(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれ、各々の前記印刷胴(22;38)の直前に配置された前記渡しドラム(43)または直前に配置された前記供給胴(43)は、それぞれ、各々の基材が案内される隙間(32)を形成して、該当する前記印刷胴(22;38)の外周面に当接されているまたは少なくとも当接可能であり、該当する前記印刷胴(22;38)と直前に配置された前記渡しドラム(43)または直前に配置された前記供給胴(43)との間に形成された前記隙間(32)の幅は、その都度、各々の基材、特に基材の厚さまたは坪量に依存して調整されることを特徴とする、請求項1記載の機械構造物。
それぞれ、各々の前記印刷胴(22;38)の直前に配置された前記渡しドラム(43)または直前に配置された前記供給胴(43)は、それぞれ前記渡しドラム(43)または前記供給胴(43)の周に、それぞれ1つの弾性的な上張りを有し、該上張りでもって、前記渡しドラム(43)または前記供給胴(43)は、該当する前記印刷胴(22;38)の外周面に当接されているまたは少なくとも当接可能であることを特徴とする、請求項1記載の機械構造物。
それぞれ、各々の前記印刷胴(22;38)の直前に配置された前記渡しドラム(43)または直前に配置された前記供給胴(43)は、それぞれ周方向で位置調整可能な複数の胴面(29)を有することを特徴とする、請求項1または2または3記載の機械構造物。
それぞれ、各々の前記印刷胴(22;38)の直前に配置された前記渡しドラム(43)または直前に配置された前記供給胴(43)は、それぞれ全体が位置変化可能に支持されていることを特徴とする、請求項1または2または3または4記載の機械構造物。
それぞれ、各々の前記印刷胴(22;38)の直前に配置された前記渡しドラム(43)または直前に配置された前記供給胴(43)の前記胴面(29)は、それぞれ位置変化可能に支持されていることを特徴とする、請求項4または請求項4を引用する請求項5記載の機械構造物。
それぞれ、各々の前記印刷胴(22;38)の直前に配置された前記渡しドラム(43)または直前に配置された前記供給胴(43)は、それぞれ蓄えドラムとしてまたは吸着ドラムとして構成されていることを特徴とする、請求項1または2または3または4または5または6記載の機械構造物。
各々の前記印刷胴(22;38)は、それぞれ吸着胴として構成されており、該当する前記印刷胴(22;38)への吸着空気の供給は、その都度前記印刷胴(22;38)の回転角度位置に依存して切り換えられるまたは少なくとも切換え可能であることを特徴とする、請求項1または2または3または4または5または6または7記載の機械構造物。
各々の前記区分(51;52;53;54)において、それぞれ前記印刷胴(22;38)の内側から外周面に向けて延在する複数の通路(56)が終端して配置されており、前記通路(56)において、吸着装置により、周辺空気圧に対して負圧が形成されるまたは少なくとも形成可能であり、それぞれ前記区分(51;52;53;54)のうちの1つの区分において終端する複数の通路(56)が、各々の前記区分(51;52;53;54)において前記印刷胴(22;38)の外周面に吸着孔区分を形成し、各々の前記吸着孔区分の大きさは、保持されるべき基材の判型に依存して調整されるまたは少なくとも調整可能であることを特徴とする、請求項1または2または3または4または5または6または7または8記載の機械構造物。
前記印刷胴(22;38)の回転方向において、各々の前記区分(51;52;53;54)の少なくとも前方の端部にまたは前方の端部にだけ、それぞれ少なくとも1つのサッカ(58)または前記印刷胴(22;38)の軸方向に延在する1つのサッカ(58)列が設けられていることを特徴とする、請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9記載の機械構造物。
前記印刷胴(22;38)の回転方向において、各々の前記区分(51;52;53;54)の少なくとも前方の端部にまたは前方の端部にだけ、それぞれ1つの歯列(57)が設けられており、前記歯列(57)の歯部の領域に、それぞれ1つのまたは複数のサッカ(58)が配置されていることを特徴とする、請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10記載の機械構造物。
基材加工ユニット(26)を有する加工ステーションの加工胴の回転軸線と、直後に配置された渡しドラム(44)または直後に配置された搬送胴(44)の回転軸線とを通って延在する直線が、水平線に対して鋭角(α1)を形成し、かつ/または基材加工ユニット(26)を有する加工ステーションの加工胴の回転軸線と、直前に配置された渡しドラム(43)または直前に配置された供給胴(43)の回転軸線とを通って延在する直線が、水平線に対して鋭角(α2)を形成し、水平線は、それぞれ該当する前記渡しドラム(43;44)の回転軸線または該当する前記搬送胴(44)または該当する前記供給胴(43)の回転軸線を通って延在し、後置された前記渡しドラム(44)または後置された前記搬送胴(44)に関して向けられた角度(α1)は、前置された前記渡しドラム(43)または前置された前記供給胴(43)に関して向けられた角度(α2)の1倍〜2倍の範囲にある、または前置された前記渡しドラム(43)または前置された前記供給胴(43)に関して向けられた角度(α2)の1.3倍〜1.7倍の範囲にある、または前置された前記渡しドラム(43)または前置された前記供給胴(43)に関して向けられた角度(α2)の1.5倍であることを特徴とする、請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11記載の機械構造物。
前記加工ステーション(01;02;03;04;06;07;08;09;11;12)は、それぞれモジュールとして構成されており、各々のモジュールは、独立して製作された機械ユニットまたは機能性構成群であり、各々の前記モジュールは、独自のフレーム内に配置されており、隣り合うモジュールは、該モジュールの接合箇所に、略鉛直の接合面を有し、かつ/または前記基材ガイドユニット(24)および前記基材加工ユニット(26)は、該基材ガイドユニット(24)および該基材加工ユニット(26)の接合箇所に、それぞれ略水平の接合面を有することを特徴とする、請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12記載の機械構造物。
その都度の該当する前記ノンインパクト印刷装置(06;37)により印刷されるべき基材が、該当する前記印刷胴(22;38)上でまたは前記印刷胴(22;38)の直前に配置された前記渡しドラム(43)上でまたは直前に配置された前記供給胴(43)上で、それぞれ前記基材のその都度の伸び姿勢で配置されており、該伸び姿勢とは、基材の後縁が基材の前縁に関して正確な位置に固定された基材の状態を表すことを特徴とする、請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13記載の機械構造物。
前記印刷胴(22;38)の直後に配置された前記渡しドラム(44)または直後に配置された前記搬送胴(44)の下方に、かつ/または前記印刷胴(22;38)の直前に配置された前記渡しドラム(43)または前記印刷胴(22;38)の直前に配置された供給胴(43)の下方に、それぞれ、その都度搬送されるべき基材を支持するために、それぞれガイドプレート(42)を有するコーム型サッカ(33)が配置されており、前記基材は、その都度該当する前記コーム型サッカ(33)の前記ガイドプレート(42)に沿って、該ガイドプレート(42)に擦過して搬送され、前記コーム型サッカ(33)は、少なくとも1つの吸着装置(34)を有し、該吸着装置(34)により、前記ガイドプレート(42)に支持されるべき基材が、該ガイドプレート(42)の方向へ吸着されることを特徴とする、請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12または13または14記載の機械構造物。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】様々な生産ラインを表すためのブロック回路図を示す。
【
図2】複数の様々な加工ステーションを有する第1の機械構造物を示す。
【
図3】複数の様々な加工ステーションを有する別の機械構造物を示す。
【
図4】複数の様々な加工ステーションを有する別の機械構造物を示す。
【
図5】複数の様々な加工ステーションを有する別の機械構造物を示す。
【
図6】複数の様々な加工ステーションを有する別の機械構造物を示す。
【
図7】複数の様々な加工ステーションを有する別の機械構造物を示す。
【
図8】複数の様々な加工ステーションを有する別の機械構造物を示す。
【
図9】反転装置を有する、複数のシート状の基材を両面で連続的に加工する別の機械構造物を示す。
【
図10】様々な長さの基材ガイドユニットを有する機械構造物を示す。
【
図11】印刷胴と様々な大きさの渡しドラムとを有する機械構造物を示す。
【
図12】印刷胴と様々な大きさの渡しドラムとを有する機械構造物を示す。
【
図13】印刷胴と様々な大きさの渡しドラムとを有する機械構造物を示す。
【
図18】渡しドラムと協働している状態で印刷胴を示す。
【
図19】ガイドプレートを有するコーム型サッカの斜視図を示す。
【0022】
図1は、ブロック回路図で様々な生産ラインを具体的に示している。生産ラインは、その都度少なくとも1つのシート状の基材、特に被印刷物、好適には特に矩形の印刷シート、略してシートを加工するための、複数の特に様々な加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物により実現されるまたは少なくとも実現可能である。この場合、この少なくとも1つの基材は、材料、材料厚さおよび/または坪量に応じて、高いまたは低い曲げ剛性を有して構成されている。通常、生産ラインにおいて、特定の生産の間、順次複数のシート、つまり連続するシートが、それぞれ同一の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12により加工される。この場合、好適には、これらの加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12の各々は、それぞれたとえば独自の機能性を有するモジュールとして構成されており、この場合、モジュールとは、通常は、独立して製造された、またはそれぞれ、それ自体単独で独自のフレーム内で組み立てられた少なくとも1つの機械ユニットまたは機能的な構成群と解されるべきである。機械構造物内で相並んで位置するモジュールは、機械構造物を個々のユニットに分割し、その際、隣り合うモジュールは、その接合箇所で略鉛直の接合面を有する。各々の機械構造物に配置された加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12の各々は、好適には独立して製造され、好適な態様では、たとえば個別にそれぞれの機能が検査可能である。それぞれシートを加工する、特定の生産で協働する少なくとも3つの様々な、それぞれモジュールとして構成された加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12の選択および組合せによりそれぞれ特定の生産に依存して形成された該当する機械構造物は、それぞれ1つの特定の生産ラインを具体的に形成する。複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する、それぞれ特定の機械構造物により具体的に形成される図示の生産ラインの各々は、それぞれ特に、被印刷物、好適には印刷が行われたシートから形成された包装手段を生産するように構成されている。製造されるべき包装手段は、たとえばそれぞれ1つの折畳み箱であり、包装手段は、それぞれ印刷が行われた複数のシートから製造される。したがって、様々な生産ラインは、特にそれぞれ異なる包装手段を生産するように構成されている。この場合、特定の生産の間に必要とされる、被印刷物の加工は、その都度インラインで行われ、つまり、特定の生産に関与する加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12は、その都度の生産に対して選択された、各々の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物を被印刷物が通走するときに、規定通りの順序で相前後して互いに調整して使用され、その際、各々の機械構造物により行われる生産の間に、被印刷物、つまり加工されたシートのための中間貯蔵部が設けられていない。
【0023】
図1に示された全ての生産ラインにおいて、これらの生産ラインがそれぞれ加工ステーション06と協働することが共通している。加工ステーション06は、少なくとも1つのノンインパクト印刷装置06、好適には複数の、たとえば4つ、5つ、6つまたは7つ以上の、特にそれぞれ個別に制御されるノンインパクト印刷装置06を有し、この場合、これらのノンインパクト印刷装置06は、被印刷物の搬送方向Tで、好適には相前後して配置されていて、これらのノンインパクト印刷装置06がそれぞれ搬送方向Tに対して横向きに向けられた、少なくともほぼその全体の幅において被印刷物に印刷を行うまたは少なくとも印刷を行うことができるように、構成されている。各々のノンインパクト印刷装置06は、それぞれ特に少なくとも1つのインクジェットプリンタまたは少なくとも1つのレーザプリンタにより実現されている。インクジェットプリンタは、ドットマトリックスプリンタであり、ドットマトリックスプリンタでは、小さなインキ滴の目的に合った発射または変向により印刷像が形成され、この場合、インクジェットプリンタは、連続式インクジェットを用いる機器(連続インクジェット;Continuous Ink Jet=CIJ)または個別のインキ滴を放出する機器(ドロップオンデマンド;Drop On Demand=DOD)として構成されている。レーザプリンタは、電子写真方式で各々の印刷像を形成する。少なくとも1つのノンインパクト印刷装置06を有する、被印刷物を加工する機械構造物は、たとえばデジタル印刷機とも称される。
【0024】
以下、たとえば、複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する各々の機械構造物において、被印刷物として、それぞれ一連の、たとえば紙、単層のまたは多層の厚紙、または板紙から成る特に高い曲げ剛性を有するシートが処理されて、特に包装手段が形成されることを前提としている。被印刷物である紙、厚紙および板紙は、各々の坪量と称される面積あたり重さが、つまりこの被印刷物の1平方メートルあたりのグラムの質量が異なっている。この場合、一般的に7g/m
2〜150g/m
2の坪量を有する前述の被印刷物は、紙であり、150g/m
2〜600g/m
2の坪量を有する被印刷物は、厚紙であり、600g/m
2を超える坪量を有する被印刷物は、板紙である。折畳み箱を製造するために、特に、それぞれ良好な印刷性を有し、かつこれに続くたとえば塗装および打抜きなどの表面加工または処理に適した厚紙または板紙が使用される。厚紙または板紙は、その繊維材料使用量から、必要に応じて、たとえば木質繊維を含まない、わずかに木質繊維を含む、木質繊維を含むまたは古紙を含む。その構成において、多層の厚紙または板紙、たとえば段ボールは、それぞれ上層と、中層と、裏面としての下層とを有する。その表面特性から、厚紙または板紙は、たとえば塗工されていない、染色されている、塗工されている、またはキャストコーティングされている。シートの判型は、たとえば340mm×480mm〜740mm×1060mmの範囲にあり、この場合、この判型表示において、通常は、最初の数は、シートの搬送方向Tでの長さを表し、2番目の数は、搬送方向Tに対して直交方向に向けられたシートの幅を表す。
【0025】
図1のブロック回路図において、加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12のうちの複数の加工ステーションにより形成可能な各々の生産ラインが、被印刷物の搬送方向Tに関して実質的に右から左へ延在し、この場合、それぞれ2つの加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を互いに接続する方向矢印の各々は、それぞれ、被印刷物が通走するべき搬送経路と、これに付属する搬送方向Tを表し、これにより、加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12のうちの1つの加工ステーションから、その都度の生産に関して特定された機械構造物において選択された次の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12に至る。その都度の生産は、加工ステーション01において提供されたシートで始まり、この場合、加工ステーション01は、フィーダ01として、たとえばシートフィーダ01またはマガジンフィーダ01として構成されている。シートフィーダ01は、通常は、たとえばパレット上に積まれたシートのスタックを収容する一方、マガジンフィーダ01は、複数のトレーを有し、トレーに、各々のシート、特にたとえば種々のシートまたは様々な判型のシートのスタックが挿入されるまたは少なくとも挿入可能である。フィーダ01は、たとえば吸着ヘッド41を用いて、積まれたシートを個別化し、これらのシートを、互いに分離された連続するシートまたはずれ重ねられたシート流の形で、特定の生産における次の加工ステーション02;03;04;06に供給する。次の加工ステーション02;03;04は、たとえばプライマ塗布装置02として、またはコールドフォイル塗布装置03として、またはオフセット印刷装置04として、またはフレキソ印刷装置04として構成されている。次の加工ステーション06は、ダイレクト方式の、たとえば少なくとも1つのノンインパクト印刷装置06であってもよい。オフセット印刷装置04は、好適には、枚葉オフセット印刷機として構成されており、特に複数の印刷部86を有するタンデム型の枚葉印刷機として構成されている。オフセット印刷装置04は、シートに、少なくとも1つの静的な、つまり印刷プロセス中に、使用される刷版に関する制限に基づいて不変の印刷像を与える一方、ノンインパクト印刷装置06は、シートに、内容的に変化するまたは少なくとも可変の少なくとも1つの印刷像を与える。
【0026】
フィーダ01の次の加工ステーション03がコールドフォイル塗布装置03である場合、シートは、これに続いてそこから、通常は、オフセット印刷装置04として構成された加工ステーション04へ搬送される。コールドフォイル塗布装置03において、支持箔から剥がされた金属化ラッカ層が被印刷物に転写される。たとえばオフセット印刷装置04によるこのラッカ層の重ね印刷により、様々な金属効果を得ることができる。コールドフォイル塗布装置03は、好適には、たとえば、2つの追加的な印刷部87;88がオフセット印刷装置04に設けられていることにより、オフセット印刷装置04に組み込まれて構成されている。被印刷物の搬送方向Tで第1の印刷部87において、標準型の刷版を用いて、特殊な接着剤が、被印刷物に、つまり各々のシートに塗布される。被印刷物の搬送方向Tで第2の印刷部88に、転写されるべきラッカ層を有する箔転写装置が装着されている。ラッカ層を支持する箔は、繰出しステーションから、ブランケット胴と、このブランケット胴と協働する圧胴との間の印刷ニップ内へ案内され、被印刷物と接触させられる。ラッカ層において、アルミニウム層および保護ラッカ層が色付けされており、その着色が、色の印象に影響を及ぼす。印刷が成された接着剤層との付着層の付着性により、転写層が、基材上に付着したままとなる。支持箔は、これに続いて再び巻き取られる。コールドフォイル転写の後で、インラインで、特にオフセット印刷装置04において、従来慣用の、たとえば水性の印刷インキおよびUVインキならびにハイブリッドインキによる重ね印刷が可能であり、これにより、様々な金属色相が形成される。
【0027】
たとえば特に吸収性のかつ/またはノンインパクト印刷装置06による印刷のために用意されるべき被印刷物は、フィーダ01から、たとえばプライマ塗布装置02として構成された次の加工ステーション02に供給され、これにより、この被印刷物の少なくとも1つの表面が印刷または塗工前にたとえば水性のプライマにより被覆され、特に封止される。プライマは、被印刷物の下塗りまたは第1被覆を成し、これにより、特にその後で被印刷物に塗布されるべき印刷インキまたはインキの付着が改善されるまたははじめて実現される。そのために、たとえばホワイトラッカが被印刷物に塗布される。プライマ塗布装置02は、たとえば輪転印刷機の印刷部86に関連して構成されていて、たとえば圧胴119と協働する印刷部胴82であって、この印刷部胴82に胴入れされるまたは少なくとも胴入れ可能な、好適にはアニロックスローラ83の態様をしたインキ着けローラ83を有する、印刷部胴82と、インキ着けローラ83の軸方向に延在する少なくとも1つのドクタ84、特にチャンバ方式ドクタシステム84(
図3〜
図5、
図8、
図9)とを有する。プライマは、プライマ塗布装置02により、全面に、または特定の、つまり予め規定された箇所でのみ、つまり部分的に、被印刷物に塗布される。プライマ塗布装置02において加工された被印刷物、たとえばシートは、次の加工ステーションに、たとえばオフセット印刷装置04および/またはたとえばノンインパクト印刷装置06に供給される。
【0028】
たとえばフレキソ印刷装置04として構成された加工ステーション04により行われるフレキソ印刷は、ダイレクト方式の版印刷法であり、フレキソ印刷では、刷版の隆起した箇所が像を有する。フレキソ印刷は、多くの場合、紙、厚紙ならびに板紙から、または金属化箔から、またはたとえばPE、PET、PVC、PS、PP、PCなどのプラスチックから成る包装手段に印刷を行うために使用される。フレキソ印刷では、低粘度印刷インキと、フォトポリマーまたはゴムから成る柔軟な印刷版とが使用される。一般的に、フレキソ印刷装置04は、a)アニロックスローラ(アニロックスローラを介して刷版が着肉される)と、b)版胴とも称される印刷胴(印刷胴上に刷版が取り付けられている)と、c)対応圧胴(対応圧胴は被印刷物を案内する)とを有する。
【0029】
フレキソ印刷装置04またはオフセット印刷装置04として構成された、シートにそれぞれ少なくとも1つの静的な印刷像による印刷を行う加工ステーション04は、好適にはそれぞれ複数の、たとえば少なくとも4つの印刷部86を有し、この場合、各々の印刷部86は、好適には1つの別の印刷インキを用いて印刷するので、被印刷物に、これがフレキソ印刷装置04またはオフセット印刷装置04を通走する際にそれぞれ多色で、たとえば4色刷りで印刷が行われる。印刷インキとして、特にイエロー、マゼンタ、シアンおよび墨の色相が使用される。フレキソ印刷法またはオフセット印刷法に対して択一的な印刷装置04の態様では、シートにそれぞれ少なくとも1つの静的な印刷像による印刷を行う加工ステーション04は、スクリーン印刷法で印刷を行う印刷装置04として構成されている。
【0030】
少なくとも1つのノンインパクト印刷装置06において被印刷物を加工した後で、この被印刷物は、たとえば乾燥機07として、特に中間乾燥機07として構成された加工ステーション07に供給され、この場合、この中間乾燥機07は、該当する被印刷物をたとえば熱風によりかつ/または赤外放射もしくは紫外放射による照射により乾燥するように構成されており、この場合、紫外放射により乾燥する乾燥機は、たとえばLED乾燥機として構成されており、この場合、放射の種類は、特に、被印刷物に塗布された印刷インキまたはインキが水性であるかまたはUV硬化性であるかに依存している。中間乾燥の後で、被印刷物は、たとえば塗工装置08として構成された加工ステーション08に供給される。この塗工装置08は、被印刷物に、好適にはたとえば透明のまたは白色のまたは色付きの分散ラッカを塗布し、この場合、分散ラッカは、主に水と結合剤(樹脂)とから成り、この場合、界面活性剤が、この分散を安定させる。分散ラッカを被印刷物に塗布する塗工装置08は、アニロックスローラとチャンバ方式ドクタとインキ着けローラとから成る(フレキソ印刷部に対応する)、またはインキ出しローラとインキ着けローラとから成る。好適には光重合に基づく刷版により、被印刷物に、たとえば面状のかつ/または部分的な塗料が塗布される。全面の塗装に対してはゴムから成る特殊なラッカプレートを使用することも可能である。被印刷物の搬送経路において、塗工装置08の後方に、たとえば乾燥機09として構成された加工ステーション09が配置されており、この場合、この乾燥機09は、該当する被印刷物を熱風によりかつ/または赤外放射もしくは紫外放射による照射により乾燥するように構成されており、この場合、紫外放射により乾燥する乾燥機は、たとえばLED乾燥機として構成されている。該当する機械構造物が被印刷物の搬送経路に沿って複数の乾燥機07;09を有する場合、符号09を有する乾燥機は、好適には、これらの複数の乾燥機07;09のうちの、被印刷物の搬送方向Tで最後の乾燥機であり、この場合、1つまたは複数の中間乾燥機07と(最終)乾燥機09とは、同一の構造を有するまたはそれぞれ異なって構成されていてもよい。乾燥機09に、紫外放射により乾燥される被印刷物が供給される、つまりUV放射硬化性の印刷インキもしくはインキまたはUV放射硬化性のラッカ、たとえば光沢ラッカが塗布されている被印刷物が供給される場合、この乾燥機09は、紫外放射を生成する放射源を備えている。分散ラッカにより、従来のオイルプリント用のラッカと比べてより強いグロスおよびマット効果を得ることができる。特殊な視覚効果を、ラッカにおける効果顔料により達成することができる。プライマ塗布装置02、コールドフォイル塗布装置03および塗工装置08を用語「被覆装置02;03;08」にまとめることができる。
【0031】
被印刷物の搬送経路に沿って最後の乾燥の後で、被印刷物は、被印刷物にたとえば打抜き、クリージングおよび/または部分の分離、特に好適には印刷が行われたシートにおける部分のその都度の結合体からの割付(利用)部分の取出しによる機械的な後続処理を行うたとえば加工ステーション11に供給される。前述の後続処理の各々は、加工部46においてまたは加工部46によりそれぞれ行われる。機械的な後続処理は、好適には、各々のシートを搬送する胴と協働して行われる。被印刷物の搬送経路において最後の乾燥機09の後でまたは乾燥機の直後に、被印刷物は、
図1に示された、それぞれ加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12の特定の構造物により具体的に形成された各々の生産ラインにおいてそれぞれ最後の加工ステーション12を形成するデリバリ12に至る。デリバリ12において、それまでに加工されたシートは、たとえばパレット上に好適には積み重ねられる。
【0032】
図2〜
図8に示されているように、これまで記述された、各々の機械構造物に配置された加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12の順序は、例示的なものでしかなく、その都度の製造されるべき印刷製品に依存して変更可能である。
【0033】
図1に例示された、特に包装手段の生産に使用される生産ラインは、それぞれ前述の多数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12から選択される機械構造物を有する。たとえば以下の生産ラインが形成されるまたは少なくとも形成可能である。
1.シートフィーダ01;プライマ塗布装置02;ノンインパクト印刷装置06;分散ラッカに対するIR放射源を用いる中間乾燥機07;塗工装置08;IR放射源および/または熱風を用いる乾燥機09;デリバリ12
2.シートフィーダ01;プライマ塗布装置02;ノンインパクト印刷装置06;IR放射源および/または熱風を用いる乾燥機09;デリバリ12
3.シートフィーダ01;プライマ塗布装置02;ノンインパクト印刷装置06;IR放射源を用いる中間乾燥機07;分散ラッカおよびUV硬化性ラッカを用いる塗工装置08;熱風および/またはIR放射源もしくはUV放射源を用いる乾燥機09;デリバリ12
4.シートフィーダ01;コールドフォイル塗布装置03;オフセット印刷装置04;ノンインパクト印刷装置06;IR放射源および/または熱風を用いる乾燥機09;デリバリ12
5.シートフィーダ01;プライマ塗布装置02;ノンインパクト印刷装置06;分散ラッカに対するIR放射源を用いる中間乾燥機07;塗工装置08;熱風および/またはIR放射源を用いる乾燥機09;機械的な後続処理装置11;デリバリ12
6.シートフィーダ01;オフセット印刷装置04;ノンインパクト印刷装置06;IR放射源を用いる中間乾燥機07;機械的な後続処理装置11;デリバリ12
7.シートフィーダ01;ノンインパクト印刷装置06;IR熱風および/またはIR放射源を用いる乾燥機09;デリバリ12
8.シートフィーダ01;ノンインパクト印刷装置06;UV放射源を用いる中間乾燥機07;UV放射源を用いる乾燥機09;デリバリ12
9.シートフィーダ01;ノンインパクト印刷装置06;UV放射源を用いる中間乾燥機07;UV放射源を用いる乾燥機09;機械的な後続処理装置11;デリバリ12
10.シートフィーダ01;ノンインパクト印刷装置06;IR放射源を用いる中間乾燥機07;オフセット印刷装置04;塗工装置08;熱風および/またはIR放射源を用いる乾燥機09;デリバリ12
11.マガジンフィーダ01;プライマ塗布装置02;ノンインパクト印刷装置06;IR放射源を用いる中間乾燥機07;塗工装置08;熱風および/またはIR放射源を用いる乾燥機09;デリバリ12
12.マガジンフィーダ01;プライマ塗布装置02;ノンインパクト印刷装置06;IR放射源を用いる中間乾燥機07;熱風および/またはIR放射源を用いる乾燥機09;機械的な後続処理装置11;デリバリ12
13.マガジンフィーダ01;ノンインパクト印刷装置06;UV放射源を用いる中間乾燥機07;塗工装置08;UV放射源を用いる乾燥機09;デリバリ12。
【0034】
この場合、シートの加工に関与する、少なくとも1つのノンインパクト印刷装置06と協働する加工ステーション01;02;03;04;07;08;09;11;12のうちの少なくとも1つの加工ステーションは、特にノンインパクト印刷装置06により各々のシートに塗布されるべき印刷インキが、水性の印刷インキもしくはインキとして構成されているのか、または紫外放射硬化性の印刷インキもしくはインキとして構成されているのかに依存してそれぞれ選択されている。これにより、各々の機械構造物は、シートにそれぞれ水性の印刷インキにより、または紫外放射硬化性の印刷インキにより印刷が行われるように構成されている。
【0035】
ここで例示的に挙げられた好適な機械構造物は、シートを加工する複数の加工ステーションを有し、この場合、シートの搬送方向Tで複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12がこれらのシートをインラインで加工するために相前後して配置されており、この場合、これらの加工ステーションのうちの少なくとも1つの加工ステーション06は、ノンインパクト印刷装置06として構成されており、この場合、シートの搬送方向Tでノンインパクト印刷装置06に前置された第1の加工ステーション01は、シートフィーダ01またはマガジンフィーダ01として構成されており、この場合、第1の加工ステーション01とノンインパクト印刷装置06との間に配置された加工ステーション08は、それぞれラッカをシートに塗布する第1の被覆装置08として構成されており、この場合、第1の被覆装置08とノンインパクト印刷装置06との間に第1の乾燥機07が配置されており、この場合、少なくとも1つの搬送胴39を有する第1の搬送胴構造物が、シートを第1の乾燥機07からノンインパクト印刷装置06へ搬送するように配置されており、この場合、シートの搬送方向Tでノンインパクト印刷装置06の後方に第2の乾燥機07が配置されており、この場合、ノンインパクト印刷装置06から到来するシートを第2の被覆装置08へ引き渡す装置が設けられており、この場合、第2の被覆装置08に第3の乾燥機09が後置されており、この場合、シートの搬送方向Tで第3の乾燥機09の後方にシートに対するデリバリ12が配置されている。この場合、第3の乾燥機09とデリバリ12との間に、追加的にさらに機械的な後続処理装置11が配置されてもよい。さらにシートの搬送方向Tでノンインパクト印刷装置06の手前に、たとえばコールドフォイルを塗布する被覆装置03が配置されている。ノンインパクト印刷装置06は、シートの搬送経路に沿って、好適には複数のそれぞれ個別に制御されるインクジェットプリンタを有する。ノンインパクト印刷装置06の作用領域において、シートは、好適にはそれぞれ搬送装置に平らに載るように案内され、この場合、搬送装置は、シートに対するノンインパクト印刷装置06の少なくとも作用領域において、それぞれカーブした搬送経路を有し、この場合、搬送装置は、ノンインパクト印刷装置06の作用領域で、複数倍胴の大きさの印刷胴22として構成されている。シートの搬送方向Tで、ノンインパクト印刷装置06の手前に、たとえば引渡し装置が配置されており、この場合、引渡し装置は、シートを、たとえばそれぞれ少なくとも軸方向(左右)見当および/または周方向(天地)見当で、ノンインパクト印刷装置06の印刷位置に対して相対的に見当を保持するように位置合わせされており、この場合、引渡し装置は、たとえば各々のシートを、吸込空気を用いて保持する吸着ドラムを有する。この機械構造物は、シートに、特にそれぞれ水性の印刷インキによりまたは紫外放射硬化性の印刷インキにより印刷を行うように構成されている。この機械構造物は、特に様々な包装手段を生産するように構成されている。ノンインパクト印刷装置06から到来するシートを第2の被覆装置08へ引き渡す装置は、たとえば少なくとも1つの搬送胴39を有する第2の搬送胴構造物として構成されている。
【0036】
図2は、前述の生産ライン番号6による複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物を例示している。シートは、シートフィーダ01において、たとえば吸着ヘッド41により個別にスタックから取り上げられ、たとえば、たとえば1時間あたり10000枚のサイクルで相前後してたとえば一列に配置された4つの印刷部86を有するオフセット印刷装置04へ引き渡される。一列に配置された印刷部86のうちの1つの印刷部から次の印刷部へシートを引き渡すために、それぞれ回転体、特に胴、好適には渡しドラム43が設けられており、渡しドラム43は、それぞれ直に隣り合う2つの印刷部86の間に配置されている。オフセット印刷装置04は、シートフィーダ01からオフセット印刷装置04に供給されたシートを、たとえばスインググリッパ13を用いて受け取り、シートを、オフセット印刷装置04の、たとえば単倍胴の大きさに構成された、つまりその周においてそれぞれ専ら単一の基材を搬送する第1の引渡しドラム14へ導き、この場合、シートは、続いてオフセット印刷装置04において、グリッパ開閉部で1つの印刷部86から次の印刷部86へ案内される。オフセット印刷装置04において、シートに、少なくとも片面で印刷が行われる。複数の印刷装置04の間に配置される反転装置23が存在する場合、オフセット印刷装置04において、シートに、両面で、つまり両面印刷で印刷が行われてもよい。ここではたとえばオフセット印刷装置04として構成された加工ステーション04を通走した後で、好適には4色刷りで印刷が行われた該当するシートは、第1の搬送胴構造物により少なくとも1つのノンインパクト印刷装置06へ引き渡される。ノンインパクト印刷装置06は、好適には、線形に一列に配置された、特にそれぞれ個別に制御される複数の、たとえば5つのインクジェットプリンタを有し、インクジェットプリンタは、たとえばシアン、マゼンタ、イエローおよび/または墨の印刷インキならびに好適には追加的にたとえばオレンジおよび/またはグリーンおよび/またはバイオレットなどのカスタマイズされた少なくとも1つの印刷インキで印刷を行う。その後で、オフセット印刷装置04において少なくとも1つの静的な印刷像を有し、ノンインパクト印刷装置06において少なくとも1つの、変化するまたは少なくとも変更可能な印刷像を有するシートの乾燥が、乾燥機07または中間乾燥機07において、好適には熱風を用いてかつ/またはIR放射源を用いて行われる。同様にその後で、シートは、機械的な後続処理装置11において、たとえば打抜きおよび/またはクリージングおよび/または各々のシートからの割付部分の取出しにより後続加工される。最終的に、シートおよび/または各々のシートから離脱された割付部分が、デリバリ12において集められ、特に積み重ねられる。第1のグリッパシステム16または第1のチェンコンベヤ16の作用領域において、それぞれ、シートに対して設定された搬送経路に沿って、デリバリ12、特にマルチスタックデリバリが設けられてよい。同様に、シートの搬送方向Tで、たとえば機械的な後続処理装置11の後方に、マルチスタックデリバリが配置されている。
図2から看取されるように、機械構造物においてシートの搬送方向Tでシートフィーダ01の後方からデリバリ12にまでに設けられた各々の加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11は、それぞれ少なくとも1つの搬送胴39またはその他のシートを案内する胴22;38;43;44を有し、この場合、該当する搬送胴39またはその他のシートを案内する胴22;38;43;44は、それぞれ複数倍胴の大きさに、好適には少なくとも2倍胴の大きさに構成されている。
図2〜
図13に示されているように、ノンインパクト印刷装置06を有する加工ステーション06に配置された少なくとも1つの印刷胴22;38は、少なくとも3倍胴の大きさに、好適には4倍胴の大きさに構成されている。被覆装置02;08、つまり特にプライマ塗布装置02および/または塗工装置08は、シート搬送のためにそれぞれ好適には2倍胴の大きさの搬送胴09またはその他のシートを案内する胴43;44を有する。機械構造物において、ノンインパクト印刷装置06を有する少なくとも1つの加工ステーション06に配置された該当する印刷胴22;38を除いて、残りの全ての搬送胴39またはその他のシートを案内する胴43;44は、たとえば単倍胴の大きさに、特に2倍胴の大きさに構成されている。
【0037】
フィーダ01、特にシートフィーダ01においてスタックから取り上げられたシートは、互いに間隔を置いて個別に、たとえば、たとえばオフセット印刷装置04として構成された、ノンインパクト印刷装置06に前置された加工ステーション02;03;04を通って第1の搬送速度で搬送される。ノンインパクト印刷装置06に前置された、たとえばオフセット印刷装置04として構成された加工ステーション02;03;40からノンインパクト印刷装置06へ引き渡されるシートは、このノンインパクト印刷装置06において、第2の搬送速度で搬送され、この場合、ノンインパクト印刷装置06において有効な第2の搬送速度は、通常は、たとえばオフセット印刷装置04において有効な第1の搬送速度よりも低い。通常はより低いノンインパクト印刷装置06において有効な第2の搬送速度に対して、たとえばオフセット印刷装置04において有効な第1の搬送速度を適合させるために、たとえば、直接に連続するシートの間に生じるシート隙間、つまりたとえばグリッパ開閉部でたとえばオフセット印刷装置04を通って搬送されるシートに関するグリッパ溝幅に基づいて生じる間隔は、たとえばオフセット印刷装置04からノンインパクト印刷装置06へシートを引き渡す際に好適には低減され、この場合、シートの元々の間隔に対するそのような間隔の減少は、たとえば1%〜98%の範囲にある。これにより、直接に連続するシートは、ノンインパクト印刷装置06においても、互いに間隔を置いて搬送されるが、しかし通常は、たとえばオフセット印刷装置04における間隔に対してより小さなシート隙間を置いて、またはより小さな間隔を置いて搬送され、したがってより低い第2の搬送速度でも搬送される。この第2の搬送速度は、好適には、ノンインパクト印刷装置06において印刷が行われたシートが、まずは中間乾燥機07または乾燥機09へ搬送され、そこからたとえばフィーダボードを用いて、機械的な後続処理装置11へ、さらにデリバリ12にまで搬送されるときに維持される。しかし、シートは、その第2の搬送速度から第3の搬送速度へ、これをノンインパクト印刷装置06に後置された、たとえば機械的な後続処理装置11として構成された加工ステーション08;09が要求するときにもたらされてもよく、この場合、第3の搬送速度は、通常は、第2の搬送速度より高く、たとえば再び特にオフセット印刷装置04において有効な第1の搬送速度に相当する。機械的な後続処理装置11の手前に、たとえば第2の搬送胴構造物が設けられており、第2の搬送胴構造物は、中間乾燥機07または乾燥機09から到来するシートをつかみ取り、機械的な後続処理装置11へ搬送する。一連のたとえば複数の加工部46を有する機械的な後続処理装置11の領域においても、一列に配置された複数の加工部46のうちの1つの加工部から次の加工部へシートを引き渡すために、それぞれ回転体、特に胴、好適には渡しドラム44が設けられており、渡しドラム44は、それぞれ2つの隣り合う加工部46の間に配置されている。これらの加工部46のうちの1つの加工部は、たとえば打抜き部として、特に回転打抜き部として、別の1つの加工部46は、たとえばクリージング部として構成されている。該当する加工部46は、好適には、各々のシートを搬送する胴と協働してシートの機械的な後続処理を行うように構成されている。シートの機械的な後続処理の後で、シートおよび/またはシートから取り出された割付部分は、たとえば第2のチェンコンベヤ21を用いて、デリバリ12へ搬送され、そこで集められ、好適には積み重ねられる。
【0038】
シートは、たとえばオフセット印刷装置04として構成された、ノンインパクト印刷装置06に前置された加工ステーション02;03;04の終端部から、少なくとも中間乾燥機07または乾燥機09の終端部にまで、好適には、ノンインパクト印刷装置06に後置された、たとえば機械的な後続処理装置11として構成された加工ステーション08;09;11の始端部にまで、それぞれ、複数部分から成る、つまりシートの搬送方向Tで相前後して配置された複数の構成群、特に搬送ユニットから成る搬送装置を用いて搬送され、その際、搬送装置は、好適には複数の、複数倍胴の大きさの搬送胴39を有する。必要な場合、オフセット印刷装置04とノンインパクト印刷装置06との間にも中間乾燥機07または乾燥機09が配置されてもよい。
【0039】
図2からさらに看取されるように、たとえば印刷胴22、またはプライマ塗布装置02、塗工装置08もしくは乾燥機07の各々の胴、および複数の加工胴のうちの1つの加工胴に基材の搬送方向Tで直後にまたは直前に配置された搬送胴などの加工胴の各々の回転軸線は、鉛直方向にずらして配置されている。そのようにすると、加工胴の回転軸線と直後に配置された搬送胴または渡しドラムの回転軸線とを通って延在する直線は、水平線に対して鋭角α1を形成し、かつ/または加工胴の回転軸線と直前に配置された搬送胴または渡しドラムの回転軸線とを通って延在する直線は、水平線に対して、鋭角α2を形成し、鋭角は、15°〜30°、好適には20°〜25°、特に22.5°であり、この場合、水平線は、それぞれたとえば該当する搬送胴の回転軸線または該当する渡しドラムの回転軸線を通って延在する。後置された搬送胴または後置された渡しドラムに対して方向付けられた角度α1は、たとえば前置された搬送胴に対して向けられた角度α2の1倍〜2倍、好適には1.3倍〜1.7倍の範囲にあり、特にこの角度α1は、前置された搬送胴に対して方向付けられた角度α2の1.5倍である。
【0040】
図3〜
図8には、それぞれ複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する別の機械構造物が例示されるとともに略示されており、この場合、各々の符号は、前述の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12および加工ステーションのそれぞれ別の機器を示している。
【0041】
図3には、被印刷物の搬送方向Tで相前後して配置された以下の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物が示されている:シートフィーダ01;プライマ塗布装置02または塗工装置08;中間乾燥機07;ノンインパクト印刷装置06;中間乾燥機07;塗工装置08;乾燥機09;デリバリ12。
【0042】
図4には、被印刷物の搬送方向Tで相前後して配置された以下の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物が示されている:シートフィーダ01;プライマ塗布装置02;中間乾燥機07;ノンインパクト印刷装置06;乾燥機09;デリバリ12。
【0043】
図5には、被印刷物の搬送方向Tで相前後して配置された以下の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物が示されている:シートフィーダ01;プライマ塗布装置02;中間乾燥機07;ノンインパクト印刷装置06;中間乾燥機07;塗工装置08;中間乾燥機07;塗工装置08;乾燥機09;デリバリ12。
【0044】
図6には、被印刷物の搬送方向Tで相前後して配置された以下の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物が示されている:シートフィーダ01;第1のオフセット印刷装置04;コールドフォイル塗布装置03;タンデム型の別の4つのオフセット印刷装置04;中間乾燥機07;ノンインパクト印刷装置06;中間乾燥機07;ノンインパクト印刷装置06;乾燥機09;デリバリ12。
【0045】
図7には、その長さに基づいてずらして示された、被印刷物の搬送方向Tで相前後して配置された以下の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物が示されている:シートフィーダ01;第1のオフセット印刷装置04;コールドフォイル塗布装置03;タンデム型の別の4つのオフセット印刷装置04;中間乾燥機07;ノンインパクト印刷装置06;中間乾燥機07;塗工装置08;乾燥機09;タンデム型の2つの機械的な後続処理装置11;デリバリ12。
【0046】
図8には、被印刷物の搬送方向Tで相前後して配置された以下の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物が示されている:マガジンフィーダ01;プライマ塗布装置02;中間乾燥機07;ノンインパクト印刷装置06;中間乾燥機07;塗工装置08;乾燥機09;デリバリ12。
【0047】
前述のように、シートを加工するためのそれぞれ複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12と、これらのシートを搬送するために少なくとも1つの搬送装置とを有する前述の機械構造物により、様々な判型の、つまり様々な長さおよび/または幅のシートを加工することが設定されている。したがって、通常は、矩形のシートは、たとえばそれぞれの長さが異なっており、この場合、これらの長さは、その都度のこれらのシートの搬送方向Tで延在する長さである。複数のシートが連続的に供給される、特にノンインパクト印刷装置06として構成された加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12を使用する場合に、比較的短いシート、つまりこの機械構造物において加工される、他の場合ではより大きな判型のシートに対してより小さな判型のシートにおいて、その都度の機械構造物の生産性が低下しないようにするために、以下の方法ステップを有する方法が提案される。
【0048】
複数のシートを加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に連続的に供給する搬送装置を運転する方法において、同一の加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12により加工するために、それぞれシートの搬送方向Tで延在する様々な長さのシートが使用され、その際、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に相前後して供給されるべきシートは、搬送装置により、それぞれ所定の間隔を置いて搬送され、その際、搬送装置は、搬送されるべきシートにそれぞれ所定の搬送速度を形成し、その際、それぞれこれらのシートの搬送方向Tで延在する様々な長さのシートにおける、直接に連続するシートの間に生じる間隔は、搬送装置により該当するシートに形成されるべき搬送速度の変化により一定に保持され、その際、搬送方向Tで後続するシートの搬送速度は、直前に先行するシートの搬送速度に対して変化される。この場合、該当する加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に相前後して供給されるべきシートは、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12により形成されるべき高い生産性に達するかつ/または生産性を保持するために、搬送装置により、それぞれ好適には、最小であるが通常はゼロとは異なる間隔を置いて搬送される。搬送方向Tで連続するシートの間の間隔、つまり先行するシートの、搬送方向Tに対して横向きに延在する後縁と、直後に後続するシートの、搬送方向Tに対して横向きに延在する前縁との間の間隔は、たとえば0.5mm〜50mmの範囲、好適には10mm未満である。該当する加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12においてより大きな長さのシートの後でより小さな長さのシートを加工したいときには、より小さい長さのシートは、搬送装置により、その搬送速度の増加によって加速される。これとは逆に、該当する加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12においてより小さな長さのシートの後でより大きな長さのシートを加工したいときには、より大きな長さのシートは、搬送装置により、その搬送速度の低下によって減速される。加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12として、好適には、ノンインパクト印刷装置06が使用され、その生産性は、通常は、ノンインパクト印刷装置06に、ノンインパクト印刷装置06による印刷が行われるべきシートがその都度の判型にかかわらず一定の最小間隔で連続して供給されるときに最大である。該当する機械構造物において、ノンインパクト印刷装置06にたとえばオフセット印刷装置04として構成された加工ステーション04が前置されている場合、オフセット印刷装置04において印刷が行われたシートは、その都度の判型に依存せずに、このオフセット印刷装置04の生産速度に相当する搬送速度で搬送装置に供給され、この場合、オフセット印刷装置04によりこれらのシートに設定された搬送速度は、搬送装置によるシートの搬送中に、ノンインパクト印刷装置06の処理速度に相当する搬送速度に適合させることができる。これらのシートをその都度の判型にかかわらず、追加的に、依然としてその都度一定の相互間隔でノンインパクト印刷装置06に供給しようとすると、より大きな長さのシートは、より短いシートよりも減速されないが、いずれにせよシートのその都度の搬送速度の低下が必要になる。というのもノンインパクト印刷装置06の処理速度が、通常は、オフセット印刷装置04の生産速度よりも低いからである。
【0049】
各々のシートは、その都度シートの搬送方向Tで相前後して複数の搬送胴を有する搬送装置による、次の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12へのかつ/またはそれぞれモジュールとして構成されたこれらの加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12内でもその搬送中に、好適にはそれぞれ力結合により(つまり力が伝達されるように)かつ/または形状結合に基づき、保持手段により、たとえば吸込空気によりかつ/またはグリッパにより保持される。
【0050】
好適な態様では、該当するシートに形成されるべき搬送速度は、たとえば機械構造物のガイドスタンドに配置された、好適には電子的な制御ユニットにより調整され、この場合、制御ユニットは、搬送速度の調整を、特に連続するシートの間に一定の間隔を維持するために、たとえば制御回路において行う。たとえば、機械的な後続処理装置11に供給されるべきシートが、スインググリッパ19とたとえば単倍胴の大きさに構成された引渡しドラム31とにより、第2の搬送速度から第3の搬送速度にされるようにしてもよく、これは、該当するシートが、特に制御ユニットにより制御される、引渡しドラム31の回転により加速されることを意味している。
【0051】
図9は、複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物を例示しており、この場合、加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12は、基材の搬送方向Tで相前後して配置されている。相並んで位置する加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12は、それぞれ独自の機能性を有するモジュールとして構成されており、この場合、各モジュールは、それぞれ独自のフレーム内で組み立てられた機械ユニットを形成する。図示の態様では、被覆装置02;03;08(つまりプライマ塗布装置02、コールドフォイル塗布装置03または塗工装置08)として、または乾燥機07;09として、または印刷装置04;06として、または機械的な後続処理装置11として構成されたモジュールが、それぞれ1つの基材ガイドユニット24と基材加工ユニット26とを有する。基材ガイドユニット24は、基材を搬送するために、たとえば、1つまたは複数の搬送胴39または1つまたは複数の渡しドラム43;44を有する搬送胴構造物を具備し、この場合、搬送胴39または渡しドラム43;44は、複数倍胴の大きさに、好適には2倍胴または3倍胴の大きさに構成されている。基材加工ユニット26は、各々の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12の態様に応じて、たとえば実際の被覆装置02;03;08、または乾燥機07;09、または印刷装置04;06の少なくとも1つの印刷部86;87;88、または機械的な後続処理装置11の少なくとも1つの加工部46を有する。基材ガイドユニット24および基材加工ユニット26は、接合箇所に、それぞれ略水平の接合面を有し、いわゆる下部構造モジュール24および上部構造モジュール26を形成する。
【0052】
図9に示された機械構造物は、両面印刷用の機械構造物であり、シートフィーダ01またはマガジンフィーダ01として構成された、積み重ねられた基材を順次たとえば吸着ヘッド41を用いて把持するフィーダ01と、後置の、引渡しドラム14を有するスインググリッパ13とを起点として、基材(シート)の搬送方向Tで相前後して、特に第1のプライマ塗布装置02の態様をした被覆装置02;03;08と、その後方に第1の乾燥機07とを有する。このように表面に前処理が成された基材は、次いで、その都度基材の表面に印刷を行う、第1の印刷胴22を有する第1のノンインパクト印刷装置06に供給され、この場合、第1の印刷胴22は、好適には3倍胴また4倍胴の大きさに構成されており、これは、この第1の印刷胴22が、その周に、少なくとも、その周に前後して3つまたは4つの基材がそれぞれ力結合によりかつ/または形状結合により保持されるように配置されているまたは配置可能である数の保持要素を有することを意味している。通常、印刷胴22の周に保持されるべき各基材にそれぞれ少なくとも1つの保持手段または保持要素が対応付けられており、その際、それぞれ異なる基材が対応付けられている保持要素は、それぞれ相互に依存せずに、つまり相互に個別に作動可能である。グリッパとして構成された保持要素は、特に、該当する印刷胴22の外周面において開放された溝に配置されており、この場合、各々の溝は、それぞれ該当する印刷胴22の外周面において軸方向に延在する。つまり、該当する印刷胴22の周に沿ってたとえば4つの基材が配置可能である場合、該当する印刷胴22は、4つの溝を有し、この場合、各溝に、それぞれ少なくとも1つの保持要素が配置されている。1つの溝に、たとえば少なくとも2つの保持要素が配置されてもよく、この場合、これらの保持要素のうちの1つの保持要素は、これらの基材のうちの第1の基材の、基材の搬送方向Tで後方の縁部を保持し、これらの保持要素のうちの別の1つの保持要素は、該当する印刷胴22の周において第1の基材の、基材の搬送方向Tで直後に後続する第2の基材の前方の縁部を保持する。第1の印刷胴22の周の一部に沿って、相前後して好適には複数のインクジェット印刷装置が配置されており、この場合、該当するインクジェット印刷装置のインクジェット吐出開口と、該当する回転する印刷胴22の外周面に保持された基材の上面との間の半径方向の間隔は、該当するインクジェット印刷装置を基材が通過する際に、好適にはたった数ミリメートル、特にたった約1mmである。好適な態様では、第1のノンインパクト印刷装置06に、別の基材加工ユニット26を有しない、純粋な搬送モジュールとして構成された基材ガイドユニット24が続く。この搬送モジュールも、独自のフレーム内に配置されている。この基材ガイドユニット24は、この機械構造物において、それ自体がたとえば保守作業および/または修理作業のために第1のノンインパクト印刷装置06へのアクセスを改善する十分に広い横方向スペースの形成を可能にする。別の態様では、択一的にまたは追加的に、第1のノンインパクト印刷装置06に、別の基材加工ユニット26を有しない、純粋な搬送モジュールとして構成された基材ガイドユニット24が前置されている。機械構造物における、たとえば2倍胴の大きさの2つの搬送胴または渡しドラムを有する搬送モジュールの配置により、印刷胴22の外周面と、基材の搬送方向Tで後続の加工ステーションの、特に2倍胴の大きさに構成された加工胴との間の水平の間隔aは、少なくともこの加工胴の2倍の直径dに相当する(
図3)ことが達成される。基材ガイドユニット24の後方に、基材の、印刷が行われた表面を乾燥する第2の乾燥機09が配置されている。第2の乾燥機09にたとえば反転装置23が続き、反転装置23は、後続の経路において基材の裏面にも印刷を可能にする。表面印刷について、つまり表面の印刷について前述されたように、基材は、反転装置23から到来して、まず基材の裏面を処理する第2のプライマ塗布装置02に供給され、その後で第3の乾燥機07に供給される。第2の印刷胴38を有する、各々の基材の裏面に印刷を行う第2のノンインパクト印刷装置37が続き、この場合、この第2の印刷胴38は、やはり好適には3倍胴または4倍胴の大きさに構成されており、これは、この第2の印刷胴38が、その周に前後して3つまたは4つの基材がそれぞれ力結合によりかつ/または形状結合により保持されるように配置されているまたは少なくとも配置可能である数の保持手段または保持要素を有することを意味している。第2の印刷胴38の周の一部に沿って、つまりその周面において、相前後して好適には複数の、たとえば少なくとも4つのまたは特に6つのインクジェット印刷装置が配置されており、この場合、これらのインクジェット印刷装置は、たとえばシアン、マゼンタ、イエローおよび/または墨の印刷インキ、ならびにたとえばオレンジおよび/またはグリーンおよび/またはバイオレットの少なくとも1つの特殊インキで印刷を行う。反転装置23は、基材の搬送方向Tで、つまり第1のノンインパクト印刷装置06と第2のノンインパクト印刷装置37との間に配置されている。第2のノンインパクト印刷装置37の手前にかつ/または後方にも、前述したものと同じ理由から、好適には、別の基材加工ユニット26を有しないそれぞれ1つの基材ガイドユニット24が配置されている。基材の、印刷が行われた裏面を乾燥する第4の乾燥機09が続く。好適な態様では、その後方に塗工装置08が設けられている。塗工された基材は、続いて別の乾燥機09において乾燥され、この場合、この乾燥機09は、たとえばチェンコンベヤ21として構成された搬送装置の搬送経路内に配置されており、この場合、この搬送装置は、基材を、デリバリ12へ、特にマルチスタックデリバリへ搬送し、そこで排出する。
図9に例示された機械構造物では、それぞれ1つの搬送胴構造物を有する各々の基材ガイドユニット24は、両方の印刷胴22を除いて、好適にはそれぞれ2倍胴の大きさに構成されているので、各々の搬送胴39または渡しドラム43;44の周に、それぞれ2つの基材が前後に配置されているまたは少なくとも配置可能である。乾燥機07;09は、たとえば、場合により熱風乾燥機と組み合わせて、UV乾燥機としてまたはIR乾燥機としてまたはマイクロ波乾燥機として構成されている。UV乾燥機および/またはIR乾燥機は、たとえばそれぞれLED乾燥機として構成されている。マイクロ波乾燥機は、たとえば2〜300GHz、好適には2.45GHz〜22.35GHzの範囲の周波数を有するマイクロ波で作動する。1つの乾燥機において、それぞれ組み合わせて、記載の複数の乾燥方法のうちの少なくとも2つの乾燥方法が用いられるように設定されてもよい。
【0053】
反転装置23において、反転は、通常は後縁反転の原理に基づいて行われる。反転装置23は、たとえば3本ドラム反転部としてまたは1本ドラム反転部として構成されてよい。3本ドラム反転部には、3つの基材ガイド胴が配置されている。この場合、基材の搬送方向Tで、たとえば単倍胴または2倍胴の大きさの引渡しドラム、好適には2倍胴の大きさの蓄えドラムおよび好適には単倍胴の大きさの反転ドラムが配置されている。この場合、単倍胴の大きさの胴は、最大の判型の1つの基材を周面に保持することができる。この場合、単倍胴の大きさの胴は、たとえばオフセット印刷部において、たとえば版取付け式の版胴として構成された版胴の直径に対して同一の直径を有し、これに対して2倍胴の大きさの胴は、2倍の大きさの直径を有する。
【0054】
反転ドラムには、特に反転グリッパシステムが装着されており、蓄えドラムには、基材を支持する外周面ごとにそれぞれ少なくとも1つの基材保持システムが装着されている。基材保持システムは、好適には、基材の、搬送方向Tで前方の縁部に対するグリッパシステムとして構成されている。好適には、基材の後方の領域に対する固定要素も設けられており、固定要素は、好適にはそれぞれ吸着システムとして構成されている。吸着システムは、好適には位置調整可能な後方の外周セグメントと結合されていて、周方向で、前方の外周セグメントに設けられたグリッパシステムに対して相対的に位置調整可能であるので、最大から最小までの判型の基材を、表面印刷の運転方式でかつ/または両面印刷の運転方式で、前方および後方の領域において蓄えドラム上に保持することができる。蓄えドラムおよび/または反転ドラムの下方に、基材を案内する基材ガイド要素が配置可能である。別の態様では、反転装置23に対応して、蓄えドラムと反転ドラムとの間で基材を案内するためのガイドプレートが配置されている。
【0055】
図10は、基材を片面で加工するための、特に基材の片面印刷用の機械構造物を例示している。基材は、フィーダ01から到来して、スインググリッパ13により、たとえば単倍胴の大きさに構成された引渡しドラム14へ引き渡され、そこからたとえば単一の搬送胴39または単一の渡しドラム43;44だけを有する基材ガイドユニット24を介して、3倍胴または4倍胴の大きさに構成された印刷胴22を有する、それぞれ基材の表面に印刷を行うノンインパクト印刷装置06に供給される。印刷胴22の外周面における基材の載置を改善するために、つまり印刷胴22の外周面に載置している基材の押さえを補助するために、印刷胴22の回転方向で、印刷胴22の周に沿って配置された少なくとも1つのノンインパクト印刷装置06の手前に、たとえば吹出空気装置27および/またはたとえば均しドラムまたは伸ばしドラムの態様をした押圧要素28が設けられており、この場合、吹出空気装置27および/または押圧要素28は、それぞれ基材の搬送方向Tに対して直交方向で、好適にはそれぞれ基材の全幅にわたって延在する。たとえば、少なくとも2つの搬送胴39または渡しドラム43;44を有する搬送胴構造物を備える基材ガイドユニット24が続く。その後方に乾燥機07および塗工装置08が続く。塗工された基材は、続いて別の乾燥機09において乾燥され、この場合、この乾燥機09は、たとえばここでもチェンコンベヤ21として構成された搬送装置の搬送経路内に配置されており、この場合、この搬送装置は、基材を、デリバリ12へ搬送し、そこで排出する。基材ガイドユニット24は、印刷胴22を除いて、たとえばそれぞれ2倍胴の大きさに構成された搬送胴39または渡しドラム43;44を有する。ノンインパクト印刷装置06に好適には後置されたまたは前置された、少なくとも2つの搬送胴39または渡しドラム43;44を有する搬送胴構造物を備える基材ガイドユニット24は、基材の搬送方向Tで、該当する搬送胴39または該当する渡しドラム43;44の少なくとも1.5倍の直径に相当する長さにわたって延在する。
【0056】
図11〜
図13は、それぞれ基材を片面で加工するための、特に片面印刷用の機械構造物を例示しており、この場合、フィーダ01の後方に、たとえばプライマ塗布装置02および乾燥機07が設けられている。この機械構造物において、基材の搬送方向Tで、ノンインパクト印刷装置06、基材ガイドユニット24、別の乾燥機07、塗工装置08およびたとえばチェンコンベヤ21として構成された搬送装置の搬送経路内に配置された乾燥機09が続き、この場合、この搬送装置は、基材を、デリバリ12へ搬送し、そこで排出する。
【0057】
図11の機械構造物では、印刷胴22は、たとえば4倍胴の大きさに構成されている。4倍胴の大きさの印刷胴22は、印刷が行われるべき基材を、直前に配置された、図示の例では3倍胴の大きさに構成された渡しドラム43から受け取る。
図12の機械構造物では、印刷胴22は、同様に4倍胴の大きさに構成されているが、4倍胴の大きさの印刷胴22は、印刷が行われた基材を、印刷胴22の直後に配置された3倍胴の大きさに構成された渡しドラム44へ引き渡す。
図12は、印刷胴22の直前に配置された3倍胴の大きさに構成された渡しドラム43とともに、4倍胴の大きさに構成された印刷胴22を示している。したがって、印刷胴22には、複数倍胴の大きさに構成された渡しドラム43が直前に配置されてよく、複数倍胴の大きさに構成された渡しドラム44が直後に配置されてよい。印刷胴22の外周面と、特にこの印刷胴22の直前に配置された渡しドラム43とは、たとえば、相互に当接されているまたは少なくとも当接可能であって、印刷胴22と渡しドラム43との間に、各々の基材を案内する隙間32が形成されており、この場合、この隙間32のその都度の幅は、好適には各々の基材に依存して、特にその材料厚さ、つまり基材の厚さまたは坪量に依存して調整されており、この場合、基材の坪量は、たとえば7g/m
2〜600g/m
2である。好適には、隙間32の、無段階に可変調整可能な幅は、たとえば0mm〜3mm、特に0.1mm〜1mmの範囲にある。
【0058】
図13の機械構造物では、印刷胴22およびこの印刷胴22の直前に配置された渡しドラム43は、それぞれ3倍胴の大きさに構成されている。
図11〜
図13の機械構造物は、印刷胴22の大きさと、この印刷胴22の直前に配置されたまたは直後に配置された渡しドラム43;44の大きさにおいてそれぞれ異なっている。4倍胴の大きさに構成された印刷胴22は、
図12に例示されたように、たとえば約1200mmの直径を有する。この印刷胴22と協働する、2倍胴の大きさに構成された渡しドラム43は、約600mmの直径を有する。印刷胴22と、印刷胴22の直前に配置されたまたは直後に配置された渡しドラム43;44とのそれぞれの大きさは、それぞれの周に相前後して設けられた、それぞれ少なくとも1つの基材を配置するための区分51;52;53;54の数および/または特にこれらの区分51;52;53;54に関連して配置された保持要素の数により特定されており、この場合、保持要素は、各々の基材を、それぞれ力結合によりかつ/または形状結合により、該当する印刷胴22または該当する渡しドラム43;44の周に保持する。該当する印刷胴22の周に、該当するインクジェット装置を基材が通過する際に、該当するインクジェット印刷装置のインク吐出開口と、該当する回転する印刷胴22の外周面に保持された基材の上面との間に、好適には数ミリメートル、特に約1mmの間隔だけを置いて、それぞれ複数のインクジェット印刷装置、および追加的にたとえばそれぞれ1つの吹出空気装置27および/またはたとえば均しドラムの態様をした1つの押圧要素28が配置されており、この場合、吹出空気装置27および/または押圧要素28は、それぞれ基材の搬送方向Tに対して直交方向で、それぞれ基材の全幅にわたって延在する。均しドラムは、たとえば独自の回転駆動装置、たとえば好適には電気的な、制御ユニットにより制御可能なまたは調整可能なモータを有し、回転駆動装置により、わずかなスリップが、つまり該当する印刷胴22の回転に関する回転数差が調整されるまたは少なくとも調整可能である。スリップは、その都度の印刷胴22に引き渡される基材を伸ばすように働く。
【0059】
図2〜
図13に示された機械構造物は、UV硬化性の印刷インキに関連して、たとえば食品または化粧品用の包装印刷において、特に有利に利用されているまたは少なくとも利用可能である。
【0060】
図14は、たとえば4倍胴の大きさに構成された印刷胴22;38と、この印刷胴22;38の直前に配置された2倍胴の大きさに構成された、供給ドラムまたは供給胴とも称される渡しドラム43との詳細図であり、この場合、渡しドラム43は、たとえば偏心的に位置調整可能な複数の、特に2つの胴面29を有する。渡しドラム43自体に、基材の搬送方向Tで、たとえば2倍胴または3倍胴の大きさに構成された少なくとも1つの渡し胴39が前置されており、この場合、渡しドラム43と、この渡しドラム43の直前に配置された渡し胴39との間にも、好適には被印刷物に依存して、特に基材の材料厚さに依存して調整されるまたは少なくとも調整可能な隙間が形成されているまたは少なくとも形成可能である。同様に印刷胴22;38の直後に、それぞれ
図14には図示されていないたとえば2倍胴または3倍胴の大きさに構成された別の渡し胴39または2倍胴または3倍胴の大きさに構成された別の渡しドラム44が配置されていてよい。4倍胴の大きさに構成された印刷胴22;38は、周方向で相前後して4つの区分51;52;53;54を有し、これらの区分51;52;53;54において、それぞれ基材を、該当する印刷胴22;38の外周面に保持することができる。隣り合う連続する区分51;52;53;54は、それぞれたとえば溝62または胴溝62により相互に分離されている。渡しドラム43の、好適には圧縮可能にかつ/または弾性的に構成された胴面29または完全な渡しドラム43の全体が、たとえば、それぞれたとえば偏心ブシュとして構成された偏心軸受31に軸支されていて、ひいては偏心的に位置調整可能である、特に制御ユニットにより遠隔位置調整可能である。印刷胴22;38の外周面と渡しドラム43とは、たとえば相互に当接されているまたは少なくとも当接可能であり、これらの間に、各々の基材を案内する隙間32が形成されており、この場合、この隙間32のその都度の幅は、好適には材料厚さ、つまり各々の基材の厚さまたは坪量に依存して調整される。渡しドラム43の胴面29または完全な渡しドラム43の全体の偏心的な位置調整により、好適には同時に、印刷胴22;38の外周面と渡しドラム43の外周面との間の隙間32だけではなく渡しドラム43とその直前に配置された渡し胴39との間の隙間も、特に被印刷物に依存して調整されるまたは少なくとも調整可能である。
【0061】
4倍胴の大きさに構成された印刷胴22;38は、たとえば約1200mmの直径を有する。2倍胴の大きさに構成された渡しドラム43は、たとえば約600mmの直径を有する。印刷胴22;38に前置されたまたは後置された渡しドラム43;44の下方に、好適には、ガイドプレート42を有する少なくとも1つのコーム型サッカ33が配置されており(
図19)、この場合、該当する渡しドラム43;44により搬送される基材は、コーム型サッカ33のこのガイドプレート42に沿って、これに擦過して搬送される。コーム型サッカ33は、搬送される基材を支持する補助装置であり、この補助装置では、搬送されるべき基材を支持するためのほぼ閉じた載設部の代わりに、ガイドプレート42が設けられており、この場合、ガイドプレート42は、
図19において看取されるように、特に該当する渡しドラム43;44の下方の領域において区分ごとに配置された複数の吸着開口47と、ガイドプレート42の、好適にはそれぞれ反対側に位置する、該当する渡しドラム43;44の周方向で延在する両方の縁領域に、搬送されるべき基材の搬送方向Tに対して相互に平行に配置された複数の櫛歯36とを有し、この場合、これらの櫛歯36は、ガイドプレート42の、長くて尖端の突出部を有する歯列として構成されている。さらに、コーム型サッカ33は、少なくとも1つの吸着装置34を有し、吸着装置34により、ガイドプレート42に支持されるべき基材は、吸着開口47を通って流れる、吸着装置34により発生させられる吸着空気により、このガイドプレート42の方へ吸着される。印刷胴22;38がその各々の胴溝62において、該当する印刷胴22;38により搬送されるべき基材を保持する、それぞれグリッパとして構成された保持要素を有する場合には、たとえば均しドラムの態様で構成された押圧要素28は、印刷胴22;38の外周面に対して間隔を置いて、つまりたとえば基材の厚さに合わせて調整可能な隙間を形成して配置されている、または押圧要素28は、印刷胴22;38の外周面へ押し付けて当接されているが、グリッパが通過するためのアンダカットを有する。印刷胴22;38の直前に配置された渡しドラム43の、たとえば圧縮可能にかつ/または弾性的に構成された胴面29も、印刷胴22;38の外周面に配置されたグリッパが通過するためのこの種のアンダカットを有する。各々のアンダカットに対して択一的に、該当するグリッパは、その各々の胴溝62において、該当する印刷胴22;38の外周の内側へ降下することができる。
図14は、それぞれ印刷胴22;38の外周面に保持されるべき各々の基材の前方の端部および後方の端部のためのグリッパを有する印刷胴22;38を示しており、この場合、いくつかのグリッパは、印刷胴22;38の外周面を越えて半径方向で突出する開放動作位置で示されており、他のいくつかのグリッパは、特に印刷胴22;38の外周面と同一面を形成する閉鎖動作位置で示されている。押圧要素28は、その都度の開放動作位置にあるグリッパとの衝突を回避するために、アンダカットを必要としている。
【0062】
図15〜
図18は、それぞれ吸着胴、特に面状の吸着胴としての、加工胴、特に印刷胴22;38の構成を例示している。
図15は、吸着胴を断面図で示している。本態様において吸着胴として構成された印刷胴22;38は、好適には4倍胴の大きさに構成されており、つまり印刷胴22;38は、その外周面に、周方向で相前後して4つの区分51;52;53;54を有し、これらの区分51;52;53;54において、それぞれ印刷されるべき基材がたとえば吸着空気により保持されるまたは少なくとも保持可能である。そのために、吸着胴において、各々の区分51;52;53;54に、それぞれ区分51;52;53;54の内側からその外周面へ延在する複数の通路56が終端しており、通路56では、吸着装置により、周囲空気圧に対して負圧が発生させられるまたは少なくとも発生可能である。吸着孔とも称されるこれらの通路56は、各々の区分51;52;53;54において吸着胴の外周面に吸着孔区分を形成している。各々の吸着孔区分において、吸着胴の外周面に載置している基材は、大面積で吸着され、これにより保持される。各々の吸着孔区分の大きさは、たとえば保持されるべき基材の判型に依存して調整されるまたは少なくとも調整可能である。
【0063】
図16は、
図15の吸着胴の部分拡大斜視図を示しており、この図では、外周面において終端する通路56のたとえばマトリックス状の配置が、つまり各々の吸着孔区分が示されている。各々の区分51;52;53;54の、吸着胴の回転方向で少なくとも前方の端部にまたは前方の端部にだけ歯列57が設けられており、この場合、特に歯列57の各々の歯に関して、たとえばサッカ58として構成されたそれぞれ1つの保持手段が設けられており、この場合、それぞれサッカ58として構成された保持手段は、好適には歯列57の歯部の領域に配置されていて、この歯列57の歯溝の領域には配置されていない。歯列57の歯部の領域に設けられたサッカ58は、たとえば吸着胴の軸方向に延在する単一の列に配置されている。吸着胴のサッカ58には、この吸着胴の、たとえば供給ドラムにより形成された接点の直前に、吸着空気が加えられる。吸着胴の別の態様では、各々の区分51;52;53;54の前方の端部に、そこに位置するサッカ58の代わりにまたはこれらのサッカ58に対して追加的に、それぞれグリッパが設けられている。吸着胴のこれらのグリッパのうちの1つのグリッパにより成されるグリッパ開閉は、たとえば均しドラムとのこの吸着胴の接点で行われる、つまりグリッパ開閉は、この時点でまたは吸着胴のこの回転角度位置で実施される。吸着胴の回転方向は、方向矢印により示されている。
【0064】
図17は、吸着胴の部分拡大斜視図で、吸着胴の外周面の構成の変化態様を示している。吸着胴の内側へ向けられた通路56のための開口を有する、
図16に示された外周面の代わりに、ここでは、特に区分51;52;53;54において、周方向に延在するウェブ59が形成されており、ウェブ59上に、吸着された基材が載置可能であり、この場合、そのような基材は、隣り合うウェブ59の間に作用する吸着空気により、吸着胴の外周面に保持される。吸着胴は、それぞれ、各々の区分51;52;53;54の、吸着胴の回転方向で後方の端部が、大きさを変えて、吸着胴の外周面に保持されるべき基材の長さに適合可能であるように構成されてよい。それぞれ吸着胴の周方向での、各々の区分51;52;53;54のその都度の長さの、長さに関する適合性は、
図16および
図17において、それぞれ両矢により示されている。吸着胴の特に好適な態様によれば、各々の区分51;52;53;54の、吸着胴の回転方向で前方の端部に、それぞれグリッパおよび/またはサッカ58が配置されており、これに対して各々の区分51;52;53;54の、吸着胴の回転方向で後方の端部に、それぞれサッカ58が配置されており、吸着胴に関して、吸着胴の回転方向で該当する第1の区分51;52;53;54の直後に配置された第2の区分51;52;53;54の前方の端部に対して相対的な、第1の区分51;52;53;54の後方の端部の回転角度位置は、第1の区分51;52;53;54において保持されるべき基材の判型に依存して、好適にはこの吸着胴の回転経過中にも、たとえば吸着胴の外周面の部分の機械的な位置調整により可変に調整されるまたは少なくとも調整可能である。さらに、吸着胴が、その最小の大きさの領域で面状に構成されている(
図16)、またその大きさが変化する領域にウェブ59を有する(
図17)ように設計されてよい。
【0065】
図18は、供給胴として構成された渡しドラム43と協働した状態で、吸着胴として構成された印刷胴22;38を示しており、この場合、この供給胴43は、吸着胴の直前に配置されている。供給胴43は、好適には2倍胴の大きさに構成されているので、供給胴43は、その周に、2つの基材を相前後して保持することができる。別の変化態様では、供給胴43は、3倍胴の大きさに構成されているので、供給胴43は、その周に、3つの基材を相前後して保持することができる。好適な変化態様では、印刷胴22;38の直前に配置された供給胴43の直径に対するこの印刷胴22;38の直径の比は、厳密には整数ではなく、供給胴43の直径は、印刷胴22;38の直径の整数分の1よりも0.1%〜0.3%の範囲でより小さく構成されている。たとえば、印刷胴22;38は、1200mmの直径を有し、供給胴43は、600mmの代わりに598mmの直径を有する、つまり2倍胴の大きさに構成された供給胴43の直径は、1200mmの直径を有する4倍胴の大きさに構成された印刷胴22;38に対する比において、整数の約数2より小さい。供給胴43は、その周に、つまりその外周面に、たとえば弾性的な上張りを有し、その上張りでもって、供給胴43は、特に吸着胴として構成された印刷胴22;38の外周面上を転動する、つまり転動して当接するまたは少なくとも当接可能である。好適な態様では、渡しドラム43は、そのたとえば2倍胴の大きさの構成に対してわずかに小さな直径を有し、これにより、上張りが施された渡しドラム43は、印刷胴22;38の外周面に面圧を加えない。供給胴43は、基材を、たとえばそれぞれグリッパ61により保持する。吸着胴が溝を有さずに構成されている場合、吸着胴は、たとえばそれぞれ軸方向で延在する、外周面において開いた溝62または胴溝62に、それぞれ少なくとも1つのグリッパ、いわゆる安全グリッパをも有し、これは、吸着空気が一度損なわれるまたは失われる場合に基材の保持を可能にする。吸着胴に、各々の基材の前方の端部を保持するグリッパだけでなく各々の基材の後方の端部を保持するグリッパも設けられてよい。吸着胴のこのグリッパは、たとえば、吸着胴に形成された歯列57の歯溝に係合する。
図18は、基材が供給胴43から吸着胴へ引渡し可能である、吸着胴および供給胴43の回転角度位置を示している。供給胴43および吸着胴の各々の胴溝62とグリッパとは、供給胴43から吸着胴へ基材を引き渡すための各々の回転角度位置および動作位置において、相互に同期化されている。吸着胴への、つまり吸着胴のサッカ58および/または吸着孔区域へのその都度の吸着空気の供給は、たとえば吸着胴の回転角度位置に依存して切り換えられるまたは少なくとも切換え可能である。したがって、供給胴43から吸着胴への基材の引渡しは、専らサッカ58の起動により可能であるが、供給胴43のグリッパだけでなく吸着胴のグリッパであるグリッパと関連付けても可能である。別の改良態様によれば、供給胴43または渡しドラムを、印刷胴22;38に関して前述されたものと同等の特徴を有する蓄えドラムまたは吸着ドラムとして構成するように設計されているので、各々の基材は、この蓄えドラムまたは吸着ドラムにより既に伸ばされて、特に吸着胴として構成された加工胴、特に印刷胴22;38へ引き渡される。この場合、各々の基材は、印刷胴22;38へ引き渡される前に既に伸長状態となる。この場合、伸長状態は、基材の後縁が前縁に関して正確に位置を合わせて固定されている状態をいう。択一的に、基材の伸長状態は、該当する基材が印刷胴22;38の外周面上に配置されてはじめて形成される。後者の態様は、供給胴43から印刷胴22;38への基材の繰り返される確実な案内を前提としており、これに対して前者の態様は、時間の節約やより高い動作確実性を意味する。というのも、基材が、既に供給胴43上で伸長状態にされるからである。
【0066】
印刷胴22;38と協働する供給胴43の内側に乾燥機07;09が配置されており、乾燥機07;09により、供給胴43から搬送される、たとえば予めプライマが塗布された基材が乾燥されるように設計されてよい。そのような乾燥機07;09は、基材を、たとえばIR放射またはUV放射による照射によりかつ/または熱風により乾燥する。
【0067】
ノンインパクト印刷装置06;37は、各々の機械構造物の好適な態様によれば、それぞれインクジェット印刷装置として構成されている。このようなインクジェット印刷装置は、それぞれ少なくとも1つのノズルビームを有する。少なくとも1つのノズルビームは、印刷機の作業幅にわたって、被印刷物または基材の所定の搬送経路に対して好適には直交方向に延在する。少なくとも1つのノズルビームは、好適には少なくとも1つのノズル列を有する。少なくとも1つのノズル列は、横方向に見て、好適には印刷機の全作業幅および/または少なくとも1つの第1の中心胴、つまり印刷胴22;38の胴中の幅にわたって、たとえば規則的な間隔で、複数のノズル開口、つまりインク吐出開口を有する。これらのノズルは、好適には複数の印刷ヘッドに分配されている。各々の印刷ヘッドの、ノズル開口を包囲する面は、好適にはノズル面と称される。
【0068】
好適には、各々のノズルビームは、少なくとも1つの支持体を有する。支持体に、直接にまたは好適には間接に、たとえば位置決め装置および/または特に位置合わせ装置として構成された結合要素を介して、このノズルビームの印刷ヘッドが取り付けられている。ノズルビーム自体は、好適には、少なくとも1つの作動装置を介して、印刷機器、つまり該当する加工ステーション06のフレームに対して相対的にかつ/または印刷機器の中心胴の回転軸線に対して可動に配置されている。作動装置の作動経路は、第1の態様では、専ら、中心胴の回転軸線に対して半径方向の少なくとも1つの成分を有し、かつさらに好適には専ら中心胴の回転軸線に対して半径方向に配向された作動方向に向いている。作動装置の作動経路は、作動装置の第2の態様では、その全長の少なくとも75%、さらに好適には少なくとも90%にわたって、中心胴の回転軸線に対して平行の方向の少なくとも1つの成分を有し、かつさらに好適には専ら中心胴の回転軸線に対して平行に配向された作動方向に向いている。この場合、作動経路のわずかな部分が、好適にはそれにもかかわらず半径方向に向いており、これにより、印刷ヘッドの損傷が回避される。
【0069】
作動装置による作動運動は、たとえば保守作業および/または洗浄作業および/または1つもしくは複数の印刷ヘッドの個別のまたは群ごとの交換のために印刷ヘッドへのアクセスを可能にするのに役立つ。特に、作動装置を用いた作動運動により、各々の印刷ヘッドに対する洗浄装置の一時的なアクセスを提供することができる。
【0070】
好適には、横方向に相並んで複数の印刷ヘッドが、少なくとも1つのノズルビームに配置されており、印刷ヘッドのノズル面は、たとえば矩形の形状を有するが、さらに好適には台形および/または平行四辺形の形状を有する。通常はそのような個々の印刷ヘッドには、ハウジングの縁にまでノズルが設けられていないので、印刷ヘッドは、横方向に関して重畳して配置しなければならない。少なくとも1つのノズル列は、好適には単一で線形の、ノズルが相並んだ列として構成されているのではなく、全体で複数の単一の、さらに好適には2つの、周方向で相互にずらして配置された、ノズルが相並んだ列が生じる。これについては様々な態様が実現可能である。
【0071】
第1の態様によれば、たとえば少なくとも2つ、さらに好適には正確に2つの、横方向に延在する印刷ヘッド列が、第1の中心胴の周方向で相互にずらして配置されていて、好適には、横方向で連続する印刷ヘッドが、好適には交互に、少なくとも2つの印刷ヘッド列に属し、好適には常に2つの印刷ヘッド列の第1の列と第2の列とに交互に属するように配置されている。そのような2つの印刷ヘッド列は、印刷ヘッドの1つの2重列を形成する。
【0072】
第2の態様によれば、印刷ヘッドは、相互に適合するハウジング形状を有する。たとえば、各々の印刷ヘッドの各々のノズル面、および/または印刷ヘッドの、印刷ヘッドを吐出方向で画定する少なくとも1つの各々の面は、矩形とは異なる形状を有し、特に、好適には対称の台形および/または平行四辺形の形状を有する。これにより、隣り合う印刷ヘッドのノズル面は、横方向に関して重畳し、それにもかかわらず印刷ヘッドを横方向に関して直接に相並んで配置することが可能であり、特に搬送方向Tで相互にずらすことなく配置することができる。そのような印刷ヘッド列は、たとえば斜めに重畳する印刷ヘッド列と称される。
【0073】
特に、少なくとも印刷運転時、少なくとも1つの第1の中心胴に関して周方向で、複数の印刷ヘッド列が、たとえば少なくとも4つの2重列が、さらに好適には少なくとも7つの、印刷ヘッドの2重列が、または好適には少なくとも4つの斜めに重畳する印刷ヘッド列が、さらに好適には少なくとも7つの斜めに重畳する印刷ヘッド列が、相前後して少なくとも1つの第1の中心胴へ向けられて配置されている。
【0074】
各々の印刷ヘッドの2重列または斜めに重畳する印刷ヘッド列に、好適には、被覆剤、特に特定の色の印刷インキが対応付けられているかつ/または対応付け可能であり、たとえば墨、シアン、イエローおよびマゼンタもしくはオレンジ、グリーン、バイオレットの色のうちのそれぞれ1つの色またはラッカ、たとえばクリアラッカが対応付けられているかつ/または対応付け可能である。たとえばそれぞれ1つの被覆剤に、印刷ヘッドの2つの2重列または2つの斜めに重畳する印刷ヘッド列が対応付けられている。少なくとも1つの印刷ヘッドは、被覆剤滴を形成するために、好適にはドロップオンデマンド法に従って作動し、この場合、被覆剤滴は、必要に応じて的確に形成される。
【0075】
通常の印刷運転時、全ての印刷ヘッドは、位置固定に配置されている。これにより、全てのノズルの継続的な色間見当通りのかつ/または表裏見当通りの配向が保証される。作動装置による運動を除いて、印刷ヘッドの所定の位置合わせ運動が必要である様々な状況が存在する。印刷ヘッドのその都度の位置合わせ運動は、好適には少なくとも1つの位置決め装置により行われる。
【0076】
好適には、少なくとも1つの位置決め装置が配置されており、位置決め装置により、少なくとも1つの印刷ヘッドの位置を調整することが可能であり、特に、印刷機器の他の印刷ヘッドにかつ/または同一のノズルビームに属する他の印刷ヘッドに対する位置を、かつ/または横方向に関する位置を、かつ/またはノズル吐出方向に対して平行に配向された揺動軸線に関する位置を調整することができる。好適には、複数の位置決め装置が配置されている。たとえば、各々の印刷ヘッドに、独自の位置決め装置が対応付けられている。しかし好適には、少なくとも1つのその種の位置決め装置が複数の印刷ヘッドに共通して対応付けられていて、特に、複数の印刷ヘッドが共通して、印刷ヘッドに対応付けられた共通の位置決め装置により、位置を調整することが可能であり、特に共通のノズルビームに対して相対的なかつ/またはこの共通のノズルビームに配置された別の印刷ヘッドに対して相対的な位置を、かつ/または横方向に関する位置を、かつ/またはノズル吐出方向に対して平行に配向された揺動軸線に関する位置を調整することができるように対応付けられている。
【0077】
たとえば、少なくとも1つの位置決め装置が、少なくとも1つの基体を有する。好適には、少なくとも1つの印刷ヘッドが、少なくとも1つの基体に配置されている。さらに好適には、複数の、特に少なくとも3つの、好適には少なくとも4つの印刷ヘッドが、少なくとも1つの基体に配置されている。基体は、好適には一体に構成されている。
【0078】
一方では各々の印刷ヘッドと、他方では基体とは、たとえば少なくとも1つの結合要素を介して結合されている。少なくとも1つの結合要素は、たとえば位置合わせ装置として構成されている。位置合わせ装置により、各々の印刷ヘッドは、好適には基体に対して個別に位置合わせ可能であり、特に手動で、かつ/または横方向に関する位置を、かつ/またはノズル吐出方向に対して平行に配向された揺動軸線に関する位置を位置合わせ可能である。このようにして、好適には複数、特に少なくとも3つ、さらに好適には少なくとも4つの印刷ヘッドが基体に対して相対的に、ひいては相互にも位置合わせ可能である。
【0079】
好適には、複数の、特に少なくとも3つ、さらに好適には少なくとも4つの印刷ヘッドと、基体とは、それぞれ第1の構成群の構成部分である。第1の構成群の印刷ヘッドは、たとえば印刷機器の外側で、基体に対して相対的に、ひいては相互にも位置合わせされている。これにより、印刷ヘッドは、対応する工具により、かつ/または相対的な位置を検出するカメラを利用して、かつ/または基体に対する特に良好なアクセスを有して、ひいては相互にも位置合わせ可能である。これにより、特に正確に位置合わせされた各々の第1の構成群が形成される。
【0080】
好適には、各々のノズルビームは、このような複数の第1の構成群を支持して配置されている。好適には、これらの複数の第1の構成群は、それぞれ独自の位置決め装置を介して、このノズルビームの支持体に対する相対的なその都度の位置を調整することができる。したがって、好適には、支持体に複数の位置決め装置が配置されている。好適には、支持体に、少なくとも間接に位置決め装置を介して、複数の第1の構成群が配置されており、特に複数の位置決め装置を介して、それぞれ支持体に対する相対的な位置を調整することができる。たとえば支持体に、少なくとも間接に位置決め装置を介して、斜めに重畳する2つの印刷ヘッド列の印刷ヘッドが配置されている。
【0081】
この場合、支持体の運動により、支持体に直接にまたは間接に取り付けられた全ての印刷ヘッドを、特に相互の相対的な向きを変えることなく、運動させることができる。
【0082】
最適な印刷結果を得るためにどの印刷ヘッドをまたは印刷ヘッドのどの群をどの程度どの方向へ運動させなければならないかを確定するために、好適には少なくとも1つのテスト印刷像が印刷されて、検査される。結果として、位置決め装置の調整が求められ、次いで、位置決め装置は、手動でかつ/または各々の位置決め駆動装置を用いて調整される。個々の位置合わせ装置の調整は、好適には手動で求められるかつ/または調整されるが、択一的に同様に少なくとも1つのテスト印刷像を介して求めることができる。
【0083】
好適には、少なくとも1つの、第1の印刷像センサとして構成されたセンサが配置されていて、特に被印刷物の搬送経路に沿って、第1の印刷部の後方の所定の箇所に配置されている。少なくとも1つの第1の印刷像センサは、たとえば、第1のラインカメラとしてまたは第1のエリアカメラとして構成されている。少なくとも1つの第1の印刷像センサは、たとえば、少なくとも1つのCCDセンサとしてかつ/または少なくとも1つのCMOSセンサとして構成されている。この少なくとも1つの第1の印刷像センサと、これに対応する評価ユニット、たとえば上位の機械制御装置とにより、好適には、第1の印刷部の、全ての、少なくとも1つの第1の中心胴の周方向で相前後して位置するかつ/または作用する印刷ヘッドおよび/または印刷ヘッドの2重列および/または斜めに重畳する印刷ヘッド列の制御が監視されるかつ/または調整される。少なくとも1つの印刷像センサの第1の態様によれば、第1の印刷像センサだけが配置されており、そのセンサ領域は、被印刷物の搬送経路の全幅を含む。少なくとも1つの印刷像センサの第2の態様によれば、第1の印刷像センサだけが配置されており、第1の印刷像センサは、横方向で可動に構成されている。少なくとも1つの印刷像センサの第3の態様によれば、複数の印刷像センサが配置されており、印刷像センサの各々のセンサ領域は、それぞれ横方向に関して、被印刷物の搬送経路のそれぞれ異なる領域を含む。
【0084】
各々の第1の印刷ヘッドに起源する被覆剤滴により形成される画素の位置は、好適には、少なくとも1つの第1の中心胴の周方向でかつ/または被印刷物の所定の搬送方向Tで各々の第1の印刷ヘッドの後方に配置されてかつ/または印刷ヘッドに対して横方向に配置されて位置する各々の第2の印刷ヘッドに起源する被覆剤滴により形成される画素の位置と比較される。これは、好適には、少なくとも1つの第1の中心胴の周方向で相前後して位置するかつ/または作用するそれぞれ第1の印刷ヘッドと第2の印刷ヘッドとが同一のまたは異なる被覆剤を処理するのか否かにかかわらず行われる。好適には、異なる印刷ヘッドに起源する印刷像の位置の調和が監視される。被覆剤が同一の場合、部分像の表裏見当通りの組み合わせが監視される。被覆剤がそれぞれ異なる場合、色間見当が監視される。好適には、少なくとも1つの印刷像センサの測定値により、印刷像の品質管理も実行される。
【0085】
好適には、少なくとも1つの調整センサが配置されている。さらに好適には、少なくとも2つの調整センサが配置されている。少なくとも1つの調整センサおよび特に少なくとも2つの調整センサは、複数の、たとえば少なくとも4つの印刷ヘッドまたは印刷ヘッド群同士の相対的な調整に関するデータを検出するために用いられる。好適には、少なくとも1つの調整センサまたは少なくとも2つの調整センサは、光学センサである。そのような相対的な調整は、たとえば複数の印刷ヘッドまたは印刷ヘッド群の相対的で幾何学的な位置決めならびに/または特に複数の印刷ヘッドおよび/もしくは印刷ヘッド群の相対的な制御時点、特に滴吐出時点である。相対的な調整は、追加的にまたは択一的に、たとえば、形成された画素の少なくとも1つの色濃度および/または少なくとも1つの網点面積率および/または少なくとも1つの画素の大きさに該当する相対的な調整である。以下、相対的な調整は、幾何学的な位置決めおよび/または制御時点、特に滴吐出時点に関する。しかも記載の装置および/またはプロセスは、矛盾が生じない限りは、別の記載の相対的な調整にも該当する。
【0086】
少なくとも1つの調整センサおよび特に少なくとも2つの調整センサは、好適には、少なくとも位置センサとして構成されている。少なくとも2つの調整センサ、特に位置センサは、たとえばカメラとしてかつ/またはCCDセンサとしてかつ/またはCMOSセンサとして構成されている。少なくとも2つの調整センサ、特に位置センサは、好適には、直接にまたは間接に、それぞれ少なくとも2つの印刷ヘッドおよび/または印刷ヘッド群同士の相対的な位置および/または制御を検出するのに用いられる。好適な間接の検出のために、少なくとも1つの調整センサおよび特に少なくとも2つの調整センサは、好適には被印刷物へ方向付け可能であるかつ/または方向付けられている、かつ/または被印刷物の搬送のために設けられた搬送経路へ方向付けられているかつ/または方向付け可能に配置されている、かつ/または少なくとも1つの引渡し体へ方向付けられているかつ/または方向付け可能に配置されている。
【0087】
好適には、少なくとも一時的に、少なくとも1つの既に予め配置された印刷ヘッド群の目標領域の位置に対して相対的な少なくとも1つの新たにかつ/または再び配置された印刷ヘッドの目標領域のその都度の位置および/または少なくとも1つの既に予め配置された印刷ヘッド群の目標領域の位置に対して相対的な少なくとも1つの新たにかつ/または再び配置された印刷ヘッド群の目標領域のその都度の位置が検出可能である。これは、好適には、共通の調整センサ、特に位置センサを用いて、被印刷物上の、各々の印刷ヘッドにより形成される画素の相対的な位置の比較に基づいて行われる。画素の相対的な位置は、好適には評価ユニット、たとえば上位の機械制御装置により評価される。
【0088】
そのために、少なくとも1つの調整センサとして、たとえば既述の少なくとも1つの第1の印刷像センサが使用される。好適には、既述の少なくとも1つの第1の印刷像センサとは別の調整センサ、たとえばその役割に特化された調整センサが使用される。
【0089】
少なくとも1つの印刷ヘッドおよび/または少なくとも1つの印刷ヘッド群の組付けおよび/または保守および/または交換および/または洗浄の後で、好適には、少なくとも1つのテスト印刷像を形成するためのテスト印刷が行われ、その際、一方では新たにかつ/または再び配置されるべき印刷ヘッドおよび/または新たにかつ/または再び配置されるべき印刷ヘッド群が、他方では基準またはガイド印刷ヘッドとして用いられる少なくとも1つの印刷ヘッドが、印刷インキ滴またはインキ滴を被印刷物または基材へ転移させる。少なくとも1つのテスト印刷像は、好適には自動で少なくとも1つの調整センサ、たとえば第1の印刷像センサを用いて検出される。少なくとも1つのテスト印刷像により記録されたかつ検出された、目標位置からの、少なくとも1つの新たにかつ/または再び配置された印刷ヘッドまたは相応の印刷ヘッド群の実際位置のずれが存在する場合、好適には自動的に、横方向でのかつ/または対応する位置決め装置による揺動位置に関する、この印刷ヘッドまたは印刷ヘッド群の位置の適合、および/または制御時点、特にインク吐出時点に関するこの印刷ヘッドのノズルの制御の適合が行われる。