特許第6598491号(P6598491)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6598491
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】粉末化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/29 20060101AFI20191021BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20191021BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20191021BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20191021BHJP
   A61Q 17/00 20060101ALI20191021BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
   A61K8/29
   A61K8/02
   A61K8/25
   A61K8/92
   A61Q17/00
   A61Q1/02
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-83516(P2015-83516)
(22)【出願日】2015年4月15日
(65)【公開番号】特開2016-204267(P2016-204267A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2018年3月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 智彦
【審査官】 辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−286733(JP,A)
【文献】 特開2013−126956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00− 8/99
A61Q1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)酸化チタン 1〜25質量%、
(B)タルク 20〜65質量%、
(C)25℃で液状の油成分 0.5〜7質量%、及び
(D)疎水化処理した成分(A)以外の着色顔料を含有し、
前記(A)酸化チタンが、(A1)粒子径0.01〜0.1μmの酸化チタン及び(A2)粒子径0.4〜3μmの酸化チタンを含有し、成分(B)に対する成分(A1)+成分(A2)の総和の質量割合〔((A1)+(A2))/(B)〕が0.02〜0.4である粉末化粧料。
【請求項2】
成分(A1)の含有量が、粉末化粧料中に0.5〜13質量%である請求項1記載の粉末化粧料。
【請求項3】
成分(A2)の含有量が、粉末化粧料中に0.3〜12質量%である請求項1又は2記載の粉末化粧料。
【請求項4】
成分(A1)に対する成分(A2)の質量割合((A2)/(A1))が、0.11〜9である請求項1〜3のいずれか1項記載の粉末化粧料。
【請求項5】
成分(A)全量中、成分(A1)及び成分(A2)の総和が、90質量%以上である請求項1〜4のいずれか1項記載の粉末化粧料。
【請求項6】
成分(B)の粒子径が1〜70μmである請求項1〜5のいずれか1項記載の粉末化粧料。
【請求項7】
成分(B)が、粒子径10μm以上のものを主成分とするタルクと、粒子径10μm未満のものを主成分とするタルクとの混合物である請求項1〜6のいずれか1項記載の粉末化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線防御効果を有する粉末化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化チタンは、紫外線防御用粉末として広く用いられており、特に粒子径の小さな微粒子酸化チタンは紫外線遮蔽性に優れていることが知られている。そのような微粒子酸化チタンを配合した化粧料としては、平均粒径が0.5〜5μmである酸化チタン、油剤及び酸化チタン以外の粉末を配合し、水を用いて使用する固形粉末化粧料(特許文献1)、(A)平均粒径0.005〜0.1μmの酸化チタンと(B)平均粒径0.3〜3.0μmの酸化チタンとが(A):(B)=1:9〜9:1の割合で配合している遮熱化粧料(特許文献2)、酸化チタンの90質量%以上が、一次粒子径0.5μm以上の大粒径酸化チタン及び一次粒子径0.1μm未満の微粒子酸化チタンである油性固形化粧料(特許文献3)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−169212号公報
【特許文献2】特開2013−194041号公報
【特許文献3】特開2013−126956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の固形粉末化粧料は、水を用いて使用するものであることから使用方法が特殊であり、油剤が多く、塗布後に油剤に基づくべたつきがある等の問題がある。また、特許文献2記載の化粧料は、赤外線を遮断して遮熱することを目的とし、油剤の配合量も多いことから、塗布直後にべたつきに問題があった。また、特許文献3記載の化粧料は、粉末化粧料でなく油性固形化粧料であることから、塗布後にべたつきを生じるものであった。
従って、本発明の課題は、塗布直後のべたつきがなく、かつ優れた紫外線防御効果を有しつつ、透明感のある自然な仕上がりが得られる粉末化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明者は、粒子径の小さな微粒子酸化チタンの有する優れた紫外線防御効果を生かしつつ、自然な仕上がりと塗布後の感触とを両立すべく種々検討した結果、微粒子酸化チタンに加えて粒子径の大きな酸化チタンを併用すれば、微粒子酸化チタンの青白い色が消失して自然な仕上がりが得られること、これに20〜65質量%という多量のタルクと、0.5〜7質量%という少量の油剤と、疎水化処理した着色顔料とを組み合わせて配合すれば、優れた紫外線防御効果、自然な仕上がりを有し、かつべたつき等がなく感触の良好な粉末化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)酸化チタン 1〜25質量%、
(B)タルク 20〜65質量%、
(C)25℃で液状の油成分 0.5〜7質量%、及び
(D)疎水化処理した成分(A)以外の着色顔料を含有し、
前記(A)酸化チタンが、(A1)粒子径0.01〜0.1μmの酸化チタン及び(A2)粒子径0.3〜3μmの酸化チタンを含有し、成分(B)に対する成分(A1)+成分(A2)の総和の質量割合〔((A1)+(A2))/(B)〕が0.4以下である粉末化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の粉末化粧料を用いれば、優れた紫外線防御効果に加えて、自然な肌の仕上がりが得られるとともに、塗布後の仕上がりに白浮きや厚ぼったさがなく、かつべたつきがないという良好な感触も得られる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の粉末化粧料は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)酸化チタン 1〜25質量%、
(B)タルク 20〜65質量%、
(C)25℃で液状の油成分 0.5〜7質量%、及び
(D)疎水化処理した成分(A)以外の着色顔料を含有し、
前記(A)酸化チタンが、(A1)粒子径0.01〜0.1μmの酸化チタン及び(A2)粒子径0.3〜3μmの酸化チタンを含有し、成分(B)に対する成分(A1)+成分(A2)の総和の質量割合〔((A1)+(A2))/(B)〕が0.4以下である。
【0009】
成分(A)の酸化チタンは、(A1)粒子径0.01〜0.1μmの酸化チタン及び(A2)粒子径0.3〜3μmの酸化チタンを含有する。
(A1)粒子径0.01〜0.1μmの酸化チタン(以下、微粒子酸化チタンともいう)としては、紫外線防御効果の点から、粒子径0.01〜0.09μmのものが好ましく、0.01〜0.08μmのものがより好ましい。これらの(A1)微粒子酸化チタンの平均一次粒子径は、紫外線防御効果、塗布直後の透明性の点から、0.01〜0.09μmが好ましく、0.015〜0.07μmがより好ましい。
これらの(A1)微粒子酸化チタンの一次粒子径は、走査型電子顕微鏡により撮影した画像のFeret定方向接線径であり、その質量基準の粒度分布は画像解析装置を用いて測定できる。なお、(A1)微粒子酸化チタンの形状は板状、針状、球状等を問わない。また、(A1)微粒子酸化チタンは、その分散性を高めるため、フッ素化合物処理、シリコーン処理、アルキル処理、アルキルシラン処理、金属石鹸処理、水溶性高分子処理、アミノ酸処理、N−アシルアミノ酸処理、レシチン処理、有機チタネート処理、ポリオール処理、アクリル樹脂処理、メタクリル樹脂処理、ウレタン樹脂処理等の表面処理を行ってもよい。その場合は、表面処理した状態で測定した一次粒子径を指す。
これらの(A1)微粒子酸化チタンの市販品としては、TTO−51、TTO−55(共に石原産業社製)、MT−500SA、MT−600B(共にテイカ社製)等が挙げられる。これらの市販品の粒子径は、前記粒径分布に含まれていることを確認している。
また、これらの(A1)微粒子酸化チタンは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】
(A2)粒子径0.3〜3μmの酸化チタン(以下、大粒径酸化チタンともいう)としては、自然な仕上がりを得る点から、粒子径0.4〜3μmのものが好ましく、粒子径0.4〜2μmのものがより好ましい。
これらの(A2)大粒径酸化チタンの平均一次粒子径は、自然な仕上がりを得る点から、0.4μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、2μm以下が好ましく、1.5μm以下がより好ましい。これらの(A2)大粒径酸化チタンの一次粒子径は、走査型電子顕微鏡により撮影した画像のFeret定方向接線径であり、その質量基準の粒度分布は画像解析装置を用いて測定できる。なお、(A2)大粒径酸化チタンの形状は板状、針状、球状等を問わない。また、(A2)大粒径酸化チタンは、その分散性を高めるため、フッ素化合物処理、シリコーン処理、アルキル処理、アルキルシラン処理、金属石鹸処理、水溶性高分子処理、アミノ酸処理、N−アシルアミノ酸処理、レシチン処理、有機チタネート処理、ポリオール処理、アクリル樹脂処理、メタクリル樹脂処理、ウレタン樹脂処理等の表面処理を行ってもよい。その場合は、表面処理した状態で測定した一次粒子径を指す。
これらの(A2)大粒径酸化チタンの市販品としては、MP−70、MP−100(共にテイカ社製)、ST−750(チタン工業社製)等が挙げられる。
これらの市販品の粒子径は、前記粒径分布に含まれていることを確認している。
また、これらの(A2)大粒径酸化チタンは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0011】
(A1)微粒子酸化チタン及び(A2)大粒径酸化チタンは、塗布直後の仕上りの青みを抑制し、透明性のある隠蔽力を与える点から、成分(A)全量中に合計(総和)で、90質量%以上含有するのが好ましく、95質量%以上含有するのがより好ましく、98質量%以上含有するのがさらに好ましく、100質量%含有するのがよりさらに好ましい。成分(A)中に配合される成分(A1)及び成分(A2)以外の酸化チタン(A3)としては、粒子径が0.1μm超0.3μm未満の酸化チタンが挙げられる。当該(A3)酸化チタンの市販品としては、CR−50(石原産業社製)、JR−800(テイカ社製)等が挙げられる。
【0012】
成分(A)の粉末化粧料全量中の含有量は、透明感のある隠蔽力と紫外線防御効果を与える点から、1質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、2.5質量%以上がよりさらに好ましく、25質量%以下が好ましく、22質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がよりさらに好ましい。また、成分(A)の粉末化粧料全量中の含有量は、1〜25質量%であり、1.5〜22質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましく、2.5〜15質量%がさらに好ましい。成分(A)が1質量%未満では、十分な隠蔽力と十分な紫外線防御効果が得られない。
【0013】
成分(A1)の粉末化粧料全量中の含有量は、紫外線防御効果や塗布後の白浮きを抑え、透明感のある仕上がりを与える点から、0.5質量%以上が好ましく、0.7質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、1.2質量%以上がよりさらに好ましく、13質量%以下が好ましく、11質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下がよりさらに好ましい。また、成分(A1)の粉末化粧料全量中の含有量は、0.5〜13質量%が好ましく、0.7〜11質量%がより好ましく、1〜10質量%がさらに好ましく、1.2〜5質量%がよりさらに好ましい。なお、成分(A1)を表面処理した場合、成分(A1)の含有量は、表面処理した剤を含めての質量を意味する。
【0014】
成分(A2)の粉末化粧料全量中の含有量は、塗布後の肌の青白さを抑え、自然な仕上がりを与える点から、0.3質量%以上が好ましく、0.4質量%以上がより好ましく、0.6質量%以上がさらに好ましく、0.8質量%以上がよりさらに好ましく、12質量%以下が好ましく、11質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。また、成分(A2)の粉末化粧料全量中の含有量は、0.3〜12質量%が好ましく、0.4〜11質量%がより好ましく、0.6〜10質量%がさらに好ましく、0.8〜10質量%がよりさらに好ましい。なお、成分(A2)を表面処理した場合、成分(A2)の含有量は、表面処理した剤を含めての質量を意味する。
【0015】
成分(A1)に対する成分(A2)の質量割合(A2/A1)は、紫外線防御効果、自然な仕上がり、肌を明るく見せる点から、0.11以上が好ましく、0.15以上がより好ましく、0.2以上がさらに好ましく、9以下が好ましく、6以下がより好ましく、4以下がさらに好ましく、2以下がよりさらに好ましい。また、質量割合(A2/A1)は、0.11〜9が好ましく、0.15〜6がより好ましく、0.2〜4がさらに好ましく、0.2〜2がさらに好ましい。
【0016】
(B)タルクとしては、塗布中の滑らかさや塗布後の肌への密着性を高める点から、粒子径1〜70μmの範囲にあるものが好ましく、粒子径2〜60μmの範囲にあるものがより好ましい。これらの(B)タルクは、粒子径10μm以上のものを主成分とするタルクと、粒子径10μm未満のものを主成分とするタルクとを混合して用いるのが、厚ぼったさを抑制する点が好ましい。(B)タルク中の粒子径10μm未満のものを主成分とするタルクの割合は、より厚ぼったさを抑制する点から29質量%以上が好ましく、29〜45質量%がより好ましく、29〜40質量%がさらに好ましい。
【0017】
本発明の粉末化粧料において、(B)タルクの含有量は20〜65質量%である。(B)タルクの含有量は、塗布中の滑らかさや塗布後の肌への密着性を高める点から、25質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、55質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、また、(B)タルクの含有量は、25〜55質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましい。
【0018】
また、本発明においては、成分(B)に対する成分(A1)+成分(A2)の総和の質量の割合〔((A1)+(A2)/(B))〕は、紫外線防御効果を維持しつつ、塗布後の粉立ちを防止し、仕上がりの白浮き、厚ぼったさの抑制、艶感、透明感のある仕上がりを提供する点から、0.4以下であり、0.02以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上がさらに好ましく、0.38以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。また、成分(B)に対する成分(A1)+成分(A2)の総和の質量の割合〔((A1)+(A2)/(B))〕は、0.02〜0.4が好ましく、0.05〜0.38がより好ましく、0.1〜0.3がさらに好ましい。
【0019】
本発明に用いられる(C)25℃で液状の油成分とは、25℃で流動性とする油性成分であり、流動性を有する限りペースト状の油性成分も含まれる。
かかる(C)25℃で液状の油成分としては、通常の化粧料に用いられるものであれば良く、例えば、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン、ミネラルオイル、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐の炭化水素油;アボガド油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、パーム油。ヤシ油、ヒマシ油、ホホバ油、ヒマワリ油、ツバキ油、トウモロコシ油等の植物油;液状ラノリン等の動物油;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸オレイル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール等の脂肪酸エステル;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油、クリーム状やペースト状として、トリラノリン脂肪酸グリセリル、軟質ラノリン脂肪酸、ワセリン、分岐又はヒドロキシル化した脂肪酸コレステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット等)、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド、乳酸ミリスチル、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、ダイマージリノール酸(フィトルテリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、オレイン酸フィトステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)が挙げられる。
【0020】
成分(C)の含有量は、粉末化粧料としての形態を維持する点、肌への付着性の点、塗布後のべたつき防止の点から、0.5質量%以上であり、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、7質量%以下であり、6質量%以下が好ましい。また、成分(C)の含有量は、粉末化粧料中に0.5〜7質量%であり、1〜6質量%が好ましく、2〜6質量%がより好ましい。
【0021】
本発明に用いられる(D)疎水化処理した成分(A)以外の着色顔料は、化粧料に用いられる着色顔料(成分(A)以外)を疎水化処理したものである。着色顔料を疎水化処理することにより、塗布後の経時による色ぐすみが軽減される。
疎水化処理手段としては、フッ素化合物処理、シリコーン処理、アルキル処理、アルキルシラン処理、金属石鹸処理、水溶性高分子処理、アミノ酸処理、N−アシルアミノ酸処理、レシチン処理、有機チタネート処理、ポリオール処理、アクリル樹脂処理、メタクリル樹脂処理、ウレタン樹脂処理等の表面処理が挙げられる。
成分(A)以外の着色顔料としては、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラ、紺青、群青、酸化クロム、水酸化クロム等の金属酸化物、マンガンバイオレット、チタン酸コバルト等の金属錯体、更にカーボンブラック等の無機顔料;赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色405号、赤色505号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色401号、青色1号、青色404号等の合成有機顔料;β−カロチン、カラメル、パプリカ色素等の天然有機色素等が挙げられる。なお、着色顔料を疎水化処理した場合、成分(D)の含有量は、疎水化処理した剤を含めての質量を意味する。
【0022】
成分(D)は、粉末化粧料中に、適度な隠ぺい力と着色力を与える点から、0.01〜20質量%含有するのが好ましく、0.05〜17質量%含有するのがより好ましくは、0.1〜15質量%含有するのがさらに好ましく、0.3〜10質量%含有するのがさらに好ましい。
【0023】
本発明の粉末化粧料には、前記成分以外に、成分(A)、(B)及び(D)以外の粉体、25℃で固形状の油剤、フッ素化合物、樹脂、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤等を含有することができる。
【0024】
成分(A)、(B)及び(D)以外の粉体としては、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン、ベンガラ被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、紺青被覆雲母チタン、黒酸化鉄被覆雲母チタン等のパール顔料、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素、酸化亜鉛、微粒子酸化亜鉛等が挙げられる。
これらの粉体は、前記成分(D)と同様の表面処理が行なわれていてもよい。
【0025】
25℃で固形状の油剤としては、カルナバロウ、キャンデリラロウ、セレシン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス等のロウ、ポリエチレンワックス、エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー、エチレンプロピレンポリマー等が挙げられる。
【0026】
溶媒の例としては、精製水、エチルアルコール、プロピルアルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、カプリリルグリコール、ペンチレングリコール、グリセリン、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール等のアルコール、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、次世代フロン等が挙げられる。
【0027】
界面活性剤としては、例えばアニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤、ベタイン型界面活性剤を用いることができる。
【0028】
増粘剤、樹脂の例としては、ポリアクリル酸ナトリウム、セルロースエーテル、アルギン酸カルシウム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体、窒素置換アクリルアミド系ポリマー、ポリアクリルアミド、カチオン化グアーガム等のカチオン系ポリマー、ジメチルアクリルアンモニウム系ポリマー、アクリル酸メタクリル酸アクリル共重合体、POE/POP共重合体、ポリビニルアルコール、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン、セルロース、ポリエチレンイミン、高重合ポリエチレングリコール、カチオン化シリコーン重合体、合成ラテックス等が挙げられる。
【0029】
本発明の粉末化粧料は、皮膚に塗布する際に粉末状になる化粧料であり、肌に塗布する前の形態は固形状であってもよい。具体的には、パウダーファンデーション、フェイスパウダー、白粉、ほほ紅、アイシャドウ等のメイクアップ化粧料;ボディパウダー、ベビーパウダー等のボディパウダーの形態が挙げられ、なかでも、パウダーファンデーション、フェイスパウダー、白粉が好ましい。粉末化粧料は、常法、例えば、前記成分を成型工程を伴わない粉末状でも良く、また、前記成分を容器に充填し、圧縮成型することにより製造することもできる。
【0030】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の組成物を開示する。
【0031】
<1>次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)酸化チタン 1〜25質量%、
(B)タルク 20〜65質量%、
(C)25℃で液状の油成分 0.5〜7質量%、及び
(D)疎水化処理した成分(A)以外の着色顔料を含有し、
前記(A)酸化チタンが、(A1)粒子径0.01〜0.1μmの酸化チタン及び(A2)粒子径0.3〜3μmの酸化チタンを含有し、成分(B)に対する成分(A1)+成分(A2)の総和の質量割合〔((A1)+(A2))/(B)〕が0.4以下である粉末化粧料。
【0032】
<2>成分(A1)が、好ましくは粒子径0.01〜0.09μmのもの、より好ましくは0.01〜0.08μmのものである<1>記載の粉末化粧料。
<3>成分(A1)の平均一次粒子径が、好ましくは0.01〜0.09μm、より好ましくは0.015〜0.07μmである<1>又は<2>記載の粉末化粧料。
<4>成分(A1)が、表面処理された酸化チタンである<1>〜<3>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<5>成分(A2)が、好ましくは粒子径0.4〜3μmのもの、より好ましくは粒子径0.4〜2μmのものである<1>〜<4>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<6>成分(A2)の平均一次粒子径が、好ましくは0.4μm以上、より好ましくは0.5μm以上、また好ましくは2μm以下、より好ましくは1.5μm以下である<1>〜<5>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<7>成分(A2)が、表面処理された酸化チタンである<1>〜<6>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<8>成分(A1)及び成分(A2)が、合計で成分(A)全量中に、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上、さらに好ましくは100質量%含有する<1>〜<7>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<9>成分(A)中に、(A3)粒子径が0.1μm超0.3μm未満の酸化チタンを含有する<1>〜<8>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<10>成分(A)の粉末化粧料全量中の含有量が、1質量%以上、好ましくは1.5質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは2.5質量%以上であり、また25質量%以下、好ましくは22質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である<1>〜<9>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<11>成分(A)の粉末化粧料全量中の含有量が、好ましくは1.5〜22質量%、より好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは2.5〜15質量%である<1>〜<10>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<12>成分(A1)の粉末化粧料全量中の含有量が、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.7質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは1.2質量%以上であり、好ましくは13質量%以下、より好ましくは11質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは5質量%以下である<1>〜<11>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<13>成分(A1)の粉末化粧料全量中の含有量が、好ましくは0.5〜13質量%、より好ましくは0.7〜11質量%、さらに好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは1.2〜5質量%である<1>〜<12>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<14>成分(A2)の粉末化粧料全量中の含有量が、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上、さらに好ましくは0.6質量%以上、さらに好ましくは0.8質量%以上であり、また、好ましくは12質量%以下、より好ましくは11質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である<1>〜<13>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<15>成分(A2)の粉末化粧料全量中の含有量が、好ましくは0.3〜12質量%、より好ましくは0.4〜11質量%、さらに好ましくは0.6〜10質量%、さらに好ましくは0.8〜10質量%である<1>〜<14>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<16>成分(A1)に対する成分(A2)の質量割合(A2/A1)が、0.11以上、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.2以上であり、また9以下、好ましくは6以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは2以下である<1>〜<15>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<17>成分(A1)に対する成分(A2)の質量割合(A2/A1)が、0.11〜9、好ましくは0.15〜6、より好ましくは0.2〜4、さらに好ましくは0.2〜2である<1>〜<16>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<18>(B)タルクが、好ましくは粒子径1〜70μmの範囲、より好ましくは粒子径2〜60μmの範囲あるものである<1>〜<17>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<19>(B)タルクの含有量が、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、また好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である<1>〜<18>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<20>(B)タルクの含有量は、好ましくは25〜55質量%、より好ましくは30〜50質量%である<1>〜<19>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<21>成分(B)に対する成分(A1)+成分(A2)の総和の質量の割合〔((A1)+(A2)/(B))〕が、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.1以上であり、また好ましくは0.38以下、より好ましくは0.3以下である<1>〜<20>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<22>成分(B)に対する成分(A1)+成分(A2)の総和の質量の割合〔((A1)+(A2)/(B))〕が、好ましくは0.02〜0.4、より好ましくは0.05〜0.38、さらに好ましくは0.1〜0.3である<1>〜<21>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<23>成分(C)が、炭化水素油、植物油、動物油、脂肪酸エステル、シリコーン油、フッ素油及びクリーム状又はペースト状の油性成分から選ばれる1種又は2種以上である<1>〜<22>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<24>成分(C)の含有量が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上であり、また好ましくは6質量%以下である<1>〜<23>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<25>成分(C)の含有量が、好ましくは1〜6質量%、より好ましくは2〜6質量%である<1>〜<24>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<26>成分(D)の疎水化処理手段が、フッ素化合物処理、シリコーン処理、アルキル処理、アルキルシラン処理、金属石鹸処理、水溶性高分子処理、アミノ酸処理、N−アシルアミノ酸処理、レシチン処理、有機チタネート処理、ポリオール処理、アクリル樹脂処理、メタクリル樹脂処理及びウレタン樹脂処理から選ばれるものである<1>〜<25>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<27>成分(D)が、金属酸化物、金属錯体、無機顔料、合成有機顔料及び天然有機色素から選ばれる着色顔料を疎水化処理したものである<1>〜<26>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<28>成分(D)の含有量が、粉末化粧料中に好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.05〜17質量%、さらに好ましくは0.1〜15質量%、さらに好ましくは0.3〜10質量%である<1>又は<27>のいずれかに記載の粉末化粧料。
<29>粉末化粧料が、メイクアップ化粧料である<1>〜<28>のいずれかに記載の粉末化粧料。
【0033】
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0034】
実施例1〜12及び比較例1〜6
表1〜表3記載の処方に従って、粉末化粧料を製造した。得られた粉末化粧料を用いて、パネラー10名に使用してもらい、下記各項目について評価した。その結果を表1〜表3に示す。
【0035】
(製造方法)
表1〜表3に示す組成の粉体成分を、ヘンシェルミキサーを用いて均一混合し、これに油性成分を加えて更に混合した後、アトマイザーを用いて粉砕し、ふるいを通してフェイスパウダーを得た。
【0036】
(評価方法)
(1)紫外線防御効果
実施例及び比較例の粉末化粧料に関して化粧品用 SPFアナライザー(Labsphere社製 UV−2000S)を用いてINVITROの評価系で試験を行った。具体的にはヘリオプレートHD6(HELIOPLATETM HD6)を基盤に用いて、実施例及び比較例の粉末化粧料をそれぞれ別々のヘリオプレートHD6全体へ均一に塗布した。塗布量は1プレート当たり、0.0135±0.0005gとなるように調整した。その後、室温化で1時間静置したのちSPFアナライザーを用いてプレートのSPF値を9点測定し、その平均値を得た。実施例1の測定値を1.0とした場合の相対値を求め、紫外線防御能を3段階に分け、評価した結果を示す。
【0037】
○:0.7以上
△:0.5以上0.7未満
×:0.5未満
【0038】
(2)塗布時及び塗布後の評価
パネラー10名が、各粉末化粧料をスポンジで顔に塗布し、塗布時の「きしみのなさ」、塗布直後の「隠蔽力」、「自然な肌の仕上がり」、「仕上がりの青みのなさ」、「仕上がりの白浮きのなさ」、「仕上がりの厚ぼったさ」、「べたつきのなさ」、「粉立ち」、塗布3時間後の「皮脂によるくすみのなさ」を専門パネラーが以下の基準で評価した。結果を10名の積算値で示す。
【0039】
(1−1)塗布時のきしみのなさ:
5;きしみが全くない。
4;きしみがない。
3;きしみがあまりない。
2;きしみがややある。
1;きしみがかなりある。
(1−2)塗布直後の隠蔽力:
5;隠蔽力がかなりある。
4;隠蔽力がある。
3;隠蔽力がややある。
2;隠蔽力がない。
1;隠蔽力が全くない。
(1−3)塗布直後の自然な肌の仕上り:
5;自然な肌の仕上りがかなりある。
4;自然な肌の仕上りがある。
3;自然な肌の仕上りがややある。
2;自然な肌の仕上りがない。
1;自然な肌の仕上りが全くない。
【0040】
(1−4)塗布直後の仕上りの青みのなさ:
5;仕上りの青みが全くない。
4;仕上りの青みがない。
3;仕上りの青みがあまりない。
2;仕上りの青みがややある。
1;仕上りの青みがかなりある。
(1−5)塗布直後の仕上りの白浮きのなさ:
5;仕上りの白浮きが全くない。
4;仕上りの白浮きがない。
3;仕上りの白浮きがあまりない。
2;仕上りの白浮きがややある。
1;仕上りの白浮きがかなりある。
(1−6)塗布直後の仕上りの厚ぼったさ:
5;仕上りの厚ぼったさが全くない。
4;仕上りの厚ぼったさがない。
3;仕上りの厚ぼったさがあまりない。
2;仕上りの厚ぼったさがややある。
1;仕上りの厚ぼったさがかなりある。
【0041】
(1−7)塗布直後のべたつきのなさ:
5;べたつきが全くない。
4;べたつきがない。
3;べたつきがあまりない。
2;べたつきがややある。
1;べたつきがかなりある。
(1−8)塗布直後の粉立ちのなさ:
5;粉立ちが全くない。
4;粉立ちがない。
3;粉立ちがあまりない。
2;粉立ちがややある。
1;粉立ちがかなりある。
(1−9)塗布3時間後の皮脂によるくすみのなさ:
5;皮脂によるくすみが全くない。
4;皮脂によるくすみがない。
3;皮脂によるくすみがあまりない。
2;皮脂によるくすみがややある。
1;皮脂によるくすみがかなりある。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
表1〜表3より、成分(A2)を配合しない粉末化粧料(比較例1及び6)は、紫外線防御効果は優れているものの、仕上がりが青みをおび、白浮き、厚ぼったさを有し、粉立ちが見られた。一方、成分(A1)を配合しない粉末化粧料(比較例2)は、紫外線防御効果が十分ではなかった。また、成分(B)の含有量が20質量%未満で、〔((A1)+(A2))/(B)〕が0.4を超える粉末化粧料(比較例3)は、隠蔽力が劣り、仕上がりが青みをおび、白浮き、厚ぼったさを有し、粉立ちが見られ、3時間後の皮脂によるくすみが十分ではなかった。成分(A)の合計量が1質量%未満である粉末化粧料(比較例4)は、紫外線防御効果が十分でなく、隠蔽力も低かった。成分(C)の含有量が7質量%を超える粉末化粧料(比較例5)は、べたつきが見られ、3時間後の皮脂によるくすみが十分ではなかった。これに対し、本発明の粉末化粧料は、優れた紫外線防御効果を有し、べたつきがなく、透明感のある自然な仕上がりが得られた。
【0046】
(製造方法)
成分(A)、(B)、及び(D)を含むすべての粉体成分を混合・粉砕した後、成分(C)及び油成分を加えて混合し、得られた混合物をさらに粉砕機で粉砕した。ここで得られた粉砕物を、容器に充填し、充填量9.5g、成型圧1200kgで成型して、固形粉末化粧料を得た。
【0047】
実施例13
(処方例)パウダーファンデーション(固形粉末化粧料)
(A1)フッ素処理3質量%処理酸化チタン
テイカ社製:MT-500SA(平均粒子径0.035μm、粒子径0.01〜0.09μm) 6.0質量%
(A2)シリコン処理1質量%処理酸化チタン
テイカ社製:MP-100(平均粒子径1μm、粒子径0.4〜2μm) 6.0質量%
(A3)シリコン処理3質量%処理酸化チタン
石原産業社製:CR-50(平均粒子径0.25μm、粒子径0.15〜0.35μm) 2.0質量%
(B)シリコン処理3質量%タルク
浅田製粉社製:特-SW(平均粒子径18μm、粒子径2〜60μm) 14.0質量%
(B)フッ素処理3質量%処理タルク
浅田製粉社製:JA-13R(平均粒子径:5.6μm、粒子径2〜20μm) 16.8質量%
(C)ミネラルオイル 0.5質量%
(C)パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシル 2.0質量%
(C)イソノナン酸イソノニル 1.8質量%
(C)メチルポリシロキサン
信越化学工業社製:KF−96A−6CS 2.7質量%
(D)フッ素処理3質量%処理ベンガラ 1.8質量%
(D)フッ素処理3質量%処理黄酸化鉄 4.5質量%
(D)フッ素処理3質量%処理黒酸化鉄 0.7質量%
マイカ 13.0質量%
フッ素処理3質量%処理
酸化亜鉛/酸化チタン 被覆マイカ 2.0質量%
シリコン処理2質量%合成金雲母
トピー工業社製:PDM-20L(平均粒子径20μm) 10.0質量%
フッ素処理3質量%セリサイト 10.0質量%
シリカ 1.5質量%
架橋型シリコーン末 1.5質量%
シリコーン樹脂
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製:トスパール145A
2.0質量%
1,3−ブチレングリコール 0.3質量%
オクチルドデカノール 0.5質量%
防腐剤 0.4質量%
【0048】
実施例14
(処方例)パウダーファンデーション(固形粉末化粧料)
(A1)フッ素処理3質量%処理酸化チタン
テイカ社製:MT-500SA(平均粒子径0.035μm、粒子径0.01〜0.09μm) 4.0質量%
(A2)シリコン処理1質量%処理酸化チタン
テイカ社製:MP-100(平均粒子径1μm、粒子径0.4〜2μm) 8.0質量%
(A3)シリコン処理3質量%処理酸化チタン
石原産業社製:CR-50(平均粒子径0.25μm、粒子径0.15〜0.35μm) 4.2質量%
(B)シリコン処理3質量%タルク
浅田製粉社製:特-SW(平均粒子径18μm、粒子径2〜60μm) 18.0質量%
(B)フッ素処理3質量%処理タルク
浅田製粉社製:JA-13R(平均粒子径:5.6μm、粒子径2〜20μm) 20.0質量%
(C)ミネラルオイル 0.8質量%
(C)パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシル 1.0質量%
(C)イソノナン酸イソノニル 2.4質量%
(C)メチルポリシロキサン
信越化学工業社製:KF−96A−6CS 1.2質量%
(D)フッ素処理3質量%処理ベンガラ 1.5質量%
(D)フッ素処理3質量%処理黄酸化鉄 4.0質量%
(D)フッ素処理3質量%処理黒酸化鉄 0.5質量%
板状硫酸バリウム 5.0質量%
窒化ホウ素 7.0質量%
酸化チタン被覆マイカ 1.0質量%
シリコン処理2質量%合成金雲母
トピー工業社製:PDM-20L(平均粒子径20μm) 10.0質量%
フッ素処理3質量%セリサイト 4.0質量%
ナイロンパウダー 3.0質量%
架橋型シリコーン末 2.0質量%
シリコーン樹脂
モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製:トスパール145A
1.0質量%
オクチルドデカノール 1.0質量%
防腐剤 0.4質量%