(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記再構成すること(S3)は、前記無線ネットワークノード(20)と前記ワイヤレスデバイス(10)との間の1つ以上のさらなるトランスポートブロックの送信のロバスト性を、前記第1のトランスポートブロックの前記送信のロバスト性に対して変更すること、を含む、請求項1の方法。
再構成すること(S3)は、前記復号マージンを示す情報が予め定義されるレベルを下回る場合に、前記第1のトランスポートブロックの前記送信の送信信号のロバスト性よりも高いロバスト性に対応する送信特性を選択すること、を含む、請求項1〜2のいずれかに記載の方法。
再構成すること(S3)は、前記復号マージンを示す情報が予め定義されるレベルを上回る場合に、前記第1のトランスポートブロックの前記送信の送信信号のロバスト性よりも低いロバスト性に対応する送信特性を選択すること、を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
前記無線ネットワークノード(20)と前記ワイヤレスデバイス(10)との間の、送信特性の前記セットを用いて送信される前回の及び現在のトランスポートブロックの前記復号マージンを示す情報を表現する蓄積された復号マージンを計算すること(S35)、 を含み、
前記再構成すること(S4)は、前記蓄積された復号マージンに基づく、
請求項1〜4のいずれかの方法。
前記送信特性は、変調符号化方式、無線アクセス技術、MIMO(Multiple Input Multiple Output)送信モード、ビームフォーミング、プリコーディング行列、及び送信
電力、という特性のうちの1つ又は複数を含む、請求項1〜5のいずれかの方法。
前記処理回路は、前記無線ネットワークノード(20)と前記ワイヤレスデバイス(10)との間の1つ以上のさらなるトランスポートブロックの送信のロバスト性を、前記第1のトランスポートブロックの前記送信のロバスト性に対して変更することにより、前記送信特性を再構成する、ようにさらに構成される、請求項15〜16のいずれかの無線ネットワークノード(20)。
前記処理回路は、前記復号マージンを示す情報が予め定義されるレベルを下回る場合に、前記第1のトランスポートブロックの前記送信の送信信号のロバスト性よりも高いロバスト性に対応する送信特性を選択することにより、前記送信特性を再構成する、ようにさらに構成される、請求項15〜16のいずれかの無線ネットワークノード(20)。
前記処理回路は、前記復号マージンを示す情報が予め定義されるレベルを上回る場合に、前記第1のトランスポートブロックの前記送信の送信信号のロバスト性よりも低いロバスト性に対応する送信特性を選択することにより、前記送信特性を再構成する、ようにさらに構成される、請求項15〜16のいずれかの無線ネットワークノード(20)。
前記処理回路は、前記無線ネットワークノード(20)と前記ワイヤレスデバイス(10)との間の、送信特性のセットを用いて送信される前回の及び現在のトランスポートブロックの前記復号マージンを示す情報を表現する蓄積された復号マージンを計算(S35)する、ようにさらに構成され、
前記再構成は、前記蓄積された復号マージンに基づく、
請求項15〜16のいずれかの無線ネットワークノード(20)。
前記送信特性は、変調符号化方式、無線アクセス技術、MIMO(Multiple Input Multiple Output)送信モード、ビームフォーミング、プリコーディング行列、及び送信
電力、という特性のうちの1つ又は複数を含む、請求項15〜16のいずれかの無線ネットワークノード(20)。
前記処理回路は、前記ワイヤレスデバイス(10)から前記無線ネットワークノード(20)へ送信される第1のトランスポートブロックの成功裏の復号の復号マージンを示す情報を取得する、ように構成され、
前記処理回路は、
送信特性のセットを用いて送信される前記第1のトランスポートブロックをワイヤレスデバイス(10)から受信し、
前記第1のトランスポートブロックを復号する、
ように構成され、
前記処理回路は、前記復号マージンを示す情報に基づいて、前記ワイヤレスデバイス(10)からのさらなる送信のために使用されるように前記送信特性を再構成する、ように構成される、
請求項15〜21のいずれかの無線ネットワークノード(20)。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[略語]
ACK Acknowledged
ARQ Automatic repeat request
BLER Block error rate
CQI Channel quality indicator
CRS Cell specific reference signals
CSI Channel state information
DCI Downlink control information
DL Downlink
eICIC Enhanced ICIC
FFT Fast Fourier transform
HACK Hard ACK
HARQ Hybrid automatic repeat request
ICIC Inter-cell interference coordination
MCS Modulation and coding scheme
NACK Not Acknowledged
OFDM Orthogonal Frequency Division Modulation
PCFICH Physical control format indicator channel
PDCCH Physical downlink control channel
PDSCH Physical downlink shared channel
PHICH Physical HARQ indication channel
PUCCH Physical uplink control channel
PUSCH Physical uplink shared channel
PDU Protocol data unit
QoS Quality of service
RLC Radio link control
SACK Soft ACK
SAR Soft-to-Hard ACK rate
SG Scheduling grant
SR Scheduling request
SRS Sounding reference signals
TTI Transmission time interval
UCI Uplink control information
UE User equipment
UL Uplink
【0028】
これ以降、添付図面を参照しながら本開示の複数の側面がより充分に説明されるであろう。ここで開示される装置及び方法は、しかしながら、多くの異なる形式で実現されることができ、ここで呈示される側面に限定されるものとして解釈されるべきではない。図面内の類似の番号は一貫して類似のエレメントを指す。
【0029】
ここで使用される専門用語は、本開示の具体的な側面を説明する目的のためのものに過ぎず、本開示を限定することを意図されない。ここで使用されるところによれば、単数形の“a”、“an”及び“the”は、別段文脈で明示されない限り、複数形をも含むものと意図される。
【0030】
発明者らは、物理レイヤのキャパシティの観点で受信機がその限界のどの程度近くで動作しているのかをスケジューラが知得することが有益であり得ることを認識した。例えば、eNBがUEへ送信中である場合、eNBは、UE内でトランスポートブロックを復号するために必要とされる物理リソースがどの程度まで使用されるかを知ることで恩恵を受けるはずである。eNBは、そうした知識に基づいて、ブロックエラーを時折取り込むリスクを少ししか伴わないで、送信特性を最適化し得る。同様のやり方で、ワイヤレスデバイスからトランスポートブロックを受信中のeNBは、復号マージンを示す情報を、将来のUEからのアップリンクのスケジューリングへの入力として使用し得る。
【0031】
復号マージンを示す情報は、例えば、ブロックを成功裏に復号した際に残されているターボ復号器の反復回数、又は同様の種類のメトリックを反映してもよい。
【0032】
UEにおけるLTEの物理レイヤの簡略化されたスケッチが
図1bに提供されている。複数のサンプルが無線機から受信され、OFDM復調器においてFFTの対象となる。その出力は、例えば変調シンボル及びリファレンス信号を搬送する複数のリソースエレメントを含む。リファレンス信号は、無線チャネルを推定するためにチャネル推定器により使用され、そのチャネル推定結果、送信モードに関する情報、及び割り当て帯域幅から、合成重み計算器により最適な合成重みが導出される。いくつかのリファレンス信号は、CSI推定器によってチャネル状態情報(CSI。CQIを含む)を計算するためにも使用され、CSIは、無線ネットワークノードへフィードバックされる。受信された変調シンボル及び合成重みは合成及びデマッピング器へ供給され、合成及びデマッピング器はソフトビットを生成し、ソフトビットはチャネルに依存して複数の復号器のいずれかへ入力される。
【0033】
UEは、まずPDCCH(physical downlink control channel)を受信し及び復号して、PDSCH(physical downlink shared channel)上の割り当てに関する情報と共に、使用される送信モード及び変調符号化方式(MCS)、アップリンク割り当て(スケジューリンググラント、SG)、アップリンク電力制御コマンドなど、を提供するダウンリンク制御情報(DCI)を見つけ出す。しかしながら、それを受信する前に、UEは、制御領域がどれほどの大きさか、即ち、サブフレーム内の先頭のOFDMシンボルのうちのいくつがPDCCHを搬送しているかを知らせるPCFICH(physical control format indicator channel)を復号する。また、復号の前に、無線伝播チャネルが推定され及び合成重みが生成される必要がある。
【0034】
PDCCHは、畳み込み符号化され、制御復号器により復号される。復号されたDCIは、ベースバンドを構成するために使用される制御ユニットへ供給される。制御復号器は、アップリンク上の送信が成功裏に復号されたか否かに関する無線ネットワークノードからのフィードバック(UL ACK/NACK; UL A/N)をさらに出力し、及び、PBCH(physical broadcast channel)上で搬送されるマスタ情報ブロック(MIB)を復号するためにも使用される。
【0035】
DCIが一旦復号されると、概して、サブフレームのほぼ中間の時点で、PDSCHが次に来る。サブフレーム内の残りのリファレンス信号がチャネル推定を改善するために使用され、合成重みが使用中の送信モードのために適合され、そして、受信された変調シンボルが合成され及びデマッピングされて、復号の対象のソフトビットへと帰着する。復号開始が可能となる前にサブフレーム全体が受信されなければならないことから、これはタイミング的に次のサブフレームにおいて制御情報が受信され及び復号される最中にパイプライン型で生起する。
【0036】
PDSCHは、ターボ符号化され及びデータ復号器を用いて復号される。データ復号器は、関連付けられるソフトビット合成器を伴うHARQ(hybrid automatic request)の機能性とターボ復号器とを主に含む。ターボ復号器は、受信されたデータが(巡回冗長検査;CRCの成功により示される通り)成功裏に復号されるまで、又は時間(反復)切れとなるまで復号を反復する。復号失敗のケースにおいて、後続の反復においてそれほど多くの情報が訂正されないことをメトリックが示している場合、早期に断念してもよく、いわゆる早期断念機能(EGF:early give-up function)という。パイプラインの形式の処理に起因して、ターボ復号器は、1サブフレームという時間長の範囲内で終了させなければならない。データが成功裏に復号されたか否かに関するフィードバック(ACK/NACK;DL A/N)は、サブフレームn+4において無線ネットワークノードへ提供され、ここでサブフレームnはデータが受信されたサブフレームである。
【0037】
CSIレポーティングは、それがいつレポートされるべきかが事前にUEにとって既知である方式で周期的であってもよく、但し、CSIレポートがサブフレームn+4において送信されるべきであることがDCIにおいてUEへ通知される方式で周期的であってもよい。
【0038】
OFDM復調器、チャネル推定器、合成重み計算器、合成及びデマッピング器、並びに制御復号器のための処理時間は使用される帯域幅に強く依存し、一方で、データ復号器のための処理時間は主にHARQバッファのサイズを規定するUEカテゴリに依存する。
【0039】
UEは、サブフレームnにおいてSGを受信した場合、サブフレームn+4内のPUSCH(physical uplink shared channel)上で送信を行うことになる。スケジューリングリクエスト(SR)、DL A/N及びCSIは、UCI符号化器により符号化されるアップリンク制御情報(UCI)を構成する。送信されるべきデータは、ターボ符号化を遂行するデータ符号化器により符号化され、そしてUCIが挿入される。変調シンボルはブロックマッピング器へ供給され、ブロックマッピング器は、変調シンボルとUL RSIG生成器により生成されるアップリンクリファレンスシンボルとを、許可された割り当てへマッピングする。結果としてのシンボルのシーケンスは、SC−FDMA変調器へ供給され、SC−FDMA変調器は、本質的にはIFFTを遂行し、その出力が無線機へ送出される。
【0040】
スケジューリンググラントが受信されておらず但しUEがUL A/N、CSI及びSRを提供すべきであるケースでは、その情報は、予め定義されるフォーマットに従ってPUCCH(physical uplink control channel)上で送信される。
【0041】
UL RSIG生成器、ブロックマッピング器及びSC−FDMA変調器のための処理時間は使用される帯域幅に強く依存し、一方で、データ符号化器のための処理時間はUEカテゴリに依存する。
【0042】
さらに、タイミングアドバンス(TA)と、最大100kmのセル半径をサポートするものと定めた規格とに起因して、アップリンクサブフレームnは、ダウンリンクサブフレームnが受信される0.67ms前に送信されなければならない可能性がある。よって、UEは、非周期的なCSIレポーティングリクエストに対処し、ネットワークノードからのUL A/Nに対処するなどしながら、DL A/Nのための時間を充足するために、おおよそ2msの範囲内で、あるサブフレームの全てのデータ関連の及びCSI関連の処理を行うことができなければならないであろう。
【0043】
留意すべきこととして、コスト効率及び電力効率に起因して、UEは、概して、例えばDL及びULそれぞれのキャリア数といった、サポートされる特徴及びケイパビリティのために、並びにそれらの各々についてサポートされる帯域幅のためにちょうど必要とされる処理キャパシティ、メモリサイズなどを有するように設計される。これは、例えば、FFT及びIFFTがOFDMシンボルごとの期限に間に合うように、但しそれより速くはないように設計される形で反映される。
【0044】
よって、本開示は、UEの物理レイヤの制約について基地局へ通知することを提案する。そして、基地局は、目標BLERを維持する代わりに、目標復号マージンを維持し得る。復号マージンを示す情報に基づいてMCSをチューニングすることで、基地局が適切なMCSを探索する際により積極的になることが可能となる。なぜなら、ブロックエラーを取り込むことなくそれを行うことができるためである。UEについてあまり保守的でないMCSが使用されるであろうことから、他のUEにとってより多くのリソースが利用可能となり、システムスループットは改善するであろう。
【0045】
拡張された送信フィードバックを提供する提案した技法は、これより、一例としてLTEを用いてより詳細に説明されるであろう。LTEなどのセルラーシステムにおいて、LTEではユーザ機器(UE)と呼ばれるワイヤレスデバイスは、基地局により、アップリンク上での送信のためにどのMCS及び割り当てサイズを使用すべきかについて構成される。よって、アップリンクについて、本開示の基地局の側面のみが存在し、基地局からUEへ送信される復号マージンを示す情報は必要ではない。
【0046】
但し、ダウンリンクについては、UEは、復号マージンを示す情報をeNBへ提供する必要がある。
【0047】
留意すべきこととして、例示的な実施形態を説明するために、3GPP LTEからの専門用語がここで使用されているものの、これは、それら例示的な実施形態のスコープを上述したシステムのみに限定するものとして見られるべきではない。Wifi、WCDMA、WiMax、UMB及びGSM、並びに将来の無線アクセスシステムを含む他のワイヤレスシステムもまた、ここで開示される例示的な実施形態から恩恵を受け得る。
【0048】
図1aは、LTEではeNodeBである無線ネットワークノード20、及びLTEではUEであるワイヤレスデバイス10を含む、提案される技法が実装され得る通信システムを示している。この例において、eNodeB20はUE10へトランスポートブロックを送信し、それによりUEは成功裏の受信について確認応答を行い、提案される技法を用いてその成功裏の復号のマージンが示される。それによって、UEは、
図1bに示した物理レイヤのリソースにどの程度負荷が掛かっているかをeNodeBへ通知する。
【0049】
図2は、ネットワークノードにおいて実装される本提案技法の一般的な概念を示している。
【0050】
理解されるべきこととして、
図2〜
図4は、実線の境界で描かれたいくつかの動作と、破線の境界で描かれたいくつかの動作とを含む。実線の境界内に含まれる動作は、より広い例示的な実施形態に含まれる動作である。破線の境界内に含まれる動作は、実線の境界の例示的な実施形態の動作に含まれてもよく、その一部であってもよく、又はそれに加えて取り入れられ得るさらなる動作であってもよい例示的な実施形態である。理解されるべきこととして、それら動作は、順序通りに実行されなくてもよい。そのうえ、理解されるべきこととして、それら動作の全てが実行される必要があるわけではない。例示的な動作は、いかなる適した順序で実行されてもよく、いかなる組み合わせで実行されてもよい。
【0051】
ワイヤレスデバイス10と通信する無線ネットワークノード20において、送信特性を構成する方法が実行される。その方法は、無線ネットワークノード20とワイヤレスデバイス10との間の、送信特性のセットを用いて送信される第1のトランスポートブロックの成功裏の復号の復号マージンを示す情報を取得することS3、を含む。
【0052】
復号マージンを示す情報は、例えば、復号マージンである。復号マージンは、ワイヤレスデバイス内の利用可能なリソース(例えば、処理キャパシティ)の、ブロックを成功裏に復号するために要したシェアを定義する。原理上、復号マージンは、上述した物理レイヤ内の他のブロックをも反映するであろう。しかしながら、復号マージンを示す情報は、復号器より前のステップ群を反映する他のメトリックをも含んでよい。時間、反復、又はアクティブなブロック若しくはユニットといった様々なメトリックが復号マージンを定義するために使用されてよい。
【0053】
アップリンク送信について、復号は無線ネットワークノードにおいて行われる。その場合、復号マージンを示す情報の取得は、無線ネットワークノードにおいて利用可能な情報を読み取ることを含む。ダウンリンク送信について、復号は、トランスポートブロックを受信するUEにおいて行われる。その場合、無線ネットワークノードは、ワイヤレスデバイスから復号マージンを示す情報に関する情報を受信する必要がある。これら2つの派生が以下にさらに議論されるであろう。
【0054】
いくつかの側面によれば、復号マージンを示す情報は、第1のトランスポートブロックの受信及び/又は復号のために使用された、無線ネットワークノード20又はワイヤレスデバイス10の処理キャパシティのシェアの標識を含む。いくつかの側面によれば、その処理キャパシティとは、復号を実行するユニットの物理レイヤ処理を実装する1つ以上のデジタル信号プロセッサの処理キャパシティである。
【0055】
いくつかの側面によれば、復号のマージンは、復号の反復回数を指し示す。1つの例は、
図1aに関連して説明したような、ターボ復号器による反復である。よって、予め定義される閾値を上回る反復回数をトランスポートブロックを復号するために要した場合、ソフトACKが送信される。これは、トランスポートブロックを復号するために必要とされた労力が大きかったことを指し示す。
【0056】
いくつかの側面によれば、復号のマージンは、受信及び/又は復号の期間中にアクティブ化され又は使用されるハードウェアユニットの数を指し示す。例えば、いくつもの受信機ブランチ又は受信機アンテナがアクティブである場合、SACKが送信される。例えば、確認応答がなされるその時点のモードは、UEが2つのRxアンテナを使用することを要し、但しUEは4つのアンテナを有していて、従って受信を改善するためにより多くのアンテナを有効化することができるかもしれない。その場合、労力がより小さいことを指し示すハードACKが送信されるはずである。
【0057】
ハードウェアユニットの他の例は、処理ユニット又はメモリユニットである。復号マージンを示す情報は、反復、ハードウェアユニット及び他のパラメータの組み合わせに基づいて計算されることもできるであろう。パラメータの1つの例は、メッセージを成功裏に復号、即ち検出した際に復号器により計算可能なBER(bit error rate)であり、その中で前方エラー訂正(FEC)が作動する。
【0058】
上記方法は、さらに、取得される上記復号マージンを示す情報に基づいて、無線ネットワークノード20とワイヤレスデバイス10との間のさらなる送信のために使用されるように送信特性を再構成することS4、を含む。言い換えれば、無線ネットワークノードは、ネットワークリソースの利用率を改善する目的で、復号のマージンを利用し得る。
【0059】
いくつかの側面によれば、再構成することS3は、上記トランスポートブロックの送信のロバスト性に対して、受信側のワイヤレスデバイス10への1つ以上のさらなるトランスポートブロックの送信のロバスト性を変更すること、を含む。そのロバスト性とは、ブロックエラーのリスクであり、典型的にはリソース使用に依存する。
【0060】
いくつかの側面によれば、再構成することS3は、復号のマージンが予め定義されるレベルを下回る場合に、上記トランスポートブロックの送信のロバスト性よりも高いロバスト性に対応する送信特性を選択すること、を含む。いくつかの側面によれば、再構成することS3は、復号マージンが予め定義されるレベルを上回る場合に、上記トランスポートブロックの送信のロバスト性よりも低いロバスト性に対応する送信特性を選択すること、を含む。言い換えれば、復号マージンを示す情報が高い場合、無線ネットワークノードは、何らかの手法でロバスト性の低い送信を選択することを決定し得る。上記予め定義されるレベルは、予め定義されてもよく、又はその時点の状況若しくは使用されるサービスに基づいて動的に調整されてもよい。C−MTCについて固有のレベルが使用されてもよい。
【0061】
よって、ロバスト性は、典型的には、リソースを追加することにより増大され、又はリソースを低減することにより減少させられる。リソースは、例えば、物理リソース又は無線リソース(時間及び/又は周波数)である。
【0062】
いくつかの側面によれば、ロバスト性は、UEが空間ダイバーシティの使用(MIMO)が可能となるはずのチャネル条件(RIを介するランク)をレポートした場合でさえ、空間ダイバーシティを使用する代わりに送信ダイバーシティを用いてダウンリンク上で送信を行うことにより調整される。
【0063】
いくつかの側面によれば、ロバスト性は、MCS単独ではなく他の手段を組み合わせることにより調整される。例えば、ダウンリンク送信は、UE割り当てのために、データとリファレンスシンボルとの間で異なる電力オフセットを使用してもよく、又はセル境界にいるUEの受信を改善するためにICIC/eICICを適用してもよい。
【0064】
また、ロバスト性は、UEが空間ダイバーシティの使用(MIMO)が可能となるはずのチャネル条件(RIを介するランク)をレポートした場合でさえ、空間ダイバーシティを使用する代わりに送信ダイバーシティを用いてダウンリンク上で送信を行うことにより調整されてもよい。
【0065】
典型的には、ロバスト性は、ブロックごとに変更されるのではなく、例えばSACKとHACKとの間の比率など、平均的な復号マージンを示す情報に基づいて変更される。その比率は、転じて、ロバスト性のレベルが変更されるべきかを制御する。これは、MCSオフセットが例えば10%のBLERを有するように調整される既存のアウターループリンク適応に類似している。
【0066】
よって、いくつかの側面によれば、上記方法は、さらに、無線ネットワークノード20とワイヤレスデバイス10との間の、送信特性のセットを用いて送信される前回の及び現在のトランスポートブロックの復号マージンを示す情報を表現する蓄積された復号マージンを計算することS35、を含む。そして、再構成することS4は、蓄積された復号マージンに基づく。
【0067】
いくつかの側面によれば、上記方法は、さらに、再構成された送信特性を用いて、受信側のワイヤレスデバイス10へ1つ以上のさらなるトランスポートブロックを送信することS4、を含む。
【0068】
[アップリンク送信]
図3は、トランスポートブロックがワイヤレスデバイス10から無線ネットワークノード20へ送信される、提案される方法の側面を示しており、これはアップリンク派生としても言及される。
【0069】
LTEなどのセルラーシステムでは、LTEにおいてユーザ機器(UE)と呼ばれるワイヤレスデバイスは、アップリンク上での送信のためにどのMCS及び割り当てサイズを使用すべきかについて基地局により構成される。よって、アップリンクについて、本開示の基地局の側面のみが存在し、基地局からUEへ送信される復号マージンを示す情報は必要ではない。
【0070】
よって、いくつかの側面によれば、上記方法は、ワイヤレスデバイス10が無線ネットワークノード20への送信を行う際に使用すべき送信特性のセットを、無線ネットワークノードが構成することS0aにより開始される。これは、無線ネットワークノード内のスケジューラにより実行される動作である。
【0071】
アップリンク送信の例において、上記方法は、無線ネットワークノードが第1のトランスポートブロックをワイヤレスデバイス10から受信することS1a、を含む。その場合、上記方法は、さらに、無線ネットワークノード20において、当該無線ネットワークノードが第1のトランスポートブロックを復号することS2a、を含む。
【0072】
そして、無線ネットワークノード20は、当該無線ネットワークノード内でブロックを復号するために要したキャパシティを読み取り又は調査することにより、復号マージンを示す情報を取得し得る。上で議論したように、復号マージンを示す情報は、復号器の反復又はアクティブなハードウェアを調査することにより取得されてもよい。
【0073】
それら側面によれば、再構成することS4は、復号マージンを示す情報に基づいて、ワイヤレスデバイス10から無線ネットワークノードへのさらなる送信のために使用されるように送信特性を再構成することS4a、を含む。上で議論したように、そうした送信は、典型的には、無線ネットワークノードからスケジューリングされる。再構成は、
図2との関係で上で議論したように実行される。
【0074】
いくつかの側面によれば、上記方法は、再構成された送信特性を定義する情報をワイヤレスデバイスへ送信することS5a、をさらに含む。これは、典型的には、ワイヤレスデバイスからのさらなる送信をスケジューリングする際に無線ネットワークノードにより行われる。よって、復号マージンを示す情報が高かった場合に、無線ネットワークノードは、上で議論したようにロバスト性の低い送信をスケジューリングすることを選択し得る。
【0075】
そして、無線ネットワークノードは、再構成された送信特性を用いて、ワイヤレスデバイスから1つ以上のさらなるトランスポートブロックを受信S6aしてもよい。その場合、再構成は、概して、時折ブロックエラーを取り込むようなことなく可能であるものと想定される。理解されなければならないこととして、チャネル特性が変化すれば、いずれにしろブロックエラーは当然発生し得る。しかしながら、それは本開示のスコープ外であるはずである。
【0076】
[ダウンリンク送信]
図4は、第1のトランスポートブロックが無線ネットワークノード20からワイヤレスデバイス10へ送信される、提案される方法の側面を示しており、これはダウンリンク派生としても言及される。
【0077】
言わばLTEでは、基地局自体がダウンリンク上での送信のためにどのMCS及び割り当てサイズを使用すべきかを制御する。しかしながら、ダウンリンク送信について、LTEではUEと呼ばれるワイヤレスデバイスにおいて復号が実行される。よって、ダウンリンクについて、復号マージンを示す情報をUEがeNodeBへ提供する必要がある。
【0078】
増分冗長性(incremental redundancy)は、ワイヤレスデバイスが、トランスポートブロックの第1の冗長バージョンを受信し及び復号することを試行し、それが失敗した場合にトランスポートブロックの第2の冗長バージョンを受信して、いわゆるソフト合成でそれを第1の冗長バージョンと合成し復号を試行することを可能にする。同じトランスポートブロックの(再)送信は、送信時間インターバル(TTI)バンドリングなどの機能が使用されない限り最小で8msの距離を以って生起する。TTIバンドリングによると、複数の冗長バージョンが、前の冗長バージョンが成功裏に復号されたかに関するフィードバックを待ち受けることなく後続のサブフレームにおいて送信される、
【0079】
ハイブリッド自動再送要求(HARQ)は、増分冗長性の手段によってワイヤレスデバイスとネットワークノードとの間の信頼性の高い通信を可能とする、3G標準及び4G標準の不可欠な部分である。送信されるべきトランスポートブロックは、前方エラー訂正符号化の対象とされ、それにより冗長性が取り入れられる。ビット数は、取り入れられる冗長性に起因して増加し、但し全てのビットが同時に送信されるわけではない。結果として生じるビットは、複数のいわゆる冗長バージョンへとセグメント化され、そうした各冗長バージョンは、さらに、所与の割り当て(1つ以上のリソースブロックペア)にフィットするように送信前に間引かれる。どの程度の間引きが行われるかは、割り当てにおいていくつのビット(情報ビット及び冗長ビット)が搬送可能であるかに依存し、それはさらに、割り当て帯域幅、使用される変調法(例えば、QPSK、16QAM、256QAM)、並びに、割り当て帯域幅内のブロードキャストされる信号及びチャネルの存在に依存する。トランスポートブロック内の情報ビットと情報ビットプラス冗長ビットとの間の比率を、コードレートという。コードレートと変調タイプとの組み合わせを、変調符号化方式という。
【0080】
受信エンティティがトランスポートブロックを復号できるようになることなく再送の最大回数に達した場合、プロトコルデータユニット(PDU)が逸失したことが上位レイヤ(例えば、無線リンク制御(RLC))によって概して50〜100ms以内に検出され、そのRLC PDUを含む全てのトランスポートブロックについて再送が要求される。成功したかもしれないトランスポートブロックでさえそうである。これを自動再送要求(ARQ)といい、HARQ再送よりもかなり大きいレイテンシを有する。
【0081】
受信エンティティであるワイヤレスデバイス又は基地局は、トランスポートブロックの復号が成功したか(ACK)又は失敗したか(NACK)に関するフィードバックを送信エンティティへ提供する。送信エンティティは、すると、同じブロックについて他の冗長バージョンを送信すべきか又は次のトランスポートブロックについての冗長バージョンを送信すべきかについて決定を行い得る。
【0082】
よって、ダウンリンクの実装について、復号マージンの情報を示す情報を含むACKレポーティングを導入することを要する。
【0083】
言い換えれば、ワイヤレスデバイスからのACKレポーティングにおけるより精細な粒度を導入することが必要とされる。既存のHARQの実装は、典型的には、二値のレポーティング(ACK又はNACK)、又は恐らくは複数のNACKレベルを可能としている。ブロックエラーをさらに取り込むことなく基地局側でより良好なMCSのチューニングを可能とするために、例えば“ソフトACK”及び“ハードACK”というACKの2つ以上のレベルが導入されてよく、ここで、ソフトACKは、物理レイヤ処理リソースの欠乏に近く少ないマージンでUEによりブロックが復号されたことを指し示し、ハードACKは、ブロックが良好なそうしたマージンで復号されたことを指し示す。
【0084】
いくつかの側面によれば、上記方法は、ワイヤレスデバイス10へ、復号マージンを示す情報のレポーティングを有効化するためのリクエストを送信することS0b1、をさらに含む。いくつかの側面によれば、上記方法は、ワイヤレスデバイス10から、復号マージンを示す情報のレポーティングを有効化するためのリクエストを受信することS0b2、をさらに含む。
【0085】
この側面によれば、第1の送信S1bは、送信特性のセットを使用する。
【0086】
本開示のダウンリンク派生によれば、取得することS3は、ワイヤレスデバイス10から、ワイヤレスデバイス10における第1のトランスポートブロックの受信及び成功裏の復号を確認する確認応答、並びに当該復号の復号マージンを示す情報を定義する情報を受信することS3b、を含む。確認応答は、通信プロトコルの一部として、通信デバイス間で確認応答又はレスポンスの受信を知らせるために受け渡される信号である。言い換えれば、受信側のワイヤレスデバイスは、トランスポートブロックが成功裏に復号され、再送を要しないことを指し示した。よって、ACKは、受信側のワイヤレスデバイスの制約を指し示す情報を含む。その制約は、例えば、合計キャパシティの一部として指し示されてもよい。よって、いくつかの側面によれば、復号のマージンは、無線ネットワークノード20の処理キャパシティの、トランスポートブロックの受信及び/又は復号のために使用された部分の標識を含む。
【0087】
本派生のいくつかの側面によれば、受信することS3bは、複数のあり得るACKレベルのうちの1つを定義する情報を受信すること、を示唆し、各レベルが予め定義されるレンジの範囲内の復号のマージンに対応する。別の言い方をすると、復号マージンを示す情報は、送信S1bのロバスト性を減少させると復号の不成功のリスクが過酷となるかに関する標識である。この側面は、各々が復号マージンを示す情報を表す1つ以上のACKレベルが導入されることを示唆し、その情報は即ち、ブロックを成功裏に復号するためにどの程度のキャパシティ又はどの程度の労力を受信機及び/又は復号器が使用しなければならないか、である。例えば、ソフトACK及びハードACKがあって、ソフトACKはUEがブロックを成功裏に復号したもののかろうじて復号できたに過ぎないことを指し示す。ハードACKは、ブロックが良好なマージンを伴って成功裏に復号されたことを指し示す。ソフトACKを受信することにより、基地局は、チャネルの変動に起因して後続のパッケージが失敗するリスクが存在することを知らされる。UEは、自身の物理レイヤ処理キャパシティにどの程度近いかに基づいて、成功裏に復号したブロックについてソフトACKを送信するか又はハードACKを送信するかを決定し得る。
【0088】
本開示のダウンリンク派生によれば、再構成することS4は、復号マージンを示す情報に基づいて、ワイヤレスデバイス10への1つ以上のさらなるトランスポートブロックの送信のために使用されるように送信特性を再構成することS4b、を含む。よって、復号マージンを示す情報が良好であることをUEが通信する場合、無線ネットワークノードは、上述したようにロバスト性の低い送信を選択してもよく、逆もまたしかりである。
【0089】
本派生のいくつかの側面によれば、上記方法は、再構成された送信特性を用いて、ワイヤレスデバイス10へ1つ以上のさらなるトランスポートブロックを送信することS5b、をさらに含む。
【0090】
[無線ネットワークノードの例示的なノード構成]
図5は、上で議論した例示的なノードの動作の実施形態のいくつかを取り入れ得る無線ネットワークノード20の一例を示している。無線ネットワークノードは、例えば、eNodeBである。
図5に示したように、無線ネットワークノード20は、ネットワーク内で任意の形式の通信又は制御信号を送受信するように構成される無線通信インタフェース21、を備え得る。理解されるべきこととして、無線通信インタフェース21は、いかなる数の送受信、受信、及び/又は送信ユニット若しくは回路として設けられてもよい。さらに理解されるべきこととして、無線通信インタフェース21は、当分野で知られたいかなる入出力通信ポートの形式であってもよい。無線通信インタフェース21は、RF回路及びベースバンド処理回路(図示せず)を含み得る。
【0091】
無線ネットワークノード20は、コアネットワーク及び/又は他のネットワークノードとの間で任意の形式の通信信号又は制御信号を交換するように構成されるネットワーク通信インタフェース23を備え得る。ネットワーク通信は、典型的には、バックホールとして言及される。
【0092】
無線ネットワークノード20は、さらに、無線通信インタフェース21と通信関係にあり得る少なくとも1つのメモリユニット又は回路24を備え得る。メモリ24は、受信され若しくは送信されるデータ、及び/又は実行可能なプログラム命令を記憶する、ように構成され得る。また、メモリ24は、任意の形式のビームフォーミング情報、リファレンス信号、及び/又はフィードバックデータ若しくは情報を記憶する、ように構成されてもよい。メモリ24は、いかなる適したタイプのコンピュータ読取可能なメモリであってもよく、揮発タイプであっても及び/又は不揮発タイプであってもよい。いくつかの側面によれば、本開示は、第1のワイヤレスノードにおいて実行された場合に、当該第1のワイヤレスノードに、上述した例示的なノードの動作の何らかの側面を実行させるコンピュータプログラムコード又は命令セット、を含むコンピュータプログラムに関する。
【0093】
無線ネットワークノード20は、さらに、無線ネットワークノード20とワイヤレスデバイス10との間で送信される第1のトランスポートブロックの成功裏の復号の復号マージンを示す情報を取得し、取得される上記復号マージンを示す情報に基づいて、無線ネットワークノード20とワイヤレスデバイス10との間のさらなる送信のために使用されるように送信特性を再構成する、ように構成されるコントローラ又は処理回路22、を備え得る。
【0094】
処理回路22は、例えばマイクロプロセッサ、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)若しくはASIC(application specific integrated circuit)又は任意の他の形式の回路など、いかなる適したタイプの計算ユニットであってもよい。理解されるべきこととして、処理回路は、単一のユニットとして提供されなくてもよく、いかなる数のユニット又は回路として提供されてもよい。処理回路は、さらに、ここまで及びこれ以降で説明したネットワークノードにおける方法の全ての側面を実行するように適合される。
【0095】
いくつかの側面によれば、上記処理回路は、無線ネットワークノード20とワイヤレスデバイス10との間の1つ以上のさらなるトランスポートブロックの送信のロバスト性を、第1のトランスポートブロックの送信のロバスト性に対して変更することにより、送信特性を再構成する、ようにさらに構成される。例えば、上記復号マージンを示す情報は、第1のトランスポートブロックの受信及び/又は復号のために使用された、無線ネットワークノード20又はワイヤレスデバイス10の処理キャパシティのシェアの標識を含む。
【0096】
いくつかの側面によれば、上記処理回路は、復号マージンを示す情報が予め定義されるレベルを下回る場合に、第1のトランスポートブロックの送信の送信信号のロバスト性よりも高いロバスト性に対応する送信特性を選択することにより、送信特性を再構成する、ようにさらに構成される。
【0097】
いくつかの側面によれば、上記処理回路は、復号マージンを示す情報が予め定義されるレベルを上回る場合に、第1のトランスポートブロックの送信の送信信号のロバスト性よりも低いロバスト性に対応する送信特性を選択することにより、送信特性を再構成する、ようにさらに構成される。
【0098】
いくつかの側面によれば、上記処理回路は、無線ネットワークノード20とワイヤレスデバイス10との間の、送信特性のセットを用いて送信される前回の及び現在のトランスポートブロックの復号マージンを示す情報を表現する蓄積された復号マージンを計算S35する、ようにさらに構成される。そして、上記再構成S4は、蓄積された復号マージンに基づく。
【0099】
いくつかの側面によれば、送信特性は、変調符号化方式、無線アクセス技術、MIMO(Multiple Input Multiple Output)送信モード、ビームフォーミング、プリコーディング行列、及び送信電力、という特性のうちの1つ又は複数を含む。
【0100】
いくつかの側面によれば、上記処理回路は、ワイヤレスデバイス10から無線ネットワークノード20へ送信される第1のトランスポートブロックの成功裏の復号の復号マージンを示す情報を取得する、ように構成される。これは、提案技法のアップリンクバージョンに対応する。その場合、上記処理回路は、第1のトランスポートブロックをワイヤレスデバイス10から受信する、ように構成される。そのブロックは、送信特性のセットを用いて送信される。
【0101】
提案技法のアップリンクバージョンでは、無線ネットワークノードは、第1のトランスポートブロックを復号する、ように構成される。アップリンク派生において、上記処理回路は、復号マージンを示す情報に基づいて、ワイヤレスデバイス10からのさらなる送信のために使用されるように送信特性を再構成する、ように構成される。典型的には、上記処理回路は、再構成された送信特性を定義する情報をワイヤレスデバイス10へ送信する、ように構成される。これは、例えば、ワイヤレスデバイスをスケジューリングすることにより行われる。
【0102】
いくつかの側面によれば、上記処理回路は、無線ネットワークノードへの送信の際にワイヤレスデバイス10において使用されるように送信特性のセットを構成する、ように構成される。
【0103】
いくつかの側面によれば、上記処理回路は、再構成された送信特性を用いて、ワイヤレスデバイスから1つ以上のさらなるトランスポートブロックを受信する、ように構成される。
【0104】
提案技法がダウンリンク送信に適用される場合、上記処理回路は、無線ネットワークノード20からワイヤレスデバイス10へ送信される第1のトランスポートブロックの成功裏の復号の復号マージンを示す情報を取得する、ように構成される。上記処理回路は、送信特性のセットを用いて、第1のトランスポートブロックをワイヤレスデバイス10へ送信する、ように構成され、上記処理回路は、ワイヤレスデバイス10から、ワイヤレスデバイス10における第1のトランスポートブロックの受信及び成功裏の復号を確認する確認応答、並びに当該復号の復号マージンを示す情報を定義する情報を取得する、ように構成される。ダウンリンク派生において、上記処理回路は、復号マージンを示す情報に基づいて、ワイヤレスデバイス10への1つ以上のさらなるトランスポートブロックの送信のために使用されるように送信特性を再構成する、ように構成される
【0105】
典型的には、上記処理回路は、再構成された送信特性を用いて、ワイヤレスデバイス10へ1つ以上のさらなるトランスポートブロックを送信する、ように構成される。
【0106】
いくつかの側面によれば、上記受信S4bは、複数のあり得るACKレベルのうちの1つを定義する情報を受信すること、を含み、各レベルが予め定義されるレンジの範囲内の復号マージンを示す情報に対応する。
【0107】
上で議論したように、復号マージンを示す情報のレポーティングは、様々な手法で開始されてよい。いくつかの側面によれば、上記処理回路は、ワイヤレスデバイス10へ、復号マージンを示す情報のレポーティングを有効化するためのリクエストを送信する、ように構成される。いくつかの側面によれば、上記処理回路は、ワイヤレスデバイス10から、復号マージンを示す情報のレポーティングを有効化するためのリクエストを受信する、ように構成される。
【0108】
いくつかの側面によれば、上記処理回路は、ワイヤレスデバイス10から無線ネットワークノード20へ送信される第1のトランスポートブロックの成功裏の復号の復号マージンを示す情報を取得する、ように構成される。その場合、上記処理回路は、ワイヤレスデバイス10から第1のトランスポートブロックを受信し、第1のトランスポートブロックを復号する、ように構成される。そして、上記処理回路は、上記復号マージンを示す情報に基づいて、ワイヤレスデバイス10からのさらなる送信のために使用されるように前記送信特性を再構成する、ように構成される。
【0109】
いくつかの側面によれば、上記処理回路は、再構成された送信特性を定義する情報をワイヤレスデバイス10へ送信する、ように構成される。いくつかの側面によれば、上記処理回路は、無線ネットワークノード20への送信の際にワイヤレスデバイス10において使用されるように送信特性のセットを構成する、ように構成される。いくつかの側面によれば、上記処理回路は、再構成された送信特性を用いて、ワイヤレスデバイスから1つ以上のさらなるトランスポートブロックを受信する、ように構成される。
【0110】
いくつかの側面によれば、無線ネットワークノード20又は処理回路22は、上述した様々な方法ステップ及び側面を実行するための1つ以上の物理的なモジュールを含む。それらモジュールは、ハードウェア若しくはソフトウェアで、又はそれらの組み合わせで実装される。それらモジュールは、いくつかの側面によれば、処理回路22上で稼働する、メモリ24内に記憶されるコンピュータプログラムとして実装される。そうしたモジュールの例は、次の通りである:
ワイヤレスデバイスへ復号マージンを示す情報のレポーティングを有効化するためのリクエストを送信し、又はワイヤレスデバイスから当該リクエストを受信する、ように構成される開始部220。
ワイヤレスデバイスから第1のトランスポートブロックを受信する、ように構成される受信部221。
第1のトランスポートブロックを復号する、ように構成される復号部222。
第1のトランスポートブロックの成功裏の復号の復号マージンを取得する、ように構成される取得部223。
前回の及び現在のトランスポートブロックの復号マージンを表現する蓄積された復号マージンを計算する、ように構成される計算部2235。
復号マージンに基づいて、無線ネットワークノードと無線通信デバイスとの間のさらなる送信のために使用されるように送信特性を再構成する、ように構成される再構成部224。
再構成された送信特性を定義する情報をワイヤレスデバイスへ送信し、又は再構成された送信特性を定義する情報をワイヤレスデバイスへ送信する、ように構成されるモジュールである、送信モジュール225。
再構成された送信特性を用いて、受信側のワイヤレスデバイスから1つ以上のさらなるトランスポートブロックを受信する、ように構成される受信モジュール226。
【0111】
これらモジュールは、上述した通りの方法の様々な側面を実行する、ように構成される。
【0112】
[ダウンリンク送信の例示的な実装]
ダウンリンク送信のための基地局側での本開示の例示的な処理ステップが
図6に示されている。
【0113】
基地局は、UEからHARQインジケータを受信(61)し、BLER及びSARについての統計及び履歴を更新(62)する。履歴は、ここでは、例えば、直近のN個の、BLERについてのNACK及びACK(ソフトACK又はハードACK)、並びにSARについてのソフトACK及びハードACKを収容するバッファであってよい。バッファリングされるデータは、BLER及びSARをそれぞれ計算するために使用される。
【0114】
NACKが受信されるケース(63;YES)では、基地局は、ロバスト性の相当に高い送信を提供する安全な設定へと、UEについてのMCSオフセットを即座に調整する(68)。また、基地局は、SAR統計をリセットし、SARを計算する際に使用したバッファをクリアする(69)。後続の送信において、基地局は、UEによりレポートされた具体的なCQIインデックスのためにどのMCSを使用すべきかを判定する際に、新たなMCSオフセットを適用する。その修正は、例えば、UEへトランスポートブロックが送信された際に使用されたものよりも2レベル以上高くロバスト性を増加させることに相当し得る。
【0115】
ハード又はソフトACKが受信された場合(63;NO)、基地局は、SARが目標(例えば、SAR10%)を上回るかをチェックし、上回るときは(64;YES)、例えばUEへトランスポートブロックが送信された際に使用されたものより1つ上のレベルのロバスト性を達成するようにMCSオフセットを修正(66)し、後続の送信についてMCSを判定する際にそのMCSオフセットを使用する。SARが目標以下であるときは(64;NO)、基地局は、SARがどの程度長い時間目標を続けて下回ってきたかをチェックする。その時間が、実際の時間を表現し得るある時間T、又はソフトACK若しくはハードACKを受信してきたTTIを超える場合(65;YES)、それら送信は、ある時間にわたり意図されるよりもロバストであったということであり、基地局は、例えばUEへトランスポートブロックが送信された際に使用されたものより1つ下のレベルのロバスト性のレベルへMCSオフセットを低減(67)する。Tというパラメータ値は、例えば0(瞬間的)以上で構成されてよく、それにより、ロバスト性の低減に関するシステムの反応の程度をチューニングすることが可能とされる。ステップ61〜65は、
図4のステップS3bに対応し、ステップ66及び67は、ステップS4bに対応する。
【0116】
そして、基地局は、後続の送信について使用すべきMCSを判定する際に、新たなMCSオフセットを適用する(S5b)。
【0117】
SARが十分長く目標を下回っていなかった場合(65;NO)、基地局は、前回の送信において使用されたものと同じMCSオフセットを使用する。
【0118】
注:基地局により期待された時にUEがACK/NACKを送信しないケースは、NACKとしてカウントされてよい。
【0119】
[アップリンク送信の例示的な実装]
アップリンク(UL)受信及び送信のための基地局側での本発明の例示的な処理ステップが
図7に示されている。
【0120】
基地局は、UEからトランスポートブロックを受信(71)し、その復号を試行(71)する。これは、
図3におけるステップS1a及びS2aに対応する。次いで、無線ネットワークノードは、復号が成功したか否か(73)に基づいて、UL BLER統計を更新(72)する。復号が失敗したケース(73;NO)では、基地局は、ロバスト性の相当に高い送信を提供する安全な設定へと、UEについてのUL MCSオフセットを即座に調整する(74)。また、基地局は、SAR統計をリセット(75)し、及びSARを計算する際に使用したバッファをクリアする。後続の送信において、基地局は、アップリンク上での送信の際にどのMCSをUEが使用するように構成するかを判定する際に、新たなMCSオフセットを適用する。その修正は、例えば、受信されたトランスポートブロックについてUEにより使用されたものよりも2レベル以上高くロバスト性を増加させることに相当し得る。
【0121】
基地局は、UEを構成するためのUL MCSを判定する際に、UL CRS測定結果及び/又はSRSを考慮に入れてもよく、例えばTDDのケースでは、UEによりレポートされるDL CQIを考慮に入れてもよい(相互性−アップリンク及びダウンリンクについて同一の周波数が使用されることから、本質的に無線チャネルは同様である)。
【0122】
一方で復号に成功した場合(73;YES)、基地局は、アップリンク復号のためのキャパシティ又は予定されたキャパシティと比較して十分なマージンが存在するかを評価する。キャパシティが不十分である場合(76;NO)、基地局は、成功裏の復号をソフトACK77として理解し、そうでない場合(76;NO)、ハードACK78として理解する。そして、基地局は、SAR統計及び履歴を更新する(79)。ステップ76〜79は、原理上、
図3において説明したような、第1のトランスポートブロックの復号の復号マージンを示す情報を取得するステップS3aに対応する。
【0123】
基地局は、SARが目標(例えば、SAR5%)を上回るかをチェックし、上回るときは(80;YES)、例えばUEによりトランスポートブロックが送信された際に使用されたものより1つ上のレベルのロバスト性を達成するようにMCSオフセットを修正(82)し、アップリンク上での後続の送信84についてMCSを判定する際にそのMCSオフセットを使用する。
【0124】
SARが目標以下であるときは(80;NO)、基地局は、SARがどの程度長い時間目標を続けて下回ってきたかをチェックする。その時間が、実際の時間を表現し得るある時間T、又はソフトACK若しくはハードACKを受信してきたTTIを超える場合(81;YES)、それらUL送信は、ある時間にわたり意図されるよりもロバストであったということであり、基地局は、例えばUEによりトランスポートブロックが送信された際に使用されたものより1つ下のレベルのロバスト性のレベルへMCSオフセットを低減(83)する。Tというパラメータ値は、例えば0(瞬間的)以上で構成されてよく、それにより、ロバスト性の低減に関するシステムの反応の程度をチューニングすることが可能とされる。MCSの上記修正は、
図3において議論したように、復号に基づいてワイヤレスデバイスからのさらなる送信のために使用されるように送信特性を再構成することに対応する。
【0125】
そして、基地局は、後続のアップリンク送信について使用されるべきMCSを判定する際に、新たなMCSオフセットを適用する(84)。
【0126】
SARが十分長く目標を下回っていなかった場合(81;NO)、基地局は、前回のアップリンク送信と同様の同じMCSオフセットを使用するようにUEを構成する。
【0127】
なお、Tに加えて、BLER及びSAR履歴の長さは、ダウンリンクとアップリンクとの間で異なってよい。
【0128】
SAR目標は、アップリンクとダウンリンクとの間で異なってよい。
【0129】
SAR統計及びMCSオフセットは、アップリンク及びダウンリンクのそれぞれで、全てのHARQプロセスに適用されてもよく、又は、個々のHARQプロセスに適用されてもよい。共通の統計がいずれかの方向についての複数のHARQプロセスのために使用される場合、MCSが修正される時点から、MCSをさらに増加させるかが評価されるまでに、ある追加的なレイテンシが取り入れられなければならないかもしれない。なぜなら、変更の影響を次の送信が生じる前に観測することができないからである。
【0130】
さらに、異なる複数の基地局がSAR統計がリセットされるケースをいかに扱うかに関して異なる戦略を使用してもよい。
【0131】
本開示の文脈の範囲内で、“ワイヤレス端末”又は“ワイヤレスデバイス”との用語は、ワイヤレス信号を送受信することにより、他のデバイスとの間で、及びオプションとしてワイヤレスネットワークのアクセスノードとの間でワイヤレスに通信可能ないかなる端末をも包含する。よって、“ワイヤレス端末”との用語は、限定ではないものの、例えばLTE UEなどのユーザ機器、モバイル端末、マシンツーマシン通信用の据え置き型の若しくは移動型のワイヤレスデバイス、集積された若しくは組み込まれたワイヤレスカード、外部プラグイン式のワイヤレスカード、ドングルなどを包含する。本開示を通じて、“ユーザ機器”との用語は、ときに多様な実施形態を例示するために使用されている。しかしながら、ここで説明した概念は他のワイヤレスノードへ等しく適用可能であることから、これは限定として解釈されるべきではない。よって、本開示において“ユーザ機器”あるいは“UE”への言及がなされる都度、それは上で定義したようないかなるワイヤレス端末をも包含するものとして理解されるべきである。
【0132】
本開示の複数の側面が、例えばブロック図及び/又はフローチャートなどの図面を参照しながら説明されている。例えばブロック図のブロックなどの図面内の複数のエンティティ、及び図面内のエンティティの組み合わせを、コンピュータプログラム命令により実装することができることが理解される。コンピュータプログラム命令は、コンピュータ読取可能なメモリ内に記憶され、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置へロードされることができる。そうしたコンピュータプログラム命令を、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ及び/又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサへ提供してマシンを生成することができ、それにより、コンピュータ及び/又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して稼働する命令は、ブロック図及び/又はフローチャートの1つ若しくは複数のブロックにおいて特定した機能/動作を実装するための手段を生み出すことができる。
【0133】
いくつかの実装において、本開示のいくつかの側面によれば、ブロックに記述した機能又はステップは、動作上の説明において記述した順序から外れて行われることができる。例えば、連続して示されている2つのブロックが、関係する機能性/動作に依存して、実際には実質的に並列に実行されてもよく、又は、逆の順序で実行される場合があってもよい。また、ブロックに記述した機能又はステップは、本開示のいくつかの側面によれば、ループとして連続的に実行されてもよい。
【0134】
図面及び明細書において、本開示の例示的な側面が開示されてきた。しかしながら、本開示の原理から実質的に逸脱することなく、それら側面に対し多様な変形及び修正をなすことができる。よって、本開示は、制限的というより説明的であって、上で議論した具体的な側面には限定されないものと見なされるべきである。従って、固有の用語が採用されてはいるものの、それらはただ汎用的かつ説明的な意味で使用されており、限定を目的としない。
【0135】
ここで提供した例示的な実施形態の説明は、例示の目的のために呈示されている。その説明は、網羅的であること、又は例としての実施形態を開示した正確な形式に限定することを意図しておらず、上の教示を踏まえて修正及び変形が可能であり、提供した実施形態に対する多様な代替策の実践から修正及び変形が獲得され得る。ここで議論した例は、多様な例示的な実施形態の原理及び性質、並びに当業者が多様なやり方で例示的な実施形態を利用することを可能にする実践的な応用を説明する目的で選定され説明されており、それは想起される具体的な用途に適したような多様な修正を伴う。ここで説明した実施形態の特徴は、方法、装置、モジュール、システム及びコンピュータプログラムプロダクトのあらゆる可能な組み合わせで組み合わせられてよい。理解されるべきこととして、ここで呈示した例示的な実施形態は、互いにいかなる組み合わせで実践されてもよい。
【0136】
留意すべきこととして、“含む/備える(comprising)”との語は、列挙されたもの以外の他のエレメント又はステップの存在を必ずしも排除せず、エレメントに先行する“a”又は“an”との語は、複数のそうしたエレメントの存在を排除しない。さらに留意すべきこととして、いかなる参照記号も特許請求の範囲のスコープを限定せず、例示的な実施形態はハードウェア及びソフトウェアの双方の手段で少なくとも部分的に実装されてよく、複数の“手段”、“ユニット”又は“デバイス”が同じハードウェアの品目によって表現されてもよい。
【0137】
ここで説明した多様な例示的な実施形態は、方法ステップ又はプロセッサの一般的な文脈で説明されており、それは1つの側面ではコンピュータ読取可能な媒体で具現化されるコンピュータプログラムプロダクトにより実装されてよく、コンピュータ読取可能な媒体は、ネットワーク化された環境内のコンピュータにより実行されるプログラムコードなどのコンピュータ実行可能な命令を含む。コンピュータ読取可能な媒体は、限定ではないものの、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CD(compact discs)、DVD(digital versatile discs)などを含む、着脱式の及び非着脱式の記憶デバイスを含んでよい。概して、プログラムモジュールは、具体的なタスクを実行し又は具体的で抽象的なデータタイプを実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含んでよい。コンピュータ実行可能な命令、関連付けられるデータ構造及びプログラムモジュールは、ここで開示した方法のステップを実行するためのプログラムコードの例を表す。そうした実行可能な命令又は関連付けられるデータ構造の具体的なシーケンスは、そうしたステップ又はプロセスにおいて説明した機能を実装するための対応する動作の例を表す。
【0138】
図面及び明細書において、例示的な実施形態が開示されてきた。しかしながら、それら実施形態に対し多くの変形及び修正をなすことができる。従って、固有の用語が採用されてはいるものの、それらはただ汎用的かつ説明的な意味で使用されており、限定を目的とはせず、実施形態のスコープは以下の特許請求の範囲によって定義される。