(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作部は、上端が前記アームの前端へ回転可能に軸着され、下端に設けたロック棒を前後に揺動させることで前記係止部に設けた前後方向の受け溝に係脱させるものであって、前記受け溝の上側の内面に、前記ロック棒を前記受け溝の奥側へ誘導する前下がりの傾斜面を形成したことを特徴とする請求項1に記載の圧力フライヤー。
前記ロック部材の先端部に、前記操作部に設けた係止凹部に係止可能な係止凸部を設けて、前記係止凹部へ前記係止凸部が係止することで前記操作部の引き出し操作を規制することを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力フライヤー。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3は、圧力フライヤーの一例を示す説明図で、
図1は斜視図、
図2は平面図、
図3は中央縦断面図である。圧力フライヤー1は、骨組みとなるフレーム3とその外側に張られる図示しないパネル(但し、
図2では上面パネル4のみ示している。)とからなる四角箱状のハウジング2の中央に、平面視が四角形状の油槽5を、上端の開口6を上面パネル4から上方へ突出させた状態で設置して、加熱手段としてのパルス燃焼器7によって油槽5内に収容した調理油を加熱可能としたものである。上面パネル4には、油槽5の開口6を開閉可能な蓋体8が設けられている。9,9・・はハウジングの下面四隅に設けたキャスタである。
【0010】
パルス燃焼器7は、油槽5の前側内面に設けられて燃料ガスと燃焼用空気との混合ガスを燃焼させる燃焼室10と、その燃焼室10からの燃焼排気が排出されて油槽5の内面に沿って周回するテールパイプ11とを有する。燃焼室10には、油槽5の前側外面に設けられたエアチャンバ12内の混合室13が接続されており、この混合室13には、ハウジング2内のファン14から配管を介して燃焼用空気が供給されると共に、電磁弁を有する点滅器15を備えたガス導管16から燃料ガスが供給される。
【0011】
テールパイプ11の下流側は、エアチャンバ12を介して左右の排気管17,17と接続され、さらにデカプラ18等を介してハウジング2の後方に設置した立ち上がり部19内に導かれて、燃焼排気を排気筒20から排出可能としている。立ち上がり部19と油槽5の上部とは、2つの蒸気排出管21,22によって接続されており、一方の蒸気排出管21は、定圧弁23を備えて調理時に油槽5内の圧力が所定値以上に高まった場合に圧力を立ち上がり部19内に逃がすことで、油槽5内の圧力を一定に保つ。他方の蒸気排出管22は、開放弁24を備えて調理終了直前に開放弁24を開放することにより、油槽5内の圧力を立ち上がり部19内に逃がし、油槽5内の圧力を常圧にまで低下させる。立ち上がり部19は、内部に導入された蒸気から油分等を分離する油分分離器を有し、油分を分離した蒸気を上面の排気口25から排出する。
【0012】
一方、ハウジング2内で油槽5の下部には、排油管26によって油槽5の底部に接続されるオイルタンク27が設けられ、オイルタンク27に設けたフィルタ28で濾過した調理油をポンプ29によって戻り管30を介して油槽5内に戻すことで、調理油のフィルタリングが可能となっている。
31は、ハウジング2の側面側下部に設けられたバーナコントローラで、バーナコントローラ31には、点滅器15の電磁弁と、油槽5内に設けた図示しない温度センサとが接続されており、温度センサからの温度検出信号に基づいて、油槽5内の油温を調理温度(例えば180℃〜182℃)に維持するように、点滅器15の電磁弁を開閉させて燃焼室10内での混合気の燃焼を断続的に行うON/OFF制御を実行する。また、ハウジング2の正面側上部には、操作ボタンや表示部等を有する操作パネル33を備え、調理モードや保温モード、調理温度等を設定してバーナコントローラ31に入力指示するフライコントローラ32が設けられている。
【0013】
そして、蓋体8は、角筒状のアーム34と、そのアーム34に連結されて油槽5の開口6に外嵌可能なアルミ製の蓋本体35とを有する。アーム34の長手方向中央には、上端に十字状のハンドル37を備えたハンドル軸36が螺合しており、ハンドル軸36の下端に蓋本体35の上面中央が連結されている。ここではアーム34の後端が、油槽5の後方に設けた左右方向の回転軸38によって回転可能に連結されることで、蓋体8は、
図3,4に実線で示す倒伏位置から、
図3に二点鎖線で示す起立位置まで起伏動作可能となっている。
まず、蓋本体35は、
図5,6に示すように、前後(
図5の左側を前方とし、上下方向は水平状態として説明する。)方向に長い平面視四角形状で、上面には、中央に位置する四角形状の平坦部39と、その周囲に形成されて外周へ行くに従って徐々に下り傾斜するテーパ部40とが形成されている。平坦部39の中心に形成した円形凹部41には、円盤状の上下2つの上ガイド板42及び下ガイド板43が、4本のボルト44,44・・で固定されている。
【0014】
この下ガイド板43の中央に凹設した凹部45には、
図7にも示すように、下側外周にフランジ47を周設した玉受け部材としての円盤状の玉受け皿46が嵌合される。上ガイド板42は、玉受け皿46が中央に嵌合するリング状となっているが、内周には、フランジ47に上方から被さるストッパ48が周設されて、玉受け皿46を抜け止めしている。但し、玉受け皿46は、上下ガイド板42,43との間で僅かな遊びを残した状態で組み付けられ、その組み付け状態で玉受け皿46は平面視で360°全放射方向で微動可能且つ回転可能となっている。
また、玉受け皿46の上面中央には、外径が後述するスチールボール93の露出部分よりも大径となり、底側へ行くに従って縮径して内径が当該露出部分よりも小径となるテーパリング状の第1凹部50と、第1凹部50から連続してその中心に位置する凹球面状の第2凹部51とからなる受け凹部49が形成されている。組み付け状態で玉受け皿46の上面と上ガイド板42の上面とは、平坦部39と面一となっている。
【0015】
さらに、平坦部39における左右方向の中央には、円形凹部41と連通する取付溝52が、円形凹部41を中心とした前後方向に形成されている。取付溝52において円形凹部41を挟んだ前後両端には、一対の蓋リフト53,53が、
図8に示すように蓋本体35を裏面から貫通する2本のボルト54,54によって固定されている。各蓋リフト53には、円形凹部41側の端部を大径とした一対の連結ピン55,55が、前後方向へスライド可能に貫通している。連結ピン55,55同士は、
図9に示すように、円形凹部41と反対側で蓋リフト53から突出させた端部に固定部材としての固定板56を貫通させ、ナット57を螺合することで互いに連結されており、蓋リフト53内で大径部分の後方に外装した付勢手段としてのコイルバネ58により、同調して互いの対向側へ突出する位置に付勢されている。この連結ピン55は、蓋リフト53の取付状態で平坦部39よりも上方に位置している。また、前側の蓋リフト53の前方には、ロック部材としての棒状のレバーロック59の後端がボルト60,60で固定されて、前端を蓋本体35よりも前方へ突出させている。レバーロック59の先端部59aは、平坦部39よりも下方に向けてL字状に屈曲され、下端後面には、後方へ突出する係止凸部61が形成されている。
【0016】
一方、蓋本体35の周縁には、
図10にも示すように、油槽5の閉塞状態で開口6の上端外周を覆う被り部62が形成されている。また、蓋本体35の裏面には、被り部62よりも一回り小さい外形を有し、被り部62と同様に周回する周回リブ64,64と、蓋本体35の中心に位置する円形部65と、円形部65から放射状に伸びて周回リブ64と繋がる放射リブ66,66・・とからなる突出部63が、被り部62よりも低い高さで突設されている。この突出部63によって被り部62との間には全周に亘って嵌合溝67が形成され、嵌合溝67には、蓋本体35の裏面を覆う金属製の膜体68の外周縁がネジ69,69・・によって固定されると共に、その外側にパッキン70が全周に亘って嵌合されている。被り部62の下縁には、パッキン70の下面に係止してパッキン70を抜け止めする押さえ部71が形成されている。
膜体68は、中央の平坦面部72と、その平坦面部72から外周側へ行くに従って蓋本体35の裏面側へ近づく方向に傾斜する傾斜面部72aとを備えた浅いテーパ状で、平坦面部72の上面には、金属板である補強板73が内貼りされている。
【0017】
よって、膜体68は、補強板73が突出部63に接触する上昇位置と、補強板73が突出部63から離れる下降位置との間で変移可能となっている。蓋本体35における円形凹部41の前部には、貫通孔74が上下方向に形成され、その貫通孔74内に、下端に大径部76を形成した軸部材としての圧力安全ピン75が収容されて、上端を上下ガイド板42,43に貫通させている。圧力安全ピン75の側面には、
図11にも示すように、面取部77が形成されて、上下ガイド板42,43に形成した同形状の貫通孔との嵌合により、面取部77が前後方向となる位相で回転を規制された状態で貫通孔74内を上下移動可能となっている。圧力安全ピン75の上端で面取部77と反対側には、左外側へ向けて下り傾斜する傾斜部としての傾斜面78が形成されている。
【0018】
圧力安全ピン75における大径部76の上側には、付勢手段としてのコイルバネ79が巻回されて、
図7に二点鎖線で示すように、圧力安全ピン75を蓋本体35の裏側に突出付勢して大径部76を補強板73に当接させている。よって、膜体68は、常態では補強板73が蓋本体35の突出部63から離れる下降位置に付勢され、このときの圧力安全ピン75の上端は、上ガイド板42の上面から突出しないようになっている。
さらに、蓋本体35の後側の被り部62の後面には、左右方向に延び且つ蓋体35の起立状態で右側へ下り傾斜する受け皿80がネジ止めされて、受け皿80の右端には、排出筒81が連結されている。
【0019】
次に、アーム34の内部には、横断面コ字状のカウンターウエイト82が収容されて、ハンドル軸36は、カウンターウエイト82と共にアーム34を直交状に貫通して、中間部位に設けた雄ネジ部83を、アーム34の内部に収容された雌ネジ部84に螺合させている。この雌ネジ部84は、
図4,12に示すように、カウンターウエイト82内で図示しないボルトによって固定される第1雌ネジ部としての上雌ネジ部84Aと、その下側に位置してアーム34内で固定されない第2雌ネジ部としての下雌ネジ部84Bとに二分割されている。上雌ネジ部84Aの下面には、
図13に示すように、軸心と同心となる噛合部としての正方形状の上噛み合い突起85Aが形成されている。一方、下雌ネジ部84Bの上面には、上噛み合い突起85Aの相対向する一対の側面の外側に位置する噛合部としての一対の下噛み合い突起85B,85Bが形成されて、上噛み合い突起85Aと下噛み合い突起85Bとは、正逆何れの回転方向でも互いに噛合可能となっている。但し、上噛み合い突起85Aと下噛み合い突起85Bとの間には、回転方向で所定の遊びが形成されていると共に、上雌ネジ部84Aと下雌ネジ部84Bとは、上下方向に僅かな隙間(例えば1.25mm以下)を残した状態で雄ネジ部83に螺合されて、当該隙間にはグリースが溜められている。
図4において86は、アーム34の上側で上雌ネジ部84Aと共にボルト固定される継ぎ手、87は継ぎ手86にねじ込まれてハンドル軸36を抜け止めするロックナット、88は継ぎ手86を覆うアルミキャップである。
【0020】
また、ハンドル軸36で大径に形成される下端部36aには、下方から筒状のボール押さえ89が、軸心と直交するピン90によって組み付けられて、下端部36aの下面に形成した球面状の上凹部91と、ボール押さえ89の中央に形成した球面状の受け穴92との間で、スチールボール93を、下半分よりやや少ない下部分を露出させた状態で抜け止め保持している。下端部36aの下面とボール押さえ89の内側上面との間には、グリースが溜められる僅かな隙間を形成して、スチールボール93を回転可能としている。ボール押さえ89の下端外周には、放射状に開口する被係止部となる複数の切欠き95,95・・を周方向へ等間隔で形成した歯車状のフランジ部94が形成されている。
【0021】
さらに、ハンドル軸36の下端部36aには、連結部材としてのアーム側リフト96が設けられている。このアーム側リフト96は、
図4及び
図14,15に示すように、ハンドル軸36に貫通されてボール押さえ89を含む下端部36aの外周を覆う筒体で、上端には、下端部36aに上方から係止する係止部97が形成され、下端には、ボール押さえ89のフランジ部94の上側及び外側を覆う大径の連結部98が形成されている。
連結部98は、下端の開口が上下ガイド板42,43より大径となる円形キャップ状で、点対称位置には、蓋本体35の取付溝52に嵌合する嵌合部99,99が形成されると共に、蓋リフト53の連結ピン55,55が挿入可能な一対の挿入孔100,100がそれぞれ穿設されている。
【0022】
このアーム側リフト96は、連結部98の上側が、アーム34の下面に設けた長孔101を貫通してアーム34内に位置するが、長孔101は、左右に面取が形成された二面幅となっており、アーム側リフト96にも、長孔101と同形状のフランジ102が延設されている。すなわち、フランジ102の面取を長孔101の面取に合わせると、アーム側リフト96をフランジ102ごとアーム34内に差し込むことができ、差し込み状態でアーム側リフト96を90°回転させてフランジ102と長孔101との面取の位相をずらすことで、フランジ102をアーム34に係合させてアーム側リフト96を下方へ抜け止めすることができる。嵌合部99及び挿入孔100はフランジ102の面取と位相を合わせているため、アーム側リフト96の抜け止め状態では、嵌合部99及び挿入孔100はアーム34に沿った前後方向に位置することになる。
【0023】
一方、アーム34の前端では、
図16にも示すように、下端外側に把持棒104を、その内側にロック棒105を備えた操作部としての左右一対の三角形状の操作板103,103が、アーム34内に設けた連結軸106を中心に前後方向へ揺動可能に連結されている。操作板103,103の間でアーム34の下面には、連結軸106と平行な支持軸107を支持する倒コ字状の保持板108と、支持軸107の下方に位置する縦向きの前カバー109と、前カバー109の後方に位置する傾斜状の規制板110とがそれぞれ架設されている。支持軸107の両端には、一端が保持板108に当接し、他端が前カバー109と規制板110との間に保持される一対のトーションスプリング111,111が外装されて、操作板103,103を、規制板110の上端で縦向きに設けた上板部112が保持板108の後板108aに当接してロック棒105と連結軸106とを結ぶ線がアーム34と直交状となる内側位置に付勢している。保持板108の後板108aの左右方向の中央には、切欠部113が形成され、上板部112における切欠部113の前方には、係止凹部114が形成されている。また、支持軸107の中間部でトーションスプリング111,111の間には、レバー押さえバネ115が設けられている。
【0024】
このように形成されるアーム34と蓋本体35とは、ハンドル軸36の下端のアーム側リフト96を、蓋本体35の蓋リフト53,53の間に位置させて、蓋リフト53の連結ピン55,55を連結部98の挿入孔100,100にそれぞれ挿入させると、蓋本体35は、蓋リフト53,53及びアーム側リフト96を介してハンドル軸36の下端に吊り下げ状態で連結される。この吊り下げ状態では、前述のようにアーム側リフト96はフランジ102によってアーム34に抜け止めされているので、万一ハンドル軸36が折れたりしても、アーム側リフト96によって蓋本体34の吊り下げ支持は維持される。
蓋本体35との連結状態でハンドル軸36に設けたスチールボール93は、その露出部分が、玉受け皿46の受け凹部49の第2凹部51に嵌合する。このときスチールボール93と第2凹部51との間に芯ずれがあっても、スチールボール93が第1凹部50へ当接することで玉受け皿46が下ガイド板43上で微動して芯ずれを修正し、スチールボール93を第2凹部51へ確実に嵌合させる。また、ボール押さえ89のフランジ部94は、切欠き95,95・・と圧力安全ピン75とが同心円上となる位置で上ガイド板42の上方に位置している。
【0025】
このとき、レバーロック59の先端は、保持板108の後板108aの切欠部113を貫通して規制板110の前方に突出している。レバー押さえバネ115は、レバーロック59の先端部59aの上面に当接して先端部59aを下向きに付勢している。先端部59aの係止凸部61は、アーム34に対して蓋体35が下限位置にある場合にのみ、規制板110の係止凹部114の前方に位置するようになっている。
一方、アーム34の後端には、
図1,2に示すように、左右一対の連結板116,116が直交状に連結されており、この連結板116,116の下端が、油槽5の後方で上面パネル4に立設した左右一対の軸支板117,117の上端に、回転軸38によって回転可能に連結されている。連結板116と回転軸38とは、回転方向で一体に固定されている。回転軸38には、一対のねじりコイルバネ118が、巻き方向及び両端位置が鏡面対称となるように外装されて、両ねじりコイルバネ118の中央で隣接する各下端が、軸支板117,117の後端間を繋ぐ係止バー119の内側に係止する一方、左右の外側に位置する各上端が、アーム34の下面に係止して、アーム34を油槽5の開放側へ回転付勢している。
【0026】
なお、蓋体8は、各連結板116と軸支板117との間に設けた図示しないストッパにより、
図3に実線で示す0°となる倒伏位置から、二点鎖線で示す後方へ87°回転した起立位置で回転が規制される。起立位置は、鉛直方向の90°からやや前傾した位置となっているが、蓋体8の重心Gは、回転軸38の軸心O1より後方、すなわち回転軸38の軸心O1を通る鉛直方向の仮想線Lよりも後方に位置するように設定されている。従って、蓋体8は、87°の前傾姿勢であってもその起立位置が保持されることになる。
【0027】
この蓋体8の起立位置では、受け皿80で受けられた油が、排出筒81に集められ、図示しない送り管を介して立ち上がり部19に送られる。
一方、油槽5の前面には、
図16に示すように、蓋本体35による油槽5の閉塞状態でロック棒105が係止可能な係止部としての左右一対の係止板120,120が突設されている。各係止板120には、前方に開口する受け溝121が前後方向に形成されている。各係止板120において、上面及び受け溝121における上側の内面には、前下がりの上傾斜面120a及び下傾斜面121aがそれぞれ形成されている。
【0028】
以上の如く構成された圧力フライヤー1においては、加圧調理を行う場合、油槽5に調理油を満たして食材を収容した状態で、蓋体8を閉じる。すなわち、ハウジング2の正面側から把持棒104を把持して操作板103,103を外側へ揺動させながらアーム34を手前に回転させると、蓋本体35も追従して前方へ回転し、油槽5の開口6の上方に移動する。このとき、起立位置の蓋体8は、前述のように90°から前傾した姿勢である上、アーム34から前方へ突出する操作板103の前端に把持棒104が設けられているので、作業者は油槽5の上方に大きく体を乗り出すことなく、楽に把持棒104を把持して蓋体8を閉じることができる。
【0029】
その後、操作板103を内側位置に押し込むと、ロック棒105が係止板120の受け溝121に係止して蓋体8は油槽5を閉塞する倒伏位置で保持される。このとき、ロック棒105の受け溝121への係止が不十分であっても、受け溝121の上側内面には前下がりの下傾斜面121aが形成されているので、トーションスプリング111による内側位置への付勢と相俟ってロック棒105は受け溝121の奥(後端)へ確実に係止される。また、操作板103の引き出しが不十分であっても、ロック棒105が係止板120の上傾斜面120aに当接することで外側へ誘導され、ロック棒105を受け溝121に係止させることができる。
【0030】
ここで、アーム34に対して蓋本体35が下限位置にある状態でアーム34を倒伏させた場合、
図16(A)に示すように、蓋本体35と共に下降したレバーロック59の先端部59aの下面が規制板110の上板部112の上端に当接して係止しているため、規制板110が上方から押さえ付けられる格好となって操作板103の手前への引き出しが規制される。よって、ロック棒105は係止板120の上傾斜面120aに当接し、蓋体8の閉塞ができない。レバーロック59の押さえ付けに抗して操作板103を無理に手前に引こうとしても、先端部59aの係止凸部61が、上板部112の係止凹部114に係止するため、やはり操作板103の手前への引き出しは規制される。また、蓋本体35が下限位置よりも高い中間位置にある場合も、係止凸部61が係止凹部114の前方に位置するため、操作板103の手前への引き出しが規制され、蓋体8の閉塞ができない。従って、蓋本体35は常にアーム34に対して上限位置となる状態で倒伏させる手順が確立される。
そして、蓋本体35の上限位置では、
図16(B)及び
図3に示すように、蓋本体35と共に上昇したレバーロック59の先端部59aが上板部112より上方に位置しているため、操作板103を手前に引き出してアーム34を倒伏させ、ロック棒105を受け溝121に係止させることができる。この状態で蓋本体35は、パッキン70が開口6の上方で非接触となる状態で水平に保持されることになる。
【0031】
ここからハンドル37を右回転させてハンドル軸36を雌ネジ部84へのねじ込み方向へ回転させると、ハンドル軸36は、最初はアーム34内で固定される上雌ネジ部84Aのみに対してねじ込まれる。その後、ハンドル軸36と追従して回転した下雌ネジ部84Bの下噛み合い突起85Bが上雌ネジ部84Aの上噛み合い突起85Aと当接すると、ハンドル軸36は、回転方向で一体化した上雌ネジ部84Aと下雌ネジ部84Bとに対してねじ込まれる。このように回転初期では上雌ネジ部84Aのみにねじ込まれるようにしたことで、回転初期に必要な力を小さくすることができる。回転初期を経過した後は、上雌ネジ部84Aと下雌ネジ部84Bとが噛合するものの、ハンドル軸36には慣性が働くので、さほど力を加えなくてもそのまま回転操作を続けることができる。
【0032】
こうしてハンドル軸36をねじ込むと、
図4に示すように水平姿勢の蓋本体35が下方へ平行移動するため、パッキン70の全周が開口6へ同時に当接して押圧され、油槽5を密閉する。この蓋本体35の下限位置では、同時に下降したレバーロック59の係止凸部61が、規制板110の係止凹部114に係止して操作板103の手前への引き出しを規制するため、蓋体8の開放がロックされる。
この蓋本体35の下降の際、アーム34に対してハンドル軸36が鉛直姿勢から傾いたり相対的に位置ずれが生じたりすることがあっても、蓋本体35は、ハンドル軸36のアーム側リフト96と蓋本体35の蓋リフト53,53とによってハンドル軸36の下端に吊り下げ状態で連結されているので、ハンドル軸36の傾きにかかわりなく蓋本体35は水平姿勢が維持され、パッキン70に片当たりは生じにくくなる。よって、傾きや位置ずれを吸収して蓋本体35と油槽5との密着性を担保することができる。
【0033】
また、パッキン70の摩耗や組み付け誤差等によって蓋本体35とハンドル軸36とに芯ずれが生じても、ハンドル軸36の下端に設けたスチールボール93を受ける蓋本体35の玉受け皿46が水平方向に微動して芯ずれを吸収でき、ハンドル軸36のネジ送り力を効率良く蓋本体35に伝達することができる。よって、蓋本体35と油槽5とのシール性が十分に担保可能となる。特に、玉受け皿46の受け凹部49は、テーパリング状の第1凹部50と、凹球面状の第2凹部51とから形成されているので、ハンドル軸36が傾斜した場合でもスチールボール93の露出部分が常に環状に当接し、蓋本体35を効率的に開口6に押し付けることができる。
【0034】
こうして油槽5を閉塞した後、フライコントローラ32で所定の調理モードを選択して操作パネル33の運転スイッチをONすると、バーナコントローラ31は、ファン14を所定時間回転して給気した後、燃焼室10内で混合ガスを断続的に燃焼させてパルス燃焼器7を動作させる。すなわち、燃焼室10内に設けた点火プラグ10a(
図3)により、混合ガスに点火して燃焼室10内で爆発燃焼させ、その燃焼に伴う燃焼室10内の圧力上昇によって燃焼排気をテールパイプ11へ強制的に排出すると共に、その燃焼排気の排出により負圧となる燃焼室10内に燃料ガスと燃焼用空気とを吸入する動作(ON/OFF動作)を繰り返し、または比例制御によるインプット調整を行わせる。
【0035】
この加圧調理によって油槽5内の圧力が高まると、コイルバネ79によって下方へ付勢される圧力安全ピン75によって蓋本体35の突出部63から下方へ離れていた膜体68は、コイルバネ79の付勢に抗して上方へ変移し、圧力安全ピン75を押し上げる。すると、
図17に示すように、圧力安全ピン75の上端が蓋本体35の上ガイド板42から上方へ突出してボール押さえ89のフランジ部94の切欠き95に係止するため、ボール押さえ89を介してハンドル軸36の回転が規制される。よって、加圧調理中のハンドル37の操作による蓋体8の開放が防止されることになる。
このとき、フランジ部94の切欠き95が圧力安全ピン75の真上に位置しない場合、ハンドル37によるハンドル軸36の回転は可能となるが、フランジ部94が回転して切欠き95が圧力安全ピン75の真上位置に達すると、膜体68によって押し上げられる圧力安全ピン75が上端を切欠き95に係止させるので、すぐにハンドル軸36の回転は規制される。
【0036】
加圧調理が終了すると、作業者は、ハンドル37を逆回転させてハンドル軸36を上方へネジ送りして蓋本体35の押圧を解除することになるが、このときもハンドル軸36の回転初期では上雌ネジ部84Aのみにねじ込まれるため、初期段階では軽い力で回転操作が行える。その後、下雌ネジ部84Bの下噛み合い突起85Bが上雌ネジ部84Aの上噛み合い突起85Aと噛合して回転方向で一体化しても、慣性によってそのまま回転操作を続けて蓋本体35を上限位置に移動させることができる。
こうして蓋本体35が上限位置へ移動すると、
図16(B)に示すように、同時に上昇したレバーロック59の係止凸部61が、規制板110の係止凹部114から上方へ離れているため、把持棒104を把持して操作板103を手前に引いてロック棒105を係止板120から外すことができる。そのままアーム34を上方へ回転させると、蓋本体35も追従して上方へ回転し、蓋体8は油槽5を開放する起立位置へ移動する。
【0037】
このように、上記形態の圧力フライヤー1によれば、蓋本体35を、油槽5の開口6と非接触となる上限位置と、パッキン70が開口6に当接して油槽5を閉塞する下限位置との間で平行移動可能としたことで、蓋体8の開閉に伴うパッキン70の片当たりが防止される。また、蓋本体35は開口6に向けて平行移動するので、パッキン70全体を開口6の端面へ均一に当接させて加圧することができる。よって、パッキン70の損傷が生じにくくなり、開口6端面の厚みを小さくしたり、端面形状を面取部のないシャープな形状にしたりすることができ、非力な女性等であっても軽いハンドル操作で蓋体8と油槽5とのシール性を担保することができる。
【0038】
特にここでは、蓋本体35と操作板103との間に、上限位置以外の蓋本体35の位置での操作板103による係止板120への係止操作を規制するロック機構(レバーロック59及び係止凹部114)を設けたことで、蓋本体35の上限位置以外では係止板120への係止操作が行えず、上限位置でのみ係止操作が可能となる。よって、上限位置以外の蓋本体35の位置でアーム34を倒伏させることがなくなり、パッキン70の片当たりがより確実に防止可能となる。
また、ロック機構を、蓋本体35に設けられて一体に上下動し、係止凸部61を備えたレバーロック59と、操作板103に設けられ、上限位置以外の蓋本体35の位置で係止凸部61が係止して操作板103の係止操作を阻止する係止凹部114とから形成したことで、蓋本体35の上下位置を利用してロック機構が簡単に形成できる。
【0039】
なお、ロック機構の構造は上記形態に限らず、例えばレバーロックを複数設けたり、係止凸部と係止凹部の位置を逆にしたり等、適宜変更可能である。
また、蓋本体を上限位置と下限位置との間で平行移動させる発明については、雌ネジ部の二分割やアーム側リフトによる蓋本体の吊り下げ支持、玉受け皿とスチールボールによる芯ずれ矯正、レバーロックによるロックに係る構成は要件とはならない。
【0040】
また、上記形態の圧力フライヤー1によれば、蓋本体35に、ハンドル軸36の回転に伴う切欠き95の回転軌跡上で蓋本体35を貫通する圧力安全ピン75と、蓋本体35の裏側で蓋体8の厚み方向へ変移可能な金属製の膜体68と、圧力安全ピン75を膜体68側へ付勢するコイルバネ79と、を設けて、蓋本体35で開口6を閉塞した調理中に油槽5内の圧力が高まると、膜体68が上方へ変移してコイルバネ79の付勢に抗して圧力安全ピン75を上方へ押し上げ、圧力安全ピン75の上端をフランジ部94の切欠き95に係止させることで、加圧調理中はフランジ部94に係止する圧力安全ピン75によってハンドル軸36の回転が規制される。よって、簡単な構成で、加圧調理中のハンドル37の回転操作を確実に規制して蓋体8の開放を防止できる。
【0041】
特にここでは、フランジ部94に、複数の切欠き95,95・・が周方向に等間隔で設けられることで、切欠き95が圧力安全ピン75に対して位置ずれして加圧調理中に圧力安全ピン75が切欠き95に係止しない場合であっても、蓋本体35を開く方向へハンドル軸36を回転させて切欠き95が圧力安全ピン75の位置に達すると圧力安全ピン75が係止でき、それ以上のハンドル軸36の回転操作を規制できる。
また、圧力安全ピン75の上端に、ハンドル軸36のねじ込み方向の回転に伴うフランジ部94の回転を許容する傾斜面78を設けているので、蓋本体35を開口6へさらに押さえ付けたい場合はハンドル軸36の回転が許容され、使い勝手が良好となる。
【0042】
さらに、膜体68を、平坦な平坦面部72が底となるテーパ状に形成したことで、変移を許容しつつ、圧力安全ピン75に対しては平坦面部72によって軸方向に沿った力を加えることができ、圧力安全ピン75のスムーズな動作が確保できる。
特に、平坦面部72の上面には補強板73が内貼りされているので、膜体68の破損が防止可能となる。
そして、膜体68の外周縁を嵌合溝67内でネジ固定してパッキン70によって下側から支持しているので、膜体68の変移によってネジ69が緩んだりしても膜体68をパッキン70により保持可能となる。
一方、蓋本体35の裏面には、周回リブ64及び放射リブ66からなる突出部63が形成されているので、蓋本体35が補強されると共に、膜体68の過剰な変移を規制できる。
また、被係止部を、フランジ部94の周縁に開口する複数の切欠き95としてフランジ部94を歯車状に形成したことで、ハンドル軸36に傾きが生じたりしても圧力安全ピン75を切欠き95へ確実に係止させることができる。
【0043】
なお、フランジ部の切欠きは数を増減してもよい。また、被係止部としては切欠きに限らず、透孔としたり、下面に形成した凹部としたりすることもできる。
軸部材の形態も適宜変更可能で、円形軸以外に角形軸としたりでき、付勢手段もコイルバネ以外に板バネや皿バネ等が採用できる。
また、突出部も、周回リブと放射リブとの数の増減は勿論、周回リブと放射リブとの一方を省略したり、両リブに代えて複数の突起を設けて膜体を当接させたりすることもできる。膜体も、補強板を省略したりパッキンと別に取り付けたりしてもよい。
さらに、軸部材をフランジ部に係止させて調理中のハンドル操作を規制する発明については、蓋本体の平行移動や雌ネジ部の二分割、アーム側リフトによる蓋本体の吊り下げ支持、玉受け皿とスチールボールによる芯ずれ矯正、レバーロックによるロックに係る構成は要件とはならない。
【0044】
さらに、上記形態の圧力フライヤー1によれば、雌ネジ部84を、アーム34内で固定される上雌ネジ部84Aと、その上雌ネジ部84Aに隣接してアーム34内で固定されない下雌ネジ部84Bとに分割して、上雌ネジ部84Aと下雌ネジ部84Bとの互いの対向面に、正逆何れの回転方向でも互いに噛み合う上噛み合い突起85A及び下噛み合い突起85Bを、当該回転方向に対して所定の遊びを有した状態でそれぞれ設けたことで、ハンドル軸36の回転初期においては下雌ネジ部84Bに力が作用しないため、従来最も力を要していた回転操作の初期段階に要する力を軽減することができる。この初期段階を経過した後は、上下噛み合い突起85A,85B同士の噛み合いによって上下雌ネジ部84A,84Bが一体化されるが、ハンドル軸36に発生する慣性により、強い力を加えなくてもハンドル軸36を回転操作することができる。また、初期段階経過後は上下雌ネジ部84A,84Bの回転方向の結合によって雄ネジ部83の軸方向距離を長く確保できるため、ハンドル軸36を安定的にネジ送りできる。よって、非力な女性等であっても油槽5への蓋体8の押圧を強固に行うことができる。
特にここでは、上雌ネジ部84Aの噛合部を、回転中心と同心で突設される正方形状の上噛み合い突起85Aとし、下雌ネジ部84Bの噛合部を、上噛み合い突起85Aの相対向する一対の側面の外側に位置する一対の下噛み合い突起85B,85Bとしたことで、確実な噛み合いが得られると共に、遊びの設定も容易に行える。
【0045】
なお、上記形態では、上雌ネジ部をアーム内で固定し、下雌ネジ部をハンドル軸に螺合させているが、上下逆にしてもよい。また、噛合部の構成も、正方形状の上噛み合い突起と一対の下噛み合い突起とを上下逆にしたり、両雌ネジ部の互いの対向面に周方向へ形成された突起同士を噛み合わせるようにしたりすることもできる。
さらに、雌ネジ部を二分割する発明については、軸部材をフランジ部に係止させて調理中のハンドル操作を規制する構成、蓋本体の平行移動、アーム側リフトによる蓋本体の吊り下げ支持、玉受け皿とスチールボールによる芯ずれ矯正、レバーロックによるロックに係る構成は要件とはならない。
【0046】
加えて、上記形態の圧力フライヤー1によれば、ハンドル軸36の下端部にスチールボール93を、蓋本体35の上面に、スチールボール93の露出部分が嵌合する受け凹部49を備えた玉受け皿46を、水平方向へ移動可能に保持させたことで、ハンドル軸36と蓋本体35との相対角度にずれが生じてもそのずれを吸収でき、ハンドル軸36の進行力を効率的に蓋本体35へ伝達することができる。よって、蓋体8と油槽5とのシール性を十分に担保可能となる。
特にここでは、受け凹部49を、テーパリング状の第1凹部50と凹球面状の第2凹部51とから形成しているので、ハンドル軸36が傾斜した場合でもスチールボール93と受け凹部49とを環状に当接させることができ、ハンドル軸36の相対角度が傾斜しても蓋本体35を効率的に開口6へ押し付けることができる。また、一点で当接する場合と比較して、ハンドル軸36がネジ送りされる際に玉受け皿46に作用する力を分散することができるので、スチールボール93及び玉受け皿46の摩耗を防止でき、メンテナンスの頻度を減少させることができる。
【0047】
なお、上記形態ではハンドル軸側にスチールボールを、蓋本体側に玉受け皿をそれぞれ設けているが、互いに逆側に設けてもよい。
また、ボールと玉受け部材とで芯ずれ矯正を図る発明については、雌ネジ部を二分割する構成、軸部材をフランジ部に係止させて調理中のハンドル操作を規制する構成、蓋本体の平行移動、アーム側リフトによる蓋本体の吊り下げ支持に係る構成、レバーロックによるロックに係る構成は要件とはならない。
【0048】
一方、上記形態の圧力フライヤー1によれば、ハンドル軸36に遊挿させてその下端部36aに係止して抜け止めされる筒状のアーム側リフト96の下端に蓋本体35を連結して、蓋本体35をハンドル軸36から吊り下げ支持したことで、ハンドル軸36に対する蓋本体35の揺動を許容できる。よって、油槽5と蓋本体35との位置関係に狂いが生じても、蓋本体35が揺動して狂いを吸収しつつ開口6に押圧されることとなり、油槽5との密着性を担保することができる。
特にここでは、アーム側リフト96と蓋本体35との連結を、蓋本体35の上面でアーム側リフト96を中心とした点対称位置にそれぞれ配置された連結ピン55,55と、アーム側リフト96に設けられて連結ピン55,55が挿入する挿入孔100,100とによって行うことで、アーム側リフト96と蓋本体35とを容易に連結可能となる。
また、連結ピン55,55を、コイルバネ58によってアーム側リフト96側へ突出付勢して、各点対称位置の連結ピン55,55同士を固定板56で連結したことで、固定板56によって連結ピン55,55をアーム側リフト96から離れる方向へ移動させることで、治具がなくても連結ピン55,55を挿入孔100,100から抜き取って蓋本体35とアーム34とを容易に分離できる。よって、ハンドル軸36や蓋本体35のメンテナンスが容易に行える。なお、固定板56はアーム34の下側に位置するため、不用意な操作で蓋本体35が分離されることはない。
さらに、アーム側リフト96の上部分を、アーム34の下面に設けた透孔(長孔101)を貫通させてアーム34内に位置させると共に、上部分の外周に、アーム34に係止してアーム側リフト96を抜け止めするフランジ102を形成したことで、万一ハンドル軸36が折れたりしても、アーム34から抜け止めされるアーム側リフト96によって蓋本体35の吊り下げ支持は維持される。
【0049】
なお、連結部材の形状は適宜変更可能で、スチールボールと玉受け皿とを設けなければ大径の連結部を省略することもできる。
また、蓋リフト及び連結ピンは、点対称に一対配置する場合に限らず、同心円上で3組以上配置してもよいし、連結ピンも増減可能である。よって、連結部材の挿入孔も連結ピンに合わせて位置や数は変更される。さらに、蓋本体と別体の蓋リフトとせず、蓋本体の上面に突設した突起に連結ピンを設けることもできる。
そして、蓋本体の吊り下げ支持に係る発明については、ボールと玉受け部材とで芯ずれ矯正を図る構成、雌ネジ部を二分割する構成、軸部材をフランジ部に係止させて調理中のハンドル操作を規制する構成、蓋本体の平行移動に係る構成、レバーロックによるロックに係る構成は要件とはならない。
【0050】
そして、上記形態の圧力フライヤー1によれば、蓋本体35に、蓋本体35が開口6に押圧される下限位置で操作板103と係止して操作板103の操作を規制し、蓋本体35の下限位置以外の位置で操作板103の操作規制を解除するレバーロック59を設けたことで、加圧調理中の操作板103の操作を確実に規制することができる。
特にここでは、レバーロック59のL字状の先端部59aが操作板103の規制板110に係止することで操作板103の前方への引き出し操作を規制するので、操作板103の操作規制が簡単に行える。
また、係止板120の受け溝121の上側の内面に、ロック棒105を受け溝121の奥側へ誘導する前下がりの下傾斜面121aを形成したことで、アーム34が上昇しようとするとロック棒105は下傾斜面121aによって受け溝121の奥へ誘導されることになり、ロック棒105の係止が不十分であっても蓋本体35の開放が規制される。
さらに、レバーロック59の先端部59aに、規制板110に設けた係止凹部114に係止する係止凸部61を設けて、係止凹部114へ係止凸部61が係止することで操作板103の引き出し操作を規制するので、操作規制状態がより確実に保持される。
【0051】
なお、操作部や係止部の形状は適宜変更可能で、操作板に代えてロック棒を一対のリンクで支持させたり、係止板を一つのブロック体で形成したりしてもよい。係止板や受け溝の傾斜面は省略することもできる。
また、ロック部材により操作規制を図る発明については、蓋本体の吊り下げ支持に係る構成、ボールと玉受け部材とで芯ずれ矯正を図る構成、雌ネジ部を二分割する構成、軸部材をフランジ部に係止させて調理中のハンドル操作を規制する構成、蓋本体の平行移動に係る構成は要件とはならない。
【0052】
その他、各発明に共通して圧力フライヤーの他の構成も適宜変更可能で、例えば加熱手段をパルス燃焼器に限らず、バーナやヒータ等に代えたりすることができる。ハンドル軸上端のハンドルも、平面視がY字状や一文字状、リング状であってもよい。また、油槽が単一でなく左右に一対並設される圧力フライヤーであっても各発明は採用可能である。