特許第6599520号(P6599520)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6599520改善されたクロストーク性能を有するコネクタ及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6599520
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】改善されたクロストーク性能を有するコネクタ及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04B 3/32 20060101AFI20191021BHJP
   H01R 13/6461 20110101ALI20191021BHJP
   H01R 13/66 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
   H04B3/32
   H01R13/6461
   H01R13/66
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-121771(P2018-121771)
(22)【出願日】2018年6月27日
(62)【分割の表示】特願2016-502371(P2016-502371)の分割
【原出願日】2014年3月14日
(65)【公開番号】特開2018-148586(P2018-148586A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2018年6月29日
(31)【優先権主張番号】61/784,290
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/781,641
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/794,541
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/208,342
(32)【優先日】2014年3月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507202736
【氏名又は名称】パンドウィット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ダブリュ・ワクテル
(72)【発明者】
【氏名】マスド・ボロウリ−サランサル
(72)【発明者】
【氏名】フランク・エム・ストラカ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・シーザック
【審査官】 鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0239340(US,A1)
【文献】 特開平11−233205(JP,A)
【文献】 特表2012−500466(JP,A)
【文献】 特表2010−522415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 3/32
H01R 13/6461
H01R 13/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の信号対と第2の信号対とを含む複数の信号対と、
前記第1の信号対と前記第2の信号対との間の第1段補償部分と、
前記第1の信号対と前記第2の信号対との間の第2段補償部分とを含む通信ジャックであって、
前記第2段補償部分は、前記第1段補償部分に対する時間遅延であり、
前記第1段補償部分及び前記第2段補償部分のうちの少なくとも1つは補償ネットワークを含み、前記補償ネットワークは、第1の容量性信号を生成する、前記第1の信号対と前記第2の信号対との間の第1の容量性結合と、第1の相互誘導性信号を生成する、前記第1の信号対と前記第2の信号対との間の第1の相互誘導性結合とを含み、前記第1の相互誘導性信号は、前記第1の容量性信号とおおよそ同じ時間に発生し、前記第1の容量性信号に対して位相がずれており、前記補償ネットワークは、前記第1の信号対及び前記第2の信号対のうちの1つの導体の間に配置される分岐容量性結合をさらに含む、通信ジャック。
【請求項2】
前記通信ジャックがRJ45ジャックである、請求項1に記載の通信ジャック。
【請求項3】
前記第1の相互誘導性信号は、前記第1の容量性信号に対して約90度位相がずれる、請求項1に記載の通信ジャック。
【請求項4】
前記分岐容量性結合は、前記第1の相互誘導性信号が前記第1の容量性信号に対して位相がずれることを可能にする、請求項に記載の通信ジャック。
【請求項5】
前記分岐容量性結合は、前記第1の相互誘導性結合を可能にする、請求項に記載の通信ジャック。
【請求項6】
前記通信ジャックは、第1の極性のクロストークを生成する対応する通信プラグと接続するように構成され、前記第1段補償部分及び前記第2段補償部分のうちの少なくとも1つは、前記第1の極性と同じである極性を有するクロストーク信号を生成する、請求項1に記載の通信ジャック。
【請求項7】
前記第1段補償部分及び前記第2段補償部分のうちの少なくとも1つは、前記第1の極性と反対である極性を有するクロストーク信号を生成する、請求項に記載の通信ジャック。
【請求項8】
前記補償ネットワークを含む前記第1段補償部分及び前記第2段補償部分のうちの前記少なくとも1つは、第2の容量性信号を生成する、前記第1の信号対と前記第2の信号対との間の第2の容量性結合と、第2の相互誘導性信号を生成する、前記第1の信号対と前記第2の信号対との間の第2の相互誘導性結合とをさらに含む、請求項1に記載の通信ジャック。
【請求項9】
前記第2の容量性信号は、前記第2の相互誘導性信号との位相内である、請求項に記載の通信ジャック。
【請求項10】
前記第2の容量性結合は、前記第1の容量性結合から独立している、請求項に記載の通信ジャック。
【請求項11】
前記第2の相互誘導性結合は、前記第1の相互誘導性結合から独立している、請求項に記載の通信ジャック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
【0002】
本願は、2013年3月14日に出願されたU.S. Provisional Patent Application No.: 61/784,290、2013年3月14日に出願されたU.S. Provisional Patent Application No.: 61/781,641、及び2013年3月15日に出願されたU.S. Provisional Patent Application No.: 61/794,541の利益を主張し、そのすべてが参照により本願に完全に組み込まれる。
【0003】
本発明の実施形態は、一般に、電子通信の分野に関し、より詳細には、通信コネクタにおけるクロストークを補償/減少/その他の操作するために使用される技術、ならびに、そのような技術を採用する器具及び方法に関する。
【背景技術】
【0004】
通信ネットワークの継続的な進化は、過去及び現在の通信基盤を考慮に入れると同時に、多くの場合、発展する技術的なソリューションの基本的な課題を解決しなければならない。これの実施例は、ツイストペアケーブルでの40ギガビットイーサネット(登録商標)(40GBASE−T)において参照することができ、それはケーブル及び接続に約2GHzの帯域幅を有することを要求する、潜在的に新しいイーサネット(登録商標)規格である。現時点では、公式に発表されたこの技術に関する規格はない。しかし、通信ネットワークにおける、今日のRJ45接続の広範な使用は、少なくともいくつかの場合において、RJ45規格と互換性があるネットワーク上に40GBASE−Tを実装する要求または必要性があることを意味し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
主要な技術的挑戦の1つは、使用可能な2GHzの帯域幅全体で、対線間の近端クロストーク(NEXT)を十分に最小化する接続ソリューションを設計することである。RJ45プラグに存在するNEXTは、3:6対線が4:5対線のまわりを分割し、4:5対線をまたぐことによって最も高くなるため、4:5−3:6対線の組合せは特に挑戦的である。図1は、2GHzまでの、4:5−3:6の対の組合せのための、RJ45プラグのNEXT性能を示す。マーカ1は、100MHzで、カテゴリ6AのRJ45プラグの低プラグ要件にほぼ等しい−38.1dBであるNEXTを識別する。マーカ2は、100MHzで、カテゴリ6AのRJ45プラグの高プラグ要件にほぼ等しい−39.5dBであるNEXTを識別する。既知の2段階補償技術を実装する大多数のジャックが、図1の低及び高プラグ限度ショー内であるRJ45プラグと接続されると、それらのジャックは、通常、500MHzまでNEXT性能を最適化するように調整される。しかし、プラグ内で生じるクロストークとジャック内の補償ネットワークとの間の固有の時間遅延は、最適化されたジャックのNEXT性能を500MHzを超えて伸ばすことに制限をもたらす可能性がある。
【0006】
時間遅延は、プラグとジャック内の補償配置との間の物理的な距離の結果である。たとえば、プラグクロストークとジャックの補償との間の25ps(ピコ秒)の時間遅延が前提とされる場合、少なくともいくつかの周波数範囲での高プラグ条件について、図2に示されるように、4:5−3:6対線の組合せのシミュレートされたNEXT性能は、提案されたNEXT仕様に満たない(プラグ/ジャックコネクタの組合せの高プラグ性能は接近し、いくつかの場合では、500MHz以上の特定の最大NEXTを上回る)。ここで、25psの例示的な時間遅延は、プラグクロストークから補償を配置する点で、比較的楽観的であることに注目されたい。しかし、時間遅延が25ps未満の値に減少する場合、プラグ/ジャックシステム性能は、まだ特定の最大値に接近し、製作公差のために、プラグ/ジャックの組合せのNEXTがその最大値を超える可能性は残っている。以下の表1に詳述されるように、例示的に提案されるNEXT仕様は、カテゴリ6A部品NEXT要件の2GHzまでの拡張である。
【0007】
【表1】
【0008】
表1に列挙される制限は、500MHzを上回って動作することが可能で、少なくともいくつかの場合にRJ45規格と互換性がある、改善された接続の必要性を強調する。
【0009】
提案されるNEXT仕様は、カテゴリ6A部品NEXT要件の2GHzまでの拡張として記載されるが、この議論は、これが現行仕様によって考えられる唯一の潜在的なNEXT仕様ではない、非限定的なものと解釈されるべきであることに注目されたい。本明細書で開示されて、本発明により具現化される原理は、現在または将来に、任意の標準化団体により規定されるように、任意の潜在的なNEXT要件に適用されてもよい。
【0010】
したがって、本発明の実施形態は、通信コネクタ及び/またはその内部部品、ならびに通信コネクタ及びシステム内のクロストークを補償/減少/操作する方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1つの実施形態において、本発明は、少なくとも第1の対及び第2の対と、第1の対と第2の対との間の第1補償段階と、第1の対と第2の対との間の直交補償ネットワークとを含む複数の信号対を含む通信コネクタである。直交補償ネットワークは、第1補償段階から遅延する時間である可能性がある。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、通信コネクタに連結される通信機器を含む通信システムである。通信コネクタは、少なくとも第1の対及び第2の対と、第1の対と第2の対との間の第1補償段階と、第1の対と第2の対との間の直交補償ネットワークとを含む複数の信号対を有する。直交補償ネットワークは、第1補償段階から遅延する時間である可能性がある。
【0013】
さらに別の実施形態において、本発明は、少なくとも第1の対及び第2の対と、第1の対と第2の対との間の第1の共振クロストーク回路とを含む複数の信号対を有する通信コネクタである。
【0014】
さらに別の実施形態において、本発明は、複数の信号対を提供するステップと、対の間の第1のクロストークを減少させるステップと、同じ対の間に第2のクロストークを追加するステップとを含む通信コネクタの調整方法である。
【0015】
本発明の上記ならびにその他の特徴、態様、及び利点は、以下に記載の図面、説明、及び請求項を参照することによってよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、RJ45プラグに関する、4:5−3:6対線の組合せのNEXTを示す。
図2図2は、従来の2段階補償技術を使用する接続されたRJ45プラグ及びジャックに関する、4:5−3:6対線の組合せのNEXTを示す。
図3図3は、従来の2段階補償技術によって生成される信号の集中近似のベクトル図を示す。
図4図4は、ある周波数範囲での、図3の既知の2段階技術によって生成される信号を表す極座標プロットを示す。
図5図5は、2000MHzでの、図3の既知の2段階技術によって生成される信号を表す極座標プロットを示す。
図6図6は、本発明のある実施形態による、補償技術の集中近似のベクトル図を示す。
図7図7は、本発明のある実施形態による、補償ネットワークを有する接続されたプラグ/ジャックの組合せの概略図を示す。
図8図8は、2000MHzでの、図7の接続されたプラグ及びジャックの組合せに関する、4:5−3:6対線の組合せのNEXTを示す。
図9図9は、図7の接続されたプラグ及びジャックの組合せに関する、4:5−3:6対線の組合せの信号を表す極座標プロットを示す。
図10図10は、本発明のある実施形態による、補償技術の集中近似のベクトル図を示す。
図11図11は、本発明のある実施形態による、補償ネットワークを有する接続されたプラグ/ジャックの組合せの概略図を示す。
図12図12は、本発明のある実施形態による、補償ネットワークの概略図を示す。
図13A図13A及び13Bは、異なる周波数での、図12の補償ネットワークの性能を表す極座標プロットを示す。
図13B図13A及び13Bは、異なる周波数での、図12の補償ネットワークの性能を表す極座標プロットを示す。
図14図14は、図12の補償ネットワークの予想結果を示す。
図15図15は、本発明の別の実施形態による、クロストーク補償ネットワークを示す。
図16図16は、本発明の別の実施形態による、クロストーク補償ネットワークを示す。
図17図17は、本発明の別の実施形態による、クロストーク補償ネットワークを示す。
図18図18は、本発明の別の実施形態による、クロストーク補償ネットワークを示す。
図19図19は、本発明のある実施形態による、4:5−3:6対線の組合せの低プラグNEXTを示す。
図20図20は、本発明のある実施形態において使用される回路の概略図を示す。
図21図21は、本発明のある実施形態による、図10の回路の周波数応答を示す。
図22図22は、本発明の別の実施形態による、図10の回路の周波数応答を示す。
図23図23は、本発明のある実施形態によって設計されたプラグ内の、4:5−3:6対線の組合せの概略図を示す。
図24図24は、4:5−3:6の対線の組合せに関して従来の2段階補償技術を使用するジャックに接続される図14のプラグの周波数応答を示す。
図25図25は、本発明のある実施形態による、通信システムの斜視図を示す。
図26図26は、本発明のある実施形態による、プラグPCBの第1の層の上面図を示す。
図27図27は、図26のプラグPCBの第2の層の上面図を示す。
図28図28は、図26及び27のプラグPCBの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書で使用される場合、「反対の極性」は、参照される極性に対して約180度位相外であることと定義でき、「直交」は、参照される極性に対して約90度位相外であることと定義できる。また、本明細書で使用される場合、「分路」とは、いくつかの手段による、同じ差動対の2つの導体の直接または間接結合と定義できる。たとえば、対線(たとえば、3:6対線)の分路容量性結合は、その対線の第1の導体(たとえば、導体3)と第2の導体(たとえば、導体6)との間に配置される容量性結合(たとえば、パッドキャパシタ)のいくつかの形態を意味することができる。ここで、間接結合が分岐トレースなどの介在部品を含んでもよいことに注目されたい。さらにまた、「導体」、「信号導体」、及び「信号トレース」は、交換可能に使用されてもよく、同じ特徴を意味するように理解される。さらに、同一の参照番号または名称は、さまざまな実施形態を通して、類似または同様の(及び同一でない)要素の参照に使用されてもよい。
【0018】
RJ45プラグ/ジャックコネクタの組合せにおいて、NEXTは、通常、差動対の隣接する導体の間で発生する。RJ45プラグ/ジャックコネクタの組合せにおけるNEXTのソースは、通常、プラグである。プラグのこのNEXTは、プラグ導体がANSI/TIA−568−C.2に従って配置される方法によって主に生じる。このプラグ配置は、導体対1:2及び3:6と、導体対3:6及び4:5と、導体対3:6及び7:8との間に高レベルのNEXTを発生させる導体対の間に、アンバランスな結合を生じさせる。このアンバランスな結合は、ジャックにおいて補償されなければならない。導体対1:2及び3:6の場合には、プラグNEXTは、導体2と3との間に主に存在する可能性がある結合のために、発生する可能性があり、導体対3:6及び4:5の場合には、プラグNEXTは、導体3と4との間、及び/または、導体5と6と間に主に存在する可能性がある結合のために、発生する可能性があり、そして、導体対3:6及び7:8の場合には、プラグNEXTは、導体6と7との間に主に存在する可能性がある結合のために、発生する可能性がある。
【0019】
本発明の実施形態は、NEXTを十分に管理して、対線の組合せ4:5−3:6に関して2GHzまでの、及び/または2GHzを超える最大帯域幅を潜在的に実現する試みにおいて、複数の補償段階を採用する。少なくともいくつかの実施形態は、ANSI/TIA−568−C.2に従って配置されるプラグ接点を有するRJ45プラグ/ジャックコネクタの組合せの導体対4:5及び3:6に関して記載されるが、クロストーク補償の同一の原理は、このようなプラグ/ジャックの組合せのその他の差動対(たとえば、導体対3:6及び1:2、ならびに、導体対3:6及び7:8)、または、差動対伝送を採用するその他のコネクタに適用できることを理解すべきである。
【0020】
ここで図3を参照すると、前記図は、その中に実装される従来の2段階補償スキームを有するジャックに接続されるプラグの組合せによって生成される信号の、信号の振幅及び極性の集中近似を示す。信号は、時間軸上のベクトルA、B、及びCによって表され、ここで、ベクトルAは、プラグ内で生成されるクロストークを表し、ベクトルBは、補償ネットワークの第1段階によって提供される補償信号を表し、ベクトルCは、補償ネットワークの第2段階によって提供されるクロストーク信号を表す。この従来の2段階補償ネットワークにおいて、クロストーク生成ベクトルAは、それぞれ時間遅延T/2及びT/2によって、補償ネットワークの第1及び第2段階から分けられる。ベクトルAの位置から第1及び第2補償段階に伝わることへの信号、及び、次にそれぞれベクトルAの位置に戻る信号の結果として生じる合計往復時間T及びTのために、ベクトルB及びCの位相は、動作周波数が増加すると、プラグベクトルAに対して回転する。
【0021】
図4は、500MHz、1000MHz、1500MHz、及び2000MHzの動作周波数における、従来の2段階補償ネットワークのプラグクロストークベクトル及び補償ベクトルの振幅及び位相の変化を表す極座標プロットを示す。ここで、ベクトルA+Bが、個々のベクトルAとBとの正味の和を表すことに注目されたい。さらにまた、ベクトルNEXTは、個々のベクトルAと、Bと、Cとの正味の和を表す。2000MHzにおける極座標プロットを検証(図5も参照)すると、結果として得られるベクトルA+Bは、補償の第2段階を表すベクトルCに対して、約132度の位相ずれと、約10dBの振幅の増加を有することが明らかである。第2段階の信号(ベクトルC)が結果として得られるベクトルA+Bに対して約180度位相外ではなく、これらの2つのベクトルの振幅が同様でないため、第2段階は、500MHzを超えるベクトルNEXTによって表される総合的なクロストークを十分に最小化するために何も行わない。
【0022】
500MHz以下における第2段階クロストークベクトルCに対する約90度の位相ずれを有する別のベクトルは、最終的なNEXTベクトルを潜在的にオフセットしてもよく、少なくとも2000MHzにおける総合的な性能を改善してもよい。したがって、本発明の1つの実施形態において、直交ベクトルは、補償の第2段階に組み込まれる。(通常、直交補償ネットワーク(OCN)として言及される)直交ベクトルならびに補償またはクロストーク信号の実装は、2012年11月20日に出願された「COMPENSATION NETWORK USING AN ORTHOGONAL COMPENSATION NETWORK」という表題のU.S. Patent Application Serial No.: 13/681,480、及び、2013年3月5日に出願された「COMPENSATION NETWORKS AND COMMUNICATION CONNECTORS USING SAID COMPENSATION NETWORKS」という表題のU.S. Patent Application Serial No.: 14/198,291においてさらに記載され、どちらも参照により本願に完全に組み込まれる。
【0023】
上述の実施形態による、補償ネットワークを有するジャックに接続されるプラグの組合せによって生成される信号の、信号の振幅及び極性の集中近似が、図6に示される。図6に示される付加ベクトルDは、付加された直交ベクトルを表す。好ましい実施形態において、直交ベクトルは、より低い周波数(500MHz以下)における最小の振幅と、より高い周波数(2000MHz、2000MHz近く、または2000MHzより大きい)におけるかなり大きな振幅とを有する。
【0024】
本発明の実施形態による、補償ネットワークを有するジャックに接続されるプラグを示す例示的な概略図が、図7に示される。図7の概略図は、4:5及び3:6の導体対に関して示され、互いに対して遅延する2つの別々の補償段階内に発生する誘導性及び容量性結合によって、前記対間で所望の補償を実現する。
【0025】
概略図は、プラグ、時間遅延(T/2)、第1段階補償、時間遅延(T/2―T/2)、及び第2段階補償(OCN)の5つの部分に分けられる。プラグ部分は、プラグにおいて、及び、プラグ/ジャックインタフェースで発生する結合を示す。これらは、プラグ接点とプラグ及び/またはジャックのその他の要素との間に本質的に存在する結合であり、補償ネットワークによって後で補償されるクロストーク(図6でベクトルAにより表される)を生じさせる。第1の時間遅延部分は、プラグクロストークと補償の第1段階との間の物理的な距離を表す。この遅延は、図6におけるT/2と同等である。第1段階補償部分は、2段階補償ネットワークの第1段階を表し、ここで、信号トレースS3は信号トレースS5に結合(C35)し、信号トレースS4は信号トレースS6に結合(C46)する。これらの結合の両方の正味の結果は、図6のベクトルBとして表される。第2の時間遅延部分は、補償の第1段階と補償の第2段階との間の物理的な距離を表す。この遅延は、図6におけるT/2−T/2と同等である。最後に、第2段階補償とOCNの部分は、2段階補償ネットワークの第2段階を表し、ここで、所望の補償はOCNとして発生する。この部分において、分岐トレースOCN3及びOCN6は、それぞれ、信号トレースS3及びS6から分岐する。分路キャパシタンスは、分岐トレースOCN3とOCN6との間に配置され、信号トレースS3及びS6に分路し、OCNを有効にする。OCNの結果により、対線4:5と対線3:6と間の所望の結合が、容量性結合C34及びC56、ならびに誘導性結合MOCN34及びMOCN45によって実現される。さらに具体的には、信号トレースS4及び分岐トレースOCN3は、分路キャパシタンスC36と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C34を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN34を発生させる。信号トレースS5及び分岐トレースOCN6は、分路キャパシタンスC36と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C56を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN56を発生させる。OCNの正味の結合は、図6のベクトルC及びDによって示され、ここで、ベクトルCは、信号トレースと分岐トレースとの間の正味の容量性結合を表し、ベクトルDは、分路キャパシタンスと結合した、信号トレースと分岐トレースとの間の正味の相互誘導性結合を表す。
【0026】
実際には、直交ベクトルとその関連する補償ベクトルとの間の位相関係は、必ずしも理想的な90度ではない。この位相関係は、ソース及び負荷インピーダンス、ならびに動作周波数に依存する可能性がある。結果的に、場合によっては、2000MHzにおける第2段階補償ベクトルCと直交ベクトルDとの間の位相差は、90度より十分に小さくてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、時間遅延T/2及びT/2を調整することによって、直交ベクトルDと(図4に示されるような)正味のクロストークベクトルNEXTとの間の位相関係は、正味のクロストークベクトルNEXTのキャンセルを増加させるために理想的な180度の関係により近くなるように調整される可能性がある。
【0027】
対の組合せ4:5−3:6に関する上述の実施形態の補償スキームの総合的なNEXT性能は、図9の2000MHzにおける代表的な極座標プロットとともに図8に示される。直交ベクトルDを組み込む利点は、ベクトルDと(ベクトルA、B、及びCの正味の和結果を表す)合成ベクトルA+B+Cとの間の振幅及び位相関係に基づいて理解されてもよい。図8に示される結果に基づき、本発明の1つまたは複数の実施形態に従って改善された2段階補償技術の実装は、表1で概説される提案仕様(または、その他の提案仕様)への適合、及び、従来の2段階補償技術への顕著な改善の提供を支援してもよい。
【0028】
上記の実施形態は、いかなる意味においても、限定するものと解釈してはならず、2つ以上の段階の少なくとも1つにおいてOCNを採用する2つ以上の段階の補償ネットワークのその他の実施例は、本発明の範囲内であることに注目されたい。さらにまた、これらの段階内の容量性結合によって生成される極性または信号は、互いに反対である可能性があるが、互いに反対である必要はない(すなわち、異なる段階は、同一の極性の容量性結合を含んでもよい)。さらに、直交ベクトルの位相ずれの方向は、本発明の特定の実装の必要に応じて調整される可能性がある。よって、本発明の範囲は、少なくとも1つのOCNを有する多段階クロストーク補償ネットワークに拡張し、ここで、複数の段階によって生成される信号は、いくつかの所定の周波数(たとえば、2GHz以上)における(多くの場合通信プラグ内に存在する)クロストークの既知量を取り消す、または、その他の場合、十分に減少させるために合成される。
【0029】
たとえば、別の実施形態による、補償ネットワークを有するジャックに接続されるプラグの組合せによって生成される信号の、信号の振幅及び極性の集中近似が、図10に示される。本実施形態において、補償ネットワークは、その第1段階においてOCNを、及び、その第2段階において非OCN補償技術を採用する。(ベクトルBによって表される)OCN及び(ベクトルDによって表される)第2段階の両方によって生成される容量性結合は、同一の極性であって、一般的に、それらが(ベクトルAによって表される)プラグクロストークの反対であるように考慮された補償である信号を生成する。OCNは、OCNの容量性結合成分に対して約90度位相がずれる(ベクトルCによって表される)直交成分をさらに含む。
【0030】
接続されたプラグ/ジャックの組合せにおいて現在説明されている実施形態を実装することの1つの例示的な方法が、図11に示される概略図に示される。この概略図は、プラグ、時間遅延(T/2)、第1段階補償(OCN)、時間遅延(T/2―T/2)、及び第2段階補償の5つの部分に分けられる。プラグ部分は、プラグにおいて、及び、クロストークのいくつかのレベルを生成するプラグ/ジャックインタフェースに存在する固有の結合を示す。図10を参照すると、この結合は、ベクトルAによって表される。第1の時間遅延(T/2)部分は、プラグ/ノーズ部分及び第1補償段階において生成されるクロストークを分ける時間遅延である。OCN部分は、ジャックにおいて実装される補償の第1段階である。図10を参照すると、OCN部分によって生成される結合は、B及びCベクトルによって表される。ベクトルBは、容量性結合C35及びC46の正味の結果によって実現する。ベクトルCは、相互誘導性結合MOCN35及びMOCN46の正味の結果によって、分路キャパシタンスC36とともに、実現する。第2の時間遅延(T/2―T/2)部分は、ジャックにおいて生成される補償の第1段階と、ジャックにおいて生成される全体の補償の第2段階とを分ける時間遅延である。この時間遅延は、主に、ベクトルBとDとの間の遅延を判定する。最後に、第2段階補償部分は、ジャックにおいて実装される補償の第2段階を示す。この補償は、容量性結合C35及びC46を実装することによって実現され、それぞれ、信号トレース3及び5、ならびに、4及び6を結合する。図10を参照すると、この結合は、ベクトルDによって表される。
【0031】
図12は、本発明による、補償ネットワークの別の実施形態を概略的に示す。概略図に示される結合は、個別の要素、分布結合、またはその任意の組合せとして実現されてもよい。図12のネットワークは、4:5及び3:6の導体対に関して示され、互いに対して時間遅延する2つの別々の補償段階内に発生する誘導性及び容量性結合によって、前記対間で所望の補償を実現する。
【0032】
第1補償段階は、信号トレースS3、S4、S5、及びS6、ならびに分岐トレースOCN3及びOCN6を使用し、所望の第1段階補償信号を発生させる。(信号トレースS3及びS6を分路する)分岐トレースOCN3とOCN6との間に配置されるC36容量性結合(たとえば、パッドキャパシタ)は、第1補償段階のOCN成分を可能とする。特に、対線4:5と対線3:6との間の所望の結合は、容量性結合C35及びC46、誘導性結合M35及びM46、ならびに、誘導性結合MOCN35及びMOCN46によって実現される。信号トレースS3及びS5は、容量的に相互作用して容量性結合C35の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M35を発生させる。信号トレースS5及び分岐トレースOCN3は、分路キャパシタンスC36と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C35の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN35を発生させる。信号トレースS4及びS6は、容量的に相互作用して容量性結合C46の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M46を発生させる。信号トレースS4及び分岐トレースOCN6は、分路キャパシタンスC36と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C46の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN46を発生させる。この第1補償段階は、通常、トレース3及び5と4及び6との間の結合を提供するため、このネットワークによって生成される正味の結果として得られる信号は、一般的に、補償信号とみなされる。
【0033】
第2補償段階は、信号トレースS3、S4、S5、及びS6、ならびに分岐トレースOCN3及びOCN6を使用し、所望の第2段階補償信号を発生させる。(信号トレースS3及びS6を分路する)分岐トレースOCN3とOCN6との間に配置されるC36容量性結合(たとえば、パッドキャパシタ)は、第2補償段階のOCN成分を可能とする。特に、対線4:5と対線3:6との間の所望の結合は、容量性結合C34及びC56、誘導性結合M34及びM56、ならびに、誘導性結合MOCN34及びMOCN56によって実現される。信号トレースS3及びS4は、容量的に相互作用して容量性結合C34の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M34を発生させる。信号トレースS4及び分岐トレースOCN3は、分路キャパシタンスC36と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C34の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN34を発生させる。信号トレースS5及びS6は、容量的に相互作用して容量性結合C56の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M56を発生させる。信号トレースS5及び分岐トレースOCN6は、分路キャパシタンスC36と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C56の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN56を発生させる。この第2補償段階は、通常、トレース3及び4と5及び6との間の結合を提供するため、このネットワークによって生成される正味の結果として得られる信号は、一般的に、クロストーク信号とみなされる。
【0034】
図13A及び13Bは、それぞれ10MHz及び2000MHzにおける、図12の補償ネットワークを表す極座標プロットを示す。プラグ及びプラグ/ジャック接続領域において生成されるクロストークは、約90度の位相を有する「A1」ベクトルによって表される。第1補償段階の結果として生じる信号は、ベクトル「B1」及び「B2」によって示される。ベクトル「B1」は、C35、C46、M35、及びM46の正味の結合によって生成される信号を表し、プラグベクトル「A1」によって表される信号の極性とほぼ反対の極性を有する。ベクトル「B2」は、MOCN35及びMOCN46の正味の結合によって生成される信号を表し、どちらも容量性結合C36と結合し、ベクトル「B1」にほぼ直交する極性を有する。第2補償段階の結果として生じる信号は、ベクトル「D1」及び「D2」によって示される。ベクトル「D1」は、C34、C56、M34、及びM56の正味の結合によって生成される信号を表し、プラグベクトル「A1」によって表される信号とほぼ同じ極性を有する。ベクトル「D2」は、MOCN34及びMOCN56の正味の結合によって生成される信号を表し、どちらも容量性結合C36と結合し、ベクトル「D1」にほぼ直交する極性を有する。
【0035】
図14は、図12の補償ネットワークの潜在的な性能を示すモデルを示す。補償ネットワークの性能は、実線によって示される潜在的な規格と比較して、破線によって示される。本モデルの結果は、図12の補償ネットワークがRJ45ジャックなどの通信ジャックにおいて実装される場合、2GHzまで、及び、それを超える動作帯域幅を可能とすることができるNEXT性能を実現することが可能であることを示す。
【0036】
1つの実施形態において、図12の補償ネットワークの結合要素は、以下の値を有する。
【0037】
【表2】
【0038】
第1補償段階は、プラグ及び/またはプラグ/ジャックインタフェースによって生じるクロストークの中心から約30ps(ピコ秒)に配置される。第2補償段階は、第1段階から約20ps離れて配置される。例示的な参照として、2の相対的な誘電体により、30psは約0.250インチの距離に相当し、20psは約0.167インチの距離に相当する。
【0039】
図15は、本発明による、補償ネットワークの別の実施形態を概略的に示す。概略図に示される結合は、個別の要素、分布結合、またはその任意の組合せとして実現されてもよい。図15のネットワークは、4:5及び3:6の導体対に関して示され、互いに対して時間遅延する2つの別々の補償段階内に発生する誘導性及び容量性結合によって、前記対間で所望の補償を実現する。
【0040】
第1補償段階は、信号トレースS3、S4、S5、及びS6、ならびに、分岐トレースOCN3及びOCN6を使用し、所望の第1段階補償信号を発生させる。(信号トレースS3及びS6を分路する)分岐トレースOCN3とOCN6との間に配置されるC36容量性結合(たとえば、パッドキャパシタ)は、第1補償段階のOCN成分を可能とする。特に、対線4:5と対線3:6との間の所望の結合は、容量性結合C35及びC46、誘導性結合M35及びM46、ならびに、誘導性結合MOCN35及びMOCN46によって実現される。信号トレースS3及びS5は、容量的に相互作用して容量性結合C35の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M35を発生させる。信号トレースS5及び分岐トレースOCN3は、分路キャパシタンスC36と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C35の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN35を発生させる。信号トレースS4及びS6は、容量的に相互作用して容量性結合C46の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M46を発生させる。信号トレースS4及び分岐トレースOCN6は、分路キャパシタンスC36と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C46の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN46を発生させる。この第1補償段階は、通常、トレース3及び5と4及び6との間の結合を提供するため、このネットワークによって生成される正味の結果として得られる信号は、一般的に、補償信号とみなされる。
【0041】
第2補償段階は、信号トレースS3、S4、S5、及びS6、ならびに、分岐トレースOCN4及びOCN5を使用し、所望の第2段階補償信号を発生させる。(信号トレースS4及びS5を分路する)分岐トレースOCN4とOCN5との間に配置されるC45容量性結合(たとえば、パッドキャパシタ)は、第2補償段階のOCN成分を可能とする。特に、対線4:5と対線3:6との間の所望の結合は、容量性結合C34及びC56、誘導性結合M34及びM56、ならびに、誘導性結合MOCN34及びMOCN56によって実現される。信号トレースS3及びS4は、容量的に相互作用して容量性結合C34の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M34を発生させる。信号トレースS3及び分岐トレースOCN4は、分路キャパシタンスC45と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C34の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN34を発生させる。信号トレースS5及びS6は、容量的に相互作用して容量性結合C56の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M56を発生させる。信号トレースS6及び分岐トレースOCN5は、分路キャパシタンスC45と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C56の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN56を発生させる。この第2補償段階は、通常、トレース3及び4と5及び6との間の結合を提供するため、このネットワークによって生成される正味の結果として得られる信号は、一般的に、クロストーク信号とみなされる。図15の補償ネットワークの正味の結果として得られる結合は、対線組合せ4:5−3:6が40GBASE−T及びそれを超える潜在的な規格に適合することを可能とすることができる付加NEXT帯域幅を提供してもよい。
【0042】
図16は、本発明による、補償ネットワークの別の実施形態を概略的に示す。概略図に示される結合は、個別の要素、分布結合、またはその任意の組合せとして実現されてもよい。図16のネットワークは、4:5及び3:6の導体対に関して示され、互いに対して時間遅延する2つの別々の補償段階内に発生する誘導性及び容量性結合によって、前記対間で所望の補償を実現する。
【0043】
第1補償段階は、信号トレースS3、S4、S5、及びS6、ならびに、分岐トレースOCN4及びOCN5を使用し、所望の第1段階補償信号を発生させる。(信号トレースS4及びS5を分路する)分岐トレースOCN4とOCN5との間に配置されるC45容量性結合(たとえば、パッドキャパシタ)は、第1補償段階のOCN成分を可能とする。特に、対線4:5と対線3:6との間の所望の結合は、容量性結合C35及びC46、誘導性結合M35及びM46、ならびに、誘導性結合MOCN35及びMOCN46によって実現される。信号トレースS3及びS5は、容量的に相互作用して容量性結合C35の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M35を発生させる。信号トレースS3及び分岐トレースOCN5は、分路キャパシタンスC45と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C35の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN35を発生させる。信号トレースS4及びS6は、容量的に相互作用して容量性結合C46の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M46を発生させる。信号トレースS6及び分岐トレースOCN4は、分路キャパシタンスC45と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C46の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN46を発生させる。この第1補償段階は、通常、トレース3及び5と4及び6との間の結合を提供するため、このネットワークによって生成される正味の結果として得られる信号は、一般的に、補償信号とみなされる。
【0044】
第2補償段階は、信号トレースS3、S4、S5、及びS6、ならびに、分岐トレースOCN3及びOCN6を使用し、所望の第2段階補償信号を発生させる。(信号トレースS3及びS6を分路する)分岐トレースOCN3とOCN6との間に配置されるC36容量性結合(たとえば、パッドキャパシタ)は、第2補償段階のOCN成分を可能とする。特に、対線4:5と対線3:6との間の所望の結合は、容量性結合C34及びC56、誘導性結合M34及びM56、ならびに、誘導性結合MOCN34及びMOCN56によって実現される。信号トレースS3及びS4は、容量的に相互作用して容量性結合C34の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M34を発生させる。信号トレースS4及び分岐トレースOCN3は、分路キャパシタンスC36と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C34の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN34を発生させる。信号トレースS5及びS6は、容量的に相互作用して容量性結合C56の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M56を発生させる。信号トレースS5及び分岐トレースOCN6は、分路キャパシタンスC36と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C56の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN56を発生させる。この第2補償段階は、通常、トレース3及び4と5及び6との間の結合を提供するため、このネットワークによって生成される正味の結果として得られる信号は、一般的に、クロストーク信号とみなされる。図16の補償ネットワークの正味の結果として得られる結合は、対線組合せ4:5−3:6が40GBASE−T及びそれを超える潜在的な規格に適合することを可能とすることができる付加NEXT帯域幅を提供してもよい。
【0045】
図17は、本発明による、補償ネットワークの別の実施形態を概略的に示す。概略図に示される結合は、個別の要素、分布結合、またはその任意の組合せとして実現されてもよい。図17のネットワークは、4:5及び3:6の導体対に関して示され、互いに対して時間遅延する2つの別々の補償段階内に発生する誘導性及び容量性結合によって、前記対間で所望の補償を実現する。
【0046】
第1補償段階は、信号トレースS3、S4、S5、及びS6、ならびに、分岐トレースOCN4及びOCN5を使用し、所望の第1段階補償信号を発生させる。(信号トレースS4及びS5を分路する)分岐トレースOCN4とOCN5との間に配置されるC45容量性結合(たとえば、パッドキャパシタ)は、第1補償段階のOCN成分を可能とする。特に、対線4:5と対線3:6との間の所望の結合は、容量性結合C35及びC46、誘導性結合M35及びM46、ならびに、誘導性結合MOCN35及びMOCN46によって実現される。信号トレースS3及びS5は、容量的に相互作用して容量性結合C35の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M35を発生させる。信号トレースS3及び分岐トレースOCN5は、分路キャパシタンスC45と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C35の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN35を発生させる。信号トレースS4及びS6は、容量的に相互作用して容量性結合C46の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M46を発生させる。信号トレースS6及び分岐トレースOCN4は、分路キャパシタンスC45と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C46の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN46を発生させる。この第1補償段階は、通常、トレース3及び5と4及び6との間の結合を提供するため、このネットワークによって生成される正味の結果として得られる信号は、一般的に、補償信号とみなされる。
【0047】
第2補償段階は、信号トレースS3、S4、S5、及びS6、ならびに、分岐トレースOCN4及びOCN5を使用し、所望の第2段階補償信号を発生させる。(信号トレースS4及びS5を分路する)分岐トレースOCN4とOCN5との間に配置されるC45容量性結合(たとえば、パッドキャパシタ)は、第2補償段階のOCN成分を可能とする。特に、対線4:5と対線3:6との間の所望の結合は、容量性結合C34及びC56、誘導性結合M34及びM56、ならびに、誘導性結合MOCN34及びMOCN56によって実現される。信号トレースS3及びS4は、容量的に相互作用して容量性結合C34の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M34を発生させる。信号トレースS3及び分岐トレースOCN4は、分路キャパシタンスC45と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C34の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN34を発生させる。信号トレースS5及びS6は、容量的に相互作用して容量性結合C56の一部を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合M56を発生させる。信号トレースS6及び分岐トレースOCN5は、分路キャパシタンスC45と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C56の別の部分を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN56を発生させる。この第2補償段階は、通常、トレース3及び4と5及び6との間の結合を提供するため、このネットワークによって生成される正味の結果として得られる信号は、一般的に、クロストーク信号とみなされる。図17の補償ネットワークの正味の結果として得られる結合は、対線組合せ4:5−3:6が40GBASE−T及びそれを超える潜在的な規格に適合することを可能とすることができる付加NEXT帯域幅を提供してもよい。
【0048】
本発明の別の実施形態において、図13、15、16、及び17の実施形態において記載される容量性結合及び誘導性結合が、通常、結合する分岐トレースと信号トレースとの間で主に発生するように、PCBアートワークを実行することが可能である。このような実施形態において、意図的な信号トレース−信号トレース結合は存在しない。換言すれば、信号トレースは、それらの間の直接結合が意味をなさないように、PCBに配置される。現在説明されている実施形態の概略的に示される実施例が、図18に示される。概略図に示される結合は、個別の要素、分布結合、またはその任意の組合せとして実現されてもよい。図18のネットワークは、4:5及び3:6の導体対に関して示され、互いに対して時間遅延する2つの別々の補償段階内に発生する誘導性及び容量性結合によって、前記対間で所望の補償を実現する。
【0049】
第1補償段階は、信号トレースS4及びS5、ならびに、分岐トレースOCN3及びOCN6を使用し、所望の第1段階補償信号を発生させる。(信号トレースS3及びS6を分路する)分岐トレースOCN3とOCN6との間に配置されるC36容量性結合(たとえば、パッドキャパシタ)は、第1補償段階のOCN成分を可能とする。特に、対線4:5と対線3:6との間の所望の結合は、容量性結合C35及びC46、ならびに、誘導性結合MOCN35及びMOCN46によって実現される。信号トレースS5及び分岐トレースOCN3は、分路キャパシタンスC36と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C35を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN35を発生させる。信号トレースS4及び分岐トレースOCN6は、分路キャパシタンスC36と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C46を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN46を発生させる。この第1補償段階は、通常、トレース3及び5と4及び6との間の結合を提供するため、このネットワークによって生成される正味の結果として得られる信号は、一般的に、補償信号とみなされる。
【0050】
第2補償段階は、信号トレースS3及びS6、ならびに、分岐トレースOCN4及びOCN5を使用し、所望の第2段階補償信号を発生させる。(信号トレースS4及びS5を分路する)分岐トレースOCN4とOCN5との間に配置されるC45容量性結合(たとえば、パッドキャパシタ)は、第2補償段階のOCN成分を可能とする。特に、対線4:5と対線3:6との間の所望の結合は、容量性結合C34及びC56、ならびに、誘導性結合MOCN34及びMOCN56によって実現される。信号トレースS3及び分岐トレースOCN4は、分路キャパシタンスC45と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C34を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN34を発生させる。信号トレースS6及び分岐トレースOCN5は、分路キャパシタンスC45と結合し、容量的に相互作用して容量性結合C56を発生させ、誘導的に相互作用して相互誘導性結合MOCN56を発生させる。この第2補償段階は、通常、トレース3及び4と5及び6との間の結合を提供するため、このネットワークによって生成される正味の結果として得られる信号は、一般的に、クロストーク信号とみなされる。図18の補償ネットワークの正味の結果として得られる結合は、対線組合せ4:5−3:6が40GBASE−T及びそれを超える潜在的な規格に適合することを可能とすることができる付加NEXT帯域幅を提供してもよい。
【0051】
さらに他の実施形態は、第1補償段階は、(図18の実施形態に記載されるような)直接の信号トレース−信号トレース結合を省略し、第2補償段階は、(図13、15、16、及び17の実施形態に記載されるような)直接の信号トレース−信号トレース結合を含むように、補償段階を合成してもよい。
【0052】
反対に、さらに他の実施形態は、第1補償段階は、(図13、15、16、及び17の実施形態に記載されるような)直接の信号トレース−信号トレース結合を含み、第2補償段階は、(図18の実施形態に記載されるような)直接の信号トレース−信号トレース結合を省略するように、補償段階を合成してもよい。
【0053】
カテゴリ6及びカテゴリ6Aなどの規格との下位互換性を維持しながら、2GHzまで及び/またはそれを上回ってNEXTを減少させる方へ導く本発明の代替の実施形態は、RJ45プラグ内の新規クロストーク特性を実装することを含む。(図1に示されるような)使用可能な帯域幅全体にわたって、通常、約20dB/ディケードの線形率で増加するプラグクロストークの代わりに、本発明の1つの実施形態において、プラグクロストークは、周波数に依存し、プラグが500MHzを上回る動作周波数を受けるとき、より遅い率で増加、または、減少する。500MHz未満で、約20dB/ディケードのNEXT傾斜を維持することによって、カテゴリ6A及びその他のジャックとの互換性は維持できる。上述の実施形態の1つの変形によって設計された(「実施形態2プラグ」のラベルが付いた線により表される)プラグのクロストーク応答が、図19に示される。
【0054】
現在説明されている実施形態の所望の周波数依存クロストーク応答を実現する1つの非限定的な実施例は、図20の回路の略図に示すように、プラグの特定の導体の間に、静電容量(C)と直列にインダクタンス(L)及び抵抗(R)を導入することである。図20に示される回路は、直列共振回路と呼ぶことができる。
【0055】
1つまたは複数の直列共振回路を有するプラグ内に生成される総合的なクロストークは、直列共振回路で生成されるクロストーク結合と、非直列共振回路素子(たとえば、プラグ接点)で生成されるクロストーク結合との組合せであることに注意すべきである。したがって、増加を遅らせる、または、プラグ内の総合的なクロストークを減少させる所望の動作は、直列共振回路及び非直列共振回路素子により提供されるクロストーク結合の量を調整することによって実現される可能性がある。
【0056】
この回路のインピーダンスは、複雑で周波数に依存し、以下の回路解析結果により得ることができる。
Z(jω)=R+Z+Z
=R+1/jωC+jωL
=R+j(ωL−1/ωC)
【0057】
低周波において、インダクタのインピーダンス(ZL)は低く、そして、コンデンサのインピーダンス(ZC)は高く、回路のインピーダンスを支配する。周波数が増加すると、ZCは減少し、一方、ZLは増加する。特定の周波数において、ZLはZCと等しくなる。この周波数は、一般に共振周波数ωと呼ばれる。この周波数において、回路のインピーダンスの複雑な部分(ωL−1/ωC)は零となり、単に回路の実インピーダンスRを表す。以下の式においてωを求めることにより、回路(ω)のインダクタンス(L)と静電容量(C)と共振周波数との関係を明らかにする。
ωL−1/ωC=0
ωL=1/ωC
ω=1/√(LC)
【0058】
Z(jω)の振幅は、共振周波数におけるその最小値であり、それは結果的に、直列共振回路によるクロストーク結合の最大量になる。動作周波数がωより大きい場合、ZLが上昇し、回路のインピーダンスを支配し続けると、Z(jω)の振幅は増加する。これは、直列回路のクロストーク結合を減少させる。
【0059】
例示的な値L=9nH、C=0.605pF、及びR=2.0Ωを有する直列共振回路の周波数応答が、図21に示される。また、C=0.605pFである単純な容量性結合の回路の周波数応答が、参考のために示される。直列共振回路の応答は、500MHzあたりで単純な容量性応答を上回り、500MHz以上のクロストークを減少させる目標を満たさないω=2.157GHz=1/√(LC)でピークに達する。ωにおける共振回路の応答のピークレベルを調整し、下げるために、抵抗(R)の値を増加させることができる。たとえば、図22に示される周波数応答を実現するために、200Ωの抵抗値が使用される可能性がある。このような構成により、共振回路の応答を、500MHzを上回る周波数の単純な容量性回路の応答以下に下げる所望の結果を実現することができる。
【0060】
RJ45プラグにおける4:5−3:6対線組合せの共振回路を使用し、特定の周波数依存の応答を実現する実施例が、図23に示されるプラグの部分的な略図で示される。本概略図において、2つの直列共振回路が、それぞれ、信号トレースS3とS4との間、及び、S6とS5との間に配置される。それぞれ、各直列共振回路は、容量性結合C34/C56と直列に連結される、インダクタンス(Lxtalk=9nH)及び抵抗(Rxtalk=200Ω)から構成され、各容量性結合は約0.605pFである。
【0061】
従来の2段階補償ネットワークを有するジャックに接続される図23の回路を有するプラグの組合せの周波数応答が、図24に示される。これらの結果から分かるように、プラグ内に直列共振回路を実装し、周波数範囲にわたってその中で生成されるクロストークを管理することにより、2GHzまでの、及び、2GHzを潜在的に上回る、接続されたプラグ/ジャックの組合せにおいて、十分に低い総合的なNEXTを達成する所望の結果が生成される。500MHz以上でのNEXT性能を改善するこれらの実施形態が、4:5−3:6対線組合せに対して示されたが、同一の技術は、その他の対線の組合せにも実装できる。
【0062】
図25は、その中に取り付けられて、データケーブル(図示せず)が連結する少なくとも1つのジャック20を有するパッチパネル12を有する、本発明による、通信システム10を示す。プラグ14は、ケーブル16が連結し、これらの部品によって両方向にデータを流すことを可能とするジャック20と接続できる。たとえばパッチパネルなどの通信機器を有するような通信システム10が、図25に示されるが、代替の実施形態は、その他のアクティブまたはパッシブ通信機器を含む可能性がある。パッシブ機器の実施例は、これらに限定されないが、モジュールパッチパネル、パンチダウンパッチパネル、カプラパッチパネル、壁の差込み口などである可能性がある。アクティブ機器の実施例は、これらに限定されないが、データセンタ及びまたは電気通信室で見られるイーサネット(登録商標)スイッチ、ルーター、サーバ、物理層管理システム、及びパワーオーバーイーサネット(登録商標)機器、ならびに、セキュリティ装置(カメラ及びその他のセンサなど)及び入退室機器、ならびに、ワークステーション領域で見られる電話、コンピュータ、ファックス装置、プリンタ及びその他の周辺機器である可能性がある。通信システム10は、キャビネット、ラック、ケーブル管理及びオーバーヘッドルーティングシステム、ならびにその他のこのような機器を、さらに含む可能性がある。
【0063】
図23の実施形態は、プラグ14などの通信コネクタ、またはその他のコネクタにおいて実装される可能性があり、たとえば、示されるように、プラグ14はRJ45プラグである可能性がある。少なくとも1つの実施形態において、図23の回路は、プラグ内のプリント回路基板(PCB)上に実装される可能性がある。図23の実施形態において、このようなプラグは、PCBに連結されるプラグ接点も含んでもよく、ここで、プラグ接点は、典型的なCAT6Aプラグと比較すると、減少したクロストークを有する。本発明のプラグ接点は、接点のサイズを減少させることによって、またはその他の場合、接点のプレート領域を減少させることによって、減少したクロストークを有してもよい。たとえば、プラグ14は、参照により本願に完全に組み込まれる、2010年10月21日に出願された「Communication Plug with Improved Crosstalk」という表題のU.S. Patent Application Publication No. 2012/0100744(Bolouri−Saransar et al.)に記載される少なくともいくつかの技術を使用して実装される可能性がある。PCB30(図26〜28)は、U.S. Patent Application Publication No. 2012/0100744(Bolouri−Saransar et al.)に記載される機械構造内で使用される可能性があり、ここで、R、L、及びCの部品は、特に図26及び27に示されるように配置される可能性があり、プラグ接点はバイア32に配置される可能性があり、ケーブル導体はパッド34にはんだ付けされる可能性がある。あるいは、PCB30アートワークは、U.S. Patent Application Publication No. 2012/0100744(Bolouri−Saransar et al.)に示されるものと同様のパッド34の代わりに、圧接に対応するように変更される可能性がある。その他のRJ45プラグの実装は本発明の範囲内であり、ARJ45などのその他のプラグタイプ、またはその他のものも本発明の範囲内である。
【0064】
なお、本発明はいくつかの実施形態によって説明されているが、(それらが例示的に示されているかどうかに関係なく)これらの実施形態によって制限されるものではなく、これらからの変更、置換、同等物も本発明の範囲に含まれ、それは本発明の範囲内である。さらに、記載された実施形態は、相互排除されると解釈すべきではなく、代わりに、このような組合せが許容される場合、潜在的に組み合わせ可能なものとして理解されるべきである。さらにまた、本明細書に示される任意の極座標または時間領域プロットは、本発明の限定を意図するものではないと理解すべきである。その代わりとして、これらのプロットは例示的なものであり、いくつかの実施形態だけによる本発明の性能の一般化表現を示すと理解されるべきである。また、本発明の方法及び器具を実装するための多くの代替的な方法も存在するため、以下記載の特許請求の範囲は、そのような変更、置換、同等物すべてを本発明の精神及び範囲に含めると理解されることが意図される。
【符号の説明】
【0065】
30 PCB
32 バイア
34 パッド
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