(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
まず、
図1および
図2を参照して、本発明の実施の形態によるエレベータシステムが適用されるエレベータ装置について説明する。
【0010】
なお、以下の説明においては、かごドア側から見て、エレベータのかごのドアが開閉する方向を左右方向と、乗客が乗りかご内から出る方向を前方と、乗客がかご内に入り込む方向を後方と、鉛直方向を上下方向と言う。
【0011】
図1に示すように、エレベータ装置1は、昇降路2内を昇降可能な乗りかご3と、乗りかご3にロープ4を介して連結された釣合錘5と、ロープ4を介して乗りかご3および釣合錘5を昇降させる巻上機(駆動装置)6と、を備えている。このうち巻上機6には制御装置7が接続されている。このような構成において、制御装置7が巻上機6を制御することにより、巻上機6がロープ4を巻き上げて乗りかご3および釣合錘5が昇降し、乗りかご3は、エレベータ装置1が設置された建物の複数の階床にそれぞれ設けられた乗場8a,8b間を昇降するようになっている。
【0012】
各乗場8a,8bには乗場ドア9が設けられ、乗りかご3にはかごドア10が設けられている。乗場ドア9とかごドア10とは、連動して開閉するように構成されている。そして、乗りかご3が乗場8a,8bに着床すると、乗場ドア9とかごドア10とが連動して開くことでエレベータの出入口11が開き、エレベータの乗客が乗りかご3の前後方向D2に乗り降り可能となっている。一方、乗客の乗り降りが終了すると、かごドア10と乗場ドア9とが連動して閉じることでエレベータの出入口11が閉じるようになっている。
【0013】
各乗場8a,8bには、かご呼び登録を行うために利用者が操作可能なかご呼びボタンが設けられている。また、乗りかご3には、乗りかご3の行き先階登録を行うために利用者が操作可能な行き先階操作ボタンが設けられている。そして、制御装置7は、上述したかご呼び登録および行き先階登録に応じて駆動装置6を制御して、乗りかご3を、かご呼びが行われた乗場8a,8bあるいは登録された行き先階に着床させるようになっている。
【0014】
次に、本実施の形態によるかごドアの詳細を以下に説明する。ここでは、かごドアが両開き構造となっている例について説明する。
【0015】
図2は、乗りかご3に設けられたかごドア10を前方から見た斜視図である。また、
図5は、かごドア10の下端部を前方から見た正面図である。
図2および
図5は、戸閉時におけるかごドア10を示している。
図2および
図5において、参照番号10p,10pはドアパネルを示している。参照番号12は、敷居を示している。
図2に示すように、敷居12の左右両端部には、アングル部材13,14が上下方向に立設されている。ドアパネル10p,10pの上には、アングル部材13,14によってヘッダーケース16が左右方向D3に水平に支持されている。このヘッダーケース16には、ドアレール18が左右方向D3に水平に取り付けられている。
【0016】
ドアハンガー20,20には、外周がゴム部材でできているローラ22,23が設けられている。ドアパネル10p,10pは、ドアレール18を転動するローラ22,23を介してドアハンガー20,20によって吊持された状態で、左右方向D3に開閉するようになっている。
図5に示すように、ドアパネル10p,10pの下端には、ドアシュー24,25が設けられている。このドアシュー24,25は敷居12の敷居溝15に挿入されており、ドアパネル10p,10pの左右方向D3の開閉動作が案内される。
図2に示すように、ドアパネル10p,10pの互いに対向する先端面10a,10aは、戸閉時に互いに突き合わされている。
【0017】
次に、
図1乃至
図9を参照して、上述のようなエレベータ装置に適用されるエレベータシステムについて説明する。エレベータシステム30は、かごドア10の戸閉時における異物S(例えば、ペットと飼い主とを繋ぐリード等の紐状異物や、傘等の細長状異物、また衣服やかばん等)の挟み込みを、乗りかご3の昇降中に検出するものである。
図1に示すように、エレベータシステム30は、かごドア10の上部に設けられた上側押圧力検出器31と、かごドア10の下部に設けられた下側押圧力検出器32と、駆動装置6と、制御装置7と、を含む。図示された例では、エレベータシステム30は、押圧力検出器31,32で押圧力が検出されると制御装置7に信号を送出する信号送出部33を有する。以下では、かごドア10に挟み込まれる異物Sとして、紐状異物を例に挙げて説明する。
【0018】
上側押圧力検出器31および下側押圧力検出器32について、さらに詳細に説明する。上側押圧力検出器31は、かごドア10の上部に加わる押圧力を検出するものである。より具体的には、上側押圧力検出器31は、異物Sがかごドア10に挟み込まれた状態で乗りかご3が下降した場合に異物Sから加わる押圧力を検出するものである。例えば、
図6に示すように、紐状異物Sがかごドア10に挟み込まれた状態で乗りかご3が下降した場合、紐状異物Sの両端部が乗場8aと乗りかご3との間で引っ張られて、紐状異物Sに張力が生じる。そして、乗りかご3が下降を続けると、この張力が生じた紐状異物Sによって、かごドア10の上部が押圧される。上側押圧力検出器31は、このようにして異物Sから加わる押圧力を検出する。
【0019】
また、下側押圧力検出器32は、かごドア10の下部に加わる押圧力を検出するものである。より具体的には、下側押圧力検出器32は、異物Sが挟み込まれた状態で乗りかご3が上昇した場合に異物Sから加わる押圧力を検出するものである。例えば、
図8に示すように紐状異物Sがかごドア10に挟み込まれた状態で乗りかご3が上昇した場合、紐状異物Sの両端部が乗場8bと乗りかご3との間で引っ張られて紐状異物Sに張力が生じる。そして、乗りかご3が上昇を続けると、この張力が生じた紐状異物Sによって、かごドア10の下部が押圧される。下側押圧力検出器32は、このようにして異物Sから加わる押圧力を検出する。
【0020】
ここで、
図6に示すように、異物Sが乗場ドア9およびかごドア10に挟み込まれた状態で乗りかご3が下降した場合、異物Sは戸閉されたドアパネル10p,10pの先端面10a,10aの間から上方に延び出す。このような異物Sからの押圧力を効果的に受けることができるよう、
図2に示す例では、上側押圧力検出器31は、戸閉時においてドアパネル10p,10pの先端面10a,10aの上方となる位置に設けられている。図示された例では、上側押圧力検出器31は、ヘッダーケース16の前面でドアレール18の下方となる位置に固定されているが、これに限られない。上側押圧力検出器31は、乗りかご3の天面等、ヘッダーケース16の上方に設けられていてもよい。なお、上側押圧力検出器31は、昇降路2内の他の用品と接触しないように設けられる。
【0021】
また、
図8に示すように、異物Sが乗場ドア9およびかごドア10に挟み込まれた状態で乗りかご3が上昇した場合、異物Sは戸閉されたドアパネル10p,10pの先端面10a,10aの間から下方に延び出す。このような異物Sからの押圧力を効果的に受けることができるよう、
図2および
図5に示す例では、下側押圧力検出器32は、戸閉時にドアパネル10p,10pの先端面10a,10aの下方となる位置に固定されている。図示された例では、下側押圧力検出器32は、敷居12の下面に固定されているが、これに限られない。下側押圧力検出器32は、例えば、乗りかご3の底面等、他の位置に設けられていてもよい。なお、下側押圧力検出器32は、昇降路2内の他の用品と接触しないように設けられる。
【0022】
図2に示すように、押圧力検出器31,32は、それぞれ、一部が乗りかご3の前面から突出する突出部41を有している。このような突出部41によって、異物Sが挟み込まれた状態で乗りかご3が昇降した場合に、異物Sから押圧力を効果的に受けることができる。
【0023】
また、
図2および
図4に示すように、押圧力検出器31,32は、それぞれ、電路31a,32aに接続された開閉接点38,39を有する。この電路31a,32aは、後述する信号送出部33と配線33aを介して、制御装置7に接続されている。電路31a,32aと開閉接点38,39とを接続する配線36,37は、ドアパネル10p,10pの開閉動作を阻害しないよう、ドアレール18の下面または敷居12の下面に沿って敷設されている。
【0024】
また、
図3および
図4に示すように、押圧力検出器31,32は、それぞれ、開閉接点38,39を開閉する開閉機構40を有している。開閉機構40の一部は、上述の突出部41を成す。そして、開閉機構40は、突出部41が異物Sから押圧力を受けていない場合に開閉接点38,39を閉じ、突出部41が異物Sから押圧力を受けた場合に開閉接点38,39を開くようになっている。
【0025】
より詳細には、開閉機構40は、左右方向D3に延びる軸線の周りを回動可能に設けられたレバー43と、レバー43の少なくとも一部を収容する筐体34と、を有する。筐体34は、概ね直方体の箱状であり、左右方向に対向する一対の側壁34a,34aと、前後方向に対向する前壁34cおよび後壁34bと、上下方向に対向する天面34dおよび底面34eと、を有する。前壁34cには開口34fが設けられている。
【0026】
レバー43は、筐体34内を左右方向D3に延びる軸42によって支持されている。軸42の両端部は、筐体34の一対の側壁34a,34aによって支持されている。図示された例では、レバー43は、軸42の周りを回動可能に設けられている。レバー43は、概ね上下方向に延びる部分と、当該部分の一端(下端)から前方に延び出す部分と、を有するL字状の部材である。この前方に延び出す部分は、レバー43の一端部(下端部)43aを成す。
【0027】
開閉機構40は、また、レバー43の一端部43aを前方に付勢する付勢部材44を有している。図示の例では、付勢部材44は、バネである。付勢部材44は、レバー43の一端部43aと筐体34の後壁34bとの間に配置されている。この付勢部材44で付勢されることにより、レバー43の一端部43aは、当該一端部43aに押圧力が加わっていない状態において、開口34fを介して筐体34の前壁34cよりも前方に突出した状態に維持される。また、一端部43aは、付勢部材44によって付勢されることにより、振動や風圧の影響を受けることなく、前壁34cよりも前方に突出した状態に維持される。なお、このレバー43の一端部43aが、上述の突出部41を成す。
【0028】
ここで、上述のように、押圧力検出器31,32は、昇降路2内の他の用品と接触しないように設けられている。したがって、突出部41の筐体34からの突出量は、突出部41が乗りかご3の前面から突出するが昇降路2内の他の用品と接触しないように、調整される。具体的には、レバー43を支持する軸42の位置や付勢部材44の寸法等を調整することにより、調整される。
【0029】
図4に示すように、レバー43の他端部(上端部)43bの後面には、上述の開閉接点38,39の一方39が固定されている。これにより、接点39は、レバー43の回動に伴って概ね前後方向D2に移動する。また、筐体34の後壁34bの前面には、開閉接点の他方38が固定されている。他方の接点38は、一方の接点39に対向する位置に配置されている。このため、レバー43を回動させて開閉接点39を前後方向D2に移動させることにより、一対の開閉接点38,39を開閉することができるようになっている。図示の例では、レバー43の突出部41に押圧力が加わっていない場合、開閉接点38,39は閉じている。そして、レバー43の突出部41に押圧力が加わってレバー43が軸42の周りを回動すると、開閉接点38,39は開くようになっている。なお、上述のように、一端部43aは付勢部材44によって振動や風圧の影響を受けることなく、前壁34cよりも前方に突出した状態に維持される。これにより、開閉接点38,39が振動や風圧の影響を受けて開くことが防止されている。
【0030】
図3に示すように、開閉機構40は、突出部41の先端に設けられた左右方向D3に水平に延びる棒状部材45を更に有している。図示された例では、棒状部材45は、レバー43の突出部41の先端に、ねじ留め等により交換可能に接続されている。これにより、異物Sから過剰の押圧力を受ける等して棒状部材45が破損した場合、棒状部材45のみを交換することができる。もっとも、棒状部材45は、溶接等により突出部41の先端から分離不能に接続されていてもよく、また、レバー43と一体に形成されていてもよい。棒状部材45の長さWcは、レバー43の幅Wbよりも大きい。これにより、レバー43の幅Wbよりも広い範囲で、異物Sからの押圧力を受けることができる。したがって、レバー43の幅Wbよりも広い範囲で、異物Sの挟み込みを検出することができる。
【0031】
図2から理解されるように、上側押圧力検出器31の開閉機構40の突出部41(棒状部材45)は、乗りかご3の平面視において、戸閉時において一方のドアパネル10pを懸吊するハンガローラ22と他方のドアパネル10pを懸吊するハンガローラ23との間となる領域に亘って延びている。これにより、上側押圧力検出器31の突出部41は、異物Sが挟み込まれた状態で乗りかご3が下降した場合に、異物Sからの押圧力を効果的に受けることができる。
【0032】
また、
図5から理解されるように、下側押圧力検出器32の開閉機構40の突出部41(棒状部材45)は、乗りかご3の平面視において、戸閉時において一方のドアパネル10pに設けられたドアシュー24と他方のドアパネル10pに設けられたドアシュー25との間となる領域に亘って延びている。これにより、下側押圧力検出器32の突出部41は、異物Sが挟み込まれた状態で乗りかご3が上昇した場合に、異物Sからの押圧力を効果的に受けることができる。
【0033】
信号送出部33は、上側押圧力検出器31または下側押圧力検出器32の開閉接点38,39に接続された電路31a,31bに接続されている。また、信号送出部33は、配線33aを介して制御装置7に接続されている。信号送出部33は、電路31aまたは電路31bを流れる電流が遮断されると、配線33aを介して制御装置7に信号を送出する。
【0034】
制御装置7は、信号送出部33から信号を受け取ると、運転モードを通常運転モードから非常運転モードに切り換える。そして、制御装置7は、駆動装置6を制御して、乗りかご3を停止させ、その後、当該押圧力検出器31,32によって上記押圧力が検出される直前に乗りかご3が着床した乗場に乗りかご3を着床させるようになっている。また、制御装置7は、上記乗場に着床した後、運転モードを非常運転モードから通常運転モードに切り換えるようになっている。ここで、通常運転モードとは、上述のかご呼び登録および行き先階登録に応じた運転を行う運転モードをいう。また、非常運転モードとは、上述のかご呼び登録および行き先階登録に応じない運転を行う運転モードをいう。
【0035】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0036】
まず、エレベータ装置1の起動時および通常運転モードでの運転時におけるエレベータ装置1およびエレベータシステム30の作用について説明する。
【0037】
エレベータ装置1を起動する際、制御装置7および信号送出部33が起動される。制御装置7および信号送出部33が起動されると、かごドア10が開閉される。そして、制御装置7は、かごドア10の戸閉後に、信号送出部33から信号を受け取ったか否かの判断を行う。これにより、押圧力検出器31,32、電路31a,31bおよび信号送出部33が正常に機能しているか否かの判定を行うことができる。そして、信号を受け取っていなければ、制御装置7は通常運転モードでの運転を行う。なお、押圧力検出器31,32、電路31a,31bおよび信号送出部33が正常に機能しているか否かの判定は、制御装置7および信号送出部33の起動時に限らず、エレベータ装置1の運転中に定期的に行ってもよい。
【0038】
通常運転モードでの運転において、例えば乗場8aにおいてかご呼び登録がなされると、制御装置7は、駆動装置6を制御して、乗りかご3を乗場8aまで昇降させ、乗場8aに着床させる。また、乗りかご3内において例えば乗場8bを行き先階とする行き先階登録がなされると、制御装置7は、駆動装置6を制御して、乗りかご3を乗場8bまで昇降させ、乗場8bに着床させる。そして、乗りかご3が乗場8a,8bに着床すると、乗場ドア9とかごドア10とが連動して開き、エレベータの出入口11が開かれる。これにより、エレベータの乗客が乗りかご3の前後方向D2に乗り降りすることができる。また、乗客の乗り降りが終了すると、かごドア10と乗場ドア9とが連動して閉じ、エレベータの出入口11が閉じられる。
【0039】
次に、
図6および
図7を参照して、かごドア10の戸閉時に異物Sが挟み込まれた状態で乗りかご3が下降した場合における、エレベータ装置1およびエレベータシステム30の作用について説明する。
【0040】
図6に示す例では、乗場8aに着床していた乗りかご3のかごドア10が戸閉する際に、乗場8aから乗りかご3内に亘って延びる紐状異物Sをかごドア10が挟み込み、紐状異物Sを挟み込んだ状態で乗りかご3が下降している。この場合、乗りかご3が下降を続けると、紐状異物Sの両端部が乗場8aおよび乗りかご3において引っ張られ、紐状異物Sに張力が生じる。そして、
図7に示すように、張力の生じた紐状異物Sによって、上側押圧力検出器31の突出部41が後方に押圧される。これにより、上側押圧力検出器31のレバー43が軸42の周りを回動して、レバー43の他端部43bが前方に移動し、開閉接点38,39が開く。そして、この開閉接点38,39に接続された電路31aに流れていた電流が遮断される。電路31aを流れる電流が遮断されると、信号送出部33から配線33aを通じて制御装置7に信号が送出される。制御装置7は、信号送出部33から信号を受け取ると、運転モードを通常運転モードから非常運転モードに切り換える。そして、駆動装置6を制御して、乗りかご3を停止させ、その後、上側押圧力検出器31によって押圧力が検出される直前に乗りかご3が着床した乗場8aに乗りかご3を着床させる。そして、乗場8aの乗場ドア9とかごドア10とが連動して開いて、エレベータの出入口11が開く。その後、乗場8aの乗場ドア9とかごドア10とが連動して閉じて出入口11が閉鎖されると、制御装置7は、運転モードを非常運転モードから通常運転モードに切り換え、通常運転モードで駆動装置6を制御する。
【0041】
次に、
図8および
図9を参照して、かごドア10の戸閉時に異物Sが挟み込まれた状態で乗りかご3が上昇した場合における、エレベータ装置1およびエレベータシステム30の作用について説明する。
【0042】
図8に示す例では、乗場8bに着床していた乗りかご3のかごドア10が戸閉する際に、乗場8bから乗りかご3内に亘って延びる紐状異物Sをかごドア10が挟み込み、紐状異物Sを挟み込んだ状態で乗りかご3が上昇している。この場合、乗りかご3が上昇を続けると、紐状異物Sの両端部が乗場8bおよび乗りかご3において引っ張られ、紐状異物Sに張力が生じる。そして、
図9に示すように、張力の生じた紐状異物Sによって、下側押圧力検出器32の突出部41が後方に押圧される。これにより、下側押圧力検出器32のレバー43が軸42の周りを回動して、レバー43の他端部43bが前方に移動し、開閉接点38,39が開く。そして、この開閉接点38,39に接続された電路32aに流れていた電流が遮断される。電路32aを流れる電流が遮断されると、信号送出部33から配線33aを通じて制御装置7に信号が送信される。制御装置7は、信号送出部33から信号を受け取ると、運転モードを通常運転モードから非常運転モードに切り換える。そして、駆動装置6を制御して、乗りかご3を停止させ、その後、下側押圧力検出器32によって押圧力が検出される直前に乗りかご3が着床した乗場8bに乗りかご3を着床させる。そして、乗場8bの乗場ドア9とかごドア10とが連動して開いて、エレベータの出入口11が開く。その後、乗場8bの乗場ドア9とかごドア10とが連動して閉じて出入口11が閉鎖されると、制御装置7は、運転モードを非常運転モードから通常運転モードに切り換え、通常運転モードで駆動装置6を制御する。
【0043】
なお、上述したエレベータシステム30は、上側押圧力検出器31および下側押圧力検出器32を、それぞれ1つずつ含むが、これに限られない。エレベータシステム30は、上側押圧力検出器31および/または下側押圧力検出器32を複数備えていてもよい。例えば、エレベータシステム30は、
図10に示すような、突出部41の先端が共通の棒状部材45で接続された2つの上側押圧力検出器31および/または下側押圧力検出器32を含んでいてもよい。この場合、より広い範囲において異物Sの検出を行うことができる。
【0044】
また、上側押圧力検出器31および下側押圧力検出器32は、片開き構造のかごドア10に適用されてもよい。
図11を参照して、上側押圧力検出器31および下側押圧力検出器32が片開き構造のかごドア10に適用される場合について説明する。
【0045】
図11は、片開き構造のかごドア10を前方から見た正面図である。
図11は戸閉時におけるかごドア10を示している。
図11において、参照番号10pはドアパネルを示している。参照番号12は、敷居を示している。敷居12の左側端部には、戸当たり面19aを有する壁体19が上下方向D1に立設されている。ドアパネル10pの上方には、ドアレール18が左右方向D3に水平に取り付けられている。
【0046】
ドアハンガー20には、外周がゴム部材でできているローラ22が設けられている。ドアパネル10pは、ドアレール18を転動するローラ22を介してドアハンガー20によって吊持された状態で開閉するようになっている。ドアパネル10pの下端には、ドアシュー24が設けられ、このドアシュー24は敷居12の敷居溝15に挿入されている。ドアシュー24により、ドアパネル10pの左右方向D3の開閉動作が案内される。
図11に示すように、戸閉時には、ドアパネル10pの壁体19に対向する先端面10aは、壁体19の戸当たり面19aに当接している。
【0047】
ここで、異物Sが乗場ドア9およびかごドア10に挟み込まれた状態で乗りかご3が昇降した場合、異物Sは戸閉されたドアパネル10pの先端面10aと戸当たり面19aとの間から上方または下方に延び出す。このような異物Sからの押圧力を効果的に受けることができるよう、図示された例では、上側押圧力検出器31および下側押圧力検出器32は、それぞれ、壁体19の戸当たり面19aの上方および下方に設けられている。さらに、
図11から理解されるよう、上側押圧力検出器31の開閉機構40の突出部41(棒状部材45)は、乗りかご3の平面視において、戸閉時においてハンガローラ22と戸当たり面19aとの間となる領域に亘って延びている。また、下側押圧力検出器32の開閉機構40の突出部41は、乗りかご3の平面視において、戸閉時においてドアシュー24と戸当たり面19aとの間となる領域に亘って延びている。これにより、上側押圧力検出器31および下側押圧力検出器32の突出部41は、異物Sが挟み込まれた状態で乗りかご3が昇降した場合に、異物Sからの押圧力を効果的に受けることができる。
【0048】
このように本実施の形態によれば、エレベータシステム30は、エレベータの乗りかご3に設けられたかごドア10の戸閉時における異物Sの挟み込みを検出するものであり、かごドア10の上部に設けられ、異物Sが挟み込まれた状態で乗りかご3が下降した場合に異物Sから加わる押圧力を検出する上側押圧力検出器31と、かごドア10の下部に設けられ、異物Sが挟み込まれた状態で乗りかご3が上昇した場合に異物Sから加わる押圧力を検出する下側押圧力検出器32と、乗りかご3を昇降させる駆動装置6と、駆動装置6を制御する制御装置7と、を備えている。そして、制御装置7は、上側押圧力検出器31または下側押圧力検出器32が上記押圧力を検出すると、乗りかご3を停止させ、その後、当該押圧力検出器31,32によって上記押圧力が検出される直前に乗りかご3が着床した乗場に乗りかご3が着床するよう、駆動装置6を制御する。
【0049】
このようなエレベータシステム30は、かごドア10の戸閉時における異物Sの挟み込みを、乗りかご3の昇降中に検出することができる。そして、異物Sの挟み込みが検出された場合には、異物Sの挟み込みが発生した可能性の高い乗場に戻る。これにより、異物Sが挟み込まれた際に当該異物Sの挟み込みが検知されずに乗りかご3が昇降を開始して、異物Sが引っ張られ、これにより事故が発生する、ということが抑制される。あるいは、事故による被害を抑制することができる。
【0050】
また、本実施の形態においては、上側押圧力検出器31および下側押圧力検出器32は、それぞれ、乗りかご3の前面から突出して、異物Sが挟み込まれた状態で乗りかご3が昇降した場合に異物Sから押圧力を受ける突出部41を有している。この突出部41により、上側押圧力検出器31および下側押圧力検出器32は、異物Sからの押圧力を効果的に受けることができる。
【0051】
また、本実施の形態においては、上側押圧力検出器31および下側押圧力検出器32は、それぞれ、制御装置7に接続された電路31a,32aに設けられた開閉接点38,39と、一部が上記突出部41を成し、突出部41が異物Sから押圧力を受けていない場合に開閉接点38,39を閉じ、上記突出部41が異物Sから押圧力を受けた場合に開閉接点38,39を開く開閉機構40と、を有する。このため、上側押圧力検出器31および下側押圧力検出器32による押圧力の検出を、電路31a,32aを流れる電流に基づいて容易に行うことができる。
【0052】
また、本実施の形態においては、開閉機構40は、左右方向D3に延びる軸線の周りを回動可能に設けられたレバー43と、レバー43の一端部43aを前方に付勢してこの一端部43aを突出部41とするようにレバー43に連結された付勢部材44と、を有する。このような開閉機構40は、突出部41が押圧力を受けていない間は、突出部41を成すレバー43の一端部43aを乗りかご3の前面から突出した状態に維持することができる。
【0053】
また、本実施の形態においては、開閉機構40は、突出部41の先端に設けられた左右方向D3に延びる棒状部材45を更に有している。そして、棒状部材45の長さWcは、レバー43の幅Wbよりも大きい。これにより、押圧力検出器31,32は、レバー43の幅Wbよりも広い範囲で異物Sの挟み込みを検出することができる。
【0054】
また、本実施の形態においては、かごドア10は、両開きドアを構成し、互いに対向する先端面10aを有する一対のドアパネル10p,10pを含んでいる。そして、上側押圧力検出器31および下側押圧力検出器32は、それぞれ、戸閉時に先端面10a,10aの上方および下方となる位置に設けられている。ここで、戸閉されたドアパネル10p,10pの先端面10a,10aの間に挟み込まれた異物Sは、乗りかご3の昇降に伴って先端面10a,10aの間から上方または下方に延び出す。したがって、上側押圧力検出器31および下側押圧力検出器32を上述の位置に配置することにより、押圧力検出器31,32は、先端面10a,10aの間から上方または下方に延び出す異物Sからの押圧力を、効果的に受けることができる。
【0055】
なお、上述のように、かごドア10は、片開きドアを構成するドアパネル10pを含んでいてもよい。この場合、ドアパネル10pの先端面10aと戸当たり面19aとの間に挟み込まれた異物Sは、乗りかご3の昇降に伴って先端面10aと戸当たり面19aとの間から上方または下方に延び出す。したがって、かごドア10が片開き構造の場合は、上側押圧力検出器31および下側押圧力検出器32を、それぞれ、戸閉時にドアパネル10pの先端面10aが当接する壁体19の戸当たり面19aの上方および下方に設けることにより、先端面10aと戸当たり面19aとの間から上方または下方に延び出す異物Sからの押圧力を、効果的に押圧力検出器31,32に加えることができる。
【0056】
また、本実施の形態においては、制御装置7は、乗場に着床した後、通常運転モードで駆動装置6を制御する。これにより、エレベータ1は、迅速に通常運転に復帰することができる。
【0057】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるエレベータシステムは、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。