特許第6599627号(P6599627)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6599627
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】プッシャー式加熱装置
(51)【国際特許分類】
   C21D 1/00 20060101AFI20191021BHJP
   F27B 9/22 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
   C21D1/00 113A
   C21D1/00 112D
   F27B9/22
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-68454(P2015-68454)
(22)【出願日】2015年3月30日
(65)【公開番号】特開2016-188405(P2016-188405A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2018年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596102539
【氏名又は名称】浅部工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】高道 創一
(72)【発明者】
【氏名】浅部 哲也
【審査官】 相澤 啓祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−204064(JP,A)
【文献】 実開昭58−075747(JP,U)
【文献】 実開平07−006688(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21D 1/00
F27B 9/00−9/40
F27D 3/00−5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炉内の処理部に水平の押込方向に沿って縦列状態で配置された複数の被処理物を加熱処理する加熱炉と、
前記処理部の後端側の受入部に間欠的に供給される処理前の被処理物を、前記押込方向に沿って順次前記処理部に押し込み供給するプッシュ機構とを備えたプッシャー式加熱装置であって、
前記プッシュ機構が、前記受入部から前記押込方向の後方側に当該押込方向に沿って延びるように配設された摺動案内部と、長さ方向の一部分が前記押込方向に沿って前記摺動案内部に載置された状態で配設されたチェーンと、前記チェーンにおける前記摺動案内部に載置されている部分を前記押込方向に沿って摺動させるべく、摺動駆動力を前記チェーンに印可する摺動駆動部とを備えて構成され、
前記チェーンが、一対の内プレートと一対の外プレートとが交互になり、且つ、前記一対の内プレート夫々の端部が前記一対の外プレート夫々の端部同士の間に位置して端部同士が重なり合う状態で、列状に配列された複数組の前記一対の内プレート及び複数組の前記一対の外プレートと、重なり合う前記一対の内プレート夫々の端部及び前記一対の外プレート夫々の端部を連結する連結ピンとを備えて構成され、
前記連結ピンの軸芯であるピン軸芯が当該ピン軸芯方向視で直線状に並ぶ状態に対応する前記一対の内プレートと前記一対の外プレートとの配列状態である直線状配列状態から、当該直線状配列方向と前記ピン軸芯方向とに直交するチェーン高さ方向における前記直線状配列方向に対する一方側である相対回転阻止方向への前記ピン軸芯周りでの前記一対の内プレートと前記一対の外プレートとの相対回転を阻止し、且つ、前記チェーン高さ方向における前記直線状配列方向に対する他方側である相対回転許容方向への前記ピン軸芯周りでの前記一対の内プレートと前記一対の外プレートとの相対回転を許容するように係合する係合部が、前記内プレートと前記外プレートとにわたって設けられ、
前記チェーンが、前記ピン軸芯が前記押込方向に直交する水平方向に沿い且つ前記相対回転阻止方向が上向きになる姿勢で前記摺動案内部に載置され、且つ、当該摺動案内部よりも後端側の部分が鉛直方向下方側よりも前記受入部側に位置する屈曲状態で配設されて、前記チェーンの前端により直接的又は間接的に被処理物を前記押込方向に沿って前記処理部に押し込むように構成され
前記内プレートにおける、両側の前記ピン軸芯を結ぶ仮想線であるピン軸芯接続仮想線に対して少なくとも前記相対回転阻止方向側の部分に、前記直線状配列方向で隣り合う2つの前記外プレート同士の間に入り込むように突出する突出部が備えられ、
前記ピン軸芯方向視で、前記内プレートと前記外プレートとが前記直線状配列状態で並ぶ状態において、前記ピン軸芯接続仮想線に対して前記相対回転阻止方向側では、前記外プレートにおける前記内プレートの前記突出部の側に向く係合用端面と、当該係合用端面に対向する前記内プレートの前記突出部の係合用端面とが当接又は近接し、且つ、前記ピン軸芯接続仮想線に対して前記相対回転許容方向側では、前記外プレートの前記係合用端面の前方に、前記相対回転許容方向への前記一対の内プレートと前記一対の外プレートとの相対回転を許容する空間が形成されるように構成され、
前記係合部が、互いに対向する前記内プレートの前記突出部の係合用端面と前記外プレートの係合用端面とにより構成されているプッシャー式加熱装置。
【請求項2】
前記チェーンの前端に、前記一対の内プレートの重量及び前記一対の外プレートの重量よりも重い押し部材が連結されて、当該押し部材を被処理物に押し付けて被処理物を前記処理部に押し込むように構成されている請求項1に記載のプッシャー式加熱装置。
【請求項3】
前記摺動駆動部が、前記押込方向に直交する水平方向に沿う回転軸芯周りに回転自在に、前記受入部に対して前記押込方向の後方側に配設されたスプロケットと、当該スプロケットを回転駆動する回転駆動手段とを備えて構成され、
前記チェーンが、前記スプロケットよりも前端側の部分が前記摺動案内部に載置された状態で、前記スプロケットに巻き掛けられている請求項1又は2に記載のプッシャー式加熱装置。
【請求項4】
前記連結ピンに、前記一対の内プレート同士の間に位置する状態で、ローラが回転自在に支持され、
前記スプロケットの外周部に、前記チェーンの前記ローラ間に噛み込む歯状部と前記ローラが嵌まり込む円弧状の凹部とが、交互に並ぶ状態で並設されている請求項に記載のプッシャー式加熱装置。
【請求項5】
前記チェーンにおける前記スプロケットに巻き掛けられている部分を、前記スプロケットの径方向外方への移動を規制するように案内するガイド部が設けられている請求項4に記載のプッシャー式加熱装置。
【請求項6】
前記ガイド部が、前記一対の内プレート同士の間に入り込んだ状態で、前記ローラに当接又は近接するように配設されて、前記ローラを前記スプロケットの回転に従動して移動自在に摺動案内するガイド部材を備えて構成され、
前記歯状部の高さが、回転に伴って前記ガイド部材と干渉しない高さに設定されている請求項5に記載のプッシャー式加熱装置。
【請求項7】
前記チェーンにおける前記スプロケットに巻き掛けられる部分よりも後端側の部分を、前記受入部の側に折り返した形態にて、下方に傾斜する姿勢で摺動案内する折り返し案内部が設けられている請求項3〜6のいずれか1項に記載のプッシャー式加熱装置。
【請求項8】
炉内の処理部に水平の押込方向に沿って縦列状態で配置された複数の被処理物を加熱処理する加熱炉と、
前記処理部の後端側の受入部に間欠的に供給される処理前の被処理物を、前記押込方向に沿って順次前記処理部に押し込み供給するプッシュ機構とを備えたプッシャー式加熱装置であって、
前記プッシュ機構が、前記受入部から前記押込方向の後方側に当該押込方向に沿って延びるように配設された摺動案内部と、長さ方向の一部分が前記押込方向に沿って前記摺動案内部に載置された状態で配設されたチェーンと、前記チェーンにおける前記摺動案内部に載置されている部分を前記押込方向に沿って摺動させるべく、摺動駆動力を前記チェーンに印可する摺動駆動部とを備えて構成され、
前記チェーンが、一対の内プレートと一対の外プレートとが交互になり、且つ、前記一対の内プレート夫々の端部が前記一対の外プレート夫々の端部同士の間に位置して端部同士が重なり合う状態で、列状に配列された複数組の前記一対の内プレート及び複数組の前記一対の外プレートと、重なり合う前記一対の内プレート夫々の端部及び前記一対の外プレート夫々の端部を連結する連結ピンとを備えて構成され、
前記連結ピンの軸芯であるピン軸芯が当該ピン軸芯方向視で直線状に並ぶ状態に対応する前記一対の内プレートと前記一対の外プレートとの配列状態である直線状配列状態から、当該直線状配列方向と前記ピン軸芯方向とに直交するチェーン高さ方向における前記直線状配列方向に対する一方側である相対回転阻止方向への前記ピン軸芯周りでの前記一対の内プレートと前記一対の外プレートとの相対回転を阻止し、且つ、前記チェーン高さ方向における前記直線状配列方向に対する他方側である相対回転許容方向への前記ピン軸芯周りでの前記一対の内プレートと前記一対の外プレートとの相対回転を許容するように係合する係合部が、前記内プレートと前記外プレートとにわたって設けられ、
前記チェーンが、前記ピン軸芯が前記押込方向に直交する水平方向に沿い且つ前記相対回転阻止方向が上向きになる姿勢で前記摺動案内部に載置され、且つ、当該摺動案内部よりも後端側の部分が鉛直方向下方側よりも前記受入部側に位置する屈曲状態で配設されて、前記チェーンの前端により直接的又は間接的に被処理物を前記押込方向に沿って前記処理部に押し込むように構成され、
前記摺動駆動部が、前記押込方向に直交する水平方向に沿う回転軸芯周りに回転自在に、前記受入部に対して前記押込方向の後方側に配設されたスプロケットと、当該スプロケットを回転駆動する回転駆動手段とを備えて構成され、
前記チェーンが、前記スプロケットよりも前端側の部分が前記摺動案内部に載置された状態で、前記スプロケットに巻き掛けられ、
前記連結ピンに、前記一対の内プレート同士の間に位置する状態で、ローラが回転自在に支持され、
前記スプロケットの外周部に、前記チェーンの前記ローラ間に噛み込む歯状部と前記ローラが嵌まり込む円弧状の凹部とが、交互に並ぶ状態で並設されているプッシャー式加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炉内の処理部に水平の押込方向に沿って縦列状態で配置された複数の被処理物を加熱処理する加熱炉と、処理部の後端側の受入部に間欠的に供給される処理前の被処理物を、押込方向に沿って順次処理部に押し込み供給するプッシュ機構とを備えたプッシャー式加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかるプッシャー式加熱装置の加熱炉は、炉内の処理部に水平の押込方向に沿って複数の被処理物を縦列状態で配置して、バーナにより加熱処理するものである。例えば、セラミックチューブの内部を処理部として、そのセラミックチューブ内に複数の棒鋼などの棒状の被処理物を縦列状態で配置して、バーナにより間接的に加熱するセラミックチューブ加熱炉が知られている。
そして、プッシュ機構により、処理部の後端側の受入部に間欠的に供給される処理前の被処理物が、押込方向に沿って順次処理部に押し込み供給されることにより、処理部の前端側から加熱後の被処理物が一個ずつ間欠的に払い出される構成となっている。
【0003】
ところで、このようなプッシャー式加熱装置では、被処理物を別のものに変更する段取り換えなどの理由で、処理部に配置された複数の被処理物の全量を払い出す全量払出運転が必要となる。
そこで、従来では、全量払出運転を可能にするために、プッシュ機構が以下のように構成されていた。
即ち、プッシュ機構が、少なくとも処理部における押込方向での長さと同じ長さの押し棒と、その押し棒の後端に連結されたチェーンと、受入部における押込み方向の後方側に配設されて、押し棒及びチェーンを押込方向に沿って摺動自在に支持すると共に、チェーンの撓みを規制するガイド部と、押し棒を処理部に進入させるように、押し棒及びチェーンを押込方向に沿って摺動させるべく、摺動駆動力をチェーンに印可する摺動駆動部と、チェーンにおける摺動駆動部により摺動駆動力が印加される部分よりも後端側の部分を、受入部側に折り返した形態にて下方に傾斜する姿勢で摺動案内するチェーン案内部等を備えて構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
そして、押し棒の前端が処理部の前端付近に達するまで、摺動駆動部により押し棒を処理部に進入させることにより、処理部に配置された複数の被処理物の全量を払い出す構成としていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−204064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のプッシャー式加熱装置では、受入部に間欠的に供給される処理前の被処理物を順次処理部に押し込み供給する通常運転時には、押し棒全体を処理部外に配置させて摺動駆動部により摺動駆動することになる。
そこで、チェーンは、その後端側の部分を受入部側に折り返した形態の屈曲状態で配置するにしても、受入部における押込方向の後方側には、押し棒全体及びその押し棒の後端に連なるチェーンの前端側の部分を、押込方向に沿わせて配置するスペースが必要となる。
従って、プッシャー式加熱装置を設置する設置スペースとして、押込方向に沿う方向では、処理部の押込方向に沿う方向での長さの少なくとも2倍以上の長さが必要となり、大きな設置スペースを必要とする問題があった。
【0007】
ところで、押込方向に沿う方向での設置スペースを狭くするために、押し棒の長さを、処理部における押込方向での長さよりも短くすることが考えられる。しかしながら、チェーンを押込方向に沿って押し込んで、被処理物を処理部の前端側に押し込む構造であるので、チェーンの浮き上がりを規制する手段を設けることができない受入部や処理部にチェーンが進入すると、チェーンが上方に浮き上がり易い。従って、押し棒の長さを処理部における押込方向での長さよりも短くすると、被処理物を処理部の後端側に適切に押し込むことができない。
そこで、被処理物を処理部の後端側に適切に押し込むためには、チェーンの浮き上がりが規制されない受入部や処理部に、チェーンが進入しないようにするのが好ましく、処理部に配置された複数の被処理物の全量を払い出すには、押し棒の長さとして、少なくとも処理部における押込方向での長さと同じ長さが必要となるのである。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、処理部に配置された複数の被処理物の全量を払い出すことができながら、省設置スペース化を図り得るプッシャー式加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係るプッシャー式加熱装置は、炉内の処理部に水平の押込方向に沿って縦列状態で配置された複数の被処理物を加熱処理する加熱炉と、
前記処理部の後端側の受入部に間欠的に供給される処理前の被処理物を、前記押込方向に沿って順次前記処理部に押し込み供給するプッシュ機構とを備えたプッシャー式加熱装置であって、その特徴構成は、
前記プッシュ機構が、前記受入部から前記押込方向の後方側に当該押込方向に沿って延びるように配設された摺動案内部と、長さ方向の一部分が前記押込方向に沿って前記摺動案内部に載置された状態で配設されたチェーンと、前記チェーンにおける前記摺動案内部に載置されている部分を前記押込方向に沿って摺動させるべく、摺動駆動力を前記チェーンに印可する摺動駆動部とを備えて構成され、
前記チェーンが、一対の内プレートと一対の外プレートとが交互になり、且つ、前記一対の内プレート夫々の端部が前記一対の外プレート夫々の端部同士の間に位置して端部同士が重なり合う状態で、列状に配列された複数組の前記一対の内プレート及び複数組の前記一対の外プレートと、重なり合う前記一対の内プレート夫々の端部及び前記一対の外プレート夫々の端部を連結する連結ピンとを備えて構成され、
前記連結ピンの軸芯であるピン軸芯が当該ピン軸芯方向視で直線状に並ぶ状態に対応する前記一対の内プレートと前記一対の外プレートとの配列状態である直線状配列状態から、当該直線状配列方向と前記ピン軸芯方向とに直交するチェーン高さ方向における前記直線状配列方向に対する一方側である相対回転阻止方向への前記ピン軸芯周りでの前記一対の内プレートと前記一対の外プレートとの相対回転を阻止し、且つ、前記チェーン高さ方向における前記直線状配列方向に対する他方側である相対回転許容方向への前記ピン軸芯周りでの前記一対の内プレートと前記一対の外プレートとの相対回転を許容するように係合する係合部が、前記内プレートと前記外プレートとにわたって設けられ、
前記チェーンが、前記ピン軸芯が前記押込方向に直交する水平方向に沿い且つ前記相対回転阻止方向が上向きになる姿勢で前記摺動案内部に載置され、且つ、当該摺動案内部よりも後端側の部分が鉛直方向下方側よりも前記受入部側に位置する屈曲状態で配設されて、前記チェーンの前端により直接的又は間接的に被処理物を前記押込方向に沿って前記処理部に押し込むように構成され
前記内プレートにおける、両側の前記ピン軸芯を結ぶ仮想線であるピン軸芯接続仮想線に対して少なくとも前記相対回転阻止方向側の部分に、前記直線状配列方向で隣り合う2つの前記外プレート同士の間に入り込むように突出する突出部が備えられ、
前記ピン軸芯方向視で、前記内プレートと前記外プレートとが前記直線状配列状態で並ぶ状態において、前記ピン軸芯接続仮想線に対して前記相対回転阻止方向側では、前記外プレートにおける前記内プレートの前記突出部の側に向く係合用端面と、当該係合用端面に対向する前記内プレートの前記突出部の係合用端面とが当接又は近接し、且つ、前記ピン軸芯接続仮想線に対して前記相対回転許容方向側では、前記外プレートの前記係合用端面の前方に、前記相対回転許容方向への前記一対の内プレートと前記一対の外プレートとの相対回転を許容する空間が形成されるように構成され、
前記係合部が、互いに対向する前記内プレートの前記突出部の係合用端面と前記外プレートの係合用端面とにより構成されている点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、チェーンが、直線状配列状態からチェーン高さ方向における一方側の相対回転阻止方向への撓みが阻止され、且つ、チェーン高さ方向における他方側の相対回転許容方向への撓みが許容される構造であるので、そのチェーンを、長さ方向の一部分を相対回転阻止方向が上向きになる直線状配列状態で摺動案内部に載置し、且つ、摺動案内部よりも後端側の部分を鉛直方向下方側よりも受入部側に位置する屈曲状態で配設することができる。
そして、摺動駆動部により、チェーンにおける摺動案内部に載置されている部分を押込方向に沿って摺動させるように、チェーンに摺動駆動力を印加すると、チェーンの処理部に進入する部分及び摺動案内部に載置されている部分が直線状配列状態に保持された状態で、チェーンを処理部に進入させることができるので、チェーンの前端により、直接的又は間接的に処理部の複数の被処理物を処理部の前端に向けて押すことができる。
【0011】
つまり、従来における押し棒の全体又は大部分をチェーンに置き換えても、チェーンの浮き上がりを回避して、被処理物を処理部の後端側に適切に押し込むことができる。
例えば、チェーンにより直接的に被処理物を押す場合は、チェーンの長さを、摺動駆動部による摺動駆動によって前端を少なくとも処理部の前端付近に到達させることが可能な長さに設定すると、処理部に配置された複数の被処理物の全量を払い出すことができる。
このようにチェーンの長さを設定しても、チェーンは、後端側の部分が鉛直方向下方側よりも受入部側に位置する屈曲状態で配置するので、摺動案内部における押込方向に沿う方向での長さを、処理部の押込方向に沿う方向での長さよりも短くすると、押込方向に沿う方向でのプッシャー式加熱装置の設置スペースを、処理部の押込方向に沿う方向での長さの2倍よりも短くすることができる。
従って、処理部に配置された複数の被処理物の全量を払い出すことができながら、省設置スペース化を図り得るプッシャー式加熱装置を提供することができる。
【0013】
又、上記特徴構成によれば、内プレートと外プレートとが直線状配列状態で並ぶ状態において、ピン軸芯接続仮想線に対して相対回転阻止方向側では、外プレートの係合用端面と内プレートの突出部の係合用端面とが当接又は近接し、ピン軸芯接続仮想線に対して相対回転許容方向側では、外プレートの係合用端面の前方に空間が形成されるので、チェーンの相対回転阻止方向側への撓みが阻止され、相対回転許容方向への撓みが許容される。
【0014】
そして、チェーンのうち処理部に進入している部分及び摺動案内部に載置されている部分では、内プレートにかかる重力によって、内プレートの突出部における両側夫々の係合用端面と、内プレートの両側に連結された外プレート夫々の係合用端面とを近づけるように力が作用する。それによって、チェーンのうち処理部に進入している部分及び摺動案内部に載置されている部分が、一層しっかりと直線状配列状態に保持された状態で、摺動案内部や処理部を摺動するので、処理部に配置された複数の被処理物を的確に押すことができる。
従って、処理部に配置された複数の被処理物の全量を一層スムーズに払い出すことができる。
【0015】
本発明に係るプッシャー式加熱装置の更なる特徴構成は、前記チェーンの前端に、前記一対の内プレートの重量及び前記一対の外プレートの重量よりも重い押し部材が連結されて、当該押し部材を被処理物に押し付けて被処理物を前記処理部に押し込むように構成されている点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、チェーンの前端に連結されている押し部材の重量が、一対の内プレートの重量及び一対の外プレートの重量よりも重いことから、チェーンを摺動駆動して、押し部材を被処理物に押し付けて被処理物を処理部に押し込む際に、押し部材の浮き上がりを十分に抑制することができる。それによって、チェーンのうち処理部に進入している部分及び摺動案内部に載置されている部分が、更にしっかりと直線状配列状態に保持された状態で、摺動案内部や処理部を摺動するので、処理部に配置された複数の被処理物を的確に押すことができる。
従って、処理部に配置された複数の被処理物の全量を一層スムーズに払い出すことができる。
【0017】
本発明に係るプッシャー式加熱装置の更なる特徴構成は、前記摺動駆動部が、前記押込方向に直交する水平方向に沿う回転軸芯周りに回転自在に、前記受入部に対して前記押込方向の後方側に配設されたスプロケットと、当該スプロケットを回転駆動する回転駆動手段とを備えて構成され、
前記チェーンが、前記スプロケットよりも前端側の部分が前記摺動案内部に載置された状態で、前記スプロケットに巻き掛けられている点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、チェーンがスプロケットに巻き掛けられると共に、そのスプロケットよりも前端側の部分が摺動案内部に載置された状態で、スプロケットが回転駆動手段により回転駆動されることにより、チェーンに摺動駆動力が印加される構成であるので、チェーンに的確に摺動駆動力を印加することができる。そこで、チェーンのスプロケットよりも後端側の部分をより一層受入部側に位置するように折り返して、チェーンの屈曲状態の曲り度を大きくしても、チェーンに的確に摺動駆動力を印加することができる。
【0019】
つまり、押込方向に沿う方向での設置スペースをより一層短くすべく、摺動案内部における押込方向に沿う方向での長さをより一層短くすることにより、チェーンのスプロケットよりも後端側の部分が長くなっても、その部分を受入部側に大きく折り返すことにより、プッシャー式加熱装置の高さが高くなるのを十分に抑制することができる。
従って、プッシャー式加熱装置の高さが高くなるのを十分に抑制しながら、より一層省設置スペース化を図ることができる。
【0020】
本発明に係るプッシャー式加熱装置の更なる特徴構成は、前記連結ピンに、前記一対の内プレート同士の間に位置する状態で、ローラが回転自在に支持され、
前記スプロケットの外周部に、前記チェーンの前記ローラ間に噛み込む歯状部と前記ローラが嵌まり込む円弧状の凹部とが、交互に並ぶ状態で並設されている点にある。
【0021】
上記特徴構成によれば、連結ピンに回転自在に支持されたローラが円弧状の凹部に嵌まり込むと共に、ローラ間に歯状部が噛み込んだ状態で、チェーンがスプロケットに巻き掛けられているので、スプロケットの凹部に嵌まり込んでいるローラが回転しながら、チェーンがスプロケットにより受入部に向けて送り出される。それによって、チェーンが受入部に向けてスムーズに送り出されるので、チェーンのうち処理部に進入している部分及び摺動案内部に載置されている部分が、更にしっかりと直線状配列状態に保持された状態で、摺動案内部や処理部を摺動するので、処理部に配置された複数の被処理物を的確に押すことができる。
従って、処理部に配置された複数の被処理物の全量を一層スムーズに払い出すことができる。
【0022】
本発明に係るプッシャー式加熱装置の更なる特徴構成は、前記チェーンにおける前記スプロケットに巻き掛けられている部分を、前記スプロケットの径方向外方への移動を規制するように案内するガイド部が設けられている点にある。
【0023】
上記特徴構成によれば、チェーンがスプロケットにより受入部に向けて送り出される際に、ガイド部により、チェーンがスプロケットから浮き上がるのが防止されるので、チェーンが受入部に向けて一層スムーズに送り出される。それによって、チェーンのうち処理部に進入している部分及び摺動案内部に載置されている部分が、更にしっかりと直線状配列状態に保持された状態で、摺動案内部や処理部を摺動するので、処理部に配置された複数の被処理物を的確に押すことができる。
従って、処理部に配置された複数の被処理物の全量を一層スムーズに払い出すことができる。
【0024】
本発明に係るプッシャー式加熱装置の更なる特徴構成は、前記ガイド部が、前記一対の内プレート同士の間に入り込んだ状態で、前記ローラに当接又は近接するように配設されて、前記ローラを前記スプロケットの回転に従動して移動自在に摺動案内するガイド部材を備えて構成され、
前記歯状部の高さが、回転に伴って前記ガイド部材と干渉しない高さに設定されている点にある。
【0025】
上記特徴構成によれば、スプロケットからのチェーンの浮き上がりを確実に規制すべく、ガイド部を構成するガイド部材をローラに当接又は近接するように配設しても、ローラが回転自在であると共に、歯状部の高さがガイド部材と干渉しない高さに設定されているので、スプロケットによって、チェーンを受入部に向けてスムーズに送り出すことができる。それによって、チェーンのうち処理部に進入している部分及び摺動案内部に載置されている部分が、更にしっかりと直線状配列状態に保持された状態で、摺動案内部や処理部を摺動するので、処理部に配置された複数の被処理物を的確に押すことができる。
従って、処理部に配置された複数の被処理物の全量を一層スムーズに払い出すことができる。
【0026】
本発明に係るプッシャー式加熱装置の更なる特徴構成は、前記チェーンにおける前記スプロケットに巻き掛けられる部分よりも後端側の部分を、前記受入部の側に折り返した形態にて、下方に傾斜する姿勢で摺動案内する折り返し案内部が設けられている点にある。
【0027】
上記特徴構成によれば、チェーンにおけるスプロケットよりも後端側の受入部の側に折り返した部分が、折り返し案内部によって下方に傾斜する姿勢で摺動案内されるので、スムーズに移動する。そこで、チェーンのスプロケットよりも後端側の部分をより一層受入部側に位置するように折り返して、チェーンの屈曲状態の曲り度を大きくしても、スプロケットによって、チェーンを受入部に向けてスムーズに送り出すことができる。
従って、プッシャー式加熱装置の高さが高くなるのを更に抑制しながら、一層省設置スペース化を図ることができる。
上記目的を達成するための本発明に係るプッシャー式加熱装置は、炉内の処理部に水平の押込方向に沿って縦列状態で配置された複数の被処理物を加熱処理する加熱炉と、
前記処理部の後端側の受入部に間欠的に供給される処理前の被処理物を、前記押込方向に沿って順次前記処理部に押し込み供給するプッシュ機構とを備えたプッシャー式加熱装置であって、その特徴構成は、
前記プッシュ機構が、前記受入部から前記押込方向の後方側に当該押込方向に沿って延びるように配設された摺動案内部と、長さ方向の一部分が前記押込方向に沿って前記摺動案内部に載置された状態で配設されたチェーンと、前記チェーンにおける前記摺動案内部に載置されている部分を前記押込方向に沿って摺動させるべく、摺動駆動力を前記チェーンに印可する摺動駆動部とを備えて構成され、
前記チェーンが、一対の内プレートと一対の外プレートとが交互になり、且つ、前記一対の内プレート夫々の端部が前記一対の外プレート夫々の端部同士の間に位置して端部同士が重なり合う状態で、列状に配列された複数組の前記一対の内プレート及び複数組の前記一対の外プレートと、重なり合う前記一対の内プレート夫々の端部及び前記一対の外プレート夫々の端部を連結する連結ピンとを備えて構成され、
前記連結ピンの軸芯であるピン軸芯が当該ピン軸芯方向視で直線状に並ぶ状態に対応する前記一対の内プレートと前記一対の外プレートとの配列状態である直線状配列状態から、当該直線状配列方向と前記ピン軸芯方向とに直交するチェーン高さ方向における前記直線状配列方向に対する一方側である相対回転阻止方向への前記ピン軸芯周りでの前記一対の内プレートと前記一対の外プレートとの相対回転を阻止し、且つ、前記チェーン高さ方向における前記直線状配列方向に対する他方側である相対回転許容方向への前記ピン軸芯周りでの前記一対の内プレートと前記一対の外プレートとの相対回転を許容するように係合する係合部が、前記内プレートと前記外プレートとにわたって設けられ、
前記チェーンが、前記ピン軸芯が前記押込方向に直交する水平方向に沿い且つ前記相対回転阻止方向が上向きになる姿勢で前記摺動案内部に載置され、且つ、当該摺動案内部よりも後端側の部分が鉛直方向下方側よりも前記受入部側に位置する屈曲状態で配設されて、前記チェーンの前端により直接的又は間接的に被処理物を前記押込方向に沿って前記処理部に押し込むように構成され、
前記摺動駆動部が、前記押込方向に直交する水平方向に沿う回転軸芯周りに回転自在に、前記受入部に対して前記押込方向の後方側に配設されたスプロケットと、当該スプロケットを回転駆動する回転駆動手段とを備えて構成され、
前記チェーンが、前記スプロケットよりも前端側の部分が前記摺動案内部に載置された状態で、前記スプロケットに巻き掛けられ、
前記連結ピンに、前記一対の内プレート同士の間に位置する状態で、ローラが回転自在に支持され、
前記スプロケットの外周部に、前記チェーンの前記ローラ間に噛み込む歯状部と前記ローラが嵌まり込む円弧状の凹部とが、交互に並ぶ状態で並設されている点にある。
上記特徴構成によれば、チェーンが、直線状配列状態からチェーン高さ方向における一方側の相対回転阻止方向への撓みが阻止され、且つ、チェーン高さ方向における他方側の相対回転許容方向への撓みが許容される構造であるので、そのチェーンを、長さ方向の一部分を相対回転阻止方向が上向きになる直線状配列状態で摺動案内部に載置し、且つ、摺動案内部よりも後端側の部分を鉛直方向下方側よりも受入部側に位置する屈曲状態で配設することができる。
そして、摺動駆動部により、チェーンにおける摺動案内部に載置されている部分を押込方向に沿って摺動させるように、チェーンに摺動駆動力を印加すると、チェーンの処理部に進入する部分及び摺動案内部に載置されている部分が直線状配列状態に保持された状態で、チェーンを処理部に進入させることができるので、チェーンの前端により、直接的又は間接的に処理部の複数の被処理物を処理部の前端に向けて押すことができる。
つまり、従来における押し棒の全体又は大部分をチェーンに置き換えても、チェーンの浮き上がりを回避して、被処理物を処理部の後端側に適切に押し込むことができる。
例えば、チェーンにより直接的に被処理物を押す場合は、チェーンの長さを、摺動駆動部による摺動駆動によって前端を少なくとも処理部の前端付近に到達させることが可能な長さに設定すると、処理部に配置された複数の被処理物の全量を払い出すことができる。
このようにチェーンの長さを設定しても、チェーンは、後端側の部分が鉛直方向下方側よりも受入部側に位置する屈曲状態で配置するので、摺動案内部における押込方向に沿う方向での長さを、処理部の押込方向に沿う方向での長さよりも短くすると、押込方向に沿う方向でのプッシャー式加熱装置の設置スペースを、処理部の押込方向に沿う方向での長さの2倍よりも短くすることができる。
従って、処理部に配置された複数の被処理物の全量を払い出すことができながら、省設置スペース化を図り得るプッシャー式加熱装置を提供することができる。
又、上記特徴構成によれば、チェーンがスプロケットに巻き掛けられると共に、そのスプロケットよりも前端側の部分が摺動案内部に載置された状態で、スプロケットが回転駆動手段により回転駆動されることにより、チェーンに摺動駆動力が印加される構成であるので、チェーンに的確に摺動駆動力を印加することができる。そこで、チェーンのスプロケットよりも後端側の部分をより一層受入部側に位置するように折り返して、チェーンの屈曲状態の曲り度を大きくしても、チェーンに的確に摺動駆動力を印加することができる。
つまり、押込方向に沿う方向での設置スペースをより一層短くすべく、摺動案内部における押込方向に沿う方向での長さをより一層短くすることにより、チェーンのスプロケットよりも後端側の部分が長くなっても、その部分を受入部側に大きく折り返すことにより、プッシャー式加熱装置の高さが高くなるのを十分に抑制することができる。
従って、プッシャー式加熱装置の高さが高くなるのを十分に抑制しながら、より一層省設置スペース化を図ることができる。
又、上記特徴構成によれば、連結ピンに回転自在に支持されたローラが円弧状の凹部に嵌まり込むと共に、ローラ間に歯状部が噛み込んだ状態で、チェーンがスプロケットに巻き掛けられているので、スプロケットの凹部に嵌まり込んでいるローラが回転しながら、チェーンがスプロケットにより受入部に向けて送り出される。それによって、チェーンが受入部に向けてスムーズに送り出されるので、チェーンのうち処理部に進入している部分及び摺動案内部に載置されている部分が、更にしっかりと直線状配列状態に保持された状態で、摺動案内部や処理部を摺動するので、処理部に配置された複数の被処理物を的確に押すことができる。
従って、処理部に配置された複数の被処理物の全量を一層スムーズに払い出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】プッシャー式加熱装置の概略構成、及び、通常供給運転時における被処理物の押込み前の状態を示す図
図2】プッシュ機構の要部の側面図
図3】プッシュ機構の要部の横断平面図
図4】チェーンの分解斜視図
図5】(a)は図2のV(a)−V(a)矢視図、(b)は図2のV(b)−V(b)矢視図
図6図2のVI−VI矢視図
図7】プッシャー式加熱装置の通常供給運転時における被処理物の押込み後の状態を示す図
図8】プッシャー式加熱装置の全量払出運転時における初期状態を示す図
図9】プッシャー式加熱装置の全量払出運転時における中期状態を示す図
図10】プッシャー式加熱装置の全量払出運転時における終期状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
図1に示すように、プッシャー式加熱装置は、炉内1の処理部4に水平の押込方向(図示において水平右方向)に沿って縦列状態で配置された複数の被処理物Wを加熱処理する加熱炉2と、炉内1を加熱するバーナ5と、処理部4の後端側の受入部6に間欠的に供給される処理前の被処理物Wを、押込方向に沿って順次処理部4に押し込み供給するプッシュ機構Mと、このプッシャー式加熱装置の運転を制御する制御部7等を備えて構成されている。
加熱炉2は、鍛造炉などに利用されるセラミックチューブ炉として構成されており、バーナ5にて加熱される炉内1にセラミックチューブ3が水平配置され、このセラミックチューブ3の内部が処理部4とされている。また、当該処理部4には、棒鋼などの棒状の被処理物Wの複数が、水平の縦列状態で配置されている。そして、処理部4に配置された複数の被処理物Wがバーナ5により間接的に加熱される。
【0030】
加熱炉2には、複数(例えば10本)のセラミックチューブ3が押込方向に直交する水平方向(図示の奥行き方向)において並列配置されている(図示省略)。つまり、炉内1に、複数(例えば10本)の処理部4が図示の奥行き方向に並列配置されている(図示省略)。
このセラミックチューブ3は、長さが約1500mmとされており、この単一のセラミックチューブ3の内部に形成される処理部4には長さ約150mmの被処理物Wが約10個縦列配置されることになる。尚、これら寸法や被処理物Wの配置個数等については、適宜改変可能であり、本実施形態の図面では、説明を簡単にするために、部位により縮尺を変更して表し、処理部4に配置されている被処理物Wの配置個数を4個としている。
又、加熱炉2に設けられるバーナ5としては、公知の交番燃焼式バーナが用いられており、詳細な説明は割愛するが、一対の通気路を設けて給気と排気を交互に切り替えながら、その夫々の通気路に対して設けられた一対のバーナノズルにおいて給気のタイミングに合わせて燃料ガスを噴出させて燃焼させるように構成されている。
【0031】
図示を省略するが、プッシュ機構Mは、上述したように並列配置された複数のセラミックチューブ3の夫々に対して各別に設けられている。
そして、複数の処理部4の後端部には、図示の奥行き方向に複数の被処理物Wを隣り合う処理部4同士の間の間隔をあけて縦列配置して搬送するコンベヤ等からなる供給装置8が配置されており、この供給装置8により処理前の被処理物Wが各処理部4の後端側の受入部6に間欠的に供給される。
即ち、供給装置8のコンベア上における各処理部4の後端に対応する部分が、各処理部4に対応する受入部6になる。
【0032】
更に、処理部4の前端側には、エアシリンダ9により摺動駆動されて処理部4の前端部から突出した被処理物Wを突き落とす突落し棒10と、この突落し棒10で落下された被処理物Wを案内する払出部11とが配置されている。
【0033】
次に、プッシュ機構Mについて説明を加える。
図1に示すように、プッシュ機構Mは、受入部6から押込方向の後方側に当該押込方向に沿って延びるように配設された摺動案内部20と、前端から処理部4に進入可能に押込方向に沿って摺動自在なように、長さ方向の一部分が押込方向に沿って摺動案内部20に載置された状態で配設されたチェーン30と、チェーン30における摺動案内部20に載置されている部分を押込方向に沿って摺動させるべく、摺動駆動力をチェーン30に印可する摺動駆動部40とを備えて構成されている。
【0034】
図2図4に示すように、チェーン30は、一対の内プレート31と一対の外プレート32とが交互になり、且つ、一対の内プレート31夫々の端部が一対の外プレート32夫々の端部同士の間に位置して端部同士が重なり合う状態で、列状に配列された複数組の一対の内プレート31及び複数組の一対の外プレート32と、重なり合う一対の内プレート31夫々の端部及び一対の外プレート32夫々の端部を連結する連結ピン34とを備えて構成される。
この実施形態では、連結ピン34に、一対の内プレート31夫々の端部同士の間に位置する状態で、ローラ33が回転自在に支持されている。
【0035】
又、連結ピン34の軸芯であるピン軸芯Aが当該ピン軸芯A方向視で直線状に並ぶ状態に対応する一対の内プレート31と一対の外プレートとの配列状態である直線状配列状態から、当該直線状配列方向Rとピン軸芯A方向とに直交するチェーン高さ方向Dにおける直線状配列方向Rに対する一方側である相対回転阻止方向Dnへのピン軸芯A周りでの一対の内プレート31と一対の外プレート32との相対回転を阻止し、且つ、チェーン高さ方向Dにおける直線状配列方向Rに対する他方側である相対回転許容方向Daへのピン軸芯A周りでの一対の内プレート31と一対の外プレート32との相対回転を許容するように係合する係合部35が、内プレート31と外プレート32とにわたって設けられている。
【0036】
そして、図1及び図2に示すように、チェーン30が、その長さ方向における一部分が、ピン軸芯Aが図示の奥行き方向(押込方向に直交する水平方向の一例)に沿い且つ相対回転阻止方向Dnが上向きになる姿勢で摺動案内部20に載置され、且つ、当該摺動案内部20よりも後端側の部分が鉛直方向下方側よりも受入部6側に位置する屈曲状態で配設されて、チェーン30の前端により直接的又は間接的に被処理物Wを押込方向に沿って処理部4に押し込むように構成されている。
【0037】
図1及び図2に示すように、この実施形態では、摺動駆動部40が、図示の奥行き方向(押込方向に直交する水平方向の一例)に沿う回転軸芯P周りに回転自在に、受入部6に対して押込方向の後方側に配設されたスプロケット41と、当該スプロケット41を回転駆動するモータ42(回転駆動手段の一例)とを備えて構成され、チェーン30が、スプロケット41よりも前端側の部分が摺動案内部20に載置された状態で、スプロケット41に巻き掛けられている。
スプロケット41は、軸部43に対してベアリング(図示せず)を介して回転自在に支持されている。即ち、この軸部43は、固定軸として設けられており、図示の奥行き方向において並列配置された別のプッシュ機構Mと共通で利用されている。
【0038】
図1に示すように、摺動駆動部40には、更に、モータ42の回転速度を減速する減速機44、モータ42と減速機44とを伝動連結するチェーン45、減速機44とスプロケット41とを伝動連結するチェーン46、及び、減速機44の入力側の回転位相を検出するエンコーダ47等が設けられている。
【0039】
又、チェーン30におけるスプロケット41に巻き掛けられている部分を、スプロケット41の径方向外方への移動を規制するように案内するガイド部50、及び、チェーン30におけるスプロケット41に巻き掛けられる部分よりも後端側の部分を、受入部6の側に折り返した形態にて、下方に傾斜する姿勢で摺動案内する折り返し案内部60が設けられている。
【0040】
次に、プッシュ機構Mの各部について、詳細に説明する。
先ず、チェーン30について詳細に説明する。
内プレート31、外プレート32、ローラ33及び連結ピン34等、チェーン30を構成する部材は、全て、耐熱鋼(例えば、ステンレス鋼)製である。
図2図4に示すように、外プレート32は、長さ方向両側に連結ピン34を挿通するピン挿通孔32hを厚さ方向に貫通する状態で有する板状に構成されている。そして、その外プレート32の長さ方向両側の端面32sは、夫々、ピン挿通孔32hの軸芯方向視において、2つのピン挿通孔32hの軸芯(連結ピン34のピン軸芯Aに一致)を結ぶ仮想線であるピン軸芯接続仮想線Lに対する一方側の部分は、ピン軸芯接続仮想線Lに直交する平面に構成され、他方側の部分は、ピン軸芯Aを中心とする円弧状の曲面に構成されている。
【0041】
図2図4に示すように、内プレート31は、長さ方向両側に連結ピン34を挿通するピン挿通孔31hを厚さ方向に貫通する状態で有する板状に構成されている。そして、内プレート31には、配列方向で隣り合う2つの外プレート32同士の間に入り込むように突出する突出部31pが備えられている。
この実施形態では、突出部31pは、ピン挿通孔31hの軸芯方向視で矩形状であり、内プレート31における高さ方向(チェーン高さ方向Dに一致)の全域にわたる状態で備えられている。
【0042】
内プレート31の突出部31pにおける長さ方向両側の端面31s夫々と、その両側の直線状配列状態の外プレート32夫々の端面32sとは対向し、この互いに対向する内プレート31の端面31s、外プレート32の端面32sは、夫々、係合用端面とされる。
そして、内プレート31の突出部31pにおける長さ方向両側の係合用端面31sにおいて、2つのピン挿通孔31hの軸芯(連結ピン34のピン軸芯Aに一致)を結ぶ仮想線であるピン軸芯接続仮想線Lに対して相対回転阻止方向Dn側の部分は、その両側の直線状配列状態の外プレート32の係合用端面32sにおける平面状部分に略当接するように構成されている。
又、内プレート31の突出部31pにおける長さ方向両側の係合用端面31sにおいて、ピン軸芯接続仮想線Lに対して相対回転許容方向Da側の部分は、その両側の直線状配列状態の外プレート32の係合用端面32sにおける曲面状部分との間に、相対回転許容方向Daへの一対の内プレート31と一対の外プレート32との相対回転を許容する隙間が形成されるように構成されている。
【0043】
図2及び図3に示すように、上述のように構成された一対の内プレート31の複数組と一対の外プレート32の複数組が、一対の内プレート31と一対の外プレート32とが交互になり、且つ、一対の内プレート31夫々の端部が一対の外プレート32夫々の端部同士の間に位置して端部同士が重なり合う状態で、列状に配列されると共に、一対の内プレート31夫々の端部及び一対の外プレート32夫々の端部が、夫々のピン挿通孔31h、32hに挿通されて、一対の内プレート31夫々の端部同士の間にローラ33を回転自在に支持する連結ピン34により連結されて、チェーン30が構成される。
【0044】
上述のように構成されたチェーン30では、内プレート31と外プレート32とが直線状配列状態で並ぶ状態において、外プレート32の係合用端面32sの平面状部分が内プレート31の係合用端面31sに略当接した状態となっているので、ピン軸芯A周りにおける相対回転阻止方向Dnへの内プレート31と外プレート32との相対回転が阻止され、外プレート32の係合用端面32sの曲面状部分は内プレート31の係合用端面31sと離間しているので、ピン軸芯A周りにおける相対回転許容方向Daへの内プレート31と外プレート32との相対回転が許容される。
【0045】
つまり、内プレート31における、両側のピン軸芯Aを結ぶ仮想線であるピン軸芯接続仮想線Lに対して少なくとも相対回転阻止方向Dn側の部分に、直線状配列方向で隣り合う2つの外プレート32同士の間に入り込むように突出する突出部31pが備えられている。
そして、ピン軸芯A方向視で、内プレート31と外プレート32とが直線状配列状態で並ぶ状態において、ピン軸芯接続仮想線Lに対して相対回転阻止方向Dn側では、外プレート32における内プレート31の突出部31pの側に向く係合用端面32sと、当該係合用端面32sに対向する内プレート31の突出部31pの係合用端面31sとが当接又は近接し、且つ、ピン軸芯接続仮想線Lに対して相対回転許容方向Da側では、外プレート32の係合用端面32sの前方に、相対回転許容方向Daへの一対の内プレート31と一対の外プレート32との相対回転を許容する空間が形成されるように構成されている。
尚、係合用端面32sの前方における「前方」は、「外プレート32のピン軸芯Aに直交する方向の先方」と同義である。
要するに、係合部35が、互いに対向する内プレート31の突出部31pの係合用端面31sと外プレート32の係合用端面32sとにより構成されていることになる。
【0046】
図1図3に示すように、チェーン30の前端には、一対の外プレート32が連結され、そのチェーン30の前端の一対の外プレート32に、一対の内プレート31の重量及び一対の外プレート32の重量よりも重い押し部材12が、一対の内プレート31が連結されるのと同様の構造にて連結されている。
即ち、押し部材12は、チェーン30を構成する部材と同様の耐熱鋼により、横断面形状が矩形状の棒状に構成されている。図2及び図3に示すように、押し部材12の幅は、一対の内プレート31の突出部31p同士の外々の幅と略同幅であり、その後端に、内プレート31と同じ厚さの一対の矩形板状の突出片12pが、一対の内プレート31同士の間隔と同間隔をあけて備えられている。各突出片12pには、内プレート31のピン挿通孔31hと同径のピン挿通孔12hが設けられている。
【0047】
そして、押し部材12が、その一対の突出片12pを一対の外プレート32夫々の端部同士の間に位置させた状態で、一対の外プレート32の前端に配置され、一対の突出片12p及び一対の外プレート32夫々の端部が、夫々のピン挿通孔12h、32hに挿通されて、一対の突出片12p夫々の端部同士の間にローラ33を回転自在に支持する連結ピン34により連結されている。
【0048】
押し部材12が、上述のように一対の外プレート32の前端に連結されて、その長さ方向をピン軸芯接続仮想線Lに沿わせて配列された状態では、押し部材12における各突出片12pの根元から外方に延びる端面である係合用端面12sは、ピン軸芯A方向視において、ピン軸芯接続仮想線Lに直交し、且つ、外プレート32の係合用端面32sの平面状部分に略当接する状態となるように構成される。
そして、外プレート32の係合用端面32sの平面状部分が押し部材12の係合用端面12sに略当接した状態となっているので、ピン軸芯A周りにおける相対回転阻止方向Dnへの外プレート32と押し部材12との相対回転が阻止され、外プレート32の係合用端面32sの曲面状部分は押し部材12の係合用端面12sと離間しているので、ピン軸芯A周りにおける相対回転許容方向Daへの外プレート32と押し部材12との相対回転が許容される。
つまり、互いに対向する外プレート32の係合用端面32sと押し部材12の係合用端面12sとによっても、係合部35が構成される。
【0049】
図2及び図5(a)に示すように、摺動案内部20は、チェーン30における一対の内プレート31同士の間に入り込むレール状案内部21rを、上方に突出する状態で備えたレール部材21を備えて構成されている。
図2及び図5(b)に示すように、押し部材12における相対回転許容方向Daを向く面には、レール部材21のレール状案内部21rを入れ込むことが可能な案内溝12gが、長さ方向に沿わせて設けられている。
【0050】
図1にも示すように、その摺動案内部20を構成するレール部材21が、そのレール状案内部21rの上面を水平方向に沿わせると共に、その後端部を摺動駆動部40のスプロケット41の外周部に近づけた状態で、押込方向に沿わせて配設されている。
そして、前端に押し部材12が連結されたチェーン30が、相対回転阻止方向Dnが上向きになる姿勢で、押し部材12の案内溝12g及び一対の内プレート31同士の間にレール状案内部21rを入れ込んだ状態で、レール部材21に載置されることにより、レール部材21の案内により押込方向に沿って摺動自在に配設される。
【0051】
チェーン30の長さは、摺動駆動部40による摺動駆動によって、前端に連結した押し部材12の前端を処理部4の前端に到達させることが可能な長さに設定されている。
【0052】
図2に示すように、摺動駆動部40のスプロケット41の外周部に、チェーン30のローラ33間に噛み込む歯状部41t(例えば、8箇所)とローラ33が嵌まり込む円弧状の凹部41v(例えば、8箇所)とが、交互に並ぶ状態で並設されている。
そして、チェーン30が、スプロケット41よりも前端側の部分がレール部材21に載置された状態で、ローラ33を凹部41vに嵌め込ませ、且つ、ローラ33間に歯状部41tを噛み込ませて、スプロケット41に巻き掛けられている。
ここで、歯状部41tにおけるスプロケット41の径方向での最外方部は、凹部41vに嵌まり込んだローラ33におけるスプロケット41の径方向での最外方部よりも、当該径方向における内方側に位置するように構成されている。
【0053】
そして、モータ42によりスプロケット41が回転駆動されると、スプロケット41により、前端に押し部材12が連結されたチェーン30が受入部6に向けて送り出され、押し部材12及びチェーン30におけるスプロケット41よりも前端側の部分が、レール部材21上を摺動して処理部4に進入する。
その際、チェーン30及びその前端に連結された押し部材12は、相対回転阻止方向Dn側、即ち、上方側への撓みが阻止されるので、直線状配列状態に保持された状態で、レール部材21上を摺動して処理部4に進入することになり、押し部材12によって、処理部4の複数の被処理物Wを処理部4の前端に向けて押すことができる。
【0054】
そして、上述のように、チェーン30の長さが、摺動駆動部40による摺動駆動によって、前端に連結した押し部材12の前端を処理部4の前端に到達させることが可能な長さに設定されていて、押し部材12の前端を処理部4の前端に到達させるまで、チェーン30を処理部4に進入させることができるので、処理部4に配置された複数の被処理物Wの全量を払い出すことができる。
しかも、このようにチェーン30の長さを設定しても、レール部材21の長さを、処理部4の押込方向に沿う方向での長さよりも十分に短くすることにより、押込方向に沿う方向でのプッシャー式加熱装置の設置スペースを十分に狭くすることができる。
【0055】
ガイド部50は、図1図2及び図6に示すように、一対の内プレート31同士の間に入り込んだ状態で、ローラ33に当接又は近接するように配設されて、ローラ33をスプロケット41の回転に従動して移動自在に摺動案内するガイド部材51を備えて構成されている。
このガイド部材51は、スプロケット41に巻き掛けられたチェーン30のローラ33におけるスプロケット41の径方向最外方部が辿る円状の軌跡の半径と略同半径の円弧状の内周を有するように構成されている。
ガイド部材51の内周部には、チェーン30の一対の内プレート31同士の間の間隔よりもやや狭い幅を有して、ガイド部材51の内周面を形成する突条部51pが、長さ方向に延びるように備えられている。
【0056】
そして、ガイド部材51が、その円弧状の内周の中心がスプロケット41の回転軸芯Pと同芯状となり、且つ、突条部51pをスプロケット41に巻き掛けられたチェーン30の一対の内プレート31間に入り込ませた状態で、スプロケット41の外周部に配設されている。
このようにガイド部材51が配設された状態では、突条部51rの内周面が、スプロケット41に巻き掛けられたチェーン30の複数(この実施形態では3個)のローラ33にわたって近接すると共に、突条部51rの内周面と歯状部41tとの間に隙間が形成される状態となる。
つまり、歯状部51tの高さが、回転に伴ってガイド部材51と干渉しない高さに設定されていることになる。
【0057】
そして、ガイド部50を構成するガイド部材51により、スプロケット41に巻き掛けられたチェーン30の複数(この実施形態では3個)のローラ33が、スプロケット41の凹部41vに嵌まり込んだ状態からスプロケット41の径方向外方へ移動するのが規制されることになる。それによって、チェーン30がスプロケット41から浮き上がることなくスムーズに受入部6側に送られるので、チェーン30のうち処理部4に進入している部分及びレール部材21に載置されている部分が、しっかりと直線状配列状態に保持された状態で、レール部材21上や処理部4を摺動するので、処理部4に配置された複数の被処理物Wを的確に押すことができる。
【0058】
図1に示すように、折り返し案内部60は、スプロケット41の下方から受入部6の側に下方に傾斜する姿勢で、平面視で押込方向に沿って延びる案内レール61を備えて構成されている。つまり、折り返し案内部60の案内レール61は、平面視で、摺動案内部20のレール部材21と重なる状態で配置されている。
そして、チェーン30におけるスプロケット41に巻き掛けられた部分よりも後端側の部分が、案内レール61上に載置されて、その案内レール61により摺動案内される。
【0059】
チェーン30の後端には、案内レール61の案内で案内レール61に沿って走行可能な台車36が連結されると共に、台車36上に錘37が搭載されている。
つまり、台車36とそれに搭載された錘37により、チェーン30におけるスプロケット41に巻き掛けられる部分よりも後端側の部分に、常時張力が付加されることで、その後端側の部分が直線状配列状態に保持されることになる。よって、チェーン30のスプロケット41よりも後端側の部分をより一層受入部6側に位置するように折り返して、チェーン30の屈曲状態の曲り度を大きくしても、スプロケット41によって、チェーン30を受入部6に向けてスムーズに送り出すことができる。
【0060】
次に、制御部7の制御動作について説明する。
制御部7は、エンコーダ47により検出された減速機44の入力側の回転位相に基づいてモータ42の回転駆動状態を制御することで、スプロケット41の回転位相を任意に設定することができる。よって、制御部7は、チェーン30の受入部6側への送り長さを任意に設定することができ、結果、チェーン30の前端に連結された押し部材12を押込方向に沿って任意の位置に変移させることができる。
【0061】
そして、制御部7は、供給装置8により受入部6に間欠的に供給される処理前の被処理物Wを、押込方向(図示において水平右方向)にチェーン30と共に摺動駆動する押し部材12により、所定の設定押込周期で順次当該処理部4に押込供給する通常供給運転を実行可能に構成されている。
又、制御部7は、通常供給運転に加えて、処理前の被処理物Wの供給が停止している状態で、処理部4に配置された被処理物Wの全量を押し部材12により押し込んで処理部4の前端側から払い出す全量払出運転を実行可能に構成されている。
次に、この通常供給運転と全量払出運転とについて説明を加える。
尚、本説明において、処理部4に縦列状態で配置されている複数の被処理物Wの夫々の位置について、後端側(図示において左端側)から前端側(図示において右端側)にかけて順に、第1位置、第2位置、第3位置と呼び、最も前端側の位置を最終位置と呼ぶ。
【0062】
〔通常供給運転〕
通常供給運転では、先ず、図1に示すように、押し部材12が最も後端側へ引退した状態とされている。そして、この状態において、処理部4の後端側の受入部6には、供給装置8により処理前の被処理物Wが供給される。
次に、図7に示すように、チェーン30と共に押し部材12が押込方向へ摺動駆動されて、処理前の被処理物Wが処理部4の第1位置に押込供給される。すると、処理部4の最終位置にあった加熱処理後の被処理物Wは、払出部11から払い出されることになる。
そして、この図1及び図7に示す一連の動作が、所定の設定押込周期(例えば20分)で繰り返されることにより、処理部4の受入部6に間欠的に供給された処理前の被処理物Wが、チェーン30と共に押込方向に摺動駆動される押し部材12により一個ずつ同周期で順次当該処理部4に押込供給されることになり、その間欠的な被処理物Wの押込供給に伴って、処理部4の前端側からは加熱処理後の被処理物Wが一個ずつ同周期で順次払い出されることになる。
【0063】
〔全量払出運転〕
全量払出運転では、先ず、図8に示すように、押し部材12が最も後端側へ引退した状態とされている。そして、この状態において、処理部4の後端側の受入部6には、供給装置8による処理前の被処理物Wの供給が停止される。
次に、図9に示すように、押し部材12の前端部が処理部4の第1位置の前端部と一致するまで、押し部材12がチェーン30と共に押込方向へ摺動駆動される。すると、処理部4に配置された夫々の被処理物Wが前端側(図示において右側)の次の位置に順次移送されることになり、それに伴って、処理部4の最終位置にあった加熱処理後の被処理物Wが払出部11から払い出されることになる。
【0064】
更に、上記設定押込周期で押し部材12の処理部4への押込方向への挿入量を被処理物Wの一個の長さに相当する設定押込幅ずつ漸次増加させながら、押し部材12がチェーン30と共に押込方向へ摺動駆動される。
即ち、押し部材12の前端部が処理部4の第1位置の前端部と一致するまで押し部材12が押込方向へ摺動駆動された次には、押し部材12の前端部が処理部4の第2位置の前端部と一致するまで押し部材12が押込方向へ摺動駆動され、その次には、押し部材12の前端部が処理部4の第3位置の前端部と一致するまで押し部材12が押込方向へ摺動駆動され、その次には、図10に示すように、押し部材12の前端部が処理部4の最終位置である前端部と一致するまで押し部材12がチェーン30と共に押込方向へ摺動駆動される。尚、これら押し部材12の押込方向への摺動駆動毎に一個の被処理物Wが払出部11から払い出されることになり、一個の被処理物Wが払い出される毎に押し部材12は一旦図8に示すような引退状態とされる。
そして、図10に示すように、このように押し部材12の前端部が処理部4の最終位置である前端部と一致するまで押し部材12がチェーン30と共に押込方向へ摺動駆動されることで、処理部4の被処理物Wの全量が払い出されたことになり、その後、図8に示すように、押し部材12が引退した状態とされることで処理部4が空状態となる。
【0065】
〔別実施形態〕
(A)係合部35の具体的な構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、上記の実施形態と同様に、内プレート31に突出部31pを設けて、係合部35を、互いに対向する内プレート31の突出部31pの係合用端面31sと外プレート32の係合用端面32sとにより構成する場合も、各係合用端面31s、32sの形状は上記の実施形態において例示した形状に限定されるものではない。
この場合は、例えば、上記の実施形態とは逆に、内プレート31の突出部31pの係合用端面31sを、上記の実施形態における外プレート32の係合用端面32sと同様の形状、即ち、円弧状の曲面状部分を備えた形状とし、外プレート32の係合用端面32sを、上記の実施形態における内プレート31の突出部31pの係合用端面31sと同様の形状としても良い。
【0066】
又、一対の内プレート31と一対の外プレート32との相対回転許容方向への相対回転を許容すべく、内プレート31の突出部31pの係合用端面31sと外プレート32の係合用端面32sとの間に隙間を形成するための構成としては、本別実施形態における内プレート31の突出部31pの係合用端面31sや、上記の実施形態における外プレート32の係合用端面32sに、円弧状の曲面状部分を備えさせる構成に限定されるものではなく、例えば、チェーン高さ方向の外方側ほど長さ方向に引退する形態で傾斜する平面状部分を備えさせても良い。
【0067】
又、上記の実施形態では、突出部31pを、内プレート31における高さ方向(チェーン高さ方向に一致)の全域にわたる状態で備えたが、ピン軸芯接続仮想線Lに対して相対回転阻止方向Dn側の部分だけに備えても良い。
【0068】
(B)摺動駆動部40の具体的な構成は、上記の実施形態で例示した構成、即ち、スプロケット41とモータ42とを備えた構成に限定されるものではない。例えば、チェーン30におけるレール部材21に載置されている部分に係脱自在に連結可能な係脱式連結部と、その係脱式連結部を押込方向に沿う方向に直線状に往復移動駆動する往復移動駆動手段(例えば、シリンダ)とを備えた構成でもよい。
【0069】
(C)上記実施形態では、全量払出運転において、設定押込周期で押し部材12の処理部4への挿入量を被処理物Wの長さに相当する設定押込幅ずつ増加させるように構成したが、処理部4に配置された複数の被処理物Wの全量の加熱処理が終了した時点で、その押し部材12の前端部が処理部4の最終位置である前端部と一致するまで、押し部材12を一気に処理部4に挿入して、処理部4に配置された複数の被処理物Wの全量を一気に払い出すように構成しても良い。
【0070】
(D)上記の実施形態では、チェーン30の前端に押し部材12を連結したが、押し部材12を省略して、チェーン30の前端で直接的に被処理物Wを処理部4に押込供給するように構成しても良い。この場合、チェーン30の長さは、摺動駆動部40による摺動駆動によって、チェーン30の前端を処理部4の前端に到達させることが可能な長さに設定する。
【0071】
(E)上記実施形態では、加熱炉2を、セラミックチューブ炉として構成したが、別に、加熱炉2を、セラミックチューブ3を設けることなく、縦列状態で配置された複数の被処理物Wを直接バーナ5で加熱する直接加熱炉や、縦列状態で配置された複数の被処理物Wを電磁誘導等により加熱する電気加熱炉等として構成しても良い。
【0072】
尚、上記の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、又、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
以上説明したように、処理部に配置された複数の被処理物の全量を払い出すことができながら、省設置スペース化を図り得るプッシャー式加熱装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 炉内
2 加熱炉
4 処理部
6 受入部
12 押し部材
20 摺動案内部
30 チェーン
31 内プレート
31p 突出部
31s 係合用端面
32 外プレート
32s 係合用端面
33 ローラ
34 連結ピン
35 係合部
40 摺動駆動部
41 スプロケット
41t 歯状部
41v 凹部
42 モータ(回転駆動手段)
50 ガイド部
51 ガイド部材
60 折り返し案内部
A ピン軸芯
D チェーン高さ方向
Da 相対回転許容方向
Dn 相対回転阻止方向
L ピン軸芯接続仮想線
M プッシュ機構
P 回転軸芯
R 直線状配列方向
W 被処理物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10