(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】
ゆず果汁含有濃縮飲料
本発明のゆず果汁含有濃縮飲料は、リモネン0.13〜0.6質量%、γ-テルピネン0.058〜0.3質量%、及びα-テルピネオール0.000052〜0.002質量%、並びに蜂蜜を含むことを特徴と
する。
【0018】
ゆず果汁としては、ゆずから得ることが出来る果汁であれば特に限定されず使用することが出来る。例えば、ゆずから得られた果汁をそのまま使用してもよいし、ろ過や遠心分離などの処理に供されたものを使用してもよい。また、ゆず果汁は常法により製造することができ、ゆず果汁を搾る際に使用する部分は、皮を除いたもの又は皮を含むもののどちらであってもよいが、好ましくは皮を含むものである。皮を含む形でゆずを搾ることによ
り皮に含まれる精油を多く含み、ゆずの香気に優れたゆず果汁が得られる。ゆず果汁としては市販されているので、市販品も好適に使用することができる。
【0019】
蜂蜜は、蜜蜂が、花から集めた蜜を主原料として作りだし巣の中に貯蔵している天然の甘味物である。花の種類によって蜂蜜も、レンゲクローバー、アカシア、レモン、オレンジ、みかん、ラズベリー、さくらんぼ、ローズマリー、ヒマワリ、とち、菩提樹、りんご、ナタネ、ラベンダー、たんぽぽ、石楠花、そば、はぜ、もみの木蜂蜜等に分類されるが、本発明においてはその種類を特に制限されることなく、いずれの蜂蜜をも使用することができる。本発明においては蜂蜜として精製蜂蜜や加糖蜂蜜も使用することができる。また2種以上の蜂蜜を混合して用いることもできる。精製蜂蜜とは、蜂蜜から臭い、色等を
取り除いたものであり、加糖蜂蜜とは、蜂蜜に異性化液糖その他の糖類を加えたものであって、蜂蜜の含有量が重量百分比で60%以上のものである。
【0020】
また、本発明が対象とする蜂蜜には、第十五改訂日本薬局方で規定される「ハチミツ」が含まれる。第十五改訂日本薬局方解説書((株)廣川書店発行、編者:日本薬局方解説書
編集委員会)の「ハチミツ」の欄には下記のように記載されている。
【0021】
「本品はヨーロッパミツバチ
Apis mellifera Linne又はトウヨウミツバチ
Apis indica Radoszkowski (Apidae)がその巣に集めた甘味物を採集したものである。
生薬の性状:本品は淡黄色〜淡黄褐色のシロップ様の液で、通例、透明であるが、しばしば結晶を生じて不透明となる。本品は特異なにおいがあり、味は甘い。
比重:本品50.0 gを水100 mLに混和した液は比重d
2020:1.111以上を示す。
【0022】
純度試験
(1)酸:本品10 gを水50 mLに混和し、1 mol/L水酸化カリウム液で滴定するとき、その消
費量は0.5 mL以下である(指示薬:フェノールフタレイン試液2滴)
(2)硫酸塩:本品1.0 gを水2.0 mLに混和し、ろ過し、ろ液に塩化バリウム試液2滴を加え
るとき、液は直ちに変化しない。
(3)アンモニア呈色物:本品1.0 gを水2.0 mLに混和し、ろ過し、ろ液にアンモニア試液2 mLを加えるとき、液は直ちに変化しない。
(4)レソルシノール呈色物:本品5 gをジエチルエーテル15 mLを加えてよく混和し、ろ過
して得たジエチルエーテル液を常温で蒸発し、残留物にレソルシノール試液1〜2滴を加
えるとき、残留物及び液は黄赤色を呈することがあっても1時間以上持続する赤色〜赤紫色を呈しない。
(5)でんぷん及びデキストリン:
(i)本品7.5 gに水15 mLを加えて振り混ぜ、水浴上で加温し、これにタンニン酸試液0.5 mLを加え、冷後、ろ過した液1.0 mLに塩酸2滴を含むエタノール(99.5) 1.0 mLを加えると
き、液は混濁しない。
(ii)本品2.0 gに水10 mLを加え、水浴上で加温して混和し、冷後、この液1.0 mLにヨウ素試液1滴を加えて振り混ぜるとき、液は青色、緑色又は赤褐色を呈しない。
(6)異物:本品1.0 gを水2.0 mLに混和した後、遠心分離し、得られる沈殿を鏡検すると、花粉以外の異物を認めない。
灰分:0.4%以下」。
【0023】
また、本発明が対象とする蜂蜜には、ハチミツの国際規格である「ハチミツCodex規格
」で定められているハチミツの定義「植物の花蜜、植物の生組織上からの分泌物、または植物の生組織上で植物の汁液を吸う昆虫が排出する物質から
Apis mellifera種(セイヨウ
ミツバチ)がつくりだす天然の甘味物質であって、ミツバチが集め、ミツバチが持つ特殊
な物質による化合で変化させ、貯蔵し、脱水し、巣の中で熟成のためにおいておかれたもの」に該当するものも含まれる。なお、「ハチミツCodex規格」で定める品質規格値は下
記のように定められている。
【0025】
本発明のゆず果汁含有濃縮飲料には、リモネンが好ましくは0.13〜0.2質量%、γ-テル
ピネンが好ましくは0.058〜0.1質量%、α-テルピネオールが好ましくは0.0001〜0.0004質量%含まれる。
【0026】
本発明のゆず果汁含有濃縮飲料のブリックスは、好ましくは60〜85%、より好ましくは65〜85%である。ブリックスがこの範囲であれば、味覚が良好となる。
【0027】
本明細書において「ブリックス」とは、一般に溶液100 gあたりの可溶性固形物重量(g)を表し、糖度計・濃度計(例えば、PAL-1、PAL-2:株式会社アタゴ製)、屈折計などにより計測される。ブリックスは、溶液中に複数の可溶性固形物が溶解している場合、それらの合計量として測定される。本発明おけるブリックスは、ゆず果汁含有濃縮飲料又はゆず果汁含有飲料の溶液100 gあたりに含まれる可溶性固形物重量(g)を表す。
【0028】
本発明のゆず果汁含有濃縮飲料のクエン酸濃度は、好ましくは12.1〜17質量%、より好
ましくは15〜17質量%である。クエン酸濃度がこの範囲であれば、味覚が良好となる。
【0029】
クエン酸濃度は常法により測定することができ、例えば、高速液体クロマトグラフィーを用いた方法が挙げられる。
【0030】
本発明のゆず果汁含有濃縮飲料は、原料として、ゆず果汁、蜂蜜、及びゆず果汁濃縮粉末を使用することにより製造することができる。即ち、ゆず果汁、蜂蜜、及びゆず果汁濃縮粉末を添加後、1〜120分間程度撹拌を行うことにより製造される。
【0031】
本発明におけるゆず果汁濃縮粉末は、前述するゆず果汁を、例えば、熱風乾燥、スプレードライ、凍結乾燥、送風乾燥などを行うことにより得ることが出来る。熱風乾燥は、例えば、ゆず果汁を熱風乾燥機によって乾燥時間5時間、初期乾燥80℃、最終加熱温度40℃
で乾燥を行う。スプレードライは、例えば、ゆず果汁を70〜80℃に加熱した後、モービルマイナー型噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥を行う(ここで、乾燥は、熱風温度150℃、排風温度90℃、スプレードライの流量600〜700 g/時間、アトマイザー回転数1×10
4 r.p.m.の条件で行う)。凍結乾燥は、例えば、ゆず果汁を-20℃〜-80℃で凍結後に、10〜60Paの減圧
下で乾燥を行う。送風乾燥は、例えば、ゆず果汁を80℃の送風乾燥機で3時間乾燥させる
。
【0032】
本発明のゆず果汁含有濃縮飲料の各成分の含有量は、ゆず果汁濃縮粉末1質量部に対し
て、ゆず果汁は好ましくは1〜980質量部、より好ましくは19〜980質量部、蜂蜜は好ましくは6〜3186質量部、より好ましくは65〜3186質量部である。
【0033】
本発明のゆず果汁含有濃縮飲料は、ゆず果汁、蜂蜜、及びゆず果汁濃縮粉末のみにより製造されることが望ましいが、水、甘味料、酸味料、増粘剤、乳化剤、香料、着色料、ビタミン類、ミネラル類、ゆず以外の果汁などを必要により添加してもよい。
【0034】
上記の香料としては、ゆずフレーバー、オレンジフレーバー、カリンフレーバー、シソフレーバー、アップルフレーバー、クリームフレーバー、メロンフレーバー、ミントフレーバー、ハニーフレーバー、グレープフルーツフレーバー、ヨーグルトフレーバー、ベリーフレーバー、グレープフレーバー、アセロラフレーバー、アボカドフレーバー、あんずフレーバー、イチゴフレーバー、いちじくフレーバー、柿フレーバー、キウイフレーバー、カシスフレーバー、クランベリーフレーバー、さくらんぼフレーバー、スイカフレーバー、すももフレーバー、ドリアンフレーバー、パイナップルフレーバー、パパイヤフレーバー、バナナフレーバー、ブルーベリーフレーバー、マスカットフレーバー、マンゴーフレーバー、みかんフレーバー、桃フレーバー、洋ナシフレーバー、ライチフレーバー、ライムフレーバー、レモンフレーバー、ラズベリーフレーバーなどが挙げられる。
【0035】
上記の甘味料としては、果糖ブドウ糖液糖、ファインリカー、グラニュー糖、ブドウ糖果糖液糖、果糖、パラチノース、トレハロース、ラクトース、キシロース、アスパルテーム、ソーマチン、アセスルファムK、スクラロース、ステビア、麦芽糖、ソルビトール、
キシリトール、エリスリトール、還元水飴、還元麦芽糖水あめ、三温糖、和三盆、メープルシロップ、モラセス、オリゴ糖、マルチトール、甘草抽出物、羅漢果抽出物、ショ糖、ネオテームなどが挙げられる。
【0036】
上記の酸味料としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、リン酸、コハク酸などが挙げられる。
【0037】
上記の増粘剤としては、寒天、ゼラチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、グァーガム、キサンタンガム、ペクチン、ジェランガム、大豆多糖類、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールなどが挙げられる。
【0038】
上記の乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ポリグリセリン縮合リノシール酸エステル、サポニンなどが挙げられる。
【0039】
上記のビタミン類としては、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンE類などが挙げられる。
【0040】
本発明のゆず果汁含有濃縮飲料は、水等で通常3〜6倍、好ましくは4〜5倍に希釈して飲用することができる。また、希釈せずに料理やデザートに添加することにも使用される。
【0041】
本発明のゆず果汁含有濃縮飲料の容器は、各種飲料において従来から一般的に使用される容器を使用することができ、例えば、ガラス瓶、ペットボトル、アルミニウム缶、スチール缶、紙パックなどを挙げることができる。本発明のゆず果汁含有濃縮飲料の殺菌方法
も、特に制限されず、例えば、加熱殺菌、マイクロ波殺菌、赤外線殺菌、蒸気殺菌、紫外線殺菌、湯煎殺菌、プレート殺菌、高圧殺菌、化学合成殺菌剤、ガス殺菌などにより行うことができるが、好ましくは加熱殺菌である。
【0042】
本発明のゆず果汁含有濃縮飲料は、ゆずの風味が強い上に、味覚が良好であるという優れた特性を有している。
【0043】
ゆず果汁含有飲料
本発明のゆず果汁含有飲料は、上記のゆず果汁含有濃縮飲料を3〜6倍、好ましくは4〜5倍希釈することにより得られるものであって、いわゆるストレート飲料である。
【0044】
本発明のゆず果汁含有飲料の容器は、各種飲料において従来から一般的に使用される容器を使用することができ、例えば、ガラス瓶、ペットボトル、アルミニウム缶、スチール缶、紙パックなどを挙げることができる。本発明のゆず果汁含有濃縮飲料の殺菌方法も、特に制限されず、例えば、加熱殺菌、マイクロ波殺菌、赤外線殺菌、蒸気殺菌、紫外線殺菌、湯煎殺菌、プレート殺菌、高圧殺菌、化学合成殺菌剤、ガス殺菌などにより行うことができるが、好ましくは加熱殺菌である。
【0045】
本発明のゆず果汁含有飲料は、ゆずの風味が強い上に、味覚が良好であるという優れた特性を有している。
【実施例】
【0046】
以下、本発明を更に詳しく説明するため実施例を挙げる。しかし、本発明はこれら実施例等になんら限定されるものではない。
【0047】
製造例1(ゆず果汁濃縮粉末)
ゆず果汁を熱風乾燥機によって乾燥時間を5時間、初期乾燥80℃、最終加熱温度40℃で
乾燥を行い。乾燥物(ゆず果汁濃縮粉末)を得た。
【0048】
実施例1
製造例1で得られたゆず果汁濃縮粉末1質量部に対して、ゆず果汁を980質量部、蜂蜜(
山田養蜂場製)を3187質量部となるように添加した。撹拌後、得られた混合物をミネラル
ウォーターで5倍に希釈し、ゆず果汁含有飲料を得た。
【0049】
実施例2
蜂蜜、ゆず果汁、ゆず果汁濃縮粉末の質量比3187:980:1に代えて、質量比を65:19:1とした以外は実施例1と同様にして、ゆず果汁含有飲料を得た。
【0050】
実施例3
蜂蜜、ゆず果汁、ゆず果汁濃縮粉末の質量比3187:980:1に代えて、質量比を33:9:1とした以外は実施例1と同様にして、ゆず果汁含有飲料を得た。
【0051】
実施例4
蜂蜜、ゆず果汁、ゆず果汁濃縮粉末の質量比3187:980:1に代えて、質量比を6:1:1
とした以外は実施例1と同様にして、ゆず果汁含有飲料を得た。
【0052】
比較例1
蜂蜜(山田養蜂場製)、ゆず果汁を質量比が3:1となるように添加し、撹拌した。撹拌後、得られた混合物をミネラルウォーターで5倍に希釈し、ゆず果汁含有飲料を得た。
【0053】
試験例1:ゆず果汁含有飲料中の精油定性・定量分析
(定性分析の方法)
検体を
図1の手順でガスクロマトグラフにて定性分析した。
【0054】
(定性分析の結果)
上記の方法により
図2及び3に示すクロマトグラムとマススペクトルを得た。ピーク1〜3についてマススペクトルからライブラリーサーチにより該当する物質を検索し、1:リモネン、2:γ-テルピネン、3:α-テルピネオールと同定した。
【0055】
(定量分析の方法)
標準品
・α-テルピネオール(204-08821, wako)
・γ-テルピネン(223190, sigma-ardrich)
・(S)-リモネン(125-02901, wako)
検体(1) 比較例1 1000 mg
検体(2) 実施例1 1000 mg
検体(3) 実施例2 500 mg
検体(4) 実施例3 500 mg
検体(5) 実施例4 200 mg
検体(6) 比較例1 1000 mgに各標準品を200μgずつ添加したもの
検体(1)〜(6)では5倍希釈していない濃縮飲料を使用した。
【0056】
1) 各検体に超純水を添加し、撹拌した。
2) メタノール、超純水を通した固相カラム(Strata C18-E, 55μm, 70A, 100 mg/3 mL,
島津GLC)に1)で得られたサンプル溶液を全量添加した。
3) 固相カラムを超純水で洗浄し、溶出液を破棄した。
4) 固相カラムにメタノールを全量添加し、溶出液を回収した。
5) 4)で回収した検体(1), (2), (6)をメタノールで10 mLにメスアップした。また、4)で
回収した検体(3), (4), (5)はメタノールで5 mLにメスアップした。
6) メスアップ後、5)で得られた各検体を0.45μmメンブレンフィルター(Millex-LH、Millipore)で濾過を行った。
7) HPLCで6)で得られた各検体の分析を行い、ピーク面積から検量線を作成して精油量を
求めた。
【0057】
(定量分析の結果)
定量分析の結果を以下の表に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
試験例2
(官能評価)
実施例1〜4及び比較例1のゆず果汁含有飲料について以下の条件に従って官能評価を行った。
・評価人数:12名
・評価実施環境
時間帯:19時頃
温度:24〜26℃
湿度:45〜55%
換気:あり
照明:あり
・官能評価手順
(1)各サンプルを15 mlずつ白色コップに加えた。各サンプルには適当な番号を割り付けた。
(2)評価は他者からの影響を避ける為、一人ずつで実施した。
(3)評価者は、まず常温水を飲み、口内環境を整えた。
(4)次に評価者は各サンプルの中からランダムにサンプルを選択し飲用し、結果を評価シ
ートに記入した。
(5)飲用後、常温水で口を漱いだ(容量不定)。
以降、評価終了まで(3)〜(5)の手順を繰り返した。
・評価方法:
図4に記載の評価シートを使用して評点尺度法(VAS法)により行った。
・評価項目:おいしさ、甘味、酸味
【0060】
(クエン酸定量方法)
1) ゆず果汁100 mg、ゆず果汁濃縮粉末10 mg、蜂蜜100 mgを量り取り、超純水で10 mlに
メスアップした。その後、0.45μmメンブレンフィルター(Millex‐LH、Millipore)で濾過した。
2) 標準品のクエン酸(特級、≧98.0%、wako)を50, 100, 200, 500, 1000μg/mlの濃度に
調整した。
3) 標準品と調整した試料を用い、高速液体クロマトグラフィー(HPLC、島津製作所製 Prominence)により分析を行った。ピーク面積から検量線を作成し、各試料のクエン酸量を
求めた。
【0061】
結果を以下の表に示す。
【0062】
【表3】
【0063】
以下のクエン酸濃度は、この表の値から計算により求めたものである。
【0064】
(官能評価結果)
結果を
図5及び6に示す。
図5はおいしさがVAS法評価90以上の人数を示すグラフ、図
6は一番おいしいと答えた人数を示すグラフである。
図5及び6の結果から実施例1及び実施例2の場合においしさが良好であることが分かる。
【0065】
図7に酸味とおいしさの関係、
図8に酸味とクエン酸濃度の関係を示す。また、表4に
各実施例及び比較例のおいしさ(VAS法評価90以上の人数)、酸味(VAS法値)、クエン酸濃度を示す。
【0066】
【表4】
【0067】
図7の結果から酸味が高くなるとおいしさが低下することが分かる。表4の結果からクエン酸濃度が原液で12.1〜17質量%、5倍希釈物で2.42〜3.4質量%である場合においしさが良好であることが分かる。
【0068】
試験例3
ゆず果汁含有飲料のおいしさと甘味の関係を調べるために、以下の表5に示す配合量で原料を添加し、撹拌して参考例1〜6のドリンクを得た。官能評価は上記と同様の方法で行った。また、ブリックスはポケット糖度計PAL-1、2 (株式会社アタゴ社製)にて求めた
。
【0069】
結果を表6、
図9〜11に示す。
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
図9はおいしさのVAS法評価が40以下の人数を示すグラフである。
図9の結果から参考
例3及び4ではおいしさが良好であることが分かる。
【0073】
図10は甘味(VAS)とおいしさ(VAS)の関係を示すグラフ、
図11は甘味(VAS)とブリッ
クス(%)の関係を示すグラフである。
図10の結果から、甘味が中間的な範囲にある場合
においしさが良好であることが分かる。
【0074】
また、表6の結果からブリックスが原液で60〜85%、5倍希釈物で12〜17%である場合に
おいしさが良好であることが分かる。