(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6599894
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】力伝達部材を格納する外科手術アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 34/35 20160101AFI20191021BHJP
A61B 17/29 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
A61B34/35
A61B17/29
【請求項の数】20
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-564997(P2016-564997)
(86)(22)【出願日】2015年4月1日
(65)【公表番号】特表2017-516526(P2017-516526A)
(43)【公表日】2017年6月22日
(86)【国際出願番号】US2015023787
(87)【国際公開番号】WO2015167740
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2018年3月28日
(31)【優先権主張番号】61/985,024
(32)【優先日】2014年4月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】カパディア, ジャイミーン
【審査官】
後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−180933(JP,A)
【文献】
特開2007−252922(JP,A)
【文献】
特表2010−503457(JP,A)
【文献】
特開昭53−139390(JP,A)
【文献】
実開平3−101903(JP,U)
【文献】
特開2005−237947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30−34/37
A61B 17/00−18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの力伝達部材を格納している内視鏡下外科手術アセンブリであって、前記少なくとも1つの力伝達部材は、前記内視鏡下外科手術アセンブリ上に支持された外科手術アタッチメントに接続されており、
前記内視鏡下外科手術アセンブリは、近位端と外科手術アタッチメントへの接続のために構成されている遠位端とを有する細長いシャフトを備え、
少なくとも1つの縦方向空洞が、前記細長いシャフトの外側表面内に形成され、かつ、前記細長いシャフトの前記近位端と前記遠位端との間に延びており、
前記少なくとも1つの縦方向空洞は、前記少なくとも1つの力伝達部材をその中に配置するために構成されており、前記少なくとも1つの力伝達部材は、前記細長いシャフトに対して平行移動可能であり、
前記内視鏡下外科手術アセンブリは、前記細長いシャフトの周囲に配置可能なスリーブをさらに備え、前記スリーブは、前記少なくとも1つの力伝達部材を前記少なくとも1つの縦方向空洞内に包み、かつ、前記少なくとも1つの力伝達部材を前記細長いシャフトの外側表面と前記スリーブとの間に保持し、
前記内視鏡下外科手術アセンブリは、前記スリーブが材料のシートを含むこと、前記材料のシートが、前記細長いシャフトの周囲に巻かれるように、かつ、前記スリーブを形成するようにそれ自体に接着されるように構成されていることで特徴付けられている、内視鏡下外科手術アセンブリ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの縦方向空洞は、鍵穴形状の横断面外形を有する、請求項1に記載の内視鏡下外科手術アセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの縦方向空洞は、前記少なくとも1つの力伝達部材の直径と実質的に等しい直径を有する、請求項1に記載の内視鏡下外科手術アセンブリ。
【請求項4】
前記細長いシャフトは、円筒形構成を有する、請求項1に記載の内視鏡下外科手術アセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの縦方向空洞は、前記細長いシャフトの周囲に平行に整列して円周に配置されている複数の縦方向空洞を含む、請求項1に記載の内視鏡下外科手術アセンブリ。
【請求項6】
力伝達部材は、各縦方向空洞内にスライド可能に配置されている、請求項5に記載の内視鏡下外科手術アセンブリ。
【請求項7】
前記細長いシャフトは、非カニューレ挿入型である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内視鏡下外科手術アセンブリ。
【請求項8】
前記細長いシャフトは、カニューレ挿入型である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内視鏡下外科手術アセンブリ。
【請求項9】
電気機械的外科手術システムであって、前記電気機械的外科手術システムは、少なくとも1つの機能を行うように構成されている外科手術アタッチメントを支持するように構成されている内視鏡下外科手術アセンブリを備え、前記内視鏡下外科手術アセンブリは、
近位端および遠位端を有する細長いシャフトであって、前記遠位端は、そこへの前記外科手術アタッチメントの選択的接続のために構成されており、前記細長いシャフトは、前記細長いシャフトの外側表面内に形成され、前記細長いシャフトの近位端と遠位端との間に延びている複数の縦方向空洞を画定している、細長いシャフトと、
前記外科手術アタッチメントに接続されている複数の力伝達部材と
備え、
1つの力伝達部材が、各縦方向空洞内に平行移動可能に配置されており、
前記内視鏡下外科手術アセンブリは、前記細長いシャフトの周囲に配置可能なスリーブをさらに備え、前記スリーブは、前記複数の力伝達部材の各々を前記複数の縦方向空洞のうちのそれぞれの1つ内に包み、かつ、前記複数の力伝達部材の各々を前記細長いシャフトの外側表面と前記スリーブとの間に保持し、
前記内視鏡下外科手術アセンブリは、前記スリーブが材料のシートを含むこと、前記材料のシートが、前記細長いシャフトの周囲に巻かれるように、かつ、前記スリーブを形成するようにそれ自体に接着されるように構成されていることで特徴付けられている、電気機械的外科手術システム。
【請求項10】
前記複数の縦方向空洞の各々は、鍵穴形状の横断面外形を有し、前記細長いシャフトは、非カニューレ挿入型である、請求項9に記載の電気機械的外科手術システム。
【請求項11】
前記複数の縦方向空洞の各々は、前記複数の力伝達部材の各々の直径と実質的に等しい直径を有する、請求項9に記載の電気機械的外科手術システム。
【請求項12】
前記細長いシャフトは、円筒形構成を有する、請求項9に記載の電気機械的外科手術システム。
【請求項13】
前記複数の縦方向空洞は、前記細長いシャフトの周囲に平行に整列して円周に配置されている、請求項9に記載の電気機械的外科手術システム。
【請求項14】
電気機械的外科手術システムを準備する方法であって、前記方法は、
少なくとも1つの機能を行うように構成されている外科手術アタッチメントを支持している内視鏡下外科手術アセンブリを提供することであって、前記内視鏡下外科手術アセンブリは、近位端および遠位端を有する細長いシャフトを備え、前記遠位端は、そこへの前記外科手術アタッチメントの選択的接続のために構成されており、前記細長いシャフトは、前記細長いシャフトの外側表面内に形成され、前記細長いシャフトの近位端と遠位端との間に延びている複数の縦方向空洞を画定している、ことと、
前記外科手術アタッチメントに接続されている複数の力伝達部材を提供することであって、力伝達部材は、各縦方向空洞内に平行移動可能に配置されている、ことと、
第1のスリーブを前記細長いシャフトの周囲に配置し、前記複数の力伝達部材の各々を前記複数の縦方向空洞のうちのそれぞれの1つ内に封入することと
を含み、
前記方法は、前記第1のスリーブを前記細長いシャフトの周囲に配置することが、材料のシートを前記細長いシャフトの周囲に巻くことと、前記材料のシートをそれ自体に接着することとを含むことで特徴付けられている、電気機械的外科手術システムを準備する方法。
【請求項15】
前記第1のスリーブを前記細長いシャフトから除去することと、
前記細長いシャフトおよび前記複数の力伝達部材を清掃することと、
第2のスリーブを前記細長いシャフトの周囲に配置することと
をさらに含む、請求項14に記載の電気機械的外科手術システムを準備する方法。
【請求項16】
前記細長いシャフトを清掃することは、前記複数の縦方向空洞を高圧滅菌すること、蒸気処理すること、化学洗浄すること、乾燥させることのうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の電気機械的外科手術システムを準備する方法。
【請求項17】
前記第1のスリーブを前記細長いシャフトから除去することと、
第2のスリーブを前記細長いシャフトの周囲に配置することと
をさらに含む、請求項14に記載の電気機械的外科手術システムを準備する方法。
【請求項18】
前記細長いシャフトを清掃することと、
前記複数の力伝達部材を交換することと
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項14に記載の電気機械的外科手術システムを準備する方法。
【請求項19】
前記第1のスリーブを前記細長いシャフト上に収縮包装することをさらに含む、請求項14に記載の電気機械的外科手術システムを準備する方法。
【請求項20】
前記複数の力伝達部材を交換することをさらに含む、請求項14に記載の電気機械的外科手術システムを準備する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第61/985,024号(2014年4月28日出願)の利益およびそれに対する優先権を主張し、上記出願の開示の全ては、参照により本明細書に引用される。
【背景技術】
【0002】
ロボット外科手術システムは、低侵襲的医療手技において使用されている。いくつかのロボット外科手術システムは、ロボットアームと、外科手術アセンブリまたはツールを介してロボットアームに搭載される鉗子または把持ツール等の少なくとも1つのエンドエフェクタとを支持するコンソールを含む。エンドエフェクタは、典型的には、ツールの縦方向シャフトの端部に取り付けられる。医療手技中、縦方向シャフトおよびエンドエフェクタは、患者の小切開(カニューレを介して)または天然オリフィスの中に挿入され、エンドエフェクタを患者の身体内の作業部位に位置付ける。
【0003】
このシャフトは、それを通してケーブルを搬送する中空管を有する。ケーブルは、シャフトの端部においてエンドエフェクタに接続され、ロボットシステム内のモータによって駆動され、エンドエフェクタを操作する。体液は、外科手術中、管の中空内部の中に流動する傾向がある。これらの流体は、別の外科手術手技における使用に先立って、清掃して取り除かれる必要がある。管の中空内部の清掃および/または滅菌は、困難かつ時間がかかる。実際、清掃および/または滅菌を試みた後でさえ、管内に残留する組織および/または血液を見出すことは、稀ではない。さらに、管の長い内部を通してケーブルを配置することは、時間がかかる。
【0004】
故に、外科手術ツールを清掃、滅菌、組立、および点検することをより容易にする方法で、ケーブルまたは他の力伝達部材を使用してエンドエフェクタを操作する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
外科手術ツールは、ケーブル等の力伝達部材が挿入され得る、少なくとも1つの長手方向開口部をシャフトの外側表面内に形成することによって、清掃、滅菌、組立、および点検がより容易になり得る。長手方向開口部は、シャフトの一端から他端まで延び得、部材が開口部内に挿入されると、力伝達部材が、シャフトの長さに沿って縦方向に上下に移動することを可能にするようにサイズ決定され得る。力伝達部材が開口部内に挿入されると、スリーブが、シャフトの外側表面の上に配置され、シャフトの外側表面内の開口部を被覆し得る。スリーブは、シャフト内の開口部の中に力伝達部材を含むためにも使用され得る。
【0006】
外科手術手技が完了すると、スリーブは、シャフトから分離され得、力伝達部材は、開口部から除去され得る。洗浄剤は、従来行われていたように、シャフトの端部だけの代わりに、シャフトの開口部の長さに沿って、開口部壁に直接適用され得る。これは、シャフトおよび力伝達部材のより徹底した清掃を可能にし得る。
【0007】
シャフト長さに沿って長手方向開口部を提供することは、シャフトの一端における単一開口部から中空シャフトの長さを通してケーブルを送出する必要性がもはやないので、外科手術ツールのより迅速な組立を可能にする。加えて、前述のように、長手方向開口部は、より多くの洗浄剤が、外科手術手技中に血液および他の汚染物質が集積する開口部の壁に直接適用されることを可能にし、ツールのより徹底した清掃をもたらす。
【0008】
いくつかの事例では、ジョーが、シャフトの端部に結合され、異なるシャフト開口部内に挿入される異なる力伝達部材に取り付けられ得る。ジョーは、ケーブル/管およびギヤシステムの一部である鉗子または鋏切断ツールを含み、ケーブル/管およびギヤシステムは、3つ以上の力伝達部材と、各それぞれの力伝達部材を格納する3つ以上の縦方向表面開口部を伴うシャフトと、表面開口部を被覆し、各力伝達部材をそのそれぞれの開口部内に含むようにシャフトを被覆するスリーブとを含み得る。いくつかの事例では、ケーブル/管およびギヤシステムは、直接駆動され、したがって、少なくとも1つのケーブル/管は、ピッチを制御し、少なくとも1つのケーブル/管は、ジョーを制御し、少なくとも1つのケーブル/管は、ジョーを開閉し得る。
【0009】
リストアセンブリおよびジョーアセンブリを含む、エンドエフェクタは、ロボット外科手術システムとともに使用され、それによって作動させられ得る。いくつかの事例では、エンドエフェクタは、ロボット外科手術システムの制御デバイスのそれぞれのモータから、ケーブル搬送部材を通して、例えば、エンドエフェクタ等の外科手術アタッチメントまで延びる少なくとも1つのケーブル/管によって制御され、および/または関節運動させられ得る。
【0010】
本開示の一側面によると、内視鏡下外科手術アセンブリが、提供される。内視鏡下外科手術アセンブリは、内視鏡下外科手術アセンブリ上に支持された外科手術アタッチメントに接続される、少なくとも1つの力伝達部材を格納する。内視鏡下外科手術アセンブリは、近位端および遠位端を有する、細長いシャフトを含む。遠位端は、外科手術アタッチメントへの接続のために構成されている。少なくとも1つの縦方向空洞が、細長いシャフトの外側表面内に形成される。少なくとも1つの縦方向空洞は、細長いシャフトの近位端と遠位端との間に延びる。少なくとも1つの縦方向空洞は、少なくとも1つの力伝達部材が細長いシャフトに対して平行移動可能であるように、少なくとも1つの力伝達部材のその中への配置のために構成されている。
【0011】
いくつかの事例では、少なくとも1つの縦方向空洞は、鍵穴形状の横断面外形を有し得るが、他の事例では、空洞は、異なる断面外形を有し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの縦方向空洞は、少なくとも1つの力伝達部材の直径と実質的に等しい直径を有し得る。
【0012】
内視鏡下外科手術アセンブリはさらに、細長いシャフトの周囲に配置可能であって、少なくとも1つの力伝達部材を少なくとも1つの縦方向空洞内に包むスリーブを含み得ることが想定される。いくつかの実施形態では、スリーブは、少なくとも1つの力伝達部材を細長いシャフトの外側表面とスリーブとの間に保持し得る。
【0013】
細長いシャフトは、円筒形構成を有し得ることが想定される。
【0014】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの縦方向空洞は、細長いシャフトの周囲に平行に整列して円周に配置される複数の縦方向空洞を含み得る。力伝達部材は、各縦方向空洞内にスライド可能に配置され得る。
【0015】
本開示の別の側面によると、電気機械的外科手術システムが、提供される。外科手術システムは、外科手術アタッチメントを支持するように構成されている内視鏡下外科手術アセンブリを含む。外科手術アタッチメントは、少なくとも1つの機能を行うように構成されている。内視鏡下外科手術アセンブリは、近位端と遠位端との間に延び、それらを有する、細長いシャフトを備えている。遠位端は、そこへの外科手術アタッチメントの選択的接続のために構成されている。細長いシャフトは、その外側表面内に形成される複数の縦方向空洞を画定する。縦方向空洞は、細長いシャフトの近位端と遠位端との間に延びる。複数の力伝達部材は、外科手術アタッチメントに接続されている複数の力伝達部材の部材は、各縦方向空洞内に平行移動可能に配置される。
【0016】
本開示の側面では、複数の縦方向空洞の各々は、鍵穴、U形状、V形状、または他の形状の横断面外形を有し得る。いくつかの実施形態では、複数の縦方向空洞の各々は、複数の力伝達部材の各々の直径と実質的に等しい直径を有し得る。
【0017】
電気機械的外科手術システムはさらに、細長いシャフトの周囲に配置可能であり、複数の力伝達部材の各々を複数の縦方向空洞のうちのそれぞれの1つ内に包むスリーブを含み得る。スリーブはまた、複数の力伝達部材の各々を細長いシャフトの外側表面とスリーブとの間に保持し得る。
【0018】
細長いシャフトは、円筒形構成を有し得ることが想定される。
【0019】
複数の縦方向空洞は、細長いシャフトの周囲に平行に整列して円周に配置され得ることが想定される。
【0020】
本開示のさらに別の側面によると、電気機械的外科手術システムを準備する方法が、提供される。本方法は、外科手術アタッチメントを支持している内視鏡下外科手術アセンブリを提供することを含む。外科手術アタッチメントは、少なくとも1つの機能を行うように構成されている。内視鏡下外科手術アセンブリは、近位端と遠位端との間に延び、それらを有する、細長いシャフトを含む。遠位端は、そこへの外科手術アタッチメントの選択的接続のために構成されている。細長いシャフトは、その外側表面内に形成される複数の縦方向空洞を画定する。縦方向空洞は、細長いシャフトの近位端と遠位端との間に延びる。本方法はさらに、外科手術アタッチメントに接続されている複数の力伝達部材を提供することを含む。力伝達部材は、各縦方向空洞内に平行移動可能に配置される。本方法はさらに、第1のスリーブを細長いシャフトの周囲に配置し、複数の力伝達部材の各々を複数の縦方向空洞のうちのそれぞれの1つ内に封入することを含む。スリーブはまた、複数の力伝達部材の各々を細長いシャフトの外側表面とスリーブとの間に配置する。
【0021】
本開示の側面では、本方法はさらに、第1のスリーブを細長いシャフトから除去することと、細長いシャフトおよび複数の力伝達部材を清掃することと、第2のスリーブを細長いシャフトの周囲に配置することとを含み得る。いくつかの実施形態では、細長いシャフトを清掃することは、複数の縦方向空洞を高圧滅菌すること、蒸気処理すること、化学洗浄すること、および乾燥させることのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0022】
実施形態では、本方法はさらに、第1のスリーブを細長いシャフトから除去することと、第2のスリーブを細長いシャフトの周囲に配置することとを含み得る。
【0023】
本方法はさらに、細長いシャフトおよび複数の力伝達部材を清掃することと、複数の力伝達部材を交換することとのうちの少なくとも1つを含み得ることが想定される。
【0024】
第1のスリーブを細長いシャフトの周囲に配置することは、第1のスリーブを外科手術アタッチメントを越えて細長いシャフト上にスライドさせることを含み得ることが想定される。
【0025】
本開示の側面では、本方法はさらに、第1のスリーブを細長いシャフト上に収縮包装することを含み得る。
【0026】
本方法はさらに、複数の力伝達部材を交換することを含み得る。
【0027】
本開示の例示的実施形態のさらなる詳細および側面は、添付の図を参照して以下により詳細に説明される。
【0028】
本開示で使用されるように、用語「平行」および「垂直」は、真の平行ならびに真の垂直から約+/−10度まで実質的に平行および実質的に垂直である、相対的構成を含むものと理解される。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
少なくとも1つの力伝達部材を格納している内視鏡下外科手術アセンブリであって、前記少なくとも1つの力伝達部材は、前記内視鏡下外科手術アセンブリ上に支持された外科手術アタッチメントに接続されており、
前記内視鏡下外科手術アセンブリは、近位端と外科手術アタッチメントへの接続のために構成されている遠位端とを有する細長いシャフトを備え、
少なくとも1つの縦方向空洞が、前記細長いシャフトの外側表面内に形成され、前記細長いシャフトの前記近位端と遠位端との間に延びており、
前記少なくとも1つの縦方向空洞は、前記少なくとも1つの力伝達部材のその中への配置のために構成され、前記少なくとも1つの力伝達部材は、前記細長いシャフトに対して平行移動可能である、内視鏡下外科手術アセンブリ。
(項目2)
前記少なくとも1つの縦方向空洞は、鍵穴形状の横断面外形を有し、前記細長いシャフトは、非カニューレ挿入型である、項目1に記載の内視鏡下外科手術アセンブリ。
(項目3)
前記少なくとも1つの縦方向空洞は、前記少なくとも1つの力伝達部材の直径と実質的に等しい直径を有する、項目1に記載の内視鏡下外科手術アセンブリ。
(項目4)
前記細長いシャフトの周囲に配置可能なスリーブをさらに備え、前記スリーブは、前記少なくとも1つの力伝達部材を前記少なくとも1つの縦方向空洞内に包み、前記少なくとも1つの力伝達部材を前記細長いシャフトの外側表面と前記スリーブとの間に保持する、項目1に記載の内視鏡下外科手術アセンブリ。
(項目5)
前記細長いシャフトは、カニューレ挿入型であり、円筒形構成を有する、項目1に記載の内視鏡下外科手術アセンブリ。
(項目6)
前記少なくとも1つの縦方向空洞は、前記細長いシャフトの周囲に平行に整列して円周に配置されている複数の縦方向空洞を含む、項目1に記載の内視鏡下外科手術アセンブリ。
(項目7)
力伝達部材は、各縦方向空洞内にスライド可能に配置されている、項目6に記載の内視鏡下外科手術アセンブリ。
(項目8)
電気機械的外科手術システムであって、前記システムは、少なくとも1つの機能を行うように構成されている外科手術アタッチメントを支持するように構成されている内視鏡下外科手術アセンブリを備え、前記内視鏡下外科手術アセンブリは、
近位端および遠位端を有する細長いシャフトであって、前記遠位端は、そこへの前記外科手術アタッチメントの選択的接続のために構成されており、前記細長いシャフトは、前記細長いシャフトの外側表面内に形成され、前記細長いシャフトの近位端と遠位端との間に延びている複数の縦方向空洞を画定している、細長いシャフトと、
前記外科手術アタッチメントに接続されている複数の力伝達部材と
備え、
1つの力伝達部材が、各縦方向空洞内に平行移動可能に配置されている、電気機械的外科手術システム。
(項目9)
前記複数の縦方向空洞の各々は、鍵穴形状の横断面外形を有し、前記細長いシャフトは、非カニューレ挿入型である、項目8に記載の電気機械的外科手術システム。
(項目10)
前記複数の縦方向空洞の各々は、前記複数の力伝達部材の各々の直径と実質的に等しい直径を有する、項目8に記載の電気機械的外科手術システム。
(項目11)
前記細長いシャフトの周囲に配置可能なスリーブをさらに備え、前記スリーブは、前記複数の力伝達部材の各々を前記複数の縦方向空洞のうちのそれぞれの1つ内に包み、前記複数の力伝達部材の各々を前記細長いシャフトの外側表面と前記スリーブとの間に保持している、項目8に記載の電気機械的外科手術システム。
(項目12)
前記細長いシャフトは、円筒形構成を有する、項目8に記載の電気機械的外科手術システム。
(項目13)
前記複数の縦方向空洞は、前記細長いシャフトの周囲に平行に整列して円周に配置されている、項目8に記載の電気機械的外科手術システム。
(項目14)
電気機械的外科手術システムを準備する方法であって、前記方法は、
少なくとも1つの機能を行うように構成されている外科手術アタッチメントを支持している内視鏡下外科手術アセンブリを提供することであって、前記内視鏡下外科手術アセンブリは、近位端および遠位端を有する細長いシャフトを備え、前記遠位端は、そこへの前記外科手術アタッチメントの選択的接続のために構成され、前記細長いシャフトは、前記細長いシャフトの外側表面内に形成され、前記細長いシャフトの近位端と遠位端との間に延びている複数の縦方向空洞を画定している、ことと、
前記外科手術アタッチメントに接続されている複数の力伝達部材を提供することであって、力伝達部材は、各縦方向空洞内に平行移動可能に配置されている、ことと、
第1のスリーブを前記細長いシャフトの周囲に配置し、前記複数の力伝達部材の各々を前記複数の縦方向空洞のうちのそれぞれの1つ内に封入することと
を含む、電気機械的外科手術システムを準備する方法。
(項目15)
前記第1のスリーブを前記細長いシャフトから除去することと、
前記細長いシャフトおよび前記複数の力伝達部材を清掃することと、
第2のスリーブを前記細長いシャフトの周囲に配置することと
をさらに含む、項目14に記載の電気機械的外科手術システムを準備する方法。
(項目16)
前記細長いシャフトを清掃することは、前記複数の縦方向空洞を高圧滅菌すること、蒸気処理すること、化学洗浄すること、および乾燥させることのうちの少なくとも1つを含む、項目15に記載の電気機械的外科手術システムを準備する方法。
(項目17)
前記第1のスリーブを前記細長いシャフトから除去することと、
第2のスリーブを前記細長いシャフトの周囲に配置することと
をさらに含む、項目14に記載の電気機械的外科手術システムを準備する方法。
(項目18)
前記細長いシャフトを清掃することと、
前記複数の力伝達部材を交換することと
のうちの少なくとも1つをさらに含む、項目14に記載の電気機械的外科手術システムを準備する方法。
(項目19)
前記第1のスリーブを前記細長いシャフトの周囲に配置することは、前記第1のスリーブを前記外科手術アタッチメントを越えて前記細長いシャフト上にスライドさせることを含む、項目14に記載の電気機械的外科手術システムを準備する方法。
(項目20)
前記第1のスリーブを前記細長いシャフト上に収縮包装することをさらに含む、項目14に記載の電気機械的外科手術システムを準備する方法。
(項目21)
前記複数の力伝達部材を交換することをさらに含む、項目14に記載の電気機械的外科手術システムを準備する方法。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本開示の実施形態が、ここで、付随の図面を参照して説明される。
【
図1A】
図1Aは、本開示による、電気機械的外科手術システムおよびオペレーティングコンソールの一例証的実施形態の略図である
【
図1B】
図1Bは、力伝達力伝達部材と接続される、
図1Aの外科手術システムの制御デバイスのモータの概略斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示のある実施形態による、
図1Aに示される外科手術システムの外科手術アセンブリの、いくつかの部品が分離された、斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示される外科手術アセンブリの細長いシャフトの側面図である。
【
図4】
図4は、
図3の切断線4−4に沿った細長いシャフトの断面図である。
【
図5】
図5は、
図1Aに示される外科手術アセンブリとの使用のための外科手術アタッチメントの、部品が分離された、部分的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
例えば、内視鏡下外科手術アセンブリ等の本開示される外科手術アセンブリの実施形態が、図面を参照して詳細に説明されるが、類似参照番号は、いくつかの図面の各々において、同じまたは対応する要素を指す。本明細書で使用される場合、用語「遠位」は、ユーザからより離れた内視鏡下外科手術アセンブリのその部分を指す一方、用語「近位」は、ユーザにより近い内視鏡下外科手術アセンブリのその部分を指す。
【0031】
最初に、
図1Aを参照すると、医療ワークステーションまたは電気機械的外科手術システムが、概して、外科手術システム1として示され、外科手術システム1は、概して、複数のロボットアーム2、3と、制御デバイス4と、制御デバイス4と結合されるオペレーティングコンソール5とを含む。オペレーティングコンソール5は、特に、3次元画像を表示するように設定されるディスプレイデバイス6と、それを用いて、人(図示せず)、例えば、外科医が、当業者に原理が公知であるように、第1の動作モードにおいて、ロボットアーム2、3を遠隔操作可能である手動入力デバイス7、8とを含む。
【0032】
ロボットアーム2、3の各々は、関節を通して接続されている複数の部材と、以下により詳細に説明されるように、本明細書に開示されるいくつかの実施形態のうちの任意の1つによる、例えば、エンドエフェクタ200等の、例えば、外科手術アタッチメントが取り付けられ得る、外科手術アセンブリ100とを含む。外科手術アセンブリ100の遠位端は、複数の異なるエンドエフェクタを支持するように構成され(異なるエンドエフェクタとしては、外科手術ステープラ、外科手術カッタ、外科手術ステープラ−カッタ、線形外科手術ステープラ、線形外科手術ステープラ−カッタ、円形外科手術ステープラ、円形外科手術ステープラ−カッタ、外科手術クリップアプライヤ、外科手術クリップ結紮器、外科手術圧着デバイス、脈管拡張デバイス、管腔拡張デバイス、解剖刀、流体送達デバイス、または任意の他のタイプの外科手術器具が挙げられる)、異なるエンドエフェクタの各々は、限定ではないが、以下に説明されるように、例えば、ケーブル「C」等の力伝達部材を用いたロボットアーム2、3による作動および操作のために構成されている。実施形態では、力伝達部材は、例えば、ハイポチューブ、プッシュロッド、シャフト、またはテザー等、様々に構成されていることができ、例えば、軸方向力(すなわち、押し引き)、回転力、および/またはトルク力等の種々の力を伝達することができる。
【0033】
ロボットアーム2、3は、制御デバイス4に接続されている電気駆動装置によって駆動され得る。制御デバイス4(例えば、コンピュータ)は、ロボットアーム2、3、その外科手術アセンブリ100、したがって、エンドエフェクタ200が、手動入力デバイス7、8を用いて定義された移動に従って、所望の移動を実行するように(特に、コンピュータプログラムを用いて、駆動装置を作動させるように)設定される。制御デバイス4は、ロボットアーム2、3および/または駆動装置の移動を調整するようにも設定され得る。
【0034】
外科手術システム1は、エンドエフェクタ200を用いて低侵襲的様式で治療される、患者テーブル12上に横たわる患者13への使用のために構成されている。外科手術システム1は、3つ以上のロボットアーム2、3も含み得、追加のロボットアームは同様に、制御デバイス4に接続され、オペレーティングコンソール5を用いて遠隔操作可能である。外科手術アタッチメントまたはエンドエフェクタ200もまた、追加のロボットアームに取り付けられ得る。外科手術システム1は、例えば、患者13からの術前データおよび/または解剖学的図解が記憶されている、制御デバイス4と結合されるデータベース14を含み得る。
【0035】
外科手術システム1の構造および動作の詳細な説明に対して、2011年11月3日に出願された米国特許公開第2012/0116416号「Medical Workstation」(その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0036】
制御デバイス4は、複数のモータ(モータ1・・・n)を制御し得、各モータは、各ロボットアーム2、3、外科手術アセンブリ100を通してエンドエフェクタ200まで延びる、ある長さの力伝達ケーブル「C」(
図1B)を巻き上げること、もしくは繰り出すこと、またはギヤもしくはドライブシャフト(図示せず)を回転させることを行うように構成されている。使用時、ケーブル「C」が、巻き上げられるか、または繰り出されると、ケーブル「C」、ギヤ、またはドライブシャフトは、外科手術アセンブリ100の各エンドエフェクタ200の動作および/または移動をもたらし得る。制御デバイス4は、それぞれのエンドエフェクタ200の動作および/または移動を調整するために、種々のモータ(モータ1・・・n)の作動を調整し、ある長さのそれぞれのケーブル「C」の巻き上げまたは繰り出しを調整することが想定される。
図1Bは、単一モータによって巻き上げられるか、または繰り出される単一ケーブル「C」を示すが、いくつかの事例では、複数のケーブル、または単一ケーブルの2つの端部が、単一モータによって巻き上げられるか、または繰り出され得る。例えば、いくつかの事例では、2つのケーブルまたはケーブル端部が、モータが第1の方向に作動させられると、ケーブルのうちの1つが巻き上げられる一方、他のケーブルが繰り出されるように、単一モータに反対方向に結合され得る。他のケーブル構成が、異なる実施形態では使用され得る。複数のケーブルの各々が複数のモータのそれぞれのモータに係合されることが想定される。
【0037】
図2−5に目を向けると、図示されるのは、例えば、
図1Aに示されるロボットアーム2または3のうちの1つ等のロボットアームと
図5に示されるエンドエフェクタ200との間の相互接続のために構成されている外科手術ツールまたは内視鏡下外科手術アセンブリ100である。外科手術アセンブリ100は、外科手術アセンブリ100上に支持されたエンドエフェクタ200に接続される少なくとも1つの力伝達ケーブル「C」を格納する。外科手術アセンブリ100は、ロボットアーム2または3に接続される本体部分102と、本体部分102から延びる細長いシャフト110とを含む。
【0038】
細長いシャフト110は、中心縦軸「X1−X1」をその間に画定する近位端112および遠位端114を有する。遠位端114は、力伝達ケーブル「C」の作動を介して種々の外科手術機能を行うエンドエフェクタ200のそこへの選択的接続のために構成されている。実施形態では、細長いシャフト110の近位端112は、本体部分102と回転可能に配置される。細長いシャフト110の近位端112は、本体部分102と一体的および/またはモノリシックに形成されることが想定される。
【0039】
細長いシャフト110は、円筒形構成を有し、カニューレ挿入型であることも、非カニューレ挿入型であることもある。実施形態では、細長いシャフト110は、例えば、長方形、卵形、楕円形、六角形、テーパ状、波状、三角形、正方形、多角形、不規則、均一、非均一、および/または可変等、様々に構成され得る。本明細書で使用される場合、用語「非カニューレ挿入型」は、その中心縦軸「X1−X1」を通して延びる通路を有していない、中実で、実質的に非多孔性であって、モノリシックなコアを有する、細長いシャフト110を指すと理解される。さらに、
図4に示されるように、細長いシャフト110は、以下に説明されるように、その外側表面116内に形成される縦方向空洞またはチャネル120以外の空洞が実質的にない。いくつかの実施形態では、細長いシャフト110は、カニューレ挿入型であり得る(すなわち、細長いシャフト110は、それを通して延びる縦方向通路を含み得る)。
【0040】
細長いシャフト110は、例えば、炭素ファイバ、プラスチック、ナイロン、ステンレス鋼合金、アルミニウム、工業用純チタン、チタン合金、グレード5チタン、超弾性チタン合金、コバルト−クロム合金、ステンレス鋼合金、超弾性金属合金(例えば、ニチノール)、リン酸カルシウム等のセラミックおよびその複合材、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、およびポリエーテルケトン(PEK)を含む、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)等の熱可塑材、炭素PEEK複合材、テレフタル酸ポリエチレン(PET)、シリコーン、ポリウレタン、シリコーン−ポリウレタンコポリマー、半硬質および硬質材料等の種々の材料から製作され得る。
【0041】
細長いシャフト110は、前述の材料を含む、材料の複合材を有し、強度、剛性、弾性、コンプライアンス、および耐久性等の種々の所望の特性を達成し得る。細長いシャフト110はまた、前述の材料の3つ以上のものの組み合わせ等の異種材料から製作され得る。
【0042】
細長いシャフト110は、外側表面116を有する。外側表面116は、平滑かつ実質的に非多孔性であり、外科手術手技中、体液の吸収および/または付着に抵抗する。外側表面116は、細長いシャフト110の近位および遠位端112、114間に延びる複数の弓形区画118を有する。
【0043】
少なくとも1つの縦方向空洞またはチャネル120が、細長いシャフト110の外側表面116内に形成され、弓形区画118間に配置される。縦方向空洞またはチャネル120は、細長いシャフト110の近位および遠位端112、114間に延びる。チャネル120の各々は、ケーブル「C」が細長いシャフト110に対して、縦方向空洞またはチャネル120内で平行移動可能であるように、その中への力伝達ケーブル「C」の配置のために構成されている。チャネル120は、細長いシャフト110の外側表面116の断面が、
図4に示されるように、弓形区画118とチャネル120との交互パターンを含むように、細長いシャフト110を中心として円周に平行に整列して配置される。チャネル120は、直線構成において、細長いシャフト110の中心縦軸「X1−X1」と平行に走り得る。いくつかの実施形態では、チャネル120は、細長いシャフト110の近位および遠位端112、114間で、螺旋様式において、中心軸「X1−X1」の周囲に渦を巻き得る。
【0044】
チャネル120の各々は、U形状横断面外形を有する。いくつかの事例では、断面外形は、鍵穴形状であり得るか、または、チャネル120内へのケーブル「C」の保持およびチャネル120内でのケーブル「C」のスライドまたは平行移動を促進するように、力伝達ケーブル「C」の弓形外側表面に対応するように構成され得る。実施形態では、チャネル120は、例えば、U形状、弓形、正方形、長方形、卵形、楕円形、V形状、多角形、三角形、テーパ状、非均一、均一、および/または可変等の断面構成を有し得る。チャネル120の各々は、ケーブル「C」の直径「D2」と実質的に等しい直径「D1」を有する。このように、ケーブル「C」は、それぞれの縦方向空洞またはチャネル120の中への挿入時、その中に確実かつ平行移動可能に適合する。
【0045】
図2および4を参照すると、外科手術アセンブリ100はさらに、細長いシャフト110の周囲に配置可能であり、ケーブル「C」をそれぞれのチャネル120内に包むスリーブ130を含む。スリーブ130はまた、ケーブル「C」を細長いシャフト110の外側表面116とスリーブ130との間に保持する。スリーブ130は、ケーブル「C」がチャネル120内に保持されながら、細長いシャフト110の上をスライドするようにサイズおよび寸法を決定される。スリーブ130は、外科手術部位からスリーブ130を通してチャネル120の中への体液(例えば、血液および組織等)の通過に抵抗するように、および/またはそれを防止するように、実質的に非多孔性材料から製作される。スリーブ130は、トロカールを通した平滑移動と良好なシールとを提供するであろうプラスチックまたは任意の他の好適な材料から製作され得る。
【0046】
図5に示されるように、外科手術アセンブリ100はさらに、外科手術アセンブリ100の細長いシャフト110の遠位端114との動作可能な接続と、制御デバイス4による操作とのために構成されている外科手術アタッチメント(例えば、エンドエフェクタ200等)を含む。力伝達ケーブル「C」は、エンドエフェクタ200に接続され、細長いシャフト110に対してチャネル120内でスライドまたは平行移動することによって、エンドエフェクタ200によって行われる種々の機能を作動させるように構成されている。
【0047】
図示される実施形態では、エンドエフェクタ200は、リストアセンブリ210と、リストアセンブリ210に枢動可能に接続されるジョーアセンブリ250とを含む。リストアセンブリ210は、遠位に延びるU字形かぎの形態における近位ハブ212を含む。リストアセンブリ210はさらに、近位ハブ212に枢動可能に接続される、遠位ハブ214を含む。遠位ハブ214は、遠位に延びるU字形かぎの形態であり得る。エンドエフェクタ200は、一対の間隔を置かれた支持体またはカムプレート、すなわちリストアセンブリ210の遠位ハブ214に枢動可能に接続されるカムプーリ252、254を有するジョーアセンブリ250を含む。
【0048】
単一の第1のケーブル「C」が、少なくとも部分的に、カムプーリ252の周囲に巻かれ、その少なくとも1つの点に固定されるか、または単一の第1のケーブル「C」は、キャプスタンの様式でカムプーリ252の周囲に少なくとも1回巻かれ得る。単一の第1のケーブル「C」は、チャネル120のうちの1つおよびロボットアーム2または3を通して延び、制御デバイス4のそれぞれの第1のモータおよび第2のモータ(モータ1・・・n)と動作可能に関連付けられている近位端を含み得る。単一の第1のケーブル「C」が図示および説明されるが、第1の対のケーブル(図示せず)が、カムプーリ252の反対側に固定されるか、または少なくともカムプーリ252の周囲180°に巻かれ、そこに固定されるそれぞれの遠位端を含み、長シャフト110の縦方向空洞またはチャネル120のうちの1つおよびロボットアーム2または3を通して延び、制御デバイス4のそれぞれの第1のモータおよび第2のモータ(モータ1・・・n)と動作可能に関連付けられているそれぞれの近位端を含み得ることが想定される。
【0049】
単一の第2のケーブル「C」が、少なくとも部分的に、カムプーリ254の周囲に巻かれ、その少なくとも1つの点に固定されるか、または単一の第2のケーブル「C」は、キャプスタンの様式でカムプーリ254の周囲に少なくとも1回巻かれ得る。単一の第2のケーブル「C」は、細長いシャフト110のチャネル120のうちの1つおよびロボットアーム2または3を通して延び、制御デバイス4のそれぞれの第1のモータおよび第2のモータ(モータ1・・・n)と動作可能に関連付けられる近位端を含み得る。単一の第2のケーブル「C」が図示および説明されるが、第1の対のケーブル(図示せず)が、カムプーリ254の反対側に固定されるか、または少なくともカムプーリ254の周囲180°に巻かれ、そこに固定されるそれぞれの遠位端を含み、細長いシャフト110の縦方向空洞またはチャネル120のうちの1つおよびロボットアーム2または3を通して延び、制御デバイス4のそれぞれの第1のモータおよび第2のモータ(モータ1・・・n)と動作可能に関連付けられるそれぞれの近位端を含み得ることが想定される。
【0050】
ジョーアセンブリ250はさらに、リストアセンブリ210の遠位ハブ214に枢動可能に接続されるカムプーリ260を含む。ジョーアセンブリ250はまた、別個かつ独立して、支持プーリ252、254に枢動可能に接続される、一対のジョー272、274を含む。具体的には、各ジョー272、274は、それを中心として各ジョー272、274が枢動する、枢動点を含む。ジョー272、274は、カムプーリ260に枢動可能かつスライド可能に接続される。使用時、カムプーリ260が、時計回りまたは反時計回り方向のいずれかに回転されると、ジョー272、274は、適宜、開放または閉鎖されるであろう。ジョー272、274の各々は、互いに並置関係にあるグリップまたは歯付き部分を画定する。
【0051】
単一の第3のケーブル「C」が、少なくとも部分的に、カムプーリ260の周囲に巻かれ、その少なくとも1つの点に固定されるか、または単一の第3のケーブル「C」は、キャプスタンの様式でカムプーリ260の周囲に少なくとも1回巻かれ得る。単一の第3のケーブル「C」は、細長いシャフト110のチャネル120のうちの1つおよびロボットアーム2または3を通して延び、制御デバイス4のそれぞれの第5のモータ(モータ1・・・n)および第6のモータ(モータ1・・・n)と動作可能に関連付けられる。単一の第3のケーブル「C」が図示および説明されるが、第3の対のケーブル(図示せず)が、カムプーリ160の両側に固定されるか、または少なくともカムプーリ160の周囲180°に巻かれ、そこに固定されるそれぞれの遠位端を含み、細長いシャフト110のチャネル120のうちの1つおよびロボットアーム2または3を通して延び、制御デバイス4のそれぞれの第5のモータ(モータ1・・・n)および第6のモータ(モータ1・・・n)と動作可能に関連付けられるそれぞれの近位端を含み得ることが想定される。
【0052】
図5に図示されるようなエンドエフェクタ200の構造および動作の詳細な説明に対して、2013年12月11日出願の米国仮特許出願第61/914,632号「WRIST AND JAW ASSEMBLIES FOR ROBOTIC SURGICAL SYSTEMS」を参照されたい。
【0053】
動作時、外科手術アセンブリ100の本体部分102は、ロボットアーム2または3の遠位端と係合される。力伝達ケーブル「C」は、それぞれのチャネル120の中に挿入される。スリーブ130は、細長いシャフト110の周囲に配置され、各ケーブル「C」をチャネル120のそれぞれの1つ内に封入する。スリーブ130は、スリーブ130をエンドエフェクタ200を超えて細長いシャフト110上にスライドさせることによって、細長いシャフト110の周囲に配置される。いくつかの実施形態では、スリーブ130が細長いシャフト110の周囲に配置された状態で、スリーブ130は、細長いシャフト110上に収縮包装され、ケーブル「C」の各々を細長いシャフト110の外側表面116とスリーブ130との間に配置する。代替として、材料のシートが、細長いシャフト110の周囲に巻かれ、それ自体に接着され、スリーブを形成し得る。
【0054】
特定の外科手術手技が行われ、外科手術アセンブリ100が患者13の外科手術部位から引き抜かれた後、スリーブ130は、細長いシャフト110から除去され、ケーブル「C」および細長いシャフト110の外側表面116を露出し、清掃が必要な細長いシャフト110の表面へのより容易なアクセスを可能にする。ケーブル「C」が、チャネル120から係合解除されるか、またはチャネル120の外へスライドされる。細長いシャフト110の外側表面116およびチャネル120は、清掃され、外科手術手技の間に蓄積されたいかなる残屑も除去される。細長いシャフト110は、高圧滅菌、蒸気処理、化学洗浄、および/または乾燥によって清掃される。ケーブル「C」はまた、例えば、前述の細長いシャフト110を清掃するために使用される同一方法によって清掃されることができる。代替として、ケーブル「C」は、外科手術手技中、まだ使用されていない新しい交換用ケーブルと交換されることができる。いくつかの実施形態では、ケーブル「C」は、清掃に先立って除去されない。
【0055】
ケーブル「C」または交換用ケーブル(図示せず)のいずれかがチャネル120内に配置された状態で、外科手術手技中、まだ使用されていない交換用スリーブ(図示せず)は、前述のスリーブ130と同様に、エンドエフェクタ200を越えて細長いシャフト110上にスライドされることができる。スリーブ130は、廃棄されるか、または清掃され、再使用され得ることが想定される。外科手術アセンブリ100は、次いで、別の外科手術手技のために使用される準備ができる。
【0056】
種々の修正が、本開示される実施形態に行われてもよいことを理解されたい。したがって、前述の説明は、限定としてではなく、単に、種々の実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付の請求項の範囲および精神内で他の修正も想起するであろう。