特許第6600311号(P6600311)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6600311
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】屈曲角が限定された金属ビーム
(51)【国際特許分類】
   B21D 47/01 20060101AFI20191021BHJP
   B62D 21/15 20060101ALI20191021BHJP
   B21D 22/02 20060101ALI20191021BHJP
   B21D 53/88 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
   B21D47/01 A
   B62D21/15 C
   B21D22/02 B
   B21D22/02 F
   B21D53/88 Z
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-544857(P2016-544857)
(86)(22)【出願日】2015年1月6日
(65)【公表番号】特表2017-505232(P2017-505232A)
(43)【公表日】2017年2月16日
(86)【国際出願番号】EP2015050117
(87)【国際公開番号】WO2015104268
(87)【国際公開日】20150716
【審査請求日】2018年1月5日
(31)【優先権主張番号】1450096
(32)【優先日】2014年1月7日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515291203
【氏名又は名称】オートテック エンジニアリング エス.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カーズ, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ガタール, グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ルロワ, エマニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ニース, マチュー
(72)【発明者】
【氏名】バレッリ, ヴァンサン
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−030339(JP,A)
【文献】 特開2005−329789(JP,A)
【文献】 特開2008−149914(JP,A)
【文献】 特開2014−113893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 47/01
B21D 22/02
B21D 53/88
B62D 21/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車アンダーボディの金属レール(100)であって、多角形若しくは曲線形の断面を有するワンピースの管、又はいくつかの部品から組み立てた管のグループから選択された構造を備え、さらに、少なくとも1つの面に、屈曲時に変形し、屈曲角度が閾値を超える場合に接触可能となる少なくとも2つのボスを形成するように構成され、2つの隣接するボスの対向面の少なくとも一部が当接し合うことで構造部品の屈曲が限定されるようにするプレート(162)を備え
当初は平らな前記プレート(162)は、屈曲エリア(102)の両側のプレート両端(163、164)において、金属レール(100)に固定され、前記プレートの中央(168)は前記屈曲エリア(102)の高さで金属レールに固定され、屈曲時には、前記プレート(162)が変形して中央の固定手段(168)と2つの側面固定手段(163、164)との間にそれぞれ位置する2つのふくらみ(170、172)として前記ボスを生成し、前記ふくらみ(170、172)の最上部が当接し合う、金属レール。
【請求項2】
前記ボスが、金属レール(100)の内面に形成される、請求項に記載の金属レール。
【請求項3】
前記ボスが、金属レールの2つの対向する内面に設けられる、請求項に記載の金属レール。
【請求項4】
前記屈曲が限定されるようにする手段が、折り畳み要素を含み、折り畳み要素は例えばプリフォームされたリブの形態である、請求項1からの何れか一項に記載の金属レール。
【請求項5】
前記ボスの少なくとも1つが、その最上部に、屈曲時に、隣接するボスの補完的最上部を受容する構造(1504)を有する、請求項1からの何れか一項に記載の金属レール。
【請求項6】
屈曲されるべきエリア(102)の高さにおいて、金属部品の本体よりも機械抵抗の低い少なくとも1つのエリアを備えることを特徴とする、請求項1からの何れか一項に記載の金属レール。
【請求項7】
角管でできている、請求項1からの何れか一項に記載の金属レール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属骨格の生産、特に車台、アンダボディ、車体構造、車体の生産で使用する金属部品の分野に関する。
【0002】
以下において、用語「車台」、「アンダボディ」の使用に限定的な意味はない。
【背景技術】
【0003】
金属骨格の生産に使用する金属部品として、激しい衝撃の際に変形して衝撃エネルギーを吸収することで、衝撃エネルギーを車両内部に封じ込めるようにしたものが、これまで幾つも提案されてきている。
【0004】
特に、屈曲によって変形可能な部品であるレールなどが提案されている。
【0005】
これに関し、非限定的な例として図1に、バンパー構造20と車体構造要素30との間に載置された2つのレール10、12について、衝撃前の作動状態の様子を示し、図2には、この2つのレール10、12が激しい衝撃により屈曲した様子を示す。
【0006】
更に、非常に異なる用途で部品の変形を制御すべく、多くのシステムが提案されてきた。
【0007】
しかしながら、これまで提案されてきたシステムは、ほとんどが複雑かつ高価であり、満足できる信頼性を得られないので、自動車のアンダボディの設計に実装することができない。
【0008】
このため、文献EP0369521では、軸の周りに等間隔配置した4つのロッドの組でハンドルを支持する構造が提案されている。この種の構造はサイズや複雑さのために、自動車のアンダボディに組み付けることはできない。
【0009】
最近では、非変形型の剛性エリアと低剛性エリアとの交代構造体となし、低剛性エリアは周りの剛性エリアから圧力を受けると変形するようにした構造体が提案されており、例えば、JP2006−200703及びEP2094555などにある。特にこの構造体は、少なくとも2つの非変形型の剛性エリアと、両剛性エリア間に挟まれて剛性エリアからの圧力で変形する低剛性エリアを含む少なくとも3つの要素を有する。この場合も、交代構造体の複雑性や、コストや、低剛性エリアの変形に関する信頼性の不足のため、解決策である交代構造体を自動車のアンダボディの生産には適用することができない。
【発明の概要】
【0010】
曲げ荷重がかかる部品の場合、屈曲角度が大きすぎると破損の危険性がある。この点に配慮して、本発明の目的は、この種の破損リスクを低減する手段を提供することにある。
【0011】
本目的を実現すべく、本発明に係る構造部品は、多角形若しくは曲線形の断面を有するワンピースの管(例えば、角管)、又はいくつかの部品から組み立てた管のいずれかのグループから選択された構造を備え、さらに、少なくとも1つの面に、構造部品の屈曲時に少なくとも2つのボスを形成させる手段であって、少なくとも2つのボスは屈曲すると接触し、この2つの隣接するボスの対向面の少なくとも一部が当接することで構造部品の屈曲が限定されるようにした、手段を備える構造部品で実現される。
【0012】
以下の説明から明らかなように、本発明は、自動車のアンダボディ部品(特にレール)の生産を可能にするものである。すなわち、アンダボディ部品の屈曲時に、例えば、衝撃によって部品に軸圧力がかかるような場合に、前記ボスが所定の屈曲角度から接触し合うようになって、ボスによってエネルギーを吸収し、同時に部品の屈曲を制限することになる。また、本発明によれば、荷重の伝達が可能になり、屈曲の圧縮機構が適切に動作可能となるとともに、下流に配置されたアンダボディのローカルな構成要素の玉継ぎ手についても適切な動作を確保することができる。
【0013】
一実施形態において、自動車生産用の金属ビームとなる部品は、少なくとも1つの面に少なくとも2つのボスのプリフォームを備える。この少なくとも2つのボスのプリフォームは、例えば、金属ビームの長さにわたって分散された一連のボスであって、ボスの間には制御面間隙(control section gaps)が画定されて、2つの隣接するボスの対向面の少なくとも一部同士が当接し合うことで、金属ビームの屈曲が限定されるように構成される。
【0014】
本発明の有利な特徴として、ボスは、その間に制御面間隙を画定し、その断面積はボスの最上部に向かって増大する。
【0015】
本発明の別の実施形態において、部品は、屈曲時に変形するように構成した手段を備え、これにより、屈曲角度が所定の閾値を超えると接触し合う可能性が高くなる少なくとも2つのボスが形成される。
【0016】
本発明の他の特徴、目的及び利点は、以下の詳細な説明及び、非限定的な例として提示した添付図面から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】前述したが、衝撃前の屈曲レールの例を概略的に示す。
図2】前述したが、衝撃後の屈曲レールの例を概略的に示す。
図3】屈曲前の本発明によるボスが提供された部品を概略的に示す。
図4】屈曲後の同一部品を示し、ゆえに図2の参照エリアIVの拡大図を図示する。
図5】本発明に係るボスの斜視図を示す。
図6】本発明に係るボス間に形成された間隙について部品の長さに沿って断面積が可変である変形例を概略的に示す。
図7】ボスの幅が部品の長さに沿って変動するようにした、本発明に係る別の実施形態を概略的に示す。
図8】本発明に係る実施形態を示す。
図9】2つのボスが部品の1つの面をスタンピングすることによって形成される実施形態を示す。
図10】屈曲直後の図9に示された部品の斜視図を示しており、スタンピングによって形成された2つのボスの当接による屈曲の限定を示す。
図11図9に図示された部品の前面図を示す。
図12】12aが屈曲前の本発明の別の実施形態による部品の斜視図を示すのに対し、図12bは、屈曲前のこの部品の上面図を示す。
図13】屈曲前の本発明の別の実施形態に係る部品の斜視図を示す。
図14】屈曲後の本発明の別の実施形態に係る部品の斜視図を示す。
図15】屈曲前の図14による部品の上面図を示す。
図16図15による部品の上面図を示す。
図17】屈曲後の図15又は図16による部品の上面図を示す。
図18】屈曲後の図12又は図13による部品の上面図を示す。
図19】屈曲前の、制御された機械特性を有するエリアを有する図15による部品の上面図を示す。
図20】屈曲後の図19の部品の上面図を示す。
図21】屈曲前の図5による部品の上面図を示す。
図22】屈曲後の図21の部品を示す。
図23】本発明に係る部品の断面図を示し、部品の内面にボスを有する可能性を図示している。
図24】本発明に係る部品の断面図を示し、部品の内面にボスを有する可能性を図示している。
図25】本発明に係る部品の断面図を示し、部品の内面にボスを有する可能性を図示している。
図26】屈曲前の図9の部品の上面図を示す。
図27】屈曲後の図26の部品の上面図を示す。
図28】屈曲に作用するよう意図されたエリアの高さにおいて、制御された機械抵抗エリアを有する図26の実施形態を示す。
図29】屈曲後の図28の部品の上面図を示す。
図30】屈曲前の、スタンピングによって形成されたボスが部品の内面に形成される図9の部品の変形例の断面図を示す。
図31】屈曲後の図30の部品を示す。
図32】制御された抵抗エリアを有する図30の部品に類似の部品を示す。
図33】屈曲後の図32の部品を示す。
図34】ボスが非対称である実施形態の変形例を示す。
図35図34の部品の斜視図を示す。
図36】ボスが部品の外面に形成された縦溝の底に形成されている、図35の実施形態の変形例を示す。
図37】本発明の様々な実施形態に係る部品の断面図を示す。
図38】本発明の様々な実施形態に係る部品の断面図を示す。
図39】本発明の様々な実施形態に係る部品の断面図を示す。
図40】本発明の様々な実施形態に係る部品の断面図を示す。
図41】本発明の様々な実施形態に係る部品の断面図を示す。
図42】本発明の様々な実施形態に係る部品の断面図を示す。
図43】屈曲前の、ボスの実施態様の変形例に係る部品の断面図を示す。
図44】屈曲後の図43の部品を示す。
図45】屈曲前の図43の実施形態を示す。
図46】屈曲後の図45の部品を示す。
図47】いったん屈曲が起こると、3つの軸X、Y及びZのブロッキングを保証するようにした、本発明の実施形態に係る部品の屈曲前の斜視図を示す。
図48】屈曲後の図47の部品の上面図を示す。
図49図48の別の斜視図を示す。
図50】屈曲前の本発明の別の実施形態の斜視図を示す。
図51】屈曲前の図50の部品の上面図を示す。
図52】屈曲後の図51の部品の上面図を示す。
【0018】
図3に、本発明に係る金属ビームの例示的実施形態を示す。
【0019】
図3に示す金属ビーム100は、金属ビームの長さに沿って分布し、間に間隙159を画定する一連の事前に形成されたボス150をビーム内面110の1つに備える管によって形成される。
【0020】
図3及び図4の比較検査では、2つの隣接するボス150の側面152、154が図4に示されるように接触するとき、長さに対する横軸についての構造部品100の屈曲角度が限定されることが分かる。
【0021】
適切な場合、2つの隣接するボス150の間に形成された前述の間隙159は、2つの隣接するボス50がそれらの最高の高さで当接するとき、屈曲が限定されるように、断面を長方形にすることができる。
【0022】
しかしながら、好ましくは、本発明に係る添付図面に示されたように、ボス150は、ボスの最上部に向かって増大する断面の二面体形状の間隙159をボスの間に画定し、この結果、2つの隣接するボス150が対向面152及び154の実質的にすべてにおいて当接する。
【0023】
添付された図4に概略的に示されるように、ボス150は、ビーム100の外面ではなく、ビーム100の内面に形成されるため、ビームは、外側粗片を有していない。この配置は、本発明の実施形態の変形例すべてに当てはまる。
【0024】
好ましくは、ボス150は、互いに平行かつ湾曲の軸に平行なすべての直線母線によって画定される。
【0025】
ボスを画定するこれらの直線母線は、好ましくは、部品の延長線の縦軸又は主軸に直交する。したがって、ボス150は、部品の延長線の縦軸又は主軸に対して横方向に延びる。
【0026】
この場合、ボス150は、ボスの幅全体に沿って一定の断面を有し、部品は、前述の軸に対する直交面で部品自体を変形することによって、湾曲の前述の軸周囲で屈曲する。
【0027】
しかしながら、3次元での部品の屈曲を与えることが望まれる場合、即ち、屈曲される部品の正中面に直交しない軸について屈曲を与えることが望まれる場合、ボスがその幅にわたって可変断面を有するように、その側壁が互いに平行な直線母線によって画定されるボス150を提供することができる。
【0028】
図3から図5に示された実施形態の場合、いずれのボスも、等脚台形形状の等しい断面を有する(ベース151と最上面153が互いで平行であり、側壁152、154は高さが同じで、隣接するベース151とのなす角度が相等し)。ベース151は、部品100の内面に隣接している。上面153は、ベース151に平行である。側壁152及び154は、台形の側面を形成する。この場合、間隙159もすべて等しいとして、曲率半径は一定になる。
【0029】
一方、図6に示すように、間隙159の断面が可変のものや、図7に示すように、可変断面のボス150の断面が可変なものの場合には、部品100のエリアの想定長に応じて変化する曲率半径が画定されることとなる。この場合、各ボス150は、等脚台形断面であっても角度は相異なればよく、あるいは、台形断面であって、ベース151とのなす角度が等しくないものであってもよい。
【0030】
明らかに図6図7に示す配置を組み合わせることができる。即ち、可変断面の間隙159と可変断面のボス150とを組み合わせることができる。
【0031】
ボス150は、例えば、機械加工によって形成されるなど、部品100で一体化され得る。ボス150は、ビーム100に加えられる部品から形成することができる。
【0032】
ボス150はまた、図9に示されるように、部品100のスタンピングによって形成することができる。実際、図9に示すものでは、2つのボス150がスタンピングによって作られていて、部品100の屈曲が閾値に達すると対向面152、154が図10に示すように接触することがみてとれる。
【0033】
本発明による特定かつ非限定的実施形態によれば、ボス150は、平らな上面153、及びボスのベース151に対して40°から80°までの角度、好ましくは約60°の角度で傾斜した側壁152、154を有する。
【0034】
添付された図8では、本発明による実施形態が示されており、2つのボス150が、部品のエリアの高さで固定されており、この場合、不測の破損を防止するために、湾曲の制御、即ち、曲率半径を限定することが特に望ましい。したがって、図8を考慮すれば、当業者は、本発明を部品の限定エリアに適用することができると理解するだろう。
【0035】
更に、図8に示される実施形態によれば、2つのボス150が部品100上に形成された縦リブ90に基づくことが分かるだろう。用語「縦」は、リブ90が部品100の延長線の縦軸又は主軸に平行に延びることを意味している。リブ90は、例えば、部品100の本体に連結した2つの側面92、94、及び側面92、94を互いに連結する最上部96から形成され、部品100の本体の正中面に平行に延びる。側面92、94は、部品100の本体に全体的に非平行である。好ましくは、側面92、94は、それらの間に、例えば、それらの間で45°から90°まで、典型的には約80°の角度で傾斜する、部品100の本体に向かった凹面の二面体、を形成する。
【0036】
当業者は、そのような縦リブ90の存在により、延長線の縦軸又は主軸に垂直な軸周囲で曲げ荷重に対して部品を硬化させることができると理解するだろう。
【0037】
そのような縦リブ90の存在は、部品100の全長にわたり又はその長さの一部のみについて、本発明のすべての実施形態に適用することができる。リブ90に関連する剛性は、剛性を制御する際に、例えば、側面92、94の厚さ及び高さを制御する際に容易に適合することができる。
【0038】
例えば、ボス150は、ボスを部品100にはんだ付けすることによって、スタンピングされ取り付けられた鋼部品の形態で作ることができる。
【0039】
図12図13及び図14では、本発明による3つの実施形態が示されており、2つのボス150が手段160、この場合、例えば、金属製のプレート162により形成されており、屈曲すると変形し、したがって屈曲角度が閾値を超える場合、接触可能な少なくとも2つのボス150を形成するように適合されている。
【0040】
図12に示された実施形態によれば、プレート162は、屈曲エリア102の両側においてその端163、164それぞれでビーム100に固定されており、プレート162の中央に、例えば、外に向かって凸の二面体形状のリブ165を有している。注目すべき屈曲中に、リブ165をプレート162の2つの端部に連結するリブ165の足部は当接し、屈曲を限定する。
【0041】
図13に示された実施形態によれば、屈曲エリア102の両側の端163、164それぞれでビーム100に固定されたプレート162は、最初は平らであるが、屈曲エリアの両側にそれぞれ配置された互いに平行に折り畳みを開始する2つの要素166、167を有している。注目すべき屈曲中に、部品162は、変形して、2つの要素166と167との間にふくらみを生成し、この2つの要素166、167は、言及されたふくらみをプレート162の端の2つの部分に連結させる当該ふくらみの両側が当接し、屈曲を限定するように、折り畳みを開始する。
【0042】
図14に示された実施形態によれば、プレート162は、最初は平らであり、屈曲エリア102の両側においてプレートの端163、164それぞれで、かつ屈曲エリアの高さにおいてプレートの中央168で、ビーム100に固定される。図14に示されたように、注目すべき屈曲が行われると、部品162が変形し、中央固定手段168と2つの側面固定手段163、164との間に2つのふくらみ170、172がそれぞれ生成され、その結果、当該ふくらみ170、172の最上部が当接し、屈曲を限定する。
【0043】
屈曲前の図14による部品の上面図を示す図15は、特に、ビーム上でのプレート162の溶接点163、164、1630を示している。
【0044】
図15の実施形態の変形例による部品の上面図を示す図16は、同一の溶接点を示し、中央固定手段1630と側面固定手段163及び164との間に作られたリブ165a及び165bとして形成された折り畳み開始要素を示す。リブ165a及び165bは、直線的かつ所望の屈曲軸に平行であり得る。
【0045】
図17は、図15又は図16の部品において屈曲した後の上面図を示したもので、ボスの最上部間で画定される連携によって屈曲が限定されている。
【0046】
図18は、屈曲後の図12又は図13の部品において、屈曲した後の上面図を示したもので、ふくらみの足部間で画定される連携によって屈曲が限定されている。
【0047】
図15による部品の上面図を示す図19は、特に、屈曲前の制御された機械特性を有するエリア102を示しており、当該エリア102は、以下でより詳しく説明されることになる。
【0048】
図20は、屈曲後の図19の部品の上面図を示しており、屈曲可能なエリア102の衝撃を図示する。
【0049】
図21は、屈曲前の図5による部品の上面図を示しており、ボスを有する事前に形成された部品のビームへの溶接を介した固定の可能性を図示する。
【0050】
図22は、屈曲後の図21の部品を示す。
【0051】
図23図24及び図25は、本発明による部品の断面図を示しており、屈曲限定の手段を部品の内面に配置する可能性を図示する。図23によれば、屈曲限定手段は、2つの開始要素165a及び165bを有する図16に類似のプレートによって形成される。図24によれば、屈曲限定手段は、図8及び図21の手段に類似する。図25は、特に、屈曲限定手段を制御された機械特性を有するエリア102と組み合わせる可能性を図示する。
【0052】
屈曲前後の部品をそれぞれ示す図28及び図29は、特に、図26及び図27に示された屈曲限定手段とともに、屈曲への作用が意図されたエリアの高さにおいて、エリア102と制御された機械抵抗とを組み合わせる可能性を示す。
【0053】
同様に、屈曲前後の部品をそれぞれ示す図32及び図33は、特に、図30及び図31に示された屈曲限定手段とともに、屈曲への作用が意図されたエリアの高さにおいて、エリア102と制御された機械抵抗とを組み合わせる可能性を示す。
【0054】
図34は、ボスが非対称であり、ボスの1つが一般的に三角形の右側断面を有しているのに対し、隣接するボスが一般的に長方形の断面を有している、実施形態の変形例の部品を示す。
【0055】
図35は、図34の部品の斜視図を示しており、ゆえに図39に示されたビームの部品の底でのスタンピングによって形成されたボスを図示する。
【0056】
図36は、図35の実施形態の変形例を示し、その中で、ボスは、図39に示された部品の、部品底の外面に形成された縦溝の底に形成されている。
【0057】
明らかに、手段160は、屈曲中に変形するよう適合された、他の実施形態の対象でもあり得、屈曲角度が閾値を超える場合に接触可能な少なくとも2つのボスが形成される。
【0058】
別の有利な特性によれば、本発明による細長金属部品は、屈曲目的のエリア102の高さで当該金属部品の本体よりも低い機械抵抗の制御された特性を有する少なくとも1つのエリアを備える。部品の本体よりも低い制御された機械抵抗特性を有するエリア102の存在を本発明の実施形態全てに適用することができる。
【0059】
好ましくは、この低機械抵抗のエリア102は、オーステナイト変態温度を上回る温度まで金属面(metal flan)を加熱し、次にそのように加熱された金属面を制御された冷却回路及びローカルな加熱システムを有するスタンピングツールに整形し、更に局部焼入を通して、変更された機械特性を取得できることを含む方法に従って作られる。
【0060】
図11図19図20図28図29図32及び図33では、低機械抵抗エリア102がハッチングされる。
【0061】
事前に画定された低抵抗のエリア102が存在することによって、屈曲場所を制御し、ボスに基づき限定手段の効果を保証することができる。
【0062】
前述のように、ビーム100は、任意の多角形又は湾曲断面の一体的な一片の管、例えば、図37に示されるような正方形断面の管、又は図38から図41に示されるようないくつかの部品のアセンブリによって形成される管であり得るが、これらに限定されない。
【0063】
図38では、ビーム100は、ヘッドトゥーテイル装着型の2つの対称な部品130、140を組み立てることによって形成されており、その部品の各々は、部品底132及び142とともにU字型を形成する2つの横方向の壁133、134及び143、144によって構成された部品底132、142によって形成されており、当該壁が、部品底132、142に対向する自由端で、外に向けられ部品底132、142に一般的に平行な2つのフランジ135、136及び145、146によって、延長されている。2つの部品130と140は、例えば、溶接によって、隣接するそれらのフランジ135と136及び145と146それぞれによって固定される。
【0064】
図39では、ビーム100が、2つの部品130、120を組み合わせることによって形成される。部品130は、部品底132と共にU字型を形成する2つの横方向の壁133、134によって組み立てられた部品底132を有しており、当該横方向の壁133、134は、外に向かって方向付けられ、部品底132に一般的に平行な2つのフランジ135、136によって部品底132に対向する自由端で延在している。部品120は、一般的に平らなカバーを形成するが、その中央部分に、部品130を覆い、フランジ135、136に続くリブを含み得る。2つの部品120及び130は、例えば、溶接によって、フランジ135、136で固定される。
【0065】
図40では、ビーム100が、2つの部品120と130との間に2つの直交する主要隔壁1200と1210、1300と1310を有している、互いに対して一般的に対称な2つの部品120、130を組み立てることによって、形成され、それらそれぞれのうちの一方が直交するフィン1220、1320によって延長されている。フィン1220及び1320は隔壁1300及び1200に隣接しており、当該隔壁1200と1210、1300と1310は、正方形断面の中央壁を一体的に画定する。
【0066】
図41は、隔壁1300の1つが凹部1332によって連結されたフィン1330を有し、フィン1220に隣接したフィン1330が正方形断面の中央壁の幅の半分に位置するように、2つの部品120、130が対称でない図40の実施形態を示す。
【0067】
図42は、例えば、図39に示されるように、ボスを部品の壁133又は134に配置する可能性を図示する。
【0068】
明らかに、本発明は、上記の実施形態を限定するものではなく、本発明の範囲内のすべての変形例に及ぶものである。
【0069】
図43は、屈曲前の、ボスの実施態様の変形例による、部品の概略図を示す。この場合、それぞれの側壁の1つが、ビームの対向する内面でそれぞれ、屈曲するとすぐに接触できるように、2つのボスが、互いにずらされつつ、実質的に対向した状態で提供される。
【0070】
図44は、屈曲後の図43の部品を示し、そのように画定されたボスの間の連携を図示する。
【0071】
図45は、屈曲前の図43の実施形態の変形例を示しており、ビームの内面に2つのボス、及びビームの対向する内面に第3のボスであって、最初に述べられた2つのボスの間に画定された対向する第3のボスが存在する。
【0072】
図46は、屈曲後の図45の部品を示す。
【0073】
図47は、本発明の実施形態に係る部品の屈曲前の斜視図を示すものであって、いったん屈曲が起こると、3つの軸X、Y、Zの閉塞を保証するように構成されている。この場合、X軸についてビームの屈曲の際に当接及び係合するように適合された2つのボス150が提供され、その2つのボスは、それぞれの直交軸Y及びZに沿った任意の移動を防止するために、屈曲するとすぐにX軸に沿って互いに適合可能である形態フィッティング構造を有している。例えば、上記形態フィッティング構造は、ボスのうちの1つに軸Xに対して横方向に向けられたリブ1500、及び対向するボスに補完的溝1502を有し得る。明らかに、形態フィッティング構造の多くの構成を考慮することができる。
【0074】
図48は、屈曲後の図47の部品の上面図を示す。
【0075】
図49は、屈曲後の図48の別の斜視図を示す。
【0076】
図50及び図51は、屈曲前の本発明の別の実施形態の斜視図を示し、ボス150の1つは、図52に示されたように、屈曲するとすぐに、隣接するボスの補完的凸状の最上部を受容するように適合された凹状の凹部1504をその最上部に有している。
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