特許第6599129号(P6599129)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6599129角形二次電池及びそれを用いた組電池、並びにその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6599129
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】角形二次電池及びそれを用いた組電池、並びにその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/34 20060101AFI20191021BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20191021BHJP
   H01M 2/26 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
   H01M2/34 A
   H01M2/30 D
   H01M2/26 A
   H01M2/34 B
【請求項の数】13
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-99580(P2015-99580)
(22)【出願日】2015年5月15日
(65)【公開番号】特開2016-219122(P2016-219122A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2018年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104732
【弁理士】
【氏名又は名称】徳田 佳昭
(74)【代理人】
【識別番号】100116078
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 浩希
(72)【発明者】
【氏名】脇元 亮一
(72)【発明者】
【氏名】北岡 和洋
(72)【発明者】
【氏名】藤原 勲
(72)【発明者】
【氏名】八木 弘雅
【審査官】 守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−186954(JP,A)
【文献】 特開平11−329405(JP,A)
【文献】 特開2003−187779(JP,A)
【文献】 特開2003−187785(JP,A)
【文献】 特開平02−112151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/34
H01M 2/26
H01M 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極タブ部を有する正極板と、
負極タブ部を有する負極板と、
前記正極板と前記負極板を有する電極体と、
開口を有し前記電極体を収納する外装体と、
前記開口を封口する封口板と、
前記正極板と電気的に接続され、前記封口板に取り付けられた正極端子と、
前記負極板と電気的に接続され、前記封口板に取り付けられた負極端子と、
前記正極板と前記正極端子の間の導電経路又は前記負極板と前記負極端子の間の導電経路に設けられた感圧式の電流遮断機構と、を備えた角形二次電池であって、
前記正極タブ部及び前記負極タブ部は、前記電極体の前記封口板側の端部に設けられ、
前記電流遮断機構は、前記電極体側に開口部を有する導電部材と、前記開口部を封止する変形板と、前記変形板の前記電極体側の面に接続された集電体と、を含み、
前記集電体は、前記変形板に接続された集電体本体部と、前記集電体本体部から折り返された集電体接続部を有し、
前記正極タブ部又は前記負極タブ部は前記集電体接続部に接続され、
電池内圧が所定値以上となったとき前記変形板が変形し、前記変形板の変形に伴い脆弱部が破断することにより、前記正極板と前記正極端子の間の導電経路又は前記負極板と前記負極端子の間の導電経路が切断される角形二次電池。
【請求項2】
前記集電体本体部と前記集電体接続部のそれぞれ対向する面のなす角は60°以下である請求項1に記載の角形二次電池。
【請求項3】
前記集電体本体部と前記集電体接続部の間に形成される折り返し部の一方端部を通り、且つ前記折り返し部に対して垂直な直線を直線L1とし、
前記折り返し部の他方端部を通り且つ前記折り返し部に対して垂直な直線を直線L2としたとき、
前記変形板と前記集電体本体部の接続部は、前記直線L1と前記直線L2の間に形成された請求項1又は2に記載の角形二次電池。
【請求項4】
前記変形板と前記集電体本体部の間には第1絶縁部材が配置され、
前記第1絶縁部材は直接ないし間接的に前記導電部材に固定され、
前記脆弱部において前記集電体本体部と前記集電体接続部の間に形成される折り返し部に最も近い部分を通り、且つ前記折り返し部に平行な直線を直線L3としたとき、
前記直線L3と前記折り返し部の間に、前記第1絶縁部材と前記集電体本体部が固定された固定部が形成された請求項1〜3のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項5】
前記変形板と前記集電体本体部の間には第1絶縁部材が配置され、
前記第1絶縁部材と前記集電体本体部が固定された固定部を有し、
前記第1絶縁部材は直接ないし間接的に前記導電部材に固定され、
前記脆弱部において前記集電体本体部と前記集電体接続部の間に形成される折り返し部に最も近い部分を通り、且つ前記折り返し部に対して垂直な直線を直線L4としたとき、
前記固定部の少なくとも一部が前記直線L4上に位置する請求項1〜3のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項6】
前記変形板と前記集電体本体部の間には第1絶縁部材が配置され、
前記第1絶縁部材は直接ないし間接的に前記導電部材に固定され、
前記第1絶縁部材と前記集電体本体部が固定された複数の固定部を有し、
第1固定部及び第2固定部を含む複数の前記固定部が設けられ、
前記折り返し部の一方端部を通り且つ前記折り返し部に対して垂直な直線を直線L1とし、
前記折り返し部の他方端部を通り且つ前記折り返し部に対して垂直な直線を直線L2とし、
前記脆弱部において前記集電体本体部と前記集電体接続部の間に形成される折り返し部に最も近い部分を通り、且つ前記折り返し部に平行な直線を直線L3とし、
前記脆弱部において前記折り返し部に最も近い部分を通り且つ前記折り返し部に対して垂直な直線を直線L4としたとき、
前記第1固定部は、前記折り返し部、前記直線L1、前記直線L3及び前記直線L4で囲まれる領域に設けられ、
前記第2固定部は、前記折り返し部、前記直線L2、前記直線L3及び前記直線L4で囲まれる領域に設けられた請求項1〜3のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項7】
前記集電体本体部は固定用貫通穴を有し、
前記第1絶縁部材は固定用突起を有し、
前記固定用突起が前記固定用貫通穴に挿入され前記固定部とされている請求項4〜6のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項8】
前記封口板の短辺方向において、前記集電体接続部の長さは前記集電体本体部の長さよりも小さい請求項1〜7のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項9】
前記集電体接続部の先端側には、前記正極タブ部又は前記負極タブ部から離れるように湾曲する湾曲部が形成された請求項1〜8のいずれかに記載の角形二次電池。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の角形二次電池を複数個含む組電池。
【請求項11】
正極タブ部を有する正極板と、
負極タブ部を有する負極板と、
前記正極板と前記負極板を有する電極体と、
開口を有し前記電極体を収納する外装体と、
前記開口を封口する封口板と、
前記正極板と電気的に接続され、前記封口板に取り付けられた正極端子と、
前記負極板と電気的に接続され、前記封口板に取り付けられた負極端子と、
前記正極板と前記正極端子の間の導電経路又は前記負極板と前記負極端子の間の導電経路に設けられた感圧式の電流遮断機構と、を備え、
前記正極タブ部及び前記負極タブ部は、前記電極体の前記封口板側の端部に設けられ、
前記電流遮断機構は、前記電極体側に開口部を有する導電部材と、前記開口部を封止する変形板と、前記変形板の電池内部側の面に接続された集電体と、を含み、
前記集電体は、前記変形板に接続された集電体本体部と、前記集電体本体部から折り返された集電体接続部を有し、
前記正極タブ部又は前記負極タブ部は前記集電体接続部に接続され、
電池内圧が所定値以上となったとき前記変形板が変形し、前記変形板の変形に伴い脆弱部が破断することにより、前記正極板と前記正極端子の間の導電経路又は前記負極板と前記負極端子の間の導電経路が切断される角形二次電池の製造方法であって、
前記集電体接続部に前記正極タブ部又は前記負極タブ部を接続する接続工程と、
前記接続工程の後、前記集電体本体部と前記集電体接続部のそれぞれ対向する面のなす角が小さくなるよう前記集電体接続部を前記集電体本体部に対して曲げる曲げ工程を有する角形二次電池の製造方法。
【請求項12】
前記曲げ工程により、前記集電体本体部と前記集電体接続部のそれぞれ対向する面のなす角を60°以下とする請求項11に記載の角形二次電池の製造方法。
【請求項13】
前記変形板と前記集電体本体部の間には第1絶縁部材が配置され、前記第1絶縁部材は直接ないし間接的に前記導電部材に固定され、
前記脆弱部において前記集電体本体部と前記集電体接続部の間に形成される折り返し部に最も近い部分を通り、且つ前記折り返し部に平行な直線を直線L3としたとき、
前記曲げ工程の前に、前記直線L3と前記折り返し部の間に前記第1絶縁部材と前記集電体本体部が固定される固定部を形成する固定工程を有する請求項11又は12に記載の角形二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は角形二次電池及びそれを用いた組電池、並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV、PHEV)等の駆動用電源において、アルカリ二次電池や非水電解質二次電池等の二次電池が使用されている。これらの用途では、高容量ないし高出力特性が要求されるので、多数の角形二次電池が直列ないし並列に接続された組電池として使用される。
【0003】
これらの角形二次電池では、開口を有する有底筒状の角形外装体と、その開口を封口する封口板により電池ケースが形成される。電池ケース内には、正極板、負極板及びセパレータからなる電極体が電解液と共に収納される。封口板には正極端子及び負極端子が取り付けられる。正極端子は正極集電体を介して正極板に電気的に接続され、負極端子は負極集電体を介して負極板に電気的に接続される。
【0004】
正極板は、金属製の正極芯体と、正極芯体表面に形成された正極活物質層を含む。正極芯体の一部には正極活物質層が形成されない正極芯体露出部が形成される。そして、この正極芯体露出部に正極集電体が接続される。また、負極板は金属製の負極芯体と、負極芯体表面に形成された負極活物質層を含む。負極芯体の一部には負極活物質層が形成されない負極芯体露出部が形成される。そして、この負極芯体露出部に負極集電体が接続される。
【0005】
例えば特許文献1においては、一方の端部に巻回された正極芯体露出部を有し、他方の端部に巻回された負極芯体露出部を有する巻回電極体を用いた角形二次電池が提案されている。また、特許文献2においては、一方の端部に正極芯体露出部及び負極芯体露出部が設けられた巻回電極体を用いた角形二次電池が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−032640号公報
【特許文献2】特開2008−226625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
車載用二次電池、特にEVやPHEV等に用いられる二次電池に関しては、より体積エネルギー密度が高く電池容量の大きな二次電池の開発が求められる。上記特許文献1に開示されている角形二次電池の場合、電池ケース内には、巻回された正極芯体露出部及び巻回された負極芯体露出部が配置される左右のスペース、及び封口板と巻回電極体の間の上部のスペースが必要であり、二次電池の体積エネルギー密度を増加させることが困難である原因となっている。
【0008】
これに対し、上記特許文献2に開示されている角形二次電池のように、一方の端部に正極芯体露出部及び負極芯体露出部が設けられた巻回電極体を用いると、体積エネルギー密度の高い角形二次電池が得られ易くなる。
【0009】
しかしながら、上記特許文献2に開示されている角形二次電池では、特許文献1に開示されている角形二次電池よりも、集電部の構造が複雑になり易い。
【0010】
本発明は、高い体積エネルギー密度で高容量であるとともに、信頼性の高い角形二次電池及びそれを用いた組電池、並びにその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一様態の角形二次電池は、
正極タブ部を有する正極板と、
負極タブ部を有する負極板と、
前記正極板と前記負極板を有する電極体と、
開口を有し前記電極体を収納する外装体と、
前記開口を封口する封口板と、
前記正極板と電気的に接続され、前記封口板に取り付けられた正極端子と、
前記負極板と電気的に接続され、前記封口板に取り付けられた負極端子と、
前記正極板と前記正極端子の間の導電経路又は前記負極板と前記負極端子の間の導電経路に設けられた感圧式の電流遮断機構と、を備えた角形二次電池であって、
前記正極タブ部及び前記負極タブ部は、前記電極体の前記封口板側の端部に設けられ、
前記電流遮断機構は、前記電極体側に開口部を有する導電部材と、前記開口部を封止する変形板と、前記変形板の前記電極体側の面に接続された集電体と、を含み、
前記集電体は、前記変形板に接続された集電体本体部と、前記集電体本体部から折り返された集電体接続部を有し、
前記正極タブ部又は前記負極タブ部は前記集電体接続部に接続され、
電池内圧が所定値以上となったとき前記変形板が変形し、前記変形板の変形に伴い脆弱部が破断することにより、前記正極板と前記正極端子の間の導電経路又は前記負極板と前記負極端子の間の導電経路が切断される。
【0012】
上記構成によると、電極体の封口板側の端部に正極板の正極タブ部及び負極板の負極タブ部が配置されるため、電池ケース内において発電に関与しない部材が配置されるスペースを削減することができる。したがって、より体積エネルギー密度の高く電池容量の大きな角形二次電池が得られる。
【0013】
更に、上記構成では、感圧式の電流遮断機構が設けられているため、電池が過充電状態となった場合に過充電の進行を防止できるため信頼性の高い電池となる。
【0014】
上記構成では、集電体は、変形板が接続される集電体本体部と正極タブ部又は負極タブ部が接続される集電体接続部を有する。そして、集電体接続部が集電体本体部の端部から折り返された構成となっている。したがって、集電部が占めるスペースをより小さくすることが可能となり、電池の体積エネルギー密度をより向上させることができる。
【0015】
前記集電体本体部と前記集電体接続部のそれぞれ対向する面のなす角は60°以下であることが好ましい。
【0016】
前記集電体本体部と前記集電体接続部の間に形成される折り返し部の一方端部を通り、且つ前記折り返し部に対して垂直な直線を直線L1とし、
前記折り返し部の他方端部を通り且つ前記折り返し部に対して垂直な直線を直線L2としたとき、
前記変形板と前記集電体本体部の接続部は、前記直線L1と前記直線L2の間に形成されていることが好ましい。
【0017】
前記変形板と前記集電体本体部の間には第1絶縁部材が配置され、
前記第1絶縁部材は直接ないし間接的に前記導電部材に固定され、
前記脆弱部において前記集電体本体部と前記集電体接続部の間に形成される折り返し部に最も近い部分を通り、且つ前記折り返し部に平行な直線を直線L3としたとき、
前記直線L3と前記折り返し部の間に、前記第1絶縁部材と前記集電体本体部が固定された固定部が形成されていることが好ましい。
【0018】
前記変形板と前記集電体本体部の間には第1絶縁部材が配置され、
前記第1絶縁部材と前記集電体本体部が固定された固定部を有し、
前記第1絶縁部材は直接ないし間接的に前記導電部材に固定され、
前記脆弱部において前記集電体本体部と前記集電体接続部の間に形成される折り返し部に最も近い部分を通り、且つ前記折り返し部に対して垂直な直線を直線L4としたとき、
前記固定部の少なくとも一部が前記直線L4上に位置することが好ましい。
【0019】
前記変形板と前記集電体本体部の間には第1絶縁部材が配置され、
前記第1絶縁部材は直接ないし間接的に前記導電部材に固定され、
前記第1絶縁部材と前記集電体本体部が固定された複数の固定部を有し、
第1固定部及び第2固定部を含む複数の前記固定部が設けられ、
前記折り返し部の一方端部を通り且つ前記折り返し部に対して垂直な直線を直線L1とし、
前記折り返し部の他方端部を通り且つ前記折り返し部に対して垂直な直線を直線L2とし、
前記脆弱部において前記集電体本体部と前記集電体接続部の間に形成される折り返し部に最も近い部分を通り、且つ前記折り返し部に平行な直線を直線L3とし、
前記脆弱部において前記折り返し部に最も近い部分を通り且つ前記折り返し部に対して垂直な直線を直線L4としたとき、
前記第1固定部は、前記折り返し部、前記直線L1、前記直線L3及び前記直線L4で囲まれる領域に設けられ、
前記第2固定部は、前記折り返し部、前記直線L2、前記直線L3及び前記直線L4で囲まれる領域に設けられていることが好ましい。
【0020】
前記集電体本体部は固定用貫通穴を有し、
前記第1絶縁部材は固定用突起を有し、
前記固定用突起が前記固定用貫通穴に挿入され前記固定部とされていることが好ましい。
【0021】
前記封口板の短辺方向において、前記集電体接続部の長さは前記集電体本体部の長さよりも小さいことが好ましい。
【0022】
前記集電体接続部の先端側には、前記正極タブ部又は前記負極タブ部から離れるように湾曲する湾曲部が形成されていることが好ましい。
【0023】
上述の角形二次電池を複数個直列ないし並列に接続し組電池とすることができる。
【0024】
本発明の一様態の角形二次電池の製造方法は、
正極タブ部を有する正極板と、
負極タブ部を有する負極板と、
前記正極板と前記負極板を有する電極体と、
開口を有し前記電極体を収納する外装体と、
前記開口を封口する封口板と、
前記正極板と電気的に接続され、前記封口板に取り付けられた正極端子と、
前記負極板と電気的に接続され、前記封口板に取り付けられた負極端子と、
前記正極板と前記正極端子の間の導電経路又は前記負極板と前記負極端子の間の導電経路に設けられた感圧式の電流遮断機構と、を備え、
前記正極タブ部及び前記負極タブ部は、前記電極体の前記封口板側の端部に設けられ、
前記電流遮断機構は、前記電極体側に開口部を有する導電部材と、前記開口部を封止する変形板と、前記変形板の電池内部側の面に接続された集電体と、を含み、
前記集電体は、前記変形板に接続された集電体本体部と、前記集電体本体部から折り返された集電体接続部を有し、
前記正極タブ部又は前記負極タブ部は前記集電体接続部に接続され、
電池内圧が所定値以上となったとき前記変形板が変形し、前記変形板の変形に伴い脆弱部が破断することにより、前記正極板と前記正極端子の間の導電経路又は前記負極板と前記負極端子の間の導電経路が切断される角形二次電池の製造方法であって、
前記集電体接続部に前記正極タブ部又は前記負極タブ部を接続する接続工程と、
前記接続工程の後、前記集電体本体部と前記集電体接続部のそれぞれ対向する面のなす角が小さくなるよう前記集電体接続部を前記集電体本体部に対して曲げる曲げ工程を有する。
【0025】
前記曲げ工程により、前記集電体本体部と前記集電体接続部のそれぞれ対向する面のなす角を60°以下とすることが好ましい。
【0026】
前記変形板と前記集電体本体部の間には第1絶縁部材が配置され、前記第1絶縁部材は直接ないし間接的に前記導電部材に固定され、
前記脆弱部において前記集電体本体部と前記集電体接続部の間に形成される折り返し部に最も近い部分を通り、且つ前記折り返し部に平行な直線を直線L3としたとき、
前記曲げ工程の前に、前記直線L3と前記折り返し部の間に前記第1絶縁部材と前記集電体本体部が固定される固定部を形成する固定工程を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、高い体積エネルギー密度で高容量であるとともに、信頼性の高い角形二次電池及びそれを用いた組電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施形態に係る角形二次電池の斜視図である。
図2図1のII−II線に沿った断面図である。
図3図1のIII−III線に沿った断面図である。
図4図1のIV−IV線に沿った断面図である。
図5】実施形態に係る正極板及び負極板の平面図である。
図6】実施形態に係る積層型電極体の平面図である。
図7図3における電流遮断機構の周辺の拡大図である。
図8】実施形態に係る曲げ加工前の正極集電体の平面図である。
図9】正極集電体及び負極集電体が取り付けられた封口板の電池内面側を示す図である。
図10図9におけるX−X線に沿った断面図であり、導電部材、変形板及び正極集電体のみを示した図である。
図11図3における電流遮断機構の周辺の拡大図であり、正極タブ部を正極集電体に接続する工程を示す図である。
図12図3における電流遮断機構の周辺の拡大図であり、正極集電体を折り返した状態を示す図である。
図13】実施形態に係る曲げ加工前の正極集電体の平面図である。
図14】変形例の角形二次電池に用いる曲げ加工前の正極集電体の平面図である。
図15】変形例の角形二次電池の図11に対応する図である。
図16】変形例の角形二次電池の図12に対応する図である。
図17】変形例の角形二次電池の図11に対応する図であり、正極タブ部周辺の拡大図である。
図18】変形例の角形二次電池の図7に対応する図であり、変形板と正極集電体の接続部周辺の拡大図である。
図19】変形例の角形二次電池の図3及び図4に対応する図であり、正極集電体及び負極集電体の周辺の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施形態に係る角形二次電池20の構成を以下に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0030】
図1〜4に示すように、角形二次電池20は、開口を有する角形外装体1と、当該開口を封口する封口板2を備える。角形外装体1及び封口板2は、それぞれ金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金製とすることができる。角形外装体1は、底部1a、一対の大面積側壁1b及び一対の小面積側壁1cを有する。角形外装体1は、底部1aと対向する位置に開口を有する角形の有底筒状の外装体である。角形外装体1内には、複数の正極板と複数の負極板がセパレータを介して積層された積層型の電極体3が電解質と共に収容されている。正極板は、金属製の正極芯体と、正極芯体上に形成された正極活物質を含む正極活物質層を有する。正極板は一つの端辺に正極芯体が露出する正極芯体露出部4bを有する。なお、正極芯体としてはアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔を用いることが好ましい。負極板は、金属製の負極芯体と、負極芯体上に形成された負極活物質を含む負極活物質層を有する。負極板は一つの端辺に負極芯体が露出する負極芯体露出部5bを有する。なお、負極芯体としては銅箔又は銅合金箔を用いることが好ましい。角形二次電池20では、正極芯体露出部4bが正極タブ部4cを構成し、負極芯体露出部5bが負極タブ部5cを構成している。
【0031】
図2〜4に示すように、電極体3において、封口板2側の端部に、正極タブ部4cが積層された状態で配置され、また、負極タブ部5cが積層された状態で配置されている。積層された正極タブ部4cに正極集電体6が接合されている。そして、この正極集電体6に正極端子7が電気的に接続されている。積層された負極タブ部5cに負極集電体8が接合されている。そして、この負極集電体8に負極端子9が電気的に接続されている。正極板と正極端子7の間の導電経路には感圧式の電流遮断機構40が設けられている。電流遮断機構40は電池内部の圧力が所定値以上となったときに作動し、導電経路が切断されることにより電流が遮断される。なお、負極板と負極端子9の間の導電経路に感圧式の電流遮断機構40が設けてもよい。
【0032】
正極端子7は絶縁部材10及び絶縁性のガスケット11により封口板2と電気的に絶縁された状態で封口板2に取り付けられている。また、負極端子9は絶縁部材12及び絶縁性のガスケット13により封口板2と電気的に絶縁された状態で封口板2に取り付けられている。絶縁部材10及び12、ガスケット11及び13はそれぞれ樹脂製であることが好ましい。
【0033】
電極体3は絶縁シート14に覆われた状態で角形外装体1内に収容されている。絶縁シート14としては、箱状に折り曲げられたもの、あるいは袋状のものを用いることが好ましい。封口板2は角形外装体1の開口縁部にレーザ溶接等により接合されている。封口板2は電解液注液孔15を有し、この電解液注液孔15は注液後、封止栓16により封止される。封口板2には電池内部の圧力が所定値以上となった場合に作動し、電池内部のガスを電池外部に排出するためのガス排出弁17が形成されている。なお、ガス排出弁17の作動圧は、電流遮断機構40の作動圧よりも高い値に設定する。
【0034】
角形二次電池20の大きさは、例えば、高さ(封口板2に対して垂直な方向の長さ。図1において上下方向の長さ。)が18cm、厚さ(図1において前後方向の長さ)が3cm、幅(封口板2に対して平行で且つ角形二次電池20の厚み方向に対して垂直な方向の長さ。図1において左右方向の長さ。)が9cmとすることができる。なお、本発明は、角形二次電池の幅に対する高さの割合が、2以上のときに特に効果的である。本発明は、角形二次電池の幅が10cm以下であり、角形二次電池の高さが17cm以上の場合特に有効である。また、本発明は、電池容量が30Ah以上の場合特に有効である。なお、電池容量の値は、設計容量即ち電池の製造業者が規定する公称容量の値とすることができる。
【0035】
次に角形二次電池20の製造方法について説明する。
【0036】
[正極板の作製]
正極活物質としてのコバルト酸リチウム、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)、導電材としての炭素材料、及びN−メチルピロリドン(NMP)を含む正極スラリーを作製する。この正極スラリーを、正極芯体としての厚さ15μmの矩形状のアルミニウム箔の両面に塗布する。そして、これを乾燥させることにより、正極スラリー中のN−メチルピロリドンを取り除き、正極芯体上に正極活物質層を形成する。その後、正極活物質層を所定厚みになるように圧縮処理を行う。このようにして得られた正極板を所定の形状に裁断する。
【0037】
[負極板の作製]
負極活物質としての黒鉛、結着剤としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)、及び水を含む負極スラリーを作製する。この負極スラリーを、負極芯体としての厚さ8μmの矩形状の銅箔の両面に塗布する。そして、これを乾燥させることにより、負極スラリー中の水を取り除き、負芯体上に負極活物質層を形成する。その後、負極活物質層を所定厚みになるように圧縮処理を行う。このようにして得られた負極板を所定の形状に裁断する。
【0038】
図5は裁断後の正極板4(図5中の(a))、負極板5(図5中の(b))の平面図である。正極板4は、正極芯体の両面に正極活物質層4aが形成された方形状の領域を有し、その一辺に正極芯体露出部4bが正極タブ部4cとして形成されている。負極板5は、負極芯体の両面に負極活物質層5aが形成された方形状の領域を有し、その一辺に負極芯体露出5bが負極タブ部5cとして形成されている。なお、正極板4の大きさは負極板5の大きさよりも僅かに小さくされている。正極タブ部4cの根本部分には絶縁層ないし、正極芯体よりも電気抵抗が高い保護層4dを設けることが好ましい。なお、正極芯体露出部4bないし負極芯体露出部5bに他の導電部材を接続し、正極タブ部4cないし負極タブ部5cとすることも可能である。
【0039】
[積層型電極体の作製]
100枚の正極板4及び101枚の負極板5を上述の方法で作製し、これらをポリオレフィン製の方形状のセパレータを介して積層し積層型の電極体3を作製する。図6に示すように、積層型の電極体3は、一方の端部において、各正極板4の正極タブ部4cが積層され、各負極板5の負極タブ部5cが積層されるように作製される。積層型の電極体3の両外面にはセパレータが配置され、テープ18等により各極板及びセパレータが積層された状態に固定することが好ましい。あるいは、セパレータに接着層を設け、セパレータと正極板4、セパレータと負極板5がそれぞれ接着されるようにしてもよい。なおセパレータの平面視の大きさは負極板5と同じ、あるいは負極板5よりも大きくする。2枚のセパレータの間に正極板4を配置し、セパレータの周縁を熱溶着した状態とした後、正極板4
と負極板5を積層してもよい。
【0040】
<電流遮断機構の組み立て>
図7図3における電流遮断機構40の周辺の拡大図である。次に正極端子7の封口板2への取り付け及び電流遮断機構40の組み立て方法について説明する。
【0041】
封口板2には、正極端子取り付け孔2aが形成されている。正極端子取り付け孔2aの電池外面側にガスケット11を配置し、電池内面側に絶縁部材10及び導電部材41を配置する。そして、ガスケット11、封口板2、絶縁部材10及び導電部材41のそれぞれに形成された貫通穴に電池外部側から正極端子7を挿入し、正極端子7の先端を導電部材41上に加締める。ここで、正極端子7において加締められた部分を導電部材41上に溶接接続することが好ましい。
【0042】
導電部材41は電極体3側に開口部41xを有するカップ形状であることが好ましい。導電部材41は、封口板2と平行に配置されるベース部41aと、ベース部41aから電極体3側に延びる筒状部41bを有する。筒状部41bは円筒形であってもよく、角形の筒状部であってもよい。導電部材41は金属製であり、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金製であることが好ましい。正極端子7はベース部41aに接続される。なお、正極端子7と導電部材41が一体的な部品としてもよい。この場合、正極端子7は、電池内部側から各部品の貫通穴に挿入され、電池外部側で加締められる。絶縁部材10は、封口板2と導電部材41のベース部41aの間に配置される絶縁部材本体部10aと、絶縁部材本体部10aの封口板3の短手方向における両端部から電極体3側に延びる一対の絶縁部材第1側壁10bを有する。絶縁部材第1側壁10bの外面には凸部10cが形成されている。
【0043】
次に、変形板42を導電部材41の電極体3側の開口部41xを塞ぐように配置し、変形板42の外周縁を導電部材41にレーザ溶接等により接合する。これにより、導電部材41の電極体3側の開口部41xを気密に封止する。変形板42は金属製であり、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金製であることが好ましい。
【0044】
次に第1絶縁部材としての絶縁板43を変形板42の電極体3側の面に配置する。絶縁板43は、変形板42と正極集電体6の集電体本体部6aの間に配置される絶縁板本体部43aと、絶縁板本体部43aの封口板2の短手方向における両端部から封口板2側に延びる一対の絶縁板第1側壁43bを有する。絶縁板本体部43aには、絶縁板貫通穴43c、第1突起43d1、第2突起43d2、第3突起43d3、第4突起43d4が形成されている。また、絶縁板第1側壁43bの内面には、凹部43eが形成されている。
【0045】
絶縁板本体部43aに形成された絶縁板貫通穴43cには変形板42の中央部に形成された突出部42aが挿入される。また、絶縁板第1側壁43bの内面は、絶縁部材第1側壁10bの外面と対向するように配置される。そして、凸部10cが凹部43eと嵌合することにより、絶縁部材10と絶縁板43が接続される。なお、この凹部43eを貫通穴としてもよい。
【0046】
図10は、正極端子7、電流遮断機構40、負極集電体8、及び負極端子9が取り付けられた封口板2の電池内部側面を示す図である。図10は、図9のX−X線に沿った断面図であり、導電部材41、変形板42、及び絶縁板43のみを抜粋して示した図である。
【0047】
図9に示すように絶縁板43は導電部材固定部43xを有する。そして、導電部材固定部43xを導電部材41のフランジ部41cに引っ掛けるようにして、絶縁板43を導電部材41に固定する。
【0048】
絶縁板43は直接ないし間接的に導電部材41に固定されていることが好ましい。絶縁板43と導電部材41を直接固定する方法としては、上述のように絶縁板43に導電部材固定部を設け、導電部材固定部を導電部材41に固定することができる。また、絶縁板43と導電部材41を間接的に固定する方法としては、上述のように絶縁部材10を介して絶縁板43と導電部材41を固定することができる。導電部材41及び絶縁部材10は、正極端子7により封口板2に一体的に固定されているため、お互いに固定されている。そして、絶縁部材10と絶縁板43はお互いに嵌合することにより固定されている。したがって、絶縁部材10を介して絶縁板43と導電部材41が固定されている。なお、絶縁板43は直接導電部材41に固定されるのみであってもよいし、間接的に導電部材41に固定されるのみであってもよい。
【0049】
ここで、正極集電体6の構成について説明する。図8は、曲げ加工前の正極集電体6の平面図であり、電極体3側の面を示す図である。正極集電体6は、集電体本体部6aと、集電体本体部6aの端辺(封口板2の短手方向の端辺)から折り返される集電体接続部6bを有する。集電体本体部6aと集電体接続部6bの間には折り返し部70が形成される。この折り返し部70は、封口板2の長手方向に延びるように形成される。なお、図8において、破線で示す部分が、正極集電体6が曲げ加工された後に折り
返し部70となる。
【0050】
集電体本体部6aには、接続用貫通穴6xが形成されており、この接続用貫通穴6xの周囲には薄肉部6cが形成されている。また、薄肉部6c内には環状の溝部6dが接続用貫通穴6xを囲むように形成されている。溝部6dの厚み(残厚み)は、薄肉部6cよりも小さくなっている。ここで、環状の溝部6dが脆弱部となり、変形板42の変形に伴い破断する。即ち、この脆弱部が破断予定部となっている。なお、脆弱部の破断により導電経路が切断されればよいため、薄肉部6c及び溝部6dを両方設ける必要はない。薄肉部6cのみ、あるいは溝部6dのみを設けるようにしてもよい。あるいは、薄肉部6cや溝部6dを設けず、変形板42と集電体本体部6aの接合部を脆弱部とすることもできる。あるいは、変形板42に薄肉部ないし溝部等の脆弱部を設けることもできる。
【0051】
集電体本体部6aには第1固定用貫通穴6y1、第2固定用貫通穴6y2、第3固定用貫通穴6y3、第4固定用貫通穴6y4が設けられている。また、折り返し部70の両端には切欠き部6zが形成されている。
【0052】
封口板2の短手方向(図8では上下方向。図12では上下方向)において、集電体接続部6bの長さW2を集電体本体部6aの長さW1よりも小さくすることが好ましい。また、集電体接続部6bの長さW2と集電体本体部6aの長さW1の関係を、1/3≦W2/W1≦2/3とすることが好ましい。これにより、正極タブ部4cと集電体接続部6bの接続部から各正極板までの各正極タブ部4cの長さをより均一にすることができる。また、封口板2の長手方向において、集電体本体部6aの長さW3と集電体接続部6bの長さW4の関係を、0.5≦W4/W3≦1.5とすることが好ましい。
【0053】
このような正極集電体6を絶縁板43の電極体3側の面に配置する。このとき、絶縁板43に形成された第1突起43d1、第2突起43d2、第3突起43d3、第4突起43d4を、それぞれ、正極集電体6に形成された第1固定用貫通穴6y1、第2固定用貫通穴6y2、第3固定用貫通穴6y3、第4固定用貫通穴6y4に挿入する。そして第1突起43d1、第2突起43d2、第3突起43d3、第4突起43d4の先端を拡径することにより、絶縁板43に正極集電体6を固定する。これにより第1固定部80a、第2固定部80b、第3固定部80c、第4固定部80dが形成される。なお、各突起を固定用貫通穴に圧入するようにしてもよい。その後、正極端子7に形成された端子貫通穴7
xを通じ電池外部側からガスを送り込み、変形板42を正極集電体6の本体部6aに押し付けた状態とする。この状態で、正極集電体6の本体部6aに設けられた接続用貫通穴6xの縁部と変形板42をレーザ溶接等により接合する。なお、接続用貫通穴6xは必須の構成ではなく、接続用貫通穴6xを有していない本体部6aを変形板42に接合することもできる。なお、端子貫通穴7xは栓体7yで封止する。
【0054】
<封口板への負極端子の取り付け>
封口板2には、負極端子取り付け孔2bが形成されている。負極端子取り付け孔2bの電池外面側にガスケット13を配置し、電池外面側に絶縁部材12及び負極集電体8を配置する。そして、ガスケット13、封口板2、絶縁部材12及び負極集電体8のそれぞれに形成された貫通穴に電池外部側から負極端子9を挿入し、負極端子9の先端を負極集電体8上に加締める。そして、負極端子9において加締められた部分を負極集電体8に溶接する。
【0055】
図9に示すように、負極集電体8を封口板2に取り付ける際、予め集電体本体部8aに対して集電体接続部8bを略90°(70〜100°程度)折り曲げたものを用いることができる。また、正極集電体6を絶縁板43に取り付ける際、予め集電体本体部6aに対して集電体接続部6bを略90°(70〜100°程度)折り曲げたものを用いることができる。なお、曲げ加工前の負極集電体8を封口板2に取り付けた後、集電体本体部8aに対して集電体接続部8bを略90°(70〜100°程度)折り曲げても良い。また、曲げ加工前の正極集電体6を絶縁板43に取り付けた後、集電体本体部6aに対して集電体接続部6bを略90°(70〜100°程度)折り曲げてもよい。但し、正極集電体6に関しては、予め集電体本体部8aに対して集電体接続部8bを略90°(70〜100°程度)折り曲げたものを用いることが好ましい。これにより、正極集電体6の曲げ加工の際に生じる応力が、絶縁板43と正極集電体6の固定部、正極集電体6の集電体本体部6aに設けられた脆弱部、あるいは変形板42と正極集電体6の集電体本体部6aの接続部に加わることを抑制できる。
【0056】
<正極集電体と正極タブ部の接続>
図11に示すように、積層された正極タブ部4cを正極集電体6の集電体接続部6b上に配置し、積層された正極タブ部6cと正極集電体6の集電体接続部6bを接合する。これにより接合部30が形成される。ここで、正極集電体6は、予め集電体接続部6bが集電体本体部6aに対して90°折り曲げられたものを用いる。積層された正極タブ部4cを正極集電体6に接合する前に、予め正極タブ部4c同士を接合しておくこともできる。接合方法は特に限定されず、抵抗溶接、超音波溶接、レーザ等の高エネルギー線による溶接等を用いることができる。特に抵抗溶接を用いることが好ましい。また、積層された正極タブ部4cの積層方向における最外面であって集電体接続部6bが配置される面と反対側の面に受け部品を配置し、集電体接続部6bと受け部品で積層された正極タブ部4cを挟み込んだ状態で接合を行うこともできる。
【0057】
その後、図12に示すように、集電体接続部6bが集電体本体部6aに対して折り返されるように正極集電体6について更に曲げ加工を行う。
【0058】
<負極集電体と負極タブ部の接続>
図4に示すように、積層された負極タブ部5cを負極集電体8の集電体接続部8b上に配置し、積層された負極タブ部5cと負極集電体8の集電体接続部8bを接合する。接合方法や、受け部材の配置等は正極側と同様の構成とすることができる。
【0059】
<角形二次電池の組み立て>
封口板2に接続された電極体3を絶縁シート14で覆い、角形外装体1に挿入する。そ
して、封口板2と角形外装体1をレーザ溶接等により接合し、角形外装体1の開口を封口する。その後、電解質溶媒及び電解質塩を含有する非水電解質を封口板2に設けられた電解液注液孔15より注液する。そして、電解液注液孔15を封止栓16で封止する。
【0060】
なお、封口板2と電極体3の間に絶縁シートを配置し、電極体3(特に、正極タブ4cないし負極タブ部5c)と封口板2の間をより確実に絶縁することが好ましい。例えば、絶縁シート14の一部を封口板2と電極体3の間に配置することができる。あるいは、絶縁シート14とは別の絶縁シートを封口板2と電極体3の間に配置することもできる。また、絶縁シート14に比べ厚みの厚い絶縁板を配置することもできる。
【0061】
<角形二次電池20>
角形二次電池20では、電極体3の封口板2側の端部に正極タブ部4c及び負極タブ部5cがそれぞれ配置される構成となっている。したがって、角形外装体1内において、発電に関与しない部材が配置されるスペースを削減でき、体積エネルギー密度が高い角形二次電池となる。更に、角形二次電池20では、角形外装体1及び封口板2により構成される電池ケースの6面のうち最も小さい面積の面に封口板2を配置している。即ち、封口板2及び角形外装体1の底部1aの面積が、角形外装体1の4つの側壁(一対の大面積側壁1b及び一対の小面積側壁1c)よりも小さくなっている。よって、より体積エネルギー密度が高い角形二次電池となる。但し、角形二次電池20に用いられる角形外装体1において、開口に対応する位置に側壁を有し、一方の小面積側壁1cに対応する部分に開口を有する有底筒状の角形外装体を用い、この開口を封口板で封口するような形態の角形二次電池とすることもできる。
【0062】
図12に示すように、集電体接続部6bが集電体本体部6aに対して折り返された状態となっている。これにより、より体積エネルギー密度の高い角形二次電池とすることができる。なお、集電体接続部6bが集電体本体部6aに対して60°以下となるようにすることが好ましく、45°以下となるようにすることが好ましく、15°以下となるようにすることが好ましい。なお、この角度は、集電体接続部6bにおいて集電体本体部aと対向する面と、集電体本体部6aにおいて集電体接続部6bと対向する面がなす角である。
また、折り返し部70のRを大きくし、集電体接続部6bにおいて集電体本体部6aと対向する面と、集電体本体部6aにおいて集電体接続部6bと対向する面がなす角が0°以下となるようにしてもよい。但し、−15°以上とすることが好ましい。
【0063】
なお、正極集電体6は、アルミニウム又はアルミニウム合金製であることが好ましい。集電体接続部6bが集電体本体部6aに対して折り返された状態であり、且つ正極集電体6が銅等に比べて比較的柔らかいアルミニウム又はアルミニウム合金からなることにより、折り返し部70に弾性を持たせることができる。このような構成であると、正極タブ部4cが電極体3側に引っ張られたとしても、折り返し部70において負荷を吸収できるため、脆弱部等に負荷が加わることを抑制できる。このような効果を得るためには、正極集電体6の厚みを2.0mm以下とすることが好ましく、1.5mm以下とすることが好ましく、1.2mm以下とすることがより好ましい。但し、正極集電体6にはある程度の剛性が必要であるため、正極集電体6の厚みは、0.5mm以上とすることが好ましい。なお、正極集電体6の厚みとは、薄肉部や溝部等が形成されていない基材部分の厚みとする。
【0064】
角形二次電池20では、折り返し部70と脆弱部である溝部6dの間に、絶縁板43と正極集電体6の集電体本体部6aが固定された第1固定部80aが設けられている。したがって、非常に強い衝撃や振動により集電体接続部6bが電極体3側に引っ張られることがあっても、脆弱部ないし変形板42と集電体本体部6aの接続部が損傷・破損することを防止できる。
また、集電体接続部6bが集電体本体部6aに対して折り返されるように曲げ加工を行っても、曲げ加工の際に生じる応力が脆弱部、ないし変形板42と集電体本体部6aの接続部に加わることを抑制できる。したがって、脆弱部ないし変形板42と集電体本体部6aの接続部が損傷・破損することを防止できる。
【0065】
図12に示すように、封口板2の短手方向に沿った断面において、集電体接続部6bの先端側の端部は、接続用貫通穴6xの中心よりも折り返し部70側に位置することが好ましい。このような構成によると、正極集電体6の集電体接続部6bの端部により正極タブ部4cが損傷することを抑制できる。また、正極タブ部4cないし正極集電体6の集電体接続部6bが脆弱部に接触し脆弱部が損傷することを抑制できる。なお、
封口板2の短手方向における集電体接続部6bの長さをより短くし、正極タブ部4c及び正極集電体6の集電体接続部6bが脆弱部に対向しないようにすることがより好ましい。
【0066】
また、図12に示すように、積層された正極タブ部4cが集電体接続部6bにおいて集電体本体部6a側の面に接続されることが好ましい。このような構成であると、電極体3が角形外装体1内で動き、正極タブ部4cが電極体3側に引っ張られたとしても、正極タブ部4cと集電体接続部6bの接合部30のみに負荷が加わることを抑制できる。したがって、接合部30の損傷ないし破損を抑制できる。
【0067】
図13は、図8に直線L1〜L6を加筆した図である。ここで、直線L1は、折り返し部70の一方端部(図13においては左側の端部)を通り且つ折り返し部70に対して垂直な直線である。直線L2は、折り返し部70の他方端部(図13においては右側の端部)を通り且つ折り返し部70に対して垂直な直線である。直線L3は、脆弱部である溝部6dにおいて折り返し部70に最も近い部分を通り且つ折り返し部70に平行な直線である。直線L4は、脆弱部である溝部6dにおいて折り返し部70に最も近い部分を通り且つ折り返し部70に対して垂直な直線である。直線L5は、折り返し部70の一方端部(図13においては左側の端部)と脆弱部である溝部6dにおいて折り返し部70に最も近い部分を通る直線である。直線L6は、折り返し部70の他方端部(図13においては右側の端部)と脆弱部である溝部6dにおいて折り返し部70に最も近い部分を通る直線である。
【0068】
図13に示すように、変形板42と正極集電体6の集電体本体部6aの接続部は、直線L1と直線L2の間に形成されていることが好ましい。このような構成であると、集電体接続部6bと正極タブ部4cの接続部から変形板42と集電体本体部6bの接続部までの距離を短くすることができるため、内部抵抗を低減することが可能となる。
【0069】
<正極集電体と絶縁板の固定部について>
図13に示すように、直線L1と折り返し部70の間に絶縁板43と正極集電体6の集電体本体部6aが固定される第1固定部80aを設けることが好ましい。これにより、脆弱部や変形板42と集電体本体部6aの接続部に負荷が加わることを抑制できる。特に、折り返し部70に対して直線L1よりも遠い領域に集電体本体部6aと絶縁板43の固定部が別途形成されている場合、集電体本体部6aに対して集電体接続部6bを曲げ加工する際に脆弱部や変形板42と集電体本体部6aの接続部に応力が加わり易くなるため、直線L1と折り返し部70の間に第1固定部80aを設けることが特に効果的である。なお、第1固定部80a全体が直線L1と折り返し部70の間に形成されていることが好ましい。
【0070】
変形板42と正極集電体6の集電体本体部6aの接続部が、直線L1と直線L2の間に形成されている場合、特に脆弱部や変形板42と集電体本体部6aの接続部に負荷が加わり易いため、直線L3と折り返し部70の間に第1固定部80aを設けることが効果的で
ある。
【0071】
また、第1固定部80aの少なくとも一部が直線L4上に位置するようにすることが好ましい。これにより、より効果的に脆弱部や変形板42と集電体本体部6aの接続部に負荷が加わることを抑制できる。なお、このような場合は、内部抵抗の増加を抑制するため折り返し部70、直線L5及び直線L6で囲まれる領域内に固定部が一箇所のみ設けられることが好ましい。
【0072】
また、折り返し部70上に貫通穴6eないし薄肉部を設け、正極集電体6の曲げ加工を行い易くすることも可能である。
【0073】
以下に変形例について説明する。なお、変形例において上述の角形二次電池20と同じ構成については、角形二次電池20と同じ符号を付与している。
<変形例1>
図14は、変形例1に係る角形二次電池に用いる正極集電体6’の平面図である。正極集電体6’と正極集電体6の相違点は、固定用貫通穴の位置である。正極集電体6’では、第1固定用貫通穴60aが折り返し部70、直線L2、直線L3及び直線L4で囲まれる領域に設けられ、第2固定用貫通穴60bが折り返し部70、直線L1、直線L3及び直線L4で囲まれる領域に設けられている。したがって、絶縁板43と正極集電体6’の集電体本体部6aの第1固定部は、折り返し部70、直線L2、直線L3及び直線L4で囲まれる領域に設けられる。また、絶縁板43と正極集電体6’の集電体本体部6aの第2固定部は、折り返し部70、直線L1、直線L3及び直線L4で囲まれる領域に設けられる。これにより、脆弱部や変形板42と集電体本体部6aの接続部に負荷が加わることを効果的に抑制できる。特に、第1固定用貫通穴60a及び第2固定用貫通穴60bは、直線L4上には存在しないようにすることが好ましい。これにより、内部抵抗を低減することが可能となる。第1固定用貫通穴60aの全体が、折り返し部70、直線L2、直線L3及び直線L4で囲まれる領域に設けられ、第2固定用貫通穴60bの全体が、折り返し部70、直線L1、直線L3及び直線L4で囲まれる領域に設けられ、第1固定用貫通穴60a及び第2固定用貫通穴60bが、直線L4上には存在しないようにすることがより好ましい。これにより、脆弱部への負荷が加わることを効果的に抑制できるとともに、内部抵抗を効果的に低減できる。なお、この場合、折り返し部70に対して直線L2よりも遠い領域に固定部を設けることが好ましい。
【0074】
<変形例2>
図15は、変形例2に係る角形二次電池の図11に対応する図である。図15に示すように、曲げ加工を行う前の平らな正極集電体6を用いて電流遮断機構を組み立て、この正極集電体6の集電体接続部6bに正極タブ部4cを接合することができる。その後、正極集電体6を曲げ加工し、集電体接続部6bを集電体本体部6aに対して折り返すことができる。
【0075】
<変形例3>
図16は、変形例3に係る角形二次電池の図12に対応する図である。図16に示すように、集電体接続部6bの先端部に正極タブ部4cから離れるように湾曲する湾曲部65を設けることが好ましい。これにより、集電体接続部6bの先端部により正極タブ部4cが損傷ないし破損することを抑制できる。なお、湾曲部65を設けるタイミングは特に限定されてないが、正極集電体6を絶縁板43に固定する前に湾曲部65を形成しておくことが好ましい。
【0076】
<変形例4>
図17は変形例4に係る角形二次電池の図3に対応する断面図であり、正極タブ部4c
周辺の拡大図である。図17に示すように、積層された正極タブ部4cを正極集電体6の集電体接続部6bに接合する前に、予め積層された正極タブ部4c同士を接合し、予備接合部31を形成することが好ましい。予備接合部31が形成されていることにより、積層された正極タブ部4cを正極集電体6の集電体接続部6bに接続する作業が行い易くなる。更に、正極タブ部4cにおいて、正極タブ部4cの先端側から、集電体接続部6bとの接合部30(P1)、正極タブ部4cにおいて集電体接続部6bと接触する部分のうち最も電極体3側に位置する部分(P2)、予備接合部31のうち最も電極体3側に位置する部分(P3)の順に位置するようにすることが好ましい。正極集電体6の集電体接続部6bの電極体3側の端部が正極タブ部4cと接触することにより、積層された正極タブ部4cのうち正極集電体6の集電体接続部6b側に位置する正極タブ部4c(最内タブ部)が損傷しても、正極板-正極タブ部4c(最内タブ部)-予備接合部31-正極タブ部4c(最内タブ部とは別のタブ部)-正極集電体6の集電体接続部6bという導電経路が確保されているため、抵抗値の上昇が抑制される。なお、負極側についても同様である。
【0077】
<変形例5>
図18は、変形例5の角形二次電池の図7に対応する図であり、変形板42と正極集電体6の集電体本体部6aの接続部周辺の拡大図である。集電体本体部6aに薄肉部6c及び溝部6dが形成されている場合、変形板42と正極集電体6の集電体本体部6aの接合部90が薄肉部6cの電極体3側の面(図18中では下面)よりも電極体3側(図18中では下方)に突出するようにすることが好ましい。このような構成であると、正極タブ部4cないし集電体接続部6bが脆弱部に接触することを抑制できる。よって、脆弱部が損傷ないし破損することが抑制された信頼性の高い角形二次電池となる。なお、接合部90は、高エネルギー線の照射により溶融した正極集電体6が凝固した部分とすることができる。
【0078】
<変形例6>
図19は、変形例6の角形二次電池の図3及び図4に対応する図であり、正極集電体及び負極集電体の周辺の拡大図である。実施形態に係る角形二次電池20においては、図4に示すように負極集電体8は集電体本体部8aに対して集電体接続部8bが略90°となるような形状とした。負極集電体8についても、正極集電体6と同様に更に曲げ加工を行い、集電体接続部8bが集電体本体部8aに対して折り返されるようにしてもよい。負極集電体8における集電体本体部8aに対する集電体接続部8bの角度は、60°以下となるようにすることが好ましい。なお、正極集電体6における集電体本体部6aに対する集電体接続部6bの角度θ1は、負極集電体8における集電体本体部8aに対する集電体接続部8bの角度θ2よりも小さくすることが好ましい。これにより、正極タブ部4c及び負極タブ部5cがそれぞれ過度に張り詰めた状態となること及び過度に撓んだ状態となることを防止できる。
【0079】
<その他>
電池内に電池が過充電状態となった場合にガスを発生する過充電抑制剤を含有させることが好ましい。
非水電解質二次電池の場合、正極活物質層に炭酸リチウムを含有させる、あるいは非水電解質中にシクロヘキシルベンゼン等を含有させることが好ましい。
【符号の説明】
【0080】
1・・・角形外装体 1a・・・底部 1b・・・大面積側壁 1c・・・小面積側壁
2・・・封口板 2a・・・正極端子取り付け孔 2b・・・負極端子取り付け孔
3・・・電極体
4・・・正極板
4a・・・正極活物質層 4b・・・正極芯体露出部 4c・・・正極タブ部 4d・・
・保護層
5・・・負極板
5a・・・負極活物質層 5b・・・負極芯体露出部 5c・・・負極タブ部
6・・・正極集電体
6a・・・集電体本体部 6b・・・集電体接続部 6c・・・薄肉部 6d・・・溝部
6e・・・貫通穴
6x・・・接続用貫通穴
6y1・・・第1固定用貫通穴 6y2・・・第2固定用貫通穴 6y3・・・第3固定用貫通穴
6y4・・・第4固定用貫通穴
6z・・・切欠き
7・・・正極端子
7x・・・端子貫通穴 7y・・・栓体
8・・・負極集電体
8a・・・集電体本体部 8b・・・集電体接続部
9・・・負極端子
10・・・絶縁部材
10a・・・絶縁部材本体部 10b・・・絶縁部材第1側壁 10c・・・凸部
11、13・・・ガスケット
12・・・絶縁部材
14・・・絶縁シート
15・・・電解液注液孔
16・・・封止栓
17・・・ガス排出弁
18・・・テープ

20・・・角形二次電池

30・・・接合部
31・・・予備接合部

40・・・電流遮断機構
41・・・導電部材 41a・・・ベース部 41b・・・筒状部 41c・・・フランジ部
42・・・変形板
43・・・絶縁板(第1絶縁部材)
43a・・・絶縁板本体部 43b・・・絶縁板第1側壁
43c・・・絶縁板貫通穴
43d1・・・第1突起 43d2・・・第2突起 43d3・・・第3突起 43d4・・・第4突起
43x・・・導電部材固定部

60a・・・第1固定用貫通穴 60b・・・第1固定用貫通穴 60c・・・第3固定用貫通穴
60d・・・第4固定用貫通穴

65・・・湾曲部

70・・・折り返し部(折り返し線)

80a・・・第1固定部 80b・・・第2固定部 80c・・・第3固定部 80d・・・第4固定部

90・・・接合部
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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図19