(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6600141
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】情報提供装置及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20191021BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-60589(P2015-60589)
(22)【出願日】2015年3月24日
(65)【公開番号】特開2016-181093(P2016-181093A)
(43)【公開日】2016年10月13日
【審査請求日】2018年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 朋子
(72)【発明者】
【氏名】細井 亘
(72)【発明者】
【氏名】西田 淳一
【審査官】
上田 威
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−021659(JP,A)
【文献】
特開平11−353555(JP,A)
【文献】
特開2004−074604(JP,A)
【文献】
特開2010−257271(JP,A)
【文献】
特開2001−357453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食料品を少なくとも含む商品の販売情報を提供する情報提供装置であって、
前記商品の重み付けを表す重付情報が設定されている前記商品の情報を含む商品データベースと、1以上の前記商品を用いた料理の情報を含むレシピデータベースとを記憶し、前記レシピデータベースとして、レシピごとにレシピの種別を含む記憶手段と、
購入者の端末へ前記商品の情報を前記商品データベースに基づいて提供し、該購入者の端末から前記商品の選択を入力し、レシピの種別の選択を入力すると、該選択された商品を用い、該選択された種別である1以上のレシピであって、前記重付情報により重み付けられた他の商品を用いるレシピを前記重付情報に応じた優先順位で含む一覧メニュー情報を前記商品データベース及び前記レシピデータベースを用いて作成し、該作成した前記一覧メニュー情報を前記購入者の端末へ出力する出力制御手段と、
を備えた情報提供装置。
【請求項2】
前記出力制御手段は、前記商品の情報を配列した商品画面を前記購入者の端末へ出力し前記商品の選択を入力したあと、前記商品画面で選択された商品の情報に隣接配置され、前記優先順位の高いレシピをより上位に配置した一覧メニュー画面を前記一覧メニュー情報として前記購入者の端末へ出力する、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記一覧メニュー画面には、前記重付情報により重み付けられた他の商品の情報を含む前記レシピに要する商品リスト表示欄と、前記レシピによる調理法の情報を表示する調理法表示欄と、前記レシピに要する前記商品の価格に関する情報を表示する価格表示欄とのうち1以上を前記レシピごとに含む、請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記重付情報は、お買い得度、お勧め度及び商品の利益率のうち1以上の基準に基づいて販売者により設定されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記出力制御手段は、購入者全体での前記商品の選択回数を加味した前記重付情報に応じた優先順位で前記レシピを含む前記一覧メニュー情報を作成する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記重付情報は、ポイント数が大きいほど重みが重く設定されており、該重みが重いほど前記優先順位が高い、請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記出力制御手段は、前記選択された商品を材料として含むレシピを前記レシピデータベースから抽出し、該抽出したレシピに要する他の商品の情報を前記重付情報と共に前記商品データベースから取得し、前記レシピに要する他の商品の重付情報を前記レシピごとに集計し、前記集計結果に基づいて前記優先順位を設定し、前記優先順位の順に前記レシピを含む前記一覧メニュー情報を作成する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記購入者により購入済みの商品を施錠可能な複数の納品庫を有するストッカに配送するストッカシステムに用いられる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項9】
食料品を少なくとも含み重み付けを表す重付情報が設定されている商品の情報を含む商品データベースと、1以上の前記商品を用いた料理の情報を含むレシピデータベースとを記憶し、前記レシピデータベースとして、レシピごとにレシピの種別を含む記憶手段、を備え、前記商品の販売情報を提供するコンピュータが実行する情報提供方法であって、
(a)購入者の端末へ前記商品の情報を前記商品データベースに基づいて提供するステップと、
(b)前記購入者の端末から前記商品の選択を入力し、レシピの種別の選択を入力すると、該選択された商品を用い、該選択された種別である1以上のレシピであって、前記重付情報により重み付けられた他の商品を用いるレシピを前記重付情報に応じた優先順位で含む一覧メニュー情報を前記商品データベース及び前記レシピデータベースを用いて作成するステップと、
(c)前記作成した前記一覧メニュー情報を前記購入者の端末へ出力するステップと、
を含む情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報提供装置としては、ネットスーパーにおいて、顧客DBに登録された購入者の家族構成の情報に基づいて料理の各素材の数量を表示するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、購入者は希望する素材を選択することにより、数量については配慮する必要がないので、買い物に際しての手間を省いて手軽に買い物をすることができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−208837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この特許文献1に記載された情報提供装置では、購入者は、食材の数量については配慮する必要がないものの、お得な商品の情報を簡単な操作で効率よく更に得たいということがあった。提供者は、顧客のニーズに合わせた情報を提供することができるものの、提供したいものを十分に顧客にアピールしたいことがあった。上述した装置では、提供者が提供したい情報を効率よく提供することについては考慮されていなかった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、販売者がより多く提供したいと考える食料品を含む商品の情報を購入者に提供することができる情報提供装置及び情報提供方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の情報提供装置は、
食料品を少なくとも含む商品の販売情報を提供する情報提供装置であって、
前記商品の重み付けを表す重付情報が設定されている前記商品の情報を含む商品データベースと、1以上の前記商品を用いた料理の情報を含むレシピデータベースとを記憶する記憶手段と、
購入者の端末へ前記商品の情報を前記商品データベースに基づいて提供し、該購入者の端末から前記商品の選択を入力すると、該選択された商品を用いた1以上のレシピであって、前記重付情報により重み付けられた他の商品を用いるレシピを前記重付情報に応じた優先順位で含む一覧メニュー情報を前記商品データベース及び前記レシピデータベースを用いて作成し、該作成した前記一覧メニュー情報を前記購入者の端末へ出力する出力制御手段と、
を備えたものである。
【0008】
この装置では、購入者の端末へ、食料品を少なくとも含む商品の情報を商品データベースに基づいて提供し、購入者の端末から商品の選択を入力する。すると、この装置では、選択された商品を用いた1以上のレシピであって、重付情報により重み付けられた他の商品を用いるレシピを重付情報に応じた優先順位で含む一覧メニュー情報を商品データベース及びレシピデータベースを用いて作成する。そして、この装置は、作成した一覧メニュー情報を購入者の端末へ出力する。この装置では、重付情報を用いて重み付けられた商品を含むレシピが優先的な情報として一覧メニュー情報に含まれるため、販売者がより多く提供したいと考える食料品を含む商品の情報を購入者に提供することができる。
【0009】
本発明の情報提供装置において、前記出力制御手段は、前記商品の情報を配列した商品画面を前記購入者の端末へ出力し前記商品の選択を入力したあと、前記商品画面で選択された商品の情報に隣接配置され、前記優先順位の高いレシピをより上位に配置した一覧メニュー画面を前記一覧メニュー情報として前記購入者の端末へ出力するものとしてもよい。この装置では、優先順位の高いレシピをより上位に配置した一覧メニュー画面を用いて、販売者がより多く提供したいと考える商品の情報を購入者に提供することができる。この情報提供装置において、前記一覧メニュー画面には、前記重付情報により重み付けられた他の商品の情報を含む前記レシピに要する商品リスト表示欄と、前記レシピによる調理法の情報を表示する調理法表示欄と、前記レシピに要する前記商品の価格に関する情報を表示する価格表示欄とのうち1以上を前記レシピごとに含むものとしてもよい。この装置では、商品リスト表示欄、調理法表示欄及び価格表示欄のいずれかを用いて、重み付けられた商品の情報を購入者へ提供することができる。ここで、「より上位」とは、例えば、上から下へスクロールする画面では上部、右から左へスクロールする画面では右側など、画面の先頭側(画面スクロールの上流側)としてもよい。
【0010】
本発明の情報提供装置において、前記重付情報は、お買い得度、お勧め度及び商品の利益率のうち1以上の基準に基づいて販売者により設定されているものとしてもよい。この装置では、お買い得度、お勧め度及び商品の利益率のいずれかにより優先された商品の情報を購入者に提供することができる。ここで、お買い得度は、例えば、商品の質に対して低価格であるか、又は、価格に対して高品質であるなどの度合いをいう。また、お勧め度は、例えば、数量限定や入手困難である度合いをいう。利益率は、販売したときの利益が出やすい度合いをいうものとする。
【0011】
本発明の情報提供装置において、前記出力制御手段は、前記商品の選択回数を加味した前記重付情報に応じた優先順位で前記レシピを含む前記一覧メニュー情報を作成するものとしてもよい。この装置では、購入者の購買意欲を加味して商品の情報を購入者に提供することができる。
【0012】
本発明の情報提供装置において、前記重付情報は、ポイント数が大きいほど重みが重く設定されており、該重みが重いほど前記優先順位が高いものとしてもよい。こうすれば、ポイント数を用いて重み付けを行いやすく、より容易に商品の情報を購入者に提供することができる。
【0013】
本発明の情報提供装置において、前記出力制御手段は、前記選択された商品を材料として含むレシピを前記レシピデータベースから抽出し、該抽出したレシピに要する他の商品の情報を前記重付情報と共に前記商品データベースから取得し、前記レシピに要する他の商品の重付情報を前記レシピごとに集計し、前記集計結果に基づいて前記優先順位を設定し、前記優先順位の順に前記レシピを含む前記一覧メニュー情報を作成するものとしてもよい。
【0014】
本発明の情報提供装置は、前記購入者により購入済みの商品を施錠可能な複数の納品庫を有するストッカに配送するストッカシステムに用いられるものとしてもよい。即ち、本発明のストッカシステムは、購入済みの商品を収容するストッカと、上述したいずれかの情報提供装置を備えるものとしてもよい。
【0015】
本発明の情報提供方法は、
食料品を少なくとも含み重み付けを表す重付情報が設定されている商品の情報を含む商品データベースと、1以上の前記商品を用いた料理の情報を含むレシピデータベースとを記憶する記憶手段、を備え、前記商品の販売情報を提供するコンピュータが実行する情報提供方法であって、
(a)購入者の端末へ前記商品の情報を前記商品データベースに基づいて提供するステップと、
(b)前記購入者の端末から前記商品の選択を入力すると、該選択された商品を用いた1以上のレシピであって、前記重付情報により重み付けられた他の商品を用いるレシピを前記重付情報に応じた優先順位で含む一覧メニュー情報を前記商品データベース及び前記レシピデータベースを用いて作成するステップと、
(c)前記作成した前記一覧メニュー情報を前記購入者の端末へ出力するステップと、
を含むものである。
【0016】
この方法は、上述した情報提供装置と同様に、重付情報を用いて重み付けられた商品を含むレシピが優先的な情報として一覧メニュー情報に含まれるため、販売者がより多く提供したいと考える食料品を含む商品の情報を購入者に提供することができる。なお、この情報提供方法において、上述した情報提供装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した情報提供装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ストッカシステム10の一例を表す概略説明図。
【
図3】情報提供処理ルーチンの一例を表すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるストッカシステム10の構成の概略説明図である。
図2は、店舗サーバ21の記憶部23に記憶された情報の説明図である。ストッカシステム10は、本発明の情報提供装置としての店舗サーバ21を含んでおり、管理サーバ31と、複数のストッカ40とを備えている。このストッカシステム10は、例えば、ストッカ40A〜40Cなどを有している。なお、ストッカ40A〜40Cは、ストッカ40と総称する。商店20の店舗サーバ21、管理サーバ31、複数のストッカ40及び購入者14の携帯端末15は、インターネットなどのネットワーク12に接続されている。
【0019】
店舗サーバ21は、例えばスーパーなどの商店20に設置されている。この店舗サーバ21は、ネットワーク12にて購入者14に食料品を少なくとも含む商品17の販売情報を提供する情報提供装置として構成されている。店舗サーバ21は、購入者14の携帯端末15からの依頼などに応じて商品17の情報に関する画面を送信する。この店舗サーバ21は、制御部22と、記憶部23と、通信部28とを備えている。制御部22は、CPU、ROM及びRAMなどにより構成され装置全体の制御を司るものである。記憶部23は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶するものである。通信部28は、管理サーバ31などの外部機器と通信を行うものである。また、店舗サーバ21は、作業者が各種指令を入力するキーボード及びマウス等の入力デバイスと、各種情報を表示するディスプレイとを備えている。
【0020】
店舗サーバ21は、記憶部23に商品データベース(DB)24や、レシピDB25、販売DB26などが記憶されている。
図2に示すように、商品データベース24には、商品17の種別、商品名、単価、商品17の重み付けを表す重付情報27、購入者14により該当商品が選択された回数に関する選択情報などが含まれている。重付情報27は、例えば、仕入れごとや毎週所定曜日など所定のタイミングで販売担当者により設定される情報であり、お買い得度、お勧め度及び商品17の利益率のうち1以上の基準に基づいて設定されている。ここで、お買い得度は、例えば、商品17の質に対して低価格であるか、又は、価格に対して高品質であるなどの度合いをいう。また、お勧め度は、例えば、数量限定や入手困難である度合いをいう。利益率は、販売したときの利益が出やすい度合いをいうものとする。ここでは、重み付けは、例えば、最小値0〜最大値100のポイント数の間とし、所定期間での売り上げをより多くしたい商品17ほど高い値が設定されるものとする。選択情報は、例えば、購入者14へ提供した情報のうち、その商品17が選択購入された回数に応じて積算される選択値を含み、例えば、1回の選択で重み付けの所定値(例えば値「0.01」など)が加算される。この選択値により、重付情報27に、購入者14の購入傾向などを加味することができる。レシピDB25は、1以上の商品17を用いた料理の情報を含むものであり、レシピの種別、レシピ名、材料の種類及び必要量、レシピによる調理法の情報(作り方)などが、各レシピごとに含まれている。レシピの種別には、例えば、主菜、副菜、サラダ、スープなどが含まれる。このレシピDB25は、季節ごとに含まれるレシピの内容が変更されるものとしてもよい。販売DB26には、例えば、購入者14により購入された商品17の情報などが含まれている。
【0021】
管理サーバ31は、例えばストッカシステム10を提供する提供会社に設置されており、ストッカシステム10の管理運営を行う情報処理装置として構成されている。管理サーバ31は、店舗サーバ21からの依頼などに応じて商品17を保管するストッカ40の納品庫41を設定したり、設定した納品庫41の情報を携帯端末15へ送信したりする。この管理サーバ31は、制御部32と、記憶部33と、通信部38とを備えている。制御部32は、CPU、ROM及びRAMなどにより構成され装置全体の制御を司るものである。記憶部33は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶するものである。通信部38は、店舗サーバ21などの外部機器と通信を行うものである。記憶部33には、ストッカ情報34や顧客DB35などが記憶されている。ストッカ情報34には、例えば、ストッカシステム10が有するストッカ40の配置場所や納品庫41の使用状況などの情報が含まれる。このストッカ情報34には、納品庫対応テーブルや、物品有無テーブルなどが含まれる。納品庫対応テーブルは、複数のストッカ40と、ストッカ40の中のいずれの納品庫41かを特定可能な納品庫番号と、購入者14の会員IDと、商品17の発注を識別するための伝票IDと、納品庫41を解錠するための解錠コードと、を対応付けたテーブルである。物品有無テーブルは、複数のストッカ40と、納品庫番号と、納品庫41内の物品の有無を表す物品有無と、を対応付けたテーブルである。顧客DB35には、購入者14の情報、例えば、年齢、居住地、家族構成、支払い方法などの情報が含まれている。この顧客DB35には、購入者14の会員IDと、購入者14のメールアドレスとを対応付けた会員情報テーブルも含まれている。
【0022】
ストッカ40は、商店20から配送される商品17を購入者14へ受け渡す際に用いられる装置である。ストッカ40は、施錠可能な複数(例えば30個)の納品庫41と、表示操作部42と、読取機43,48と、図示しない制御部とを備えている。納品庫41の各々は、商品17等の物品を収容可能な内部空間を有しており、前面の扉44と、扉44の施錠及び解錠を行うロック機構45と、納品庫41内の物品の有無を検出する物品センサ46と、扉44の開閉を検出する開閉センサ47と、を備えている。表示操作部42は、ストッカ40の前面に配置されたタッチパネルなどを備えており、商品17の配達者19及び購入者14への各種情報の表示や、配達者19及び購入者14からの各種操作の入力を行う。読取機43は、購入者14が納品庫41の解錠に用いるQRコード(登録商標)を読み取るQRコードリーダであり、ストッカ40の前面の表示操作部42付近に配置されている。読取機48は、商店20から配送される商品17に付されたバーコード18を読み取る手持ち式のバーコードリーダである。制御部は、装置全体を制御するものであり、表示操作部42や読取機43,48と信号のやりとりを行う。ストッカ40は、多数の購入者14が利用可能であり、オフィス、コンビニエンスストア、工場、駅、学校、マンションなど様々な場所に配置されている。例えば、ストッカ40Aは、購入者14の勤務先のオフィスの建物内に配置され、ストッカ40Bは、車両交通の多い大通り沿いに配置され、ストッカ40Cは公共交通機関の駅構内に配置されている。
【0023】
次に、ストッカシステム10の動作、特に購入者14の商品17の発注から受け取りの処理について説明する。まず、購入者14は、携帯端末15を操作して商店20のウェブサイトにアクセスし、希望する商品17,自身の会員ID,受け取りを希望するストッカ40などを入力して、商品17の発注を行う。発注が行われると、店舗サーバ21は入力された情報を取得し、発注を管理する伝票IDを付してこれらの発注情報を販売DB26で管理する。また、店舗サーバ21は、発注情報のうち会員ID,伝票ID及び受取希望のストッカ40の情報を管理サーバ31に送信する。管理サーバ31は、これらの情報を入力すると、未使用の納品庫41をストッカ情報34に基づいて調べ、配送先のストッカ40及び納品庫41の割り当てを行う。次に、管理サーバ31は、納品庫41の解錠コードを決定し、会員ID,伝票ID,決定したストッカ40及び納品庫41の納品庫番号,解錠コードを対応付けて、ストッカ情報34に追加する。一方、商店20の店員は、店舗サーバ21に記憶された発注情報に基づいて、商品17の手配や配達者19に対する商品17の配送指示などを行う。なお、商品17には、伝票IDを表すバーコード18が付される。配達者19は、商品17を配送指示されたストッカ40に配送する。配達者19は、ストッカ40に到着すると、商品17に付されたバーコード18を読取機48に読み取らせる。ストッカ40の制御部は、ストッカ情報34の納品庫対応テーブルにおいて入力されたバーコード18が表す伝票IDに対応する納品庫番号を調べ、納品庫番号で特定される納品庫41を解錠する。配達者19は、解錠された納品庫41内に商品17を納入して扉44を閉め、表示操作部42を操作して納品完了した旨を入力する。ストッカ40の制御部は、納品完了を入力すると、ロック機構47を制御して納品庫41を施錠する。また、ストッカ40の制御部は、物品センサ46の検出信号に基づいて商品17が新たに納入された納品庫41が物品無しから物品有りに変更されたことを検出して、ストッカ情報34の物品有無テーブルを更新するよう、管理サーバ31に変更内容を送信する。
【0024】
続いて、管理サーバ31の制御部32は、ストッカ40から入力した変更内容に基づいてストッカ情報34の物品有無テーブルを更新する。また、管理サーバ31は、物品有りに変更になった納品庫41に対応する会員IDのメールアドレスに、納品されたストッカ40の情報や解錠コードを表すQRコードなどが含まれる納品完了メールを送信する。納品完了メールを携帯端末15で受信した購入者14は、納品されたストッカ40に商品17の受け取りに向かい、携帯端末15の表示画面にQRコードを表示させて読取機43に読み取らせる。ストッカ40の制御部は、納品庫対応テーブルにおいて入力されたQRコードが表す解錠コードに対応する納品庫番号を調べ、納品庫番号で特定される納品庫41を解錠する。また、ストッカ40の制御部は、物品センサ46及び開閉センサ47の検出信号に基づいて商品17の受取及び閉扉を検出すると、納品庫41を施錠すると共にストッカ情報34の物品有無テーブルを更新したり、納品庫対応テーブルを更新したりする。管理サーバ31のストッカ情報34にもこれらの更新が反映される。このストッカシステム10では、購入者14は、例えば出勤前あるいはオフィスにいる間に発注を行って、オフィスからの退社時にストッカ40Aで商品17を受け取ることができ、商品17を受け取りに行く手間が省ける。あるいは、ストッカ40Bやストッカ40Cが購入者14の通勤経路上にあれば、購入者14は通勤途中で商品17を受け取ることもできる。
【0025】
次に、購入者14に商品17の情報を提供する処理について説明する。
図3は、店舗サーバ21の制御部22により実行される情報提供処理ルーチンの一例を表すフローチャートである。このルーチンは、記憶部23に記憶され、店舗サーバ21の起動と共に実行される。このルーチンが開始されると、店舗サーバ21の制御部22は、まず、商品DB24及びレシピDB25を記憶部23から読み出して取得する(ステップS100)。次に、制御部22は、商品画面の出力依頼があるか否かを判定する(ステップS110)。商品画面の出力依頼は、例えば、店舗サーバ21により提供されるウェブサイトに購入者14が端末(PCや携帯端末15)からアクセスすることにより出力されるものとする。商品画面の出力依頼があったときには、商品DB24及びレシピDB25を用いて、重付情報27に応じた優先順位で商品17を配置した商品画面を作成し、出力処理を行う(ステップS120)。
図4は、商品画面50の一例を表す説明図である。
図4に示すように、商品画面50には、項目を選択する際に移動させるカーソル51が表示され、商品17の画像及び価格などが表示される商品表示欄52が含まれている。商品画面50では、商品17の種別ごとに1以上の商品表示欄52が配列されている。例えば、重付情報27に所定の閾値より大きい値(例えばポイント数80など)が設定されている商品17の商品表示欄52には、「おすすめ」の表示が付される。この商品画面50が、購入者14の利用する端末に表示される。
【0026】
ステップS120のあと、又は、ステップS110で商品画面の出力依頼がないときは、制御部22は、購入者14の端末において、商品17が選択されたか否かを商品画面50の商品表示欄52が選択されたか否かに基づいて判定する(ステップS130)。商品17が選択されたときには、制御部22は、選択された商品17を材料として含む1以上のレシピをレシピDB25から抽出する(ステップS140)。例えば、商品画面50で「大根」が選択された場合は、材料として大根を含む、ぶり大根、おでん、豚バラ大根などのレシピが抽出される。次に、制御部22は、抽出されたレシピに要する他の商品17を読み出し、他の商品17の重付情報27をレシピごとに集計する(ステップS150)。例えば、重付情報27に値100が付けられた商品17を2つ含むレシピでは、単純に値を加算して、集計値は値200となる。また、重み付けの集計では、購入者により選択購入された選択情報に含まれる選択値(
図2参照)を加えるものとする。こうすれば、購入者14に選択購入されているものがより優先される。続いて、制御部22は、集計結果に基づいてレシピの優先順位を設定する(ステップS160)。レシピの優先順位の設定は、例えば、集計された値が大きいほど優先順位が高くなるように行ってもよい。また、重付情報27の集計値が同値であるレシピが複数ある場合は、例えば、材料の商品数が多いレシピを優先させてもよい。次に、制御部22は、商品17の価格情報を作成する(ステップS170)。価格情報の作成とは、例えば、購入者14の家族人数分の料理を作ったときの材料の総額を求めたり、まとめ売りなど販売単位で要する材料の総額を求めるなどの処理を行う。なお、価格情報は、調味料の金額を含むものと含まないものとが作成されてもよい。
【0027】
続いて、制御部22は、抽出したレシピの情報とレシピの優先順位と価格情報とを用いて一覧メニュー画面を作成し、出力処理する(ステップS180)。
図5は、一覧メニュー画面60の一例を表す説明図である。この一覧メニュー画面60は、選択された商品表示欄52の近傍(
図5では右隣)に表示される。一覧メニュー画面60には、メニュー変更入力欄61、表示順変更入力欄62、レシピ表示欄63などが含まれる。メニュー変更入力欄61は、表示させるレシピの種別を選択入力する欄である。メニュー変更入力欄61には、主菜、副菜などのチェックボックスがあり、このチェックボックスのいずれかがチェックされて再表示キー66が押下されると、制御部22は、選択された種別のレシピを配置した一覧メニュー画面60を作成して購入者14の端末へ出力する。表示順変更入力欄62は、レシピの優先順位を選択入力する欄である。表示順変更入力欄62には、安い順、人気順などのチェックボックスがあり、このチェックボックスのいずれかがチェックされて再表示キー66が押下されると、制御部22は、選択された優先順位でレシピを配置した一覧メニュー画面60を作成して購入者14の端末へ出力する。なお、人気順は、例えば、レシピ表示欄63の選択された回数などに基づいて設定されてもよい。レシピ表示欄63には、画像表示欄64と、商品リスト表示欄65、価格表示欄66、購入入力欄67などが含まれている。画像表示欄64には、料理の画像が表示される。レシピ表示欄63には、優先順位の高いレシピがより上位(上部)に配置されている。商品リスト表示欄65には、材料の商品17が配列されて表示される。価格表示欄66には、所定人数分の総額と商品17の購入可能単位(例えば1パックなど)での販売価格とが配列されて表示される。購入入力欄67は、商品17を選択購入する際に押下される欄である。このレシピ表示欄63では、商品リスト表示欄65のプルダウンキーが押下されると、同種の商品17(例えば、天然ブリと養殖ブリなど)の情報がプルダウンメニューで表示される。また、レシピ表示欄63には、例えば、重み付けが所定の閾値(例えばポイント数80など)より大きい商品17が含まれているレシピには「おすすめ」が表示される。購入者14は、一覧メニュー画面60の内容を確認してレシピや商品17の選択を行う。
【0028】
ステップS180のあと、又はステップS130で商品17が選択されていないときには、制御部22は、レシピが選択されたか否かを判定する(ステップS190)。レシピの選択は、画像表示欄64の下方に配置されたレシピ選択キー69が押下されたか否かに基づいて行う。レシピが選択されたときには、制御部22は、選択されたレシピの内容をレシピDB25から読み出し、レシピ表示画面を作成して購入者14の端末へ出力処理する(ステップS200)。
図6は、レシピ表示画面70の一例を表す説明図である。このレシピ表示画面70は、選択されたレシピ表示欄63の近傍(
図6では下方)に表示される。レシピ表示画面70には、商品リスト表示欄75や、価格表示欄76、調理法表示欄78などが含まれる。レシピ表示画面70の商品リスト表示欄75には、調味料なども表示される。価格表示欄76には、プルダウンキーが設けられており、購入数が入力できるようになっている。調理法表示欄78には、料理の具体的な作り方が詳細に記載されている。
【0029】
ステップS200のあと、又はステップS190でレシピが選択されていないときには、制御部22は商品17が選択購入されたか否かを判定する(ステップS210)。商品17の購入は、一覧メニュー画面60の購入入力欄67の入力確定やレシピ表示画面70の価格表示欄76での購入数の入力確定により行われる。商品17が選択購入されたときには、制御部22は、選択情報を更新し(ステップS220)、ステップS100以降の処理を実行する。即ち、制御部22は、ステップS120やS160で、更新された選択情報を加味した重付情報27を用いて商品17やレシピの優先順位を設定する。一方、ステップS210で商品17が選択購入されていないときには、ステップS110以降の処理を実行する。
【0030】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の記憶部23が本発明の記憶手段に相当し、制御部22が出力制御手段に相当する。なお、本実施形態では、店舗サーバ21の動作を説明することにより本発明の情報提供方法の一例も明らかにしている。
【0031】
以上説明した実施形態の店舗サーバ21は、購入者14の端末へ、食料品を少なくとも含む商品17の情報を商品DB24に基づいて提供し、購入者14の端末から商品17の選択を入力すると、選択された商品17を用いた1以上のレシピであって、重付情報27により重み付けられた他の商品17を用いるレシピを重付情報27に応じた優先順位で含む一覧メニュー画面60を商品DB24及びレシピDB25を用いて作成する。そして、店舗サーバ21は、作成した一覧メニュー画面60を購入者14の端末へ出力する。店舗サーバ21では、重付情報27を用いて重み付けられた商品17を含むレシピが優先的な情報として一覧メニュー画面60に含まれるため、販売者がより多く提供したいと考える食料品を含む商品17の情報を購入者14に提供することができる。
【0032】
また、一覧メニュー画面60には、重付情報27により重み付けられた他の商品17の情報を含むレシピに要する商品リスト表示欄65と、レシピに要する商品17の価格に関する情報を表示する価格表示欄66とをレシピごとに含むため、制御部22は、商品リスト表示欄65や価格表示欄66を用いて、重み付けられた商品17の情報を購入者14へ提供することができる。更に、重付情報27は、お買い得度、お勧め度及び商品17の利益率のうち1以上の基準に基づいて販売者により設定されているため、制御部22は、お買い得度、お勧め度及び商品17の利益率のいずれかにより優先された商品17の情報を購入者14に提供することができる。更にまた、制御部22は、レシピの選択回数に応じて更新された選択情報を加味した重付情報27に応じた優先順位で一覧メニュー画面60を作成するため、購入者14の購買意欲を加味して商品17の情報を購入者14に提供することができる。そして、重付情報27は、ポイント数が大きいほど重みが重く設定されており、重みが重いほど優先順位が高いため、ポイント数を用いて重み付けを行いやすく、より容易に商品17の情報を購入者14に提供することができる。そしてまた、ストッカシステム10は、商品17をネットワーク12上で購入するものであるため、本発明の店舗サーバ21をストッカシステム10に適用する意義が高い。
【0033】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0034】
例えば、上述した実施形態では、制御部22は、購入者14の端末へ一覧メニュー画面60を出力するものとしたが、購入者14の端末のアプリケーションで画面を作成するものとすれば、購入者14の端末へ、重付情報27により重み付けられた他の商品17を用いるレシピを重付情報27に応じた優先順位で含む一覧メニュー情報(データ)を出力するものとしてもよい。こうしても、販売者がより多く提供したいと考える食料品を含む商品17の情報を購入者14に提供することができる。
【0035】
上述した実施形態では、一覧メニュー画面60には、商品リスト表示欄65及び価格表示欄66を含むものとしたが、特にこれに限定されず、いずれかを省略してもよいし、更に他の表示欄、例えば調理法表示欄78を含むものとしてもよい。
【0036】
上述した実施形態では、制御部22は、商品17の選択回数を加味した重付情報27に応じた優先順位でレシピを含む一覧メニュー画面60を作成するものとしたが、商品17の選択回数を加味することを省略してもよい。こうしても、制御部22は、重付情報27を用いることにより、販売者がより多く提供したいと考える商品17の情報を購入者14に提供することができる。
【0037】
上述した実施形態では、重付情報27はポイント数が大きいほど重みが重く設定されており重みが重いほど優先順位が高いものとしたが、特にこれに限定されず、ポイント数が小さい方が優先順位が高いものとしてもよいし、ポイント数を用いなくてもよい。
【0038】
上述した実施形態では、商品画面50、一覧メニュー画面60及びレシピ表示画面70は、重ねられて表示されるものとして説明したが、特にこれに限定されず、各画面が切り替わるものとしてもよいし、商品画面50に一覧メニュー画面60やレシピ表示画面70がはめ込まれて1画面で表示されてもよい。
【0039】
上述した実施形態では、ストッカシステム10で用いられる店舗サーバ21で一覧メニュー画面60を提供するものとしたが、特にこれに限定されず、ストッカシステム10がないものとしてもよい。こうしても、店舗サーバ21は、重付情報27を用いることにより、販売者がより多く提供したいと考える商品17の情報を購入者14に提供することができる。
【0040】
上述した実施形態では、重付情報27はお買い得度、お勧め度及び商品17の利益率のうち1以上の基準に基づいて販売者により設定されているものとしたが、特にこれに限定されず、選択情報によって購入者14の選択回数で重付情報27が設定されるものとしてもよい。
【0041】
上述した実施形態では、より優先的な商品17の情報をより上部に配置した一覧メニュー画面60としたが、特にこれに限定されず、より優先的な商品17の情報をより上位に配置した一覧メニュー画面を作成するものとしてもよい。この「より上位」とは、例えば、上から下へスクロールする画面では上部、右から左へスクロールする画面では右側など、画面の先頭側(画面スクロールの上流側)としてもよい。
【0042】
上述した実施形態では、本発明の情報提供装置を店舗サーバ21として説明したが、特にサーバでなくてもよい。また、本発明を情報提供装置である店舗サーバ21として説明したが、情報提供方法としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、商品をネットワークを介して提供するネットショッピングの技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 ストッカシステム、12 ネットワーク、14 購入者、15 携帯端末、17 商品、18 バーコード、19 配達者、20 商店、21 店舗サーバ、22 制御部、23 記憶部、24 商品データベース(DB)、25 レシピDB、26 販売DB、27 重付情報、28 通信部、31 管理サーバ、32 制御部、33 記憶部、34 ストッカ情報、35 顧客データベース、38 通信部、40,40A〜40C ストッカ、41 納品庫、42 表示操作部、43 読取機、44 扉、45 ロック機構、46 物品センサ、47 開閉センサ、48 読取機、50 商品画面、51 カーソル、52 商品表示欄、60 一覧メニュー画面、61 メニュー変更入力欄、62 表示順変更入力欄、63 レシピ表示欄、64 画像表示欄、65 商品リスト表示欄、66 価格表示欄、67 購入入力欄、68 再表示キー、69 レシピ選択キー、70 レシピ表示画面、75 商品リスト表示欄、76 価格表示欄、78 調理法表示欄。