特許第6599892号(P6599892)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6599892
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】自動車両駆動軸用の駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 17/10 20060101AFI20191021BHJP
   B60K 5/04 20060101ALI20191021BHJP
   B60K 17/04 20060101ALI20191021BHJP
   B60K 17/30 20060101ALI20191021BHJP
   F16C 19/06 20060101ALI20191021BHJP
   F16C 19/44 20060101ALI20191021BHJP
   F16C 35/06 20060101ALI20191021BHJP
   F04B 1/04 20060101ALI20191021BHJP
   F04B 1/10 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
   B60K17/10 G
   B60K5/04 E
   B60K17/04 Q
   B60K17/30 C
   F16C19/06
   F16C19/44
   F16C35/06 Z
   F04B1/04
   F04B1/10
【請求項の数】18
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-564150(P2016-564150)
(86)(22)【出願日】2015年4月24日
(65)【公表番号】特表2017-514740(P2017-514740A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(86)【国際出願番号】EP2015058902
(87)【国際公開番号】WO2015162252
(87)【国際公開日】20151029
【審査請求日】2018年3月14日
(31)【優先権主張番号】1453739
(32)【優先日】2014年4月25日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515221543
【氏名又は名称】ポクレン ハイドロリックス アンダストリエ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】グズー,クリストフ,ピエール,ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ル・レイ,フランソワ‐グザヴィエ
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/048841(WO,A2)
【文献】 特開平10−29439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 17/10
B60K 5/04
B60K 17/04
B60K 17/30
F04B 1/04
F04B 1/10
F16C 19/06
F16C 19/44
F16C 35/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両駆動軸用の駆動装置であって、
発動機、
ギアボックス、及び
ディファレンシャルに結合する二本の半軸に分割された、軸、
を有し、
液圧機械は、前記ギアボックス又は前記ディファレンシャルに連結して、前記連結によって駆動され、前記液圧機械は、前記半軸のうちの一本のためのベアリングを形成する、
装置。
【請求項2】
前記発動機は、前記車両の長手方向に対して横方向である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
当該装置は、前記ギアボックスから前記ベアリングに延びる二本の同心軸を有する、請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
外側の軸は、前記ディファレンシャルのクラウンギアに結合し且つ前記液圧機械に接続されており、
内側の貫通シャフトは、前記ディファレンシャルの衛星ギアに結合する、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記機械は、マルチローブカム及びラジアルピストンを備えた機械である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記機械は、マルチローブカム及びラジアルピストンをそれぞれ有する数枚の同軸ウエハーを積み重ねることによって形成されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ディファレンシャルは、前記ギアボックスに統合されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記ディファレンシャルは、前記液圧機械の側方に位置する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記液圧機械の側方で、自在継手に関連する長軸は、前記液圧機械を貫通した状態で、一つの車輪を前記ギアボックスに接続する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
当該装置は、前記二つの半軸の端部のそれぞれに提供された、左側及び右側の二つの自在継手を有し該自在継手は、実質的に同じ長さを有する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
中間トランスミッションベアリングとして働く前記機械は、前記の左側及び右側の自在継手の結合が前記車両の長手方向軸線から同じ距離に位置するように配置されており、
前記の二つの自在継手は、少なくとも実質的に同一である、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
当該装置は、液圧発動機が提供された第2シャフトを有し、
前記液圧機械は、前記第2シャフト関連する前記発動機に動力を与える、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
半軸の前記ベアリングは、前記液圧機械に統合されており、前記液圧機械の筐体の要素、例えばキャップによって支えられている、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記液圧機械に統合されている、半軸のベアリングを形成するローラは、ボールベアリングである、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記液圧機械に統合されている、半軸のベアリングは、管状の軸によって支えられており、
前記管状の軸自体は、関連するローラを通して、前記液圧機械の筐体要素によって支持されている、
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記液圧機械に統合され、且つ、それ自体前記液圧機械の筐体要素によって支持されている管状の軸によって支えられている、半軸のためのベアリングを形成する前記ローラは、ニードルベアリングである、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記半軸に関連し、好ましくはリップシールによって形成される封止手段は、前記半軸と、前記液圧機械の筐体との間に置かれているか、又は管状の軸のような関連する要素との間に置かれ、該要素によって回転可能にガイドされている、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
好ましくはリップシールによって形成される封止手段は、前記ギアボックス又は前記ディファレンシャルによって駆動される管状の中間軸と、前記液圧機械の筐体との間に置かれている、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両(vehicule automobile)駆動軸用の駆動装置の分野に関する。
【0002】
本発明は、より正確には、第2軸、例えばリアアクスルの駆動を提供することを可能にする動力を引き出すための、駆動軸に結合する静圧ポンプを有する、第1駆動軸用の、例えばフロントアクスル用の駆動装置(ensembles d'entrainement)に関する。
【0003】
本発明は、概して熱エンジンで形成される主発動機が、横方向に(transversalement)、すなわちその出力軸線がドライブトレインの軸に対して平行な状態に向けられる、従って車両の長手方向に対して横方向に向けられる駆動装置に特に適用される。
【背景技術】
【0004】
熱エンジン等の主発動機20、ギアボックス30、ディファレンシャル40、駆動軸50及び静圧ポンプ10を組み合せて有する、添付の図1に示される種類の装置が、既に提案されている。
【0005】
発動機20はギアボックス30を駆動し、ギアボックス30は、それ自体、ディファレンシャル40を駆動する。軸50は、それぞれ自在継手53,55に関連する二本の半軸52,54に分割されている。半軸52,54は、ディファレンシャル40に結合する。静圧ポンプ10は、それ自体ギアボックス30の出力軸に結合するように適合しており、第2軸又は第2ドライブトレインに、すなわち、例えば軸50がフロントアクスルを構成する場合には自動車両のリアアクスルに、液圧の供給を提供するように意図されている。技術の現状によれば、複数の半軸54のうちの少なくとも一つは二つのベアリング60,62に支えられ、そのうちの一つ62は、中間ベアリングを形成することが、観察されるであろう。
【0006】
中間ベアリング62は、発動機20の横方向の配置の結果としての、すなわちその出力軸が軸50の長手方向軸線に対して平行な状態での、ディファレンシャル40の横方向へのオフセットに起因するその大きな長さに関わらず、半軸54を正確に支えることを可能にする。
【0007】
そのような装置の既知の例は、文献(仏国特許出願公開第2621280号明細書)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2621280号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
今、本発明は、このように形成される技術の現状を改善する目的を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目標は、自動車両駆動軸用の駆動装置であって、ギアボックスに関連する、例えば熱エンジンのような発動機を有し、ギアボックスはそれ自体、ディファレンシャル、及びディファレンシャルに結合する二本の半軸に分割された軸、に結合し、当該装置は、ギアボックス又はディファレンシャルに接続して連結によって駆動される液圧機械(machine hydraulique)を有し、液圧機械は、半軸のうちの一本のためのベアリングを形成する、装置のおかげで、本発明によって達成される。
【0011】
液圧機械への軸支持ベアリングの統合は、特にギアボックスが発動機の一端において一方側にずらされており、一方が長く他方が短い、異なる長さの二本の半軸につながる場合に、軸の振動及び揺れを効果的に限定することを可能にする。
【0012】
ギアボックス又はディファレンシャルに接続してこの連結によって駆動される液圧機械の設置は、エネルギーの回収、又は適切な場合には液圧機械を用いてエネルギーを還付することを可能にする。
【0013】
本発明はまた、前述のベアリングを統合する液圧機械に関する。
【0014】
本発明の他の特徴、目標及び利点は、以下の、非限定的な例として与えられた添付図面を参照してなされる詳細な説明を読むことにより、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、前述された、従来技術に準ずる駆動装置の模式図を示す。
図2図2は、第1の変形の実施形態に準ずる、本発明に準ずる駆動装置のサブアセンブリの長手方向の断面図を示す。
図3図3及び図4は、本発明に準ずる二つの変形の実施形態を模式的に示す。
図4図3及び図4は、本発明に準ずる二つの変形の実施形態を模式的に示す。
図5図5図6図7及び図8は、本発明に準ずる4つの具体的な実施形態を、液圧機械上に形成されるベアリングの軸線を通って延びる切断面に沿って示し、ベアリング及びガスケットとして働く複数のローラの取り付けを具体的に説明する。
図6図5図6図7及び図8は、本発明に準ずる4つの具体的な実施形態を、液圧機械上に形成されるベアリングの軸線を通って延びる切断面に沿って示し、ベアリング及びガスケットとして働く複数のローラの取り付けを具体的に説明する。
図7図5図6図7及び図8は、本発明に準ずる4つの具体的な実施形態を、液圧機械上に形成されるベアリングの軸線を通って延びる切断面に沿って示し、ベアリング及びガスケットとして働く複数のローラの取り付けを具体的に説明する。
図8図5図6図7及び図8は、本発明に準ずる4つの具体的な実施形態を、液圧機械上に形成されるベアリングの軸線を通って延びる切断面に沿って示し、ベアリング及びガスケットとして働く複数のローラの取り付けを具体的に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に準ずる装置の全体のアーキテクチャは、図1を参照して先に記述された配置を再び取る。したがって、この全体のアーキテクチャは、今後詳細に記述されない。以下の記述において、図1に示される従来技術から本発明を区別する要素を明示することが試みられるであろう。
【0017】
それでも、先に示唆されたように、本発明は以下を含む駆動装置に関することが想起される:
‐主発動機、例えば熱エンジン、
‐主発動機によって駆動されるギアボックス、
‐ギアボックスによって駆動されるディファレンシャル、
‐二本の半軸に分割された軸であり、その二本の半軸はディファレンシャルに結合する、軸、
‐二本の半軸にそれぞれ結合する二つの自在継手、及び
‐ギアボックス又は前記ディファレンシャルに連結する、好ましくは第2軸を駆動するように意図された、液圧機械。
【0018】
本出願の範囲内で、用語“自在継手”又は同義の表現“カルダン継手”は、自動車分野におけるそれらの通常の感覚で使用され、駆動車輪及び操向車輪への回転運動の伝達を可能にする間に、一本の駆動軸及び一本の被駆動軸の二本の軸の間に回転連結を提供し、それらの軸線は同一点で相交わり、同時に、駆動軸に対する全ての相対方向における被駆動軸の角度変位を可能にする機構を指し示す。
【0019】
そのうえに、本発明の範囲において、用語“半軸(demi-arbre)”は、駆動軸の全長に及ばず、二つの車輪の間の全長にわたって延びないが、ディファレンシャルと、関連する自在継手との間の駆動軸の一部分のみに延びる、軸の一部分を指し示すために使用される。また、“短軸”及び“長軸”の表現は、異なる長さを有する駆動軸のそのような部分を指し示すために使用される。
【0020】
添付の図2に表示されるものは、本発明に準ずる液圧機械10によって支えられるベアリング100であり、ベアリング100は、機械式トランスミッション半軸50のためのベアリングとして働き、それ故に自在継手55のための自在継手ベアリングとして働く。液圧機械10は、ギアボックス30又はディファレンシャル40の出力によって、管状の軸12を用いて駆動される。
【0021】
自在継手55、本実施形態における右側の自在継手に関連する半軸50は、管状の軸12の内側に、それと同軸に収容される。
【0022】
ベアリング100は液圧機械10に統合されており、そのため液圧機械10は、自在継手55に近接して、半軸50を回転可能に支持する。
【0023】
有利には、外側の管状の軸12は、ディファレンシャル40のクラウンギア又はケージに接続されており、同時に内側のシャフト50は、ディファレンシャルの衛星ギアに接続されている。
【0024】
非限定的な例として、ベアリング100は、ボールベアリングで形成されてもよい。
【0025】
液圧機械10は、好ましくはラジアルピストン機械である。
【0026】
そのような機械は、例えば仏国特許出願公開第2872227号明細書及び仏国特許出願公開第2940672号明細書に記載されている。
【0027】
そのようなラジアルピストン機械の全体の構造は当業者によく知られており、従って、今後詳細に記述されない。しかしながら、一般的に、ラジアルピストンを備えた液圧式の発動機は、筐体のチャンバ内に、マルチローブカム、筐体内で相対回転をもって取り付けられたシリンダーブロック、シリンダーブロックに回転可能に連結する軸、シリンダーブロックのそれぞれのシリンダー内で半径方向のスライドをもってガイドされ且つカムのローブ上で支持される複数のピストン、及び、加圧された供給源から来る流体を、連続的に、制御された方法でピストンに適用するように適合された分配器、で構成される液圧式/機械式変換器を有し、そのため、ピストンの数はカム上に形成されるローブの数と異なり、カムのローブに対するピストンによる連続的な推進力は、シリンダーブロック及びそれに連結する要素の筐体に対する、相対的な回転を駆動する、ことが想起される。
【0028】
そのようなシステムは可逆的である、すなわち、軸又はそれに機械的に連結する要素が外側の機械的な部材によって回転駆動される場合に、ピストン及びマルチローブカムの協働は、シリンダー内に連続的な圧力を生み出し、そのため、液圧式/機械式変換器はそのとき、発動機ではなく、液圧ポンプを構成する。
【0029】
シリンダーブロックに関連する外側のマルチローブカム及び内側のラジアルピストンを含むそのような液圧機械の一つの例示的な実施形態は、文献(仏国特許出願公開第2872227号明細書)に記載されている。
【0030】
シリンダーブロックに関連する内側のマルチローブカム及び外側のラジアルピストンを含むそのような液圧機械の一つの例示的な実施形態は、文献(仏国特許出願公開第2940672号明細書)に記載されている。
【0031】
液圧機械10の側方で、自在継手55に関連する長軸50は、液圧機械10を貫通した状態で、一つの車輪をギアボックス30に接続することが、留意されるであろう。
【0032】
そのうえに、左側53及び右側55の二つの自在継手は、実質的に同じ長さを有し、有利には、同一であるか又は少なくとも実質的に同一である。
【0033】
好ましくは、中間トランスミッションベアリングを形成する10は、左側53及び右側55の自在継手の結合が車両の長手方向軸線から同じ距離に位置するように配置されており、そのため二つの自在継手53及び55は、同一であるか又は少なくとも実質的に同一であることもまた、留意されるであろう。
【0034】
添付の図3に示されるものは、本発明に準ずる一つの変形の実施形態である。
【0035】
図3において、液圧機械10を駆動するために設けられる外側の軸12は、図を単純化するために示されていない。
【0036】
本実施形態において、半軸54は、二つの同軸な区分540,545で形成されている。それらの一方、540は、任意の適切な手段、例えば縦溝彫りの先端部541によって、ディファレンシャル40の衛星ギアと結合し、他方、545は、自在継手55に結合する。二つの区分540,545は、外側のスプライン(キー溝)を付けられたスリーブ520によって機械的に結合し、そのスリーブ520はそれ自体、二つのベアリング522,524によって液圧機械10上に回転可能にガイドされる。
【0037】
スプラインを付けられたスリーブ520は、二つの区分540及び545のそれぞれの隣接する端部にそれぞれ形成された二つの縦溝彫りの先端部542及び546と係合する。
【0038】
さらに、図3に示されるように、自在継手55に関連する区分545は、液圧機械10の筐体に統合されたベアリング100によって回転可能に支えられる。
【0039】
図2及び図3に示される実施形態によれば、ディファレンシャル40は、ギアボックス30に統合されてもよい。
【0040】
添付の図4に示されるものは、本発明に準ずる一つの変形の実施形態であり、本実施形態によれば、ディファレンシャル40は右側にずらされている。この変形によれば、ベアリング100を含む液圧機械10は、左側の自在継手53に関連する半軸52を支える。
【0041】
この図4において観察されるものは、ギアボックス30の第2軸ギア32、及び、管状の軸12を通じてディファレンシャル40の大きなクラウンギアに接続するギアボックスの出力ギア34である。
【0042】
この管状の軸12は、液圧機械10とディファレンシャル40との間でトルクを伝えるための動力取出部として働く。
【0043】
図4に模式的に表示されるものは、前述の種類の、ラジアルピストンと共に液圧機械10を形成するシリンダーブロック15及びマルチローブカム16である。
【0044】
更により正確には、液圧機械10は、数枚のウエハー、この場合は、シリンダーブロック15及び関連するマルチローブカム16を各々含み、二つの末端キャップ18及び19の間に配置された三枚のウエハーT1,T2及びT3の同軸の積み重ねによって形成されるように、図4に描かれている。
【0045】
好ましくは、機械の一定の速度での動作を円滑にするように、異なる複数のウエハーは、角度がずらされている。
【0046】
数枚のウエハーを積み重ねることによる、機械10のモジュール化された構成は、機械のシリンダー変位を増大させることを可能にする。
【0047】
ベアリング100は、添付の図4に模式的に示されている。実際には、それは、好ましくはキャップ18,19の一つ、より一般的には機械10の筐体の要素によって支えられる。
【0048】
本発明に準ずる4つの実施形態を示す図5図6図7及び図8の各々において観察されるものは、以下の通りである:
‐液圧機械10の筐体の要素16、
‐液圧機械10とギアボックス30又はディファレンシャル40との間に回転連結を提供する、中空の管状の軸によって形成される中間軸12であり、中空の管状の軸12と液圧機械10の回転部分との間の駆動手段は図示されていない。それらは、縦溝若しくは駆動指を用いて又はオルダム継手型の複雑なシステムによって、達成されてもよい。
‐管状の中間軸12を貫通し、ディファレンシャル40によって駆動される半軸54は、自在継手55に接続する。そして
‐半軸54のためのベアリングとして働くローラ100。
【0049】
図5図6及び図7に示される実施形態によれば、液圧機械10は、ネジ手段17又は任意の同等の手段によって筐体要素16に固定されたキャップ19を有する。図5及び図6によれば、二つの接合面の間のガスケット191、一例として平らなガスケット若しくは溝内のOリング又は封止ペースト、又は任意の他の普通の封止手段は、回転の軸線O‐Oに対して横方向に、キャップ19と、要素16の端面との間に置かれる。図7に示される実施形態によれば、キャップ19と要素16との間の封止は、ラジアルシールとして取り付けられた銅等なOリング192によって成し遂げられる。
【0050】
図8に示される実施形態は、要素16に対して適用される覆い19を有しない。しかし図8によれば、筐体要素16は、単一の部品で作られた同等な部分193を含む。
【0051】
図5乃至図8の4つの実施形態によれば、中間の管状の軸12は、好ましくはボールベアリングで形成され、軸12の外表面と要素16との間に置かれた、ローラ120によって回転可能に支持される。
【0052】
図5及び図8に示される二つの実施形態によれば、半軸54のためのベアリングを形成するローラ100は、半軸54の外表面と液圧機械10の筐体要素との間に、より正確には、図5によればキャップ19及び図8によれば同等の一つの部品の部分193との間に置かれている。この場合、ローラ100は、好ましくはボールベアリングである。そのうえに、図8によれば、ローラ100は、好ましくは封止ベアリングである。
【0053】
図6及び図7に示される両方の実施形態によれば、他方で、半軸54のためのベアリングを形成するローラは、半軸54の外表面と管状の中間軸12の内表面との間に置かれており、その管状の中間軸自体は、ローラ120によって支えられている。この場合、ローラ100は、好ましくはニードルベアリングである。
【0054】
図5乃至図8に示される4つの実施形態は、それぞれ半軸54及び中間軸12に関連する封止手段を更に有する。
【0055】
図5図6及び図7に示される実施形態によれば、半軸54に関連する封止手段150は、軸54とキャップ19との間に置かれるリップシール152で形成される。図8に示される実施形態によれば、封止手段150は、軸54と管状の軸12との間に置かれるリップシール154で形成される。
【0056】
図5乃至図8の4つの図面に示される実施形態によれば、中間軸12に関連する封止手段125は、中間軸12と液圧機械10の筐体要素16との間に置かれるリップシール126で形成される。
【0057】
図8によれば、半軸54のベアリングを形成するローラ100は、液圧機械10の筐体の部分193の相補的な溝内に係合する環状の保持クリップ102によって、液圧機械10上で軸方向に保持されることが、留意されるであろう。
【0058】
図4乃至図8を比較して検討することによって理解され得るように、異なる構成は、半軸54と関連する自在継手55との間の接続を提供するために受け入れられてもよい。
【0059】
当業者は、図5乃至図8を検討することにより、示される4つの実施形態によれば、液圧機械10の筐体によって直接的又は間接的に支えられるローラ100が半軸54の回転ベアリングを提供するだけでなく、加えて、封止手段125が、中間軸12と液圧機械の筐体との間に提供され、半軸54に関連する封止手段150が、半軸54と液圧機械10の筐体との間に提供されることを理解するであろう。
【0060】
もちろん、本発明は、本明細書において以上で説明されてきた実施形態に限定されず、その精神に準ずる全ての変形例に広がる。
【0061】
本発明は、マルチローブカムを備えた機械をギアボックスの出力に近接して設置するための解決策を具体的に提供し、それ故に従来技術に準ずる利用可能な解決策に
対する空間の節約を可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8