【実施例】
【0028】
以下の原料を用いて表1及び表2に示す配合原料をミキサーで撹拌し、ワンショット法により実施例と比較例のウレタンフォームを製造した。配合原料の液温は23℃である。
【0029】
・ポリエステルポリオール−1;品名:エディフォームE−541、花王社製、ポリ(ジエチレングリコールアジピン酸エステル、水酸基価:61mgKOH/g、数平均分子量:2500
・ポリエステルポリオール−2;品名:クラポールF3010、クラレ社製、ポリ[(3−メチル−1,5−ペンタンジオール;トリメチロールプロパン)−alt−(アジピン酸)]、水酸基価:56mgKOH/g、数平均分子量:3000
・ポリエーテルポリオール;品名:サンニックスGP−3050、三洋化成社製、水酸基価:56mgKOH/g、平均官能基数3、数平均分子量3000
【0030】
・整泡剤−1;品名:テゴスターブB 8325、エボニック・ジャパン社製、ポリエーテル変性ポリシロキサン
・整泡剤−2;品名:テゴスターブBF 2370、エボニック・ジャパン社製、ポリエーテル変性ポリシロキサン
【0031】
・反応型アミン触媒−1;品名:DABCO NE300、エアープロダクツジャパン社製、N−[2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エチル]−N−メチル−1,3−プロパンジアミン
・反応型アミン触媒−2:品名:カオーライザーNo.25、花王社製、6−ジメチルアミノ-1−ヘキサノール
・非反応型アミン触媒−1;品名:DABCO 33−LV、エアープロダクツジャパン社製、1,4ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン33%のジプロピレングリコール溶液
・非反応型アミン触媒−2;品名:カオーライザーナンバー22、花王社製、N−エチルモルホリン
・スズ触媒;品名:MRH−110、城北化学工業社製、オクチル酸第一錫
【0032】
・紫外線吸収剤;チヌビン571、BASFジャパン社製、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールと1−ドデセンとの反応生成物
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤;品名:イルガノックス1135、BASFジャパン社製、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−,C7−C9 側鎖アルキルエステル
・反応型亜リン酸エステル系酸化防止剤;品名:NIAX COLOR STABILIZER CS−22LF、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、トリス(ジプロピレングリコール)ホスファイト
・非反応型亜リン酸系酸化防止剤;品名:JP−308E、城北化学社製、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト
【0033】
・脂環族イソシアネート;品名:ベスタナートIPDI、エボニック・ジャパン社製、イソホロンジイソシアネート
・芳香族イソシアネート−1;品名:コロネートT−80、東ソー(株)社製、2,4−TDI/2,6−TDI=80/20
・芳香族イソシアネート−2;品名:コロネートT−65、東ソー(株)社製、2,4−TDI/2,6−TDI=65/35
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
実施例
、参考例及び比較例のウレタンフォームに対して、密度(kg/m
3)、硬さ(k/Pa)、引張強度(kPa)、破断伸び(%)、黄変性、NOx変色、紫外線変色、におい、尿サインの変色について測定・評価した。
密度はJIS K7222、硬さはJIS K6400−2D法、引張強度はJIS K6400 5、破断伸びはJIS K6400−5に基づいて測定した。
黄変性は、初期試料の黄色度YIをカラーメーター(SM−4、スガ試験機(株)製)にて測定した。
NOx変色は、試験片を内部撹拌装置付き10Lデシケーターにセットし、99.9%の二酸化窒素をシリンジで約2ml採取してデシケーターに注入し、200rpmで連続攪拌する。デシケーター内の二酸化窒素濃度は約200ppmになる。この状態で2時間放置した後に試験片を取り出し、黄色度YIを測定した。YI値(NOx暴露後の値)とYI初期値との差によって得られるΔYI値が小さい程変色が少ないことを示す。ΔYI値が、表1及び表2の下欄に示す何れの範囲に入るかによってNOx変色性を「◎〜××」で評価した。
紫外線変色は、試験片をフェードメーター(紫外線フェードメーターU48、スガ試験機(株)製、ブラックパネル温度63℃)にセットし、5時間照射後取り出し、黄色度YIを測定した。YI値(紫外線暴露後の値)とYI初期値との差によって得られるΔYI値が小さい程変色が少ないことを示す。ΔYI値が、表1の下欄に示す何れの範囲に入るかによって紫外線変色性を「◎〜××」で評価した。
においは、試験片をプラスチックバッグに入れ、1時間放置後、直接においを嗅ぐことにより判定した。
尿サインの変色は、紙オムツから切り取った尿検知サイン部(おしっこサイン部)を、ウレタンフォームの試験片で上下を覆い、さらにスライドグラスで挟み込んだ状態として40℃の炉内で1日放置した。取り出し後、尿検知サイン部が初期の黄色から青色へどの程度変化しているかを目視で判断した。
【0037】
実施例1〜7は、イソシアネートとして脂環族イソシアネートと芳香族イソシアネートを併用した例であり、破断伸び、引張強度、酸化窒素ガス(NOx)に対する耐変色性、紫外線に対する耐変色性の評価が何れも良好であり、においもなく、かつ紙おむつの尿検知サインを変色させないものであり、総合評価が〇以上であった。
参考例8は、イソシアネートとして芳香族イソシアネートを単独使用した例であり、酸化窒素ガス(NOx)に対する耐変色性は十分であるが、実施例1〜7と比べて若干劣っていた。
【0038】
比較例1はポリオールとしてポリエーテルポリオール単独使用、触媒として反応型アミン触媒とスズ触媒の併用、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤と反応型亜リン酸エステル系酸化防止剤の併用、イソシアネートとして脂環族イソシアネートと芳香族イソシアネートの併用の例であり、引張強度及び破断伸びが劣り、かつ酸化窒素ガス(NOx)に対する耐変色性が大きく劣っていた。
【0039】
比較例2〜比較例4は、比較例1におけるポリオールをポリエステルポリオールとポリエーテルポリオールの併用とした例であり、引張強度、破断伸び、酸化窒素ガス(NOx)について、比較例1と比べて僅かながら改善が見られるが、依然として実施例1〜8と比べると大きく劣っていた。
【0040】
比較例5はポリオールとしてポリエステルポリオール単独使用、触媒として反応型アミン触媒単独使用、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤と非反応型亜リン酸系酸化防止剤の併用、イソシアネートとして芳香族イソシアネートの単独使用の例であり、発泡時にフォームが崩壊し、良好なウレタンフォームが得られなかった。
【0041】
比較例6は、ポリオールとしてポリエステルポリオール単独使用、触媒として非反応型アミン触媒単独使用、酸化防止剤不使用、イソシアネートとして芳香族イソシアネート単独使用の例であり、酸化窒素ガス(NOx)に対する耐変色性及び紫外線に対する耐変色性が何れも劣っており、しかもにおいがあり、尿サインの変色もあった。
【0042】
比較例7は、比較例6において触媒を反応型アミン触媒単独使用とした例であり、においと尿サインの変色については改善されたものの、酸化窒素ガス(NOx)に対する耐変色性及び紫外線に対する耐変色性については比較例6よりも劣っていた。
【0043】
比較例8は、比較例6において紫外線吸収剤の使用、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤の単独使用の例であり、比較例6と比べて紫外線に対する耐変色性については改善されているものの、酸化窒素ガス(NOx)に対する耐変色性が依然として劣っており、しかもにおいがあり、尿サインの変色もあった。
【0044】
比較例9は、比較例8において、触媒を非反応型アミン触媒に代えて反応型アミン触媒とした例であり、比較例8と比べて、におい及び尿サインの変色については改善されたものの、酸化窒素ガス(NOx)に対する耐変色性の評価については「××」から[×]とわずかに改善された程度であり、依然として酸化窒素ガス(NOx)に対する耐変色性が劣っていた。
【0045】
比較例10は、比較例9において、触媒を非反応型アミン触媒とスズ触媒の併用とし、酸化防止剤をヒンダードフェノール系酸化防止剤と反応型亜リン酸エステル系酸化防止剤の併用とし、イソシアネートを脂環族イソシアネートと芳香族イソシアネートの併用とした例である。比較例10は、比較例9と比べると、酸化窒素ガス(NOx)に対する耐変色性が改善された反面、におい及び尿サインの変色が劣っていた。
【0046】
比較例11は、比較例9において、酸化防止剤をヒンダードフェノール系酸化防止剤と反応型亜リン酸エステル系酸化防止剤の併用とした例であり、比較例9と同様に酸化窒素ガス(NOx)に対する耐変色性が劣っていた。
【0047】
このように、本発明によれば、破断時の伸び、引張強度、酸化窒素ガスに対する耐変色性が良好であり、においが無く、かつ紙おむつの尿検知サインを変色させない弾性伸縮部材用ウレタンフォームの製造することができる。