特許第6598983号(P6598983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトの特許一覧

特許6598983ガス圧縮機におけるサージを予測する方法
<>
  • 特許6598983-ガス圧縮機におけるサージを予測する方法 図000002
  • 特許6598983-ガス圧縮機におけるサージを予測する方法 図000003
  • 特許6598983-ガス圧縮機におけるサージを予測する方法 図000004
  • 特許6598983-ガス圧縮機におけるサージを予測する方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6598983
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】ガス圧縮機におけるサージを予測する方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/50 20060101AFI20191021BHJP
   F04D 29/32 20060101ALI20191021BHJP
   F04D 29/54 20060101ALI20191021BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20191021BHJP
   F04D 27/02 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
   G06F17/50 612H
   G06F17/50 680Z
   F04D29/32 K
   F04D29/32 Z
   F04D29/54 F
   F04D29/54 Z
   F04D29/66 H
   F04D29/66 Z
   F04D27/02 A
   F04D27/02 Z
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-507557(P2018-507557)
(86)(22)【出願日】2016年8月5日
(65)【公表番号】特表2018-532178(P2018-532178A)
(43)【公表日】2018年11月1日
(86)【国際出願番号】EP2016068760
(87)【国際公開番号】WO2017029131
(87)【国際公開日】20170223
【審査請求日】2018年4月5日
(31)【優先権主張番号】15181154.4
(32)【優先日】2015年8月14日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517291346
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】センティル クリシュナバブ
【審査官】 田中 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−45411(JP,A)
【文献】 Stephanie BERGQVIST,Prediction of Turbo Compressor Maps Using CFD,Master's Thesis in Applied Mechanics,CHALMERS University of Technology,2014年 7月,pp.1-29,URL,http://publications.lib.chalmers.se/records/fulltext/196400/196400.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/50
F04D 27/02
F04D 29/32
F04D 29/54
F04D 29/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(14)のサージ点を予測するためのコンピュータによって実行される方法(100)であって
記圧縮機(14)の数値流体力学計算に適した複数のメッシュであって、該メッシュは、
記圧縮機(14)の入口ガイドベーン(57)の段を表す圧縮機入口メッシュ(220)と、
記圧縮機(14)のロータブレード段(48)を表す少なくとも1つの圧縮機ロータ段メッシュ(225)と、
数の出口ガイドベーン(49)および1つの出口ノズルを表し、圧縮機出口メッシュ(235)の最終ノズル出口領域(240)まで延びている、前記圧縮機出口メッシュ(235)と、
を含む、複数のメッシュを生成するステップ(110)と、
値流体力学計算領域(250)を得るために前記複数のメッシュ(220,225,235)を組み立てるステップ(120)と、
記圧縮機(14)の前記ロータブレード段(48)を表す前記計算領域(250)の面の少なくとも1つの回転速度を指定することを含む、前記計算領域(250)の境界条件を指定するステップ(130)と、
記最終ノズル出口領域(240)における大気圧条件を指定するステップ(140)と、
値流体力学計算によって前記圧縮機(14)に沿った流れを計算し、圧縮機入口質量流量および圧縮機圧力比を計算するステップ(150)と、
前記圧縮機入口質量流量および前記圧縮機圧力比が数値的不安定性に達する数値的安定性限界に達したかどうかをチェックするステップ(160)であって、
記数値的安定性限界に達していないならば、
記最終ノズル出口領域(240)の寸法(A1)を減少させ(180)、
記圧縮機出口メッシュ(235)を再び生成し(190)、
記最終ノズル出口領域(240)における前記大気圧を指定するステップ(140)と、前記計算するステップ(150)と、前記チェックするステップ(160)とを反復するステップ(160)と、
を含み、
前記数値的安定性限界に達したならば、前記方法は停止させられ、前記圧縮機(14)のサージ点が、前記圧縮機(14)のマップ(M)において、指定された回転速度と、圧縮機入口質量流量および圧縮機圧力比の最後の計算された値とに対応する点として予測される、コンピュータによって実行される方法(100)。
【請求項2】
圧縮機出口メッシュ(235)の長さ(L)は、前記圧縮機(14)の前記出口ガイドベーン(49)の長さのn倍である、請求項1記載のコンピュータによって実行される方法(100)。
【請求項3】
前記nは、10〜15に含まれる整数である、請求項2記載のコンピュータによって実行される方法(100)。
【請求項4】
圧縮機出口メッシュ(235)の長さ(L)は、前記最終ノズル出口領域(240)の寸法(A1)を減少させるとき(180)において、一定に維持される、請求項2または3記載のコンピュータによって実行される方法(100)。
【請求項5】
前記圧縮機出口メッシュ(235)は、前記圧縮機圧力比を計算するために圧縮機出口圧力が求められるセクション(260)を含む、請求項1から4までのいずれか1項記載のコンピュータによって実行される方法(100)。
【請求項6】
前記計算領域(250)の境界条件を指定するステップは、
口における大気境界条件を指定するサブステップと、
記計算領域(250)の前記メッシュ(220,225,230,235)の間の人工的インターフェースを表すミキシングプレーンを指定するサブステップと、
を含む、請求項1から5までのいずれか1項記載のコンピュータによって実行される方法(100)。
【請求項7】
前記コンピュータによって実行される方法(100)は、さらに、前記圧縮機(14)に沿った流れを計算する前記ステップ(150)において計算された、圧縮機入口質量流量および圧縮機合計圧力比を表す点によって圧縮機マップ(M)を構成するステップ(170)を含む、請求項1記載のコンピュータによって実行される方法(100)。
【請求項8】
前記数値的安定性限界に達したならば、前記圧縮機(14)に沿った流れを計算するステップ(150)の最後の実行中に計算されたマップにおける点は、それぞれの圧縮機サージ点を表すと仮定される、請求項7記載のコンピュータによって実行される方法(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、CFD(“数値流体力学”)計算によってガス圧縮機性能におけるサージを予測するための、コンピュータによって実行される方法に関する。
【0002】
背景技術
ガス圧縮機設計および開発プロセスにおいて、費用対効果の高い定常CFD計算によってサージマージンを予測する能力は、最も重要である。しかしながら、現在の技術水準では、サージマージンを確実に予測することは、著しく困難である場合がある。これは、特に、現在のCFDモデルの欠点、すなわち、CFD計算においてメッシュ化および分解される領域によるものである。典型的には、
−入口ガイドベーンを含む入口ジオメトリ、
−ロータ段ジオメトリ、
−ステータ段ジオメトリ、
−出口ガイドベーンを含む出口ジオメトリ、を含むモデルにCFD計算方法を適用することが公知である。
【0003】
出口ガイドベーンの出口においてすぐに適用される平均静圧境界条件は、様々な圧力比をシミュレートするために変化させられる。数値的不安定性に達したとき、サージ点の推定に達したと仮定される。しかしながら、数値的不安定性による現実の圧縮機の推定は、出口ガイドベーン出口のすぐ近くに適用される境界条件のシヤー制限的性質のために、正確でないことがあり、ひいては、出口の近くで人工的流れ分離につながり、数値的不安定性を生じる。実際、現実の圧縮機には、通常、上述の公知のCFDモデルにおいて通常は考慮されない燃焼システムまたは出口プレナムが続いている。
【0004】
本発明の目的は、CFD計算による圧縮機の現実のサージ点のより良い推定を達成するために、これらの不便を克服することである。
【0005】
発明の概要
上に規定された主な目的を達成するために、独立請求項に記載の、コンピュータによって実行される方法が提供される。従属請求項は、発明の有利な発展形および変化形を示している。
【0006】
本発明によれば、圧縮機のサージ点を予測するためのコンピュータによって実行される方法であって、以下の一連のステップ:
−圧縮機の“数値流体力学”計算に適した複数のメッシュであって、該メッシュは、
−圧縮機入口メッシュと、
−少なくとも1つの圧縮機ロータ段メッシュと、
−複数の出口ガイドベーンおよび1つの出口ノズルを表し、最終ノズル出口領域まで延びている、圧縮機出口メッシュと、
を含む、複数のメッシュを生成するステップと、
−“数値流体力学”計算領域を得るために複数のメッシュを組み立てるステップと、
−計算領域の境界条件を指定するステップと、
−最終ノズル出口領域における大気圧条件を指定するステップと、
−圧縮機入口質量流量および圧縮機圧力比を計算するために、“数値流体力学”計算によって前記圧縮機に沿った流れを計算するステップと、
−所定の数値的安定性限界に達したかどうかをチェックするステップと、
数値的安定性限界に達していないならば、
−最終ノズル出口領域の寸法を減少させるステップと、
−圧縮機出口メッシュを再び生成するステップと、
−最終ノズル出口領域における大気圧を指定する前記ステップと、前記計算するステップと、前記チェックするステップとを反復するステップと、
を含む、コンピュータによって実行される方法が提供される。
【0007】
有利には、徐々に圧力を大気圧レベルに低下させるために出口ガイドベーンの下流における計算領域にノズルが設けられている。モデリングされる圧力比にかかわらずノズルの出口において大気圧境界条件が適用される。次いで、様々な圧力比および質量流量が、数値的不安定性に達するときまでノズルの出口領域を変化させることによって達成される。
【0008】
数値的不安定性点に達したときに計算される圧力比および入口質量流量は、圧縮機の現実のサージ点に対応すると仮定される。実験的試験は、本発明によって計算されたサージ点が、実際に、許容可能なエラーマージン範囲で、圧縮機の現実のサージに近いということを確認した。
【0009】
本発明の可能な実施の形態によれば、圧縮機出口メッシュの長さは、圧縮機の出口ガイドベーンの長さのn倍である。特に、nは、10〜15に含まれてもよい。圧縮機出口メッシュの長さは、出口ガイドベーンの下流における圧力を簡便にかつ徐々に大気圧レベルに低下させるために選択される。
【0010】
本発明の別の可能な実施の形態によれば、圧縮機出口メッシュの長さは、特に、最終ノズル出口領域の寸法を減少させるステップの間、数値的安定限界にまだ達していないとき、方法の複数のステップを通じて一定に維持される。有利には、これは、計算ステップの2つの連続する実行の間で圧縮機出口メッシュを変更するときに1つの境界幾何学的パラメータにおいてのみ作動することを許容する。
【0011】
本発明の別の可能な実施の形態によれば、圧縮機出口メッシュは、圧縮機出口圧力が圧力比計算のために求められるセクションを有する。
【0012】
次いで、出口圧力は、この方法によって求められたポイントによって圧縮機マップを構成するために使用される圧縮機圧力比を計算するために使用される。本発明の方法によって計算されたポイントを圧縮機マップにおいて使用して、圧縮機を運転しているときの圧縮機サージマージンをより正確に予測することができる。
【0013】
本発明の別の可能な実施の形態によれば、計算領域の境界条件を指定するステップは、
−入口における大気境界条件を指定するサブステップと、
−回転面の速度を指定するサブステップと、
−行インターフェースにおけるミキシングプレーンを指定するサブステップと、を含む。
有利には、これは、圧縮機の現実的なCFDモデルを提供する。
【0014】
図面の簡単な説明
本発明の上記で規定した態様および別の態様は、以下で説明される実施の形態の例から明らかであり、実施の形態の例に関して説明される。発明は、以下で実施の形態の例に関連してより詳細に説明されるが、発明はそれらに限定されるわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】圧縮機を有するガスタービンエンジンの縦断面図であり、圧縮機の性能は、本発明の方法によって予測され得る。
図2図1における圧縮機のモデルを示している。
図3】本発明の方法の概略的な流れ図を示している。
図4】圧縮機マップにおける、実験的なポイントと、本発明の方法によって計算されたポイントとの比較を示している。
【0016】
詳細な説明
図1は、ガスタービンエンジン10の一例を断面図で示している。ガスタービンエンジン10は、流れの順序で、空気入口12と、圧縮機セクション14と、燃焼器セクション16と、タービンセクション18とを有しており、これらは、概して流れの順序で、概して長手方向軸線または回転軸線20を中心に、長手方向軸線または回転軸線20の方向に配置されている。ガスタービンエンジン10は、さらに、軸22を有する。軸22は、回転軸線20を中心に回転可能であり、ガスタービンエンジン10を通って長手方向に延びている。軸22は、タービンセクション18を圧縮機セクション14に駆動接続している。
【0017】
ガスタービンエンジン10の作動時、空気入口12を通じて取り込まれた空気24は、圧縮機セクション14によって圧縮され、燃焼セクションのバーナセクション16へ排出される。バーナセクション16は、バーナプレナム26と、1つまたは複数の燃焼室28と、各燃焼室28に固定された少なくとも1つのバーナ30とを含む。燃焼室28およびバーナ30は、バーナプレナム26内に配置されている。圧縮機14を通過する圧縮空気は、ディフューザ32に進入し、ディフューザ32からバーナプレナム26内へ排出され、バーナプレナム26から、空気の一部がバーナ30に入り、気体燃料または液体燃料と混合される。次いで、空気/燃料混合物が燃焼させられ、燃焼により生じた燃焼ガス34または作動ガスは、燃焼室28を通ってトランジションダクト17を介してタービンセクション18へ送られる。
【0018】
タービンセクション18は、軸22に取り付けられた複数のブレード支持ディスク36を有する。この実施例では、2つの各ディスク36は、タービンブレード38の環状の配列を支持している。しかしながら、ブレード支持ディスクの数は異なることができ、すなわち、1つのディスクのみまたは3つ以上のディスクであってもよい。加えて、ガスタービンエンジン10のステータ42に固定された案内ベーン40は、タービンブレード38の環状配列の段の間に配置されている。燃焼室28の出口と、先頭のタービンブレード38との間に、入口案内ベーン44が設けられており、入口案内ベーン44は、作動ガスの流れをタービンブレード38へ変向させる。
【0019】
燃焼室28からの燃焼ガスはタービンセクション18に入り、タービンブレード38を駆動し、タービンブレード38自体は軸22を回転させる。案内ベーン40,44は、タービンブレード38への燃焼ガスまたは作動ガスの角度を最適化するように機能する。
【0020】
タービンセクション18は圧縮機セクション14を駆動する。圧縮機セクション14は、ステータベーン段46とロータブレード段48の軸方向連続を含む。ロータブレード段48は、ブレードの環状配列を支持するロータディスクを有する。圧縮機セクション14は、ロータ段を包囲しかつベーン段48を支持するケーシング50も有する。ガイドベーン段は、ケーシング50に取り付けられた、半径方向に延びるベーンの環状配列を有する。ベーンは、任意のエンジン作動点においてブレードのための最適な角度でガス流を提供するために設けられている。幾つかのガイドベーン段は、可変ベーンを有しており、ベーンの角度は、ベーン自体の長手方向軸線を中心に、様々なエンジン作動条件において生じる可能性がある空気流れ特性に従う角度のために調節することができる。
【0021】
第1の上流のロータブレード段のすぐ上流のガイドベーンの第1段は、入口ガイドベーン(“IGV”)57として識別されている。最後の下流のステータブレード段のすぐ下流でかつディフューザ32の上流のガイドベーンの最後の段は、出口ガイドベーン(“EGV”)49として識別されている。
【0022】
ケーシング50は、圧縮機14の入口通路56の半径方向外面52を規定している。入口通路56の半径方向内面54は、少なくとも部分的にロータのロータドラム53によって規定されており、ロータは、ブレード48の環状配列によって部分的に規定されている。
【0023】
上流および下流という用語は、別段の定めのない限り、エンジンを通る空気流および/または作動ガス流の流れ方向をいう。上流および下流という用語は、エンジンを通るガスの全体的な流れをいう。軸方向、半径方向および周方向という用語は、エンジンの回転軸線20に関して用いられる。
【0024】
図2は、本発明の方法100による圧縮機セクション14のモデル210の一例を示している。
【0025】
概して、本発明によれば、あらゆる圧縮機は、例えば圧縮機がタービンと接続されてもまたは接続されなくてもよいという事実にかかわらず、モデリングされてもよい。バーナセクション16およびタービンセクション18は、実際、本発明の方法に従ってモデリングされていない。本発明の方法は、圧縮機だけの性能をシミュレートし、典型的に圧縮機マップを規定する圧縮機作動点を計算するために行われる。
【0026】
1段圧縮機がモデリングされてもよい。
【0027】
本発明による圧縮機のモデルは、回転軸線を中心とする圧縮機の周方向部分のみを考慮する。モデルの周方向範囲は、回転周期と考えられる。
【0028】
多段モデル210は、本発明の方法に従って、図3のブロック図に概略的に示されたステップの連続によって生成される。
【0029】
方法100の第1のステップ110において、圧縮機14の“数値流体力学”(CFD)計算に適した複数のメッシュが生成される。複数のメッシュは:
−入口ガイドベーン57の段を表す圧縮機入口メッシュ220;
−複数のロータブレード段48をそれぞれ表す複数の圧縮機ロータ段メッシュ225;
−複数のステータブレード段46をそれぞれ表す複数の圧縮機ステータ段メッシュ230;
−複数の出口ガイドベーン49およびそれらの下流の、最終ノズル出口領域240まで延びる出口ノズルを表す、圧縮機出口メッシュ235;
を含む。
【0030】
圧縮機出口メッシュ235は、人工的インターフェースによって分離された複数のメッシュとしてではなく、出口ガイドベーン49およびノズルの両方を表す1つのメッシュとして処理されるべきである。
【0031】
圧縮機出口メッシュ235は、長さLを有する。長さLは、圧縮機14の出口ガイドベーン49の長さのn倍となるように選択され、nは、典型的には、10〜15に含まれる整数である。最終ノズル出口領域240の第1の領域値A1が選択される。
【0032】
出口ガイドベーンの下流のノズルは、出口ガイドベーン49の下流の出口圧力と、大気圧条件との間の漸進的な接続を提供する。方法100の第2のステップ120において、複数のメッシュ220,225,230,235は、“数値流体力学”計算領域250を得るために組み合わされる。
【0033】
方法100の第3のステップ130において、計算領域250の境界条件が指定される。方法100の第3のステップ100は:
−計算領域250の入口における大気境界条件を指定するサブステップ;
−回転面、すなわちロータブレード段48を表す面の速度を指定するサブステップ;
−圧縮機の静止部分と回転部分との間の流れ移行を考慮するために、計算領域250のメッシュ220,225,230,235の間の人工的インターフェースを表すミキシングプレーンを指定するサブステップ;
−回転周期モデル210のいずれの面が回転周期を考慮されなければならないかを規定するサブステップ;
を含む。第3のステップ130の後、方法100は、
−最終ノズル出口領域240における大気圧条件を指定する第4のステップ140;
−特に、修正された圧縮機入口質量流量と、圧縮機出口メッシュ235の所定のセクション260における圧力値と計算領域250の入口における圧力値との間の圧縮機合計圧力比とを計算するために、圧縮機14に沿った流れをCFD計算によって計算する第5のステップ150;
を含むステップのループ101を有する。所定のセクション260は、圧縮機出口メッシュ235において、圧縮機14における出口ガイドベーン49のすぐ下流のセクションを表す。
【0034】
第5のステップ150の後、ループ101は、さらに、所定の数値的安定性限界に達したかどうかをチェックする第6のステップ160を含み、数値的安定性限界に達していないならば、ループ101は、次いで、以下のステップ:
−修正された圧縮機入口質量流量および前の第5のステップ150において計算された圧縮機合計圧力比を表す点によって圧縮機マップMを構成する第7のステップ170;
−長さLが一定に維持されながら、最終ノズル出口領域240の寸法A1を減少させる第8のステップ180であって、特に、本発明の1つの実施の形態によれば、A1は、5%の段階で、すなわち、例えば、最初のA1値が20mmであるならば、第2のA1値は19mm、第3のA1値は18mmというように、減少させられてもよい、第8のステップ180;
−圧縮機出口メッシュ235を再び生成する第9のステップ190、を続ける。
【0035】
第9のステップ190の後、第4のステップ140、第5のステップ150および第6のステップ160が反復される。
【0036】
計算する第5のステップ150のそれぞれの実行において、圧縮機出口メッシュ235は、計算する第5のステップ150の前の実行と僅かに異なる。これは、修正された圧縮機入口質量流量および圧縮機合計圧力比の異なる値、ひいては、圧縮機マップMにおけるそれぞれの異なる点につながる。
【0037】
第6のステップ160において数値的安定性が達せられたとき、ループ101は終了される。計算する第5のステップの最後の実行の間に計算されたマップにおける点は、それぞれの圧縮機サージ点を表すと仮定される。
【0038】
本発明によって達成することができる結果は、図4に示されており、この図では、圧縮機マップMは、修正された圧縮機入口質量流量のための横軸Xと、圧縮機合計圧力比のための縦軸Yとを有するように示されている。任意の速度で回転する圧縮機について、三角形のマーク102は、実験的試験データを表している。複数のマーク102の中で、より高い合計圧力比およびより低い修正された圧縮機入口質量流量を特徴とするマーク102aは、任意の回転速度における圧縮機実験的サージ点を表している。
【0039】
同じ圧縮機のために、方法100によって計算された複数の点が、矩形のマーク103によってマップMに表されている。矩形のマーク103を接続する曲線104は、圧縮機マップMにおいて、任意の回転速度における速度曲線を表している。その他の同様の曲線は、方法100、特に第3のステップ130の実行中に回転速度の異なる値を考慮することによって計算されてもよい。複数のマーク103の中で、より高い合計圧力比およびより低い修正された圧縮機入口質量流量を特徴とするマーク103aは、任意の回転速度における計算された圧縮機サージ点を表している。
【0040】
実験的なサージ点102aと計算されたサージ点103aとの間の距離は、圧縮機比および入口質量流量の両方の観点から、この方法の満足できる確認を提供し、他の既存のCFD方法によって得られてもよい類似の距離よりも著しく小さい。
図1
図2
図3
図4