特許第6598903号(P6598903)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6598903
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】移動型X線診断装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20191021BHJP
【FI】
   A61B6/00 310
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-38832(P2018-38832)
(22)【出願日】2018年3月5日
(62)【分割の表示】特願2013-178517(P2013-178517)の分割
【原出願日】2013年8月29日
(65)【公開番号】特開2018-89437(P2018-89437A)
(43)【公開日】2018年6月14日
【審査請求日】2018年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 誠
(72)【発明者】
【氏名】馬場 威彰
(72)【発明者】
【氏名】市川 勉
(72)【発明者】
【氏名】内田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】井戸 健二
(72)【発明者】
【氏名】北山 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】米田 浩介
(72)【発明者】
【氏名】星野 泰漢
【審査官】 松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−047172(JP,A)
【文献】 特開2008−061944(JP,A)
【文献】 特開平11−076220(JP,A)
【文献】 特開2010−273827(JP,A)
【文献】 特開2004−121405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00−6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動型のX線診断装置であって、
前記X線診断装置のフロント側に設けられ、X線を照射するX線発生部と、
前記X線発生部を支持する支持機構と、
前記支持機構に設けられ、前記X線診断装置のフロント側およびリア側の各方向の走行の操作を受け付ける2種類のスイッチと、を備え、
前記X線発生部が前記支持機構よりフロント側に位置された状態において、前記2種類のスイッチは、前記フロント側の方向の操作を受け付けるスイッチが前記リア側の方向の走行の操作を受け付けるスイッチよりもフロント側の位置に配置される、
移動型X線診断装置。
【請求項2】
駆動輪と、
当該駆動輪を制御する制御部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記2種類のスイッチのうち、前記フロント側の方向の走行の操作を受け付けるスイッチの操作に応じて当該フロント側に走行するよう前記駆動輪を制御し、前記リア側の方向の走行の操作を受け付けるスイッチの操作に応じて、当該リア側に走行するよう前記駆動輪を制御する、
請求項1に記載の移動型X線診断装置。
【請求項3】
前記X線診断装置のリア側に設けられ、操作者により把持される第1のハンドルと、
前記支持機構に設けられ、操作者により把持される第2のハンドルと、をさらに備える、
請求項1または2に記載の移動型X線診断装置。
【請求項4】
前記支持機構は、前記X線発生部を支持するアームと、前記アームを支持し、旋回可能に設けられた支柱と、をさらに備え、
前記2種類のスイッチは、前記支柱の旋回状態に応じて、当該2種類のスイッチで受け付けられる各方向の走行の操作が切り替えられる、
請求項1〜3のいずれか1つに記載の移動型X線診断装置。
【請求項5】
前記2種類のスイッチは、フロント側およびリア側の各方向を示す情報を有する、
請求項1〜4のいずれか1つに記載の移動型X線診断装置。
【請求項6】
前記第2のハンドルは、物を載置可能なトレイ型の形状を有する、
請求項3に記載の移動型X線診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、移動型X線診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病室などに移動させてX線画像を撮影する移動型X線診断装置が知られている。例えば、移動型X線診断装置は、X線を発生するX線管と、X線管が発生したX線の照射野を調節するX線可動絞りと、X線管及びX線可動絞りを支持する支持機構と、移動型X線診断装置の各種制御を実行する装置本体と、装置を移動するための車輪を備える。そして、移動型X線診断装置は、操作者によって病室まで移動され、病室内のベッド上にいて簡単に身動きできない患者(例えば、点滴中、寝たきり、両足負傷による歩行困難など)に対してX線画像の撮影を実行する。そして、移動型X線診断装置は、X線画像の撮影が終了すると、病室の外に移動させられる。しかしながら、上述した従来技術においては、移動にかかる操作性が低下する場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−61944号公報
【特許文献2】特開2002−45353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、操作性を向上させることを可能にする移動型X線診断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施の形態の移動型X線診断装置は、移動型のX線診断装置であって、X線発生部と、支持機構と、2種類のスイッチとを備える。X線発生部は、前記X線診断装置のフロント側に設けられ、X線を照射する。支持機構は、前記X線発生部を支持する。2種類のスイッチは、前記支持機構に設けられ、前記X線診断装置のフロント側およびリア側の各方向の走行の操作を受け付ける。前記X線発生部が前記支持機構よりフロント側に位置された状態において、前記2種類のスイッチは、前記フロント側の方向の操作を受け付けるスイッチが前記リア側の方向の走行の操作を受け付けるスイッチよりもフロント側の位置に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置の全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、従来技術に係る移動型X線診断装置を用いたX線画像の撮影フローの一例を示す図である。
図3A図3Aは、従来技術に係るフロントハンドルの課題を説明するための図である。
図3B図3Bは、従来技術に係るフロントハンドルの課題を説明するための図である。
図3C図3Cは、従来技術に係るフロントハンドルの課題を説明するための図である。
図4A図4Aは、第1の実施形態に係る第2の操作ハンドルの一例を示す図である。
図4B図4Bは、第1の実施形態に係る走行方向を示す情報の一例を示す図である。
図5A図5Aは、第1の実施形態に係る駆動スイッチの配置の一例を示す図である。
図5B図5Bは、第1の実施形態に係る走行方向を示す情報の一例を示す図である。
図6A図6Aは、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置の利用例を説明するための図である。
図6B図6Bは、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置の利用例を説明するための図である。
図7A図7Aは、第2の実施形態に係る第2の操作ハンドルの形状の一例を示す図である。
図7B図7Bは、第2の実施形態に係る第2の操作ハンドルの形状の一例を示す図である。
図8A図8Aは、第2の実施形態に係る第2の操作ハンドルの変形例を示す図である。
図8B図8Bは、第2の実施形態に係る第2の操作ハンドルの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、移動型X線診断装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下では、本願に係る移動型X線診断装置として、X線管を支持する支持機構に支柱とアームとが用いられる移動型X線診断装置を例に挙げて説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置の全体構成の一例を説明する。図1は、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1の全体構成の一例を示す図である。図1においては、図1の(A)がX線管の収納時の状態を示し、図1の(B)がX線画像の撮影時の状態を示す。図1の(A)に示すように、移動型X線診断装置1は、支柱2と、アーム3と、X線管4と、X線可動絞り5と、前輪6と、後輪7と、第1の操作ハンドル8と、装置本体9と、第2の操作ハンドル10とを備える。
【0009】
支柱2は、図1の(A)に示すように、移動型X線診断装置1の前側(前輪側)に配置され、アーム3の一端が連結されることで、アーム3を支持する。アーム3は、一端が支柱2と連結され、他端にX線管4とX線可動絞り5とが配置される。ここで、アーム3は、支柱2によって上下に自在にスライドするように連結される。例えば、支柱2にレールが設置され、アーム3は一端がレールと連結されてレール上を移動することにより、上下にスライドする。また、アーム3は、支柱2の長軸に直交する方向に伸縮する。すなわち、アーム3は、X線管4の収納時には、収縮してX線管4が突き出ないように収納し、X線画像の撮影時には、X線管4をより遠くに到達させるように伸張する。
【0010】
X線管4は、装置本体9に含まれる高電圧発生部(不図示)と接続され、高電圧発生部から供給される高電圧を用いて、X線を発生する。X線可動絞り5は、例えば二対の可動制限羽根を有し、各対における可動制限羽根が開閉することでX線の照射野を調整する。すなわち、X線可動絞り5は、X線管4によって円錐状に発せられたX線が所定の照射野に照射されるように可動制限羽根が開閉される。
【0011】
前輪6は、旋回自在の車輪であり、例えば、一対のキャスターなどである。後輪7は、図示しないモータなどが連結された駆動輪であり、操作者による操作に応じて駆動する。一例を挙げると、後輪7は、第1の操作ハンドル8付近に配置された駆動ボタンが押下されることによりモータが駆動し、モータによる動力によって駆動する。また、後輪7は、第2の操作ハンドル10付近に配置された駆動ボタンによっても駆動が制御される。なお、第2の操作ハンドル10付近に配置された駆動ボタンによる駆動については後に詳述する。
【0012】
第1の操作ハンドル8は、操作者が移動型X線診断装置1を移動させる際に操作されるハンドルである。例えば、操作者は、第1の操作ハンドル8を握った状態で駆動ボタンを押下することで、移動型X線診断装置1を前進させたり、後進させたりすることができる。或いは、第1の操作ハンドル8が圧力センサを備え、操作者によって操作される方向(例えば、ハンドルを押している場合に前進、ハンドルを引いている場合に後進など)を検知して、モータを所望の方向に駆動させることも可能である。なお、移動型X線診断装置1は、上記した駆動ボタンの押下が止められたり、或いは、圧力センサによる検知が無くなったりすると、ブレーキがかかるように制御される。
【0013】
第2の操作ハンドル10は、操作者が移動型X線診断装置1を移動させる際に操作されるハンドルである。なお、第2の操作ハンドル10の詳細については、後述する。
【0014】
装置本体9は、移動型X線診断装置1の各部を制御する制御部、各種データを記憶する記憶部、外部から供給される電力を蓄電するバッテリ、種々の操作を受け付ける操作部、及び、種々の情報を表示する表示部などを有する。そして、装置本体9は、移動型X線診断装置1の移動に関する各種処理及びX線画像の撮影に関する各種処理の制御を実行する。例えば、装置本体9は、装置本体9の上面に配置された操作部から転送された操作者の指示に従って高電圧発生部を制御し、X線管4に供給する電圧を調整することで、患者に対して照射されるX線量やON/OFFを制御する。また、例えば、装置本体9は、操作者の指示に従ってX線可動絞り5を制御し、X線可動絞り5が有する可動制限羽根の開度を調整することで、患者に対して照射されるX線の照射野を制御する。
【0015】
また、装置本体9は、操作者の指示に従って、画像データ生成処理や、画像処理、あるいは解析処理などを制御する。また、装置本体9は、操作者の指示を受け付けるためのGUIや記憶部が記憶する画像などを、表示部のディスプレイに表示するように制御する。以下、移動型X線診断装置1を用いたX線画像の撮影の流れの一例を説明する。例えば、移動型X線診断装置1は、待機時には病院の各フロアの廊下などに置かれ、バッテリの蓄電容量に応じて充電される。そして、使用時には、移動型X線診断装置1は、専用の鍵などによりロックが解除され、操作者が第1の操作ハンドル8を操作するとともに、駆動ボタン(或いは、圧力センサなど)により後輪7を駆動させることで病室などに移動される。
【0016】
そして、病室に移動すると、操作者は、図1の(B)に示すように、長手方向を軸に支柱2を旋回させて、X線管4及びX線可動絞り5を装置本体9の前方に向ける。そして、操作者は、アーム3を伸ばし、患者の撮影部位にX線が照射される位置にX線管4を配置する。ここで、操作者は、X線可動絞り5に備えられたスイッチやつまみなどを用いて、撮影部位が照射野に入るように調節する。そして、FPD(Flat Panel Detector)や、カセッテなどの画像記録媒体が患者の撮像部位とベッドとの間にセットされ、X線画像が撮影される。
【0017】
このように、移動型X線診断装置1は、使用時に患者のいる病室に移動され、撮影部位に対してX線管4の位置及び照射野が調整されてX線画像が撮影されるが、かかる撮影に際して、操作者が装置のフロント側とリア側とを何度も行き来する場合が生じ、手間がかかるという問題が従来から挙げられていた。図2は、従来技術に係る移動型X線診断装置を用いたX線画像の撮影フローの一例を示す図である。ここで、図2の(A)は、装置を中心とした操作者のフロント側及びリア側への行き来を示す。また、図2の(B)は、図2の(A)の各番号に対応する処理を示す。ここで、図2に示すフロント側とは、X線管を支持するアームや支柱などの支持機構が設けられた側を示し、リア側とは、装置を走行させる操作ハンドルが設けられた側を示す。
【0018】
例えば、操作者は、移動型X線診断装置によってX線画像を撮影する際に、図2の(A)に示すように、フロント側とリア側とを8回行き来する。すなわち、図2の(B)に示すように、操作者は、まず、リア側の操作ハンドルを操作しながら病室まで装置を移動させる。そして、病室に移動すると、操作者は、X線照射位置の設定(例えば、X線管/照射野絞りのポジショニング)を行なうために、フロント側へ移動する(図2の「1」)。
【0019】
そして、操作者は、X線照射位置の設定を終えると、リア側に移動してリア側に収納されているFPDを取り出し(図2の「2」)、フロント側にまわってFPDをセッティングする(図2の「3」)。そののち、操作者は、リア側に移動してX線画像を撮影して(図2の「4」)、撮影後のFPDを回収するためにフロント側に移動する(図2の「5」)。
【0020】
FPDを回収すると、操作者は、リア側に移動して、回収したFPDを収納スペースに収納する(図2の「6」)。その後、操作者は、フロント側に移動して、X線管を収納したり、撮影制御系の電源をOFFしたりした後(図2の「7」)、リア側に移動して、操作ハンドルを持って病室から退避する(図2の「8」)。このように、従来の移動型X線診断装置においては、X線画像を撮影する際に操作者がフロント側とリア側とを行き来することとなり、手間がかかる。
【0021】
そこで、このような問題に対して、フロント側とリア側との行き来を少なくするために、図2の(B)の「8」に示されるように、フロント側の操作ハンドルであるフロントハンドルが支柱に配置されて使用するような移動型X線診断装置が考えられる。これにより、例えば、撮影フローの「8」でわざわざリア側に移動することなく、病室から装置を退避することが可能である。
【0022】
しかしながら、上述した従来技術では、フロントハンドルに圧力センサが設けられ、圧力センサの感知に応じて駆動輪が駆動するように制御されるために、フロントハンドルの向きが変わった場合(支柱が旋回した場合)に、操作感が直感的に分かりにくく、操作性が低下する場合があった。以下、図3A図3Cを用いて、従来技術に係るフロントハンドルの課題を説明する。図3A図3Cは、従来技術に係るフロントハンドルの課題を説明するための図である。
【0023】
例えば、図3Aに示すように、従来技術に係るフロントハンドル20は、支柱に設けられる。そして、フロントハンドル20は、ハンドルを把持した操作者からの圧力を検知して、検知した圧力に応じて駆動輪を駆動させる。すなわち、操作者は、フロントハンドル20を押したり、引いたりすることにより、装置を前進させたり、後進させたりする。ここで、フロントハンドル20は、図3Aに示すように、X線管が収納された状態で受け付ける圧力に応じて装置が走行するように駆動輪を駆動させる。
【0024】
例えば、フロントハンドル20は、図3Aの矢印31に示す方向から圧力を受け付けた場合に、装置が矢印41の方向に走行するようにモータを制御して、駆動輪を駆動させる。また、フロントハンドル20は、図3Aの矢印32に示す方向から圧力を受け付けた場合に、装置が矢印42の方向に走行するようにモータを制御して、駆動輪を駆動させる。従って、図3Bに示すように、支柱が旋回してフロントハンドル20の向きが変わった場合には、矢印41の方向に装置を走行させたい場合に、矢印31に示すように、装置を引くような圧力を加えなければならない。同様に、矢印42の方向に装置を走行させたい場合には、矢印32に示すように、装置を押すような圧力を加えなければならない。
【0025】
従って、従来技術に係るフロントハンドル20は、操作感が直感的に分かりにくく、操作性が低下する。また、従来技術に係るフロントハンドル20は、図3Cに示すように、アームが完全に前方を向くように支柱が旋回した場合、装置の内側を向くこととなり、圧力センサを利用した走行の制御自体が困難となり、操作性がより低下することとなる。
【0026】
また、従来技術においては、X線管部分に装置の走行を制御する微動スイッチを備えた移動型X線診断装置も知られている。しかしながら、かかる移動型X線診断装置は、患者の撮影部位に対してX線を照射する位置を合わせる際の、最終的な位置合わせに用いられる微動スイッチに過ぎない。そのため、装置を大きく動かすためには、微動スイッチを何度も操作することとなり、逆に手間が増加することとなる。また、微動スイッチによる装置の移動のときは、操作者が押したり、引いたりすることがないため、移動方向の数だけ微動スイッチが必要となる。
【0027】
上述したように、従来技術においては、移動型X線診断装置の利用に際して、操作性が低下する場合があった。そこで、本願にかかる移動型X線診断装置1は、フロント側からも容易に装置を走行させることを可能にする第2の操作ハンドル10を設けることで、操作性を向上させることを可能にする。以下、第2の操作ハンドル10の詳細について説明する。
【0028】
第1の実施形態に係る第2の操作ハンドル10は、装置本体9において第1の操作ハンドル8とは異なる側に設けられ、装置本体9の走行時に操作される。具体的には、第2の操作ハンドル10は、支持機構に設けられる。例えば、第2の操作ハンドル10は、支柱2に設けられる。図4Aは、第1の実施形態に係る第2の操作ハンドル10の一例を示す図である。
【0029】
例えば、第2の操作ハンドル10は、図4Aに示すように、支柱2に配置され、装置本体9の走行時に操作者によって操作される。ここで、第2の操作ハンドル10の近傍に、装置本体9の走行を制御するための操作を受け付ける駆動スイッチが設けられる。具体的には、駆動スイッチは、第2の操作ハンドル10及び支持機構のうち少なくとも一方に配置される。例えば、図4Aに示すように、駆動スイッチ10a及び10bは、第2の走行操作部の外縁のいずれの位置からも操作可能な位置に配置される。
【0030】
すなわち、駆動スイッチ10a及び10bは、操作者が第2の操作ハンドル10を操作しようとした場合に、いずれの場所からもアクセスしやすい位置に配置される。ここで、駆動スイッチ10aは、例えば、装置本体9を前進(前輪側への移動)させるためのスイッチであり、駆動スイッチ10bは、装置本体9を後進(後輪側への移動)させるためのスイッチである。従って、駆動スイッチ10aが押下された場合には、駆動スイッチ10aは、装置本体9が前進する方向に後輪7を駆動させるようにモータを制御する。一方、駆動スイッチ10bが押下された場合には、駆動スイッチ10bは、装置本体9が後進する方向に後輪7を駆動させるようにモータを制御する。従って、従来技術の圧力センサを有する移動型X線診断装置と比較して、本願にかかる移動型X線診断装置1は、状況によって操作性が低下する圧力センサとは異なり、装置本体9の走行の操作性を向上させることを可能にする。
【0031】
ここで、上述したように、支柱に圧力センサ付きハンドルを有する移動型X線診断装置においては、支柱が旋回することにより操作感が直感的に分かりにくくなる場合がある。そこで、第1の実施形態に係る駆動スイッチ10a及び10bは、装置本体9の走行を制御するための操作を受け付けた場合の当該装置本体9の走行方向を示す情報を有する。すなわち、移動型X線診断装置1は、駆動スイッチ10a及び10bそれぞれが、装置本体9をどちらの方向に走行させるスイッチであるかを示す情報を有する。
【0032】
図4Bは、第1の実施形態に係る走行方向を示す情報の一例を示す図である。例えば、駆動スイッチ10a及び10bは、図4Bに示すように、それぞれ異なる色で示される。一例を挙げると、前進を制御する駆動スイッチ10aを青で示し、後進を制御する駆動スイッチ10bを赤で示す。或いは、走行方向を示す情報として、図4Bに示すように、各駆動スイッチの間に移動型X線診断装置1のマーク10cが貼付され、各駆動スイッチに走行方向を示す矢印が貼付される。なお、図4Bに示す例は、あくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、走行方向を示す情報であれば、任意の情報を用いることができる。また、上述した例においても、駆動スイッチ10a及び10bそれぞれを色で示す場合だけであってもよく、マーク10cと矢印のみを貼付する場合だけであってもよい。また、駆動スイッチ10a及び10b上、又は駆動スイッチ10a及び10b付近に、「フロント」「リア」等、文字によって示されてもよい。
【0033】
また、上述した駆動スイッチ10a及び10bの配置も図4Aに示す例だけに限られない。例えば、図5Aに示すように、駆動スイッチ10a及び10bは、第2の操作ハンドル10が把持され、装置本体9の走行の操作を受け付ける場合の把持部分の近傍に配置される場合であってもよい。すなわち、駆動スイッチ10a及び10bは、操作者が装置を走行させようとした場合に、指の近くの操作しやすい位置に配置される。
【0034】
以下、図5Aにおける第2の操作ハンドル10の操作に関する詳細を述べる。図5Aにおいて、操作者は親指以外の4指が第2の操作ハンドル10を把持するとともに、親指で駆動スイッチ10a又は10bを押下する。これにより、例えば両手の親指以外の8指で第2の操作ハンドル10を把持しつつ、両手の親指を駆動スイッチ10a及び10bを押下することができる。これにより操作者は、例えば図4Bに示す駆動スイッチ10a又は10bの矢印方向への装置の移動制御を行うとともに、第2の操作ハンドル10を把持した両手でハンドル操作を行うことによって駆動スイッチ10a又は10bの矢印方向以外の方向への装置の移動制御を好適に行うことができる。また、駆動スイッチ10a及び10bが第2の操作ハンドル10の把持部分の近傍に設けられることにより、操作者は片手で装置の移動制御を行うことができる。すなわち、操作者は片方の手の親指以外の4指で第2の操作ハンドル10の把持部分を把持するとともに、該片方の手の親指で駆動スイッチ10a又は10bを押下する。なお、図5Aにおいて駆動スイッチ10a及び10bを第2の操作ハンドル10の把持部分以外の場所に設けているが、本発明にかかる移動型X線診断装置1はこれに限ることはない。駆動スイッチ10a及び10bが、第2の操作ハンドル10上に設けられていてもよい。
【0035】
かかる場合においても、移動型X線診断装置1は、駆動スイッチ10a及び10bそれぞれが、装置本体9をどちらの方向に走行させるスイッチであるかを示す情報を有する。例えば、図5Bに示すように、駆動スイッチ10a及び10bは、それぞれ異なる色で示される。或いは、走行方向を示す情報として、図5Bに示すように、各駆動スイッチの間に移動型X線診断装置1のマーク10cが貼付され、各駆動スイッチに走行方向を示す矢印が貼付される。なお、図5Aは、第1の実施形態に係る駆動スイッチ10a及び10bの配置の一例を示す図である。また、図5Bは、第1の実施形態に係る走行方向を示す情報の一例を示す図である。
【0036】
なお、図4A及び図5Bにそれぞれ示す駆動スイッチ10a及び10bは、どちらか一方が配置される場合であってもよく、或いは、両方が配置される場合であってもよい。すなわち、第2の操作ハンドル10を操作する際にアクセスしやすい位置と、第2の操作ハンドル10を把持した場合の近傍との両方に駆動スイッチ10a及び10bが備えられる場合であってもよい。なお、図4B及び図5Bにそれぞれ示す走行方向を示す情報は、駆動スイッチ10a及び10bの配置状態によって任意に備えられる。
【0037】
また、装置本体9の走行を制御する駆動スイッチは、図示のものだけに限られない。例えば、駆動スイッチは、前進を制御する駆動スイッチと後進を制御する駆動スイッチとが一体となったシーソーボタンのようなものであってもよい。或いは、前後に傾けることが可能なジョイスティックのようなものであってもよい。
【0038】
上述したように、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、第2の操作ハンドル10によってフロント側からも容易に装置本体9を走行させることができ、操作性を向上させることを可能にする。以下、図6A及び図6Bを用いて、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1の利用例を説明する。図6A及び図6Bは、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1の利用例を説明するための図である。
【0039】
移動型X線診断装置は、狭い病室内で使用されることも多く、病室内での装置の置き場が限られる場合も多々発生する。例えば、図6Aに示すように、患者が寝ているベッドの脇に、移動型X線診断装置を図示のように置かざるを得ない場合もある。すなわち、図中ベッドの右横に壁があるために、操作者は図中ベッドの右側に回りこむことができない。かかる場合には、撮影部位を撮影するために、X線可動絞り5を回転させて図6Aに示すように配置したり、可動制限羽根によって調整されたX線の照射野を照光する照光ランプを点灯させた状態で2つのつまみを回転させることで、視覚的に照射野を確認しながら、X線管4の位置や可動制限羽根の開度を調節したりする場合には、移動型X線診断装置のフロント側から操作することが求められる。
【0040】
このような場合であっても、例えば、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、図6Bの(A)に示すように、第2の操作ハンドル10を操作しながら駆動スイッチ10aを押下することで装置を矢印43の方向に移動させ、装置のフロント側にいながら、病室内に入室することができる。さらに、操作者は、図6Bの(B)に示すように、アーム3が患者側にくるように支柱2を旋回させて、装置のフロント側で患者の様子を見ながら、駆動スイッチ10aや10bを押下することで、装置を矢印44や矢印45の方向に移動させながら撮影部位まで装置を走行させることができる。これにより、操作者が例えば第1の操作ハンドル8を操作して一度ベッドの横に装置を移動させた後に操作者がフロント側にいる状態で装置の位置の微調整を行いたくなったときに、操作者がリア側まで移動して第1の操作ハンドル8を操作するという手間を省くことができる。
【0041】
そして、操作者は、フロント側からX線管4の位置の調節や絞りの調節などを行った後、X線画像の撮影が終了すると、図6Bの(C)に示すように、装置のフロント側にいながら、駆動スイッチ10bを押下することで、装置を矢印46の方向に移動させて、病室を退避することができる。このように、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、装置のフロント側にいながら、X線画像の撮影を行うことができ、操作性を向上させることを可能にする。
【0042】
上述したように、第1の実施形態によれば、装置本体9は、X線管4によるX線の発生を制御する。第1の操作ハンドル8は、装置本体9に設けられ、装置本体9の走行時に操作される。第2の操作ハンドル10は、装置本体9において第1の操作ハンドル8とは異なる側に設けられ、装置本体9の走行時に操作される。駆動スイッチ10a及び10bは、第2の操作ハンドル10の近傍に設けられ、装置本体9の走行を制御するための操作を受け付ける。従って、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、第1の操作ハンドル8が設けられた位置とは異なる位置から第2の操作ハンドル10を容易に操作することができ、操作性を向上させることを可能にする。
【0043】
また、第1の実施形態によれば、装置本体9において第1の操作ハンドル8と対向する側に、X線管4を支持する支持機構が備えられる。そして、第2の操作ハンドル10は、支持機構に設けられる。従って、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、第1の操作ハンドル8とは対向する位置で第2の操作ハンドル10を容易に操作することができ、操作者がフロント側とリア側を行き来することを抑止して、操作性を向上させることを可能にする。
【0044】
また、第1の実施形態によれば、支持機構は、X線管4を支持するアーム3と、アーム3を支持し、旋回可能に設けられた支柱2とを備える。そして、第2の操作ハンドル10は、支柱2に設けられる。従って、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、操作しやすい位置に第2の操作ハンドル10を配置することを可能にする。
【0045】
また、第1の実施形態によれば、駆動スイッチ10a及び10bは、第2の操作ハンドル10及び支持機構のうち少なくとも一方に配置される。従って、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、第2の操作ハンドル10を操作しながら、駆動スイッチ10a及び10bを容易に操作することができ、操作性をより向上させることを可能にする。
【0046】
また、第1の実施形態によれば、駆動スイッチ10a及び10bは、第2の操作ハンドル10が把持され、装置本体9の走行の操作を受け付ける場合の把持部分の近傍、及び、第2の操作ハンドル10の外縁のいずれの位置からも操作可能な位置のうち、少なくとも一方に配置される。従って、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、駆動スイッチ10a及び10bをより操作しやすくすることを可能にする。
【0047】
また、第1の実施形態によれば、駆動スイッチ10a及び10bは、装置本体9の走行を制御するための操作を受け付けた場合の当該装置本体の走行方向を示す情報を有する。従って、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、走行方向を容易に識別することができ、間違うことなく駆動スイッチ10a及び10bを操作することで、操作性をさらに向上させることを可能にする。
【0048】
また、第1の実施形態によれば、上述の通り操作者の操作性向上のみならず、操作性向上に起因して撮影時間が短縮されることにも寄与する。これにより、ベッド上の患者に対する不安感を軽減することも可能となる。
【0049】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、第2の操作ハンドル10が、単純なハンドルである場合について説明した。第2の実施形態では、第2の操作ハンドル10が、物を載置することができるトレイ型である場合について説明する。すなわち、第2の実施形態に係る第2の操作ハンドル10は、所定の物を載置可能な形状を有する。
【0050】
図7A及び図7Bは、第2の実施形態に係る第2の操作ハンドル10の形状の一例を示す図である。なお、図7Bは、図7Aの駆動スイッチ10a及び10bをそれぞれ縦断する断面図である。例えば、第2の実施形態に係る第2の操作ハンドル10は、図7Aに示すように、略半円形であり、支柱2に設けられる。ここで、第2の実施形態に係る第2の操作ハンドル10においても、駆動スイッチ10a及び駆動スイッチ10bを備える。なお、図7Aにおいては、第2の操作ハンドル10の外縁のいずれの方向からもアクセスしやすい位置に駆動スイッチ10a及び10bを備える場合について示すが、実施形態はこれに限定されるものではなく、把持部分の近傍に設けられる場合であってもよい。
【0051】
そして、第2の実施形態に係る第2の操作ハンドル10は、図7Bに示すように、所定の物を載置可能なポケット10dを備える。例えば、移動型X線診断装置1は、X線画像を撮影する際に、ペンやカルテ、グローブなどが用いられる。ここで、従来の移動型X線診断装置においては、装置のリア側に物入れなどが備えられている場合が多く、それらを使用するために、操作者がフロント側からリア側に移動することも多々あった。
【0052】
そこで、第2の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、フロント側に設けられた第2の操作ハンドル10がポケット10dを有することで、ペンやカルテ、グローブなどをポケット10dに入れておくことが可能である。その結果、操作者は、リア側に移動することなく、それらの物を使用することができ、移動型X線診断装置1の操作性をさらに向上させることできる。
【0053】
なお、図7Aに示す第2の操作ハンドル10の形状は、あくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。図8A及び図8Bは、第2の実施形態に係る第2の操作ハンドル10の変形例を示す図である。例えば、図8Aに示すように、変形例に係る第2の操作ハンドル10は、図7Aと同様に、略半円形であるが、ポケット10dを有さず、トレイ形である。ここで、図8Aに示す第2の操作ハンドル10は、上面がわずかにくぼんでおり、そこに任意の物を載置することが可能である。
【0054】
また、例えば、図8Bに示すように、変形例に係る第2の操作ハンドル10は、四角形であり、図8Aに示す第2の操作ハンドル10と同様に、上面がわずかにくぼんでおり、そこに任意の物を載置することが可能である。図8A及び図8Bに示す第2の操作ハンドル10においても、駆動スイッチ10a及び10bをそれぞれ備え、把持しながら駆動スイッチ10a及び10bを操作することが可能である。
【0055】
上述したように、第2の実施形態によれば、第2の操作ハンドル10は、所定の物を載置可能な形状を有する。従って、第2の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、X線画像の撮影時に用いられる種々の道具を第2の操作ハンドル10に載置させておくことができ、フロント側とリア側との行き来を抑止して、操作性をさらに向上させることを可能にする。
【0056】
(第3の実施形態)
さて、これまで第1及び第2の実施形態について説明したが、上述した第1及び第2の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0057】
上述した第1及び第2の実施形態においては、第2の操作ハンドル10が、第1の操作ハンドル8の対向する位置の支柱2に設けられる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、装置本体9の側面に第2の操作ハンドル10が設けられる場合であってもよい。
【0058】
また、上述した第1及び第2の実施形態においては、第2の操作ハンドル10が支柱2に設けられる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、アーム3に第2の操作ハンドル10が設けられる場合であってもよい。
【0059】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、駆動スイッチ10a及び10bが第2の操作ハンドル10に設けられる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、支柱2に駆動スイッチ10a及び10bが設けられる場合であってもよい。
【0060】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、支柱2を有する移動型X線診断装置を一例に挙げて説明したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、支柱を有さない移動型X線診断装置に本願の第2の操作ハンドル10や、駆動スイッチ10a及び10bなどを適用する場合であってもよい。かかる場合には、第2の操作ハンドル10がアーム3に設けられる場合であってもよい。
【0061】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、支柱2において第2の操作ハンドル10が所定の高さの位置に固定される場合を例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、第2の操作ハンドル10の支柱2における高さを任意に変更することができるように設置される場合であってもよい。
【0062】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、支柱2に設けられた第2の操作ハンドル10が支柱2の旋回に伴って、回転するように設置する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、第2の操作ハンドル10が常にフロント側に突き出すように設置される場合であってもよい。
【0063】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、駆動スイッチ10a及び駆動スイッチ10bに割り当てられた走行方向が一定である場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、支柱2の旋回状態によって割り当てられる走行方向が切り替わる場合であってもよい。すなわち、支柱2が旋回することによって第2の操作ハンドル10の向きが変化した場合に、その変化に応じて、駆動スイッチ10a及び駆動スイッチ10bに割り当てられた走行方向が切り替わる。
【0064】
一例を挙げると、装置本体9が、支柱2の旋回状態を判定することで、第2の操作ハンドル10がどのような向きになっているかを判定する。例えば、装置本体9は、装置本体9に対するアーム3の角度から支柱2の旋回状態を判定し、支柱2に設けられた第2の操作ハンドルの向きがどのような状態となっているかを判定する。そして、装置本体9は、第2の操作ハンドルの向きに応じて(例えば、第2の操作ハンドルの向きが所定の角度を超えた場合に)、駆動スイッチ10a及び駆動スイッチ10bに対応するモータの駆動方向を逆転させて、装置本体9の走行歩方向を切り替える。
【0065】
また、上述した第1及び第2の実施形態において、説明した構成はあくまでも一例であり、本願にかかる移動型X線診断装置1は、種々の構成を有することができる。例えば、図1に示す装置本体9や、X線管4、X線可動絞り5などの形状は、任意の形状であってよい。また、装置本体9に備えられるものとして説明した構成は、任意に配置を変えることができる。例えば、装置本体9に備えられるものとした高電圧発生部は、X線管4を含むボックス内に配置する場合であってもよい。
【0066】
また、上述した第1及び第2の実施形態において説明した第2の操作ハンドル10はあくまでも一例であり、任意の形状に変化させることができる。
【0067】
以上説明したとおり、第1、第2及び第3の実施形態によれば、本実施形態の移動型X線診断装置は、操作性を向上させることを可能にする。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0069】
1 移動型X線診断装置
2 支柱
3 アーム
4 X線管
8 第1の操作ハンドル
9 装置本体
10 第2の操作ハンドル
10a、10b 駆動スイッチ
10c マーク
10d ポケット
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B