(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6599461
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】2つのチューブを同軸連結するための部品
(51)【国際特許分類】
F16L 37/133 20060101AFI20191021BHJP
F16L 23/04 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
F16L37/133
F16L23/04
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-528545(P2017-528545)
(86)(22)【出願日】2015年10月28日
(65)【公表番号】特表2018-503034(P2018-503034A)
(43)【公表日】2018年2月1日
(86)【国際出願番号】EP2015074931
(87)【国際公開番号】WO2016083056
(87)【国際公開日】20160602
【審査請求日】2017年7月20日
(31)【優先権主張番号】1461663
(32)【優先日】2014年11月28日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ、ケルク
(72)【発明者】
【氏名】モーガン、ル、ゴフ
【審査官】
渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許発明第102012106232(DE,B3)
【文献】
特開平10−132174(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第19838588(DE,A1)
【文献】
実開平07−008684(JP,U)
【文献】
独国特許出願公開第10029366(DE,A1)
【文献】
特開平02−120595(JP,A)
【文献】
米国特許第02956818(US,A)
【文献】
特開2008−281190(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02065628(EP,A2)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0116967(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/133
F16L 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのチューブ(3、4)の軸方向連結のための部品(2)において、
前記部品(2)は、各チューブ(3、4)の連結要素(31、41)の受容領域(15)をそれぞれ有する2つの連結部品(6、7)を有し、
前記2つの連結部品(6、7)は、前記2つの部品(6、7)の離間位置と、前記2つの部品(6、7)の締結位置との間で、互いの内部でスライド可能であり、
前記締結位置において、前記2つの受容領域(15)は、前記連結要素(31、41)を共に保持して閉じた輪郭を形成することが可能であり、
各連結部品(6、7)は、他方の部品(7、6)の対応する雌領域(9)の内部でスライドする雄領域(8)と、前記他方の連結部品(7、6)の雄領域(8)が内部でスライドする雌領域(9)と、を有し、
各連結部品(6、7)の前記雄領域(8)は、他方の連結部品(7、6)の前記雌領域(9)の2つのレールの内部でスライドする2つのアームを有し、
ボス(13)が、各レールに配設されており、前記2つの連結部品(6、7)を離間位置に保つことが可能であり、
したがって各雄領域(8)は、その端部に突起形状の突出要素(10)を設けられ、
前記突出要素(10)は、前記雄領域(8)が内部をスライドする前記雌領域(9)の出力部における復帰力によってクリップ留めされ、
各連結部品(6、7)は、また、前記連結部品(6、7)の周縁部から突出し且つ他方の連結部品(7、6)の開口(12)内にクリップ留めされる要素(11)を有している、
ことを特徴とする部品(2)。
【請求項2】
各連結部品(6、7)の前記受容領域(15)は溝である、
ことを特徴とする請求項1に記載の部品(2)。
【請求項3】
前記締結位置において前記部品(2)がリングを形成するように、各連結部品(6、7)はハーフリングである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の部品(2)。
【請求項4】
前記2つの連結部品(6、7)の前記受容領域(15)は、前記部品(2)の径方向を向く平面に設けられた環状溝を形成する、
ことを特徴とする請求項3に記載の部品(2)。
【請求項5】
前記溝(15)は、異なる径方向幅を有する2つの外側縁部(16、17)により画成される、
ことを特徴とする請求項4に記載の部品(2)。
【請求項6】
各連結部品(6、7)は、他方の部品(7、6)の受容領域(15)に向けて延び出す復帰要素(14)を有し、
前記離間位置にある前記2つの連結部品(6、7)は、前記復帰要素(14)によって前記チューブ(3、4)の一方の連結要素(31、41)に支持される、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の部品(2)。
【請求項7】
前記離間位置にある前記2つの連結部品(6、7)は、前記復帰要素(14)によって、前記チューブ(3、4)上で中心合わせされる、
ことを特徴とする請求項6に記載の部品(2)。
【請求項8】
前記2つの連結部品(6、7)の前記締結位置がクリップ留めにより得られるように、各連結部品(6、7)は、少なくとも1つのクリップを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の部品(2)。
【請求項9】
第1チューブ(3)の末端領域と第2チューブ(4)の末端領域との協働による2つのチューブ(3、4)の同軸連結のための装置(1)において、
前記装置(1)は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の連結部品(2)であって、前記2つのチューブ(3、4)の連結要素(31、41)の周囲に配設される連結部品(2)を有する、
ことを特徴とする装置(1)。
【請求項10】
各チューブ(3、4)は連結要素(31、41)を有し、
前記第1チューブ(3)の前記連結要素(31)はロールであり、前記第2チューブ(4)の前記連結要素(41)はカラーである、
ことを特徴とする請求項9に記載の装置(1)。
【請求項11】
環状シール(5)を更に有する、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の装置(1)。
【請求項12】
請求項1乃至8いずれか一項に記載の連結部品(2)による2つのチューブ(3、4)の同軸連結のための方法において、
前記方法は、前記2つのチューブ(3、4)の末端領域において、前記2つのチューブ(3、4)の前記連結要素(31、41)の周囲で、前記2つの連結部品(6、7)を、前記2つの部品(6、7)の離間位置から、前記2つの部品(6、7)の締結位置にスライドさせる工程を有し、
前記締結位置において、前記2つの部品(6、7)の前記2つの受容領域(15)は、閉じた輪郭を形成して前記連結要素(31、41)を共に保持する、
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記スライドさせる工程の前に、前記方法は、前記2つの部品(6、7)の前記離間位置において、前記2つのチューブ(3、4)のうちの一方の末端領域の周囲に、前記連結部品(2)を予め位置決めする工程を有する、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのチューブの同軸連結のための部品に関し、とりわけ、特に自動車において、流体回路の2つのチューブを端部同士で連結するための部品に関する。また、本発明は、このような部品を有する2つのチューブの同軸連結のための装置、及び当該部品を実現する、2つのチューブの同軸連結のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は、小さい容積を有する閉鎖された場所であり、変化する環境にさらされるものである。したがって、自動車内の空気を定期的に入れ替えて温度を管理することが必要である。
【0003】
この目的のために、空調装置又は空調ユニットが使用されている。このようなシステムは、加熱された又は冷却された空気が、車両の内部に吹き込まれるように設計されている。
【0004】
自動車用の空調装置、特にHVAC(加熱、換気及び空調(Heating、Ventilation、Air Conditioning))システムは、通常、少なくとも1つの吸気口と少なくとも1つの排気口との間に空気回路を有し、そこに空気を処理するための種々の手段が介在されている。吸気口とは、外気の入口及び/又は再利用される空気の入口である。空気を処理するための手段とは、特に、空気流を移動させて回路内を通過させるための換気手段、空気を加熱するためのラジエータや空気を冷却するように設計されたエバポレータ等の加熱及び/又は冷却手段である。
【0005】
空気を加熱するラジエータは、チューブに連結される。典型的には、エンジン冷却システムの方向において車両のフロントシールドを貫通するチューブに連結される。
【0006】
一般に、特に自動車において冷却液回路の内部への連結を確実にするために使用されるタイプの連結装置が知られている。この目的のために、このようなタイプの装置は、特に、熱交換器の吸入又は排出チューブとダクトとの連結に利用される。熱交換器の吸入又は排出チューブでは、冷却液が熱を他の媒体と交換し、ダクトは、この熱交換器内に流入する又はこの熱交換器外に流出する流体を運ぶ。
【0007】
この場合、「チューブ」という用語は、通常、例えばパイプ、ダクト、接合部品、ブレース等の少なくとも1つの管状部分を有する、何らかの流体の移送手段を指す。
【0008】
連結装置は、第1チューブの連結要素、例えばカラーと、第2チューブの連結要素、例えばロールと、を互いに軸方向に押し付ける役割を果たす。シール性を補強するように、環状シールが、2つの連結要素の間にシールされた態様でクランプ留めされる。
【0009】
このようなタイプの装置1を、
図1に示す。例えばEP 1 533 558号に記載の開放クランプの形状の部品2が、雄チューブである第1チューブ3と、雌チューブである第2チューブ4と、の同軸連結に使用される。
【0010】
第1チューブ3は、環状リムを規定する周縁ロール31を有する末端領域を有し、第2チューブ4は、内部にロール31が少なくとも部分的に係合するカラー41を規定する末端領域を有している。これらの末端領域は、この場合、相互に嵌合することにより、互いに協働するように設計されている。
【0011】
本例において、第2チューブ4が、熱交換器の吸入又は排出チューブを構成し、第1チューブ3が、この熱交換器に流入する又はこれから流出する冷却液を運ぶダクトを構成している。本発明の好適な適用において、熱交換器が、自動車のエンジンを冷却するラジエータ、又はこのような車両の客室を加熱するラジエータを構成する。
【0012】
2つのチューブ3、4の間にシールされた連結を形成するように、環状シール5がカラー41とロール31との組付に際して挿入される。シール5を圧縮してシール性を保証するべく、開放クランプ2はロール31とカラー41とを互いに対して軸方向に押し付けるように設計されている。
【0013】
開放クランプ形状の連結部品2は、2つのチューブ3、4に対して横方向に係合する(径方向組立)ように設計されており、これらの末端領域は前以て互いに嵌合されている。
【0014】
このようなタイプの連結部品は、組付が確実でないという欠点を有しており、また、2つのチューブに対して連結部品を予め組付けることはできない。
【発明の概要】
【0015】
本発明の目的は、このような欠点を排除することである。
【0016】
したがって、本発明は、2つのチューブの軸方向の連結のための部品に関する。
【0017】
本発明による部品は、各チューブの連結要素の受容領域をそれぞれ有する2つの連結部品を有し、前記2つの連結部品は、前記2つの部品の離間位置と、前記2つの部品の締結位置との間で互いの内部でスライド可能であり、前記締結位置において、前記2つの受容領域は、例えば、前記連結要素を互いに対して軸方向に押し付けることによって、前記連結要素を共に保持して閉じた輪郭を形成することが可能である。
【0018】
したがって、2つの連結部品を互いの内部でスライドさせることにより、離間(開放)位置と締結(閉鎖)位置とを規定することが可能となる。離間位置において、2つの部品はチューブから離間しており、この状態で部品を2つのチューブのうちの一方に予め組付けることができる。締結(閉鎖)位置において、2つの部品の受容領域が、チューブの連結要素を互いに対して軸方向に押し付け、これにより、連結を形成することができる。また、2つの連結要素を締結位置において結合することにより形成される閉じた輪郭によって、より確実な連結が可能とされる。
【0019】
各連結部品の前記受容領域は、溝であり得る。
【0020】
前記締結位置において前記部品がリングを形成するように、各連結部品はハーフリングであり得る。
【0021】
前記2つの連結部品の前記受容領域は、前記部品の径方向を向く平面に設けられた環状溝を形成し得る。
【0022】
前記溝は、異なる径方向幅を有し得る2つの外側縁部により画成され得る。
【0023】
各連結部品は、他方の部品の対応する雌領域の内部でスライドする雄領域と、前記他方の連結部品の雄領域が内部でスライドする雌領域と、を有し得る。
【0024】
各連結部品の前記雄領域は、他方の連結部品の前記雌領域の少なくとも1つのレールの内部でスライドする少なくとも1つのアームを有し得る。
【0025】
ボスが、前記2つの連結部品を離間位置に保つよう、各レール内に配設され得る。
【0026】
前記2つの連結部品の前記締結位置がクリップ留めにより得られるように、各連結部品は少なくとも1つのクリップを有し得る。
【0027】
各雄領域は、対応する雌領域内にクリップ留めされ得る。
【0028】
各連結部品は、前記部品の周縁部から突出して他方の連結部品の開口内にクリップ留めされる要素を更に有し得る。
【0029】
また、本発明は、2つのチューブを軸方向に連結するための上述の部品の使用に関する。
【0030】
また、本発明は、第1チューブの末端領域と第2チューブの末端領域との協働による2つのチューブの同軸連結のための装置に関する。本発明による装置は、上述の連結部品であって、前記2つのチューブの連結要素の周囲に配設される連結部品を有する。
【0031】
各チューブは連結要素を有し、前記第1チューブの前記連結要素はロールであり得るとともに、前記第2チューブの前記連結要素はカラーであり得る。
【0032】
前記第1チューブの前記ロールは、前記第2チューブの前記カラーに受容され得る。
【0033】
前記装置は、環状シールを更に有し得る。
【0034】
最後に、本発明は、上述の連結部品による2つのチューブの同軸連結のための方法に関する。
【0035】
前記方法は、前記2つのチューブの末端領域において、前記2つのチューブの前記連結要素の周囲で、例えば、前記連結要素を互いに対して軸方向に押し付けることにより、前記2つの連結部品を、前記2つの部品の離間位置から、前記2つの部品の締結位置にスライドさせる工程を有し、前記締結位置において、前記2つの部品の前記2つの受容領域は、閉じた輪郭を形成して前記連結要素を共に保持する。
【0036】
前記スライドさせる工程の前に、前記方法は、前記2つの連結部品の前記離間位置において、前記2つのチューブのうちの一方の末端領域の周囲に、前記連結部品を予め位置決めする工程を有し得る。こうして、離間位置にある前記部品を雌チューブに予め位置決めすることが可能となる。前記方法は、続いて、雄チューブを雌チューブに挿入し、前記2つの連結部品を、前記2つのチューブが連結される締結位置までスライドさせる。
【0037】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、完全に非制限的な例としてなされる以下の説明を読み、添付図面を参照することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】既に説明された、従来技術による連結部品を使用する、2つのチューブを同軸連結するための装置の部分分解図。
【
図2】開放位置にある、本発明による連結部品を示す図。
【
図3】閉鎖位置にある、本発明による連結部品を示す図。
【
図8】2つのチューブの連結領域の長手方向断面図。
【
図9】本発明による、2つのチューブの同軸連結のための方法の工程を示す斜視図。
【
図10】本発明による、2つのチューブの同軸連結のための方法の工程を示す斜視図。
【
図11】本発明による、2つのチューブの同軸連結のための方法の工程を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図2及び
図3に示すように、本発明による連結部品2は、2つの連結半体部品6、7を有し、これらの連結半体部品6、7は、各部品6、7を互いの内部に平行移動させることにより嵌合する。2つの部品6、7は、同一であり得る。各部品6、7は、ハーフリング(半環)形状を有し得るとともに、2つのチューブの連結のための少なくとも1つの要素を受容するための領域15(
図6)を有し得る。受容領域15は、第1チューブの連結要素と第2チューブの連結要素とを、ペンチのような態様で、例えば、第1チューブの連結要素と第2チューブの連結要素とを、2つのチューブの連結が確実とされるように互いに対して軸方向に押し付けることにより、共に保持するように設計されている。
【0040】
また、各部品6、7は、他方の部品7、6の雌要素9に挿入され得る雄要素8と、他方の部品7、6の雄要素8を受容し得る雌要素9と、を有している。有利には、雄要素8はハーフリング6、7の一端に配設されるとともに、雌要素9は他端に配設される。
【0041】
受容領域15は、典型的には、各ハーフリング6、7に形成された溝であり、その内部に、グリップ要素であるチューブの連結要素が挿入され得るようになっている。チューブ3、4の連結要素は、受容領域15の内部に保持される。連結要素は、典型的には、2つのチューブ4のうちの一方のカラー41、及び/又は他方のチューブ3のロール31である(
図8)。
【0042】
各部品6、7において、雄要素8は、他方の部品7、6の雌要素9内でスライドすることが可能な少なくとも1つのアームを有し得る。雌要素9は、溝又はガイドレールであり得る。例えば、
図2及び
図3に示すように、各部品6、7は、他方の部品7、6の2つのレール内でスライドする2つのアームを有し得る。
【0043】
2つのハーフリング6、7が相対的にスライドすることにより、連結部品2は、開放位置と閉鎖位置との間で可動である。開放位置において、
図2に示すように、部品2は2つのチューブ3、4に対して予め位置決めされ得る。閉鎖位置において、
図3に示すように、部品2は2つのチューブ3、4の連結を確実にする。
【0044】
有利には、閉鎖位置は、クリップによって、例えば径方向クリップ(
図2乃至
図4)によって確実にされる。したがって、各雄要素8は、その一端に、クリップの態様の突起形状の突出要素10を有する。例えば、突出要素10は、長手方向断面において三角形の断面を有し、雄要素8が内部でスライドする雌要素9の出力部における復帰力によりクリップ留めされる。同様に、各連結部品6、7は、部品6、7の周縁部から突出する要素11を有し得る。この突出要素11は、例えば、径方向断面において三角形状の断面を有することができ、他方の部品7、6の開口への復帰力によってクリップ留めされる。2つの連結部品6、7は、ノッチを有し得るため、材料が節約される。
【0045】
図4及び
図5に示す実施形態において、ボス又はリブ13が、雌要素9内で障害を作るように各ガイドレールに配設される。ボス又はリブ13は、雄要素8をブロックするとともに、連結部品2を開放位置にすることにより、チューブ3、4の周囲に連結部品2を予め位置決めすることを支援する。リブ13は、クリップを開放位置にブロックすることを可能とするが、ユーザは、雄要素8がリブ13を乗り越えてクリップの復帰力によって開口10に固定されるように力を加えることができる。
図4において、矢印が部品2の係止及び解除方向を示す。
図5において、矢印が、クリップの軌道を示す。
【0046】
図4及び
図5に示す実施形態と組み合わされ得る
図6及び
図7に示す実施形態において、連結部品2の各部品6、7は、舌形状の復帰要素14を有している。復帰要素14により、連結部品2の係止に先立って、2つの部品6、7をチューブ3、4に対して予め中心合わせすることが可能となる。このように予め中心合わせすることにより、連結部品2が係止前の事前の嵌合においてオフセットしていても、障害を作ることなく雄チューブ3を2つの部品6、7に通すことが可能なる。復帰要素14により、部品2を開放位置に保持することが可能とされるが、部品2を閉鎖するためには力を加えなくてはならない。
【0047】
図8は、2つのチューブ3、4同士の連結領域の長手方向断面を示す。連結部品2の受容領域15は、第1チューブ3のロール31と、第2チューブ4のカラー41とを受容する。連結部品2の受容領域15は、下方縁部16と上方縁部17とによって画成される。下方縁部16と上方縁部17は互いに平行であり、これらの縁部に直交する横方向縁部により連結されている。第2チューブ4のカラー41は、円筒状部18と環状部19とからなる「L」字形状の断面を有し得るとともに、その環状部19を介して連結部品2の下方縁部16に支持され得る。一方、第1チューブのロール31は、カラー41の内部で、連結部品の上方縁部17に支持され得る。有利には、上方縁部17がロール31に支持されつつ、シール5がロール31の下方において連結部品2の下方縁部16に配設され得るように、連結部品2の上方縁部17は下方縁部16より広い。
【0048】
第2チューブ4のカラー41は、1つ又は複数の同心の円筒状部品20、22により延長され得る。同心の円筒状部20、22は半径が小さくなり、環状部19、21により分離されている。したがって、第2チューブ4の端部の輪郭は、階段形状を有する。これにより、頂部から底部まで、連結部品2の上方縁部17は、第1チューブ3のロール31に支持されており、ロール31はシール5に支持されており、シール5それ自体は第2チューブ2の下方環状部21に支持されている。一方、カラー41の一部を形成しているチューブ2の上方環状部19は、連結部品2の下方縁部16に支持されている。
【0049】
図9乃至
図11は、本発明による、2つのチューブの同軸連結のための方法の種々の工程を示す。
【0050】
第1工程において、
図9に示すように、開放形態にある連結部品2を、第2チューブ4に嵌合させる。第2チューブ4は、典型的には自動車の冷却ラジエータの取入又は排出チューブであるか、又はこのような車両の客室を加熱するためのラジエータである。連結部品2は、第2チューブ4のカラー41に、例えば、カラー41に支持された径方向復帰要素14(
図6)によって嵌合する。リブ13が連結部品2を開放形態においてブロック可能とする一方、復帰要素14が連結部品2を第2チューブ4に予め組付けることを許容する。
【0051】
予め組付けることで、第1チューブ3を第2チューブ4に容易に挿入することができ、これにより連結手順が単純なものなるとともに安定したものとなる。
【0052】
第1チューブ3を第2チューブ4に挿入した後、連結部品2の2つの部品6、7を矢印で示す方向(
図10)に平行移動させることにより、2つの部品6、7を互いに対して接近させる。この動作は、連結部品2の2つの部品6、7が互いにクリップ留めされると完了する。この工程は、ユーザが全てを閉鎖するように力を加えることにより実施される。こうして、連結部品2の2つの部品6、7は、第1チューブ3のロール31と第2チューブ4のカラー41を包囲して保持するため、これにより連結が確実なものとされる(
図11)。