【実施例】
【0186】
以下に実施例を挙げて、本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0187】
%は、収率についてはmol/mol%を示し、その他については特記しない限り重量%を表す。また、室温とは、特記しない限り、15〜30℃の温度を表す。以下の
1H-NMR値は、分解能400MHzで測定した。
【0188】
粉末X線回折法による試料のX線回折パターンの測定は下記の条件で実施した。
測定機器:X’Pert Pro(スペクトリス社)
<測定条件>
X線 :Cu/45 kV/40 mA
ムーブメント(Movement) :oscillating, モード: x, 範囲: 4 mm
入射光(Incident beam path)
PreFIX module :Mirror Cu W/Si (focusing MPD)
ソーラースリット :Soller 0.04 rad.
ミラー :Inc. Beam Cu W/Si (focusing MPD)
マスク :Mask Fixed 4 mm
発散スリット(Divergence slit):Slit Fixed 1/2°
Anti-scatter slit :Slit Fixed 1/2
回折光(Diffracted beam path)
PreFIX module :X’Celerator
ソーラースリット :Soller 0.04 rad.
Anti-scatter slit :なし
検出器 :X’Celerator
モード :スキャニング
有効幅 (2Theta) :2.122
スキャン軸(Scan Axis) :2θ
ゴニオアングル(Other gonio angle)
オメガ :0°
走査モード :連続
開始アングル :3°
終了アングル :25°
単位ステップあたりの時間:10秒
反復 :Wobbled scan,
Wobbled Axis :オメガ
ステップ数 :3
ステップサイズ :3°
【0189】
実施例1
2-({[7-ヒドロキシ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル]カルボニル}アミノ)酢酸(化合物(1))の製造
【0190】
工程1
【0191】
【化57】
【0192】
方法その1
反応容器に1,2-ジメトキシエタン(680 kg)、3-オキソ-1,5-ペンタン二酸ジメチル(化合物(11))/純度95%(193 kg, 1.05 kmol)、シアナミド(133 kg, 3.16 kmol)を仕込み、撹拌して固体を溶解させた。この溶液へニッケル(II)アセチルアセトナート(27.0 kg, 105 mol)を添加し、0.5時間撹拌した。続いてこの混合物の内温を0.5時間かけて55℃まで上昇させ、内温55〜65℃にて約2時間撹拌した。その後この混合物の内温を70℃まで上昇させ、内温70〜75℃を保ちながら約8時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を内温25℃に冷却し、内温25℃を保ち7.5時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、結晶を1,2-ジメトキシエタン(340 kg)で洗浄した。
反応容器にメタノール(464 kg)、得られた湿結晶全量を仕込み、この混合物を内温20℃で3時間撹拌した。その後結晶を濾取し、結晶をメタノール(150 kg)で洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥することにより、2-アミノ-4-ヒドロキシ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル(化合物(10))(148 kg, 804 mol)を収率76.6%で得た。
上記方法に準じて合成された化合物のNMRとMSを測定した。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 11.48 (brs, 1H), 10.25 (brs, 1H), 7.19 (brs, 2H), 4.92 (s, 1H), 3.81 (s, 3H).
MS: m/z = 185 [M+H]
+【0193】
方法その2
反応容器に3-オキソ-1,5-ペンタン二酸ジメチル(化合物(11))(純度換算なし, 99.05 kg, 568 mol)、塩化ニッケル(3.70 kg, 28.5 mol)及び酢酸ナトリウム(4.64 kg, 56.6 mol)の混合物に、アセトニトリル(38.9 kg)、水(4.98 kg)、酢酸(1.74 kg, 28.9 mol)を添加した。この混合物にシアナミド(25.20 kg, 599 mol)を1時間かけて添加し、使用した容器をアセトニトリル(38.9 kg)で洗い込んだ。この混合物を内温20〜35℃で72時間撹拌した。高速液体クロマトグラフィーにて化合物(11)が消失し反応中間体が生成したことを確認した後、この反応混合物に室温にてメタノール(15.8 kg)を添加し、続いて28%アンモニア水(13.9 kg, 229 mol)を添加した。この混合物に5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(137.8 kg, 565 mol)を室温にて添加した。この混合物を室温にて15分間撹拌した。反応終了後、この反応混合物にアセトニトリル(74.0 kg)及び水(4.71 kg)を添加し、これを内温15℃で3時間撹拌した。得られた懸濁液から結晶を濾取し、結晶をアセトニトリル(69.7 kg)、メタノール(35.5 kg)及び水(14.9 kg)の混合溶液で洗浄した後、さらにアセトニトリル(77.7 kg)で洗浄した。得られた湿結晶を反応容器に仕込み、そこに水(495.4 kg)、メタノール(157.1 kg)を添加した。この懸濁液に28%アンモニア水(13.92 kg, 229 mol)を内温23℃にて添加した後、ここに塩化アンモニウム(30.40 kg, 568 mol)の水(99.1 kg)溶液を内温30〜32℃にて滴下した。得られた懸濁液を内温32℃で1時間撹拌した後、室温にて4.5時間撹拌した。この時、溶液のpHが2.5〜5の間であることを確認した。得られた懸濁液から結晶を濾取し、結晶をメタノール(29.4 kg)と水(111.4 kg)の混合溶液で洗浄し、さらにメタノール(78.6 kg)で洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥することにより、2-アミノ-4-ヒドロキシ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル(化合物(10))(75.92 kg, 412 mol)を収率72.5%で得た。
上記方法に準じて合成された化合物のNMRとMSを測定した。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 11.48 (brs, 1H), 10.25 (brs, 1H), 7.19 (brs, 2H), 4.92 (s, 1H), 3.81 (s, 3H).
MS: m/z = 185 [M+H]
+【0194】
工程2
【0195】
【化58】
【0196】
反応容器にオキシ塩化リン(864 kg)、2-アミノ-4-ヒドロキシ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸メチル(化合物(10))(105 kg, 570 mol)を仕込み、内温20℃で1時間撹拌した。続いてこの混合物にジイソプロピルエチルアミン(133 kg, 1.03 kmol)を内温11〜26℃で滴下し、その後内温25℃で18時間撹拌した。
反応終了後、別容器に仕込んだ水(2.21 t)にこの反応混合物を内温42〜56℃で滴下した。滴下終了後、アセトニトリル(41 kg)で反応容器を洗い、洗液を上記の別容器に添加、内温45℃で0.5時間撹拌した。引き続き、この混合物に28%アンモニア水溶液(849 kg)を内温8〜19℃で滴下し、その後内温20℃で0.5時間撹拌した。続いてこの混合物を内温70℃で1時間撹拌後、内温30℃に冷却し同温度付近で2時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、結晶を水(840 kg)で洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥することにより、2-アミノ-4,6-ジクロロピリジン-3-カルボン酸メチル(化合物(9))(96.3 kg, 436 mol)を収率76.5%で得た。
上記方法に準じて合成された化合物のNMRとMSを測定した。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 7.16 (brs, 2H), 6.83 (s, 1H), 3.84 (s, 3H).
MS: m/z = 221 [M+H]
+【0197】
工程3
【0198】
【化59】
【0199】
反応容器に2-プロパノール(1.18 t)、2-アミノ-4,6-ジクロロピリジン-3-カルボン酸メチル(化合物(9))(189 kg, 855 mol)を仕込んだ。この混合物にジメチルホルムアミドジメチルアセタール/純度98.7%(122 kg, 1.01 kmol)を内温63〜70℃で滴下し、その後70℃で3時間撹拌した。
続いてこの反応混合物に塩酸ヒドロキシルアミン(71.1 kg, 1.02 kmol)を25℃で添加し、この混合物を25℃で4時間撹拌した。反応終了後、この反応混合物に水(1.13 t)を内温21〜30℃で滴下し、その後同温度で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、2-プロパノール(169 kg)と水(162 kg)の混合溶液で2回結晶を洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥することにより、4,6-ジクロロ-2-[(N-ヒドロキシホルムイミドイル)-アミノ]ピリジン-3-カルボン酸メチル(化合物(8))(175 kg, 663 mol)を収率77.5%で得た。
上記方法に準じて合成された化合物のNMRとMSを測定した。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 10.80 (s, 1H), 10.10 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.84 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.35 (s, 1H), 3.93 (s, 3H).
MS: m/z = 264 [M+H]
+【0200】
工程4
【0201】
【化60】
【0202】
反応容器にアセトニトリル(824 kg)、トリフルオロ酢酸無水物(154 kg)を仕込んだ。この溶液に4,6-ジクロロ-2-[(N-ヒドロキシホルムイミドイル)-アミノ]ピリジン-3-カルボン酸メチル(化合物(8))(175 kg, 663 mol)を内温6〜16℃にて分割添加し、その後この反応液を内温20〜26℃で8時間撹拌した。
反応終了後、活性炭(53 kg)とトルエン(382 kg)の懸濁液を内温2〜8℃で上述の反応液に添加、その後この混合物を内温1〜3℃で0.5時間撹拌した。その混合物にN-メチルモルホリン(155 kg)を内温1〜9℃で滴下、その後この混合物を内温2〜7℃で1時間撹拌した。続いてこの混合物を濾過し濾別した活性炭をトルエン(76 kg)で洗浄、濾液とこの洗液を合わせて、水(702 kg)で洗浄し、分液後、水層をトルエン(608 kg)で抽出した。有機層とこのトルエン層を合わせて、水(702 kg)で洗浄し、分液後、有機層を減圧下、外温55〜60℃で濃縮した。続いて残渣に2-プロパノール(828 kg)を添加し減圧下、外温55〜60℃で濃縮した。その後再び残渣に2-プロパノール(828 kg)を添加し減圧下、外温55〜60℃で濃縮した。得られた残渣に2-プロパノール(996 kg)を加え、液量を1579 Lに調整、続いて再結晶を行った。この晶析液を2〜10℃で2時間撹拌した後、濾取し、結晶を0〜10℃に冷却した2-プロパノール(276 kg)で洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥することにより、(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル)カルボン酸メチル(化合物(7))(135 kg, 549 mol)を収率82.8%で得た。
上記方法に準じて合成された化合物のNMRとMSを測定した。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 8.71 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 3.99 (s, 3H).
MS: m/z = 246 [M+H]
+【0203】
上記と同様の方法で合成された化合物(7)の結晶の粉末X線回折パターンを
図1に示す。縦軸に回折強度(cps:counts per second)、横軸に回折角2θ(°)を示す。
図1によれば、各ピークは、以下の通りである。回折角:2θ(°) = 9.7、11.3、12.5、14.2、15.9、16.9、17.2、19.6、20.7、21.3、22.7、23.4、24.4。
【0204】
(化合物(7)の塩酸塩の結晶)
化合物(7)(5.00 g, 20.3 mmol)の酢酸エチル(25 mL)とトルエン(25 mL)の懸濁液に4mol/L塩化水素酢酸エチル溶液(5.6 mL, 22.4 mmol)を室温にて添加した。この懸濁液を室温にて撹拌した。結晶を濾取し、結晶を酢酸エチルで洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥することにより、(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル)カルボン酸メチル塩酸塩(化合物(7)の塩酸塩)(5.32 g, 18.8mmol)を収率92.6%で得た。
【0205】
上記と同様の方法で合成された化合物(7)の塩酸塩の結晶の粉末X線回折パターンを
図2に示す。縦軸に回折強度(cps:counts per second)、横軸に回折角2θ(°)を示す。
図2によれば、各ピークは、以下の通りである。回折角:2θ(°) =8.9、10.6、11.3、11.8、14.1、16.2、17.3、18.0、19.6、20.7、21.3、22.4、23.2、23.7。
【0206】
工程5
【0207】
【化61】
【0208】
(5,7-ジクロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル)カルボン酸メチル(化合物(7))(50.0 g, 203 mmol)のジメチルスルホキシド(250 mL)溶液にベンジルマロン酸ジエチル(化合物(16))(55.8 g, 223 mmol)と炭酸セシウム(72.7 g, 223 mmol)を室温にて加え、30℃にて4時間撹拌した。反応終了後、この反応液に室温にてトルエン(400 mL)を加え、この溶液に氷冷下で水(400 mL)を加えた。水層を分離後、不溶物を除去する目的で得られた有機層を濾過した。トルエン(100 mL)で容器を洗浄後、合わせた有機層を5%食塩水(150 mL)で2回洗浄した。得られた有機層を減圧下で溶媒を留去した。そこにエタノール(500 mL)を加え減圧下溶媒を留去した後、エタノールを残渣に加え、液量を250 mLに調整することにより、5-[1,1-ジ(エトキシカルボニル)-2-フェニルエチル]-7-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-カルボン酸メチル(化合物(6))のエタノール溶液(203 mmol相当)を得た。
上記方法に準じて合成し、エタノール溶液から析出させた化合物のNMRとMSを測定した。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 8.73 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.17-7.08 (m, 3H), 6.68-6.65 (m, 2H), 4.26-4.13 (m, 4H), 3.99 (s, 3H), 3.87 (s, 2H), 1.09 (t, 6H, 6.8 Hz).
MS: m/z = 460 [M+H]
+【0209】
工程6
【0210】
【化62】
【0211】
5-[1,1-ジ(エトキシカルボニル)-2-フェニルエチル]-7-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-カルボン酸メチル(化合物(6))のエタノール溶液(203 mmol)に4 mol/L水酸化ナトリウム水溶液(250 mL, 1.00 mol)を室温にて1.5時間かけて滴下し、同温で1.5時間撹拌した。反応終了後、この混合液に水(75 mL)を添加した。得られた溶液を6mol/L塩酸(200 mL, 1.20 mol)とエタノール(125 mL)の混合溶液に室温にて滴下した。得られた懸濁液を室温で0.5時間、さらに60℃で4時間、70℃で2時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し1.5時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、結晶をエタノール(150 mL)と水(150 mL)の混合溶液で洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥することにより、7-クロロ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-カルボン酸(化合物(4))(57.6 g, 191 mmol)を収率94.1%で得た。
上記方法に準じて合成された化合物のNMRとMSを測定した。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 14.16 (brs, 1H), 8.64 (s, 1H), 7.33-7.19 (m, 6H), 3.47-3.43 (m, 2H), 3.13 (dd, 2H, J = 8.4 Hz, 6.0 Hz).
MS: m/z = 302 [M+H]
+【0212】
上記と同様の方法で合成された化合物(4)の結晶Iの粉末X線回折パターンを
図3に示す。縦軸に回折強度(cps:counts per second)、横軸に回折角2θ(°)を示す。
【0213】
図3によれば、各ピークは、以下の通りである。回折角:2θ(°) = 10.0、10.5、11.7、13.5、14.0、14.6、16.3、17.4、18.0、19.6、20.1、20.8、21.1、22.1、23.3、24.5。
【0214】
(化合物(4)の結晶II)
5-[1,1-ジ(エトキシカルボニル)-2-フェニルエチル]-7-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-カルボン酸メチル(化合物(6))のエタノール溶液(40.6 mmol相当)に4mol/L水酸化ナトリウム水溶液(50 mL, 200 mmol)を室温にて滴下し、同温で2時間撹拌した。反応終了後、この混合液にエタノール(25 mL)を添加した。この混合液に6mol/L塩酸(26 mL, 156 mmol)を添加し、内温77℃にて6.5時間撹拌した。反応終了後、室温に冷却し得られた懸濁液に内温43℃にて6mol/L塩酸(6.77 mL, 40.6 mmol)を滴下し、同温で3時間撹拌した。この懸濁液を室温で2時間撹拌した後、結晶を濾取した。得られた湿結晶を減圧乾燥することにより、7-クロロ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-カルボン酸(化合物(4))(10.067 g, 33.4 mmol)を収率82.3%で得た。
上記方法に準じて合成された化合物のNMRとMSを測定した。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 14.16 (brs, 1H), 8.64 (s, 1H), 7.33-7.19 (m, 6H), 3.47-3.43 (m, 2H), 3.13 (dd, 2H, J = 8.4 Hz, 6.0 Hz).
【0215】
上記と同様の方法で合成された化合物(4)の結晶IIの粉末X線回折パターンを
図4に示す。縦軸に回折強度(cps:counts per second)、横軸に回折角2θ(°)を示す。
【0216】
図4によれば、各ピークは、以下の通りである。回折角:2θ(°) = 7.1、11.3、13.1、13.5、14.5、15.4、16.4、18.6、20.2、20.9、21.8、22.5、22.9、24.6。
【0217】
(化合物(4)のナトリウム塩の結晶)
7-クロロ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-カルボン酸(化合物(4))(3.7 g, 12.3 mmol)のエタノール(15 mL)/水(12 mL)懸濁液に4mol/L水酸化ナトリウム水溶液(3.0 mL, 12 mmol)を室温にて添加した。この懸濁液を内温61℃に加熱し、ここにエタノール(1.5 mL)と水(1.5 mL)の混合溶液を添加した。さらに4mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加し、固体の溶解を確認した。この溶液を室温に冷却した後、結晶を濾取し、結晶をエタノールで洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥することにより、7-クロロ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-カルボン酸ナトリウム(化合物(4)のナトリウム塩)(1.67 g, 5.16 mmol)を収率42.0%で得た。
【0218】
上記と同様の方法で合成された化合物(4)のナトリウム塩の結晶の粉末X線回折パターンを
図5に示す。縦軸に回折強度(cps:counts per second)、横軸に回折角2θ(°)を示す。
【0219】
図5によれば、各ピークは、以下の通りである。回折角:2θ(°) = 3.8、7.7、11.5、12.9、16.0、17.7、18.6、19.2、19.7、20.1、20.5、21.0、21.5、23.6、24.0、24.4、24.8。
【0220】
(化合物(4)の塩酸塩の結晶)
7-クロロ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-カルボン酸(化合物(4))(5.00 g, 16.6 mmol)の酢酸エチル(50 mL)懸濁液に4mol/L塩化水素酢酸エチル溶液(20.71 mL, 104 mmol)を室温にて添加した。得られた懸濁液を室温にて撹拌した。結晶を濾取し、結晶を酢酸エチル(20 mL)で洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥することにより、7-クロロ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-カルボン酸塩酸塩(化合物(4)の塩酸塩)(5.54 g, 16.4 mmol)を収率98.8%で得た。
【0221】
上記と同様の方法で合成された化合物(4)の塩酸塩の結晶の粉末X線回折パターンを
図6に示す。縦軸に回折強度(cps:counts per second)、横軸に回折角2θ(°)を示す。
【0222】
図6によれば、各ピークは、以下の通りである。回折角:2θ(°) = 5.0、7.2、9.9、11.4、13.3、14.6、15.0、15.7、16.1、16.5、17.1、18.7、19.7、20.3、21.8、22.6、23.0、24.8。
【0223】
工程7
【0224】
【化63】
【0225】
方法その1
7-クロロ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-カルボン酸(化合物(4))(27.5 kg, 91.1 mol)のアセトニトリル(140 L)懸濁液に室温にて1-ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物(16.7 kg, 109 mol)、トリエチルアミン(11.0 kg, 109 mol)、グリシンメチルエステル塩酸塩(化合物(13)の塩酸塩)(13.7 kg, 109 mol)を加えた。この混合液に室温にて1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド1塩酸塩(20.9 kg, 109 mol)を発熱制御の目的で4回に分け0.5時間かけて加えた。この混合液を室温にて2時間撹拌した。反応終了後、5%重曹水(280 L)を室温にて滴下し、同温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、結晶をエタノール(77.5 L)と水(77.5 L)の混合溶液で洗浄した。得られた湿結晶をエタノール(70 L)と水(70 L)の混合溶液に仕込み、この懸濁液を室温にて23時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、結晶をエタノール(77.5 L)と水(77.5 L)の混合溶液で洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥することにより、2-({[7-クロロ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル]カルボニル}アミノ)酢酸メチル(化合物(3))(29.3 kg, 78.6 mol)を収率86.3%で得た。
【0226】
方法その2
7-クロロ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-カルボン酸(化合物(4))(200 g, 663 mmol)のアセトニトリル(600 mL)と水(200 mL)の懸濁液に室温にて1-ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物(30.5 g, 199 mmol)、トリエチルアミン(73.8 g, 729 mmol)、グリシンメチルエステル塩酸塩(化合物(13)の塩酸塩)(99.9 g, 796 mmol)を加えた。この混合液に室温にて1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(153 g, 798 mmol)を発熱制御の目的で4回に分け1時間かけて加えた。この混合液を室温にて1時間撹拌した。反応終了後、この反応混合液に水(1.0 L)を室温にて加えた。得られた懸濁液を同温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、結晶をメタノール(0.6 L)と水(0.6 L)の混合溶液で洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥することにより、2-({[7-クロロ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル]カルボニル}アミノ)酢酸メチル(化合物(3))(234 g, 628 mmol)を収率94.7%で得た。
上記方法に準じて合成された化合物のNMRとMSを測定した。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 9.26 (t, 1H, J = 6.0 Hz), 8.64 (s, 1H), 7.33-7.20 (m, 6H), 4.12 (d, 2H, J = 6.0 Hz), 3.69 (s, 3H), 3.46 (dd, 2H, 10.0 Hz, 6.0 Hz), 3.13 (dd, 2H, J = 10.0 Hz, 6.0 Hz).
MS: m/z = 373 [M+H]
+【0227】
工程8
【0228】
【化64】
【0229】
2-({[7-クロロ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル]カルボニル}アミノ)酢酸メチル(化合物(3))(29.3 kg, 78.6 mol)の2-エトキシエタノール(150 L)懸濁液に5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(88 L, 440 mol)を加え、87℃で9.5時間撹拌した。反応終了後、この反応液に70℃にてエタノール(146.5 L)と水(14.5 L)の混合溶液を滴下した。この混合液を室温に冷却後、同温で9時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、結晶をエタノール(78.3 L)と水(11.7 L)の混合溶液で洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥することにより、2-({[7-ヒドロキシ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル]カルボニル}アミノ)酢酸二ナトリウム(化合物(1)の塩である、化合物(2))(32.9 kg, 85.6 mol)を収率109%で得た。
上記方法に準じて合成された化合物のNMRとMSを測定した。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 11.28 (t, 1H, J = 4.4 Hz), 7.87 (s, 1H), 7.30-7.16 (m, 5H), 6.02 (s, 1H), 3.60 (d, 2H, J = 4.4 Hz), 3.11-3.00 (m, 4H).
MS: m/z = 339 [M+H-2Na]
-
得られた化合物中の残留溶媒量をGCにて測定した。
残留エタノール:0.0%
残留2-エトキシエタノール:9.5%
【0230】
なお、上記のGCにて行った測定の分析条件は、下記のとおりであった。
検出方法 :FID(水素炎イオン化検出器)
カラム :Fused-silica Capillary Column DB-WAX(J&W Scientific)
(30m×0.53mmI.D., 膜厚1μm)
検出器温度 :約250℃
試料気化室 :約200℃
カラム温度 :50℃にて8分間保持した後、14℃/分の割合で120℃まで昇温させ、同温で10分間保持する。その後40℃/分の割合で200℃まで昇温し同温で5分間保持する。
キャリヤーガス :ヘリウム
キャリヤーガス流量:標準溶液1μLから得たエタノールの保持時間が約4.5分になるように調整する
スプリット比:約1/10
注入量 :1μL
分析時間 :15分間
【0231】
工程9
【0232】
【化65】
【0233】
2-({[7-ヒドロキシ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル]カルボニル}アミノ)酢酸二ナトリウム(化合物(1)の塩である、化合物(2))(32.9 kg, 85.6 mol)の水(120 L)溶液に5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1.6 L, 8.00 mol)を加え、33℃で1時間撹拌した。この溶液に水(16.3 L)で懸濁させた活性炭(3.30 kg)を加え、34℃で1.5時間撹拌した。この懸濁液を濾過し、得られた濾液を濃塩酸(18.7 kg, 180 mol)と水(17 L)とアセトン(230 L)の混合溶液に48℃にて滴下した。この混合液に2-({[7-ヒドロキシ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル]カルボニル}アミノ)酢酸の種晶(16.5 g)を加え、48℃で2時間撹拌した。得られた懸濁液に48℃にて水(66 L)を滴下し、同温で1時間撹拌した。この懸濁液を室温に冷却後、1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、結晶をアセトン(99 L)と水(99 L)の混合溶液で洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥することにより、2-({[7-ヒドロキシ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル]カルボニル}アミノ)酢酸(化合物(1))(20.9 kg, 61.4 mol)を収率71.7%で得た。
上記方法に準じて合成された化合物のNMRとMSを測定した。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 14.24 (s, 1H), 12.98 (s, 1H), 9.84 (t, 1H, J = 5.2 Hz), 8.59 (s, 1H), 7.32-7.19 (m, 5H), 6.81 (s, 1H), 4.21 (d, 2H, J = 5.2 Hz), 3.41 (dd, 2H, J = 8.8 Hz, 6.4 Hz), 3.12 (dd, 2H, J = 8.8 Hz, 6.4 Hz).
MS: m/z = 341 [M+H]
+【0234】
結晶形変換工程
【0235】
前記工程で得られた2-({[7-ヒドロキシ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル]カルボニル}アミノ)酢酸(化合物(1))(20.8 kg, 61.1 mol)の2-プロパノール(330 L)と水(83 L)混合溶液を77℃で撹拌し、結晶の溶解を確認した。この溶液を65℃に冷却し、同温で2-({[7-ヒドロキシ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル]カルボニル}アミノ)酢酸(化合物(1))の種晶(20.8 g)を添加した。この溶液を60℃で2時間撹拌した後、室温に冷却し21時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、結晶を2−プロパノール(42 L)と水(42 L)の混合溶液で洗浄した。得られた湿結晶を減圧乾燥することにより、2-({[7-ヒドロキシ-5-(2-フェニルエチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-8-イル]カルボニル}アミノ)酢酸(化合物(1))(19.3
kg, 56.7 mol)を収率92.8%で得た。
上記方法に準じて合成された化合物のNMRとMSを測定した。
1H-NMR (DMSO-d
6) δ: 14.24 (s, 1H), 12.98 (s, 1H), 9.84 (t, 1H, J = 5.2 Hz), 8.59 (s, 1H), 7.32-7.19 (m, 5H), 6.81 (s, 1H), 4.21 (d, 2H, J = 5.2 Hz), 3.41 (dd, 2H, J = 8.8 Hz, 6.4 Hz), 3.12 (dd, 2H, J = 8.8 Hz, 6.4 Hz).
MS: m/z = 341 [M+H]
+