特許第6598857号(P6598857)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6598857符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6598857
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04J 13/12 20110101AFI20191021BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20191021BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20191021BHJP
【FI】
   H04J13/12
   H04L27/26 310
   H04W72/04 134
【請求項の数】14
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2017-522059(P2017-522059)
(86)(22)【出願日】2015年7月7日
(65)【公表番号】特表2017-537512(P2017-537512A)
(43)【公表日】2017年12月14日
(86)【国際出願番号】CN2015083479
(87)【国際公開番号】WO2016062120
(87)【国際公開日】20160428
【審査請求日】2018年4月17日
(31)【優先権主張番号】201410564307.4
(32)【優先日】2014年10月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユアン,ジーフェン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ウェイミン
【審査官】 吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−335891(JP,A)
【文献】 特表2008−537436(JP,A)
【文献】 特表2008−515268(JP,A)
【文献】 特開2006−067118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 13/12
H04L 27/26
H04W 72/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信機に応用される符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法であって、
チャネルエンコーダで符号化されたコードブロックが変調されて得られたN個の変調シンボルを取得し、ここで、Nが2以上の正整数であることと、
少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列に基づいて、前記N個の変調シンボルを拡散し、前記拡散系列が、実系列と複素系列との少なくとも一方を含むことと、
拡散後の変調シンボルを送信することと、
を含み、
前記複素系列は、
M元実数を生成可能な擬似乱数列生成器を用いて前記複素系列における全ての複素数要素の実部及び虚部を生成するか、M元実数集合から、一定の擬似ランダム基準によって前記複素系列における全ての複素数要素の実部及び虚部を選択し、ここで、Mが2以上の整数であり、前記Mの取りうる値は、2,3,4のうち少なくとも1つを含むことと、
選択された前記全ての複素数要素の前記実部及び前記虚部に基づいて、前記複素系列を決定することと、により決定される、
符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法。
【請求項2】
前記M元実数集合は、
前記Mが奇数であり、前記実数集合が、[−(M−1)/2,(M−1)/2]範囲内のM個の整数からなる集合であることと、
前記Mが偶数であり、前記実数集合が、[−(M−1),(M−1)]範囲内のM個の奇数からなる集合であることと、
前記Mが奇数であり、前記実数集合が、[−(M−1)/2,(M−1)/2]範囲内のM個の整数に対してそれぞれ前記実数集合が対応するエネルギー正規化係数を乗算して得られたM個の実数からなる集合であることと、
前記Mが偶数であり、前記実数集合が、[−(M−1),(M−1)]範囲内のM個の奇数に対してそれぞれ前記実数集合が対応するエネルギー正規化係数を乗算して得られたM個の実数からなる集合であることと、のうち少なくとも一方の要件を満たす
請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記複素系列は、
前記M元実数集合に基づいて、それぞれ前記M元実数集合から値を取る、長さがRである第1の実系列及び長さがRである第2の実系列を生成し、ここで、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値であることと、
前記第1の実系列のi番目の要素を前記複素系列の実部とし、前記第2の実系列のi番目の要素を前記複素系列の虚部とし、前記実部及び前記虚部を含む複素数を前記複素系列のi番目の複素数要素とし、ここで、i=1,2,3・・・,Rであることと、
得られたR個の要素によって順番に前記長さがRである複素系列が構成され、前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分けることと、により決定され、
前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分けた後、
N個の前記所定長さの複素系列に対してそれぞれ前記N個の所定長さの複素系列のエネルギー正規化係数を乗算して、正規化したN個の所定長さの複素系列が得られること、をさらに含み、
或は、
前記複素系列は、
[0,M×M−1]又は[1,M×M]範囲内の全ての整数からなる集合であるM×M元整数集合からその値を取る、長さがRである整数系列を生成することと、
前記長さがRである整数系列の要素について、予め設定されたマッピング規則に従って、複素数コンステレーションから前記要素に対応するコンステレーション点を選択することと、
前記コンステレーション点によって前記複素系列を決定することと、により決定される
請求項に記載の方法。
【請求項4】
拡散後の変調シンボルを送信することは、
前記変調シンボルのマルチキャリア変調を行うことと、
変調後の変調シンボルを前記発信機の発信信号とすることと、を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
発信機に応用される符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法であって、
チャネルエンコーダで符号化されたコードブロックが変調されて得られたN個の変調シンボルを取得し、ここで、Nが2以上の正整数であることと、
少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列に基づいて、前記N個の変調シンボルを拡散し、前記拡散系列が、実系列と複素系列との少なくとも一方を含むことと、
拡散後の変調シンボルを送信することと、
を含み、
前記複素系列は、
第1の擬似乱数列生成器から長さがRである第1の実系列を生成し、第2の擬似乱数列生成器から長さがRである第2の実系列を生成し、ここで、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値であることと、
前記第1の実系列のi番目の要素を前記複素系列の実部とし、前記第2の実系列のi番目の要素を前記複素系列の虚部とし、前記実部及び前記虚部を含む複素数を前記複素系列のi番目の複素数要素とし、ここで、i=1,2,3・・・,Rであることと、
得られたR個の複素数要素によって順番に前記長さがRである複素系列が構成され、前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分けることと、により決定され、
前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分けた後、
N個の前記所定長さの複素系列に対してそれぞれ前記N個の所定長さの複素系列のエネルギー正規化係数を乗算して、正規化したN個の所定長さの複素系列が得られること、をさらに含む、
符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法。
【請求項6】
拡散後の変調シンボルを送信することは、
前記変調シンボルのマルチキャリア変調を行うことと、
変調後の変調シンボルを前記発信機の発信信号とすることと、を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
発信機に応用される符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法であって、
チャネルエンコーダで符号化されたコードブロックが変調されて得られたN個の変調シンボルを取得し、ここで、Nが2以上の正整数であることと、
少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列に基づいて、前記N個の変調シンボルを拡散し、前記拡散系列が、実系列と複素系列との少なくとも一方を含むことと、
拡散後の変調シンボルを送信することと、
を含み、
前記複素系列は、
擬似乱数列生成器から長さがRである整数系列を生成し、ここで、前記整数系列の要素は、整数集合{0,1,・・・,D}又は集合{1,2,・・・,D}からのものであり、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値であり、Dが複素数コンステレーションにおけるコンステレーション点の数であることと、
前記長さがRである整数系列の要素について、予め設定されたマッピング規則に従って、前記複素数コンステレーションから前記要素に対応するコンステレーション点を選択することと、
前記コンステレーション点によって前記複素系列を決定することと、により決定される、
符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法。
【請求項8】
拡散後の変調シンボルを送信することは、
前記変調シンボルのマルチキャリア変調を行うことと、
変調後の変調シンボルを前記発信機の発信信号とすることと、を含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
受信機に応用される符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法であって、
K個の発信機から発信された発信信号を受信し、ここで、前記発信信号は、前記K個の発信機それぞれが変調信号を所定長さの拡散系列で拡散処理してから、拡散後の前記変調信号をそれぞれ同じ時間周波数リソースに変調して形成された信号であり、個々の発信機ごとに、N個の変調シンボルに対して、少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列が存在し、N及びKがそれぞれ正整数であり、前記拡散系列が、実系列と複素系列との少なくとも一方を含むことと、
前記拡散系列に基づいて前記発信信号を検出することと、
を含み、
前記複素系列は、
第1の擬似乱数列生成器から長さがRである第1の実系列を生成し、第2の擬似乱数列生成器から長さがRである第2の実系列を生成し、ここで、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値であることと、
前記第1の実系列のi番目の要素を前記複素系列の実部とし、前記第2の実系列のi番目の要素を前記複素系列の虚部とし、前記実部及び前記虚部を含む複素数を前記複素系列のi番目の複素数要素とし、ここで、i=1,2,3・・・,Rであることと、
得られたR個の複素数要素によって順番に前記長さがRである複素系列が構成され、前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分けることと、により決定され、
前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分けた後、
N個の前記所定長さの複素系列に対してそれぞれ前記N個の所定長さの複素系列のエネルギー正規化係数を乗算して、正規化したN個の所定長さの複素系列が得られること、をさらに含む、
符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法。
【請求項10】
発信機に応用される符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置であって、
チャネルエンコーダで符号化されたコードブロックが変調されて得られたN個の変調シンボルを取得し、ここで、Nが2以上の正整数である第1の取得モジュールと、
少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列に基づいて、前記N個の変調シンボルを拡散し、前記拡散系列が、実系列と複素系列との少なくとも一方を含む拡散モジュールと、
拡散後の変調シンボルを送信する送信モジュールと、
を備え
第1の擬似乱数列生成器から長さがRである第1の実系列を生成し、第2の擬似乱数列生成器から長さがRである第2の実系列を生成し、ここで、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値である生成モジュールと、
前記第1の実系列のi番目の要素を前記複素系列の実部とし、前記第2の実系列のi番目の要素を前記複素系列の虚部とし、前記実部及び前記虚部を含む複素数を前記複素系列のi番目の複素数要素とし、ここで、i=1,2,3・・・,Rである第2の決定モジュールと、
得られたR個の複素数要素によって順番に前記長さがRである複素系列が構成され、前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分け、前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分けた後、N個の前記所定長さの複素系列に対してそれぞれ前記N個の所定長さの複素系列のエネルギー正規化係数を乗算して、正規化したN個の所定長さの複素系列を得る構成モジュールと、をさらに備える、
符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置。
【請求項11】
擬似乱数列生成器からの出力系列に基づいて、前記N個の所定長さの拡散系列を決定する第1の決定モジュールと、
予め設定された基準に従って、長さが前記所定長さである系列を複数含む予め設定されたテーブルから、前記N個の所定長さの拡散系列を取得する第2の取得モジュールと、をさらに備える
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
記生成モジュールは、さらに、擬似乱数列生成器から長さがRである整数系列を生成し、ここで、前記整数系列の要素は、整数集合{0,1,・・・,D}又は集合{1,2,・・・,D}からのものであり、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値であり、Dが複素数コンステレーションにおけるコンステレーション点の数であるように構成され、
前記長さがRである整数系列の要素について、予め設定されたマッピング規則に従って、前記複素数コンステレーションから前記要素に対応するコンステレーション点を選択する選択モジュールと、
前記コンステレーション点によって前記複素系列を決定する第3の決定モジュールと、をさらに備え、
前記選択モジュールは、M元実数を生成可能な擬似乱数列生成器を用いて前記複素系列における全ての複素数要素の実部及び虚部を生成するか、M元実数集合から、一定の擬似ランダム基準によって前記複素系列における全ての複素数要素の実部及び虚部を選択し、ここで、Mが2以上の整数であるように構成され、
前記第3の決定モジュールは、選択された前記全ての複素数要素の前記実部及び前記虚部に基づいて、前記複素系列を決定するように構成される
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
発信機に応用される符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置であって、
チャネルエンコーダで符号化されたコードブロックが変調されて得られたN個の変調シンボルを取得し、ここで、Nが2以上の正整数である第1の取得モジュールと、
少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列に基づいて、前記N個の変調シンボルを拡散する拡散モジュールと、
拡散後の変調シンボルを送信する送信モジュールと、
を備え、
前記拡散系列が、実系列と複素系列との少なくとも一方を含み、
第1の擬似乱数列生成器から長さがRである第1の実系列を生成し、第2の擬似乱数列生成器から長さがRである第2の実系列を生成し、ここで、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値である生成モジュールと、
前記第1の実系列のi番目の要素を前記複素系列の実部とし、前記第2の実系列のi番目の要素を前記複素系列の虚部とし、前記実部及び前記虚部を含む複素数を前記複素系列のi番目の複素数要素とし、ここで、i=1,2,3・・・,Rである第2の決定モジュールと、
得られたR個の複素数要素によって順番に前記長さがRである複素系列が構成され、前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分ける構成モジュールと、をさらに備え、
前記生成モジュールは、さらに、擬似乱数列生成器から長さがRである整数系列を生成し、ここで、前記整数系列の要素は、整数集合{0,1,・・・,D}又は集合{1,2,・・・,D}からのものであり、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値であり、Dが複素数コンステレーションにおけるコンステレーション点の数であるように構成され、
前記長さがRである整数系列の要素について、予め設定されたマッピング規則に従って、前記複素数コンステレーションから前記要素に対応するコンステレーション点を選択する選択モジュールと、
前記コンステレーション点によって前記複素系列を決定する第3の決定モジュールと、をさらに備え、
前記選択モジュールは、M元実数を生成可能な擬似乱数列生成器を用いて前記複素系列における全ての複素数要素の実部及び虚部を生成するか、M元実数集合から、一定の擬似ランダム基準によって前記複素系列における全ての複素数要素の実部及び虚部を選択し、ここで、Mが2以上の整数であるように構成され、
前記第3の決定モジュールは、選択された前記全ての複素数要素の前記実部及び前記虚部に基づいて、前記複素系列を決定するように構成される
符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置。
【請求項14】
受信機に応用される符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置であって、
K個の発信機から発信された発信信号を受信し、ここで、前記発信信号は、前記K個の発信機それぞれが変調信号を所定長さの拡散系列で拡散処理してから、拡散後の前記変調信号をそれぞれ同じ時間周波数リソースに変調して形成された信号であり、個々の発信機ごとに、N個の変調シンボルに対して、少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列が存在し、N及びKがそれぞれ正整数であり、前記拡散系列が、実系列と複素系列との少なくとも一方を含む受信モジュールと、
前記拡散系列に基づいて前記発信信号を検出する検出モジュールと、
を備え
前記複素系列は、
第1の擬似乱数列生成器から長さがRである第1の実系列を生成し、第2の擬似乱数列生成器から長さがRである第2の実系列を生成し、ここで、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値であることと、
前記第1の実系列のi番目の要素を前記複素系列の実部とし、前記第2の実系列のi番目の要素を前記複素系列の虚部とし、前記実部及び前記虚部を含む複素数を前記複素系列のi番目の複素数要素とし、ここで、i=1,2,3・・・,Rであることと、
得られたR個の複素数要素によって順番に前記長さがRである複素系列が構成され、前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分けることと、により決定され、
前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分けた後、
N個の前記所定長さの複素系列に対してそれぞれ前記N個の所定長さの複素系列のエネルギー正規化係数を乗算して、正規化したN個の所定長さの複素系列が得られること、をさらに含む、
符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野に関し、具体的には、符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上りマルチユーザアクセスは、例えば、時分割多元接続(Time Division Multiple Access、TDMA)、周波数分割多元接続(Frequency Division Multiple Access、FDMA)、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)及び空間分割多元接続(Space Division Multiple Access、SDMA)等、異なる多元接続技術によって行われることができる。マルチユーザ符号分割多元接続通信技術は、上りマルチユーザアクセス通信技術の非常に重要なタイプであり、優れたアクセス性能を提供できることから、複数の無線通信標準に取り入れられている。
【0003】
符号分割多元接続を用いたアクセスにおいて、まず、それぞれのアクセス端末は、デジタル振幅位相変調されたデータシンボルを、一定の長さの拡散系列(例えば、長さがLである拡散系列とは、この拡散系列がL個のシンボルからなることを意味し、L個の要素からなることをも意味し、ここでのL個のシンボル/L個の要素は、L個のデジタルシンボルであってもよい)で拡散する。拡散過程とは、それぞれの変調済みのデータシンボルと拡散系列のそれぞれのシンボルとを乗算し、最後に、用いられる拡散系列の長さと同じシンボル系列が形成される過程をいう。拡散過程において、それぞれの変調済みのデータシンボル(例えば、直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation、単にQAMという)によって変調されたコンステレーション点シンボル)と拡散系列のそれぞれのシンボルとを乗算し、最後に、それぞれの変調済みのデータシンボルは、用いられる拡散系列の長さと同じシンボル系列となるように拡散され、例えば、長さがLである拡散系列を用いれば、それぞれの変調済みのシンボルは、L個のシンボルに拡散され、つまり、それぞれの変調済みのデータシンボルは、長さがLである拡散系列に載せられていると読み替えることもできる。それから、全てのアクセス端末の拡散後のシンボル系列を同じ時間周波数リソースにて送信することができる。最後に、基地局は、全てのアクセス端末の拡散信号を重畳した連携信号を受信し、マルチユーザ受信機技術により連携信号から各端末の有益な情報を分離する。
【0004】
符号分割多元接続を用いた通信技術は、よくスペクトラム拡散通信に分類され、これは、端末の変調シンボルがL倍のシンボルに拡散され、拡散後のL倍のシンボルの伝送時間が拡散前の変調シンボルと等しくなるように要求されていれば、L倍拡散された帯域幅が必ず必要となるためである。これも、拡散系列がよくスペクトラム拡散系列と呼ばれる原因となる。
【0005】
個々の端末の拡散後のシンボルをマルチキャリア技術(例えば、Orthogonal Frequency Division Multiplexing、単にOFDMという)、フィルタバンクマルチキャリア(filter bank multi-carrier、単にFBMCという)によって伝送すれば、この2つの技術を組合せたものは、マルチキャリア符号分割多元接続(Multi-Carrier Code Division Multiple Access、単にMC−CDMAという)と呼ばれる技術である。
【0006】
符号分割多元接続技術において、発信側の拡散過程が比較的簡単であり、それぞれの変調シンボル、例えば、それぞれのQAM変調後のシンボルに対して長さがLである拡散系列のそれぞれのシンボルを乗算すれば、拡散後のL個のシンボルを得ることができ、そして、拡散後のシンボルをシングルキャリア又はマルチキャリア技術によって発信することができる。これに対して、基地局の受信過程があまり簡単ではない。
【0007】
符号分割多元接続性能をどのようにして優れたものにするか(?)、より直接的には、基地局がどうすれば、各端末の有益なデータ情報を連携信号から正確に分離できるか(?)、これは、符号分割多元接続システムにとって肝心なものであり、主に拡散系列と受信機の2方面に関わっており、拡散系列の選択は性能の基礎となり、受信機の設計は性能を確保するためのものである。
【0008】
具体的には、優れたアクセス性能を取得するために、異なる端末が用いる拡散系列は、良好な相互相関特性を持つことがまず必要とされる。拡散系列は、無線マルチパスチャネルにて直接伝送されていれば、例えば、シングルキャリアの符号分割多重化技術の場合、系列は、良好な自己相関特性を持って自身の遅延マルチパス拡散に対抗することも必要とされる。
【0009】
マルチキャリア符号分割多重化技術は、マルチキャリア技術によってマルチパスに対抗することができるため、拡散系列は、マルチユーザの情報分離に寄与する相互相関特徴のみ考慮すれば十分である。これも、シングルキャリア符号分割多重化技術とマルチキャリア符号分割多重化技術が系列選択で一番異なっている点である。
【0010】
良好な拡散系列は性能の基礎であり、マルチユーザの情報分離は最後に基地局側にて完成され、基地局は、異なるマルチユーザ受信技術を用いれば、対応する性能を取得する。最適なマルチユーザのデータ分離性能を取得するために、基地局は、高性能の割りに高複雑度のマルチユーザ受信機技術、例えば、逐次干渉受信機技術を用いることが必要である。
【0011】
拡散系列の重要性をもって、異なる符号分割多元接続技術は、主に、拡散系列の選択において相違する。直接拡散方式符号分割多元接続(Direct Sequence-Code Division Multiple Access、DS−CDMA)技術は、最も一般的な符号分割多元接続技術であり、複数の無線通信基準により上りマルチユーザアクセス技術として取り入れられ、その拡散系列は、一番シンプルな2元擬似ランダム(Pseudo-Noise、PN)な実系列に基づくものである。系列がシンプルであるため、PN系列に基づくDS−CDMAもマルチキャリア符号分割多重化の最も重要な技術の1つとなっており、この技術において、それぞれの変調済みシンボルは、2元擬似ランダムな実系列で拡散されてから、マルチキャリア技術によって発信されるようになる。
【0012】
2元擬似ランダムな実系列は2進法擬似乱数列とも呼ばれ、系列におけるそれぞれのシンボルの取りうる値は通常0又は1で表され、さらに2極性系列で表されてもよく、即ち、0を+1で、1を−1で表すか、0を−1で、1を+1で表す。
【0013】
拡散系列の長さも符号分割多元接続技術の重要な要素である。拡散系列が長いほど、各端末が用いる拡散系列の間の低相互相関度を確保することが容易になり、そして、より多くの低相互相関性を有する系列を見つけることが容易になり、これにより、より多くの端末の同時アクセスが可能になる。同時にアクセスする端末の数が拡散系列の長さよりも大きい場合、該マルチユーザアクセスシステムが過負荷状態になっていると言える。注意すべき点として、システムの過負荷を実現可能なことは、符号分割多元接続技術が将来の無線通信で光を放つ重要な属性となっている。
【0014】
柔軟なシステム設計を提供し、より多くのユーザの同時アクセスをサポートするために、アクセス端末は通常、相互直交しない拡散系列を用い、マルチユーザ情報論の角度から言えば、上りで非直交の多元接続方式を用いると、直交多元接続方式を用いる場合よりも大きなシステム容量又はエッジスループットを取得することができる。各端末の拡散系列が相互直交したものではないため、一般的には、各ユーザの復調性能が同時アクセスユーザの数の増加に伴って悪くなる。システムが過負荷になる場合、マルチユーザ間の干渉が一層悪化する。現在、符号分割多元接続技術は、ランダムアクセス又は競合リソースのアクセスの場面に広く応用されている。各アクセスユーザは、自分の変調シンボルを拡散系列で拡散した後、同じ時間周波数リソースにて発信するため、同じ時間周波数リソースを競合して利用する。
【0015】
関連技術において、符号分割多元接続の場合、1つのユーザが全ての変調シンボルを1つの拡散系列のみで拡散し、即ち、全ての変調シンボルを同じ系列で拡散することがその性能が制限される重要な要素である。このような方式では、受信機が逐次干渉除去技術を用いる場合、その実現が簡便になり、逐次干渉除去の実現過程を簡素化することができるが、しかし、単一の拡散系列の方案では、そのユーザ間の干渉は効果的なランダム化又は平均化にならないため、非直交符号分割多元接続によるアクセス性能には不利である。
【0016】
関連技術において、1つのユーザが全ての変調シンボルを1つの拡散系列のみで拡散することに起因して、ユーザ間の干渉が効果的なランダム化又は平均化にならない問題に対して、未だに有効な対策が提案されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の実施例は、符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一実施例によれば、発信機に応用される符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法であって、チャネルエンコーダで符号化されたコードブロックが変調されて得られたN個の変調シンボルを取得し、ここで、Nが2以上の正整数であることと、少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列に基づいて、前記N個の変調シンボルを拡散することと、拡散後の変調シンボルを送信することと、を含む符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法が提供される。
【0019】
本発明の実施例において、擬似乱数列生成器からの出力系列に基づいて、前記N個の所定長さの拡散系列を決定することと、予め設定された基準に従って、長さが前記所定長さである系列を複数含む予め設定されたテーブルから、前記N個の所定長さの拡散系列を取得することと、のいずれか一方により前記N個の所定長さの拡散系列を取得する。
【0020】
本発明の実施例において、擬似乱数列生成器からの出力系列に基づいて、前記N個の所定長さの拡散系列を決定することは、前記擬似乱数列生成器で長さがRである系列を生成し、ここで、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値であることと、前記長さがRである系列を等分になるようにN個の所定長さの系列に分けることと、前記N個の所定長さの系列を前記N個の所定長さの拡散系列とすることと、を含む。
【0021】
本発明の実施例において、擬似乱数列生成器からの出力系列に基づいて、前記N個の所定長さの拡散系列を決定することは、前記擬似乱数列生成器で長さが予め設定された長さである系列を生成することと、前記予め設定された長さの系列を、長さがRである系列となるように所定回数繰り返して生成し、ここで、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値であることと、前記長さがRである系列を等分になるようにN個の所定長さの系列に分けることと、前記N個の所定長さの系列を前記N個の所定長さの拡散系列とすることと、を含む。
【0022】
本発明の実施例において、前記予め設定されたテーブルには、長さがそれぞれLであるL個の系列があり、前記系列によってL次直交行列が構成され、ここで、Lが前記所定長さで示される値である。
【0023】
本発明の実施例において、前記系列によってL次直交行列が構成されることは、前記長さがLであるL個の系列をL×L離散フーリエ変換行列に配列するか、前記L×L離散フーリエ変換行列における個々の要素に対して第1の所定値を乗算して前記L次直交行列が構成されること、を含む。
【0024】
本発明の実施例において、前記系列によってL次直交行列が構成されることは、前記長さがLである系列をL×Lアダマール行列に配列するか、L×Lアダマール行列における個々の要素に対して第2の所定値を乗算して前記L次直交行列が構成されること、を含む。
【0025】
本発明の実施例において、前記直交行列が、単位行列である。
【0026】
本発明の実施例において、前記拡散系列が、実系列と複素系列との少なくとも一方を含む。
【0027】
本発明の実施例において、前記複素系列は、第1の擬似乱数列生成器から長さがRである第1の実系列を生成し、第2の擬似乱数列生成器から長さがRである第2の実系列を生成し、ここで、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値であることと、前記第1の実系列のi番目の要素を前記複素系列の実部とし、前記第2の実系列のi番目の要素を前記複素系列の虚部とし、前記実部及び前記虚部を含む複素数を前記複素系列のi番目の複素数要素とし、ここで、i=1,2,3・・・,Rであることと、得られたR個の複素数要素によって順番に前記長さがRである複素系列が構成され、前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分けることと、により決定される。
【0028】
本発明の実施例において、前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分けた後、N個の前記所定長さの複素系列に対してそれぞれ前記N個の所定長さの複素系列のエネルギー正規化係数を乗算して、正規化したN個の所定長さの複素系列が得られること、をさらに含む。
【0029】
本発明の実施例において、前記複素系列は、擬似乱数列生成器から長さがRである整数系列を生成し、ここで、前記整数系列の要素は、整数集合{0,1,・・・,D}又は集合{1,2,・・・,D}からのものであり、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値であり、Dが複素数コンステレーションにおけるコンステレーション点の数であることと、前記長さがRである整数系列の要素について、予め設定されたマッピング規則に従って、前記複素数コンステレーションから前記要素に対応するコンステレーション点を選択することと、前記コンステレーション点によって前記複素系列を決定することと、により決定される。
【0030】
本発明の実施例において、前記複素系列は、M元実数を生成可能な擬似乱数列生成器を用いて前記複素系列における全ての複素数要素の実部及び虚部を生成するか、M元実数集合から、一定の擬似ランダム基準によって前記複素系列における全ての複素数要素の実部及び虚部を選択し、ここで、Mが2以上の整数であること、により決定される。
【0031】
本発明の実施例において、前記M元実数集合は、前記Mが奇数であり、前記実数集合が、[−(M−1)/2,(M−1)/2]範囲内のM個の整数からなる集合であることと、前記Mが偶数であり、前記実数集合が、[−(M−1),(M−1)]範囲内のM個の奇数からなる集合であることと、前記Mが奇数であり、前記実数集合が、[−(M−1)/2,(M−1)/2]範囲内のM個の整数に対してそれぞれ前記実数集合が対応するエネルギー正規化係数を乗算して得られたM個の実数からなる集合であることと、前記Mが偶数であり、前記実数集合が、[−(M−1),(M−1)]範囲内のM個の奇数に対してそれぞれ前記実数集合が対応するエネルギー正規化係数を乗算して得られたM個の実数からなる集合であることと、のうち少なくとも一方の要件を満たす。
【0032】
本発明の実施例において、前記複素系列は、前記M元実数集合に基づいて、それぞれ前記M元実数集合から値を取る、長さがRである第1の実系列及び長さがRである第2の実系列を生成し、ここで、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値であることと、前記第1の実系列のi番目の要素を前記複素系列の実部とし、前記第2の実系列のi番目の要素を前記複素系列の虚部とし、前記実部及び前記虚部を含む複素数を前記複素系列のi番目の複素数要素とし、ここで、i=1,2,3・・・,Rであることと、得られたR個の要素によって順番に前記長さがRである複素系列が構成され、前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分けることと、により決定される。
【0033】
本発明の実施例において、前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分けた後、N個の前記所定長さの複素系列に対してそれぞれ前記N個の所定長さの複素系列のエネルギー正規化係数を乗算して、正規化したN個の所定長さの複素系列が得られること、をさらに含む。
【0034】
本発明の実施例において、前記複素系列は、[0,M×M−1]又は[1,M×M]範囲内の全ての整数からなる集合であるM×M元整数集合からその値を取る、長さがRである整数系列を生成することと、前記長さがRである整数系列の要素について、予め設定されたマッピング規則に従って、複素数コンステレーションから前記要素に対応するコンステレーション点を選択することと、前記コンステレーション点によって前記複素系列を決定することと、により決定される。
【0035】
本発明の実施例において、前記Mの取りうる値は、2,3,4のうち少なくとも1つを含む。
【0036】
本発明の実施例において、拡散後の変調シンボルを送信することは、前記変調シンボルのマルチキャリア変調を行うことと、変調後の変調シンボルを前記発信機の発信信号とすることと、を含む。
【0037】
本発明の他の一実施例によれば、受信機に応用される符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法であって、K個の発信機から発信された発信信号を受信し、ここで、前記発信信号は、前記K個の発信機それぞれが変調信号を所定長さの拡散系列で拡散処理してから、拡散後の前記変調信号をそれぞれ同じ時間周波数リソースに変調して形成された信号であり、個々の発信機ごとに、N個の変調シンボルに対して、少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列が存在し、N及びKがそれぞれ正整数であることと、前記拡散系列に基づいて前記発信信号を検出することと、を含む符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法がさらに提供される。
【0038】
本発明の他の一実施例によれば、発信機に応用される符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置であって、チャネルエンコーダで符号化されたコードブロックが変調されて得られたN個の変調シンボルを取得し、ここで、Nが2以上の正整数である第1の取得モジュールと、少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列に基づいて、前記N個の変調シンボルを拡散する拡散モジュールと、拡散後の変調シンボルを送信する送信モジュールと、を備える符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置がさらに提供される。
【0039】
本発明の実施例において、前記装置は、擬似乱数列生成器からの出力系列に基づいて、前記N個の所定長さの拡散系列を決定する第1の決定モジュールと、予め設定された基準に従って、長さが前記所定長さである系列を複数含む予め設定されたテーブルから、前記N個の所定長さの拡散系列を取得する第2の取得モジュールと、をさらに備える。
【0040】
本発明の実施例において、前記拡散系列が、実系列と複素系列との少なくとも一方を含み、前記装置は、第1の擬似乱数列生成器から長さがRである第1の実系列を生成し、第2の擬似乱数列生成器から長さがRである第2の実系列を生成し、ここで、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値である生成モジュールと、前記第1の実系列のi番目の要素を前記複素系列の実部とし、前記第2の実系列のi番目の要素を前記複素系列の虚部とし、前記実部及び前記虚部を含む複素数を前記複素系列のi番目の複素数要素とし、ここで、i=1,2,3・・・,Rである第2の決定モジュールと、得られたR個の複素数要素によって順番に前記長さがRである複素系列が構成され、前記長さがRである複素系列をN等分になるように前記所定長さの複素系列に分ける構成モジュールと、をさらに備える。
【0041】
本発明の実施例において、前記生成モジュールは、さらに、擬似乱数列生成器から長さがRである整数系列を生成し、ここで、前記整数系列の要素は、整数集合{0,1,・・・,D}又は集合{1,2,・・・,D}からのものであり、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値であり、Dが複素数コンステレーションにおけるコンステレーション点の数であるように構成され、前記長さがRである整数系列の要素について、予め設定されたマッピング規則に従って、前記複素数コンステレーションから前記要素に対応するコンステレーション点を選択する選択モジュールと、前記コンステレーション点によって前記複素系列を決定する第3の決定モジュールと、をさらに備える。
【0042】
本発明の実施例において、前記選択モジュールは、M元実数を生成可能な擬似乱数列生成器を用いて前記複素系列における全ての複素数要素の実部及び虚部を生成するか、M元実数集合から、一定の擬似ランダム基準によって前記複素系列における全ての複素数要素の実部及び虚部を選択し、ここで、Mが2以上の整数であるように構成される。
【0043】
本発明の他の一実施例によれば、受信機に応用される符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置であって、K個の発信機から発信された発信信号を受信し、ここで、前記発信信号は、前記K個の発信機それぞれが変調信号を所定長さの拡散系列で拡散処理してから、拡散後の前記変調信号をそれぞれ同じ時間周波数リソースに変調して形成された信号であり、個々の発信機ごとに、N個の変調シンボルに対して、少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列が存在し、N及びKがそれぞれ正整数である受信モジュールと、前記拡散系列に基づいて前記発信信号を検出する検出モジュールと、を備える符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置がさらに提供される。
【発明の効果】
【0044】
本発明の実施例によると、少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列を用いて、変調シンボルを拡散する技術案により、関連技術において、1つのユーザが全ての変調シンボルを1つの拡散系列のみで拡散することに起因して、ユーザ間の干渉が効果的なランダム化又は平均化にならない問題を解決し、多元接続性能を向上させ、個々のアクセスユーザが多様な異なる拡散系列を用いて、その変調シンボルを拡散することが可能になり、これにより、ユーザ間の干渉のランダム化、言い換えれば平均化を効果的に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
ここで説明する図面は、本発明をさらに理解させるためのものであり、本願の一部を構成し、また、本発明における模式的実施例及びその説明は本発明を説明するものであり、本発明を不当に限定するものではない。図面において、
図1】本発明の実施例による符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例による符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置の構造ブロック図である。
図3】本発明の実施例による符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置の他の構造ブロック図である。
図4】本発明の実施例による符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法の他のフローチャートである。
図5】本発明の実施例による符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置の他の構造ブロック図である。
図6】本発明の好適な実施例1及び実施例2に係わる発信機による信号処理過程を示す図である。
図7】本発明の好適な実施例1に係わる発信機側のマルチユーザ符号分割多元接続通信方法のフローチャートである。
図8】本発明の好適な実施例2に係わる発信機側のマルチユーザ符号分割多元接続通信方法のフローチャートである。
図9】本発明の好適な実施例3に係わる発信機のブロック図である。
図10】本発明の好適な実施例4に係わる受信機による信号受信及び処理を示す図である。
図11】本発明の好適な実施例4に係わる受信機側のマルチユーザ符号分割多元接続通信方法のフローチャートである。
図12】本発明の好適な実施例4に係わる受信機のブロック図である。
図13】本発明の好適な実施例5における複素拡散系列を生成する一例の原理を示す図である。
図14】本発明の好適な実施例5における複素拡散系列を生成する他の一例の原理を示す図である。
図15】本発明の好適な実施例5におけるM元擬似乱数列生成器の原理を示す図である。
図16】本発明の好適な実施例6における複素拡散系列を生成する一例の原理を示す図である。
図17】本発明の好適な実施例6における複素拡散系列を生成する他の一例の原理を示す図である。
図18】本発明の好適な実施例6における3元実数集合から値を取る2つの擬似ランダムな実系列と複素数コンステレーションとのマッピング関係を示す図である。
図19】本発明の好適な実施例6における4元実数集合から値を取る2つの擬似ランダムな実系列と複素数コンステレーションとのマッピング関係を示す図である。
図20】本発明の好適な実施例7における複素拡散系列を生成する一例の原理を示す図である。
図21】本発明の好適な実施例7における複素拡散系列を生成する他の一例の原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、図面を参照しつつ実施例を結合して本発明を詳しく説明する。なお、衝突しない限り、本願の実施例及び実施例中の構成要件を組合せることができる。
【0047】
本実施例において、発信機側に応用される符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法が提供され、図1は、本発明の実施例による符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法のフローチャートであり、図1に示すように、そのフローは、以下のステップS102〜ステップS106を含む。
【0048】
ステップS102:チャネルエンコーダで符号化されたコードブロックが変調されて得られたN個の変調シンボルを取得し、ここで、Nが2以上の正整数である。
【0049】
ステップS104:少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列に基づいて、上記N個の変調シンボルを拡散する。
【0050】
ステップS106:拡散後の変調シンボルを送信する。
【0051】
上記各ステップを通じて、少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の拡散系列を用いて変調シンボルを拡散する技術案により、関連技術において、1つのユーザが全ての変調シンボルを1つの拡散系列のみで拡散することに起因して、ユーザ間の干渉が効果的なランダム化又は平均化にならない問題を解決し、個々のアクセスユーザが多様な異なる拡散系列を用いて、その変調シンボルを拡散することが可能になり、これにより、ユーザ間の干渉のランダム化、言い換えれば平均化を効果的に図ることができ、多元接続性能を向上させる。
【0052】
ステップS104におけるN個の所定長さの拡散系列について、本発明の実施例の1つの代替実施例において、以下の2つの上記N個の所定長さの拡散系列を取得するための方式が提供され、ここでは一例に過ぎず、本発明の実施例を限定することは意図していない。
【0053】
(1)擬似乱数列生成器からの出力系列に基づいて、上記N個の所定長さの拡散系列を決定する方式と、(2)予め設定された基準に従って、複数の系列を含む予め設定されたテーブルから上記N個の所定長さの拡散系列を取得する方式、である。
【0054】
上述のようにN個の所定長さの拡散系列を取得する方式(1)について、具体的な実施過程において、以下の2つの形態で実現されることができる。
【0055】
第1の形態
擬似乱数列生成器から長さがRである系列を直接出力し、ここで、R=N×Lであり、Lが上記所定長さで示される値であり、そして、上記長さがRである系列を等分になるようにN個の所定長さの系列に分け、上記N個の所定長さの系列を上記N個の所定長さの拡散系列とする。
【0056】
第2の形態
擬似乱数列生成器で長さが予め設定された長さである系列を生成し、上記予め設定された長さの系列を、長さがRである系列となるように所定回数繰り返して生成し、ここで、R=N×Lであり、Lが上記所定長さで示される値であり、そして、上記長さがRである系列を等分になるようにN個の所定長さの系列に分け、上記N個の所定長さの系列を上記N個の所定長さの拡散系列とする。例えば、擬似乱数列生成器で予め設定された長さが2である系列を生成すると、Nが4を取り、所定長さが3である場合、該系列を長さが12である系列となるように6回繰り返して生成し、そして、該長さが12である系列を、4等分になるように所定長さが3である拡散系列に分ければよい。
【0057】
上述のようにN個の所定長さの拡散系列を取得する方式(2)について、上記予め設定されたテーブルには、長さがそれぞれLであるL個の系列があり、上記系列によってL次直交行列が構成されることができ、もちろん、上記L次直交行列を構成する方式が多様であり、本発明の実施例の1つの好適な実施例において、上記長さがLである系列をL×L離散フーリエ変換行列に配列するか、L×L離散フーリエ変換行列における個々の要素に対して第1の所定値を乗算してL次直交行列が構成され、或いは、上記長さがLである系列をL×Lアダマール行列に配列するか、L×Lアダマール行列における個々の要素に対して第2の所定値を乗算して上記L次直交行列が構成される方式で実現されることができ、上記第1の所定値及び上記第2の所定値は、当業者が経験及び実状に応じて設定することができるが、本発明の好適な実施例はこれについて限定しない。
【0058】
便宜上、実際の応用において、単位行列を上記直交行列として直接選択することができる。
【0059】
なお、本発明の実施例に提供される上記拡散系列が実行列とされることができるが、しかし、実際の応用において、現在はやっている符号分割多元接続技術は、実現しやすくするために、拡散系列が2次擬似ランダムな実数系列とされることがほとんどである。しかし、2次擬似ランダムな実数系列、特に長さが短い2次擬似ランダムな実数系列の間の低相互相関度を確保しにくいため、マルチユーザ間の干渉がひどくなり、マルチユーザアクセスの性能を妨害するのは必至であり、この課題を解決するために、本発明の実施例において、上記拡散系列は、複素系列によっても実現可能な技術案がさらに提供され、即ち、個々のユーザは、複数の異なる複素拡散系列を用いてその変調シンボルを拡散し、複素系列が持っている2次実系列より優れた低相互相関の可能性によってアクセス性能を向上させることもでき、また、上記複素系列について、本発明の実施例において、以下の4つの複素系列の決定方式が提供され、なお、以下に提供される4つの決定方式は、必要があれば、組合せたり単独で使用したりすることができるが、本発明の実施例はこれについて限定しない。
【0060】
1)複素系列を以下のように決定する。第1の擬似乱数列生成器から長さがRである第1の実系列を生成し、第2の擬似乱数列生成器から長さがRである第2の実系列を生成し、ここで、R=N×Lであり、Lが所定長さで示される値である。そして、第1の実系列のi番目の要素を上記複素系列の実部とし、第2の実系列のi番目の要素を上記複素系列の虚部とし、上記実部及び上記虚部を含む複素数を上記複素系列のi番目の複素数要素とし、ここで、i=1,2,3・・・,Rである。得られたR個の複素数要素によって順番に上記長さがRである複素系列が構成され、上記長さがRである複素系列をN等分になる所定長さの複素系列に分ける。
【0061】
また、N個の所定長さの複素系列に対してそれぞれ上記N個の所定長さの複素系列のエネルギー正規化係数を乗算して、正規化したN個の所定長さの複素系列が得られるようにしてもよい。
【0062】
本発明の実施例において、それぞれ上記第1の実系列と第2の実系列を直接出力する2つの乱数列生成器が存在することが可能であり、上記第1の実系列及び第2の実系列から複素系列の実部及び虚部を直接決定することができ、もちろん、複素数コンステレーションを用いて複素系列の実部及び虚部を決定することもできる。
【0063】
2)複素系列を以下のように決定する。
【0064】
擬似乱数列生成器から長さがRである整数系列を生成し、ここで、整数系列の要素は、整数集合{0,1,・・・,D}又は集合{1,2,・・・,D}からのものであり、R=N×Lであり、Lが上記所定長さで示される値であり、Dが複素数コンステレーションにおけるコンステレーション点の数である。そして、長さがRである整数系列の要素について、予め設定されたマッピング規則に従って、複素数コンステレーションから上記要素に対応するコンステレーション点を選択し、上記コンステレーション点によって複素系列を決定する。
【0065】
3)複素系列を以下のように決定する。
【0066】
M元実数を生成可能な擬似乱数列生成器を用いて複素系列における全ての複素数要素の実部及び虚部を生成するか、M元実数集合から、一定の擬似ランダム基準によって前記複素系列における全ての複素数要素の実部及び虚部を選択し、ここで、Mが2以上の整数である。そして、選択された上記全ての複素数要素の上記実部及び上記虚部に基づいて、上記複素系列を決定する。本発明の実施例は、実際、決定された第1の実系列及び第2の実系列に基づいて複素系列の実部及び虚部を決定するものと読み替えることもできるが、本発明の実施例は、擬似乱数列生成器から出力された系列からデータを抽出して、第1の実系列及び第2の実系列を決定した上で、複素系列の実部及び虚部を決定するものである。
【0067】
なお、上記実施例における実数集合は、上記実数集合が[−(M−1)/2,(M−1)/2]範囲内のM個の整数からなる集合であり、ここで、Mが奇数であることと、上記実数集合が[−(M−1),(M−1)]範囲内のM個の奇数からなる集合であり、ここで、Mが偶数であることと、上記実数集合が[−(M−1)/2,(M−1)/2]範囲内のM個の整数に対してそれぞれ上記実数集合が対応するエネルギー正規化係数を乗算して得られたM個の実数からなる集合であり、ここで、Mが奇数であることと、上記実数集合が[−(M−1),(M−1)]範囲内のM個の奇数に対してそれぞれ上記実数集合が対応するエネルギー正規化係数を乗算して得られたM個の実数からなる集合であり、ここで、Mが偶数であることと、のうち少なくとも一方の要件を満たし、Mの取りうる値は、2,3,4のうち少なくとも1つを含む。
【0068】
すると、上記M元実数集合に基づいて、それぞれM元実数集合から値を取る、長さがRである第1の実系列及び長さがRである第2の実系列を生成し、ここで、R=N×Lであり、Lが所定長さで示される値であることと、第1の実系列のi番目の要素を複素系列の実部とし、第2の実系列のi番目の要素を複素系列の虚部とし、上記実部及び上記虚部を含む複素数を上記複素系列のi番目の複素数要素とし、ここで、i=1,2,3・・・,Rであることと、得られたR個の要素によって順番に長さがRである複素系列が構成され、長さがRである複素系列をN等分になるように上記所定長さの複素系列に分けることと、により複素系列を決定する。
【0069】
複素系列の結果をより標準化したものにするために、上記長さがRである複素系列をN等分になるように上記所定長さの複素系列に分けた後、N個の上記所定長さの複素系列に対してそれぞれ上記N個の所定長さの複素系列のエネルギー正規化係数を乗算して、正規化したN個の所定長さの複素系列が得られる工程をさらに実行してもよい。
【0070】
4)複素系列を以下のように決定する。[0,M×M−1]又は[1,M×M]範囲内の全ての整数からなる集合であるM×M元整数集合からその値を取る、長さがRである整数系列を生成する。そして、上記長さがRである整数系列の要素について、予め設定されたマッピング規則に従って、複素数コンステレーションから上記要素に対応するコンステレーション点を選択する。上記拡散系列を決定する工程を実行し終わって、上記拡散系列に基づいて変調シンボルを拡散した後、上記ステップS106は、上記変調シンボルのマルチキャリア変調を行い、そして、変調後の変調シンボルを上記発信機の発信信号とすることにより実現されることができる。
【0071】
本実施例において、発信機に応用される符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置がさらに提供され、上記実施例及び好適な実施形態を実現するものであって、既に説明したものは省略される。以下で使用する用語「モジュール」とは、所定の機能を実現可能なソフトウェア及び/又はハードウェアの組合せである。以下の実施例に説明する装置をソフトウェアで実現することが好ましいが、ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアとの組合せにより実現することも可能であり、構想されている。
【0072】
図2は、本発明の実施例による符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置の構造ブロック図であり、図2に示すように、この装置は、
チャネルエンコーダで符号化されたコードブロックが変調されて得られたN個の変調シンボルを取得し、ここで、Nが2以上の正整数である第1の取得モジュール20と、
第1の取得モジュール20に接続され、少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列に基づいて、上記N個の変調シンボルを拡散する拡散モジュール22と、
拡散モジュール22に接続され、拡散後の変調シンボルを送信する送信モジュール24と、を備える。
【0073】
上記各モジュールの統合作用によって、少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の拡散系列を用いて変調シンボルを拡散する技術案により、関連技術において、1つのユーザが全ての変調シンボルを1つの拡散系列のみで拡散することに起因して、ユーザ間の干渉が効果的なランダム化又は平均化にならない問題を解決し、個々のアクセスユーザが多様な異なる拡散系列を用いて、その変調シンボルを拡散することが可能になり、これにより、ユーザ間の干渉のランダム化、言い換えれば平均化を効果的に図ることができ、多元接続性能を向上させる。
【0074】
上記実施例における拡散系列を決定するために、図3に示すように、上記装置は、拡散モジュール22に接続され、擬似乱数列生成器からの出力系列に基づいて、上記N個の所定長さの拡散系列を決定する第1の決定モジュール26と、拡散モジュール22に接続され、予め設定された基準に従って、複数の系列を含む予め設定されたテーブルから上記N個の所定長さの拡散系列を取得する第2の取得モジュール28と、をさらに備える。
【0075】
上記拡散系列が、実系列、複素系列のうち少なくとも一方を含む場合、上記装置は、第1の擬似乱数列生成器から長さがRである第1の実系列を生成し、第2の擬似乱数列生成器から長さがRである第2の実系列を生成し、ここで、R=N×Lであり、Lが上記所定長さで示される値である生成モジュール30と、
生成モジュール30に接続され、上記第1の実系列のi番目の要素を上記複素系列の実部とし、上記第2の実系列のi番目の要素を上記複素系列の虚部とし、上記実部及び上記虚部を含む複素数を上記複素系列のi番目の複素数要素とし、ここで、i=1,2,3・・・,Rである第2の決定モジュール32と、
第2の決定モジュール32に接続され、得られたR個の複素数要素によって順番に上記長さがRである複素系列が構成され、上記長さがRである複素系列をN等分になるように上記所定長さの複素系列に分ける構成モジュール34と、をさらに備えてもよい。
【0076】
本発明の実施例は、上記技術案に対して、生成モジュール30がさらに、擬似乱数列生成器から長さがRである整数系列を生成し、ここで、前記整数系列の要素は、整数集合{0,1,・・・,D}又は集合{1,2,・・・,D}からのものであり、R=N×Lであり、Lが前記所定長さで示される値であり、Dが複素数コンステレーションにおけるコンステレーション点の数であるように構成され、生成モジュール30に接続され、上記長さがRである整数系列の要素について、予め設定されたマッピング規則に従って、複素数コンステレーションから上記要素に対応するコンステレーション点を選択する選択モジュール36と、選択モジュール36に接続され、上記コンステレーション点によって上記複素系列を決定する第3の決定モジュール38と、を備えることにおいてさらに改良している。
【0077】
選択モジュール36は、M元実数を生成可能な擬似乱数列生成器を用いて複素系列における全ての複素数要素の実部及び虚部を生成するか、M元実数集合から、一定の擬似ランダム基準によって複素系列における全ての複素数要素の実部及び虚部を選択し、ここで、Mが2以上の整数であるように構成され、第3の決定モジュール38は、選択された上記全ての複素数要素の上記実部及び上記虚部に基づいて、上記複素系列を決定するように構成されてもよい。
【0078】
上記実施例に提供される技術案をさらに改良するために、本実施例において、受信機側に応用される符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法が提供され、図4は、本発明の実施例による符号分割多元接続によるマルチユーザ通信方法のフローチャートであり、図4に示すように、そのフローは、以下のステップS402〜ステップS404を含む。
【0079】
ステップS402:K個の発信機から発信された発信信号を受信し、ここで、上記発信信号は、上記K個の発信機それぞれが所定長さの拡散系列を用いて変調信号を拡散処理してから、上記拡散後の変調信号をそれぞれ同じ時間周波数リソースに変調して形成された信号であり、個々の発信機ごとに、N個の変調シンボルに対して、少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列が存在し、N及びKがそれぞれ正整数である。
【0080】
ステップS404:上記拡散系列に基づいて上記発信信号を検出する。
【0081】
上記各ステップを通じて、発信機から送信された、少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の拡散系列に基づいて個々の発信機内の変調シンボルを拡散処理したものを受信する技術案により、関連技術において、1つのユーザが全ての変調シンボルを1つの拡散系列のみで拡散することに起因して、ユーザ間の干渉が効果的なランダム化又は平均化にならない問題を解決し、個々のアクセスユーザが多様な異なる拡散系列を用いて、その変調シンボルを拡散することが可能になり、これにより、ユーザ間の干渉のランダム化、言い換えれば平均化を効果的に図ることができ、多元接続性能を向上させる。
【0082】
本実施例において、受信機に応用される符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置がさらに提供され、上記実施例及び好適な実施形態を実現するものであって、既に説明したものは省略される。以下で使用する用語「モジュール」とは、所定の機能を実現可能なソフトウェア及び/又はハードウェアの組合せである。以下の実施例に説明する装置をソフトウェアで実現することが好ましいが、ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアとの組合せにより実現することも可能であり、構想されている。
【0083】
図5は、本発明の実施例による符号分割多元接続によるマルチユーザ通信装置の構造ブロック図であり、図5に示すように、この装置は、
K個の発信機から発信された発信信号を受信し、ここで、上記発信信号は、上記K個の発信機それぞれが所定長さの拡散系列を用いて変調信号を拡散処理してから、上記拡散後の変調信号をそれぞれ同じ時間周波数リソースに変調して形成された信号であり、個々の発信機ごとに、N個の変調シンボルに対して、少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列が存在し、N及びKがそれぞれ正整数である受信モジュール50と、
受信モジュール50に接続され、上記拡散系列に基づいて上記発信信号を検出する検出モジュール52と、を備える。
【0084】
上記各モジュールの統合作用によって、発信機から送信された、少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の拡散系列に基づいて個々の発信機内の変調シンボルを拡散処理したものを受信する技術案により、関連技術において、1つのユーザが全ての変調シンボルを1つの拡散系列のみで拡散することに起因して、ユーザ間の干渉が効果的なランダム化又は平均化にならない問題を解決し、個々のアクセスユーザが多様な異なる拡散系列を用いて、その変調シンボルを拡散することが可能になり、これにより、ユーザ間の干渉のランダム化、言い換えれば平均化を効果的に図ることができ、多元接続性能を向上させる。
【0085】
上記実施例に係わる符号分割多元接続によるマルチユーザ通信過程をよりよく理解するために、以下、いくつかの好適な実施例を結合して説明するが、本発明の実施例を限定するものではない。
【0086】
なお、本発明の好適な例における「L」は、本発明の上記実施例における所定長さと読み替えることができる。
【0087】
(好適な実施例1)
図6は、本発明の好適な実施例1による発信機の信号処理のフローチャートであり、図6に示すように、本実施例において、マルチユーザ符号分割多元接続通信方法及び対応する発信機、受信機が提供される。該発信機(例えば、送受信システムにおける端末であり、端末発信機とも呼ばれる)による信号処理過程は、図6に示すようであり、送信すべきデータビットがまず符号化変調されて、若干のデータシンボルが得られ、ここで、チャネルエンコーダで符号化された1つのコードブロックが変調されてN個のデータシンボルが得られるとすると、該N個のデータシンボルをN個の全く同じでない拡散系列で拡散して、拡散後のシンボル系列が得られ、N個の全く同じでない拡散系列で拡散することにより、ユーザ間干渉のランダム化を図る目的を達成することができる。そして、拡散後のシンボル系列がさらにキャリア変調されて発信信号を形成して発信する。
【0088】
本発明の好適な実施例1において、発信機側のマルチユーザ符号分割多元接続通信方法のフローは、図7に示すように、以下のステップS702〜ステップS706を含む。
【0089】
ステップS702:用いられるN個の全く同じでない拡散系列(それぞれの系列の長さをLとする)は、ある擬似乱数列生成器で生成したものであると決定する。
【0090】
ステップS704:上記N個の拡散系列を用いて、送信すべき1つのチャネルコーディングコードブロックを変調したN個のデータシンボルを1つずつ拡散処理して、拡散後のシンボル系列を生成する。
【0091】
このステップS704における拡散処理とは、符号化変調後のそれぞれの変調データシンボルと対応する1つの長さLの拡散系列の個々の要素とを乗算し、1つのコードブロックが対応する異なる変調シンボル用の拡散系列が全く同じでなく、このように、1つの変調シンボルを拡散して長さがLであるシンボル系列を形成し、最後に1つのコードブロックが対応するN個の変調シンボルを拡散して長さがN×Lであるシンボル系列を形成することをいう。
【0092】
ステップS706:上記拡散後のシンボル系列を送信する。
【0093】
このステップS706において、好ましくは、上記拡散後のシンボル系列をマルチキャリア変調することで、発信信号を形成して発信することができる。
【0094】
1つの代替例において、上記ステップS702において、用いられるN個の全く同じでない長さLの拡散系列は、ある擬似乱数列生成器で生成した長さN×Lの系列をN等分したものであると決定し、ここで、
上記長さN×Lの系列を、ある擬似乱数列生成器から直接出力するか、繰り返して生成するようにすることができ、
2つの長さN×Lの実系列を、2つの擬似乱数列生成器から直接出力するか、繰り返して生成し、そして、該2つの実数系列の要素をそれぞれN×L個の複素数の実部及び虚部とし、該N×L個の複素数によって上記長さN×Lの複素系列が構成されるようにしてもよく、
1つの長さ2×N×Lの実系列を、1つの擬似乱数列生成器から直接出力するか、繰り返して生成し、そして、そのN×L個の偶数位置及びN×L個の奇数位置の要素をN×L個の複素数の実部及び虚部とし、該N×L個の複素数によって上記長さN×Lの複素系列が構成されるようにしてもよく、
1つの長さN×Lの整数系列を、ある擬似乱数列生成器で直接生成するか、繰り返して生成し、そして、該整数系列の要素をインデックスとして1つの複素数コンステレーションから対応する複素数を選択して上記長さN×Lの複素系列を構成するようにしてもよい。
【0095】
最後に、上述のような長さN×Lの系列を等分になるようにNセグメントに分けて、N個の全く同じでない長さLの拡散系列を形成する。
【0096】
(好適な実施例2)
本発明の実施例2において、マルチユーザ符号分割多元接続通信方法及び対応する発信機、受信機が提供される。該発信機(例えば、送受信システムにおける端末であり、端末発信機とも呼ばれる)による信号処理過程は、図6に示すようであり、送信すべきデータビットがまず符号化変調されて、若干のデータシンボルが得られ、ここで、チャネルエンコーダで符号化された1つのコードブロックが変調されてN個のデータシンボルが得られるとすると、該N個のデータシンボルをN個の全く同じでない拡散系列で拡散して、拡散後のシンボル系列が得られ、N個の全く同じでない拡散系列で拡散することにより、ユーザ間干渉のランダム化を図る目的を達成することができる。そして、拡散後のシンボル系列がさらにキャリア変調されて発信信号を形成して発信する。
【0097】
本発明の好適な実施例において、発信機側のマルチユーザ符号分割多元接続通信方法のフローは、図8に示すように、以下のステップS802〜ステップS806を含む。
【0098】
ステップS802:用いられるN個の全く同じでない拡散系列(それぞれの系列の長さをLとする)は、送信側と受信側の双方が合意した若干の長さLの系列からなるテーブルから、一定の擬似ランダム基準に従ってN回選択して生成したものであると決定する。
【0099】
ステップS804:上記N個の拡散系列を用いて、送信すべき1つのチャネルコーディングコードブロックを変調したN個のデータシンボルを1つずつ拡散処理して、拡散後のシンボル系列を生成する。
【0100】
このステップにおける拡散処理とは、符号化変調後のそれぞれの変調データシンボルと対応する1つの長さLの拡散系列の個々の要素とを乗算し、1つのコードブロックが対応する異なる変調シンボル用の拡散系列が全く同じでなく、このように、1つの変調シンボルを拡散して長さがLであるシンボル系列を形成し、最後に1つのコードブロックが対応するN個の変調シンボルを拡散して長さがN×Lであるシンボル系列を形成することをいう。
【0101】
ステップS806:上記拡散後のシンボル系列を送信する。
【0102】
このステップにおいて、上記拡散後のシンボル系列をマルチキャリア変調することで、発信信号を形成して発信することが好ましい。
【0103】
一例において、上記ステップS802において、用いられるN個の全く同じでない長さLの拡散系列は、送信側と受信側の双方が合意した若干の長さLの系列からなるテーブルから、一定の擬似ランダム基準に従ってN回選択してなるものであると決定する。
【0104】
上記N個の全く同じでない拡散系列は、送信側と受信側の双方が合意したL個の長さLの相互直交系列からなるテーブルから、一定の擬似ランダム基準に従ってN回選択してなるものであってもよい。ここで、上記L個の長さLの相互直交した系列によって、L×Lの離散フーリエ変換行列(DFT matrix)が構成されるか、L×Lの離散フーリエ変換行列のそれぞれの要素を同じ値で除算した行列である直交行列が構成される。ここで、上記L個の長さLの相互直交した系列によって、L×Lのアダマール行列(Hadamard matrix)が構成されるか、L×Lのアダマール行列のそれぞれの要素を同じ値で除算した行列である直交行列が構成されてもよい。ここで、上記L個の長さLの相互直交した系列によって、L×Lの単位行列が構成されてもよい。
【0105】
(好適な実施例3)
本発明の好適な実施例において、マルチユーザ符号分割多元接続通信方法及び対応する発信機、受信機が提供される。該発信機(例えば、送受信システムにおける端末であり、端末発信機とも呼ばれる)による信号処理過程は、図6に示すようであり、送信すべきデータビットがまず符号化変調されて、若干のデータシンボルが得られ、ここで、チャネルエンコーダで符号化された1つのコードブロックが変調されてN個のデータシンボルが得られるとすると、該N個のデータシンボルをN個の全く同じでない拡散系列で拡散して、拡散後のシンボル系列が得られ、N個の全く同じでない拡散系列で拡散することにより、ユーザ間干渉のランダム化を図る目的を達成することができる。そして、拡散後のシンボル系列がさらにキャリア変調されて発信信号を形成して発信する。
【0106】
本実施例において、発信機側のマルチユーザ符号分割多元接続通信方法のフローは、図7又は図8に示すように、以下のステップを含む。
【0107】
ステップS702又はステップS802:用いられるN個の長さLの拡散系列は、いずれも複素拡散系列であり、上記複素拡散系列のそれぞれの要素が複素数であり、且つ上記複素拡散系列における全ての要素の実部及び虚部は、いずれもM元実数集合からその値を取り、ここで、Mは2以上の整数である、と決定する。
【0108】
いわゆるM元実数集合は、M個の実数からなる集合であり、上記M元実数集合は以下の集合のいずれかであることが好ましい。
【0109】
上記Mが奇数であり、上記M元実数集合が、[−(M−1)/2,(M−1)/2]範囲内のM個の整数からなる集合であり、或いは、
上記Mが偶数であり、上記M元実数集合が、[−(M−1),(M−1)]範囲内のM個の奇数からなる集合であり、或いは、
上記Mが奇数であり、上記M元実数集合が、[−(M−1)/2,(M−1)/2]範囲内のM個の整数に対してそれぞれ対応するエネルギー正規化係数を乗算して得られたM個の実数からなる集合であり、或いは、
上記Mが偶数であり、上記M元実数集合が、[−(M−1),(M−1)]範囲内のM個の奇数に対してそれぞれ対応するエネルギー正規化係数を乗算して得られたM個の実数からなる集合である。
【0110】
ステップS704又はステップS804:上記複素拡散系列を用いて、送信すべきデータシンボルを拡散処理して、拡散後のシンボル系列を生成する。このステップにおける拡散処理とは、それぞれの符号化変調後のデータシンボルと上記複素拡散系列の個々の要素(複素数シンボル)とを複素数乗算し、最後に全ての拡散系列と同じ長さの複素数シンボル系列を形成することをいう。
【0111】
ステップS706又はステップS806:上記拡散後のシンボル系列を送信する。
【0112】
このステップにおいて、上記拡散後のシンボル系列をマルチキャリア変調することで、発信信号を形成して発信することが好ましい。
【0113】
一例において、上記ステップS702において、用いられる複素拡散系列を決定することは、擬似ランダムな第1の実系列と第2の実系列を生成し、上記第1の実系列と第2の実系列における全ての要素は、上記M元実数集合からその値を取り、且つ上記第1の実系列と第2の実系列に含まれる要素数は、それぞれ上記複素系列の要素数N×Lに等しいことと、上記第1の実系列のi番目の要素を実部とし、上記第2の実系列のi番目の要素を虚部とし、該実部及び該虚部を含む複素数を上記複素系列のi番目の要素とし、ここで、i=1,2,3・・・,N×Lであり、Lが2以上の整数であることと、得られたN×L個の要素によって順番に上記長さN×Lの複素系列が構成され、上記長さN×Lの複素系列をN等分してN個の長さLの複素系列が形成されるか、上記N部のL個の複素数に対して対応するエネルギー正規化係数を乗算して順番に上記N個の長さLの複素拡散系列が構成されることと、を含む。
【0114】
別の一例において、上記ステップS702において、用いられる複素拡散系列を決定することは、擬似ランダムな整数系列を生成し、上記整数系列はN×L個の要素を含み、且つ全ての要素は、[0,M×M−1]又は[1,M×M]範囲内の全整数からなる集合であるM×M元整数集合からその値を取り、Lが2以上の整数であることと、上記擬似ランダムな整数系列におけるN×L個の要素に基づいて、予め設定されたマッピング規則に従って、M×M点の複素数コンステレーションから対応するN×L個のコンステレーション点を選択することと、上記N×L個のコンステレーション点が対応するN×L個の複素数を決定し、上記長さN×Lの複素系列をN等分してN個の長さLの複素系列が形成されるか、上記N部のL個の複素数に対して対応するエネルギー正規化係数を乗算して順番に上記N個の長さLの複素拡散系列が構成されることと、を含む。
【0115】
これに応じて、本実施例におけるマルチユーザ符号分割多元接続通信システムの発信機は、図9に示すように、
用いられるN個の拡散系列を決定し、上記N個の拡散系列が全く同じでないとともに、全ての系列のそれぞれの要素が複素数であり、且つ上記複素拡散系列における全ての要素の実部及び虚部は、いずれもM元実数集合からその値を取り、ここで、Mは2以上の整数である系列決定装置90と、
上記複素拡散系列を用いて、送信すべきデータシンボルを拡散処理して、拡散後のシンボル系列を生成する拡散装置92と、
上記拡散後のシンボル系列を送信する信号発信装置94と、を備える。上記拡散後のシンボル系列をマルチキャリア変調することで、発信信号を形成して発信することが好ましい。
【0116】
好ましくは、上記系列決定装置90により決定された上記複素拡散系列における全ての要素の実部及び虚部は、いずれもM元実数集合からその値を取り、ここで、
上記Mが奇数であり、上記M元実数集合が、[−(M−1)/2,(M−1)/2]範囲内のM個の整数からなる集合であり、或いは、
上記Mが偶数であり、上記M元実数集合が、[−(M−1),(M−1)]範囲内のM個の奇数からなる集合であり、或いは、
上記Mが奇数であり、上記M元実数集合が、[−(M−1)/2,(M−1)/2]範囲内のM個の整数に対してそれぞれ対応するエネルギー正規化係数を乗算して得られたM個の実数からなる集合であり、或いは、
上記Mが偶数であり、上記M元実数集合が、[−(M−1),(M−1)]範囲内のM個の奇数に対してそれぞれ対応するエネルギー正規化係数を乗算して得られたM個の実数からなる集合である。
【0117】
上記方案において、発信機は、特定した複素系列を拡散系列として用いて、送信すべきデータシンボルの拡散処理を行い、受信機に上記発信機から発信された信号を受信させ、そして、複数の発信機が同じ時間周波数リソースによって情報を同時に受信機に送信する場合、各発信機がそれぞれの複素拡散系列を用いて、それぞれの送信すべきデータシンボルの拡散処理を行うことにより、受信機が異なる発信機から発信された信号を認識することが可能になる。
【0118】
個々のユーザが複数の異なる拡散系列を用いてその変調シンボルを拡散することにより、ユーザ間の干渉のランダム化、言い換えれば平均化を効果的に図ることができる。これに加え、複素系列(即ち、系列における個々の要素がいずれも複素数である)は、2元実系列よりも大きな設計の自由度を有することが可能であり、低相互相関性の系列集合を符号分割多元接続のための拡散系列集合として選択することがより容易である。このため、本方案は、より優れた符号分割多元接続性能を取得することができ、これにより、より高いシステム過負荷レベルをサポートし、ユーザの非直交過負荷アクセス及び通信体験を向上させることができる。
【0119】
(好適な実施例4)
本発明の好適な実施例4は、受信機側のマルチユーザ符号分割多元接続通信方法及び対応する受信機に関わっており、該受信機(例えば、送受信システムにおける基地局)による信号受信及び処理原理は、図10に示すようであり、図10には、K個の発信機から発信された信号(それぞれの発信機による信号発信時の処理は図6に示すようである)が空中を無線伝搬した後、受信機は、K個の発信機から発信された信号の重畳信号を受信し、干渉除去信号検出器は、該重畳信号を受信検出し、各発信機から送信されたデータを得ることが示されている。本発明の実施例において、上記干渉除去信号検出器は、逐次干渉除去(Successive Interference Cancellation、SIC)信号検出器である。
【0120】
図11は、受信機側のマルチユーザ符号分割多元接続通信方法のフローを示し、以下のステップS1102〜ステップS1104を含む。
【0121】
ステップS1102:複数の発信機から発信された信号であって、上記複数の発信機がそれぞれの拡散系列を用いて、それぞれの送信すべきデータシンボルの拡散処理を行ってから、生成された拡散後のシンボル系列をそれぞれ同じ時間周波数リソースに変調して形成された信号を受信する。
【0122】
このステップS1102において、上記個々の発信機が用いた拡散系列は全く同じでなく、ある擬似乱数列生成器で生成したものであるか、送信側と受信側の双方が合意した若干の長さLの系列からなるテーブルから、一定の擬似ランダム基準に従って数回選択して生成したものである。
【0123】
ステップS1104:受信した上記複数の発信機から発信された信号を、干渉除去信号検出器を用いて受信検出し、検出時に、上記複数の発信機が用いた拡散系列を用いる。
【0124】
具体的な受信検出方法について、本発明の好適な実施例は何らも限定していない。しかし、検出中、受信機は、各端末から発信された信号を認識するように、いずれも上記複数の発信機が用いた拡散系列を用いる必要がある。
【0125】
これに応じて、本実施例における受信機側のマルチユーザ符号分割多元接続通信システムの受信機は、図12に示すように、
複数の発信機から発信された信号であって、上記複数の発信機がそれぞれの拡散系列を用いて、それぞれの送信すべきデータシンボルの拡散処理を行ってから、生成された拡散後のシンボル系列をそれぞれ同じ時間周波数リソースに変調して形成された信号を受信する信号受信装置1200と、
受信した上記複数の発信機から発信された信号を、干渉除去信号検出器を用いて受信検出し、検出時に、上記複数の発信機が用いた拡散系列を用いる受信検出装置1202と、を備える。
【0126】
上記拡散系列の数は、1つのチャネルコーティングコードブロックが対応する変調シンボルの数と同じであり、且つ全く同じでない。
【0127】
上記好適な実施例1及び好適な実施例2の方案(発信機側と受信機側のマルチユーザ符号分割多元接続通信方法及び対応する発信機と受信機)は、具体的な応用にあたり、MC−CDMAシステムに応用されることができ、また、競合アクセス場面(contention access scenario)、スケジューリングレス(grant-free)アクセス場面等に応用されることができる。
【0128】
MC−CDMAシステムに応用される場合、発信機は、上記N個の全く同じでない拡散系列を用いて、1つのコードブロックが対応するN個の変調シンボルの拡散処理を行い(即ち、拡散系列の数は、チャネルコーティングコードブロックが対応する変調シンボルの数と同じである)、拡散後のシンボル系列を得て受信機に送信する。複数の発信機が同じ周波数帯域幅又はサブキャリアリソースを用いることができる。これに応じて、受信機は、複数の発信機から発信された信号を受信した後、干渉除去信号検出器を用いて受信検出し、これにより、同じ時間周波数リソースを用いる複数の端末を有効に区別することができ、その上、システム容量を効果的に高め、一定の伝送速度の条件下でより多くの端末のアクセス数を負荷し、より高いシステム過負荷レベルをサポートし、ユーザの非直交過負荷アクセス及び通信体験を向上させることができる。
【0129】
競合アクセス場面に応用される場合、複数の、ひいては数多くのユーザ端末が同時にシステムにアクセスするよう要求し、各端末の発信機がそれぞれ上記特定した拡散系列を用いて、送信するデータシンボルの拡散処理を行うと、受信機は、各端末の発信機から発信された信号を干渉除去信号検出器で受信検出し、これにより、各端末から発信された信号を有効に区別することができ、その上、より高いシステム過負荷レベルをサポートし、システムへのアクセス効率を効果的に改良し、端末のアクセス体験を向上させることができる。
【0130】
スケジューリングレスアクセス場面に応用される場合、ユーザ端末はデータを送信する必要があれば、使用可能な時間周波数リソースにてデータ伝送を行うことができ、複数のユーザ端末が同じ時間周波数リソースを用いたデータ伝送を同時に行うことがある。各端末の発信機がそれぞれ上記特定した拡散系列を用いて、送信するデータシンボルの拡散処理を行う一方、受信機は、各端末の発信機から発信された信号を干渉除去信号検出器で受信検出し、これにより、各端末から発信された信号を有効に区別することができ、その上、より高いシステム過負荷レベルをサポートし、ユーザ端末のスケジューリングレスアクセス及び通信体験を向上させることができるだけでなく、システムのスケジューリングシグナリングを減少し、端末のアクセス遅延を低減することもできる。
【0131】
(好適な実施例5)
本実施例にてN個の長さLの複素拡散系列を生成する方法が提供され、発信機はまず2つの擬似ランダムな実系列に基づいて、長さN×Lの複素拡散系列を生成し、該2つの擬似ランダムな実系列における全ての要素は、実施例3で説明したM元実数集合からその値を取るとともに、該2つの擬似ランダムな実系列の長さは、複素拡散系列の長さと同じである。最後に、この長さN×Lの複素拡散系列を等分になるようにNセグメントに分けて、所望のN個の長さLの複素拡散系列を生成する。
【0132】
本発明の好適な実施例において、2つの擬似ランダムな実系列は、それぞれ発信機における2つの擬似乱数列生成器で独立して生成され、図13に示すように、第1の擬似乱数列生成器で長さがN×Lである擬似ランダムな第1の実系列を生成し、第2の擬似乱数列生成器で長さがN×Lである擬似ランダムな第2の実系列を生成する。
【0133】
別の実施例において、図14に示すように、まず発信機における1つの擬似乱数列生成器から、1つの長さが2×N×Lである擬似ランダムな基礎実系列を生成し、該基礎実系列における全ての要素は、実施例3で説明したM元実数集合からその値を取り、そして、該擬似ランダムな基礎実系列を直並列変換するか、セグメント別に記憶するか、周期的にサンプリングし、長さがいずれもN×Lである擬似ランダムな第1の実系列と擬似ランダムな第2の実系列を形成する。
【0134】
直並列変換方式を用いれば、擬似ランダムな基礎実系列の長さを2×N×Lとし、該基礎実系列の要素インデックス初期値を0とする。これは、該基礎実系列の偶数位置の要素で擬似ランダムな第1の実系列が形成され、該基礎実系列の奇数位置の要素で擬似ランダムな第2の実系列が形成されることに該当する。
【0135】
周期的サンプリング方式を用いれば、擬似ランダムな基礎実系列の長さをN×Lの数倍とすると、該基礎実系列から一部の位置の要素を周期的に抽出して擬似ランダムな第1の実系列とし、同様に、他の一部の位置の要素を周期的に抽出して擬似ランダムな第2の実系列とすることができる。
【0136】
本実施例において、図13図14に示すように、擬似ランダムな第2の実系列の各要素を90°位相偏移した(ejπ/2が掛け算された)後、擬似ランダムな第1の実系列の各要素とビット単位で加算して複素拡散系列が生成され、式で表すと、
ComplexSeq = Seq1+Seq2×ejπ/2となる。
【0137】
ここで、ComplexSeqが複素拡散系列を表し、Seq1が擬似ランダムな第1の実系列を表し、Seq2が擬似ランダムな第2の実系列を表し、また、Seq2の各要素を90°位相偏移する(ejπ/2が掛け算される)ことは、Seq2をComplexSeqの虚部とすることに相当する。上記式における加算とは、ビット単位での加算を意味し、即ち、Seq1のi番目の要素を実部とし、Seq2のi番目の要素を虚部とし、該実部及び該虚部を含む複素数をComplexSeqのi番目の要素とし、i=1,2,・・・,Lであることに留意されたい。
【0138】
M=3を例とすると、擬似ランダムな第1の実系列及び第2の実系列における全ての要素は、3元実数集合{1,0,−1}からその値を取る。擬似ランダムな第2の実系列を「1,−1,0,−1,1,0,−1,1」とし、その各要素を90°位相偏移することは、その各要素にejπ/2が掛け算されることに相当し、これにより、「ejπ/2,−ejπ/2,0,−ejπ/2,ejπ/2,0,−ejπ/2,ejπ/2」が得られる。擬似ランダムな第1の実系列を「−1,0,1,1,−1,1,−1,0」とすると、双方をビット単位で加算して、複素系列「−1+ejπ/2,−ejπ/2,1,1−ejπ/2,−1+ejπ/2,1,−1−ejπ/2,ejπ/2」を生成し、該複素系列を「−1+j,−j,1,1−j,−1+j,1,−1−j,j」で表してもよい。該複素系列を上記複素拡散系列とすることができる。さらに、生成した複素系列のエネルギー正規化を行い、即ち、該複素系列における個々の複素数に対して対応するエネルギー正規化係数を乗算した後、得られた複素系列を上記複素拡散系列とするようにしてもよい。複素系列が対応するエネルギー正規化係数として、該複素系列の各要素のエネルギーの和の逆数を用いることができ、例えば、複素系列「−1+j,−j,1,1−j,−1+j,1,−1−j,j」のエネルギーの和が2+1+1+2+2+1+2+1=12である。エネルギー正規化された複素系列が、「(−1+j)/sqrt(12),−j/sqrt(12),1/sqrt(12),(1−j)/sqrt(12),(−1+j)/sqrt(12),1/sqrt(12),(−1−j)/sqrt(12),j/sqrt(12)」となり、ここで、sqrt( )が平方根を求める演算を表す。
【0139】
上記位相偏移では、0から2πまでの他の値、例えば、270°(又は3π/2)、−90°(又は−π/2)、−270°(又は−3π/2)等の値を取ってもよい。
【0140】
上記擬似乱数列生成器は線形帰還シフトレジスタで構成されることができ、図15に示すように、擬似乱数列生成器はnステージ線形帰還シフトレジスタで構成され、長さがMn−1である擬似ランダムな実系列を生成するものであるとすると、帰還関数又は帰還接続多項式をf= m0x0+m1x1+…+mn-1xn-1+mnxnで表すことができ、ここで、(m0, m1, …, mn-1, mn)が帰還係数であり、クロックはシフトレジスタの動作を制御する。図13における2つの擬似乱数列生成器について、両者は、同じか異なる帰還関数又は帰還接続多項式を用いることができる。
【0141】
(好適な実施例6)
本発明の好適な実施例6にてN個の長さLの複素拡散系列を生成する方法が提供され、該方法の原理は図16又は図17に示すようである。発信機は2つの長さN×Lの擬似ランダムな実系列に基づいて、長さN×Lの複素拡散系列を生成し、最後に、この長さN×Lの複素拡散系列を等分になるようにNセグメントに分けて、所望のN個の長さLの複素拡散系列を生成する。そして、該2つの擬似ランダムな実系列の生成過程は、実施例5で説明した通りである。
【0142】
本実施例において、図18図19に示すように、2つのN×L擬似ランダムな実系列と複素数コンステレーションとのマッピング関係に基づいて、擬似ランダムな第1の実系列、擬似ランダムな第2の実系列をビット単位で共同して複素数コンステレーションにマッピングして複素拡散系列を生成し、式で表すと、
(Seq1i, Seq2i) −> ComplexSeqiとなる。
【0143】
ここで、ComplexSeqiが複素拡散系列のi番目の要素を表し、擬似ランダムな実系列と複素数コンステレーションとのマッピング関係に基づいて(Seq1i, Seq2i)からマッピングされたものであり、Seq1iが擬似ランダムな第1の実系列のi番目の要素を表し、Seq2iが擬似ランダムな第2の実系列のi番目の要素を表す。
【0144】
M=3を例とすると、擬似ランダムな第1の実系列及び第2の実系列における全ての要素は、3元実数集合{1,0,−1}からその値を取る。2つの擬似ランダムな実系列について、複素数コンステレーションは9つの複素数座標1+j,j,−1+j,1,0,−1,1−j,−j,−1−jからなる9つのコンステレーション点であると予め定義し、(Seq1i, Seq2i)が(1,1)の値を取る場合、複素数1+jにマッピングされ、(0,1)の値を取る場合、複素数jにマッピングされ、(−1,1)の値を取る場合、複素数−1+jにマッピングされ、(1,0)の値を取る場合、複素数1にマッピングされ、(0,0)の値を取る場合、複素数0にマッピングされ、(−1,0)の値を取る場合、複素数−1にマッピングされ、(1,−1)の値を取る場合、複素数1−jにマッピングされ、(0,−1)の値を取る場合、複素数−jにマッピングされ、(−1,−1)の値を取る場合、複素数−1−jにマッピングされると予め定義し、図13に示すようである。
【0145】
本発明の好適な実施例において、擬似ランダムな第1の実系列を「−1,0,1,1,−1,1,−1,0」とし、擬似ランダムな第2の実系列を「1,−1,0,−1,1,0,−1,1」とすると、2つの擬似ランダムな実系列と9点の複素数コンステレーションとのマッピング関係に基づいて、擬似ランダムな第1の実系列、擬似ランダムな第2の実系列をビット単位で共同して9点の複素数コンステレーションにおける複素数コンステレーション点にマッピングして、複素系列「−1+j,−j,1,1−j,−1+j,1,−1−j,j」が得られ、該系列を生成された複素拡散系列とすることができる。さらに、該複素拡散系列のエネルギー正規化を行って上記複素拡散系列とするようにしてもよい。ここで、エネルギー正規化時に、用いられるエネルギー正規化係数は、複素数コンステレーションにおける9点の複素数コンステレーション点のエネルギーの和の逆数であってもよい。
【0146】
M=4を例とすると、擬似ランダムな第1の実系列及び第2の実系列における全ての要素は、4元実数集合{3,1,−1,−3}からその値を取る。2つの擬似ランダムな実系列について、複素数コンステレーションは16つの複素数座標3+3j,3+j,3−j,3−3j,1+3j,1+j,1−j,1−3j,−1+3j,−1+j,−1−j,−1−3j,−3+3j,−3+j,−3−j,−3−3jからなる16つのコンステレーション点であると予め定義し、(Seq1i, Seq2i)が(3,3)の値を取る場合、複素数3+3jにマッピングされ、(3,1)の値を取る場合、複素数3+jにマッピングされ、(3,−1)の値を取る場合、複素数3−jにマッピングされ、(3,−3)の値を取る場合、複素数3−3jにマッピングされ、(1,3)の値を取る場合、複素数1+3jにマッピングされ、(1,1)の値を取る場合、複素数1+jにマッピングされ、(1,−1)の値を取る場合、複素数1−jにマッピングされ、(1,−3)の値を取る場合、複素数1−3jにマッピングされ、(−1,3)の値を取る場合、複素数−1+3jにマッピングされ、(−1,1)の値を取る場合、複素数−1+jにマッピングされ、(−1,−1)の値を取る場合、複素数−1−jにマッピングされ、(−1,−3)の値を取る場合、複素数−1−3jにマッピングされ、(−3,3)の値を取る場合、複素数−3+3jにマッピングされ、(−3,1)の値を取る場合、複素数−3+jにマッピングされ、(−3,−1)の値を取る場合、複素数−3−jにマッピングされ、(−3,−3)の値を取る場合、複素数−3−3jにマッピングされると予め定義し、図14に示すようである。
【0147】
本発明の好適な実施例において、擬似ランダムな第1の実系列を「−1,3,1,−3,1,3,−1,−3」とし、擬似ランダムな第2の実系列を「3,1,−3,−1,1,−1,−3,3」とすると、2つの擬似ランダムな実系列と16点の複素数コンステレーションとのマッピング関係に基づいて、擬似ランダムな第1の実系列と第2の実系列をビット単位で共同して16点の複素数コンステレーションにおける複素数コンステレーション点にマッピングして、複素系列「−1+3j,3+j,1−3j,−3−j,1+j,3−j,−1−3j,−3−3j」が得られ、該系列を生成された複素拡散系列とすることができる。さらに、該複素数系列のエネルギー正規化を行って上記複素拡散系列とするようにしてもよい。
【0148】
上記2つの擬似ランダムな実系列と16点の複素数コンステレーションとのマッピング関係について、2つの擬似ランダムな実系列の要素のそれぞれの取りうる値の集合を2進法インデックスで番号付け、例えば、(1,1)を0000で、(−1,1)を0001で、・・・,(3,−3)を1111で表し、同様に、16点の複素数コンステレーションにおける16個の複素数コンステレーション点も同様な規則に従って番号付け、例えば、1+jを0000で、−1+jを0001で、・・・,3−3jを1111で表し、即ち、2つの4元擬似乱数列の要素のそれぞれの取りうる値の集合と16個の複素数コンステレーション点とが一々対応するようにしてもよい。そして、該マッピング関係に基づいて、生成した2つの擬似ランダムな実系列をビット単位で共同して16個の複素数コンステレーションにおけるコンステレーション点にマッピングして、複素系列が得られ、該複素系列を上記複素拡散系列とするか、該複素系列のエネルギー正規化を行って上記複素拡散系列が得られる。
【0149】
上述のように、M=4の場合の2つの擬似ランダムな実系列と16点の複素数コンステレーションとをマッピングする他に、M=2の場合に生成した2つの擬似ランダムな実系列を16点の複素数コンステレーションとマッピングすることもできる。M=2の場合、擬似ランダムな実系列の要素は、0又は1か、1又は−1の値を取るため、毎回実系列における2つの要素をマッピングのために利用する必要があり、例えば、M=2の場合の擬似ランダムな第1の実系列を「01100011」とし、擬似ランダムな第2の実系列を「10111010」とし、擬似ランダムな第1の実系列と擬似ランダムな第2の実系列のそれぞれから2つの要素を同時に抽出してマッピングすると、(01,10)が、16点の複素数コンステレーションにおける0110で表される複素数コンステレーション点にマッピングされ、(10,11)が、16点の複素数コンステレーションにおける1011で表される複素数コンステレーション点にマッピングされる、等である。
【0150】
上記複素数コンステレーション及び2つの擬似ランダムな実系列と複素数コンステレーションとのマッピング関係を他の形で定義してもよく、より多くの複素数コンステレーション点からなる複素数コンステレーション及び、2つを超えた擬似ランダムな実系列と複素数コンステレーションとのマッピング関係を定義してもよく、上記原理に類似するものであり、ここではその説明を省略する。
【0151】
(好適な実施例7)
本発明の好適な実施例にてN個の長さLの複素拡散系列を生成する方法が提供され、該方法の原理は図20又は図21に示すようである。
【0152】
発信機はまず長さN×Lの擬似ランダムな整数系列を生成し、上記整数系列は、N×L個の要素を有し、且つ全ての要素は、[0,M×M−1]又は[1,M×M]範囲内の全整数からなる集合であるM×M(MとMとを掛ける)元整数集合からその値を取り、ここで、M、Lがそれぞれ2以上の整数である。
【0153】
上記擬似ランダムな整数系列におけるN×L個の要素に基づいて、予め設定されたマッピング規則に従って、M×M点の複素数コンステレーションから対応するN×L個のコンステレーション点を選択して長さN×Lの複素系列を形成し、最後に、この長さN×Lの複素系列を等分になるようにNセグメントに分けて、所望のN個の長さLの複素拡散系列を生成する。或いは、上記NグループのL個の複素系列に対して対応するエネルギー正規化係数を乗算して順番に上記N個の長さLの複素拡散系列が構成される。
【0154】
ここでの複素拡散系列は、実施例3と同じであり、それぞれの要素が複素数であり、且つ上記複素拡散系列における全ての要素の実部及び虚部は、いずれもM元実数集合からその値を取る。
【0155】
上記擬似ランダムな整数系列は擬似乱数列生成器で生成されることができ、また、該擬似乱数列生成器は線形帰還シフトレジスタで構成されることができ、実施例5で説明した通りである。
【0156】
本実施例において、M×M=9元整数集合を例として、発信機は擬似ランダムな整数系列を生成し、該整数系列の要素はいずれも9元整数集合{0,1,2,・・・,8}からその値を取る。9元整数集合における要素とM×M=9点の複素数コンステレーションの複素数コンステレーション点とのマッピング関係(図20に示すように)に基づいて、該擬似ランダムな整数系列をビット単位で9点の複素数コンステレーションの複素数コンステレーション点(それぞれの複素数コンステレーション点が1つの複素数を表す)にマッピングして複素拡散系列を生成し、式で表すと、
Seqi −> ComplexSeqiとなる。
【0157】
ここで、ComplexSeqiが複素拡散系列のi番目の要素を表し、9元整数集合における要素と9点の複素数コンステレーションの複素数コンステレーション点とのマッピング関係に基づいてSeqiからマッピングされたものであり、Seqiが擬似ランダムな整数系列のi番目の要素を表す。
【0158】
別の実施例において、M×M=1整数集合を例として、発信機は擬似ランダムな整数系列を生成し、該整数系列の要素はいずれも16元整数集合{0,1,2,・・・,15}からその値を取る。16元整数集合における要素とM×M=16点の複素数コンステレーションの複素数コンステレーション点とのマッピング関係(図21に示すように)に基づいて、該擬似ランダムな整数系列をビット単位で16点の複素数コンステレーションの複素数コンステレーション点にマッピングして複素拡散系列を生成し、式で表すと、
Seqi −> ComplexSeqiとなる。
【0159】
ここで、ComplexSeqiが複素拡散系列のi番目の要素を表し、16元整数集合における要素と16点の複素数コンステレーションの複素数コンステレーション点とのマッピング関係に基づいてSeqiからマッピングされたものであり、Seqiが擬似ランダムな整数系列のi番目の要素を表す。
【0160】
上記M×M元整数集合、M×M点の複素数コンステレーション、及び双方間のマッピング関係を他の形で定義してもよく、上記原理に類似するものであり、ここではその説明を省略する。
【0161】
(好適な実施例8)
本発明の好適な実施例にてN個の長さLの拡散系列を生成する方法が提供され、以下のようである。
【0162】
上記N個の全く同じでない拡散系列は、送信側と受信側の双方が合意した若干の長さLの系列からなるテーブルから、一定の擬似ランダム基準に従ってN回選択してなるものであってもよい。
【0163】
例えば、端末の発信機は、ランダムに生成した又は予め定義された式によって算出したインデックスに基づいて、系列集合からN回選択してN個の長さLの拡散系列を生成するか、基地局は、拡散系列の選択方法をシグナリングによって端末の発信機に通知し、端末の発信機は、該選択方法に基づいて系列集合又は系列表から系列を取得して拡散系列とする。
【0164】
本実施例において、表1は、システムで予め定義された複素系列集合であり、該複素系列集合がn個の複素系列を含み、それぞれの系列の長さがLであるとする。
【0165】
【表1】
【0166】
上記複素系列集合又は複素系列表を他の形で定義してもよく、上記原理に類似するものであり、ここではその説明を省略する。
【0167】
端末の発信機は、ランダムに生成したN個の擬似ランダムな0からn−1までの整数を表のインデックスとして、例えば、生成した1番目のインデックスが1であり、表1からインデックスが1である複素系列をその第1の変調シンボルの拡散系列として選択する。或いは、端末の発信機は、予め定義された式によって算出したインデックスに基づいて、例えば、算出した1番目のインデックスが1であり、表1からインデックスが1である複素系列をその第1の変調シンボルの拡散系列として選択する。
【0168】
別の実施形態において、基地局は、複素拡散系列のインデックス生成方法をシグナリングによって端末の発信機に通知し、例えば、基地局がシグナリングによって通知したインデックス生成方法で生成した1番目のインデックスが1であり、端末の発信機は、該インデックスに基づいて表1からインデックスが1である複素系列をその第1の変調シンボルの拡散系列として選択する。
【0169】
上記実施例のステップの一部又は全部は、集積回路によって実現されてもよく、これらのステップをそれぞれ集積回路モジュールに製作したり、これらのうち複数のモジュール又はステップを単独の集積回路モジュールに製作したりして実現することができる。このように、本発明は、如何なる特定のハードウェアとソフトウェアの結合に限定されない。
【0170】
別の実施例において、上記実施例及び好適な実施形態で説明した技術案を実行するためのソフトウェアがさらに提供される。
【0171】
別の実施例において、上記ソフトウェアが記憶される記憶媒体がさらに提供され、該記憶媒体は、光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、消去可能なメモリ等を含むが、これには限定されない。
【0172】
なお、本発明の明細書及び特許請求の範囲並びに上記図面に言及された「第1」、「第2」等の用語は、類似した対象を区別するためのものであり、特定の順番又は前後順序を説明するためのものではない。ここで説明した本発明の実施例をここで示した又は説明した順番以外の順番で実施可能なものにするために、このように使用された対象は適した場合であれば互いに取り替え可能なことは、理解されるべきである。また、用語である「含む」、「有する」及びそれらの如何なる変形は、排他的にならずに含まれたものをカバーすることがその意図であり、例えば、一連のステップ又はユニットを含めたプロセス、方法、システム、製品又は機器は、明確に示したステップ又はユニットに限定される必要がなく、これらのプロセス、方法、製品又は機器に対して明確に示していなかったり、固有であったりする他のステップ又はユニットを含むことができる。
【0173】
上述したように、本発明の実施例は、関連技術において、1つのユーザが全ての変調シンボルを1つの拡散系列のみで拡散することに起因して、ユーザ間の干渉が効果的なランダム化又は平均化にならない問題を解決し、個々のアクセスユーザが多様な異なる拡散系列を用いて、その変調シンボルを拡散することが可能になり、これにより、ユーザ間の干渉のランダム化、言い換えれば平均化を効果的に図ることができ、多元接続性能を向上させるという技術効果を達成している。
【0174】
当業者にとって、上述の本発明の各モジュール又は各ステップは汎用の計算装置によって実現することができ、単独の計算装置に集成させることができれば、複数の計算装置から構成されるネットワークに分布させることもでき、さらに計算装置で実行可能なプログラムのコードによって実現することもできるので、それらを記憶装置に格納して計算装置によって実行することができ、そして場合によって、示した又は説明したステップを上述と異なる手順で実行することができ、それぞれ集積回路モジュールに製作したり、これらのうち複数のモジュール又はステップを単独の集積回路モジュールに製作したりして実現することができることは、明らかなことである。このように、本発明は、如何なる特定のハードウェアとソフトウェアの結合に限定されない。
【0175】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定することは意図していない。当業者であれば、本発明に様々な変更や変形が可能である。本発明の思想や原則内の如何なる修正、均等の置き換え、改良なども、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0176】
本発明に提供される上記技術案は、符号分割多元接続によるマルチユーザ通信過程に応用されることができ、少なくとも2つの拡散系列が異なっているN個の所定長さの拡散系列を用いて、変調シンボルを拡散する技術案により、関連技術において、1つのユーザが全ての変調シンボルを1つの拡散系列のみで拡散することに起因して、ユーザ間の干渉が効果的なランダム化又は平均化にならない問題を解決し、多元接続性能を向上させ、個々のアクセスユーザが多様な異なる拡散系列を用いて、その変調シンボルを拡散することが可能になり、これにより、ユーザ間の干渉のランダム化、言い換えれば平均化を効果的に図ることができる。
図1
図2
図3
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図8
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図10
図11
図12
図13
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図15
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図19
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