’)及び反転流(y1,y1’)を作り、流速が異なる種々の樹脂の流れを作ることが必要なこともある。
【0118】
このように、樹脂流動の特性を活用すると、円筒部の厚さの最適化を通じて、取付部を形成するために流れるカーボン樹脂の反転流を作り出し、取付部断面のウェルド強度を改善することができる。
【0119】
図12は、本開示の第2実施例による釣り糸ガイド2を製造する過程を流動解析を通じて説明するための図である。
【0120】
図12のR1の列を参照すると、比較例A〜C及び実施例Dは、図10に示す比較例A〜C及び実施例Dと同一である。図12のR2の列を参照すると、図11B及び図11Cに示すように、反転流を通じてリング支持部及び第1リブでウェルドラインの形成を防止することができる。図12のR3の列を参照すると、リング保持部の上端にウェルドラインが形成され得るが、リング保持部のリング保持孔にガイドリングが挿入され、接着剤が塗布され得るため、接着剤がウェルドライン上を橋架して、リング保持部の破損が根本的に防止され得る。図12のR4の列では、図12のR1の列に示す比較例A〜C及び実施例Dによる遊動ガイドの骨格を示す。図12のR5の列及びR6の列で、ノズルからカーボン長繊維強化樹脂が射出されるゲート位置IPが確認できる。また、図12のR5の列及びR6の列を通じて、カーボン長繊維強化樹脂が取付部を形成しながら流れる流動の方向が確認できる。
【0121】
図13は、本開示の第1実施例による釣り糸ガイド1を製造する過程でウェルド強度を改善する過程を説明するための図である。図13(a)〜図13(c)はそれぞれ、比較例A、B及びCを示す斜視図であり、図13(d)は、本開示による実施例Dを示す斜視図である。図13(e)は、比較例A〜Cと実施例Dを比較説明するための表である。
【0122】
図13(a)を参照すると、比較例Aは、第1リブ15aの先端は取付部の後端面161bまで延長され得ず、小外径部16bの外周面で軸方向を基準に中間程度で終わるように形成され得る。また、後端面161bの厚さが均一に構成される。図13(b)を参照すると、比較例Bは比較例Aと比較して、後端面161bの厚さが均一に構成されないように、小外径部16bが下側取付部161及び下側取付部161の両先端から周方向に沿って半径方向の厚さが増加するように構成された上側取付部162を含む。図13(c)を参照すると、比較例Cは比較例Bと比較して、第1リブ15aが後端面161bまで延長するように構成される。図13(d)を参照すると、実施例Dは、比較例Cと比較して、第1〜第3リブ15a,15b,15cが形成されている。
【0123】
実施例Dは、本開示の第1実施例による釣り糸ガイド1に対応する実施例であり、比較例A、B及びCは、実施例Dを導き出す過程で考慮していた代案である。比較例A、B、C及び実施例Dは、(i)取付部の後端面の厚さの変化、(ii)取付部の後端面へのリブ15aの到達可否、及び(iii)中央リブ及び側方リブ15a,15b,15cの採用可否で互いに差異を有することができる。比較例Aは、上記(i)〜(iii)の構成をいずれも含んでいない。比較例Bは、(i)の構成のみを含む。比較例Cは、(i)及び(ii)の構成を含む。実施例Dは、(i)〜(iii)の構成をいずれも含む。
【0124】
取付部の押込耐力を比較すると、比較例Aに比べて実施例Dは126%程度向上したことが確認できる。従って、比較例Aに比べて実施例Dの取付部は126%以上大きい押込耐力を有することができるため、釣り人が有する最大の力で強く遊動ガイドを釣り竿に押し込んでも、取付部の破損を防止することができる。即ち、実施例Dを通じてカーボン長繊維強化樹脂のウェルド強度を改善することができる。
【0125】
数値流動解析結果は、比較例Aから実施例Dへ行くほど優れた改善程度を示し、詳細は後述する。
【0126】
図14A図14Cは、本開示の第1実施例による釣り糸ガイド1を製造する過程を流動解析を通じて説明するための図である。第1実施例による釣り糸ガイド1は、取付部に該当する部分のみカーボン長繊維強化樹脂で製造される。図14Aは、樹脂材料の射出が始まる位置を示す。図14Bは、射出過程で進められる流動の方向を示す。図14Cは、本開示の第1実施例による釣り糸ガイド1を製造する過程の流動解析結果を示す。
【0127】
図14Aを参照すると、取付部1bを形成するために、ゲート位置(IP)は、大外径部16aの下端に位置することができる。ノズル(N)から溶融状態で注入されたカーボン長繊維強化樹脂は、金型内で、大外径部16aに対応する部分を経て小外径部16bに対応する部分に流れ、次に結合部18に対応する部分に流れることができる。
【0128】
図14Bを参照すると、ゲート位置(I)から始まるカーボン長繊維強化樹脂の流動は、金型内で多数の流動の流れ(b2,b2’,a2,a2’,c2,c2’)に分かれることができる。第1及び第2流動(b2,b2’)は、ゲート位置(IP)から大外径部(内円部分)を形成するように流れる流動と定義されることができる。第3及び第4流動(a2,a2’)は、ゲート位置(I)から小外径部を形成するように流れる流動と定義されることができる。第5及び第6流動(c2,c2’)は、前方結合部を形成するように流れる流動と定義されることができる。
【0129】
図14Bに示す釣り糸ガイドの姿勢のような状態で金型に対してカーボン長繊維強化樹脂の射出成形が進められるため、第3及び第4流動(a2,a2’)は、重力方向に対する反対方向への流路を先に流れることになり、相当な流速の損失が発生する。従って、第3及び第4流動(a2,a2’)は、第1及び第2流動(b2,b2’)に比べて相当遅い流速を有する。
【0130】
小外径部を形成するように第3及び第4流動(a2,a2’)が流れながら、半径方向の厚さが次第に増加する上側取付部部分が形成され得る。下側取付部より半径方向の厚さが厚い上側取付部部分を製造するために、金型に形成されたチャネルの間隔もこれに対応して広くなるため、前記チャネルを通過する射出物の流速が減少することができる。これを通じて、第3及び第4流動(a2、a2’)の流速と第1及び第2流動(b2,b2’)の流速の差をさらに増加させることができる。
【0131】
第1及び第2流動(b2,b2’)は、金型内で円筒状の経路に沿って円周方向に流れた後に、それぞれ3つの流動に分かれる。第1−2流動(y2)及び第2−2流動(y2’)は、結合部の上端及び第1リブの上端を形成するように流れる流動である。第1−3流動(x2)及び第2−3流動(x2’)は、大外径部の上端及び第1リブの下端を形成するように流れる流動である。
【0132】
第1−2流動(y2)及び第2−2流動(y2’)及び第1−3流動(x2)及び第2−3流動(x2’)は、第3及び第4流動(a2,a2’)より流速が速いため、第1及び第2流動(b2,b2’)の流れの方向とは反対方向に流れる反転流を形成するようになる。反転流は、結合部の上端から小外径部の後端面に向かって流れることになる。即ち、反転流は、第1リブの長手方向の中心線(釣り竿の中心軸に向かう方向、M)に沿って、第1リブを形成しながら、第1リブの上端(リング保持孔に隣接した位置)から下端(後端面)に流れることができる。このような反転流は、第3及び第4流動(a2,a2’)が180゜で衝突して、ウェルドラインを形成することを防止することができる。
【0133】
図14Cを参照すると、比較例A及び比較例Bは、カーボン長繊維強化樹脂の流動が円周方向に沿って流れる2方向の流れのみを有することになり得る。このような2方向の流れは互いに180゜で衝突して、ウェルドラインを形成することが容易である。これとは異なり、比較例C及び実施例Dは、カーボン長繊維強化樹脂の流動が反転流を含む3方向の流れを有することになるため、反転流が残りの2方向の流れの180°の衝突を遮断することになり、ウェルド強度を改善することができる。ここで、反転流の流れが速いほど、ウェルドラインの形成が抑制され得る。
【0134】
図14Cを参照すると、比較例A〜比較例C及び実施例Dは、図13に示す比較例A〜比較例C及び実施例Dと同一である。図14CのR3の列では図14CのR1の列に示す比較例A〜比較例C及び実施例Dによる遊動ガイドの骨格を示す。図14CのR4の列及びR5列で、ノズルからカーボン長繊維強化樹脂が射出されるゲート位置(I)が確認できる。また、図14CのR4の列及びR5の列を通じて、カーボン長繊維強化樹脂が取付部を形成しながら流れる流動の方向が確認できる。図14CのR2の列を参照すると、実施例Dは、第1リブが小外径部の端部まで延長されるように形成され、上側取付部の厚さを下側取付部の厚さより厚く形成して反転流の形成を最大化させることができる。これにより、実施例Dで取付部にウェルドラインの形成を抑制することができ、ウェルド強度が改善され得る。
【0135】
図15は、本開示の第1実施例による釣り糸ガイド1に提供された回転耐力を向上するための構造を説明するための図である。図15(a)では、釣り糸ガイド1の斜視図を示す。図15(b)は、釣り糸ガイド1の正面図を示す。図15(d)は、比較例によるセレーション17’を示す。図15(c)は、実施例によるセレーション17を示す。
【0136】
釣り糸ガイドが、釣り中に釣り竿に対して回転すると、まともな釣りの進行に妨げとなることがある。また、釣り糸ガイドの回転は、釣り竿の破損や釣り糸の糸絡みにつながることがある。これにより、子供や女性のように力の弱い人が遊動ガイドを釣り竿に設置しても、遊動ガイドに十分な回転耐力を確保することができる構造を提供する必要がある。
【0137】
図15(b)を参照すると、釣り糸ガイドで、取付部の内周面には、回転耐力の向上のために、チップ171が備えられた複数のセレーション17が形成され得る。即ち、取付部の内周面には、ローレット状(Knurling shape)が採用されることができる。
【0138】
図15(c)を参照すると、取付部の材料をカーボン長繊維強化樹脂で構成する場合、強度が大きく向上し、セレーションのチップの座屈が防止され得る。即ち、ローレット先端の座屈を防止することが可能になる。従って、ユーザーが強く取付部を釣り竿に押し込んでも、セレーションのチップが潰れないため、とがったチップの形状が維持され、取付部の釣り竿に対する回転耐力を向上させることができる。
【0139】
図15(d)を参照すると、比較例では取付部の材料をポリオキシメチレン(polyoxymethylen,POM)樹脂で構成することができる。この場合、釣り糸ガイドを釣り竿に押し込む際に、三角形状のセレーションのチップに座屈が発生し、図15(d)のようにチップが平らに潰れたセレーション17’が形成され得る。このようにチップが平らに潰れると、取付部の回転耐力の低下をもたらし得る。即ち、ユーザーが強く取付部を釣り竿に押し込むと、セレーション17’の様にチップが平らに潰れる現象が発生し得る。
【0140】
図16は、本開示の第1実施例による釣り糸ガイド1を構成する材料を説明するための図面であり、図17は、本開示の第1実施例による釣り糸ガイド1を構成する材料の特性を説明するための図である。
【0141】
図16を参照すると、比較例のリングサポートをなす金属フレームは、チタン合金を用い、第1実施例による釣り糸ガイド1であるTC−モデルのリングサポートをなす金属フレームは、純チタンを用いることができる。また、比較例の取付部は、POMを用い、TC−モデルの取付部は、カーボン長繊維強化樹脂を用いることができる。
【0142】
図6及び図17を参照すると、カーボン長繊維強化樹脂の比重が、残りの材料に比べて最も小さいことが確認でき、カーボン長繊維強化樹脂の引張強度は、POMの引張強度の略3.9倍であることが確認できる。また、図6を参照すると、カーボン長繊維強化樹脂の曲げ強度は、POMの曲げ強度の略3.5倍であることが確認できる。本開示の実施例において、取付部がカーボン長繊維強化樹脂で形成される場合、ユーザーが強い力で取付部を釣り竿に押し込むとしても、取付部の内周面に形成されたセレーションが座屈されずに形状を維持することができる。
【0143】
図18は、本開示の第1実施例による釣り糸ガイドにカーボン長繊維強化樹脂を用いて、回転耐力が向上した程度を説明するための図である。
【0144】
評価釣り竿として、アテンダー(商標名、釣り竿の一種)1.5−53(細部モデル名)に、本開示の多様な実施例による釣り糸ガイド1,2、3を押し込んで取り付けて用いる。評価方法として、過度なフッキングを仮定し、釣り糸ガイドを釣り竿に対して90゜横方向に回転負荷を加える様に、釣竿を100回連続して90°横方向に撓ませる動作(2.5kgf〜3.0kgfの負荷)をして、釣り竿に対する釣り糸ガイドの回転有無を確認する。
【0145】
図18を参照すると、釣り糸ガイドのサイズ別に、表示された押込荷重で押し込んだ後の釣糸ガイドの回転有無に対する評価結果が表示されている。ここで、「○」と表示された領域は、当該押込荷重で釣糸ガイドを釣り竿に取り付けて回転防止が成功した場合を示し、「×」と表示された領域は、回転防止が失敗した場合を示す。図18において、「○」または「×」表示とともに特定の釣糸ガイドの回転耐力数値が記載されているセルがある。例えば、比較例の4.5−5.0サイズに対する行を参照すると、回転耐力が0.4の時には「×」表示がされており、回転防止が失敗した場合を示し、回転耐力が0.8の時には「○」表示がされており、回転防止が成功した場合を示す。
【0146】
例えば、比較例の4.5−5.0サイズの場合、1.0kgfの押込荷重にて、回転耐力が0.4kgfの時には回転防止に失敗するはずであり、2.0kgfの押込荷重にて、回転耐力が0.8kgfの時には回転防止に成功するものと予想される。他の例として、TC−モデルの9H−14.2サイズの場合、1.0kgfの押込荷重にて、回転耐力が0.6kgfの時には回転防止に失敗するはずであり、2.0kgfの押込荷重にて、回転耐力が1.2kgfの時には回転防止に成功するものと予想される。
【0147】
図18のB及びBの領域を参照すると、B及びBの領域はいずれも、回転防止が成功した場合を示す。本開示の多様な実施例による大部分のサイズの釣り糸ガイドは略2.0kgfに近接した押込荷重を適用すれば、釣り竿に対する釣り糸ガイドの回転を防止することが可能である。
【0148】
釣り糸ガイドを釣り竿に押し込む際に、POMは材料強度が低いため、ローレット先端が潰れて座屈するのに対し、カーボン長繊維強化樹脂は材料強度が高いため、ローレット先端が潰れず、ローレット先端が釣り竿の塗装面に食いつくスパイク効果を発生させることができる。従って、釣り竿のフッキングの際に、釣り糸ガイドの取付部の回転耐力が向上することができる。
【0149】
以上、一部実施例と添付の図面に示す例によって本開示の技術的思想が説明されたものの、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が理解できる本開示の技術的思想及び範囲を逸脱しない範囲で多様な置換、変形及び変更がなされ得るという点を知らなければならない。また、そのような置換、変形及び変更は、添付の請求の範囲内に属するものと考えられるべきである。
【符号の説明】
【0150】
1,2,3 釣り糸ガイド、20,30 ガイド本体、1a,20a,30a リングサポート、11,21,31 リング保持部、12,22,32 ガイドリング、13,29,39 リング支持部、1b,23,33 取付部、10b,27,37 ボア、15a,25,35 第1リブ、15b 第2リブ、15c 第3リブ、1b,23,33 取付部、17:セレーション。
【要約】
釣り竿の管状竿に取り付けられて釣り糸を案内する釣り糸ガイドが提供される。釣り糸ガイド(1)は、環状の取付部(1b)と、釣り糸が通るガイドリング(12)と、金属製の薄板からなり取付部(1b)と部分的に結合されてガイドリング(12)を支持するリングサポート(1a)とを含む。リングサポート(1a)は、ガイドリング(12)が結合されるリング保持孔(10a)を有するリング保持部(11)と、リング保持部(11)と一体に形成されて取付部(1b)に部分的に埋め込まれて取付部(1b)と結合されるリング支持部(13)とを含む。取付部(1b)は、長さが5mm〜10mmであるカーボン長繊維を含むカーボン長繊維強化樹脂材料からインサート射出されて形成される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17
図18