(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係わる検査装置の構成を示す断面図である。
【0014】
本実施の形態の検査装置1は、対物レンズユニット2と、リレーレンズユニット3と、接眼レンズユニット4とを含んで構成されるであるボアスコープである。リレーレンズユニット3は、2点鎖線で示すように、複数連設可能となっている。
【0015】
対物レンズユニット2とリレーレンズユニット3は接続可能である。リレーレンズユニット3と接眼レンズユニット4も接続可能である。検査装置1は、対物レンズユニット2と1又は2以上のリレーレンズユニット3と接眼レンズユニット4を連結して構成された硬性鏡である。
【0016】
すなわち、検査装置1は、互いに連結可能に構成された1又は2以上のリレーレンズユニット3と、1又は2以上のリレーレンズユニット3の基端部に接続可能に構成された接眼レンズユニット4と、1又は2以上のリレーレンズユニット3の先端部に接続可能に構成された対物レンズユニット2とを有して構成されている。
(対物レンズユニットの構成)
対物レンズユニット2は、筒体11と、接続管12と、蓋13と、レンズ枠体14とを有する。筒体11は、ステンレスなどの金属製である。接続管12は、筒体11に螺子などの固定手段により固定されている。筒体11の中央部には、テーパ面を有する凹部11aが形成され、凹部11aには、開口部11bが形成されている。開口部11bには、照明ランプ15とプリズム16が配置されている。
対物レンズユニット2は、細長形状を有し、細長形状の側方から被検体の像を取得する。
【0017】
筒体11には、バッテリ17を収容する凹部11cが形成されており、バッテリ交換のために、凹部11cを塞ぐための蓋18が着脱自在となっている。
筒体11の先端側に設けられて固定された蓋13の内側に、照明ランプ15を制御する制御基板19が配置されている。制御基板19は、照明ランプ15のオン・オフ及び光量調整を行うための制御回路が搭載され、照明ランプ15とバッテリ17とはリード線20により接続されている。照明ランプ15は、発光ダイオード(LED)などの発光素子を有する照明器である。すなわち、照明ランプ15は、対物レンズユニット2に設けられ、照明光を出射する照明部を構成する。そして、バッテリ17は、対物レンズユニット2に設けられ、照明ランプ15への電力を供給する電源である。
【0018】
筒体11と接続管12の内側には、レンズ枠体14が設けられている。レンズ枠体14には、複数の対物レンズ21が固定されている。
照明ランプ15により、被検体は照明され、筒体11の側面側から入射した被検体からの反射光は、プリズム16で反射されて筒体11の基端方向に進み、複数の対物レンズ21に入射して、筒体11の基端方向へすなわち接眼レンズユニット4の方へ出射する。
【0019】
レンズ枠体14は、筒状を有しており、レンズ枠体14の円形の基端面には、電磁波信号である赤外光を受光する光センサとしてのフォトダイオード22が、同心円状の位置に複数設けられている。複数のフォトダイオード22は、リング状の基板22a上に搭載され、筒体11の基端方向からの赤外光を受光できるようにリング状に配設されている。すなわち、複数のフォトダイオード22は、対物レンズユニット2の内側に設けられ、電磁波信号である赤外光を受信する電磁波信号受信部を構成する。
【0020】
後述するように、各フォトダイオード22は、検査者であるユーザが接眼レンズユニット4から被検体をみたときに、ユーザの視野内には入らない位置に配設されている。
リング状の基板22aは、フレア絞りの機能も兼ねており、基板22aの先端側の表面22a1は非反射性の黒色塗料が塗布されている。
【0021】
フレア絞り部材は、基板22aとは別部材として設けてもよいが、ここでは、基板22aにフレア絞りの機能も持たせて、対物レンズユニット2の部品点数の低減が図られている。
【0022】
図2は、制御基板19の構成を説明するためのブロック図である。
制御基板19は、制御回路19aと入力回路19bとを有する。複数のフォトダイオード22が入力回路19bに接続されており、入力回路19bは、各フォトダイオード22の出力信号を受信して制御回路19aへ供給する。各フォトダイオード22と制御基板19は、図示しないリード線により接続されている。
後述するように、各フォトダイオード22には、照明ランプ22の出射光量の増加又は減少を指示する光量調節信号の赤外光が入射される。各フォトダイオード22は、受光した赤外光に応じた出力信号を制御回路19aに出力する。
【0023】
制御回路19aは、複数のフォトダイオード22から、光量増加の光量調節信号に応じた出力信号を受信すると、照明ランプ15の光量を増加させるランプ駆動信号を照明ランプ15へ出力する。制御回路19aは、複数のフォトダイオード22から、光量減少の光量調節信号に応じた出力信号を受信すると、照明ランプ15の光量を減少させるランプ駆動信号を照明ランプ15へ出力する。
【0024】
例えば、制御回路19aは、カウンタを有し、カウンタには、照明ランプ15の光量に応じたカウンタ値が設定される。制御回路19aは、複数のフォトダイオード22からの出力信号に応じて、カウンタ値を増減させて、カウンタ値に応じたランプ駆動信号を生成して照明ランプ15へ出力する。
(リレーレンズユニットの構成)
図1に戻り、リレーレンズユニット3は、3つのリレーレンズ31a、31b、31cと、筒体32と、対物レンズユニット2あるいは他のリレーレンズユニット3との接続のための接続管33と、接眼レンズユニット4あるいは他のリレーレンズユニット3との接続のための接続管34とを有して構成されている。筒体32は、前側筒体32aと、後側筒体32bと、前側筒体32aと後側筒体32bとを接続し固定する接続用筒体32cとから構成される。筒体32を構成する各部材及び接続管33、34は、ステンレスなどの金属製である。接続管33、34は、筒体32に螺子などの固定手段により固定されている。
【0025】
前側筒体32aは、中央部に段差を有し、前側筒体32aの前側部分は、接続管33の基端部分に嵌合可能な接続用口金を構成する。
【0026】
接続管33の基端部には、レンズ枠33aが固定されており、レンズ枠33aに、リレーレンズ31aが固定部材35aにより固定されている。接続管33の後側部分は、レンズ枠33aと共に、筒体32の先端部分に内挿されて嵌合するように固定されている。
【0027】
接続用筒体32cの内側の中央部分には、レンズ枠33bが固定されており、レンズ枠33bに、リレーレンズ31bが固定部材35bにより固定されている。
前側筒体32aの基端部が接続用筒体32cの先端部分に内挿され、後側筒体32bの先端部は接続用筒体32cの基端部分に内挿されて、レンズ枠33bを前側筒体32aと後側筒体32bによって挟むように、前側筒体32aと後側筒体32bが接続用筒体32cに、螺子、接着剤などの固定手段により固定されている。
【0028】
接続管34の先端部には、レンズ枠33cが固定されており、レンズ枠33cに、リレーレンズ31cが固定部材35cにより固定されている。接続管34の前側部分は、レンズ枠33cと共に、筒体32の基端部分に内挿されて嵌合するように固定されている。
【0029】
レンズ枠33a、33b、33c、及び固定部材35a、35b、35cは、ステンレスなどの金属製である。
各リレーレンズ31a、31b、31cは、2枚のレンズを合わせた接合レンズであり、接合レンズは、いずれも、平凸レンズである。リレーレンズ31aと31cは、視野レンズであり、リレーレンズ31bは、結像レンズである。リレーレンズ31aは、平行に入射された光を結像レンズであるリレーレンズ31bに出射し、リレーレンズ31cは、リレーレンズ31bからの光を平行光で出射する。
以上のように、リレーレンズユニット3は、2つの視野レンズと、2つの視野レンズ間に配置された結像レンズとを有し、2つの視野レンズの1つは、入射した光を結像レンズに出射し、結像レンズは、入射した光を2つの視野レンズの他方へ出射し、2つの視野レンズの他方は、入射した光を平行光として出射する。
なお、ここでは、リレーレンズは3つの平凸となる接合レンズよりなるものとしたが、この構成に限るものではない。
【0030】
複数のリレーレンズユニット3が連結可能なように、リレーレンズユニット3の先端部分は、リレーレンズユニット3の基端部分に外挿されて嵌合するように形成されている。筒体32を前側筒体32aと後側筒体32bと分割することで、リレーレンズユニットのレンズの位置を設定しやすく、組み付け後に調整が容易になる。つまり、連結部をねじ等の構造として、レンズの間の位置調整を可能とすることができるメリットがある。さらに、分割することで持ち運びやすいというメリットもある。
(接眼レンズユニットの構成)
接眼レンズユニット4は、ステンレスなどの金属製の筒体41を有し、筒体41内に接眼レンズ42が設けられている。筒体41の先端側に、ステンレスなどの金属製の接続用口金43が固定されている。接続用口金43は、リレーレンズユニット3の基端部が内挿されて嵌合可能な形状を有している。
【0031】
接眼レンズユニット4は、照明の光量調節用の2つのスイッチ44aと44bを有し、ユーザが操作可能となっている。スイッチ44aは、照明ランプ15の光量の増加を指示するためのスイッチであり、スイッチ44bは、照明ランプ15の光量の減少を指示するためのスイッチである。
【0032】
筒体41には、バッテリ45を収容する凹部41aが形成されており、凹部41aを塞ぐための蓋46が着脱自在に取り付けられている。ユーザは、蓋46を開けて、バッテリ45の交換を行うことができる。
【0033】
接続用口金43の基端部には、赤外光出射部としての発光ダイオード(以下、LEDという)47が設けられている。
各スイッチ44a、44bは、制御基板48に接続されている。スイッチ44aが押下されると、制御基板48は照明ランプ15の光量の増加を指示する増加パルス信号を生成して、LED47に供給する制御回路を有している。スイッチ44bが押下されると、制御回路48は照明ランプ15の光量の減少を指示する減少パルス信号を生成して、LED47に供給する。LED47は、増加パルス信号又は減少パルス信号に応じた赤外光IRを出射する。赤外光IRは、接続用口金43の先端方向へ出射される。
【0034】
LED47からの赤外光IRは、リレーレンズユニット3内を通って、対物レンズユニット2の複数のフォトダイオード22のいずれかにおいて受光される。対物レンズユニット2の制御回路19aは、受信した赤外光に応じて、照明ランプ15の光量を調節する。
【0035】
よって、制御基板19は、対物レンズユニット2に設けられ、対物レンズユニット2に設けられた受信部である複数のフォトダイオード22で受信した電磁波信号である赤外光に応じて、照明ランプ15の照明光の光量を調節する照明調節部を構成する。そして、LED47は、接眼レンズユニット4に設けられ、電磁波信号である赤外光を出力する電磁波信号出力部を構成する。
【0036】
なお、ここでは、スイッチ44a及び44b、バッテリ45、LED47及び制御回路48は、接眼レンズユニット4の内部に設けられているが、接眼レンズユニット4に設けなくても良い。例えば、
図1において二点鎖線で示すように、接眼レンズユニット4とは別体のリモコンユニットのような赤外線出射装置49に、スイッチ44a及び44b、バッテリ45、LED47及び制御基板48を設け、接眼レンズユニット4の接眼部の近傍から先端方向に向かって、赤外光IRを出射させて、接眼レンズユニット4に入射させるようにしてもよい。
【0037】
さらになお、
図1では、筒体41は接続用口金43に固定されているが、筒体41が接続用口金43の軸回りに回動可能となるように、筒体41と接続用口金43とを構成してもよい。
【0038】
その場合、接眼レンズ42は、接続用口金43内に設けられ、スイッチ44a、44b、バッテリ45及び制御基板48は、筒体41に内蔵される。スイッチ44a、44b、バッテリ45及び制御基板48とLED47との接続は、スリップリングを介して行ったり、制御基板48とLED47とを結ぶ配線を長くしてかつ弛ませたりする。
【0039】
筒体41を接続用口金43の軸回りに回動可能にすれば、ユーザが検査中に検査装置1を軸回りに回動させても、スイッチ44a、44bの位置が変更可能なので、ユーザは、スイッチ44a、44bの操作がし易い。
【0040】
なお、接眼レンズユニット4には、
図1において二点鎖線で示すように、画像を記録するためのCCDイメージセンサなどの撮像素子を有する撮像装置としてのカメラ50も装着可能となっている。
発光ダイオード47とフォトダイオード22の配置する位置を同じサイズの同心円状に置くことで光軸が若干ずれても信号の送受信が可能になる。
(光学系)
次に検査装置1の光学系について説明する。
【0041】
図3は、対物レンズユニット2、リレーレンズユニット3及び接眼レンズユニット4の光学系を示す図である。
図4は、接眼レンズユニット4に内蔵される視野絞りとLED47が設けられたガラス板の正面図である。
【0042】
図3において、FPは、対物レンズユニット2及び各リレーレンズユニット3の結像面を示す。各結像面に形成された光学像が、リレーレンズユニット3により伝達されて、接眼レンズユニット4に伝達される。
【0043】
接眼レンズユニット4に設けられた円形のガラス板51には、目盛り52を有するレチクルが設けられている。ガラス板51の先端側、すなわちリレーレンズ側には、視野絞り53が設けられている。
図4は、ガラス板51を先端側から見た図である。
図4に示すように、LED47は、視野絞り53の光が通る絞りの縁53aの外側に配置されている。
【0044】
被検体からの光は、対物レンズユニット2内の複数の対物レンズ21を通り、続いて各リレーレンズユニット3内の3つのリレーレンズ31a、31b、31cを通り、接眼レンズユニット4の視野絞り53の内側の開口を通る。LED47は、視野外に設けられている。
LED47から出射された電磁波である赤外光は、複数のリレーレンズユニット3を通って対物レンズユニット2の基端部に入射する。
【0045】
LED47が1つの場合、リレーレンズユニット3の数及び連結時の向きによって対物レンズユニット2の基端部に入射する赤外光の位置が異なってしまう。
そこで、ここでは、複数のフォトダイオード22が、連結される複数のリレーレンズユニット3の数に拘わらずに、確実に赤外光を受光するようにリング状に設けられている。
【0046】
図3の場合、フォトダイオード22の受光面が光軸Oの基端方向の向くように、フォトダイオード22は、対物レンズユニット2内に設けられる。
よって、電磁波信号出力部であるLED47から出力された赤外光は、複数のリレーレンズユニット3の内側のリレーレンズを通って、電磁波信号受信部である複数のフォトダイオード22で受信される。
なお、フォトダイオード22は、光軸Oの基端方向に略直交する方向に向くように、対物レンズユニット2内に設けてもよい。
【0047】
図5は、各フォトダイオード22の受光面が円筒状の接続管12の内径方向に向くように、複数のフォトダイオード22が設けられた対物レンズユニット2の部分断面図である。
【0048】
図5に示すように、各フォトダイオード22の受光面が円筒状の接続管12の内径方向に向くように、複数のフォトダイオード22は、接続管12の内周面に沿って配置されている。
【0049】
さらに、リング状部材12Aが、接続管12の内周面12aに固定される。リング状部材12Aは、基端方向からの光を、一点鎖線で示すように、複数のフォトダイオード22の各受光面に向かうように反射させるリング状の傾斜面である反射面12Aaを有している。
【0050】
さらに、リング状部材12Aはフレア絞りの機能を有していてもよく、その場合、先端側の面12Abは、反射防止のための黒色塗料が塗布されている。
また、接眼レンズユニット4のLED47をリング状になるように複数配置して、対物レンズユニット2のフォトダイオード22を1つにしてもよい。
【0051】
図6は、円形のガラス板51にリング状に複数のLED47を設け、対物レンズユニット2には1つのフォトダイオード22を設けた場合の光学系を示す図である。複数のLED47は、
図4の二点鎖線で示す円形に沿って視野絞り53上に設けられる。
【0052】
複数のLED47がリング状に設けられているので、対物レンズユニット2には、少なくとも1つのフォトダイオード22を設ければよい。
なお、複数のLED47を設ける場合は、レンズを用いて、赤外光が平行光として出射されるようにしてもよい。
【0053】
図7は、LED47を複数設け、リング状にLED47からの光を出射させるための他の構成を示す斜視図である。
透明な円筒形状の透明部材61の基端面に複数のLED47が設けられている。透明部材61の材質は、ガラス、アクリル、ポリカーボネートなどである。
【0054】
透明部材61の先端面には、複数のLED47に対応するように複数のレンズ62が設けられている。各レンズ62は、平凸レンズである。各LED47から出射した光は、対応するレンズ62に向けて出射され、レンズ62の先端面から平行光として出射されるように、各レンズ62は形成されている。
また、LED47の向きを明るさ絞りの開放している向きの方向に傾けて配置しても良く、光が通過する光量が多くなるというメリットがある。
【0055】
よって、複数のLED47から出射された光は、透明部材61内を通り、複数のレンズ62から平行光として前面側に出射する。
さらになお、複数のLED47を用いずに、リング状の光を出射するようにしてもよい。
【0056】
図8は、LED47を複数設けずに、リング状に1つのLED47からの光を出射させるための構成を示す斜視図である。
円筒形状の透明部材63の基端側の一部に切り欠き部63aを設け、その切り欠き部63aにLED47が、光が透明部材63内に出射されるように固定される。透明部材63の材質は、ガラス、アクリル、ポリカーボネートなどである。
透明部材63の前面は、光が散乱するように磨りガラスのような散乱面63bである。
【0057】
LED47から出射された光は、透明部材63内を通り、かつ透明部材63において内面反射して、散乱面63bから出射する。散乱面63bは、リング状であるので、リング状の光が前面側に出射する。
なお、ここでは、透明部材63に1つのLED47が設けられているが、2以上でもよい。
また、円筒形状の透明部材63が切り欠き部63aを有さなくてもよい。
図8Aは、
図8の構成の変形例を示す斜視図である。すなわち、円筒形状の透明部材63Aの両端面63Aaと63Abは、光が散乱するように磨りガラスのような散乱面であり、LED47が、光を透明部材63A内に出射するように端面63Aaに固定される。LED47からの光は、端面63Aaと63Abにおいて散乱して、端面63Abから円形に前面側に出射する。
なお、
図8Aの場合も、2以上のLED47を端面63Aaに設けてもよい。
【0058】
図6の場合、対物レンズユニット2のフォトダイオード22が1つなので、バッテリ17の消費電力が少なくて済むというメリットがある。
また、上述したように、赤外線出射装置49を用いて、接眼レンズユニット4の接眼レンズに直接赤外光を入力する場合は、被検体の画像の一部がケラレルことのないように、対物レンズユニット2ではなく、最先端のリレーレンズユニット3にフォトダイオード22を設ける。
【0059】
図9は、赤外線出射装置49からの赤外光を、最先端のリレーレンズユニット3に設けられたフォトダイオード22によって受光する場合の光学系を示す図である。
赤外線出射装置49から出射した赤外光は、接眼レンズユニット4の図示しない明るさ絞りを通って接眼レンズ42に入射する。赤外線出射装置49から出射した赤外光は、複数のリレーレンズユニット3の内部を通って、対物レンズユニット2の結像面上に結像するが、フォトダイオード22は、最先端のリレーレンズユニット3の結像レンズであるリレーレンズ31bの近傍に配置され、赤外光を受光する。
その場合、最先端のリレーレンズユニット3のフォトダイオード22の電源は、対物レンズユニット2のバッテリ17から取得できるように、対物レンズユニット2と最先端のリレーレンズユニット3のそれぞれに接点2aと3aが設けられる。すなわち、バッテリ17は、連結された1又は2以上のリレーレンズユニット3のうち最先端のリレーレンズユニット3に設けられ、照明ランプ15への電力を供給する電源である。
(作用)
例えば、タービンロータなど回転中心を通る軸に沿って穿設された中心穴に、対物レンズユニット2から検査装置1が挿入される。
【0060】
検査装置1が挿入される穴の深さ、すなわち中心穴の長さに応じて、リレーレンズユニット3の数を調整して、対物レンズユニット2の基端部に、1又は2以上のリレーレンズユニット3を連結して固定し、最基端のリレーレンズユニット3の基端部に、接眼レンズユニット4を接続して固定することによって、検査装置1が組み立てられる。
【0061】
ユーザは、図示しないモニタに表示された内視鏡画像を見ながら、スイッチ44a又は44bを操作して、照明光の光量を適切な値にして、中心穴の内表面を観察することができる。
【0062】
照明ランプ15の電源であるバッテリ17と照明ランプ15の光量調節用の制御回路19aが対物レンズユニット2に設けられている。ユーザは、手元の接眼レンズユニット4のスイッチ44a、44bを操作すると、光量調節信号が無線である赤外線により対物レンズユニット2の照明光の光量調節を行う制御回路19aに伝えられて、照明ランプ15の光量の調整が可能となる。
【0063】
よって、対物レンズユニット2、1又は2以上のリレーレンズユニット3及び接眼レンズユニット4が連設されて複数の接点を介してリード線により電源及び照明制御信号がされないので、照明の光量調節用の指示信号が対物レンズユニット2へ確実に伝達される。
上述した実施の形態によれば、CCDカメラなどの撮像装置による画像でなく検査対象の反射光を目で観察でき、照明の光量調節を確実に行うことができかつ所望の長さに調整可能な検査装置を提供することができる。
【0064】
以下、上述した実施の形態の変形例について説明する。各変形例の検査装置の構成は、上述した実施の形態の検査装置1の構成と略同じであり、同じ構成要素については、同じ符号を付して説明は省略し、上述した実施の形態及び各変形例の検査装置の構成と異なる点のみ説明する。各変形例において、他の変形例と同じ構成要素については、同じ符号を付して説明は省略し、上述した実施の形態及び各変形例の検査装置の構成と異なる点のみ説明する。
(変形例1)
なお、上述した実施の形態の検査装置は、側視タイプであるが、本変形例1の検査装置は、直視タイプであってもよい。
【0065】
図10は、本変形例1の検査装置の対物レンズユニットの部分断面図である。
図11は、本変形例1の検査装置の対物レンズユニットの先端側から見た図である。
対物レンズユニット2Aは、筒体11Aと、接続管12Aと、レンズ枠体14Aとを有する。筒体11Aは、ステンレスなどの金属製である。筒体11Aの先端側には凹部11dが形成され、凹部11dには、開口部11b1が形成されている。
【0066】
図11に示すように、凹部11d内において、開口部11b1を囲むように、照明部としてのLED15Aが複数、ここでは3つが等間隔に配設されている。各LED15Aは、基板15A1に搭載されて、前方を照明するように、凹部11d内に配設されている。
【0067】
筒体11Aの前側には、ロッドレンズ16Aが、中心軸が筒体11Aの中心軸と一致するように配設されている。ロッドレンズ16Aの先端面は、開口部11b1に位置して観察窓を構成している。すなわち、対物レンズユニット2Aは、細長形状を有し、細長形状の前方から被検体の像を取得する。
【0068】
筒体11Aには、複数の、ここでは3つのバッテリ17Aを収容する3つの凹部11c1が形成されている。3つの蓋18Aが筒体11Aの先端側に着脱自在に設けられている。各バッテリ17Aは、各蓋18Aの開閉により装着及び取り出しが可能となっている。
【0069】
筒体11Aの後側の内側には、複数の対物レンズ21が固定されたレンズ枠体14Aが設けられている。
【0070】
筒体11Aの先端側から入射した被検体からの反射光は、ロッドレンズ16Aに入射して筒体11Aの基端方向に進み、複数の対物レンズ21に入射して、筒体11Aの基端方向へ出射する。
【0071】
筒体11Aの基端側には、複数のフォトダイオード22が搭載されたリング状の基板22aが設けられている。
3つのバッテリ17Aが上述したバッテリ17に相当し、3つのLED15Aが上述した照明ランプ15に相当する。
【0072】
図10では点線で示す制御基板19が、複数のフォトダイオード22と3つのLED15Aに接続されており、複数のフォトダイオード22の出力に応じて、3つのLED15Aのオン・オフ及び光量調整を行う。
(変形例2)
上述した実施の形態及び各変形例では、バッテリは、対物レンズユニット2に内蔵されているが、本変形例では、バッテリは、最先端のリレーレンズユニット3の先端側で保持され、対物レンズユニット内に配置されるように構成されている。
【0073】
図12は、本変形例2に係わる検査装置1Aの構成を示す断面図である。
本変形例2の検査装置1Aでは、最先端のリレーレンズユニット3aの先端側に、複数の、ここでは2つのバッテリ収容部71が設けられている。バッテリ収容部71が設けられたリレーレンズユニット3aの先端部分は、対物レンズユニット2Bの基端側の凹部2Baに嵌合するように内挿可能な形状を有している。複数のフォトダイオード22は、リング状の基板22a上に搭載され、筒体11の基端方向からの赤外光を受光できるように配設されている。
【0074】
リレーレンズユニット3aのバッテリ収容部71の先端側には、電源用及びフォトダイオード22の出力用の複数の接点72が設けられている。
対物レンズユニット2Bの基端側の凹部2Ba内には、複数の接点73がリング状に配置されたリング状の基板73aが設けられている。
【0075】
リレーレンズユニット3aの先端部分が対物レンズユニット2Bの基端側の凹部2Baに嵌合したときに、複数の接点72は複数の接点73にそれぞれ接触する。
複数の接点73は、リード線20により制御基板19に接続されている。LED15aもリード線20により制御基板19と接続されている。よって、制御基板19は、バッテリ17からの電源を受けて、フォトダイオード22とLED15aを駆動する。
【0076】
よって、このような構成においても、バッテリ17は最先端のリレーレンズユニット3a内に設けられるが、対物レンズユニット2B内に配置され、上述した実施の形態と同様の効果を生じる。
なお、後述する変形例7のような構成の場合は、
図12において点線で示すように、フォトダイオード22を蓋13に設け、先端方向からの赤外光を受光できるようにしてもよい。
(変形例3)
上述した実施の形態及び各変形例では、電磁波信号として赤外光を用いて光量の調節を行っているが、レーザ光を用いてもよい。
【0077】
図13は、本変形例3に係わる対物レンズユニット2Cの部分断面図である。
対物レンズユニット2Cは、プリズム81を有し、プリズム81は、基端側からのレーザ光を半分透過させ、残り半分を反射させるビームスプリッタを有する。
【0078】
プリズム81の先端側には、レンズ82を介してフォトダイオード83が配設されている。
ユーザは、接眼レンズユニット側からレーザ光により照明光の調整のための信号を、二点鎖線で示すレーザ出力装置84から先端側に向けて、検査装置内に出射すると、そのレーザ光は、フォトダイオード83で受光され、制御基板19の制御回路19aは、受信したレーザ光に基づいて、照明の光量を調整する。
よって、赤外光に代わって、レーザ光を用いるようにしてもよい。
【0079】
なお、レーザ出力装置84がレーザ測距装置であれば、プリズム81から出射したレーザ光の反射光が、再びプリズム81で反射して、レーザ出力装置84に戻る。
その結果、レーザ出力装置84は、レーザ光に基づく、被検体までの距離を表示などするので、ユーザは、検査装置の長さを知ることができる。
【0080】
なお、
図13では、レーザ出力装置84は、検査装置1とは別の装置であるが、レーザ出力装置84の測距機能を検査装置1に設けてもよい。
(変形例4)
上述した実施の形態及び各変形例ではLED47は、接眼レンズユニット内で固定されているが、本変形例4では、照明光の光量を調節するときだけ、LED47が視野内に位置するようにしてもよい。
【0081】
図14は、本変形例4に関わる検査装置の接眼レンズユニット4Aの構成を示す断面図である。
図15は、接眼レンズユニット4Aを基端側から見た図である。
接眼レンズユニット4Aは、LED47の可動機構91が設けられている。可動機構91は、先端にLED47が固定された軸部92と、軸部92の基端側に設けられたボタン93と、ボタン93を付勢する付勢部材としての圧縮バネ94を有している。
【0082】
また、接眼レンズユニット4Aは、LED47用のバッテリ95のためのバッテリ室96を有している。バッテリ95は、バッテリ室96を覆う蓋97を開けることにより交換可能となっている。
【0083】
さらに、
図14に示すように、接眼レンズユニット4Aは、複数の接眼レンズ98を内蔵するレンズユニット99を有している。
図16は、可動機構91の部分拡大断面図である。バッテリ95の2つの端部に電気的に接続されている2つの接片101aと101bが筒体41に対して、所定の位置に固定されている。
【0084】
軸部92には、所定の位置に2つの接片が102aと102bが固定されており、2つの接片が102aと102bは、LED47にリード線103により電気的に接続されている。
【0085】
ボタン93が押下されていないときは、圧縮バネ94のバネ力によりボタン93は、二点鎖線で示す位置にあり、2つの接片101aと101bは、2つの接片102aと102bに接触していない。このとき、LED47には、リード線103からバッテリ95の電力が供給されない。
【0086】
ボタン93が押下されて、軸部92が二点鎖線で示す位置から実線で示す位置に移動すると、圧縮バネ94のバネ力に抗してボタン93は、実線で示す位置にある。このとき、2つの接片101aと101bが2つの接片102aと102bに接触するように、2つの接片102aと102bは軸部92に配設される。よって、ボタン93が押下されると、LED47には、リード線103からバッテリ95の電力が供給されて発光する。
【0087】
図15に示すように、ボタン93が押下されていないときは、接眼レンズ98を覗いたときの視野外に、LED47は位置し、ボタン93が押下されているとき、接眼レンズ98を覗いたときの視野内に、LED47は位置する。
以上のように、本変形例では、電磁波信号出力部であるLED47は、接眼レンズユニット4Aの視野外から視野内へ移動可能である。そのために、接眼レンズユニット4Aに操作部としてのボタン93が設けられ、ボタン93を操作することにより、LED47は、接眼レンズユニット4Aの視野外から視野内へ移動する。
(変形例5)
上述した変形例4では、ボタンを押下することによって、LED47が視野内に位置するが、本変形例5では、レバーの操作により、LED47が視野内に位置する。
【0088】
図17は、本変形例5に関わる検査装置の接眼レンズユニット4Bの構成を示す斜視図である。
図18は、接眼レンズユニット4Bを基端側から見た図である。
接眼レンズユニット4Bの筒体41には、操作レバー111が、所定の軸部材112回りに回動可能に取り付けられている。軸部材112は、操作レバー111の表面に設けられた凸部でもよい。
【0089】
操作レバー111は、略くの字形状を有している。操作レバー111の略くの字形状の一方には、複数のLED47が設けられたLED搭載部111aを構成している。筒体41内には、複数のLED47のためのバッテリ95が設けられている。
【0090】
操作レバー111の略くの字形状の他方は、筒体41の外側に突出するように形成されユーザが操作する操作部111bを構成する。操作部としての操作部111bは、
図17に示すように円弧形状を有しており、円筒状の筒体41には、操作部111bが通過可能なスリット41aが形成されている。
操作部111bは、引っ張りバネ113の一端が接続されている。引っ張りバネ113の他端は、筒体41の外周部に設けられた固定部114に接続されている。操作部111bは、引っ張りバネ113によって、所定の方向に常に引っ張られている。
【0091】
操作部111bが引っ張りバネ113によって引っ張られている状態において、操作レバー111の複数のLED47が設けられたLED搭載部111aは、
図18に示すように、接眼レンズ98を覗いたときの視野外に、LED47は位置している。
【0092】
操作部111bが引っ張りバネ113の引っ張り力に抗して、矢印Bで示す方向に操作されると、操作レバー111が軸部材112の軸回りに回動して、LED搭載部111aが、接眼レンズ98を覗いたときの視野内に位置する。
(変形例6)
上述した実施の形態では、赤外光は、リレーレンズユニット3内を通って、対物レンズユニット2内に設けられたフォトダイオード22において受光されるが、本変形例6では、赤外光はリレーレンズユニット3の内部を通らず、対物レンズユニット2の外周部に設けられたフォトダイオード22において受光される。
【0093】
図19は、本変形例6に係わる検査装置1Bの構成を示す断面図である。
図19では、リレーレンズユニット3は、二点鎖線で示している。
本変形例6に係わる検査装置1Bでは、接眼レンズユニット4Cの筒体41の外側の先端側にLED47が設けられている。また、フォトダイオード22は、対物レンズユニット2の外周部に設けられている。
【0094】
よって、LED47から出射した赤外光IRは、フォトダイオード22に直接的に、あるいは被検体の内周面ISで反射して入射する。
以上のように、本変形例6では、電磁波信号を受信する電磁波信号受信部であるフォトダイオード22は、対物レンズユニット2の外側に設けられ、LED47から出力されて複数のリレーレンズユニット3の外側を通った電磁波信号を受信する。
(変形例7)
変形例6では、赤外光は、対物レンズユニット2の外周部に設けられたフォトダイオードにおいて受光されるが、本変形例7では、先端が貫通している管路を検査するような場合は、検査対象の内部あるいは外部を通った赤外光を、管路の先端側に設けたミラーによって反射させて、対物レンズユニット2に設けたフォトダイオードによっては、受光する。
【0095】
図20は、本変形例7に係わる検査装置1Cの構成を示す断面図である。検査対象は、貫通した管路であり、先端側が開口している。検査装置1Cには、管路OB1内を移動するための移動機構121が複数取り付けられている。
【0096】
各移動機構121は、検査装置1Cの管路OB1の軸上に位置させるために、リング形状を有し、検査装置1Cを支持する支持機構と、管路OB1の軸方向に移動可能とさせるための複数のローラを有するセンタリングデバイスである。複数の移動機構121が検査装置1Cの軸方向に沿って所定の間隔を持って取り付けられて、検査装置1Cは、管路OB1内に挿通される。各移動機構121は、複数のリレーレンズユニット3を検査対象に対して支持する支持装置である。
【0097】
赤外光は、ユーザが操作する赤外光出射装置122から出射される。赤外光出射装置122は、赤外光を出射するLEDを有している。赤外光出射装置122には、照明光の光量を増減するためのスイッチ44a又は44b(図示せず)が設けられている。フォトダイオード22は、対物レンズユニット2Eの先端面に設けられている。
【0098】
管路OB1の先端側に、2つのミラー123a、123bを有する反射装置123が設置されている。反射装置123は、管路OB1の基端側からの光を反射させて、管路OB1の軸方向に沿って管路OB1の先端側から基端側に向かうように、2つのミラー123a及び123bの反射面122a1及び123b1は配置されている。
【0099】
検査者であるユーザが、赤外光出射装置122を操作して、管路OB1の基端側から反射装置123に向けて赤外光を出射すると、フォトダイオード22は、赤外光を受光することができる。
すなわち、フォトダイオード22は、対物レンズユニット2Eの先端側に設けられたミラーによって反射された赤外光を受信するように対物レンズユニット2Eの外側に設けられている。そして、LED47からの赤外光は、複数のリレーレンズユニット3を支持する支持装置である複数の移動機構121を介してフォトダイオード22で受信される。
よって、ユーザは、赤外光出射装置122を操作して、対物レンズユニット2の照明部の照明光の光量を増減することができる。
【0100】
なお、赤外光が管路OB1内を通るようにしてもよい。
図20において、点線で示すように、赤外光が管路OB1の基端側から先端側へ通過可能なように各移動機構121に隙間121aを設け、ユーザが管路OB1の基端側から管路OB1内に向けて赤外光出射装置122から赤外光を出射する。
【0101】
2つのミラー123a及び123bの反射面123a1と123b1は、各移動機構121の隙間121aからの赤外光を反射させて、管路OB1の軸方向に沿って管路OB1の先端側から基端側に向かうように、点線で示すように、2つのミラー123a及び123bの反射面123a1及び123b1が配置される。
このような構成によっても、赤外光を検査装置1C内を通さないで、赤外光出射装置122を操作して、対物レンズユニット2Eの照明部の照明光の光量を増減することができる。
【0102】
さらになお、管路OB1の先端側に反射装置123が設置できないような場合は、フォトダイオード22を移動機構121の隙間121aからの赤外光を受光できる位置に配置してもよい。その場合、
図20では、フォトダイオード22は、二点鎖線で示すように、対物レンズユニット2Eの側面の、隙間121aからの赤外光を受光できる位置に配置される。すなわち、電磁波信号である赤外光は、支持装置である複数の移動機構121に形成された隙間121aを通ってフォトダイオード22で受信される。
なお、先端側が開放の被検体では、手元側から光量を変えることができるだけではなく、複数人で検査する場合は、検査対象を観察する者以外の者が、赤外光出射装置122の赤外光を被検体の先端側からフォトダイオード22へ当てて、光量を変化させても良い。
(変形例8)
上述した変形例7では、赤外光を管路内に通す場合に、移動機構121の隙間121a内を赤外光が通るが、本変形例8では、各移動機構に受光部と発光部を設けて、赤外光の受光と出射を繰り返すようにして赤外光を対物レンズユニット2Eのフォトダイオード22に照射するようにしてもよい。
【0103】
図21は、本変形例8に係わる検査装置1Dの構成を示す断面図である。検査対象は、貫通した管路であり、検査装置1Dには、管路OB1内を移動するための移動機構121が複数取り付けられている。
【0104】
各移動機構121は、赤外光を受光する光センサとしてのフォトダイオード131と、赤外光を出射する発光部としてのLED132とを有する。各移動機構121は、フォトダイオード131及びLED132を動作させるためのバッテリ133を有している。各移動機構121は、フォトダイオード131が赤外光を受光すると、フォトダイオード131で受光した赤外光信号と同じ赤外光を発光部132から出射するようにフォトダイオード131及び発光部132を制御する制御部(図示せず)を有している。
【0105】
検査装置1Dの隣り合う2つの移動機構121の発光部132からの赤外光がフォトダイオード131に入射するように、2以上のリレーレンズユニット3は連結され、かつ先端の移動機構121のLED132からの赤外光がフォトダイオード22に入射するように、対物レンズユニット2Fと先端のリレーレンズユニット3は連結される。
【0106】
ユーザは、赤外光出射装置122を操作して、管路OB1の基端側から最基端の移動機構121のフォトダイオード131に向けて赤外光を出射すると、各移動機構121のフォトダイオード131が赤外光を受光し、発光部132から赤外光を出射する。最終的には、対物レンズユニット2Fのフォトダイオード22が、赤外光出射装置122から出射された赤外光と同じ信号パターンの赤外光を受ける。
以上のように、支持装置である各移動機構121は、電源としてのバッテリ133を有し、電磁波信号である赤外光は、最基端の移動機構121において受信され、各移動機構121は、受信した赤外光に基づいて、受信した赤外光と同じ赤外光を生成して出力する。
よって、ユーザは、赤外光出射装置122を操作して、対物レンズユニット2Fの照明部の照明光の光量を増減することができる。
【0107】
なお、ここでは、ユーザは赤外光出射装置122を操作して赤外光の照明制御信号を対物レンズユニット2Fへ送出しているが、
図19に示したように、接眼レンズユニット4Cの筒体41の外側の先端側に発光部としてのLED47を設けるようにしてもよい。その場合、接眼レンズユニット4CのLED47からの赤外光が最基端の移動機構121のフォトダイオード131に入射するように、接眼レンズユニット4Cと最基端のリレーレンズユニット3は連結される。
(変形例9)
図21では、検査装置1Dの外側で移動機構において赤外光の受光と出射を行うようにして、対物レンズユニット2Fのフォトダイオード22に照射しているが、本変形例9は、赤外光が検査装置内で受光と出射を行うように対物レンズユニット2のフォトダイオード22に照射を行う。
【0108】
図22は、赤外光が検査装置内を通るようにした場合の検査装置1Eの構成を示す断面図である。なお、
図22では、検査装置1Eの対物レンズユニット2Gと、最先端のリレーレンズユニット3Aのみが図示されている。
【0109】
検査装置1Eの対物レンズユニット2Gは、基端側にリング状に配設された複数のフォトダイオード22を有している。
各リレーレンズユニット3Aは、基端部に複数のフォトダイオード141を有し、先端部の内側に複数のLED142を有している。複数のフォトダイオード141は、リング状の基板141a上に搭載され、基端側からの赤外光を受光するように、リレーレンズユニット3Aの接続管34に固定されている。複数のLED142は、リング状の基板142a上に搭載され、先端側へ赤外光を出射するように、リレーレンズユニット3Aの接続管33に固定されている。
【0110】
各リレーレンズユニット3Aは、フォトダイオード141が赤外光を受光すると、フォトダイオード141で受光した赤外光信号と同じ赤外光をLED部142から出射するようにフォトダイオード141及びLED142を制御する制御部(図示せず)を有している。
【0111】
リレーレンズユニット3Aの接続管33の内側には、複数のバッテリ143を収容する複数のバッテリ収容部143aを有している。各バッテリ143は、バッテリ収容部143aに収容されている。各バッテリ143は、基板142aの接点に接して各LED142へ電源を供給する。
【0112】
さらに各レンズ枠33a、33b(図示せず)、33cにも配線(図示せず)が設けられている。図示しない制御部との信号及び電源の供給のためのリード線143bが、各リレーレンズユニット3A内に配設されている。リード線143bが各リレーレンズユニット3A内で弛まないように、前側筒体32aと後側筒体32bのそれぞれの内側には、内筒体32c1、32c2が配設され、各リード線143bは、前側筒体32aと内筒体32c1の間、及び後側筒体32bと内筒体32c2の間に配設されている。
すなわち、電磁波信号受信部である複数のフォトダイオード22が、対物レンズユニット2Gの内側に設けられ、赤外光を受信する。各リレーレンズユニット3Aは、電源としてのバッテリ143を有し、受信した赤外光に基づいて、受信した赤外光と同じ電磁波信号を生成して出力する。
【0113】
よって、ユーザは、接眼レンズユニット4の2つのスイッチ44aと44b、あるいは赤外光出射装置122を操作して、照明光の光量調整信号を出力すると、基端側から出射された赤外光は、接眼レンズユニット4からリレーレンズユニット3Aの各フォトダイオード141で受光され、受光した赤外光と同じ信号の赤外光をLED142から出射する。よって、検査装置1E内で赤外光の受光と出射を行うようにして、対物レンズユニット2Gのフォトダイオード22に照射を行い、光量の調整を行うことができる。
(変形例10)
変形例9では、各リレーレンズユニット3Aが複数のフォトダイオード141、複数のLED142及び複数のバッテリ143を有し、各リレーレンズユニット3Aにおいて赤外光の受光と出射を行うようにして、対物レンズユニット2Gのフォトダイオード22に照射しているが、本変形例10は、各リレーレンズユニットが光ファイバを有して、赤外光の受光と出射を行うようにした。
【0114】
図23は、赤外光が検査装置内を通るようにした場合の検査装置1Fの構成を示す断面図である。なお、
図23では、検査装置1Fの対物レンズユニット2Hと、最先端のリレーレンズユニット3Bのみが図示されている。
【0115】
検査装置1Fの対物レンズユニット2Hは、基端側に光コネクタ151を有しており、光コネクタ151の出力は、図示しない光電変換素子を介して、制御基板19に信号が供給される。
【0116】
各リレーレンズユニット3Bは、基端部と先端部にそれぞれ光コネクタ152と153を有している。光コネクタ152は、リレーレンズユニット3Bの基端部に設けられたリング状の基板152a上に搭載される。光コネクタ153は、リレーレンズユニット3Bの先端部に設けられたリング状の基板153a上に搭載される。
【0117】
光コネクタ152と153の間には、光ファイバ154が設けられており、光ファイバ154は、光コネクタ152に入射した赤外光を透過して光コネクタ153に出射する。光ファイバ154は、各レンズ枠33a、33b、33cに設けられた孔あるいは溝内を通るように配設されている。
【0118】
各リレーレンズユニット3B内には、光ファイバ154が各リレーレンズユニット3B内で弛まないように、前側筒体32aと後側筒体32bと接続管34のそれぞれの内側には、内筒体155が配設され、光ファイバ154は、前側筒体32aと内筒体155の間、及び後側筒体32bと内筒体155の間、及び接続管34と内筒体155の間に配設されている。
【0119】
光コネクタ152は、リレーレンズユニット3Bの基端側に接続される他のリレーレンズユニット3Bの光コネクタ153とも接続可能なようにリレーレンズユニット3Bに配設されている。
【0120】
対物レンズユニット2Hが最先端のリレーレンズユニット3Bの先端部に取り付けられたとき、最先端のリレーレンズユニット3Bの光コネクタ153が対物レンズユニット2Hの光コネクタ151と接続されるように、光コネクタ151は、対物レンズユニット2Cに配設されて固定されている。
【0121】
図示しない接眼レンズユニット4に設けられたLED47からの赤外光は、最基端のリレーレンズユニット3Bの光コネクタ152に向けて出射するように、接眼レンズユニット4は、最基端のリレーレンズユニット3Bに取り付けられる。
以上のように、フォトダイオード22が、対物レンズユニット2Hの内側に設けられ、光コネクタ151に接続され、各リレーレンズユニット3Bは、受信した赤外光を光ファイバ154を介して出射する。
【0122】
よって、ユーザは、接眼レンズユニット4の2つのスイッチ44aと44b、あるいは赤外光出射装置122を操作して、照明光の光量調整信号を出力すると、基端側から出射された赤外光は、接眼レンズユニット4からリレーレンズユニット3Bの光コネクタ152で受光され、受光した赤外光は、光ファイバ154を通って、光コネクタ153から出射する。複数のリレーレンズユニット3Bが連設されたときにも、赤外線は、各リレーレンズユニット3B内の光ファイバ154を通って、対物レンズユニット2の光コネクタ151に入射され、光量の調整を行うことができる。
(変形例11)
変形例10では、各リレーレンズユニット3Bが光ファイバ154を有して、赤外光の受光と出射を行うようにしているが、本変形例11は、各リレーレンズユニット3Aが赤外光を通す隙間を内部に有して、赤外光を透過させるようにした。
【0123】
図24は、赤外光が検査装置内を通るようにした場合の検査装置1Gの構成を示す断面図である。
図25は、
図24のXXV-XXV線に沿った断面図である。なお、
図24では、検査装置1Gの対物レンズユニット2Iと、最先端のリレーレンズユニット3Cのみが図示されている。
【0124】
各リレーレンズユニット3Cの先端部は、対物レンズユニット2Iの基端部に嵌合するように外挿可能に形成されている。
また、複数のリレーレンズユニット3Cが連設可能なように、各リレーレンズユニット3Cの先端部は、他のリレーレンズユニット3Cの基端部にも嵌合するように外挿可能に形成されている。
【0125】
各リレーレンズユニット3Cは、外筒161と、内筒162を有して構成されている。外筒161と内筒162の間には、隙間163が形成されるように、複数のスペーサ164が設けられている。各スペーサ164は、外筒161の外周から螺子165によって、外筒161と内筒162に対して固定される。
【0126】
リレーレンズ31a、31b、31cは、筒状のスペーサ166a,166b、166c、166dにより内筒162に対して固定されている。
図24に示すように、リレーレンズ31aは、スペーサ166aと166bに挟持され、リレーレンズ31bは、スペーサ166bと166cに挟持され、リレーレンズ31cは、スペーサ166cと166dに挟持されて内筒162に対して固定されるように、スペーサ166a,166b、166c、166dは、内筒162に対して接着剤などの固定手段により固定されている。
以上のように、各リレーレンズユニット3Cは、外筒部材である外筒161と、外筒161の内側に設けられた内筒部材である内筒162とを有し、フォトダイオード22は、LED47から出射され、外筒161と内筒162の間に形成された隙間163を通った赤外光を受信する。
【0127】
よって、ユーザは、接眼レンズユニット4の2つのスイッチ44aと44bを操作して、照明光の光量調整信号を出力すると、基端側から出射された赤外光は、接眼レンズユニット4から各リレーレンズユニット3Cの隙間163を通って、最先端のリレーレンズユニット3Cから出射して、対物レンズユニット2Iのフォトダイオード22に入射され、光量の調整を行うことができる。
【0128】
(変形例12)
変形例12は、対物光学系及び接眼光学系のそれぞれの近傍に、赤外反射ミラーが配置された検査装置に関する。
図26は、本変形例12に係わる検査装置の構成を示す断面図である。
なお、本変形例12に係わる検査装置1Xの構成は、上述した実施の形態の検査装置1と同様の構成であるため、検査装置1と同じ構成要素については、同じ符号を付して説明は省略し、異なる構成についてのみ説明する。
検査装置1の対物レンズユニット2Xには、
図26に示すように、赤外反射ミラー211が、レンズ枠体でもあるミラー保持部材14Xに設けられている。赤外反射ミラー211は、赤外光は反射するが、可視光は透過する可視光透過ミラーである。赤外反射ミラー211は、接眼レンズユニット2Xからの光の光軸に対して45度傾けて配置される。ミラー保持部材14Xは、接続管12Xの基端側から挿入されて固定される。
【0129】
フォトダイオード22は、フレキシブル基板22Xに搭載されている。フレキシブル基板22Xは、フォトダイオード22の受光面が赤外反射ミラー211に向くように、フォトダイオード保持部である保持枠14Yに固定されている。保持枠14Yは、接続管12Xに固定されている。
フレキシブル基板22Xは、薄く細長い形状を有して、フォトダイオード22の位置から、ミラー保持部材14Xの外周面に沿って、ミラー保持部材14Xの先端側まで延出している。フレキシブル基板22Xは、先端部において、図示しないリード線により、基板19と電気的に接続されており、基板19は、フォトダイオード22の出力信号を受信可能に構成されている。
【0130】
一方、接眼レンズユニット4X内には、赤外反射ミラー212が、筒状のミラー保持部材14Zに設けられている。赤外反射ミラー212は、赤外反射ミラー211と同様に、赤外光は反射するが、可視光は透過する可視光透過ミラーである。赤外反射ミラー212は、接眼レンズユニット4Xの光軸に対して45度傾けて配置される。ミラー保持部材14Zは、筒体41Xの先端側から挿入されて固定される。
筒体41Xには、ユーザが操作可能な操作スイッチ44Xが設けられている。また、筒体41Xの内側には、基板51Xに搭載されたLED47が、LED47からの赤外光が赤外反射ミラー212に向くように、筒体41Xに固定されている。操作スイッチ44X及びLED47は、図示しなリード線により、制御基板48に接続されている。
なお、ここでは、操作スイッチ44Xは、1つしか示していないが、上述したように、2つのスイッチ(44a、44b)を有している。
検査対象の反射光は、赤外反射ミラー211、リレーレンズユニット3のリレーレンズ、及び赤外反射ミラー212を通るので、ユーザは、接眼レンズユニット4Xの接眼レンズ42を覗くと検査対象を観察することができる。
【0131】
また、ユーザがスイッチ44Xを操作すると、LED47から赤外光が出射されて、赤外反射ミラー212で反射して、リレーレンズユニット3に出射される。対物レンズユニット2Xでは、リレーレンズユニット3からの赤外光は、赤外反射ミラー211で反射されて、フォトダイオード22Xで受光される。フォトダイオード22Xで受光した光に応じた検出信号が制御基板19に出力されるので、ランプ15の光量は、制御可能となる。
よって、本変形例12の構成によっても、ユーザは、接眼レンズユニット4Xのスイッチ44Xを操作して、照明光の光量調整信号を出力すると、基端側から出射された赤外光は、接眼レンズユニット4Xから各リレーレンズユニット3を通って、対物レンズユニット2Xのフォトダイオード22Xに入射され、光量の調整を行うことができる。
(第2の実施の形態)
上述した第1の実施の形態では、照明光の光量を制御する光量調節信号は、接眼レンズユニットから出射されているが、本実施の形態では、対物レンズユニットに設けられたセンサの検出信号に基づいて光量が制御される。
【0132】
本実施の形態では、加速度センサが利用されている。
本実施の形態の検査装置1Hの構成は、上述した実施の形態及び各変形例の検査装置の構成と略同じであり、同じ構成要素については、同じ符号を付して説明は省略し、上述した実施の形態及び各変形例の検査装置の構成と異なる点のみ説明する。
【0133】
図27は、赤外光が検査装置内を通るようにした場合の検査装置1Hの構成を示す断面図である。
図28は、対物レンズユニット2Jの基板22bの斜視図である。
接眼レンズユニット4Dには、操作スイッチ44が設けられている。操作スイッチ44の操作信号は、接眼レンズユニット4D内の制御基板48に入力される。
操作スイッチ44は、照明光の照射開始を指示するための操作器である。操作スイッチ44が操作されると、制御基板48に接続されたLED47が発光する。
操作スイッチ44が押下されると、制御回路48aは対物レンズユニット2J内の照明ランプ15(図示せず)を点灯させるパルス信号を生成して、LED47に供給する。LED47は、そのパルス信号に応じた赤外光IRを出射する。赤外光は、接続用口金43の先端方向へ出射される。
【0134】
対物レンズユニット2Jの基端側には、複数のフォトダイオード22がリング状に搭載されたリング状の基板22bが設けられており、リレーレンズユニット3D側からの赤外光を受光できるように配設されている。
図28に示すように、基板22bの片面には、複数のフォトダイオード22が、搭載されると共に、3つの加速度センサ171も搭載されている。
3つの加速度センサ171は、それぞれ、互いに直交するx、y、z方向の加速度を検出するように配置される。ここでは、xとy方向は、基板22bの平面内における互いに直交する方向である。z方向は、基板22bの平面に直交する方向、すなわち検査装置1Hの軸方向である。すなわち、本実施の形態では、加速度センサ171は、物理量として、加速度の信号を検出する。
【0135】
複数のフォトダイオード22の出力信号及び3つの加速度センサ171の出力信号は、対物レンズユニット2内の制御基板19に入力される。
対物レンズユニット2J、複数のリレーレンズユニット3D及び接眼レンズユニット4Dが連結されて、検査装置1Hが組み立てられると、検査装置1Hは一体となる。そのため、ユーザが検査装置1Hの基端側を把持して、検査装置1Hの軸回りに回動させると、先端側の対物レンズユニット2Jも共に回動する。
制御基板19の制御回路19aは、複数のフォトダイオード22の出力信号を受けると照明ランプ15を点灯する。さらに、その制御回路19aは、3つの加速度センサ171の出力信号に応じて、照明ランプ15の光量を調整する。すなわち、操作スイッチ44は、照明光量の調整を開始することを指示するためのスイッチである。
制御回路19aは、所定の加速度信号を検出すると、照明ランプ15の光量を増加させるランプ駆動信号を照明ランプ15へ出力し、別の所定の加速度信号を検出すると、照明ランプ15の光量を減少させるランプ駆動信号を照明ランプ15へ出力する。
【0136】
ここでは、検査装置1Hの軸回りにおいて右回りに回動されると、制御回路19aが右回りの加速度信号を検知すると、照明ランプ15の光量を増加させるランプ駆動信号を照明ランプ15へ出力し、制御回路19aが左回りの加速度信号を検知すると、照明ランプ15の光量を減少させるランプ駆動信号を照明ランプ15へ出力する。
【0137】
すなわち、ユーザは、検査装置1Hを右回りに回動させると、照明ランプ15の光量が1段階アップする。さらに、ユーザが検査装置1Hを右回りに回動させると、照明ランプ15の光量が1段階アップし、結果として照明ランプ15の光量は最初よりも、2段階アップした光量となる。
【0138】
逆に、ユーザは、検査装置1Hを左回りに回動させると、照明ランプ15の光量が1段階ダウンする。さらに、ユーザが検査装置1Hを左回りに回動させると、照明ランプ15の光量が1段階ダウンし、結果として照明ランプ15の光量は最初よりも、2段階ダウンした光量となる。
【0139】
よって、ユーザは、検査装置1Hの右回りと左回りの操作を行うことにより、照明ランプ15の光量を所望の光量にすることができる。
図29は、検査装置1Hの回動に伴う加速度センサ171のXYZ方向における加速度と、光量の増減を示すタイミングチャートである。
【0140】
加速度センサ171のxとy方向における出力信号が所定の閾値(TH1)以上であると、制御回路19aは右方向への回動があったとして、照明ランプ15の光量を1段階分だけ増加させるランプ駆動信号を照明ランプ15へ出力する。加速度センサ171のxとy方向における出力信号が所定の閾値(−TH1)以下であると、制御回路19aは左方向への回動があったとして、照明ランプ15の光量を1段階分だけ減少させるランプ駆動信号を照明ランプ15へ出力する。
【0141】
本実施の形態においても、例えば、制御回路19aは、カウンタを有し、カウンタには、照明ランプ15の光量に応じたカウンタ値が設定される。制御回路19aは、検査装置1Hの回動方向に応じて、カウンタ値を増減させて、カウンタ値に応じたランプ駆動信号を生成して照明ランプ15へ出力する。
【0142】
よって、制御基板19は、対物レンズユニット2に設けられ、対物レンズユニット2に設けられたセンサである複数の加速度センサ171で検知された物理量信号である加速度信号に応じて、照明部の照明光の光量を調節する照明調節部を構成する。
【0143】
図29では、T1期間において、右回りが検出され、その結果、照明ランプ15は光量が増加する。T2期間において、左回りが検出され、その結果、照明ランプ15の光量が減少する。
【0144】
T3期間では、Z方向の加速度が検出されているが右回りでも左回りでもないので、照明ランプ15の光量は変化しない。
よって、本実施の形態によれば、ユーザは、赤外光を用いずに、光量の調整を行うことができる。
また、加速度センサ171の出力をモニタすれば、その出力の情報を確認することで、対物レンズユニット2Jの向きすなわち検査装置の先端の向きがどちらで、被検体内のどこまで挿入されたかも確認することができる。加速度センサ171本来の機能である位置を検知することができるとともに、照明光の光量の調整も同時に行うことができる。
【0145】
なお、上述した例では、照明ランプ15のオン・オフに赤外光を利用しているが、加速度信号に基づいて、照明ランプ15のオン・オフ制御も行うようにしてもよい。例えば、3つの加速度信号の出力パターンが、所定のパターン、例えば非常に短い時間内における大きな右回動があると、照明ランプ15をオンし、さらに照明ランプ15が点灯しているときに、同じ所定のパターンの3つの加速度信号の出力パターンが検知されると、照明ランプ15をオフするようにしてもよい。
さらに、加速度センサ171を先端側のみではなく、手元側の接眼レンズユニット4D付近にも配置し、先端側と手元側の加速度センサの情報を比較することにより、リレーレンズユニット3D間の連結部、リレーレンズユニット3Dと対物レンズユニット2J間の連結部、あるいはリレーレンズユニット3Dと接眼レンズユニット4D間の連結部の緩み、ズレを確認することも可能となる。
上述した実施の形態によれば、CCDカメラなどの撮像装置による画像でなく検査対象の反射光を目で観察でき、照明の光量調節を確実に行うことができかつ所望の長さに調整可能な検査装置を提供することができる。
【0146】
以下、上述した第2の実施の形態の変形例について説明する。各変形例の検査装置の構成は、上述した実施の形態の検査装置1の構成と略同じであり、同じ構成要素については、同じ符号を付して説明は省略し、上述した実施の形態あるいは各変形例の検査装置の構成と異なる点のみ説明する。各変形例において、他の変形例と同じ構成要素については、同じ符号を付して説明は省略し、上述した実施の形態及び各変形例の検査装置の構成と異なる点のみ説明する。
(変形例1)
上述した第2の実施の形態では、照明ランプ15の光量調整のために加速度信号を利用しているが、本変形例1では、圧力を利用している。すなわち、本変形例1では、物理量として、圧力の信号を検出する圧力センサを利用している。
【0147】
図30は、空気が検査装置内を通るようにした場合の検査装置1Iの構成を示す断面図である。
図31は、
図30のXXXI-XXXI線に沿った検査装置1Iの断面図である。
対物レンズユニット2Kの基端側には、複数のフォトダイオード22と複数の圧力センサ181がリング状に搭載されたリング状の基板181aが設けられており、各圧力センサ181の出力は制御基板19に入力され、制御回路19aが、検査装置1I内の空気圧を検出できるように配設されている。
【0148】
複数のリレーレンズユニット3Eが連設されており、
図30では、2つのリレーレンズユニット3Eが接続されている状態が示されている。
外筒161と内筒162は、スペーサ164を介して螺子165で固定されている。2つのリレーレンズユニット3E間には、接続口金182が螺子165aにより固定されている。
【0149】
図31に示すように、接続口金182は、筒状であり、軸方向に沿って複数の孔183が形成されている。
複数のリレーレンズユニット3Eが連結されたとき、少なくとも1つの接続口金182が介装される。
【0150】
接眼レンズユニット4Eには、ポンプ184がコネクタ185を介して接続されている。ポンプ184とコネクタ185は、チューブ186により接続されており、チューブ186の途中には、スイッチ187が設けられている。ユーザは、スイッチ187を押下すると、内部のバルブが開いてポンプ184からの空気が空いて、接続用口金43内に空気が供給される。
【0151】
操作スイッチ44は、照明光の照射開始を指示するための操作器である。操作スイッチ44が操作されると、制御基板48の制御回路48aに接続されたLED47が発光する。
【0152】
操作スイッチ44が押下されると、制御回路48aは対物レンズユニット2内の照明ランプ15(図示せず)を点灯させるパルス信号を生成して、LED47に供給する。LED47は、そのパルス信号に応じた赤外光を出射する。赤外光は、接続用口金43の先端方向へ出射される。
【0153】
基板181aの片面には、複数のフォトダイオード22が、搭載されると共に、圧力センサ181も搭載されている。
複数のフォトダイオード22の出力信号及び圧力センサ181の出力信号は、対物レンズユニット2K内の制御基板19に入力される。
【0154】
対物レンズユニット2K、複数のリレーレンズユニット3E及び接眼レンズユニット4E連結されて、検査装置1Iが組み立てられると、検査装置1Iは一体となる。そのため、ユーザがスイッチ187を操作すると、検査装置1I内の外筒161と内筒162の間の隙間163内の圧力が高まる。圧力上昇の結果、圧力センサ181は、上昇した圧力に対応する出力信号を出力する、
制御基板19の制御回路19aは、複数のフォトダイオード22の出力信号を受けると照明ランプ15を点灯する。さらに、その制御回路19aは、圧力センサ181の出力パターンに応じて、照明ランプ15の光量を調整する。
【0155】
例えば、スイッチ187を短い周期でオン・オフを繰り返すと、制御回路19aは、圧力の上下が所定期間内に変化することを検知すると、照明ランプ15の光量を増加させるランプ駆動信号を照明ランプ15へ出力し、圧力の上下が所定期間内に変化しないときには、照明ランプ15の光量を減少させるランプ駆動信号を照明ランプ15へ出力する。
【0156】
よって、ユーザは、スイッチ187の操作を行うことにより、照明ランプ15の光量を所望の光量にすることができる。
本変形例によれば、ユーザは、赤外光を用いずに、光量の調整を行うことができる。
【0157】
なお、上述した例では、照明ランプ15のオン・オフに赤外光を利用しているが、圧力に基づいて、照明ランプ15のオン・オフ制御も行うようにしてもよい。例えば、圧力センサの圧力変化のパターンが、所定のパターン、例えば非常に長い時間の高い圧力状態があると、照明ランプ15をオンし、さらに照明ランプ15が点灯しているときに、同じ所定のパターンが検知されると、照明ランプ15をオフするようにしてもよい。
また、圧力センサを内部に設けることで、内部の圧力を検知して、エアの漏れを確認することで、連結部の緩み等の確認も可能となる。
(変形例2)
上述した変形例1では、圧力の伝達により、対物レンズユニット2の光量調整を行っているが、本変形例2では、音により対物レンズユニット2の光量調整を行う。すなわち、本変形例1では、物理量として、音の信号を検出するマイクロフォンを利用している。
【0158】
ここでは、対物レンズユニットの構成のみを説明する。
図32は、対物レンズユニット2Lの構成を示す断面図である。
【0159】
対物レンズユニット2Lの側面及び先端面に、それぞれマイクロフォン191と192が設けられている。
マイクロフォン191と192は、制御基板19に接続されている。
【0160】
ユーザは、所定の音を発する発音装置(図示せず)を操作して、複数種類の音を出力することができる。
音の複数の種類は、音の大きさ、音の長さ、所定期間内における音の発生の回数、音の周波数、及びこれらの組合せ等々により規定され、マイクロフォン191と192の出力信号から、制御基板19において検出可能なものであれば、どのようなものでもよい。
【0161】
ユーザが、発音装置を操作して、照明のオン、オフ、光量の増加あるいは減少に対応する音を出力すると、マイクロフォン191と192に音が伝わり、制御基板19の制御回路19aにおいて音の種類を判定し、その判定結果に応じて、照明のオン、オフ、光量の増加あるいは減少を行う。
【0162】
なお、変形例1で示したポンプを利用して、対物レンズユニットまで高い圧力の空気を送り、その空気によって音を発生させて、その発生した音を、マイクロフォンにより検出するようにしてもよい。
【0163】
図33は、対物レンズユニット2Mの構成を示す断面図である。
対物レンズユニット2Mには、ポンプ184からの空気を導入する管路193を有し、管路193の開口部には、空気振動により音を発する発音部材194が設けられている。
【0164】
発音部材194は、凹部11aに設けられ、同様に、マイクロフォン195も、凹部11aに設けられている。マイクロフォン195は制御基板19に接続されている。
ポンプ184から吐出される空気の吐出パターンによって、音の種類を付けることができる。
【0165】
このような構成によっても、
図32と同様に、ユーザは、スイッチ187を操作して、照明のオン、オフ、光量の増加あるいは減少に対応する音を出力すると、マイクロフォン195に音が伝わり、制御基板19の制御回路19aにおいて音の種類を判定し、その判定結果に応じて、照明のオン、オフ、光量の増加あるいは減少を行うことができる。
【0166】
以上のように、上述した各実施の形態によれば、CCDカメラなどの撮像装置による画像でなく検査対象の反射光を目で観察でき、照明の光量調節を確実に行うことができかつ所望の長さに調整可能な検査装置を提供することができる。
【0167】
なお、上述した各実施の形態及び各変形例では、対物レンズユニットがバッテリを内蔵しているが、そのバッテリ残量が少なくなってくると、ユーザにバッテリ残量が少ないことを知らしめるようにしてもよい。
【0168】
図34は、バッテリ残量が少ないことを知らしめる対物レンズユニット2Gの部分断面図である。
図35は、複数のフォトダイオード22と複数のLEDが搭載されたリング状の基板22cの斜視図である。
対物レンズユニット2Nの基板22cには、複数のフォトダイオード22と共に、複数の、ここでは3つのLED201も搭載されている。各LED201の光の出射方向が、点線で示すようにリング状の基板22aの中心に向かうようには、各LED201は、基板22a上に搭載される。
【0169】
制御基板19は、バッテリ17のバッテリ残量を監視し、所定の閾値以下になると、各LED201を点滅させる。LED201の光は、ユーザの内視鏡画像の光路中に出射されるので、ユーザは、バッテリ17の残量が少ないことを認識することができる。
なお、複数のLED201の色を異なるようにして、残量に応じた色のLED201を発光させるようにしてもよい。
以上のように、対物レンズユニット2Gは、バッテリ17の消耗状態を、光の変化により示す。
【0170】
上述した各実施の形態及び各変形例によれば、CCDカメラなどの撮像装置による画像でなく検査対象の反射光を目で観察でき、照明の光量調節を確実に行うことができかつ所望の長さに調整可能な検査装置を提供することができる。
【0171】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。