特許第6599241号(P6599241)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6599241
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】回転コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20191021BHJP
   H01R 35/04 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
   H01R13/52 D
   H01R35/04 F
   H01R35/04 S
   H01R13/52 Z
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-4639(P2016-4639)
(22)【出願日】2016年1月13日
(65)【公開番号】特開2017-126465(P2017-126465A)
(43)【公開日】2017年7月20日
【審査請求日】2018年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】平尾 勇樹
【審査官】 山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−064646(JP,A)
【文献】 特開2009−152089(JP,A)
【文献】 特開2007−220505(JP,A)
【文献】 特開2012−209254(JP,A)
【文献】 特開2014−137858(JP,A)
【文献】 特開2014−137859(JP,A)
【文献】 特開平07−029631(JP,A)
【文献】 特開2008−269905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 35/04
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の固定側ハウジングと、前記固定側ハウジングと相対的に回転自在に組み付けられ中心部にステアリングシャフトが挿通される環状の可動側ハウジングと、を備えた回転コネクタ本体と、
前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとの間に形成された環状空間部に組み込まれ、前記固定側ハウジングに設けられた固定側コネクタ部と前記可動側ハウジングに設けられた可動側コネクタ部との間を電気的に接続するケーブルと、
を有し、
前記回転コネクタ本体内に侵入した水を外部に排出する排出口が前記回転コネクタ本体の下部領域に設けられており、
前記下部領域は、前記可動側ハウジングに前記ステアリングシャフトが挿通されたときに前記回転コネクタ本体の下部に位置する領域であり、
前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングは摺動自在に組み付けられ、
前記可動側ハウジングは前記ステアリングシャフトが挿通される筒状のロータ部を有し、
前記可動側ハウジングにおいて、前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとの摺動部分と、前記筒状のロータ部との間の位置に前記排出口が設けられている
ことを特徴とする回転コネクタ。
【請求項2】
前記回転コネクタ本体において、前記排出口と対向する位置に空間部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転コネクタ。
【請求項3】
前記可動側コネクタ部を構成する可動側リードブロックが前記摺動部分で摺動自在となるように前記可動側ハウジングに取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の回転コネクタ。
【請求項4】
前記可動側リードブロックは、前記排口と対向する位置に一体的に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の回転コネクタ。
【請求項5】
前記可動側ハウジングは、前記筒状のロータ部を備えた第1のロータ部と、前記筒状ロータ部に組み付けられた第2のロータ部を有し、前記前記固定側ハウジングは前記第1のロータ部と前記第2のロータ部との間で摺動自在に挟み込まれるように組み付けられ、前記排出口は前記第2のロータ部に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の回転コネクタ。
【請求項6】
環状の固定側ハウジングと、前記固定側ハウジングと相対的に回転自在に組み付けられ中心部にステアリングシャフトが挿通される環状の可動側ハウジングと、を備えた回転コネクタ本体と、
前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとの間に形成された環状空間部に組み込まれ、前記固定側ハウジングに設けられた固定側コネクタ部と前記可動側ハウジングに設けられた可動側コネクタ部との間を電気的に接続するケーブルと、
を有し、
前記回転コネクタ本体内に侵入した水を外部に排出する排出口が前記回転コネクタ本体の下部領域に設けられており、
前記下部領域は、前記可動側ハウジングに前記ステアリングシャフトが挿通されたときに前記回転コネクタ本体の下部に位置する領域であり、
前記可動側ハウジングは、前記筒状のロータ部を備えた第1のロータ部と、前記筒状ロータ部に組み付けられた第2のロータ部を有し、前記前記固定側ハウジングは前記第1のロータ部と前記第2のロータ部との間で摺動自在に挟み込まれるように組み付けられ、前記排出口は前記第2のロータ部に設けられている
ことを特徴とする回転コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定側ハウジングと可動側ハウジングとの間で電気信号を伝送するための回転コネクタに関し、特に回転コネクタ本体内に侵入した水を外部に排出する構成を備えた回転コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車において、ステアリングホイール側に備えられた電気装置と車体側に備えられた電気装置とを電気的に接続する回転コネクタが知られている。
【0003】
回転コネクタは、車体側に取り付けられる固定側ハウジングと、この固定側ハウジングに対して回転自在となるようにステアリングシャフト側に組み付けられる可動側ハウジングと、上記各ハウジング間に形成された環状の空間部内に収納され、上記各ハウジングに設けられたコネクタ部間を電気的に接続するケーブルとを備えている。
【0004】
上記構成の回転コネクタは、自動車のステアリングホイールに装着されたエアーバックシステムやホーン回路、または各種操作スイッチ等の電気的接続手段として使用される。
【0005】
特許文献1には、回転コネクタに防塵対策を施した技術が開示されている。この回転コネクタは、回転カバーに取り付けられた回転筒の外周面と、固定カバーに取り付けられた底部カバーの孔部の内周縁とに密着して防塵用のリングプレートを配設したものであり、上記回転筒と上記底部カバーとの間から塵や摩耗紛やグリス等が回転コネクタの内部へ侵入することを防ぐ構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−220505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、回転コネクタは、可動側ハウジングに車両の室内に配置されている金属製のステアリングシャフトを挿通されて使用される。
寒冷地において、自動車を走行させるためにエンジンを始動させたとき、車両の室内は暖房で温まり、室内は低温環境から高温環境に移行する。
室内が低温環境から高温環境に移行したときに上記ステアリングシャフトには結露が発生する。上記ステアリングシャフトに結露が発生すると、その結露水は例えば上記ステアリングシャフトと上記可動側ハウジングの接触部分等から回転コネクタ本体内に侵入し、
その結露水は、回転コネクタ本体内に組み込まれているケーブルとコネクタ部との接続部分に到達し、電気回路が短絡する恐れがあることが問題となっていた。
【0008】
特許文献1に開示された技術においては、回転コネクタ本体内への塵や摩耗紛やグリス等の侵入を防ぐことはできるが、回転コネクタ本体の隙間等から毛細管現象により回転コネクタ本体内に侵入することが考えられる。回転コネクタ本体内に一旦結露水が溜まると、その結露水を回転コネクタ本体の外部に排出することができない。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転コネクタ本体内に水が侵入した場合であっても、その水を回転コネクタ本体の外部に排出することができ、回転コネクタ本体内に組み込まれている電気回路の短絡等を防ぐことができる回転コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明に係る回転コネクタは、環状の固定側ハウジングと、前記固定側ハウジングと相対的に回転自在に組み付けられ中心部にステアリングシャフトが挿通される環状の可動側ハウジングとを備えた回転コネクタ本体と、前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとの間に形成された環状空間部に組み込まれ、前記固定側ハウジングに設けられた固定側コネクタ部と前記可動側ハウジングに設けられた可動側コネクタ部との間を電気的に接続するケーブルとを有し、前記回転コネクタ本体内に侵入した水を外部に排出する排出口が前記回転コネクタ本体の下部領域に設けられており、前記下部領域は、前記可動側ハウジングに前記ステアリングシャフトが挿通されたときに前記回転コネクタ本体の下部に位置する領域であり、前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングは摺動自在に組み付けられ、前記可動側ハウジングは前記ステアリングシャフトが挿通される筒状のロータ部を有し、前記可動側ハウジングにおいて、前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとの摺動部分と、前記筒状のロータ部との間の位置に前記排出口が設けられている
【0011】
この構成によれば、回転コネクタ本体内に水が侵入した場合であっても、その水を回転コネクタ本体の外部に排出することができ、回転コネクタ本体内に組み込まれている電気回路の短絡等を防ぐことができる。
【0012】
また、この構成によれば、回転コネクタ本体の隙間から水が本体内に侵入してきても、その水をすぐに排出口からコネクタ本体の外部に排出することができる。
【0013】
好適には、前記回転コネクタ本体において、前記排出口と対向する位置に空間部が形成されている。
この構成によれば、回転コネクタ本体内に侵入した水の蓄積を防ぐことができる。
【0014】
好適には、前記可動側コネクタ部を構成する可動側リードブロックが前記摺動部分で摺動自在となるように前記可動側ハウジングに取り付けられている。
この構成によれば、回転コネクタ本体内に可動側リードブロックから回転コネクタ本体内へのごみ等の異物の侵入を前記摺動部分で防ぐことができる。
【0015】
好適には、前記可動側リードブロックは、前記排口と対向する位置に一体的に取り付けられている。
【0016】
好適には、前記可動側ハウジングは、前記筒状のロータ部を備えた第1のロータ部と、前記筒状ロータ部に組み付けられた第2のロータ部を有し、前記固定側ハウジングは前記第1のロータ部と前記第2のロータ部との間で摺動自在に挟み込まれるように組み付けられ、前記排出口は前記第2のロータ部に設けられている。
この構成によれば、各ロータ部の組付部分から回転コネクタ本体内に水が浸入したとしても、その水を回転コネクタ本体の外部に排出することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、回転コネクタ本体内に水が侵入した場合であっても、その水を回転コネクタ本体の外部に排出することができ、回転コネクタ本体内に組み込まれている電気回路の短絡等を防ぐことができる回転コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る回転コネクタの正面図である。
図2】回転コネクタの一側面図である。
図3】回転コネクタの外観を示す一部分解斜視図である。
図4】回転コネクタの可動側ハウジングの斜視図である。
図5】回転コネクタの可動側ハウジングの分解斜視図である。
図6】回転コネクタの排出口の部分を示す拡大斜視図である。
図7】回転コネクタにおいて可動側リードブロックが取り付けられている部分を縦断面にした拡大斜視図である。
図8】回転コネクタにおいて可動側リードブロックが取り付けられていない部分を縦断面した拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る回転コネクタを説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る回転コネクタ1の正面図である。図2は、本実施形態に係る回転コネクタ1の一側面図であり、回転コネクタ1にステアリングシャフト50を挿通した状態を示す図である。図3は、本実施形態に係る回転コネクタ1の外観を示す一部分解斜視図である。
【0020】
回転コネクタ1は、自動車の操舵装置としてのステアリングシャフト50側と車体側との間で電気信号を伝送するための接続装置である。
図1図3に示すように、回転コネクタ1の回転コネクタ本体1Aは、車体側に固定されたステアリングコラム51に取り付けられる環状の固定側ハウジング2と、固定側ハウジング2に回転自在に組み付けられステアリンコラム51に内包されたステアリングシャフト50が挿通される環状の可動側ハウジング3を備えている。
【0021】
固定側ハウジング2は、合成樹脂からなる外筒部2Aと、外筒部2Aの外周縁に取り付けられた合成樹脂からなる環状底板部2Bと、環状底板部2Bに一体的に形成された脚部2Cを有している。脚部2Cが車体側のステアリングコラム51に取り付けられることにより、固定側ハウジング2はステアリングコラム51に固定される。
【0022】
可動側ハウジング3は、合成樹脂からなる第1のロータ部となる円盤状の上部ロータ部3Aと、上部ロータ部3Aに所定距離をおいて対向する合成樹脂からなる第2のロータ部となる円盤状の下部ロータ部3Bと、上部ロータ部3Aと下部ロータ部3Bの中央部分に設けられ各ロータ部3A、3Bを連結する筒状のロータ部となる中間ロータ部3Cを有している。中間ロータ部3Cにステアリングシャフト50を挿通されて、可動側ハウジング3はステアリングシャフト50側に組みつけ固定される。可動側ハウジング3は固定側ハウジング2対して相対的に軸芯線を中心に正逆両方向(図1中矢印A方向及びB方向)に回転操作される。
【0023】
図4図6に示すように、中間ロータ部3Cは、上部ロータ部の中央部分に垂下するように突設された筒状の第1連結部3Dと、下部ロータ部3Bの中央部分に突設された筒状の第2連結部3Eとを組み付けることにより構成される。
下部ロータ部3Bにおいて、回転コネクタ本体1Aの下部領域に位置する内周近傍部分には回転コネクタ本体1A内に侵入した結露水を回転コネクタ本体1Aの外部に排出するための排出口20が設けられている。排出口20は下部ロータ部の周方向に所定間隔をおいて5個形成されている。
ちなみに回転コネクタ本体1Aの下部領域とは、中間ロータ部3Cにステアリングシャフト50を相通させたとき、回転コネクタ本体1Aの下部に位置する領域のことを言う。なお、本実施形態に係る回転コネクタ1Aでは、ステアリングハンドルを中立位置(自動車を直進走行させる位置)に維持したときの下部領域において、下部ロータ部3Bに排出口20を形成している。
【0024】
固定側ハウジング2と可動側ハウジング3を組み付けると、各ハウジング2、3に囲まれた回転コネクタ1の内部には環状空間部4が形成される。この環状空間部4内には固定側ハウジング2と可動側ハウジング3との間で電気的導通を確保するためのケーブル5が収容されている。ケーブル5としては、例えば、可撓性を有するフラットケーブル5が用いられている。フラットケーブル5は、環状空間部4に渦巻状に巻回されて収容され、可動側ハウジング3の回転に従って初期の中立位置(自動車を直進させる位置)からの巻締め又は巻戻しの回転に伴う動作が許容されるようになっている。
【0025】
固定側ハウジング2を構成する外筒部2Aには固定側コネクタ部6が外筒部2Aの外周から外方に突出するように設けられている。
可動側ハウジング3を構成する上部ロータ部3Aの背面側には可動側コネクタ部7を構成する可動側リードブロック7Aが取り付けられている。
【0026】
フラットケーブル5の一端は、固定側コネクタ部6を構成する固定側リードブロック(図示は省略)に電気的に接続され、フラットケーブル5の他端は、可動側コネクタ部7の可動側リードブロック7Aに電気的に接続されている。
可動側ハウジング3の中間ロータ部3Cに中立状態のステアリングシャフト50を挿通させたとき、すなわちステアリングハンドルを中立位置(自動車を直進走行させる位置)に維持した状態のとき、可動側ハウジング3の上部ロータ部3Aの下部領域に位置する表面部側には、可動側コネクタ部7を構成する外部コネクタ嵌合部8が突設されている。
外部コネクタ嵌合部8には、エアバックシステムやホーンスイッチ回路等に接続されるケーブル接続用コネクタ部(図示は省略する)が嵌合される。外部コネクタ嵌合部8は第1嵌合部10と第2嵌合部11に区画されている。
【0027】
可動側ハウジング3の上部ロータ部3Aの上部側の表面には、可動側ハウジング3をステアリングシャフト50側の所定位置に位置決め固定するための位置決めピン9が突設されている。
【0028】
このような構成の回転コネクタ1は、図2に示すように、運転者の前方(図2中左方向)に所定角度(θ)を持って傾斜するようにステアリングコラム51に取り付けられる。
【0029】
可動側ハウジング3の上部ロータ部3Aにおいて、第2嵌合部11の近傍には可動側リードブロック7Aが露出する開口部3aが形成されている。開口部3aは蓋体12により開閉自在である。第2嵌合部11には蓋体12と一体に形成されたカバー部13を備えている。
カバー部13には第2嵌合部11の本体に突設した係止部11Aに嵌合する開口部13Aが形成されており、係止部11Aと開口部13Aの嵌合により、蓋体12とカバー部13は上部ロータ部3Aの開口部3aを蓋締めする。なお、係止部11Aと開口部13Aの嵌合を解除することにより、上部ロータ部3Aの開口部3aを開口することができる。
【0030】
図7は、ステアリングハンドルを中立位置(自動車を直進走行させる位置)に維持した状態において、可動側リードブロック7Aが取り付けられている部分を縦断面にした拡大斜視図である。図8は、可動側リードブロック7Aが取り付けられていない部分を縦断面にした拡大斜視図である。
固定側ハウジング2を構成する外筒部2Aの下端内周部に固定側ハウジング2を構成する環状底板部2Bが凹凸嵌合により取り付けられている。環状底板部2Bの外底面側には可動側ハウジングを構成する下部ロータ部3Bが対向して配置されている。
【0031】
環状底板部2Bの外底面には環状の第1リブ部2Cと環状の第2リブ部2Dが環状底板部2Bの径方向に所定間隔をおいて突設されている。各リブ部2C、2Dは下部ロータ部3Bの上面に摺動自在となるように当接されている。可動側ハウジング3が回転操作されると、下部ロータ部3Bは各リブ部2C、2Dと摺動しながら回転する。
【0032】
図7に示すように、ステアリングハンドルを中立位置(自動車を直進走行させる位置)に維持したとき、回転コネクタ本体1Aの下部領域における中間ロータ部3Cの第1連結部3Dの内壁には、可動側リードブロック7Aが一体的に取り付けられている。可動側リードブロック7Aの下端は環状底板部2Bの内周側上面に摺動自在に当接されている。
下部ロータ部3Bにおいて、環状底板部2Bと可動側リードブロック7Aとの摺動部部分22と第1連結部3Dとの間の位置には排出口20が形成されている。
可動側リードブロック7Aの取り付け位置は下部ロータ部3Bに形成された排出口20と対向する位置となっている。
【0033】
環状底板部2Bの第1リブ2Cにおいて、ステアリングハンドルを中立位置(自動車を直進走行させる位置)に維持したとき、排出口20と対向する位置には、結露水が蓄積して周辺部品へ付着するのを防ぐため周辺の部品との間に空間部21が切り欠き形成されている。
【0034】
図8に示すように、中間ロータ部3Cの第1連結部3Dの内壁には上部ロータ部3Aと連なる環状のブロック部3Fが内方に突出形成されている。ブロック部3Fの下端には環状のロータ側リブ部3Gが形成されている。ロータ側リブ部3Gは環状底板部2Bの上面に摺動自在に当接されている。可動側ハウジング3が回転操作されると、ロータ側リブ部3Gが環状底板部2B上を摺動しながら回転する。なお、ロータ側リブ部3Gと環状底板部2Bとの摺動部分23となる摺動面は可動側リードブロック7Aと環状底板部2Bとの摺動部分22となる摺動面と同一面となっている。
【0035】
図7に示す状態、すなわちステアリングハンドルを中立位置(自動車を直進走行させる位置)の状態から回転操作し、下部ロータ部3Bが回転操作されると、下部ロータ部3Bは環状底板部2Bの第1リブ部2C上を摺動する。そうすると、排出口20は第1リブ部2Cに形成されている空間部21から離れ、第1リブ部2Cによって塞がれる。すなわち、空間部21と回転コネクタ本体1Aの外部との連通が遮断される。
【0036】
次に、図7を参照して、回転コネクタ本体1A内に侵入した結露水が回転コネクタ本体1Aの外部に排出される状態を説明する。
回転コネクタ1は、車両の室内に配置されている金属製のステアリングシャフト50を中間ロータ部3Cに挿通させることにより、ステアリングシャフト50側に組み付けられる。
気温が低下する冬の季節等においては、自動車を走行させるためにエンジンを始動させたとき、車両の室内は暖房で温まり、室内は低温環境から高温環境に移行する。
車両の室内が低温環境から高温環境に移行したときにステアリングシャフト50には結露が発生する。
ステアリングシャフト50に結露が発生すると、その結露水は、毛細管現象等により中間ロータ部3Cの第1連結部3Dと下部ロータ部3Bとの隙間24から回転コネクタ本体1A内に侵入する恐れがある。
【0037】
本実施形態にかかる回転コネクタ1によれば、結露水が回転コネクタ本体1A内に侵入したとしても、その結露水は空間部21を介してすぐに排出口20から回転コネクタ本体1Aの外部に排出される。したがって、結露水が回転コネクタ本体1Aの内部に組み込まれている可動側リードブロック7Aに到達することはなく、電気回路の短絡を防ぐことができる。
【0038】
また、可動側リードブロック7Aは排出口20と対向するように第1連結部3Dに一体的に取り付けられているので、可動側リードブロック7Aへの結露水の付着を確実に防ぐことができる。
また、ロータ側リブ部3Gは環状底板部2B上に摺動自在に当接しているので、排出口20から空間部21にごみ等の異物が侵入してきても、その異物の回転コネクタ本体1A内への浸入をロータ側リブ部3Gと環状底板部2Bとの摺動部分23で防ぐことができる。
また、可動側リードブロック7Aの下端は環状底板部2Bの内周側上面に摺動自在に当接されている。したがって、排出口20から空間部21にごみ等の異物が侵入しても、その異物の回転コネクタ本体1A内への浸入を可動側リードブロック7Aと環状底板部2Bとの摺動部分22で防ぐことができる。
【0039】
本発明は上述した実施形態には限定されない。すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【0040】
上記の実施形態では、回転コネクタ本体1Aにおいて、排出口20と対向する位置に空間部が形成された場合を例示したが、本発明は空間部が形成されていないものにも適用され、排出口20から水が回転コネクタ本体1Aの外部に排出される構成を有すればよい。
【0041】
また、上記実施形態では、可動側リードブロック7Aが環状底板部2B上に摺動自在となるように第1連結部3Dに取り付けられている場合を例示したが、本発明は可動側リードブロック7Aが環状底板部2B上を摺動しない位置に取り付けられているものにも適用される。
【0042】
また、上記実施形態では、可動側リードブロック7Aが排口20と対向する位置に設けられている場合を例示したが、本発明は可動側リードブロック7Aが排出口20と対向していない位置に取り付けられているものにも適用される。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、結露水による電気回路の短絡を防ぐ必要がある車載用電気部品に適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1・・・・・・・・・回転コネクタ
1A・・・・・・・・回転コネクタ本体
2・・・・・・・・・固定側ハウジング
3・・・・・・・・・可動側ハウジング
3A・・・・・・・・上部ロータ部
3B・・・・・・・・下部ロータ部
3C・・・・・・・・中間ロータ部
3D・・・・・・・・第1連結部
3E・・・・・・・・第2連結部
4・・・・・・・・・環状空間部
5・・・・・・・・・フラットケーブル
6・・・・・・・・・固定側コネクタ部
7・・・・・・・・・可動側コネクタ部
7A・・・・・・・・可動側リードブロック
20・・・・・・・・排出口
21・・・・・・・・空間部
22、23・・・・・摺動部分
24・・・・・・・・隙間
50・・・・・・・・ステアリングシャフト
51・・・・・・・・ステアリングコラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8