(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィンおよびポリアクリレートの前記少なくとも1つが、イソシアネート基と反応性であってその分子の1つの末端で化学結合を形成する少なくとも2つの官能基を有するが、イソシアネート基と反応性であって化学結合を形成する第二の遠位に位置する化学基を有さず、したがって、該ポリマーに1点のみで結合されているポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィンまたはポリアクリレートを生成し、該ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィンまたはポリアクリレートの任意のさらなる末端が、鎖末端として機能する、請求項1〜7のいずれかに記載のポリマー。
前記Polに使用される前記ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィンまたはポリアクリレートが、300〜5000g/モルの数分子量を有する、請求項1〜9のいずれかに記載のポリマー。
前記Polに使用される前記ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィンまたはポリアクリレートが、前記ポリマーの20〜80重量%を構成する、請求項1〜10のいずれかに記載のポリマー。
少なくとも1つのペンダントイミド基を有するポリマー鎖と、粒子状固体と、(i)極性有機媒体、(ii)非極性有機媒体もしくは(iii)水性媒体または(iv)それらのブレンドのいずれかとを含む組成物であって、該イミド基が芳香族基または縮合芳香族基に化学的に結合されているカルボニル基を有し、該ポリマーが前記請求項1から12のいずれかによって表される、組成物。
前記ポリマーが、1.9〜2.1の間の平均官能価を有するポリイソシアネートとイソシアネートと反応性の基を有する少なくとも1つのイミド化合物との反応からの線状のポリウレタン主鎖であって、ここで該イミド化合物が、イソシアネートと反応させたときに1.5〜2.1の平均官能価を有し、該ポリウレタン主鎖が、その主鎖に結合している少なくとも1つのペンダントイミド側鎖と、末端に結合している、ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリエステルおよび/またはポリアクリル系の少なくとも1つの溶媒可溶化鎖とを有する、線状のポリウレタン主鎖を含み;
ここでポリエーテル、ポリオレフィン、ポリエステルおよび/またはポリアクリル系の該溶媒可溶化鎖の少なくとも50モル%が、前記少なくとも1つの溶媒可溶化鎖の1つの末端に、イソシアネート基と反応性であって化学結合を形成する官能基を1つだけ有し、該鎖の他の末端にはイソシアネート反応性の基を有さない、
請求項1に記載のポリマー。
ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィンおよびポリアクリレートの少なくとも1つから選択される前記溶媒可溶化鎖の少なくとも50モル%が、イソシアネート基と反応性であってその分子の1つの末端で化学結合を形成する1つの官能基を有するが、イソシアネート基と反応性であって化学結合を形成する第二の遠位に位置する化学基を有さず、したがって、前記ポリマーに1点のみで結合されているポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィンまたはポリアクリレートを生成し、該ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィンまたはポリアクリレートの任意のさらなる末端が、鎖末端として機能する、前記請求項1および16〜21のいずれかに記載のポリマー。
前記Polに使用される前記ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィンまたはポリアクリレートが、300〜5000g/モルの数分子量を有する、前記請求項1および16〜23のいずれかに記載のポリマー。
前記Polに使用される前記ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィンまたはポリアクリレートが、前記ポリマーの20〜80重量%を構成する、前記請求項1および16〜24のいずれかに記載のポリマー。
少なくとも1つのペンダントイミド基を有するポリマー鎖と、粒子状固体と、(i)極性有機媒体、(ii)非極性有機媒体もしくは(iii)水性媒体または(iv)それらのブレンドのいずれかとを含む組成物であって、該イミド基が芳香族基または縮合芳香族基に化学的に結合されているカルボニル基を有し、該ポリマーが前記請求項1および16〜26のいずれかによって表される、組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
様々な好ましいと特徴および実施形態が非限定的説明によって以下に記載される。
【0012】
上記材料の一部は最終配合物中で相互作用することがあり、その結果、最終配合物の成分が最初に添加されたものと異なることがあることは、公知である。例えば、金属イオン(例えば、洗浄剤の金属イオン)は、他の分子の他の酸性またはアニオン性部位に泳動することができる。それによって形成される生成物は、本発明の組成物をその所期の用途に用いると形成される生成物を含めて、容易に説明することができないことがある。それにもかかわらず、すべてのそのような変形形態および反応生成物は本発明の範囲に含まれ、本発明は、上記成分を混合することによって調製される組成物を包含する。モノマーまたは反復単位における(メタ)の使用は、任意選択のメチル基を示す。
【0013】
本発明の目的の1つは、最終組成物の、色強度の改善もしくは他の着色特性の改善、粒子状固体充填量の増加、および/または改善された明るさを有する、改善された分散体の形成を可能にする上に、低下された粘度、良好な分散安定性、低減された粒径および低減された粒径分布(通常、平均150nmもしくはそれ未満、例えば70〜135nmの範囲に低減される)、低減されたヘイズ、改善された光沢、および向上したジェットネス(jetness)(とりわけ、組成物が黒色の場合)を有する組成物の生成も可能にする、化合物を提供することである。本発明の組成物は、周囲温度での保管および高温保管条件下でも安定であり得る。本発明の組成物は、周囲温度での保管および高温保管条件下でも安定であり得、それ故、最終塗膜の変色または黄変を低減させる。
【0014】
少なくとも1つ、別の実施形態では少なくとも2、3または4つ、のペンダントイミド側鎖基を有するポリマー鎖を含むポリマーであって、各イミド基が芳香族環(単一芳香族環または縮合芳香族環のいずれか)に化学的に結合されているポリマーは、式(1):
【化5】
によって表され、式中の各可変項は、それが出現するごとに独立して以下の通りである:
R
1は、置換基への結合に利用可能なQ環上の任意の位置にある置換基であり得、R
1は、独立して、H、または電子吸引基(例えば、−NO
2、−SO
2NR’
2、−C(O)R’、−SO
3M、ハロ、例えば−Clもしくは−Br、−NH
2、または−OR’)、または電子供与基(例えば、炭素原子数1〜3のアルキル基、例えば−CH
3)の1つまたはそれより多くのもの(通常、R
1がH以外であり得る場合、Q上のHでない置換されている基の数は、aによって定義され、aは0〜2、0〜1、0または1であり得る)によって表されることがあり、より好ましくは、R
1は、−Hおよび場合により−Cl、−Br、−SO
3Mまたは−NO
2であり得;ここで、Mは、H、金属カチオン、NR’
4+、またはそれらの混合物であり得;各R’は、独立して、−Hであり得、通常1〜20個または1〜10個の炭素原子を含有する、場合により置換されているアルキルであり得、R’の置換基は、ヒドロキシルもしくはハロ(通常、ClもしくはBr)またはそれらの混合物であり得;望ましくは、芳香族イミドの芳香族環(Q)部分上の置換基(複数可)R
1は、第二の複素環を形成せず、詳細には、ジカルボン酸の第二のイミドも無水物も形成せず;
【0015】
Qは、4n+2のπ電子を含有する縮合芳香族環または非縮合芳香族環であり得、ここで、n=1またはそれより大きく(通常、望ましくは1〜3、または1〜2、または1、または2)、Qは、5または6員(通常、5員)イミド環を形成するようにイミド基に結合されていることもあり;
【0016】
bは、1または2であり、bが1である場合、イミド基は、末端にあり、1つの化学結合によってPolに結合されており、そしてbが2である場合、イミド基は、2つの化学結合によってPolに結合されている側鎖であり;
【0017】
dは、1、2または3、より好ましくは1または2、および最も好ましくは1であり;これは、1〜3個のイミド基がR
2の異なる炭素原子でR
2に結合されている可能性があることを意味し;
【0018】
R
2は、C
1〜C
20ヒドロカルビレン基、もしくはC
1〜C
12ヒドロカルビレン基、もしくはC
1〜C
6ヒドロカルビレン基、またはC
1〜C
20ヒドロカルボニレン基、もしくはC
1〜C
12ヒドロカルボニレン基、もしくはC
1〜C
6ヒドロカルボニレン基(R
2が2個より多くの炭素原子を含有する場合、ヒドロカルビレン基またはヒドロカルボニレン基は、直鎖状であってもよいし、または分枝していてもよい)、またはそれらの混合物であり得;R
2は、酸素および/または窒素原子を含むこともあり、この場合、R
2の酸素または窒素1個ごとに少なくとも2個の炭素原子があり、これらは、R
2にエーテル型結合、エステル型結合およびアミド型結合を含み;
【0019】
W’は、窒素原子、酸素原子または直接結合であり、W’は、アミノ、ヒドロキシルまたはカルボキシル基とイソシアネートの間に化学結合を形成する従来の反応での、アミノ、ヒドロキシルまたはカルボキシル基、好ましくはイミド含有基のアミノまたはヒドロキシルとイソシアネートとの反応の残留物であり;bが2である場合には、W’の一方は、前記イソシアネートと反応される第二級アミンから誘導され得、およびイミドと他方のW’基との間のR
2結合基内にあり得、bが2である場合、各W’基は同じであり得るか、異なり得;
【0020】
wは、1またはそれより大きく、より望ましくは1、2、3または4〜30、より望ましくは1、2、3または4〜25、および好ましくは1、2、3または4〜10または20であり;
【0021】
Polは、合計で少なくとも2つのウレタン結合および/または尿素結合と、ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリエステルおよびポリアクリレートペンダント末端および/もしくは横方向側鎖または前記末端および/もしくは側鎖の混合物の群から選択される少なくとも1つの溶媒可溶化鎖とを含む、ポリウレタンである。この式は、PolとW’間の単結合を示すように解釈される可能性があるが、Polと各W’との結合(複数可)は、(wによって定義される通り)1つまたはそれより多くの末端および/またはペンダント側鎖イミド基をPol上の1つまたはそれより多くの位置でPolに結合すること、および各イミド基を(bによって定義される通り)1つまたはそれより多くの結合によってPolに結合することを可能にする。
【0022】
本明細書における本発明は、連続媒体、例えば水、極性有機液体媒体または非極性有機液体媒体中の粒子状物質用のウレタン分散剤として有用であり、これは、下記実施例を参照してより良く理解され得る。実施形態2では、ウレタン分散剤は、一部のペンダント(横方向に結合している)基がイミド官能基を含み、前記ペンダント基の一部が溶媒可溶化鎖を含む、散在した(横方向に結合された)ペンダントを有するくし型ポリマーとして可視化され得る。
【0023】
実施形態2および3において、イミド基を分散剤に組み込むために用いられる反応物は、通常、イミド含有化合物の1つの末端をポリウレタン主鎖に反応させることが可能である2つのイソシアネート反応性基(イソシアネートと反応性の基)を該反応物の1つの末端に(互いの2〜17主鎖原子以内に)有するが、前記化合物のイミド基含有部分は、(ポリマー主鎖内に結合されているのではなく)その主鎖から垂れ下がっている。実施形態2および3において、ポリイソシアネートは、望ましくは、主としてジイソシアネートから誘導され、その結果、(三官能性のまたはそれより官能価が高いポリイソシアネートから得るような)分枝ポリウレタン主鎖ではなく、線状ポリウレタン主鎖を形成する。実施形態2と3両方において、2つの官能基または1つの官能基(官能基はイソシアネートと反応性の基を意味する)を有する低分子量ウレタン形成性化合物は、通常、2000もしくは3000g/モル未満、または望ましくは500g/モル未満の分子量を有する。この場合もやはり、前記形成性化合物の官能価は、そのように2つまたはそれ未満に限定され、そのためポリウレタン主鎖は高度に分枝しているのではなく本質的に線状のままである。実施形態2では、イソシアネート基と反応性の官能基を1つだけ有する、反応した連鎖停止化合物が存在することができ、これを用いて分散剤の分子量を制限することができる。
【0024】
好ましい実施形態において、本発明者らが、望ましい本質的に線状のポリウレタン主鎖と言う場合、ウレタンポリマーおよびウレタン分散剤を形成する反応物(ポリイソシアネート(好ましくはジイソシアネート)、イミド反応物、形成性化合物、および停止化合物)は、約2個またはそれ未満の平均官能基を有し、前記反応物の90、95または99モル%より多くが二官能性またはそれ未満の官能性であり、前記反応物の10、5または1モル%未満が2より大きい官能価を有する。
【0025】
実施形態2において、溶媒可溶化鎖は、該鎖の1つの末端に(イソシアネートと反応性の)約2個の基を有し、その結果、該溶媒可溶化鎖のほんの少しの部分(約2〜17主鎖原子)がポリウレタン主鎖に組み込まれ、該溶媒可溶化鎖の残部はポリウレタン主鎖に横方向にまたはペンダント状に結合されることを特徴とする。これは、くしの歯であるイミド基を有する、くし型分子構造を生じさせる。
【0026】
本発明に従って、粒子状固体と有機媒体または水性媒体とポリウレタン分散剤とを含む組成物であって、前記ポリウレタン分散剤が、本質的に線状のポリウレタン主鎖を有し、少なくとも1つのペンダントイミド基が一カ所だけ前記ポリウレタン主鎖に横方向に結合されており、かつポリエステル、ポリエーテル、ポリオレフィンまたはポリアクリレートの溶媒可溶化鎖が前記ポリウレタン主鎖に化学的に結合されている、組成物が提供される。さらなる望ましい実施形態では、少なくとも2、3もしくは4つまたはそれより多くのイミド基が前記本質的に線状のポリウレタン主鎖から横方向に垂れ下がっている。
【0027】
ペンダント側鎖または末端イミドは、式2
【化6】
で表される。
【0028】
R
1は、置換基への結合に利用可能なQ環上の任意の位置にある置換基であり得、R
1は、独立して、−H、または電子吸引基(例えば、−NO
2、−SO
2NR’
2、−C(O)R’、−SO
3M、ハロ、例えば−Clもしくは−Br、−NH
2、または−OR’)、または電子供与基(例えば、アルキル基、例えば−CH
3)の1つまたはそれより多くのもの(通常、R
1が−H以外であり得る場合、aによって定義される非H基の数は、0〜2、0〜1、0または1であり得る)によって表されることがある。例えば、R
1は、−H、−CH
3、−Clもしくは−Br、−NO
2、−SO
3M、または−CNであり得(通常、aが0でなくてもよい場合、R
1は、−Cl、−Br、−SO
3Mまたは−NO
2であり得る);Mは、H、金属カチオン、−NR’
4+、またはそれらの混合物であり得;R’は、−Hであってもよいし、通常1〜20個または1〜10個の炭素原子を含有する、場合により置換されているアルキルであってもよく、この置換基は、ヒドロキシルもしくはハロ(通常、ClもしくはBr)またはそれらの混合物であり得;
【0029】
bは、1または2であり、bが1である場合、イミド基は、末端にあり、1つの化学結合によってPolに結合されており、そしてbが2である場合、イミド基は、2つの化学結合によってPolに結合されているペンダント側鎖であり;
【0030】
dは、1、2または3、より好ましくは1または2、および最も好ましくは1であり;これは、1〜3個のイミド基がR
2の異なる炭素原子でR
2に結合されている可能性があることを意味し;
【0031】
Qは、4n+2のπ電子を含有する縮合芳香族環または非縮合芳香族環であり得、ここで、n=1またはそれより大きく(通常、1〜3、または1〜2、または1)、Qは、5または6員(通常、5員)イミド環を形成するようにイミド基に結合されていることもある。好ましい実施形態では、Qは、縮合芳香族環である。縮合芳香族環を有するQの例としては、1,2ナフタル酸無水物、1,8ナフタル酸無水物、2,3−ナフタル酸無水物、4−ニトロ−1,8−ナフタル酸無水物、3−ニトロ−1,8−ナフタル酸無水物、4−クロロ−1,8−ナフタルイミド、4−スルホ−1,8−ナフタルイミド、3−スルホ−1,8−ナフタル酸無水物が挙げられる。
【0032】
R
2は、C
1〜C
20ヒドロカルボニレン基、もしくはC
1〜C
12ヒドロカルボニレン基、もしくはC
1〜C
6ヒドロカルビレン基、またはC
1〜C
20ヒドロカルボニレン基、もしくはC
1〜C
12ヒドロカルボニレン基、もしくはC
1〜C
6ヒドロカルボニレン基(R
2が2個より多くの炭素原子を含有する場合、ヒドロカルビレン基またはヒドロカルボニレン基は、直鎖状であってもよいし、または分枝していてもよい)、またはそれらの混合物であり得;R
2は、酸素および/または窒素原子を含むこともあり、この場合、R
2の酸素または窒素1個ごとに少なくとも2個の炭素原子があり、これらは、R
2にエーテル型結合、エステル型結合およびアミド型結合を含み;
【0033】
Polは、ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィンもしくはポリアクリレート溶媒可溶化鎖またはそれらの混合物と、イミド含有基と、ポリイソシアネートとヒドロキシル基のウレタン反応生成物とを含む、ポリウレタンである。
【0034】
各W’は、独立して、窒素原子、酸素原子または直接結合であり;W’は、イソシアネート基と反応して化学結合を形成した官能基の残基であり、例えば、W’はアミノ、ヒドロキシル、カルボキシルから誘導され得、芳香族イミド上の2つのW’はジヒドロキシル、ジアミノまたはヒドロキシル−アミンから誘導され得、bが2である場合には、W’の1つまたは2つは、前記イソシアネートと反応される第二級アミンから誘導され得、およびイミドと他のW’基との間のR
2結合基内にあり得、bが2である場合、各W’基は同じであり得るか、異なり得;
【0035】
wは、少なくとも1であり、1、2、3または4〜30が望ましく、より望ましくは1、2、3または4〜25、またはより望ましくは1、2、3または4〜10または20であり;
【0036】
望ましくは、式2の側鎖イミドは、ウレタン分散剤の約1、2または3〜約30重量%、より望ましくは約1、2または3〜約20または25重量%、および好ましくは約1、2または3〜約10または15重量%を構成する。一実施形態でのポリウレタン分散剤中の溶媒可溶化鎖(例えば、ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィンおよび/またはポリアクリレート)の全重量百分率は、該ポリウレタン分散剤の重量の好ましくは5重量%以上、別の実施形態では20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、および特に40重量%以上である。また、ポリウレタン分散剤中の溶媒可溶性鎖の全重量百分率は、該分散剤の重量に基づいて80%以下、より好ましくは70%以下、特に60%以下であることが好ましい。一実施形態では、ポリウレタン分散剤中の溶媒可溶性末端鎖の全重量百分率は、60%以下、例えば40%〜60%である。
【0037】
実施形態2および3におけるポリイソシアネートは、望ましくは、約1.9〜2.1、別の実施形態では約2.0の平均官能価を有する1つまたはそれより多くのジイソシアネートである。そのようなポリイソシアネートは、当技術分野において周知であり、トルエンジイソシアネート(TDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサンジイソシアネート(HDI)、a,a−テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート(4,4’−MDI)、ジフェニルメタン−2,4−ジイソシアネート(2,4’−MDI)およびジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート(HMDI)などの、ジイソシアネートまたはジイソシアネートの混合物を含む。好ましくは、成分(a)は、TDIまたはIPDIまたはMDIのいずれかである。
【0038】
ポリウレタン分散剤の数平均分子量は、好ましくは2,000以上、より好ましくは3,000以上、および特に4,000以上である。また、ポリウレタンポリマーの数平均分子量は、30,000g/モル以下、より好ましくは20,000g/モル以下、および特に15,000g/モル以下であることが好ましい。
【0039】
溶媒可溶化鎖は、実施形態2ではイソシアネート基と反応する約2つの官能基、および実施形態3ではイソシアネート基と反応して化学結合を形成する約1つの官能基を含有する、ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリエステルまたはポリアクリレートから望ましくは選択される。好ましくは、官能基(複数可)は、実施形態2および3両方において溶媒可溶化鎖の1つの鎖末端に位置し、他の鎖末端は、イソシアネートと反応性の官能基を有さない。実施形態2では、前記2つの反応性官能基が前記溶媒可溶化鎖の単一末端の1〜17ポリマー主鎖原子以内にあり、他の末端に位置するイソシアネート反応性官能基はないことが望ましい。実施形態3では、本発明者らは、溶媒可溶化鎖の1つの末端にあるイソシアネートと反応性の単一官能基、および他の末端にある非反応性基(いずれの基もイソシアネート基と非反応性であることを意味する)を選ぶ。好ましくは、前記基は、ヒドロキシルまたはアミン基、より好ましくはヒドロキシル基である。イソシアネートと反応するこれらの基には、ツェレビチノフ(Zerewitinoff)水素を有する基が含まれる。ウレタン化学におけるツェレビチノフ水素がOH、SH、−N(H)−およびNH
2上に存在することは公知である。本出願では、本発明者らは、イソシアネートと反応性であるヒドロキシルおよびアミン基のみを溶媒可溶化鎖に選ぶ。ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリエステルまたはポリアクリレートの好ましい数平均分子量は、500〜20,000、より好ましい500〜10,000g/モル、より好ましくは500〜5000g/モル、および最も好ましくは500〜2000g/モルである。分散剤の構造を制御するために、溶媒可溶化鎖は、分散剤(直鎖状アンカーセグメント)を形成するために用いられる反応条件下でイソシアネートと反応する官能性ツェレビチノフ水素含有基を(好ましくは溶媒可溶化鎖の末端から1〜17原子以内に)平均で1.5〜2.0個有することが実施形態2では望ましい。実施形態3では、溶媒可溶化鎖の大部分が、約1.0〜1.4のツェレビチノフ水素官能価しか有さないことが望ましい。好ましい実施形態3では、溶媒可溶化鎖の少なくとも50モル%、より望ましくは少なくとも66モル%、より望ましくは少なくとも70または90モル%は、イソシアネートと反応させたとき、1の官能価しか有さないのが好ましい。約1.0の官能価を有することは、(ポリウレタン内で連鎖延長剤としてではなく、またはブロックコポリマー型構造における2つのポルウレタン主鎖間の溶媒可溶化鎖のブロックとしてではなく)末端溶媒可溶化鎖として機能することを促進する。実施形態3において各溶媒可溶化鎖にイソシアネート反応性基を1つだけ有することは、その鎖が2つの直鎖状アンカーセグメント間の連鎖延長剤になるのではなく、アンカーセグメントからの末端可溶化基になることを促進する。
【0040】
分散剤の形成前、形成中または形成後に、粘度を制御するために不活性溶媒を添加してもよい。適する溶媒の例は、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジグリム、N−メチルピロリドン、酢酸ブチル、メトキシプロピルアセテート、酢酸エチル、エチレングリコールジアセテートおよびプロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールジアセテートおよびプロピレングリコールアセテートのアルキルエーテル、トルエンならびにキシレンである。好ましい溶媒は、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピルアセテートである。ポリイソシアネートのイソシアネート基が他の反応物上の適切なツェレビチノフ基と反応した後、イソシアネート反応性溶媒(例えばアルコール)を添加してもよい。好ましいアルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノールおよびブトキシエタノールである。ブトキシエタノールおよびプロパノールが特に好ましい。
【0041】
ポリウレタン分散剤を形成するためのポリイソシアネート、溶媒可溶化鎖、およびイミド含有成分という重要な成分に加えて、ポリウレタン分散剤は、少量(一般には最終ポリウレタン分散剤の30、20または10重量%未満)のウレタン形成性成分を含むことができる。これらのウレタン形成性成分は、イソシアネート基と反応できるように、ツェレビチノフ水素を有する少なくとも1つの官能基を有さなければならない。ツェレビチノフ水素は、ヒドロキシル基の一部である必要はなく、つまり−SH、−N(H)−およびNH
2の一部であり得る。ウレタン形成性成分の数平均分子量は、約32g/モル〜約2000、3000または5000g/モルであり得るが、ウレタン分散剤中の全ウレタン形成性成分の数平均分子量は500未満であるのが望ましい。実施例で使用する一般的なウレタン形成性成分は、シクロヘキサン−ジメタノールの異性体のようなものである。ウレタン形成性成分は、分散剤の形成中に2つのイソシアネート反応性基間の架橋によってウレタン主鎖の様々な部分を互いに連結させるのに役立つ。実施形態2および3で使用するウレタン形成性成分は、望ましくは500g/モル未満の分子量を有する。ウレタン形成性化合物は、溶媒可溶化鎖と区別することができる。なぜなら、形成性化合物は、イソシアネートと反応性の官能基を一般に両方の末端に有するが、溶媒可溶化鎖は、好ましくはすべての官能基を一方の末端に有し、他方の末端はイソシアネート基と反応しないからである。一般的なウレタン形成性成分としては、ジアミンまたはジオールが挙げられる。成分に適するジアミンの例は、エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミンおよび1,6−ヘキサンジアミンである。成分に適するジオールの例は、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、1,2−ドデカンジオール、2−フェニル−1,2−プロパンジオール、1,4−ベンゼンジメタノール、1,4−ブタンジオールおよびネオペンチルグリコールである。
【0042】
ウレタン分散剤のこれらの成分は、一般に、実質的無水条件下、通常は0〜130℃の間の温度である不活性雰囲気で、場合により不活性溶媒の存在下、および場合により触媒の存在下で、様々な付加順序で併せられる。不活性雰囲気は、好ましくは窒素であるが、周期表の不活性ガスのいずれによって得てもよい。特に好ましい触媒は、脂肪酸のスズ錯体、例えばジブチルスズジラウレート(DBTDL)、および第三級アミンである。
【0043】
実施形態2.
実施形態2は、ペンダント官能基を有する本質的に線状のポリウレタン主鎖を有するくし型ポリウレタン分散剤であって、前記ペンダント基の一部がイミド基を有し、該イミド基のカルボニルが縮合芳香族環または非縮合芳香族環の炭素原子に化学的に結合されており、および前記ポリウレタン主鎖に化学的に結合されている他のペンダント基が、ポリエーテル、ポリオレフィン、ポリエステルおよびポリアクリレートまたはそれらの混合物の群から選択される溶媒可溶化鎖である、くし型ポリウレタン分散剤を一般に記載する。したがって、イミド基および溶媒可溶化鎖が、くし型構造の歯を形成し、ポリマーのポリウレタン主鎖が、くし型構造の主鎖を形成する。望ましくは、くし型ポリウレタン分散剤は、少なくとも1つのイミド基、いくつかの実施形態では少なくとも2、3もしくは4またはそれより多くの、より望ましくは1、2、3または4〜30、よりいっそう望ましくは1、2、3または4〜25、および好ましくは1、2、3または4〜10または20の、記載のタイプのイミド基を有する。好ましい実施形態では、イミド基は、それらのカルボニル基を介して縮合ナフテンタイプの芳香族環に結合されている。
【0044】
所望のくし型構造を達成するために、ポリイソシアネート成分は、約1.9〜約2.1、より望ましくは約2.0の平均官能価を有することが望ましい。市販のポリイソシアネートは、少数の二量体、異性体、および部分的に反応した/分解したイソシアネート基を有する傾向があり、したがって、モデルのジイソシアネートの官能価とは少し異なることがある。3またそれより大きい官能価のポリイソシアネートを回避することは、ポリウレタン主鎖内への分枝の導入の回避に役立つ。
【0045】
各W’は、独立して、窒素原子、酸素原子または直接結合であり;W’は、イソシアネート基と反応して化学結合を形成した官能基の残基であり、例えば、W’をアミノ、ヒドロキシル、カルボキシルから誘導することができ、芳香族イミド上の2つのW’をジヒドロキシル、ジアミノまたはヒドロキシル−アミンから誘導することができ、bが2である場合には、W’の1つまたは2つは、前記イソシアネートと反応される第二級アミンから誘導され得、およびイミドと他のW’基との間のR
2結合基内にあり得、bが2である場合、各W’基は同じであり得るか、異なり得;
【0046】
Polは、a)イソシアネートと反応性の約2つの官能基を鎖の1つの末端に有し、該鎖の他の末端にはイソシアネート(isocyantes)と反応性の官能基がない、1つまたはそれより多くのポリオレフィン、ポリエーテル、ポリアクリレートまたはポリエステル横方向溶媒可溶化鎖と反応させた、および場合によりb)約2つのツェレビチノフ官能基を有するウレタン形成性化合物と反応させた、約2.0の平均官能価を有するジイソシアネートのウレタン反応生成物を含むポリウレタンである。
【0047】
ポリウレタン分散剤は、任意の公知の方法によって調製され、以下のものを一緒に反応させることによって得られる:
a)約1.9〜約2.1、望ましくは約2.0の平均官能価を有する1つまたはそれより多くのポリイソシアネート;
b)少なくとも1つのポリエステル、ポリエーテル、ポリアクリレートまたはポリオレフィン鎖と、イソシアネートと反応する少なくとも2つの基とを有する、1つまたはそれより多くの化合物であって、前記少なくとも2つの基が、前記ポリエステル、ポリエーテルまたはポリアクリレート鎖(複数可)がポリウレタンポリマー主鎖に対して横方向に配置されるように前記化合物の1つの末端に位置する、1つまたはそれより多くの化合物;
c)ポリマー主鎖から垂れ下がっている、イソシアネートに対して反応性の2つの基を有する式7〜9で示されるものなどのイミド、および/または連鎖停止剤として挙動する、イソシアネートに対して反応性の1つの基を有する式(x)で示されるようなイミド;
d)場合により、イソシアネートと反応する少なくとも2つの基を有する、32〜2000もしくは3000または32〜500の数平均分子量を有する1つまたはそれより多くのウレタン形成性化合物;
e)場合により、イソシアネートと反応する1つの基を含有する連鎖停止剤として作用する1つまたはそれより多くの化合物;場合により、単一のイソシアネート基を含有する連鎖停止剤として作用する1つまたはそれより多くの化合物;
f)場合により、イソシアネートと反応する1つの基を含有する連鎖停止剤として作用する前記1つまたはそれより多くの化合物は、ビニルモノマーに対して反応性である炭素−炭素二重結合を含有する反応性基を含む。
【0048】
ポリエーテル横方向側鎖が、ポリ(プロピレンオキシド)系である場合、それは、好ましくは、1つのヒドロキシル基と1つの第二級アミノ基とを含有するポリエーテルの残基である。一例は、Surfonamine(登録商標)BシリーズB60(1対9のエチレンオキシド対プロピレンオキシド比)、B100(プロピレンオキシド)、B200(6対29のエチレンオキシド対プロピレンオキシド比)と2−ヒドロキシエチルアクリレートの反応物である。
【0049】
ポリエーテル横方向側鎖が、ポリ(エチレンオキシド)系である場合、それは、好ましくは、1つのヒドロキシル基と1つの第二級アミノ基とを含有するポリエーテルの残基である。一例は、Surfonamine(登録商標)LシリーズL−100(3/19のプロピレンオキシド対エチレンオキシド混合比)およびL−207(10/32のプロピレンオキシド対エチレンオキシド混合比)、L−200(4/41のプロピレンオキシド対エチレンオキシド混合比)およびL−300(8/58のプロピレンオキシド対エチレンオキシド混合比)と2−ヒドロキシエチルアクリレートの反応物である。もう1つの例は、2つのヒドロキシル基を含有するポリエーテル、例えば、PerstorpからのYmer(商標)N120であり得る。
【0050】
好ましくは、ポリエステル鎖は、ラクトンから、アルコールで開環し、次いでトルエンジイソシアネートおよびジエタノールアミンと反応させてジオール末端ポリエステルを作ることによって、得ることが可能である。カプロラクトンおよびバレロラクトンが好ましいモノマーである。
【0051】
イミド成分は、望ましくは、イソシアネート末端種と式7、8または9で示されるものなどの官能性イミドとの反応から誘導される。Eは、イソシアネートと反応したときW’になる。
【化7】
Eは、−OH、−NH
2、−N(H)−またはCOOHから選択される同じ基または2つの異なる基であり得る。
式7の一例は、1モル当量の無水物を1モル当量の3−アミノ−1,2−プロパンジオールと反応させたとき(Eが、両方の場合において、OHである場合)に、またはジエチレントリアミンと反応させたとき(一方のEがNHであり、他方がNH
2である場合)に、形成される。
もう1つの例は、1モル当量の無水物を1モル当量の2(3−アミノプロピルアミノ)エタノールと反応させたときであり、この場合、式8で示されるように、一方のEはNHであり、他方はOHである;
【化8】
もう1つの例は、式9で示されるような、無水物をジアミンと反応させて、その後、ヒドロキシエチルアクリレートと反応させたときである。
【化9】
もう1つの例は、2モル当量の無水物を1モル当量のトリエチレンテトラミンと反応させたときであり、この場合、Eは両方ともNHである;
【化10】
または
【化11】
R
2は、前にヒドロカルビレン基またはヒドロカルボニレン基と定義されており、
Eは、−OH、−NH
2、−N(H)−または−CO
2Hと定義され、
式10は、2モル当量の無水物を1モル当量の1,3−ジアミノ−2−プロパノールまたは1当量のジエチレントリアミンと反応させることによって合成される。
【化12】
式11は、2モル当量の無水物を1モル当量のジエチレントリアミンと反応させたとき形成される(この場合、EはNHである)。
【化13】
Wがヒドロキシル基(−OH)である式xの一例は、無水物とアミノアルコールの反応によって調製することができる。このアミノアルコールは、エタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノブタノール、2−アミノブタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、5−アミノ−2−ペンタノール、2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、2−アミノ−1−ヘキサノール、セリノール、4−アミノシクロヘキサノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノールであり得る。アミノアルコールの混合物を使用してもよい。
Wがアミノ基(−NHR
3)である式xの一例は、Dalton Transactions、2003、4537〜4545に記載されているように、無水物とジアミンの反応によって調製することができる。ジアミンの例としては、1−メチル−1,3−プロパンジアミン、n−メチレンエチレンジアミン、1,2−ジアミノエタン、プロパン−1,3−ジアミン、ブタン−1,4−ジアミン、ペンタン−1,5−ジアミン、ヘキサン−1,6−ジアミン、ドデカン−1,12−ジアミンが挙げられる。ジアミンの混合物を使用してもよい。
Wがカルボン酸基(−CO
2H)である式xの一例は、無水物とアミノカルボン酸の反応によって調製することができる。このアミノカルボン酸は、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、6−アミノカプロン酸、4−アミノ酪酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アスパラギン、グルタミン、トレオニン、セリン、システイン、β−アラニン、グリシン、およびサルコシンであり得る。アミノカルボン酸の混合物を使用してもよい。
【0052】
イソシアネートと反応するこれらの基を含有する有機化合物にポリエーテル横方向鎖を組み込む方法は非常に沢山ある。
【0053】
したがって、イソシアネートと反応する2つの基が両方ともヒドロキシルである場合、ポリ(C
2〜4−アルキレンオキシド)鎖は、2またはそれより大きい官能価を有するイソシアネートによって都合よく結合され得る。このタイプの化合物は、米国特許4,794,147号に記載されており、該明細書の記載は、逐次的に、単官能性ポリエーテルをポリイソシアネートと反応させて部分的にキャップされたイソシアネート中間体を生成する工程、および少なくとも1つの活性アミノ水素と少なくとも2つの活性ヒドロキシル基とを有する化合物と前記中間体を反応させる工程を含む。
【0054】
このタイプの化合物の1つの好ましいクラスは、式Iによって表されることがある。
【化14】
式中、
Rは、C
1〜20−ヒドロカルビル基であり;
R
1は、水素、メチルまたはエチルであり、その60%未満が水素であり;
R
2およびR
3は、各々独立して、C
1〜8−ヒドロキシアルキルであり;
Zは、C
2〜4−アルキレンであり;
Xは、−O−または−NH−であり;
Yは、ポリイソシアネートの残基であり;
mは、5〜150であり;
pは、1〜4であり;および
qは、1または2である。
Rは、アルキル、アラルキル、シクロアルキルまたはアリールであり得る。
Rがアラルキルである場合、それは、好ましくはベンジルまたは2−フェニルエチルである。
Rがシクロアルキルである場合、それは、好ましくはC
3〜8−シクロアルキル、例えばシクロヘキシルである。
Rがアリールである場合、それは、好ましくはナフチルまたはフェニルである。
Rがアルキルである場合、それは、直鎖状であってもよく、または分枝していてもよく、好ましくは12個以下、より好ましくは8個以下、特に4個以下の炭素原子を含有する。Rはメチルまたはブチルであるのが特に好ましい。
Zによって表されるC
2〜4−アルキレンラジカルは、エチレン、トリメチレン、1,2−プロピレンまたはブチレンであり得る。
【0055】
好ましくは、mは、10以上である。また、mは100以下、特に80以下であることが好ましい。
【0056】
qが2である場合、2つの異なるポリウレタンポリマー鎖を結合させることが可能であるが、qは1であることがはるかに好ましい。
【0057】
ポリイソシアネートが2より大きい官能価を有する場合、成分(b)である化合物は、1つより多くのポリ(アルキレンオキシド)鎖を有し得る。しかし、pは1であり、qは1であり、Yはジイソシアネートの残基であることが、はるかに好ましい。
【0058】
R
1が水素とメチルの混合物であり、Zが1,2−プロピレンであり、Xが−NH−である場合、式Iの化合物は、ポリアルキレングリコールアミンの誘導体、例えば、Huntsman Corporationから入手可能なSurfonamine(登録商標)BまたはLポリエーテルアミンである。
好ましくは、R
2およびR
3は、両方とも2−ヒドロエチルである。
XがOであることも好ましい。
【0059】
式Iの化合物は、単官能性ポリエーテルとポリイソシアネートとをトルエンなどの不活性溶媒中、50〜100℃の温度で、場合により酸性触媒の存在下で所望のイソシアネート価に達するまで反応させることによって、通常、調製される。一実施形態では、酸性触媒が存在し、別の実施形態では、酸性触媒は存在しない。次いで、ジエタノールアミンなどの必要な第二級アミンを添加するとき、通常は温度を40〜60℃の間に低下させる。
【0060】
250〜5,000の数平均分子量を有する、ポリ(プロピレングリコール)モノメチルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)モノブチルエーテルまたはSurfonamine(登録商標)BまたはLシリーズポリエーテルアミンを、TDIなどのジイソシアネートと反応させ、その後、ジエタノールアミンと反応させることによって、式Iの有用な化合物を成分(b)として使用した。
【0061】
成分(b)として使用することができる化合物の第二の好ましいタイプは、式IIのものである。
【化15】
(式中、
R、R
1、Zおよびmは、本明細書において前に定義されている通りであり;
R
4は、イソシアネート反応性有機ラジカル(基)であり;
R
5は、水素またはイソシアネート反応性有機ラジカルであり;および
nは、0または1である)。
式2の化合物の例は、欧州特許第317258号において開示されている。
【0062】
R
4およびR
5によって表される有機ラジカルは、イソシアネート反応性基、例えば−OH、−SH、−COOH、−PO
3H
2および−NHR
6(この場合のR
6は、水素または場合により置換されているアルキルである)を含有する有機ラジカルである。イソシアネート反応性ラジカルの具体例として、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシ(ポリアルキレンオキシ)アルキルおよびヒドロキシアルコキシカルボニルアルキルが挙げられ得る。
【0063】
式IIの化合物の好ましいタイプは、nが0であり、Zが1,2−プロピレンであり、R
4が−CH
2CH
2C(O)−O−(L)
q−Hである場合である。Lがヒドロカルビル基またはアルコキシ基である場合、好ましくは、Lは、C
2〜C
3ヒドロカルビル基またはアルコキシ基であり;およびqは、1〜20、好ましくは1〜6、最も好ましくは1である。R
5は、水素である。このタイプの化合物は、ポリ(アルキレンオキシド)モノアルキルエーテルモノアミンと、ヒドロキシ官能性アクリレート、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートまたはヒドロキシプロピルアクリレートとのマイケル付加反応によって得ることが可能である、または得られる。適するポリ(アルキレンオキシド)モノアルキルエーテルモノアミン源は、Huntsman Corporationから入手可能なポリエーテルのSurfonamine(登録商標)BまたはLシリーズである。ポリ(アルキレンオキシド)モノアルキルエーテルモノアミンと2−ヒドロキシ官能性アクリレートとの反応は、通常、空気の存在下、50〜100℃の温度で、場合により、ヒドロキノンまたはブチル化ヒドロキシトルエンなどの重合開始剤の存在下で行われる。
【0064】
式IIの化合物のもう1つの好ましいタイプは、nが0であり、Zが1,2−プロピレンであり、R
4およびR
5が両方とも2−ヒドロキシエチルである場合である。このタイプの化合物は、ポリ(アルキレンオキシド)モノアルキルエーテルモノアミンとエチレンオキシドを酸性条件下で反応させることによって調製され得る。
【0065】
式IIの化合物のさらにもう1つの好ましいタイプは、nが0であり、Zが1,2−プロピレンであり、R
4が−CH
2CH
2C(O)−O−(L)
q−Hであり、R
5が水素である場合である。Lがヒドロカルビル基またはアルコキシ基である場合、好ましくは、Lは、C
2〜C
3ヒドロカルビル基またはアルコキシ基であり;およびqは、1〜20、好ましくは1〜6、最も好ましくは1である。R
5は、水素である。このタイプの化合物は、ポリ(アルキレンオキシド)モノアルキルエーテルモノアミンと約1化学量論的当量のエチレンオキシドを酸性条件下で反応させることによって調製され得る。
【化16】
【0066】
ポリ(アルキレンオキシド)モノアルキルエーテルモノアミンは、下記一般スキーム(スキーム中のRおよびR
1は、前に記載した通りである)に従って、ポリ(アルキレンオキシド)モノアルキルエーテルとアクリロニトリルの反応および水素還元から得られ得る。nが0であり、Zが1,3−プロピレンであり、R
4が2−ヒドロキシエチルであり、R
5が水素である、式2の化合物のさらなる好ましいタイプは、式2Aのポリ(アルキレンオキシド)モノアルキルエーテルモノアミンとヒドロキシ官能性アクリレート、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートまたはヒドロキシプロピルアクリレートとの反応から得られ得る。
【0067】
成分(b)として使用され得る化合物の第三の好ましいタイプは、式IIIのものである:
【化17】
(式中、R、R
1およびmは、本明細書において前に定義されている通りであり、W
1は、C
2〜6−アルキレン、特にエチレンである)。このタイプの化合物は、ヒドロキシアミンとポリ(アルキレンオキシド)アクリレートのマイケル付加反応によって得ることが可能である、または得られる。
【0068】
成分(b)として使用され得る化合物の第四の好ましいタイプは、式IVのものである。
【化18-1】
(式中、
R、R
1、Z、mおよびnは、本明細書において前に定義されている通りであり;
R
7は、水素、ハロゲンまたはC
1〜4アルキルであり;
Q
1は、二価電子吸引基であり;および
T
1は、置換基を有することもある、またはヘテロ原子を含有することもある、二価炭化水素ラジカルである)。
【0069】
Q
1によって表されることがある電子吸引基の例としては、−CO−、−COO−、−SO−、−SO
2−、−SO
2O−および−CONR
8−が挙げられ、この場合のR
8は、水素またはアルキルである。
【0070】
T
1によって表されることがある炭化水素ラジカルとしては、アルキレン、アリーレンおよびそれらの混合物が挙げられ、前記ラジカルは、場合により、置換基を有するか、またはヘテロ原子を含有する。T
1によって表される適切なラジカルの例は、1〜12個の炭素原子を含有するアルキレンラジカル、式−(CH
2CHR
1O)
xのオキシアルキレンラジカルおよびポリオキシアルキレンラジカル(式中、R
1は、本明細書において前に定義されている通りであり、xは1〜10である)、フェニレンラジカルおよびジフェニレンラジカル、ならびに他のアリーレンラジカル、例えば、
【化18-2】
(式中、Yは−O−、−S−、−CH
2−、−CO−または−SO
2−である)である。
【0071】
式IVの化合物は、2モルのポリ(アルキレンオキシド)モノアルキルエーテルモノアミンと1モルの式Vの不飽和化合物のマイケル付加反応によって得ることが可能である、または得られる。
【化19】
(式中、Q
1、T
1およびR
7は、本明細書において前に定義されている通りである)。
【0072】
式Vの不飽和化合物の例は、特に、T
1がC
4〜10−アルキレン残基、ポリオキシアルキレン残基またはオキシエチル化ビスフェノールA残基である、ジアクリレートおよびジメチルアクリレートである。
【0073】
ポリエステル鎖は、C
3〜C
18二酸からC
1〜C
10ポリオールと反応させて形成することができる。二酸とポリオールからのそのようなポリエステルは、当技術分野において周知である。ラクトンおよび/またはヒドロキシカルボン酸から誘導されるポリエステル鎖が好ましく、特に、ε−カプロラクトン、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸またはδ−バレロラクトンおよびそれらの混合物から誘導されるものが好ましい。成分(b)が、イソシアネートと反応する2つの基を含有するポリエステルである場合、ポリエステル鎖は、1つまたはそれより多くのヒドロキシカルボン酸またはそれらのラクトンを、重合停止部分として作用するヒドロキシ含有化合物またはカルボキシ含有化合物のいずれかの存在下で重合することによって作製され得る。好ましくは、ポリエステル鎖は、ラクトンから、アルコールで開環し、次いでトルエンジイソシアネートおよびジエタノールアミンと反応させてジオール末端ポリエステルを作ることによって、得ることが可能である。カプロラクトンおよびバレロラクトンが好ましいモノマーである。
【0074】
ヒドロキシ含有化合物を連鎖停止化合物として使用して得られるポリエステルは、好ましくは式VIのものである。
R
9O(OC−A−O)
mH VI
(式中、
mは、本明細書において前に定義されている通りであり;
R
9は、C
1〜50−ヒドロカルビル基であり;および
Aは、C
1〜26−アルキレンおよび/またはC
2〜26−アルケニレンである)。
【0075】
カルボン酸含有化合物を連鎖停止化合物として使用して得られるポリエステルは、好ましくは式VIIのものである。
R
9CO(O−A−CO)
mOH VII
(式中、
R
9、Aおよびmは、本明細書において前に定義されている通りである)。
【0076】
式VIおよび/またはVIIのポリエステルは、通常、1つまたはそれより多くのヒドロキシカルボン酸とヒドロキシ含有化合物またはカルボキシ含有化合物のいずれかとを不活性雰囲気下で、エステル化触媒の存在下、50〜250℃で一緒に反応させることによって作製される。典型的なプロセス条件は、国際公開第01/80987号に記載されている。
【0077】
式VIの化合物とポリイソシアネートおよび第二級アミンとを、式Iの化合物の調製について説明したのと同様の条件下で反応させて、ポリエステル類似体を形成してもよい。
【0078】
ジオール、例えばエチレングリコールまたはプロピレングリコールと反応させ、得られたモノヒドロキシ誘導体を、式Iのポリエーテルに類似したポリエステルを調製する際の式VIの化合物と同様に処理することによって、式VIIの化合物をモノヒドロキシ化合物に転化させてもよい。
【0079】
イソシアネートに対して反応性である2つの官能基をポリエステルの1つの末端に含有するポリエステルは、アミノアルコールとポリエステルアクリレートの、例えば、ポリカプロラクトンアクリレートとエタノールアミンの、マイケル付加によって調製され得る。
【0080】
成分(b)が、ポリ(アルク)アクリレート鎖を含有する化合物である場合、好ましくは、それは、2つのヒドロキシル基をアクリレート鎖の1つの末端に含有するか、または1つのヒドロキシル基および1つのイミノ基をアクリレート鎖の1つの末端に含有するかいずれかの、ポリ(メタ)アクリレートである。前記2つのヒドロキシル基または前記1つのヒドロキシル基および1つのイミノ基は、好ましくは、1〜6個の炭素原子によって隔てられている。このタイプのポリアクリレートは、例えば、下記反応スキームによって例示されるような原子移動ラジカル重合により、ジオールとアクリレートを反応させることによって得ることが可能である、または得られる。このタイプの反応は、Macromolecules 1995、28、1721および1997、30、2190において、ならびJ.Am.Chem.Soc.1995、117、5614において開示されている。
【化20】
(式中、R
10は、C
1〜20−ヒドロカルビル基であり、mは、本明細書において前に定義されている通りである)。
【0081】
あるいは、ジヒドロキシ官能性ポリ(アルク)アクリレートは、下記反応スキームに従って、チオグリセロールなどのジヒドロキシ官能性連鎖移動剤の存在下での(メタ)アクリレートモノマー(複数可)のフリーラジカル重合によって調製され得る。
【0082】
この反応は、好ましくは、アゾビス−(イソブチロニトリル)(AIBN)などの開始剤の存在下で行われる。
【化21】
(式中、R
10およびmは、本明細書において前に定義されている通りである)。
【0083】
モノヒドロキシ官能性ポリマー鎖(ポリエーテル、ポリエステルまたはポリ(アルク)アクリレート)を、先ず、イソシアネート官能性アクリレートとの反応、続いての得られた付加体へのアルカノールアミンのマイケル付加によって、1つの末端にヒドロキシル基とイミノ基の両方を含有するポリマー鎖に転化させてもよい。
【0084】
下記スキームは、モノヒドロキシ官能性ポリエステルで出発する、そのような合成転化を例示するものである。
【化22】
(式中、R
10およびmは、本明細書において前に定義されている通りである)。
【0085】
溶媒可溶化鎖が、ポリオレフィン鎖を含有する化合物である場合、好ましくは、それは、2つのヒドロキシル基をポリオレフィン鎖の1つの末端に含有するか、1つのヒドロキシル基および1つのイミノ基をポリオレフィン鎖の1つの末端に含有する、ポリオレフィンである。ポリオレフィン鎖は、ポリイソブチレンであるのが好ましい。2つまたはそれより多くのイソシアネート反応性基を鎖の1つの末端に含有するポリイソブチレン鎖は、ポリイソブテニルコハク酸無水物(PIBSA)から調製され得る。PIBSAとアルキルジアミンの反応は、1つの末端に第一級アミンを有するポリイソブチレンを生じさせる。これをPIBSAの1つのタイプについて例示する。ヒドロキシ官能性アクリレートのマイケル付加、またはポリ(アルキレンオキシド)モノアルキルエーテルモノアミンについて上で説明したものに類似した方法でのエチレンオキシドの付加によって、第一級アミン末端ポリイソブチレン鎖を転化させて、2つのイソシアネート反応性基を有する生成物を生じさせてもよい。
【0086】
実施形態3
実施形態3は、一般に、溶媒可溶化鎖のブロックとポリウレタンのブロックとを有するブロックコポリマーである。ポリウレタンブロックは、望ましくは、該ポリウレタンブロックから垂れ下がっているイミドを有する(この場合、前記イミドのカルボニル基は、場合により置換されている、縮合芳香族環または非縮合芳香族環に結合されている)。ブロックコポリマーは、望ましくは2000〜30,000g/モルの間、より望ましくは2000〜20,000g/モルの間の分子量であり、ポリウレタンブロックから垂れ下がっている(横方向に結合されているとも定義される)1、2、3もしくは4またはそれより多くの、後で説明するような、ペンダントイミド基を有する。望ましくは、溶媒可溶化ブロックは、末端にあり、場合により、溶媒可溶化ブロックの一部は、主鎖のセグメントとして2つのポリウレタンブロック間に位置することができる。
【0087】
イミドのW’セグメントを形成するための反応物は、望ましくは、ジヒドロキシおよびジアミンまたはヒドロキシル−アミノ基とイソシアネート基の化学結合形成反応の反応生成物(または反応生成物)である。多くの場合、ヒドロキシル−アミノ基のアミノ基は、第二級アミンである。ヒドロキシル基は、第一級または第二級であり得る。第一級および第二級のヒドロキシルおよびアミノ基は、イソシアネート基との異なる反応性を有し、そのため第一級および第二級のヒドロキシルおよびアミノ基の混合物の使用は、どの基が最初にイソシアネートと反応するのかを制御するために用いることができる。W’セグメントを形成するための反応物(W’を形成するための反応物の残基)がジヒドロキシル化合物である場合には、W’は、ヒドロキシル基からの水素原子が2個少ない同じ化合物である。W’を形成するための反応物がジアミンタイプまたはヒドロキシル−アミノタイプのものである場合には、形成されるW’は、2つのイソシアネート基との反応で失われた2個の水素原子がない同じ反応物である。
【0088】
Polは、約1.9〜約2.1、より望ましくは約2.0の平均官能価を有するジイソシアネートと、a)ポリ(1−2−オレフィン)、ポリエーテル、ポリアクリレートもしくはポリエステルまたはそれらの組み合わせを含む、約1.0〜約1.4の官能価を(イソシアネートと反応させたときに)有する溶媒可溶化と、c)場合により、ポリウレタン形成に一般的な他のイソシアネート反応性種(ウレタン形成性化合物)であって、末端基として機能することができる、望ましくは32〜500または3000g/モルの分子量のジオールまたはジアミン、500g/モル未満の分子量のジオールならびに場合により単官能性ヒドロキシルおよびアミン化合物の群より選択される、他のイソシアネート反応性種との反応生成物を含む、ポリウレタンブロックコポリマーである。500g/モル未満の分子量の単官能性反応体の必要性は、本実施形態2ではほとんどない。なぜなら溶媒可溶化鎖が本実施形態3における分散剤の好ましい末端基であるからである。
【0089】
溶媒可溶化鎖のごく一部は、(イソシアネートと反応性であって化学結合を形成する)2つの官能基を有することがあり、これらの二官能性溶媒可溶化鎖は、分散剤中のウレタン主鎖セグメント間に鎖を形成する分散剤主鎖として使用することができる(例えば、約60モル%単官能性および40モル%二官能性のものは、約1.4の平均官能価をもたらし、主として3ブロックを有するブロックポリマーと5ブロックを有する多少のコポリマーとのブレンドをもたらすと理論立てられる)。
【0090】
この実施形態でのポリエーテル鎖(ポリエーテルは、ポリアルキレングリコールとしても公知である)は、反復エチレンオキシ、プロピレンオキシまたはブチレンオキシ基(それらの混合物を含む)を含有するランダムまたはブロック(コ)ポリマーであり得る。(C
2〜4−アルキレンオキシド)基のアルキレン部分は、直鎖状であってもよく、または好ましくは分枝していてもよく、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドなどのアルキレンオキシドの(共)重合によって得られることもあり、またはテトラヒドロフランの開環重合から得られることもある。コポリマーは、ランダムコポリマーであることもあり、またはブロックコポリマーであることもある。好ましくは、ポリエーテル鎖をプロピレンオキシドから得ることが可能である。分散剤のポリエーテル鎖がポリ(C
2〜4−アルキレンオキシド)モノ−C
1〜10−アルキルエーテル、および特にC
1〜4アルキルエーテル、例えばメチルエーテルまたはブチルエーテルから得ることが可能であることも好ましい。ポリ(エチレンオキシド)を多く含む溶媒可溶化鎖は水性媒体に望ましく、ポリ(プロピレンオキシド)を多く含む溶媒可溶化鎖は極性有機媒体に望ましい。
【0091】
一実施形態において、溶媒可溶化鎖がポリアクリレート(ポリアクリル系(polyacrylic)と呼ばれることもある)である場合、それは、好ましくはアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートの重合から得られる。ポリアルキル(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリレートモノマー(複数可)のフリーラジカル重合によって調製され得る。ポリアクリレートは、単官能性に影響を及ぼすようなモノヒドロキシル官能性連鎖移動剤、例えばメルカプトアルコールの存在下で調製され得る。他のビニルモノマー、例えばスチレン、ビニルエステルなどをポリアクリレートに共重合し得るが、但し、それらが、分散剤の選択された溶媒系への溶解度に有意に悪影響を及ぼさないこと、または芳香族イミドと有害に相互作用しないことを条件とする。一実施形態では、非アクリレートモノマーは、ポリアクリレートの全反復単位の30モルパーセント未満、20モルパーセント未満、および10モルパーセント未満である(すなわち、ポリアクリレートは、少なくとも70、80または90モルパーセントが、アクリレートモノマーのラジカル重合に関連した予想反復単位として特徴付けられる反復単位である)。好ましくは、メルカプトアルコールには、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−1−プロパノール、1−メルカプト−2−プロパノール、4−メルカプト−1−ブタノール、6−メルカプト−1−ヘキサノール、4−メルカプトフェノールが含まれる。好ましくは、非官能性ラジカル開始剤、例えば、アゾタイプの開始剤の存在下で重合を行うことができる。適するアゾ開始剤の例としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチル−ペンタンが挙げられる。好ましい開始剤は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、および1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)である。ヒドロキシル含有量がより高いポリマーを得るために、メルカプトアルコールを、ヒドロキシ官能性開始剤、例えば2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]の存在下で使用することができる。
【0092】
あるいは、ポリアルキル(メタ)アクリレートを、イオン重合、グループトランスファー重合(GTP)、原子移動ラジカル重合(ATRP)、ニトロキシド媒介ラジカル重合(NMRP)、またはイソシアネートと反応性の基を1つ有する官能性開始剤または連鎖停止剤、例えばヒドロキシル官能性RAFT剤、を使用するラジカル付加開裂重合(RAFT)などの任意の重合技法によって調製してもよい。RAFT剤は、非常に多数の公表文献、例えば国際公開第2006/020281号および米国特許第7,279,591号において開示されている。
【0093】
一実施形態において、比較的非極性の媒体が分散剤に使用される場合、溶媒可溶化鎖は、ポリオレフィン、例えば、ジオレフィンを含むC
2〜C
20オレフィンの重合、ならびに該オレフィンと様々な非置換およびアルキル置換スチレンの共重合から誘導されるポリオレフィンであり得る。これらのポリマーは、当技術分野において周知である。1つの好ましいポリマーは、ポリイソブチレンである。これらのポリマーは、その1つの末端を、実施形態2について既に開示したものなどのヒドロキシル基またはアミノ基で容易に官能化することができる。
【0094】
ポリエステル鎖は、C
3〜C
18二酸からC
1〜C
10ポリオールと反応させて形成することができる。二酸とポリオールからのそのようなポリエステルは、当技術分野において周知である。ラクトンおよび/またはヒドロキシカルボン酸から誘導されるポリエステル鎖が好ましく、特に、ε−カプロラクトン、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸またはδ−バレロラクトンおよびそれらの混合物から誘導されるものが好ましい。そのようなポリエステルは、アルキ(アルケニ)レン(alk(en)ylene)が1〜17個の炭素原子を有し、直鎖状であるまたは分枝していることがあり、場合により炭素対炭素結合(名称の中の(エン(en))は、任意選択の炭素対炭素二重結合を示す)を含むことがある、ポリ(オキシアルキ(アルケニ)レンカルボニル)鎖(本明細書では以降、POAC鎖)としても公知である。オキシアルキ(アルケニ)レンカルボニルは、ポリマー内で左から右へのバージョンで存在することもあり、または右から左へのバージョンで存在することもある(反復単位内でカルボニル基が先にくることもあり、またはオキシ基が先にあることもあることを意味する)。ポリオキシアルキレン鎖が2つの異なるヒドロキシカルボン酸またはそれらのラクトンから誘導可能であることは特に好ましい。
【0095】
好ましくは、ポリ(オキシアルキレンカルボニル)鎖は、C
1〜7−アルキレン基を含有する。分散剤が、粒子状固体を極性媒体に分散させるために使用されることになるのか、または非極性媒体に分散させるために使用されることになるのかによって、鎖長の性質を広範に変動させることができる。したがって、分散剤が、粒子状固体を非極性媒体に分散させるために使用されることになる場合、好ましくは、ヒドロキシカルボン酸の1つまたはそれより多くがC
7〜17−アルキ(アルケニ)レン基を含有し、分散剤が、粒子状固体を極性媒体に分散させるために使用されることになる場合、ヒドロキシカルボン酸またはそれらのラクトンの1つまたはそれより多くが、特にすべてが、C
1〜6−アルキレン基を含有するのが好ましい。
【0096】
POAC鎖は、ヒドロキシカルボン酸をポリイソシアネートのイソシアネート基(複数可)と先ず反応させ、その後、付加ヒドロキシカルボン酸またはそのラクトンと共重合させてPOAC鎖を構築することによって調製され得る。しかし、先ずPOAC化合物を調製し、これをポリイソシアネートのイソシアネート基(複数可)と反応させるほうが好ましい。この場合、重合連鎖停止剤の存在下でヒドロキシカルボン酸またはそのラクトンの共重合を行うのが好ましい。連鎖停止剤は、チオール、第一級または第二級アミノ基を含有することもあるが、好ましくはヒドロキシ基を含有する。2つの異なるヒドロキシカルボン酸またはそれらのラクトンから誘導されたPOAC化合物であって、POAC鎖にカルボニル基を介して結合されている連鎖停止剤を含有するPOAC化合物は、式VIIIの化合物である。
[T
2−O−(C(=A−O)
n−(C(=O)B−O)
m]−H (VIII)
(式中、
T
2は、連鎖停止基であり;
AおよびBは、異なるC
1〜17−アルキ(アルケニ)レンであり;
nおよびmは、独立して、0または正の整数であり;ならびに
n+mは、2〜200である)。
【0097】
ヒドロキシカルボン酸またはそのラクトンの共重合は、末端ヒドロキシ基および末端カルボン酸基を有するPOAC鎖をもたらす。(本明細書では以降、POAC化合物)。POAC化合物は、ヒドロキシ基および/またはカルボン酸基のいずれかで、イソシアネートとの付加反応を受ける官能基、例えばヒドロキシ、チオールまたはアミノ基、を有する化合物と反応され得る。しかし、POAC化合物は、POAC化合物のヒドロキシ基によってポリイソシアネートとの付加反応を受けるほうが好ましい。
【0098】
式aのPOAC化合物を、本明細書では以降、TPOACアルコールと呼ぶ。本明細書において前に述べたように、異なるヒドロキシカルボン酸またはそれらのラクトンをT
2−OHの存在下で共重合させる場合、連鎖停止剤は、好ましくはヒドロキシ基を含有する。T
2は、場合により置換されているC
1〜35−ヒドロカルビルであり、芳香族、脂環式、複素環式または脂肪族であってもよく、これは直鎖状であってもよく、または分枝していてもよく、飽和されていてもよく、または不飽和であってもよい。好ましくは、T
2は、20個以下の炭素原子、より好ましくは10個以下の炭素原子を含有する。
【0099】
T
2上の任意選択の置換基としては、ハロゲン、C
1〜6−アルコキシ、エステル(すなわち、−OCO−)、アミド、ウレタンおよびエーテル基が挙げられる。T
2−OHが1つまたはそれより多くのエーテル基を含有する場合、好ましくは、それはプロピレンオキシドおよび/またはエチレンオキシドから誘導可能である。したがって、T
2−OHは、プロピレンオキシドおよび/またはエチレンオキシドと(共)重合される一価アルコールまたはフェノールであり得る。一価アルコールの例は、直鎖状であってもよく、または分枝していてもよく、飽和されていてもよく、または不飽和であってもよいC
1〜20−脂肪族アルコール、例えば、フェノキシエタノール、オクタノール、C
1〜16−脂肪アルコール、ノナノール、エタノール、ブタノールおよびメタノールである。プロピレンオキシドおよび/またはエチレンオキシドと(共)重合されるフェノールの例は、ノニルフェノールおよびナフトールである。
【0100】
分散剤の好ましいクラスにおいて、T
2は、C
1〜35−アルキル、より好ましくはC
1〜20−アルキル、および特にC
1〜10−アルキルである。
【0101】
一実施形態でのポリウレタン分散剤中の溶媒可溶化末端鎖(例えば、ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィンおよび/またはポリアクリレート)の全重量百分率は、該ポリウレタン分散剤の好ましくは5重量%以上、別の実施形態では20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、特に40重量%以上である。また、ポリウレタン分散剤中の溶媒可溶性末端鎖の全重量百分率は、該分散剤の重量に基づいて80%以下、より好ましくは70%以下、特に60%以下であることが好ましい。一実施形態では、ポリウレタン分散剤中の溶媒可溶性末端鎖の全重量百分率は、60%以下、例えば40%〜60%である。上記重量百分率は、鎖の両端にイソシアネート反応性基を有し、および分散剤の2つのポリウレタン主鎖セグメント間に組み込まれていると特徴付けられる、溶媒可溶化鎖を含むことを意図したものではない。
【0102】
ポリウレタン分散剤は、任意の公知の方法によって調製され、以下のものを一緒に反応させることによって得られる:
a)約1.9〜約2.1、より望ましくは約2.0の平均官能価を有する1つまたはそれより多くのポリイソシアネート;
b)イミドであって、該イミドのカルボニルの各々が縮合芳香族環または非縮合芳香族環に結合されており、該イミドの窒素がR
2−(W’)
b−に結合されており、bが2である場合にはイソシアネートと反応性の2つの官能基、例えばヒドロキシルまたはアミンを有するイミド、および場合により、bが1である場合、イソシアネートに反応性の1つの官能基を有する連鎖停止剤であるイミド;
c)イソシアネートと反応する1つの基を含有する、連鎖停止剤として作用する、1つまたはそれより多くの溶媒可溶化鎖化合物(前記連鎖停止剤は、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリアクリレートもしくはポリエステルポリマーまたはこれらの混合物である);
d)場合により、イソシアネートと反応する少なくとも2つの基を有する、32〜2,000または3,000の数平均分子量を有する1つまたはそれより多くのウレタン形成性化合物(ウレタン形成性化合物は、イソシアネートと反応して化学結合を形成する化合物と定義される)。
【0103】
イミド合成
イミド成分は、芳香族無水物と、さらなる1つまたは2つのイソシアネート反応性官能基、例えばヒドロキシル、第二級アミン、カルボン酸、−SHまたは場合によってはさらなる第一級アミン、を有する第一級窒素含有分子とを反応させることによって合成することができる。イミドは、100〜200℃の間の温度で、溶融状態でまたは溶媒中で調製される。この合成は、試薬の混合を向上させるために揮発性溶媒(bpt<100℃)を伴うことがあり、その場合、前記溶媒は、温度をこの溶媒の沸点より上に上昇させると、蒸留される。
【0104】
好ましくは、イミドは、この中間体の単離を回避するために重合溶媒中で調製される。最高反応温度は、この溶媒の沸点に依存し、適する溶媒の例は、トルエン(bpt=110〜111℃)、キシレン(bpt=137〜140℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(bpt=145〜146℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(bpt=200℃)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(bpt=256℃)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(bpt=275〜276℃)またはそれらの混合物である。希釈剤として溶媒可溶化鎖を使用してイミドを調製してもよいが、但し、溶媒可溶化鎖の鎖末端に位置する基がその無水物と反応しないことを条件とする。
【0105】
好ましくは、イミドは、ジイソシアネート(複数可)との反応前に形成され、アミドとイミドの混合物が存在すると、長期加熱によって重合プロセス中または重合プロセス後にアミドはイミドに転化され得る。イミドの高い転化率を達成するために触媒が必要であることもあり、多少のアミドが最終生成物中になお存在することもある。
【0106】
様々な出発原料についての反応を下に示す。
3−アミノ1,2プロパンジオールを芳香族無水物と反応させる;
【化23】
1,3ジアミノ−2−プロパノールを芳香族無水物と反応させる;
【化24】
ジエチレントリアミンを芳香族無水物と反応させる;
【化25】
ジエチレンテトラミンを芳香族無水物と反応させる;
【化26】
2−(3−アミノプロピルアミノ)エタノールを芳香族無水物と反応させる;
【化27】
【0107】
イミド成分は、望ましくは、イソシアネート末端種と7、8、9または10で示されるものなどの官能性イミドとの反応から誘導される。
【化28】
Eは、−OH、−NH
2、−N(H)−またはCOOHから選択される同じ基または2つの異なる基であり得る。
式7の一例は、1モル当量の無水物を1モル当量の3−アミノ−1,2−プロパンジオールと反応させたとき(Eが、両方の場合において、OHである場合)に、またはジエチレントリアミンと反応させたとき(一方のEがNHであり、他方がNH
2である場合)に、形成される。
もう1つの例は、1モル当量の無水物を1モル当量の2(3−アミノプロピルアミノ)エタノールと反応させるときであり、この場合、式8で示されるように、一方のEはNHであり、他方はOHである。
【化29】
もう1つの例は、式9で示されるような、無水物をジアミンと反応させて、その後、ヒドロキシエチルアクリレートと反応させた場合である。
【化30】
もう1つの例は、2モル当量の無水物を1モル当量のトリエチレンテトラミンと反応させたときであり、この場合、Eは両方ともNHである;
【化31】
R
2は、前にヒドロカルビレン基またはヒドロカルボニレン基と定義されており、
Eは、−OH、−NH
2、−N(H)−または−CO
2Hと定義され、
式10は、2モル当量の無水物を1モル当量の1,3ジアミノ−2−プロパノールまたは1当量のジエチレントリアミンと反応させることによって合成される。
【化32】
式11は、2モル当量の無水物を1モル当量のジエチレントリアミンと反応させたとき形成され、この場合、EはNHである。
無水物の例は、フタル酸無水物、例えば、フタル酸無水物(R
1=Hの場合)、4−ニトロ−フタル酸無水物もしくは3−ニトロフタル酸無水物(1つのR
1=NO
2の場合)、4−クロロフタル酸無水物もしくは3−クロロフタル酸無水物(1つのR
1=Clの場合)基、4−スルホフタル酸無水物もしくは3−スルホフタル酸無水物(1つのR
1=SO
3Hの場合)、テトラクロロフタル酸無水物およびテトラブロモフタル酸無水物、3−ブロモフタル酸無水物、4−ブロモフタル酸無水物、またはそれらの混合物である。
【0108】
実施形態1、2および3の産業上の利用
組成物中に存在する粒子状固体は、該当する温度で有機媒体に実質的に不溶性であり、その組成物中で微粉形態で安定することが望まれる、いずれの無機または有機固体材料であってもよい。粒子状固体は、顆粒材料、繊維、プレートレットの形態であってもよく、または粉末、多くの場合ブロンパウダー、の形態であってもよい。一実施形態において、粒子状固体は、顔料である。
【0109】
粒子状固体(通常、顔料またはフィラー)は、直径10ナノメートル〜10ミクロン、または10ナノメートル〜1、2、3もしくは5ミクロン、または20ナノメートル〜1、2、3もしくは5ミクロンの、光散乱測定によって測定される平均粒径を有し得る。
【0110】
適する固体の例は、溶媒インク用の顔料;塗料およびプラスチック材料用の顔料、増量剤、フィラー、発泡剤および難燃剤;染料、特に分散染料;溶媒染浴用の蛍光増白剤および繊維助剤;インク、トナーおよび他の溶媒用途系用の顔料;油性および逆エマルジョン掘削泥用の固体;ドライクリーニング液中の汚れおよび固体粒子;金属;セラミックス、ピエゾセラミック印刷、耐火材(refactories)、研磨材、鋳物類、コンデンサ、燃料電池、磁性流体、導電性インク、磁気記録媒体、水処理および炭化水素土壌修復用の粒子状セラミック材料および磁性材料;有機および無機ナノ分散固体;電池内の電極用の金属、金属酸化物および炭素;複合材料用の繊維、例えば木材、紙、ガラス、鋼、炭素およびホウ素;ならびに有機媒体中の分散体として利用される殺生物剤、農薬および医薬である。
【0111】
一実施形態では、前記固体は、例えば、カラーインデックス第3版(the Third Edition of the Colour Index)(1971)およびそれ以降のバージョンならびにそれらの補遺の章題「顔料(Pigments)」のもとに記載されている顔料の認知されているクラスのいずれかからの有機顔料である。有機顔料の例は、アゾ、ジスアゾ、トリスアゾ、縮合アゾ、アゾレーキ、ナフトール顔料、アンサントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、ベンゾイミダゾロン、カルバゾール、ジケトピロロピロール、フラバントロン、インジゴイド顔料、インダントロン、イソジベンゾアントロン、イソインダントロン、イソインドリノン、イソインドリン、イソビオラントロン、金属錯体顔料、オキサジン、ペリレン、ペリノン、ピラントロン、ピラゾロキナゾロン、キナクリドン、キノフタロン、チオインジゴ、トリアリールカルボニウム顔料、トリフェノジオキサジン、キサンテンおよびフタロシアニンシリーズ、特に銅フタロシアニンおよびその核ハロゲン化誘導体、ならびにまた酸性、塩基性および媒染染料のレーキからのものである。カーボンブラックは、厳密には無機だが、その分散特性の点ではむしろ有機顔料に近い挙動をとる。一実施形態では、有機顔料は、フタロシアニン、特に銅フタロシアニン、モノアゾ、ジスアゾ、インダントロン、アントラントロン(anthranthrone)、キナクリドン、ジケトピロロピロール、ペリレンおよびカーボンブラックである。
【0112】
無機顔料の例としては、金属酸化物、例えば二酸化チタン、ルチル型二酸化チタンおよび表面被覆二酸化チタン、黄色および黒色などの様々な色の酸化チタン、黄色、赤色、褐色および黒色などの様々な色の酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、オキシ金属化合物、例えばバナジン酸ビスマス、アルミン酸コバルト、スズ酸コバルト、亜鉛酸コバルト、クロム酸亜鉛、ならびにマンガン、ニッケル、チタン、クロム、アンチモン、マグネシウム、コバルト、鉄またはアルミニウムのうちの2つまたはそれより多くのものの混合金属酸化物、プルシアンブルー、バーミリオン、ウルトラマリン、リン酸亜鉛、硫化亜鉛、カルシウムおよび亜鉛のモリブデン酸塩およびクロム酸塩、金属効果顔料、例えばアルミニウムフレーク、銅、および銅/亜鉛合金、真珠光沢フレーク、例えば炭酸鉛およびオキシ塩化ビスマスが挙げられる。
【0113】
無機固体としては、増量剤およびフィラー、例えば、重質および沈降炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、ホスホン酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、天然水酸化マグネシウムまたは水滑石、沈降水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三水酸化アルミニウム、アルミニウムヒドロペルオキシドまたはベーマイト、ケイ酸カルシウムおよびマグネシウム、アルミノシリケート(ナノクレイ、カオリンを含む)、モンモリロナイト(ベントナイト、ヘクトライトおよびサポナイトを含む)、ボールクレー(天然、合成、および膨張性のものを含む)、雲母、タルク(白雲母、金雲母、リチア雲母および緑泥石を含む)、チョーク、合成および沈降シリカ、ヒュームドシリカ、金属繊維および粉末、亜鉛、アルミニウム、ガラス繊維、耐火繊維、カーボンブラック(単層および多層カーボンナノチューブ、強化性および非強化性カーボンブラックを含む)、グラファイト、バックミンスターフラーレン、アスファルテン、グラフェン、ダイヤモンド、アルミナ、石英、パーライト、ペグマタイト、シリカゲル、木粉、木材フレーク(軟質および硬質木材を含む)、おがくず、粉末紙/繊維、セルロース系繊維、例えば、ケナフ、麻、サイザル麻、亜麻、綿、コットンリンター、黄麻、カラムシ、イネ殻すなわちもみ殻、ラフィア、ガマ葦、ココナッツ繊維、コイア、油ヤシ繊維、カポック、バナナの葉、カロ(caro)、クラワ、ヘネケ麻の葉、ハラケケの葉、マニラ麻、サトウキビの絞りかす、ワラ、竹片、小麦粉、MDFなど、バーミキュライト、ゼオライト、ハイドロタルサイト、発電所からのフライアッシュ、下水汚泥焼却灰(icinerated sewage sludge ash)、ポゾラン、高炉スラグ、アスベスト、クリソタイル、アンソフィライト、クロシドライト、ウォラストナイト、アタパルジャイトなど、粒子状セラミック材料、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア、セリア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、ケイ素・アルミニウム混合窒化物および金属チタン酸塩;粒子状磁性材料、例えば、遷移金属の、多くの場合、鉄およびクロムの磁性酸化物、例えばγ−Fe
2O
3、Fe
3O
4およびコバルトドープ酸化鉄、フェライト、例えばバリウムフェライト;ならびに金属粒子、例えば、金属のアルミニウム、鉄、ニッケル、コバルト、銅、銀、金、パラジウムおよび白金ならびにそれらの合金が挙げられる。
【0114】
他の有用な固体材料としては、難燃剤、例えばペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモシクロドデカン、ポリリン酸アンモニウム、メラミン、メラミンシアヌレート、酸化アンチモンおよびボレート;殺生物剤または工業用微生物剤、例えばKirk−Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology、第13巻、1981年、第3版における「Industrial Microbial Agents」と題する章の表2、3、4、5、6、7、8および9に名が挙げられているもの、ならびに農薬、例えば殺真菌剤フルトリアフェン(flutriafen)、カルベンダジム、クロロタロニルおよびマンコゼブが挙げられる。
【0115】
一実施形態における本発明の組成物中に存在する有機媒体は、プラスチック材料であり、別の実施形態では有機液体である。有機液体は、非極性有機液体であってもよく、または極性有機液体であってもよい。この有機液体に関しての用語「極性」は、Journal of Paint Technology、第38巻、1966年、269頁におけるCrowleyらによる「A Three Dimensional Approach to Solubility」と題する論文に記載されているように、有機液体が中程度から強力な結合を形成することが可能であることを意味する。そのような有機液体は、上述の論文の中で定義されているように5またはそれより大きい水素結合数を一般に有する。
【0116】
適する極性有機液体の例は、アミン、エーテル、特に、低級アルキルエーテル、有機酸、エステル、ケトン、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、アルコールおよびアミドである。そのような中程度に強力に水素結合する液体の非常に多くの具体例が、Ibert Mellanによる「Compatibility and Solubility」と題する本(Noyes Development Corporationにより1968年に出版されたもの)の39〜40頁の表2.14に与えられており、これらの液体はすべて、本明細書で使用する用語「極性有機液体」の範囲に入る。
【0117】
一実施形態では、極性有機液体は、ジアルキルケトン、アルカンカルボン酸のアルキルエステル、およびアルカノールであり、特に、そのような液体は、合計で、6個を含めて、最大6個の炭素原子を含有する。極性有機液体の例としては、ジアルキルケトンおよびシクロアルキルケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルn−アミルケトンおよびシクロヘキサノン;アルキルエステル、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ギ酸エチル、プロピオン酸メチル、酢酸メトキシプロピルおよび酪酸エチル;グリコールならびにグリコールエステルおよびグリコールエーテル、例えばエチレングリコール、2−エトキシエタノール、3−メトキシプロピルプロパノール、3−エトキシプロピルプロパノール、酢酸2−ブトキシエチル、酢酸3−メトキシプロピル、酢酸3−エトキシプロピルおよび酢酸2−エトキシエチル;アルカノール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールおよびイソブタノール(2−メチルプロパノールとしても公知)、テルピネオール、ならびにジアルキルエーテルおよび環状エーテル、例えばジエチルエーテルおよびテトラヒドロフランが挙げられる。一実施形態では、溶媒は、アルカノール、アルカンカルボン酸、およびアルカンカルボン酸のエステルである。一実施形態では、本発明は、水性媒体に実質的に不溶性である有機液体に適している。さらに、有機液体全体が水性媒体に実質的に不溶性であることを条件に、少量の水性媒体(例えば、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルおよびアルコール)が有機液体中に存在してもよいことは、当業者には理解される。
【0118】
極性有機液体として使用され得る有機液体の例は、フィルム形成樹脂、例えば、インク、塗料、ならびに塗料およびインクなどの様々な用途で使用するためのチップの調製に適しているフィルム形成樹脂である。そのような樹脂の例としては、ポリアミド、例えばVersamid(商標)およびWolfamid(商標)、ならびにセルロースエーテル、例えばエチルセルロースおよびエチルヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロースおよびセルロースアセテートブチレート樹脂が、それらの混合物を含めて、挙げられる。塗料用樹脂の例としては、短油性アルキド/メラミン−ホルムアルデヒド、ポリエステル/メラミン−ホルムアルデヒド、熱硬化性アクリル/メラミン−ホルムアルデヒド、長油性アルキド、中油性アルキド、短油性アルキド、ポリエーテルポリオール、ならびに多媒体樹脂、例えばアクリルおよび尿素/アルデヒドが挙げられる。
【0119】
有機液体は、ポリオール、すなわち、2つまたはそれより多くのヒドロキシ基を有する有機液体であってもよい。一実施形態において、ポリオールには、α,ωジオール、またはα,ωジオールエトキシレートが含まれる。
【0120】
一実施形態では、非極性有機液体は、脂肪族基、芳香族基またはそれらの混合物を含有する化合物である。非極性有機液体としては、非ハロゲン化芳香族炭化水素(例えば、トルエンおよびキシレン)、ハロゲン化芳香族炭化水素(例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン)、非ハロゲン化脂肪族炭化水素(例えば、完全飽和と部分飽和両方の、6個またはそれより多くの炭素原子を含有する直鎖状および分枝脂肪族炭化水素)、ハロゲン化脂肪族炭化水素(例えば、ジクロロメタン、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエタン)および天然非極性有機物(例えば、植物油、ヒマワリ油、ナタネ油、アマニ油、テルペンおよびグリセリド)が挙げられる。
【0121】
一実施形態では、有機液体は、全有機液体に基づき少なくとも0.1重量%、または1重量%もしくはそれより多くの極性有機液体を含む。有機液体は、場合によりさらに水を含む。一実施形態では、有機液体は、水を含まない。
【0122】
プラスチック材料は、熱硬化性樹脂であってもよいし、または熱可塑性樹脂であってもよい。本発明において有用な熱硬化性樹脂は、加熱されると、触媒作用を受けると、または紫外線、レーザ光、赤外線、カチオン、電子線もしくはマイクロ波放射線に曝露されると化学反応を起こし、比較的不溶融性になる樹脂を含む。熱硬化性樹脂における典型的な反応としては、不飽和二重結合の酸化、エポキシ/アミン、エポキシ/カルボニル、エポキシ/ヒドロキシル、エポキシとルイス酸もしくはルイス塩基との反応、ポリイソシアネート/ヒドロキシ、アミノ樹脂/ヒドロキシ部分、フリーラジカル反応、またはポリアクリレートが関与する反応、エポキシ樹脂とビニルエーテルのカチオン重合、およびシラノールの縮合が挙げられる。不飽和樹脂の例としては、1つまたはそれより多くの二酸または無水物と1つまたはそれより多くのジオールとの反応によって作製されるポリエステル樹脂が挙げられる。そのような樹脂は、スチレンまたはビニルトルエンなどの反応性モノマーとの混合物として一般に供給されており、多くの場合、オルトフタル酸系樹脂およびイソフタル酸系樹脂と呼ばれる。さらなる例としては、ポリエステル鎖中の共反応物としてジシクロペンタジエン(DCPD)を使用する樹脂が挙げられる。さらなる例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと、後でスチレン中の溶液として供給される不飽和カルボン酸、例えばメタクリル酸との反応生成物も挙げられ、これは、一般に、ビニルエステル樹脂と呼ばれる。
【0123】
一実施形態において、熱硬化性複合材または熱硬性プラスチックは、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、スチレン中のポリエステル樹脂、ポリスチレン、またはそれらの混合物であり得る。
【0124】
ヒドロキシ官能基を有するポリマー(多くの場合、ポリオール)は、アミノ樹脂またはポリイソシアネートを架橋させるために熱硬化性系において広範に使用されている。ポリオールとしては、アクリルポリオール、アルキドポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよびポリウレタンポリオールが挙げられる。典型的なアミノ樹脂としては、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂およびグリコールウリルホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。ポリイソシアネートは、モノマー性脂肪族ジイソシアネート、モノマー性芳香族ジイソシアネートおよびそれらのポリマー両方を含む、2つまたはそれより多くのイソシアネート基を有する樹脂である。典型的な脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよび水素化ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。典型的な芳香族イソシアネートとしては、トルエンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
【0125】
一実施形態では、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリスチレン系樹脂(polystyrenics)、ポリ(メタ)アクリレート、セルロースおよびセルロース誘導体が挙げられる。前記組成物は、多数の方法で調製され得るが、溶融混合法および乾式固体ブレンド法が典型的な方法である。適する熱可塑性物質の例としては、(低密度、または線状の低密度もしくは高密度)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン6、ナイロン6/6、ナイロン4/6、ナイロン6/12、ナイロン11およびナイロン12、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、熱可塑性ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル(EVA)、Victrex PEEK(商標)ポリマー(例えば、オキシ−1,4−フェニレンオキシ(phenylenoeoxy)−1,4−フェニレン−カルボニル−1,4−フェニレンポリマー)およびにアクリロニトリルブタジエンスチレンポリマー(ABS)、ならびに様々な他のポリマーブレンドまたはアロイが挙げられる。
【0126】
必要に応じて、本発明の組成物は、他の成分、例えば、樹脂(これらは、有機媒体をまだ構成していない)、結合剤、共溶媒、架橋剤、流動化剤、湿潤剤、沈降防止剤、可塑剤、界面活性剤、本発明の化合物以外の分散剤、保湿剤、消泡剤、へこみ防止剤、レオロジー改質剤、熱安定剤、光安定剤、UV吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、光沢調整剤、殺生物剤、および保存剤を含有することもある。
【0127】
必要に応じて、プラスチック材料を含有する組成物は、他の成分、例えば、本発明の化合物以外の分散剤、防曇剤、成核剤、発泡剤、難燃剤、加工助剤、界面活性剤、可塑剤、熱安定剤、UV吸収剤、酸化防止剤、香料、離型助剤、帯電防止剤、抗微生物剤、殺生物剤、カップリング剤、潤滑剤(外部および内部)、衝撃改質剤、スリップ剤、脱泡剤および粘度降下剤を含有することもある。
【0128】
本組成物は、通常、1〜95重量%の粒子状固体を含有し、正確な量は該固体の性質に依存し、またその量は、該固体の性質、および該固体と極性有機液体の相対密度に依存する。例えば、前記固体が有機材料、例えば有機顔料である組成物は、一実施形態では組成物の総重量に基づき15〜60重量%の該固体を含有するが、前記固体が無機材料、例えば無機顔料、フィラーまたは増量剤である組成物は、一実施形態では組成物の総重量に基づき40〜90重量%の該固体を含有する。
【0129】
有機液体を含有する組成物は、分散体の調製について公知の従来法のいずれによって調製してもよい。したがって、前記固体、有機媒体および分散剤をいずれの順序で混合してもよく、次いで、その混合物に機械的処理を施して、例えば、分散体が形成されるまで高速混合、ボールミル粉砕、バスケットミル粉砕、ビーズミル粉砕、砂利粉砕、砂磨砕、アトライター磨砕、2本ロール練りまたは3本ロール練り、プラスチック粉砕することによって、前記固体の粒子を適切なサイズに縮小してもよい。あるいは、前記固体を、独立してまたは有機媒体もしくは分散剤のいずれかと混合して、処理してその粒径を低減させ、次いで、他の成分(単数または複数)を添加し、その混合物を撹拌して組成物を得てもよい。乾燥固体を分散剤と共に摩砕または粉砕し、次いで液体媒体を添加することによって、または顔料フラッシングプロセスで固体と分散剤を液体媒体中で混合することによって、前記組成物を作製することもできる。
【0130】
プラスチック材料を含有する組成物を、熱可塑性化合物の調製に公知の従来法のいずれによって調製してもよい。したがって、固形分と熱可塑性ポリマーと分散剤を任意の順序で混合し、次いでその混合物に機械的処理を施して、例えば、バンバリー練り、リボンブレンディング、二軸型押出加工、2本ロール練り、Bussコニーダーまたは類似の機器でのコンパウンデイングによって、固体の粒子を適切なサイズに縮小してもよい。
【0131】
本発明の組成物は、分散液に特に適している。一実施形態では、そのような分散体組成物は、
a)0.5〜80部の粒子状固体と、
b)0.1〜79.6部の式(1)のポリマーと、
c)19.9〜99.4部の有機液体および/または水と
を含み、ここでの相対部はすべて重量部であり、量(a)+(b)+(c)=100である。
【0132】
一実施形態では、成分a)は、0.5〜30部の顔料を含み、そのような分散体は、(液体)インク、塗料およびミルベースとして有用である。
【0133】
粒子状固体と式(1)の分散剤を乾燥形態で含むことが組成物に求められる場合、有機液体は、通常、揮発性であり、したがって、蒸発などの単純な分離手段によって粒子状固体から容易に除去され得る。一実施形態では、前記組成物は、有機液体を含む。
【0134】
乾燥組成物が式(1)の分散剤および粒子状固体から本質的に成る場合、その組成物は、通常、粒子状固体の重量に基づき少なくとも0.2%、少なくとも0.5%または少なくとも1.0%の式(1)の分散剤を含有する。一実施形態では、乾燥組成物は、粒子状固体の重量に基づき100重量%以下、50重量%以下、20重量%以下または10重量%以下の式(1)の分散剤を含有する。
【0135】
本明細書において前に開示したように、本発明の組成物は、粒子状固体が有機液体中、式(1)についての化合物の存在下で粉砕される、ミルベースの調製に適している。
【0136】
したがって、本発明のなおさらなる態様に従って、粒子状固体と有機液体と式(1)のポリマーとを含むミルベースを提供する。
【0137】
通常、このミルベースは、ミルベースの総重量に基づき20〜70重量%の粒子状固体を含有する。一実施形態では、粒子状固体は、ミルベースの10重量%以上または20重量%以上である。そのようなミルベースは、粉砕前または後のいずれかに添加された結合剤を場合により含有することもある。
【0138】
一実施形態では、結合剤は、有機液体の揮発によって組成物を結合することが可能な高分子材料である。
【0139】
結合剤は、天然および合成材料を含む高分子材料である。一実施形態では、結合剤には、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン系樹脂(polystyrenics)、ポリエステル、ポリウレタン、アルキド、多糖類、例えばセルロース、ニトロセルロース、および天然タンパク質、例えばカゼインが含まれる。結合剤は、ニトロセルロースであってもよい。一実施形態では、結合剤は、粒子状固体の量に基づき100%より多く、200%より多く、300%より多くまたは400%より多く組成物中に存在する。
【0140】
ミルベース中の任意選択の結合剤の量は広範に変動し得るが、通常はミルベースの連続媒体/液相の10重量%以上、多くの場合20重量%以上である。一実施形態では、結合剤の量は、ミルベースの連続媒体/液相の50重量%以下または40重量%以下である。
【0141】
ミルベース中の分散剤の量は、粒子状固体の量に依存するが、通常はミルベースの0.5〜5重量%である。
【0142】
本発明の組成物から作製される分散体およびミルベースは、エネルギー硬化システム(紫外線、レーザ光、赤外線、カチオン、電子線、マイクロ波)を配合物中に存在するモノマー、オリゴマーなどまたは組み合わせと併用する非水性および溶媒不含配合物における使用に特に適している。これらは、塗装剤、例えば、塗料、ワニス、インク、他の塗装材料およびプラスチックにおける使用に特に適している。適切な例としては、低、中および高固形分塗料、一般工業用塗料(焼付、2成分および金属塗装用塗料、例えばコイルおよび缶塗装剤、紛体塗装剤、UV硬化性塗装剤、ウッドワニスを含む)、インク、例えば、フレキソ印刷用インク、グラビア印刷用インク、オフセット印刷用インク、平版印刷用インク、活版印刷または凸版印刷用インク、スクリーン印刷用インク、およびパッケージ印刷用の印刷インク、ノンインパクトインク、例えばインクジェットインク(コンティニュアス型インクジェットと、サーマル方式、ピエゾ方式および静電方式のものを含むドロップオンディマンド型インクジェットとを含む)、相変化インクおよびホットメルトワックスインク、インクジェットプリンター用インク、および印刷用ワニス、例えばオーバープリントワニス;ポリオールおよびプラスチゾル分散体;非水性セラミック加工、特に、テープキャスティング、ゲルキャスティング、ドクターブレード、押出および射出成形型加工におけるそれらの使用が挙げられ、さらなる例は、静水圧圧縮成形用の乾燥セラミック粉末;複合材、例えばシート成形およびバルク成形コンパウンド、樹脂トランスファ成形、引抜成形、ハンドレイアップおよびスプレーレイアッププロセス、マッチドダイ成形;建設材料、例えばキャスティング樹脂、化粧品、パーソナルケア、例えばネイルコーティング剤、日焼け止め、接着剤、トナー、例えば液体トナー、プラスチック材料および電子材料、例えば、有機発光ダイオード(OLED)装置、液晶ディスプレイおよび電気泳動式ディスプレイを含むディスプレイにおけるカラーフィルタシステムのためのコーティング用配合物、ガラス用コーティング剤(光ファイバー用コーティング剤、反射コーティング剤または反射防止コーティング剤を含む)、導電性および磁性インクならびに塗装剤の調製におけるものであり得る。これらは、上記用途において使用される乾燥粉末の分散性を改善するための、顔料およびフィラーの表面改質に有用である。塗装用材料のさらなる例は、Bodo Muller、Ulrich Poth、Lackformulierung und Lackrezeptur、Lehrbuch fr Ausbildung und Praxis、Vincentz Verlag、Hanover(2003)およびP.G.Garrat、Strahlenhartung、Vincentz Verlag、Hanover(1996)に与えられている。印刷用インク配合物の例は、E.W.Flick、Printing Ink and Overprint Varnish Formulations−Recent Developments、Noyes Publications、Park Ridge NJ(1990)および後続版に与えられている。
【0143】
一実施形態では、本発明の組成物は、1つまたはそれより多くのさらなる公知分散剤をさらに含む。
【実施例】
【0144】
中間体A
アミノポリエーテル(200重量部、HuntsmanからのSurfonamine(登録商標)B200)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(11.61部)および2,6−ジ−tertブチル−4−メチルフェノール(0.03部)を一緒に70℃で48時間撹拌した。得られた生成物は、黄色液体であった。
【0145】
中間体B
1−ドデカノール(57.24部)、ε−カプロラクトン(336.70部)およびδ−バレロラクトン(104.57部)を一緒に窒素下、100℃で撹拌した。ジルコニウムブトキシド(1.68部)を添加し、反応物を窒素下で18時間、175℃で撹拌した。20℃に冷却した後、GPC(溶離液テトラヒドロフラン(tetrohydrofuran)、標準物質ポリカプロラクトン)によって判定してMn=1600およびMw=2100を有する蝋様固体として生成物を得た。
【0146】
中間体C
1−ドデカノール(119.58部)およびε−カプロラクトン(842.39部)を一緒に窒素下で撹拌した。チタンブトキシド(2.57部)を添加し、反応物を8時間、175℃に加熱した。20℃に冷却した後、GPC(溶離液テトラヒドロフラン(tetrohydrofuran)、標準物質ポリカプロラクトン)によって判定してMn=1600およびMw=2200を有する蝋様固体として生成物を得た。
【0147】
中間体D
ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアミン(199.3部、HuntsmanからのSurfonamine(登録商標)L100)を空気の存在下、70℃で撹拌した。2−ヒドロキシエチルアクリレート(20.7部)をブチル化ヒドロキシルトルエン(0.021部)と共に添加した。空気中、70℃で6時間撹拌することによって反応を継続させた。生成物を蝋様固体として得た。
【0148】
中間体E
アミノポリエーテル(376.48部、HuntsmanからのSurfonamine(登録商標)B60)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(76.58部)および2,6−ジ−tertブチル−4−メチルフェノール(0.05部)を一緒に70℃で18時間撹拌した。得られた生成物は、黄色液体であった。
【0149】
中間体F
1−ドデカノール(56.5部)、ε−カプロラクトン(242.12部)およびδ−バレロラクトン(212.38部)を一緒に窒素下、100℃で撹拌した。ジルコニウムブトキシド(1.53部)を添加し、反応物を窒素下で18時間、180℃で撹拌した。GPC(溶離液テトラヒドロフラン(tetrohydrofuran)、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=2200およびMw=4900を有する黄色液体として生成物を得た。
【0150】
中間体G
1−ドデカノール(13.2部)、ε−カプロラクトン(200部)およびジルコニウムブトキシド(1.1部)を窒素下で1時間、125℃で撹拌した。その後、反応物を18時間、180℃に加熱した。20℃に冷却した後、GPC(溶離液テトラヒドロフラン(tetrohydrofuran)、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=4500およびMw=10600を有する蝋様固体として生成物を得た。
【0151】
中間体H
トリレン−2,4−ジイソシアネート(8.73部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(133.45部)を窒素下で50℃に加熱した。ヒドロキシポリエステル(75部、中間体C)を添加し、その反応物を75分間、90℃に加熱した。反応物を30℃に冷却し、ジエタノールアミン(5.27部)を投入した。その後、その反応物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、30分間、30℃で加熱した。GPC(溶離液テトラヒドロフラン(tetrohydrofuran)、標準物質ポリカプロラクトン)によって判定してMn=2300およびMw=2700を有する琥珀色液体として生成物を得た。
【0152】
比較例1(CE1)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(152.84重量部)およびトリレン−2,4−ジイソシアネート(20.52部)を窒素下、周囲温度で撹拌した。ヒドロキシアミノポリエーテル(73.74部、中間体A)および1,1’−{[3−(ジメチルアミノ)−プロピル]イミノ}ビス−2−プロパノール(15.78部)を添加し、その反応物を70℃に加熱した。アミノポリエーテル(42.84部、HuntsmanからのSurfonamine(登録商標)B200)を添加し、その反応物を70℃で2時間撹拌した。100部の生成物を反応容器から除去した。この材料のGPC分析は、Mn=4900およびMw=14800(溶離液テトラヒドロフラン(tetrohydrofuran)、標準物質ポリスチレン)を示した。塩化ベンジル(5.42部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(5.42部)を残存混合物に投入した。その反応物を16時間、70℃で加熱した。生成物は、琥珀色液体であった。
【0153】
比較例2(CE2)
1,8−ナフタル酸無水物(29.73部)およびアミノポリエーテル(150部、HuntsmanからのSurfonamine(登録商標)L100)を6時間、110℃に加熱し、その後、15時間、150℃に加熱した。冷却すると、生成物は、褐色蝋様固体になった。そのIRはイミド形成と一致し、最終生成物は、酸価0.96mgKOHg
−1を有した。
【0154】
実施例1
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(1.53重量部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(30.35部)を窒素下、120℃で撹拌した。1,8−ナフタル酸無水物(3.23部)を10分にわたって添加し、その混合物をさらに2時間、120℃で撹拌した。反応物を70℃に冷却し、ヒドロキシアミノポリエーテル(42.35部、中間体A)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(0.55部)、アミノポリエーテル(16.04部、HuntsmanからのSurfonamine(登録商標)B200)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(40.69部)を添加した。トリレン−2,4−ジイソシアネート(7.68部)を5分にわたって添加し、その反応混合物を1時間、120℃に加熱した。その後、反応物を90℃に冷却し、ジブチルスズジラウレート(0.05部)を添加し、その混合物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、1時間、窒素下、90℃で撹拌した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=5100およびMw=19500を有する琥珀色液体であった。
【0155】
実施例2
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(1.33重量部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(50部)を窒素下、120℃で撹拌した。1,8−ナフタル酸無水物(2.80部)を10分にわたって添加し、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(14.03部)を添加し、その反応混合物を2時間撹拌した。その後、反応物を70℃に冷却し、ヒドロキシアミノポリエーテル(41.25部、中間体A)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(1.66部)およびアミノポリエーテル(9.03部、HuntsmanからのSurfonamine(登録商標)B200)を添加した。トリレン−2,4−ジイソシアネート(8.25部)を5分にわたって添加し、その反応物を9時間、90℃に加熱した。ジブチルスズジラウレート(0.05部)を添加し、その反応物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、さらに1時間、90℃で撹拌した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=8400およびMw=31000を有する琥珀色液体であった。
【0156】
実施例3
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(1.06重量部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(30部)を窒素下、120℃で撹拌した。1,8−ナフタル酸無水物(2.3部)を10分にわたって添加し、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(10部)を添加した。その反応混合物を1時間、120℃で撹拌した。その後、反応物を70℃に冷却し、ヒドロキシアミノポリエーテル(50.78部、中間体A)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(1.27部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(35.29部)を添加した。トリレン−2,4−ジイソシアネート(8.24部)を5分にわたって添加し、その反応物を70℃で6時間撹拌した。アミノポリエーテル(11.58部、HuntsmanからのSurfonamine(登録商標)B200)を添加し、その反応物を70℃で3時間撹拌した。ジブチルスズジラウレート(0.06部)を添加し、その反応混合物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、1時間、窒素下、70℃で撹拌した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=11000およびMw=20000を有する琥珀色液体であった。
【0157】
実施例4
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(1.05重量部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(30部)を窒素下、120℃で撹拌した。3−ニトロ−1,8−ナフタル酸無水物(2.80部)を10分にわたって添加し、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(10部)を添加し、その反応混合物を85分間、120℃で撹拌した。追加の3−アミノ−1,2−プロパンジオール(0.1g)を添加し、その反応物を20分間、120℃で撹拌した。その後、反応物を70℃に冷却し、ヒドロキシアミノポリエーテル(50.34部、中間体A)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(1.27部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(35.2部)を添加した。トリレン−2,4−ジイソシアネート(8.18部)を5分にわたって添加し、その反応物を70℃で8時間撹拌した。アミノポリエーテル(11.5部、HuntsmanからのSurfonamine(登録商標)B200)を添加し、その反応物を70℃で3時間撹拌した。ジブチルスズジラウレート(0.06部)を添加し、その反応物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、1時間、70℃で撹拌した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=13000およびMw=33000を有する暗褐色液体であった。
【0158】
実施例5
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(1.15重量部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20部)を窒素下、120℃で撹拌した。1,8−ナフタル酸無水物(2.52部)を10分にわたって添加し、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20部)を添加し、その反応混合物を1時間、120℃で撹拌した。その後、反応物を90℃に冷却し、ヒドロキシアミノポリエーテル(44.45部、中間体A)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(4.13部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(33.77部)を添加した。トリレン−2,4−ジイソシアネート(11.4部)を5分にわたって添加し、その反応物を90℃で6時間撹拌した。ヒドロキシポリエステル(10.11部、中間体B)を添加し、その反応物を90℃で3時間撹拌した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.12部)を添加し、その反応物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、1時間、90℃で撹拌した。その後、反応物を3時間、120℃に加熱した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=3800およびMw=7000を有する濁った琥珀色液体であった。
【0159】
実施例6
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(2.27重量部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20部)を窒素下、120℃で撹拌した。1,8−ナフタル酸無水物(4.95部)を10分にわたって添加し、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20部)を添加し、その反応混合物を1時間、120℃で撹拌した。その後、反応物を90℃に冷却し、ヒドロキシアミノポリエーテル(44.45部、中間体A)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(0.57部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(27部)を添加した。イソホロンジイソシアネート(11.65部)を5分にわたって添加し、その反応物を90℃で6時間撹拌した。アミノポリエーテル(2.99部、HuntsmanからのSurfonamine(登録商標)B60)を添加し、その反応物を90℃で3時間撹拌した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.12部)を添加し、その反応物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、1時間、90℃で撹拌した。その後、反応物を3時間、120℃に加熱した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=3100およびMw=9000を有する褐色液体であった。
【0160】
実施例7
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(2.12重量部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20部)を窒素下、120℃で撹拌した。1,8−ナフタル酸無水物(4.62部)を10分にわたって添加し、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20部)を添加し、その反応混合物を1時間、120℃で撹拌した。その後、反応物を90℃に冷却し、ヒドロキシアミノポリエーテル(44.45部、中間体A)、1,6−ヘキサンジオール(1.63部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(41.3部)を添加した。トリレン−2,4−ジイソシアネート(11.07部)を5分にわたって添加し、その反応物を90℃で6時間撹拌した。ヒドロキシポリエステル(17.33部、中間体C)を添加し、その反応物を90℃で3時間撹拌した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.12部)を添加し、その反応物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、1時間、90℃で撹拌した。その後、反応物を3時間、120℃に加熱した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=2500およびMw=5400を有する濁った琥珀色液体であった。
【0161】
実施例8
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(2.61重量部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20部)を窒素下、120℃で撹拌した。1,8−ナフタル酸無水物(5.67部)を10分にわたって添加し、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20部)を添加し、その反応混合物を1時間、120℃で撹拌した。その後、反応物を90℃に冷却し、ヒドロキシアミノポリエーテル(44.45部、中間体A)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(83.6部)を添加した。トリレン−2,4−ジイソシアネート(11.23部)を5分にわたって添加し、その反応物を90℃で6時間撹拌した。アミノポリエーテル(59.52部、HuntsmanからのSurfonamine(登録商標)B200)を添加し、その反応物を90℃で3時間撹拌した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.12部)を添加し、その反応物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、1時間、90℃で撹拌した。その後、反応物を3時間、120℃に加熱した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=3100およびMw=6000を有する濁った琥珀色液体であった。
【0162】
実施例9
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(0.92重量部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20.16部)を窒素下、120℃で撹拌した。1,8−ナフタル酸無水物(2部)を10分にわたって添加し、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20部)を添加し、その反応混合物を1時間、120℃で撹拌した。その後、反応物を90℃に冷却し、ヒドロキシアミノポリエーテル(44.45部、中間体A)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(2.86部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(33.83部)を添加した。メチレンジフェニルジイソシアネート(13.38部)を5分にわたって添加し、その反応物を90℃で6時間撹拌した。アミノポリエーテル(10.23部、HuntsmanからのSurfonamine(登録商標)B200)を添加し、その反応物を90℃で3時間撹拌した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.12部)を添加し、その反応物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、1時間、90℃で撹拌した。その後、反応物を3時間、120℃に加熱した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=14500およびMw=36700を有する琥珀色液体であった。
【0163】
実施例10
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(1.46重量部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20部)を窒素下、120℃で撹拌した。1,8−ナフタル酸無水物(3.17部)を10分にわたって添加し、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20部)を添加し、その反応混合物を1時間、120℃で撹拌した。その後、反応物を90℃に冷却し、ヒドロキシアミノポリエーテル(44.45部、中間体E)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(0.16部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(37.19部)を添加した。トリレン−2,4−ジイソシアネート(14.48部)を5分にわたって添加し、その反応物を90℃で6時間撹拌した。ヒドロキシポリエステル(13.35部、中間体F)を添加し、その反応物を90℃で3時間撹拌した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.12部)を添加し、その反応物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、1時間、90℃で撹拌した。その後、反応物を3時間、120℃に加熱した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=1300およびMw=2000を有する琥珀色液体であった。
【0164】
実施例11
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(0.6重量部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20.2部)を窒素下、120℃で撹拌した。1,8−ナフタル酸無水物(1.33部)を10分にわたって添加し、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20部)を添加し、その反応混合物を1時間、120℃で撹拌した。その後、反応物を90℃に冷却し、ヒドロキシアミノポリエーテル(44.45部、中間体A)、1,4−ジベンゼンジメタノール(5.21部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(43.09部)を添加した。トリレン−2,4−ジイソシアネート(11.96部)を5分にわたって添加し、その反応物を90℃で6時間撹拌した。ヒドロキシポリエステル(19.62部、中間体G)を添加し、その反応物を90℃で3時間撹拌した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.12部)を添加し、その反応物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、1時間、90℃で撹拌した。その後、反応物を3時間、120℃に加熱した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=3100およびMw=7300を有する琥珀色液体であった。
【0165】
実施例12
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(1.34重量部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20部)を窒素下、120℃で撹拌した。1,8−ナフタル酸無水物(2.91部)を10分にわたって添加し、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(13.54部)を添加し、その反応混合物を1時間、120℃で撹拌した。その後、その反応物を90℃に冷却し、ジヒドロキシポリエステル(97.5部、中間体H)を添加した。トリレン−2,4−ジイソシアネート(7.01部)を5分にわたって添加し、その反応物を90℃で6時間撹拌した。ヒドロキシポリエステル(10.98部、中間体C)を添加し、その反応物を90℃で3時間撹拌した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.12部)を添加し、その反応物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、1時間、90℃で撹拌した。その後、反応物を3時間、120℃に加熱した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=3000およびMw=6500を有する琥珀色液体であった。
【0166】
実施例13
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(1.34重量部)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(20部)を窒素下、120℃で撹拌した。1,8−ナフタル酸無水物(2.91部)を10分にわたって添加し、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(19.04部)を添加し、その反応混合物を1時間、120℃で撹拌した。その後、その反応物を90℃に冷却し、ジヒドロキシルポリエステル(97.5部、中間体H)を添加した。トリレン−2,4−ジイソシアネート(7.01部)を5分にわたって添加し、その反応物を90℃で6時間撹拌した。アミノポリエーテル(14.65部、HuntsmanからのSurfonamine(登録商標)B200)を添加し、その反応物を90℃で3時間撹拌した。1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.12部)を添加し、その反応物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、1時間、90℃で撹拌した。その後、反応物を3時間、120℃に加熱した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=2800およびMw=6500を有する琥珀色液体であった。
【0167】
実施例14
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(4.86重量部)およびポリエチレングリコールモノメチルエーテル(24.36部、分子量750)を窒素下、120℃で撹拌した。1,8−ナフタル酸無水物(10.28部)を15分にわたって添加し、その反応混合物を1時間、120℃で撹拌した。ジヒドロキシポリエーテル(62.50部、PerstorpからのYmer(登録商標)N120)および1,4−シクロヘキサンジメタノール(7.78g)を添加した。イソホロンジイソシアネート(39.72g)を10分にわたって添加し、その反応物を120℃で1時間撹拌した。反応物を90℃に冷却し、18時間撹拌した。ジブチルスズジラウレート(0.1部)を添加し、その反応物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、1時間、90℃で撹拌した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=5800およびMw=18400を有する暗褐色の非常に粘稠な液体であった。
【0168】
実施例15
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(3.78重量部)およびポリエチレングリコールモノメチルエーテル(21.31部、分子量750)を窒素下、130℃で撹拌した。1,8−ナフタル酸無水物(7.98部)を10分にわたって添加し、その反応混合物を2時間、130℃で撹拌した。その後、反応物を50℃に冷却した。ヒドロキシアミノポリエーテル(33.72部、中間体D)および1,4−シクロヘキサンジメタノール(4.08g)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.05部)を添加した。イソホロンジイソシアネート(5.86g)を5分にわたって添加し、その反応物を50℃で30分間撹拌した。反応物を90℃に加熱し、イソホロンジイソシアネート(18.33部)を添加した。その反応物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、6時間撹拌した。反応物を25℃に冷却し、蒸留水(95.1部)を添加し、その反応物を2時間撹拌した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=2100およびMw=3900を有する琥珀色液体であった。
【0169】
実施例16
3−アミノ−1,2−プロパンジオール(1.87重量部)およびポリエチレングリコールモノメチルエーテル(21.31部、分子量750)を窒素下、130℃で撹拌した。1,8−ナフタル酸無水物(3.94部)を10分にわたって添加し、その反応混合物を2時間、130℃で撹拌した。その後、反応物を50℃に冷却した。ヒドロキシアミノポリエーテル(33.72部、中間体D)および1,4−シクロヘキサンジメタノール(4.08g)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.05部)を添加した。イソホロンジイソシアネート(5.86g)を5分にわたって添加し、その反応物を50℃で30分間撹拌した。反応物を90℃に加熱し、イソホロンジイソシアネート(18.33部)を添加した。その反応物を、IRによって判定してイソシアネートが存在しなくなるまで、6時間撹拌した。反応物を25℃に冷却し、蒸留水(89.16部)を添加し、その反応物を2時間撹拌した。得られた生成物は、GPC(溶離液テトラヒドロフラン、標準物質ポリスチレン)によって判定してMn=2400およびMw=5300を有する琥珀色液体であった。
【0170】
分散体試験1
実施例1、2または3(100%活性に基づき1.9部)およびアクリル系樹脂(1.05部、CytecからのMacrynal(登録商標)SMC565)をプロピレングリコールモノメチルエチルアセテート(23.3部)に溶解することによって分散体を調製した。ガラスビーズ(直径3mm、125部)および青色顔料(8.75部、BASFからのHeliogen(登録商標)Blue L6700F)を添加し、内容物をSkandexシェーカーで4時間粉砕した。
【0171】
得られた流体ミルベース(35部)をアクリル系樹脂(36.45部、CytecからのMacrynal SMC565)、ポリイソシアネート(3.24部、BayerからのDesmodur N3390)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(41.98部)の溶液にレットダウンし、その後、3番のKバーで白黒カードに展色した。
【0172】
Byk−Gardner光沢計を使用して測定して、CE1に対して実施例1、2および3の存在下で増加された光沢特性および低減されたヘイズ特性を達成した。
【表1】
【0173】
分散体試験2
実施例2(100%活性に基づき1.79部)およびアクリル系樹脂(1.05部、CytecからのMacrynal(登録商標)SMC565)をプロピレングリコールモノメチルエチルアセテート(26.22部)に溶解することによって分散体を調製した。ガラスビーズ(3mm、125部)および赤色顔料(5.95部、CibaからのIrgazin(登録商標)Red D3656)を添加し、内容物をSkandexシェーカーで4時間粉砕した。
【0174】
得られた流体ミルベース(35部)をアクリル系樹脂(24.45部、CytecからのMacrynal SMC565)、ポリイソシアネート(2.20部、BayerからのDesmodur N3390)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(17.68部)の溶液にレットダウンし、その後、3番のKバーで白黒カードに展色した。
【0175】
Byk−Gardner光沢計を使用して測定して、CE1に対して実施例2の存在下で増加した光沢特性を達成した。
【表2】
【0176】
分散体試験3
分散剤4〜9の各々(50%活性溶液に基づいて、1.0g分散剤)を酢酸ブチルに溶解することによって分散体を調製した。ガラスビーズ(直径3mm、17部)および赤色顔料(BASFからのCromopthal(登録商標)Red A2B、2.0部)を添加し、内容物を水平シェーカーで16時間粉砕した。得られたミルベースは、優れた流動性を示した。
【表3】
【0177】
分散体試験4
分散剤10〜13の各々(50%活性溶液に基づいて、1.0g分散剤)をトルエンに溶解することによって分散体を調製した。ガラスビーズ(直径3mm、17部)および赤色顔料(BASFからのCromopthal(登録商標)Red A2B、2.0部)を添加し、内容物を水平シェーカーで16時間粉砕した。得られたミルベースは、優れた流動性を示した。
【表4】
【0178】
分散体試験5
実施例14、15または16(100%活性分散剤として0.9部)を蒸留水(7.6部)に溶解することによって分散体を調製した。3mmガラスビーズ(17部)および赤色顔料(1.5部、ClariantからのInk jet magenta E5B 02)を添加し、内容物を水平型シェーカーで16時間粉砕する。得られた分散体は流動性であり、0.1部をジエチレングリコールジブチルエーテル/蒸留水混合物(10部)が入っているガラスバイアルに添加した。それらの分散体を1、2、24および72時間後、綿状沈殿を示す沈降の形跡について目視検査した。
【0179】
溶液Aは、15部のジエチレングリコールジブチルエーテル/85部の水である。
【0180】
溶液Bは、20部のジエチレングリコールジブチルエーテル/80部の水である。
【0181】
溶液Cは、25部のジエチレングリコールジブチルエーテル/75部の水である。
【表5】
【0182】
上で言及した文献の各々は、優先権を主張する任意の先行出願を(上で具体的に列挙されているか否かにかかわらず)含めて、参照により本明細書に組み込まれている。本明細書に記載の量、範囲および比の上限および下限を独立して組み合わせてもよいことを理解されたい。同様に、本発明の各要素の範囲および量を他のあらゆる要素についての範囲または量と併用することができる。
【0183】
本明細書で使用する場合、移行句「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含有する(containing)」または「特徴とする(characterized by)」と同義であり、包括的または非限定的であり、記載されていない追加の要素または方法工程を除外しない。しかし、本明細書中での「含む(comprising)」の各記載に関して、この用語は、代替実施形態として、「から本質的に成る」および「から成る」という句(「から成る」は、明記されていない一切の要素または工程を除外し、「から本質的に成る」は、対象としている組成物または方法の本質的または基本的な新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない、記載されていない追加の要素または工程の包含を容認する)も包含することを意図したものである。
【0184】
本発明を説明するために特定の代表的な実施形態および詳細を示したが、本発明の範囲を逸脱することなくそれらに様々な変更および改変を加えることができることは、当業者には明らかである。これに関して、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。