(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
枠材と、表裏両面の表面材とで囲まれた内部空間の少なくとも一部に充填材が充填された建材用パネルにおいて、前記充填材は、前記表裏両面の前記表面材の面強度を補強するため補強材と、防音性及び/又は防火性を有するウール材と、を含んで構成されており、前記補強材は、複数個のピース状のコア材であるピースコア材を含んで構成されており、
前記複数個のピースコア材は、すべて同じ形状、寸法を有しており、
前記表裏両面の前記表面材のうちの一方の前記表面材には、前記ピースコア材の配置位置を示すマーク部が設けられており、
前記複数個のピースコア材は、第1補強材であり、前記内部空間には、第2補強材も充填されており、この第2補強材は、パネル立設状態における前記内部空間の左右方向中央部に配置されていて、上下方向に延びる長寸の棒状部材である1本の中力骨であり、
前記マーク部は第1マーク部であり、前記一方の前記表面材には、前記中力骨の配置位置を示す第2マーク部と、前記ウール材の外周部の配置位置を示す第3マーク部と、が設けられており、
前記内部空間には、作動機構が収納されているボックス部が設けられており、
パネル立設状態における前記内部空間の前記中力骨で仕切られた左右の空間のうち、前記ボックス部の高さ位置よりも上方と下方における左右の空間のそれぞれには、複数個の前記ピースコア材が同数ずつ左右方向に並んで配置されており、前記ボックス部の高さ位置と同じ又は略同じ高さ位置の左右の空間のうち、前記ボックス部が設けられている側の空間には、前記ボックス部の高さ位置よりも上方と下方における左右の前記空間にそれぞれ配置されている前記ピースコア材の個数よりも少ない数の前記ピースコア材が配置され、前記ボックス部の高さ位置と同じ又は略同じ高さ位置の左右の空間のうち、前記ボックス部が設けられている側とは反対側の空間には、前記ボックス部の高さ位置よりも上方と下方における左右の前記空間にそれぞれ配置されている前記ピースコア材の前記個数と同数の前記ピースコア材が左右方向に並んで配置されており、
前記内部空間のうち、複数個の前記ピースコア材及び前記中力骨が充填されている部分と、前記ボックス部が設けられている部分を除く空間には、前記ウール材が左右方向に並んで充填されていることを特徴とする建材用パネル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に示されているような建材パネルでは、3本の中力骨を所定の間隔で表面材に取り付ける(固定する)作業が面倒であり、このため、建材パネルの加工費が高いものとなる。また、特許文献2に示されているような建材パネルでは、2本のコア材がハニカム構造となっており、このため、建材パネルの材料費が高いものなる。
【0007】
このため、建材パネルの製造コスト(加工費や材料費)を低減するための工夫が求められている。
【0008】
本発明の目的は、製造コストが低減できるようになる建材用パネルを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る建材用パネルは、枠材と、表裏両面の表面材とで囲まれた内部空間の少なくとも一部に充填材が充填された建材用パネルにおいて、前記充填材は、前記表裏両面の前記表面材の面強度を補強するため補強材を含んで構成されており、この補強材は、複数個のピース状のコア材であるピースコア材を含んで構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明では、上述したように、枠材と、表裏両面の表面材とで囲まれた内部空間の少なくとも一部に充填された充填材は、表裏両面の表面材の面強度を補強するため補強材を含んで構成されており、この補強材は、複数個のピース状(言い換えると、小片状)のコア材であるピースコア材を含んで構成されている。
【0011】
すなわち、本発明では、枠材と、表裏両面の表面材とで囲まれた内部空間の少なくとも一部に充填された補強材は、前述したように加工費の高い中力骨や材料費の高いハニカム構造のコア材で構成されるものではなく、大量生産が容易で、しかも、取り付け作業が簡単な複数個のピースコア材を含んで構成されている。
【0012】
このため、本発明によると、充填材を構成する補強材を、従来のように加工費の高い中力骨や材料費の高いハニカム構造のコア材で構成した場合と比較して、建材用パネルの製造コストを低減できるようになる。
【0013】
本発明において、それぞれのピースコア材の形式、構造は任意なものでよく、その一例として、内部空間に充填された状態でのそれぞれのピースコア材における表面材の厚さ方向(言い換えると、建材用パネルの厚さ方向)の両端部が、この厚さ方向から見た正面視で前記厚さ方向と直交又は略直交する方向に互いに角度をなして延出する少なくとも2つの成分を有する形状を有しているものを挙げることができる。
【0014】
ピースコア材は、建材用パネルの表裏両面を形成する2枚の表面材のうちの少なくとも一方の表面材に固定されることになるが、ピースコア材を表面材に固定するために、表裏両面のうちの一方の面を形成する表面材を平置きにし、この平置きした表面材にピースコア材を載置固定する作業を行うことになる。
【0015】
ピースコア材が上述した例の形状を有している場合には、平置きした表面材の上に仮置きしたピースコア材が倒れることがないため、平置きした表面材にピースコア材を載置固定する作業を容易に行うことができるようになる。
【0016】
また、ピースコア材が上述した例の形状を有していることにより、表面材に対してこの表面材の厚さ方向への外力が加わったとき、表面材の外力に対する面強度が十分に確保されるようになる。
【0017】
ここで、「内部空間に充填された状態でのそれぞれのピースコア材における表面材の厚さ方向の両端部が、この厚さ方向から見た正面視で前記厚さ方向と直交又は略直交する方向に互いに角度をなして延出する少なくとも2つの成分を有する形状」とは、具体的には、上記正面視で、例えば、放射状(例えば、十字形状又は略十字形状、X字形状又は略X字形状等)、コ字状又は略コ字状、V字状又は略V字状、C字状又は略C字状、環状(言い換えると、リング状)(例えば、円環状又は略円環状、三角環状又は略三角環状、四角環状又は略四角環状、五角環状又は略五角環状等)、円形状又は略円形状、多角形状(例えば、三角形状又は略三角形状、四角形状又は略四角形状、五角形状又は略五角形状等)等である。
【0018】
本発明において、上述した「内部空間に充填された状態でのそれぞれのピースコア材における表面材の厚さ方向の両端部が、この厚さ方向から見た正面視で前記厚さ方向と直交又は略直交する方向に互いに角度をなして延出する少なくとも2つの成分を有する形状」を有するピースコア材は、板材で形成されていてもよく、いなくてもよい。
【0019】
前者の場合には、ピースコア材は、例えば、板材の折り曲げにより形成されていてもよく、複数の板材の組み合せにより形成されていてもよい。また、後者の場合には、ピースコア材は、例えば、引き抜き成形品でもよく、押し出し成形品でもよく、射出成形品でもよく、金属製である場合には、鋳造品でもよく、鍛造品でもよい。
【0020】
前述したように、内部空間に充填された状態でのそれぞれのピースコア材における表面材の厚さ方向の両端部が、この厚さ方向から見た正面視で前記厚さ方向と直交又は略直交する方向に互いに角度をなして延出する少なくとも2つの成分を有する形状を有するものである場合であって、上述したように、ピースコア材が板材で形成されている場合において、ピースコア材の前記正面視の形状は、例えば、前述したように、十字状又は略十字状となっていてもよく、コ字状又は略コ字状となっていてもよく、C字状又は略C字状となっていてもよく、V字状又は略V字状等となっていてもよい。
【0021】
なお、ピースコア材が板材で形成されている場合であって、ピースコア材の前記正面視の形状が、上述したように、十字状又は略十字状となっている場合には、このピースコア材は、複数のピース部材の組み合せによって形成されるものであってもよく、なくてもよい。
【0022】
前者の場合において、ピースコア材は、例えば、ピースコア材における表面材の厚さ方向の両端部のうちの一方の端部となる部分から切り込まれた切り込み部が設けられている板状の第1ピース部材と、前記両端部のうちの他方の端部となる部分から切り込まれた切り込み部が設けられている板状の第2ピース部材との組み合わせにより形成され、前記第1ピース部材の前記切り込み部と、前記第2ピース部材の前記切り込み部とを噛み合わせることにより、前記第1ピース部材と前記第2ピース部材とが互いに直交又は略直交して結合されているものとしてもよい。
【0023】
この例では、第1ピース部材と第2ピース部材を同じ形状、構造とすることができ、すなわち、第2ピース部材は、第1ピース部材を上下逆にしたものとすることができ、このため、ピースコア材の大量生産が容易となり、それだけ、建材用パネルの製造コストの低減化を図ることができる。
【0024】
なお、ピースコア材が板材で形成されている場合であって、ピースコア材の前記正面視の形状が、上述したように、コ字状又は略コ字状、あるいはC字状又は略C字状、あるいはV字状又は略V字状等となっている場合には、建材用パネルの立設状態におけるそれぞれのピースコア材は、前記正面視で上向きに開口した姿勢で前記内部空間に充填されていてもよく、いなくてもよい。
【0025】
火災が発生した場合には、立設された状態の建材用パネルが熱せられることにより、表面材で囲まれた内部空間を熱気が上昇することになるが、立設された状態におけるそれぞれのピースコア材が、前記正面視で下向きに開口した姿勢で内部空間に充填されるものとなっている場合には、熱気がそれぞれのピースコア材に充満し、建材用パネルが熱変形するおそれが大きくなる。
【0026】
このため、建材用パネルの立設状態におけるそれぞれのピースコア材は、前記正面視で上向きに開口した姿勢で内部空間に充填されることが好ましい。
【0027】
また、前述したように、内部空間に充填された状態でのそれぞれのピースコア材における表面材の厚さ方向の両端部が、この厚さ方向から見た正面視で前記厚さ方向と直交又は略直交する方向に互いに角度をなして延出する少なくとも2つの成分を有する形状を有するものである場合であって、ピースコア材が板材で形成されている場合において、表面材の厚さ方向が、内部空間に充填された状態でのそれぞれのピースコア材の幅方向となっており、それぞれのピースコア材の幅寸法が、表裏両面の表面材の間隔と同じ又は略同じとなっている場合には、内部空間に充填された状態におけるそれぞれのピースコア材のうち、表裏両面の表面材の間を塞ぐ又は略塞ぐ部分には、貫通孔が形成されていてもよく、いなくてもよい。
【0028】
前述したように、火災が発生した場合には、立設された状態の建材用パネルが熱せられることにより、表面材で囲まれた内部空間を熱気が上昇することになるが、この熱気が、内部空間に充填された状態におけるそれぞれのピースコア材のうち、表裏両面の表面材の間を塞ぐ又は略塞ぐ部分に遮られ、建材用パネルが熱変形するおそれが大きくなる。
【0029】
上記部分に貫通孔が形成されている場合には、上昇した熱気はこの貫通孔を通過することになり、これにより、上昇した熱気がピースコア材に充満することを防止することができる。このため、内部空間に充填された状態におけるそれぞれのピースコア材のうち、表裏両面の表面材の間を塞ぐ又は略塞ぐ部分には、貫通孔が形成されていることが好ましい。
【0030】
なお、本発明において、前述したように、内部空間に充填された状態でのそれぞれのピースコア材における表面材の厚さ方向の両端部が、この厚さ方向から見た正面視で前記厚さ方向と直交又は略直交する方向に互いに角度をなして延出する少なくとも2つの成分を有する形状を有するものである場合であって、ピースコア材が板材で形成されていない場合には、このピースコア材の形状は、例えば、短寸の筒型形状(例えば、円筒形状又は略円筒形状、三角筒形状又は略三角筒形状、四角筒形状又は略四角筒形状、五角筒形状又は略五角筒形状等)、短寸の柱状(例えば、円柱状又は略円柱状、角柱形状(例えば、三角柱状又は略三角柱状、四角柱状又は略四角柱状、五角柱状又は略五角柱状等)等である。
【0031】
以上の本発明において、前記内部空間のうち、前記補強材が充填されている部分を除く空間の少なくとも一部には、防音性及び/又は防火性を有するウール材や、防音性及び/又は防火性を有する無機系材料を発泡させた不燃性発泡材等が充填されていてもよく、いなくてもよい。
【0032】
前者の場合は、建材用パネルが、防音性及び/又は防火性が要求されるものである場合、言い換えると、建材用パネルが、防音性及び/又は防火性が求められる構造物の箇所に配置されるものである場合となる。
【0033】
前者の場合のように、ウール材や不燃性発泡材が充填されることにより、製造された建材用パネルの防音性(遮音性)、防火性、断熱性等が確保されるようになる。
【0034】
なお、「ウール材」には、グラスウールやロックウール等が含まれる。また、上述した「無機系材料」とは、全く有機材料を含まない意味ではなく、多少の有機材料が含まれていてもよい。
【0035】
なお、上述した「構造物」とは、建物を含み、また、地下街、自動車、電車車両、船舶等をも含む。
【0036】
以上の本発明において、前記ピースコア材は、第1補強材とすると、前記内部空間には、第2補強材も充填されるようにし、この第2補強材は、前記ピースコア材よりも長さ寸法が大きい長寸の棒状部材となっていてもよい。
【0037】
ここで、長寸の棒状部材の形式、構造は任意なものでよく、例えば、板材の折り曲げで形成されている棒状のチャンネル材でもよく、中空の棒状部材でもよく、ハニカム構造の棒状部材等でもよい。
【0038】
なお、前記ピースコア材を第1充填材とすると、前記ウール材は第2充填材となり、上記棒状部材は第3充填材となる。
【0039】
以上の本発明において、前記内部空間に充填された状態におけるそれぞれのピースコア材の表面材の厚さ方向の両端部のうちの少なくとも一方の端部を、この端部が対面する表面材に固定するようにすればよい。
【0040】
ここで、固定とは、例えば、接着(例えば、接着剤や両面テープ等)によるものでもよく、溶着(例えば、プラグ溶接)によるものでもよく、嵌着によるものでもよく、係着によるもの等でもよい。
【0041】
なお、本発明において、枠材と、表裏両面の表面材とで囲まれた内部空間において、複数個のピースコア材が充填される箇所(言い換えると、部分)は、前記内部空間に前述したウール材及び/又は第2補強材が充填される場合を除いて、任意な箇所でよい。
【0042】
例えば、複数個のピースコア材は、前記内部空間のうち、表面材の幅方向中央部又は略中央部又はその近傍であって、表面材の長さ方向中央部又は略中央部又はその近傍と対応する空間に多く充填されていてもよく、いなくてもよい。
【0043】
言い換えると、複数個のピースコア材は、前記内部空間のうち、建材用パネルの重心部分又はその近傍と対応する空間に充填されていてもよく、いなくてもよい。
【0044】
前者の場合によると、後者の場合と比較して、火災が発生した場合において、建材用パネルが大きく熱変形することを防止することができる。
【0045】
以上説明した本発明は、任意な建材用パネルに適用することができ、その一例は玄関ドアであり、他の例は、防音ドアや防火ドア等を含む室内ドアであり、これらの他に本発明は、間仕切りパネル、外壁パネル、シャッター装置のシャッターカーテン用パネル(例えば、オーバーヘッドドアや防煙垂れ壁等)等にも適用できる。また、これらは建物に設置されるものでもよく、上述したように、地下街、自動車、電車車両、船舶等の建物以外の構造物に設置されるものでもよい。
【発明の効果】
【0046】
本発明によると、建材用パネルの製造コストを低減できるようになるという効果を得られる。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る建材用パネルである玄関ドアが適用された玄関ドア装置の全体が示されている。この玄関ドア装置は、玄関ドア1と、このドア1により開閉される玄関出入口である開口部2を内側に形成しているドア枠3と、このドア枠3にドア1を取り付けている蝶番4とが主要部材となって構成されており、本実施形態では、蝶番4の個数は上下に3個あり、これらの蝶番4を中心にドア1は回動自在となっていて、ドア1により開口部2は開閉される。
【0049】
本実施形態に係るドア枠3は、左右の縦枠5,6と、上枠7と、沓摺り8とからなる四方枠であり、ドア1は、蝶番4により縦枠6に取り付けられている。蝶番4は、ドア1側の羽根板4Aと、ドア枠3側の羽根板4Bと、これらの羽根板4A,4Bの基部同士を回動自在に連結し、上下方向が軸方向となっている図示されないピンとからなり、このピンは、本実施形態では、
図1で示されているドア1の室外側に配置されている。
【0050】
図2には、製造工程の途中のドア1の構造の斜視図が示されている。このドア1の構造材は、左右両端に配設され、上下方向に延びる縦力骨10,11と、これらの縦力骨10,11の上下に配設され、横方向に延びる横力骨12,13と、これらの横力骨12,13の間に縦力骨10,11と平行に配置された中力骨14とであり、ドア1の補強材となっているこれらの力骨10〜14は、チャンネル材を所定長さ寸法に切断することにより形成されている。このため、力骨11は、幅方向がドア1の厚さ方向となっているウェブ15と、このウェブ15の幅方向両端から同じ方向に延びている一対のフランジ16,17とからなっており、他の力骨10,12,13,14についても同様である。
【0051】
また、
図2に示されているように、ドア1の内部空間にはボックス部18が設けられ、このボックス部18の内部に、
図1で示されているドアノブ19や施錠装置20によって作動するラッチボルトやデッドボルトの作動機構が収納されている。
【0052】
ドア1の室内側及び室外側の表面は、それぞれ板状となっている
図2及び
図3で示されている室内側表面材21と室外側表面材22で形成され、表裏両面のこれらの表面材21,22は、それぞれの力骨10〜14のフランジ16,17に溶接や接着剤等により結合されている。なお、この
図2で示されている状態では、表面材21は、それぞれの力骨10〜14のフランジ16,17に溶接や接着剤等により結合される前であるため、2点鎖線で示されている。
【0053】
このため、ドア1の力骨10〜13及び表面材21,22は、ドア1の少なくとも一部の外面を形成しているドア外面形成部材にもなっており、そして、縦力骨11のウェブ15は、ドア1における蝶番4側の木口面を形成している。また、縦力骨11のフランジ17は、ウェブ15に対して直角又は略直角に屈曲している縦力骨11の屈曲部である。
【0054】
図1で示されている蝶番4のドア1側の羽根板4Aと,ドア枠3側の羽根板4Bのうち、ドア1側の羽根板4Aは、ドア1の左右の構造材となっている一対の縦力骨10,11のうち、蝶番4側の構造材である縦力骨11のウェブ15の内側に取り付けられてドア1の内部空間9に配置された図示しない裏板に結合され、ドア枠3側の羽根板4Bは、ドア枠3におけるドア1を吊る側の吊り元構成部材となっている縦枠6に内側に取り付けられてドア枠3の内部に配置された図示しない裏板に結合されている。
【0055】
図2に示されているように、縦力骨11のウェブ15には開口部2が形成されており、ドア1の内外を連通させているこの開口部2は、上下3個の蝶番4の配設位置に応じて3個設けられている。上下3個の蝶番4は、3個の開口部2と対応する位置に配置された上記裏板に結合される。
【0056】
このように、
図2に示されているドア1の製造工程の途中においては、枠材である力骨10〜13と、表裏両面の表面材21,22とで囲まれるドア1の内部空間9には、前述したようにチャンネル材で形成された棒状部材である1本の中力骨14が収納されており、この中力骨1は、ドア1の内部空間9に充填される充填材となっているとともに、ドア1の補強材になっている。
【0057】
図3は、
図2に示されているドア1の製造工程の続きのドア構造を示す
図2と同様の図であり、また、
図4は、
図3で示されているドア1の平面図である。なお、この
図3で示されている表面材21は、
図2で示されているときと同様に、それぞれの力骨10〜14のフランジ16,17に溶接や接着材等により結合される前であるため、2点鎖線で示されている。なお、
図4では、表面材21の表示は省略されている。なお、
図4は、製造後に立設されたときのドア1の正面(表面材21の表示は省略)を示す図でもある。
【0058】
図3及び
図4から分かるように、枠材である力骨10〜13と、表裏両面の表面材21,22とで囲まれるドア1の内部空間9のうち、中力骨14が充填されている部分を除く空間には、複数個のピース状のコア材であるピースコア材30と、防音性及び防火性を有する複数個のグラスウール31とが、ドア1の上下方向に充填されるようになっている。
【0059】
図5は、
図3及び
図4で示されているピースコア材30の拡大斜視図である。中力骨14と同様に本実施形態における補強材となっているピースコア材30は、硬質材料である金属等の板材で形成されており、内部空間9に充填された状態でのピースコア材30における表面材21,22の厚さ方向(
図3や
図5では上下方向)の両端部(上端部(言い換えると、上面部)と下端部(言い換えると、下面部))は、
図5からも分かるように、この厚さ方向から見た正面視で略十字状となっている。
【0060】
このピースコア材30は、2枚の板材の組み合せにより形成されるものであり、
図6には、
図3及び
図4で示されているピースコア材30の分解斜視図が示されている。
【0061】
図5に示すピースコア材30は、
図6に示されているように、板状の第1ピース部材32と、板状の第2ピース部材33との組み合わせにより形成されている。
【0062】
第1ピース部材32には、
図3に示すドア1の内部空間9に充填された状態でのピースコア材30における表面材21,22の厚さ方向(
図3では上下方向)の両端部30A,30Bのうちの一方の端部30Bとなる部分32A(言い換えると、下面部32A)から切り込まれた切り込み部32Bが設けられている。一方、板状の第2ピース部材33には、ピースコア材30の上記両端部30A,30Bのうちの他方の端部30Aとなる部分33A(言い換えると、上面部33A)から切り込まれた切り込み部33Bが設けられている。
【0063】
図6に示されているように、第1ピース部材32の切り込み部32Bと、第2ピース部材33の切り込み部33Bとを噛み合わせることにより、第1ピース部材32と第2ピース部材33とが互いに直交又は略直交して結合され、
図5に示すピースコア材30が形成されることになる。
【0064】
第1ピース部材32と第2ピース部材33は、共に同じ形状、寸法を有しており、このため、
図6に示されている第2ピース部材33は、
図6に示されている第1ピース部材32を上下逆にしたものとなっている。
【0065】
このように、ピースコア材30は、大量生産が容易な2枚の板材であるピース部材32,33を組み合せることにより形成されるものとなっている。
【0066】
なお、本実施形態では、
図2や
図3で示されている表裏両面の表面材21,22の厚さ方向は、内部空間9に充填された状態でのそれぞれのピースコア材30の幅方向(言い換えると、上下方向(
図5では高さ方向))となっており、それぞれのピースコア材30の幅寸法(
図5で示されている長さL1)は、表裏両面の表面材21,22の間隔(
図2や
図3で示されている長さL2)と同じ又は略同じとなっている。言い換えると、それぞれのピースコア材30の幅寸法L1は、力骨11のウェブ15の幅寸法L2(他の力骨10、12〜14のウェブの幅寸法も同様)と同じ又は略同じとなっている。
【0067】
なお、ドア1の内部空間9に充填される全部のピースコア材30は、第1ピース部材32と第2ピース部材33との組み合わせにより形成されている。
【0068】
なお、それぞれのグラスウール31の厚さ寸法は、表裏両面の表面材21,22の間隔(
図2や
図3で示されている長さL2)と同じ又は略同じとなっている。
【0069】
以上説明したように、本実施形態では、枠材である力骨10〜13と、表裏両面の表面材21,22とで囲まれたドア1の内部空間9には、複数個のピースコア材30と、チャンネル材で形成された棒状部材である1本の中力骨14と、複数個のグラスウール31と、ボックス部18と、が収納されており、複数個のピースコア材30と、1本の中力骨14と、複数個のグラスウール31は、ドア1の充填材となっている。また、複数個のピースコア材30と、1本の中力骨14は、前述した力骨10〜13とともに、表面材21,22の面強度を補強するための補強材を構成するものであり、複数個のピースコア材30は第1補強材であり、ピースコア材30よりも長さ寸法が大きい長寸の棒状部材である1本の中力骨14は第2補強材となっている。
【0070】
このように、ドア1の充填材は、表裏両面の表面材21,22の面強度を補強するため補強材を含んで構成されている。
【0071】
なお、本実施形態では、ドア1の内部空間9に充填された状態におけるそれぞれのピースコア材30の表面材21,22の厚さ方向の両端部30A,30Bのうちの少なくとも一方の端部が、この端部が対面する表面材21,22に結合(言い換えると、固定)されるようなっている。
【0072】
これと同様に、ドア1の内部空間9に充填された状態におけるそれぞれのグラスウール31の表面材21,22の厚さ方向の両端部(言い換えると、上面部と下面部(底面部))のうちの少なくとも一方の端部が、この端部が対面する表面材21,22に結合されるようなっている。
【0073】
また、本実施形態では、ドア1の内部空間9に充填された状態でのそれぞれのピースコア材30における表面材21,22の厚さ方向の両端部30A,30Bは、この厚さ方向から見た正面視で前記厚さ方向と直交又は略直交する方向に互いに角度をなして延出する少なくとも2つの成分を有する形状、すなわち、前述したように、十字形又は略十字形を有している。
【0074】
次に、工場等でドア1を製造する(言い換えると、組み立てる)ための作業手順、言い換えると、ドア1の製造方法について説明する。
【0075】
なお、ピースコア材30は、第1ピース部材32と第2ピース部材33同士を前述したように結合させた完成品を予め必要数用意しておく。
【0076】
まず、
図2に示すように平置きした表面材22の各辺部に、前述した補強材である力骨10〜13を溶接(例えば、プラグ溶接)や接着剤(両面テープでもよい。)等で結合する。
【0077】
この後、これらの力骨10〜13と、表裏両面の表面材21,22とで囲まれることになるドア1の内部空間9に、充填材であって補強材である1本の中力骨14を溶接(例えば、プラグ溶接)や接着剤(両面テープでもよい。)等で結合する。
【0078】
また、このとき、
図1で示されているドアノブ19や施錠装置20によって作動するラッチボルトやデッドボルトの作動機構が収納されている前述のボックス部18を溶接や接着剤(両面テープでもよい。)等で表面材22に結合する作業を行う。
【0079】
この後、縦力骨11のウェブ15の3個の開口部23のそれぞれの周縁部に、ドア1側の羽根板4Aが結合される前述の図示しない裏板を溶接や接着剤(両面テープでもよい。)等で結合する作業を行う。
【0080】
次に、枠材である力骨10〜13と、表裏両面の表面材21,22とで囲まれることになるドア1の
図2に示す内部空間9のうち、中力骨14とボックス部18を避けた部分に、
図3や
図4で示されているように、複数個のグラスウール31と複数個のピースコア材30を交互に充填していく作業を行う。この充填作業のうち、それぞれのピースコア材30の充填作業については、
図5に示す下端部30Bに接着剤を塗布あるいは両面テープを貼付したそれぞれのピースコア材30を、平置きした表面材22の上に載置することにより行い、それぞれのグラスウール31の充填作業については、下面(底面)に接着剤を塗布あるいは両面テープを貼付したそれぞれのグラスウール31を、平置きした表面材22の上に載置することにより行う。
【0081】
これにより、複数個のグラスウール31と複数個のピースコア材30は、表面材22の上に固定されることになる。
【0082】
この後、残りの表面材21を、
図3に示す平置きした表面材22の上に結合した力骨10〜14の上面に、溶接や接着剤(両面テープでもよい。)等で結合する作業を行う。なお、このとき、それぞれのピースコア材30及び/又はそれぞれのグラスウール31も、表面材21に溶接や接着剤(両面テープでもよい。)等で結合するようにしてもよい。
【0083】
すなわち、内部空間9に充填された状態におけるそれぞれのピースコア材30の表面材21,22の厚さ方向の両端部30A,30Bのうちの両方の端部30A,30Aを、この端部30A,30Bが対面する表面材21,22に結合するようにしてもよい。これと同様に、内部空間9に充填された状態におけるそれぞれのグラスウール31の表面材21,22の厚さ方向の両端部(言い換えると、上面部と下面部)のうちの両方の端部を、この端部が対面する表面材21,22に結合するようにしてもよい。
【0084】
最後に、ドア1にドアノブ19や施錠装置20を取り付ける作業を行う。
【0085】
以上で、ドア1の製造作業が終了する。
【0086】
以上説明したように、本実施形態では、枠材である力骨10〜13と、表裏両面の表面材21,22とで囲まれたドア1の内部空間9には、表面材21,22の面強度を補強するため補強材を含んで構成される充填材が充填されており、内部空間9に充填されている補強材は、チャンネル材で形成された棒状部材である1本の中力骨14と、複数個のピースコア材30とで構成されている。
【0087】
前述したように、従来では、枠材と、表裏両面の表面材とで囲まれた内部空間の少なくとも一部に充填された補強材は、加工費の高い中力骨や材料費の高いハニカム構造のコア材のみで構成されるものであった。
【0088】
しかし、本実施形態では、主たる補強材は、大量生産が容易で、しかも、取り付け作業(言い換えると、結合作業)が簡単な複数個のピースコア材30となっている。
【0089】
このため、本実施形態によると、建材用パネルであるドア1の充填材を構成する補強材を、従来のように加工費の高い中力骨や材料費の高いハニカム構造のコア材のみで構成した場合と比較して、ドア1の製造コストを低減できるようになる。
【0090】
また、本実施形態では、それぞれのピースコア材30は、内部空間9に充填された状態でのそれぞれのピースコア材30における表面材21,22の厚さ方向の両端部30A,30B(
図5参照)が、この厚さ方向から見た正面視で十字形又は略十字形、すなわち、前記正面視で前記厚さ方向と直交又は略直交する方向に互いに角度をなして延出する少なくとも2つの成分を有する形状(言い換えると、屈曲した屈曲部を有する形状)を有している。
【0091】
それぞれのピースコア材30が上述した十字形又は略十字形の形状を有していることにより、表面材21,22に対してこの表面材21,22の厚さ方向への外力が加わったとき、表面材21,22の外力に対する面強度が十分に確保されるようになる。
【0092】
また、平置きした表面材22の上にそれぞれのピースコア材30を結合(言い換えると、載置固定)する作業を行うにあたって、この平置きした表面材22の上にそれぞれのピースコア材30を仮置きする場合には、それぞれのピースコア材30が上述した十字形又は略十字形の形状を有していることにより、仮置きしたそれぞれのピースコア材30が倒れることがないため、平置きした表面材22の上にそれぞれのピースコア材30を結合する作業を容易に行うことができるようになる。
【0093】
また、本実施形態では、内部空間9のうち、中力骨14及びピースコア材30が充填されている部分と、ボックス部18が収納されている部分を除く空間の少なくとも一部には、防音性及び/又は防火性を有するウール材であるグラスウール31が充填されている。
【0094】
このため、本実施形態によると、製造されたドア1の防音性(遮音性)、防火性、断熱性等が確保されるようになる。
【0095】
なお、
図3及び
図4から分かるように、ドア1が構造物に設置された状態で、すなわち、ドア1が立設された状態で、このドア1の内部空間9に充填されたピースコア材30が、このピースコア材30が結合された表面材21,22から脱落(言い換えると、自然落下)しても、このピースコア材30は、グラスウール31に載置されることになる。
【0096】
これにより、ピースコア材30が内部空間9で脱落した場合でも、表面材21,22に対してこの表面材21,22の厚さ方向への外力が加わったとき、表面材21,22の外力に対する面強度が十分に確保されるようになる。すなわち、ドア1の表裏面の外力に対する面強度の低下を避けられる。
【0097】
図7は、ピースコア材が前記正面視で略コ字状となっている実施形態のドア1を示す
図4と同様の図であり、
図8は、
図7で示されているピースコア材の斜視図である。なお、以下で説明する各実施形態が示されている各図において、
図1〜
図6に示されている実施形態と同じ部材、装置、部位等には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0098】
図7及び
図8から分かるように、板材の折り曲げにより形成されている本実施形態に係るピースコア材40は、底部40Aと、この底部40Aの長さ方向の両端部から立ち上がった左右の立上り部40B、言い換えると、この底部40Aの長さ方向の両端部から直角に延びる延出部40Bとで構成されている。
【0099】
それぞれのピースコア材40の幅寸法(
図8で示されている長さL3)は、前述のピースコア材30と同様に、表裏両面の表面材21,22の間隔(
図2や
図3で示されている長さL2)と同じ又は略同じとなっている。言い換えると、それぞれのピースコア材30の幅寸法L3は、力骨11のウェブ15の幅寸法L2(他の力骨10、12〜14のウェブの幅寸法も同様)と同じ又は略同じとなっている。
【0100】
なお、本実施形態においても、ドア1の内部空間9に充填された状態におけるそれぞれのピースコア材40の表面材21,22の厚さ方向の
図8に示す両端部40C,40Dのうちの少なくとも一方の端部が、この端部が対面する表面材21,22に結合されるようなっている。
【0101】
本実施形態では、
図7で示されているように、ドア1の立設状態におけるそれぞれのピースコア材40は、前記正面視で下向きに開口した姿勢で内部空間9に充填されるようになっている。
【0102】
前述したように、火災が発生した場合には、立設された状態のドア1が熱せられることにより、ドア1の内部空間9を熱気が上昇することになるが、本実施形態では、上昇した熱気がそれぞれのピースコア材40に充満し、ドア1が熱変形するおそれが大きくなる。
【0103】
図9は、
図7で示されているピースコア材40に貫通孔40Eを形成した実施形態の斜視図である。
【0104】
この実施形態では、ピースコア材40の底部40Aに複数個(
図9の例では、2個)の貫通孔40Eが形成されている。なお、ピースコア材40の底部40Aは、内部空間9に充填された状態におけるそれぞれのピースコア材40のうち、表裏両面の表面材21,22の間を塞ぐ又は略塞ぐ部分となっている。なお、左右の立上り部40Bも、内部空間9に充填された状態におけるそれぞれのピースコア材40のうち、表裏両面の表面材21,22の間を塞ぐ又は略塞ぐ部分となっている。
【0105】
これにより、
図7から分かるように、火災の発生によりドア1の内部空間9を上昇した熱気は、それぞれのピースコア材40の底部40Aに形成された貫通孔40Eを通過することになるため、それぞれのピースコア材40に充満するのを避けられる。
【0106】
なお、前述した
図1〜
図6で示されている実施形態のピースコア材30にも貫通孔を形成するようにしてもよい。
【0107】
図10は、
図7で示されている(すなわち、ドア1の立設状態における)ピースコア材40を、前記正面視で上向きに開口した姿勢で充填した実施形態の玄関ドアを示す
図4と同様の図である。
【0108】
本実施形態では、
図9の実施形態のようにピースコア材40に貫通孔40Eを形成しなくても、火災の発生によりドア1の内部空間9を上昇した熱気が、それぞれのピースコア材40に充満するのを避けられる。
【0109】
図11は、ピースコア材が前記正面視で略V字状となっている実施形態のドア1を示す
図4と同様の図である。
【0110】
本実施形態では、
図11で示されているように、ドア1の立設状態におけるそれぞれのピースコア材50は、前記正面視で上向きに開口した姿勢、すなわち、前記正面視でV字形の姿勢で内部空間9に充填されるようになっている。
【0111】
このため、
図9の実施形態のように、ピースコア材50に貫通孔を形成する必要は必ずしもない。
【0112】
しかし、ドア1の立設状態におけるそれぞれのピースコア材50を、前記正面視で下向きに開口した姿勢、すなわち、正面視で逆V字形(言い換えると、ラムダ字形)の姿勢で内部空間9に充填する場合には、
図9の実施形態のように、ピースコア材50に貫通孔を形成することが好ましい。
【0113】
なお、それぞれのピースコア材50の幅寸法は、表裏両面の表面材21,22の間隔(
図2や
図3で示されている長さL2)と同じ又は略同じとなっている。
【0114】
図12は、ドア1の内部空間9に充填する補強材として、前述した各実施形態のように中力骨14は使用せず、前記正面視で略十字状となっている複数個のピースコア材60のみを使用した実施形態を示す
図4と同様の図である。
【0115】
この
図12で示されているように、本実施形態は、前述した
図1〜
図6の実施形態のピースコア材30よりも小さい複数個のピースコア材60を、ドア1の内部空間9に略十字状に並べて充填するとともに、これらのピースコア材を、ドア1の内部空間9のうち、表面材21,22の幅方向中央部又は略中央部又はその近傍であって、表面材21,22の長さ方向中央部又は略中央部又はその近傍と対応する空間に多く充填されている。
【0116】
本実施形態において、複数個のピースコア材60をドア1の内部空間9の上述した中央部又は略中央部又はその近傍に多く充填したのは、火災が発生した場合において、ドア1が大きく熱変形するおそれがあるのは、ドア1の中央部又は略中央部又はその近傍だからである。
【0117】
なお、この実施形態によると、以上説明した他の実施形態のように、1本の中力骨14を充填するのを不要とできるという効果も得られる。
【0118】
なお、本実施形態では、ドア1の内部空間9には、形状、寸法の大きいグラスウール61が4個配置されるものであったが、形状、寸法のより小さいグラスウールが多数配置されるものとしてもよい。
【0119】
なお、それぞれのピースコア材60の幅寸法は、表裏両面の表面材21,22の間隔(
図2や
図3で示されている長さL2)と同じ又は略同じとなっており、それぞれのグラスウール61の厚さ寸法は、表裏両面の表面材21,22の間隔(
図2や
図3で示されている長さL2)と同じ又は略同じとなっている。
【0120】
なお、それぞれのピースコア材60にも貫通孔を形成するようにしてもよい。
【0121】
図13は、
図1〜
図6で示されている実施形態において、表裏両面の表面材21,22のうちの一方の表面材22に、第1補強材であるピースコア材30、第2補強材である中力骨14及びウール材であるグラスウール31の配置位置を示すマーク部22A,14A,22Bを設けた実施形態を示す
図4と同様の図である。
【0122】
この実施形態によると、表面材22の上に、ピースコア材30、中力骨14及びグラスウール31を結合する作業を効率的行えるようになる。
【0123】
これらのマーク部14A,22A,22Bは、表面材22をけがきすることにより形成されるものであってもよく、インク、塗料等で形成されるものであってもよい。
【0124】
なお、本実施形態では、マーク部14A,22A,22Bは、点線で表わされるものであったが、マーク部14A,22A,22Bは、実線で表わされるものでもよい。また、マーク部14A,22A,22Bは、共に同じ形式のもの(言い換えると、同じ種類のマーク)であったが、それぞれ異なる形式のもの(言い換えると、異なる種類のマーク)としてもよい。
【0125】
図14は、ドア1の内部空間9に、第2補強材である2本の前述の中力骨14をドア1の左右方向(横方向)に離間して配置(言い換えると、充填)するとともに、前記正面視で略十字状となっているピースコア材70とグラスウール71を充填した実施形態を示す
図4と同様の図である。
【0126】
本実施形態では、ドア1の内部空間9に配置される中力骨14の本数は、前述した各実施形態における本数よりも1本多いが、それでも、中力骨の本数は、前述した従来のドアの内部空間に配置される中力骨の本数と比較して、より少なくものとなっており、それだけ、ドア1の製造コストが低減できるようになっている。
【0127】
なお、本実施形態に係るそれぞれのピースコア材70の形状、構造は、上述したように、
図1〜
図6の実施形態のピースコア材30と同様に、前記正面視で略十字状となっているが、それぞれのピースコア材70の寸法は、ピースコア材30よりも大きい寸法を有している。このため、ドア1の内部空間9に充填されているピースコア材70の個数は、
図1〜
図6の実施形態のピースコア材30の個数と比較して、より少ないものとなっている。
【0128】
なお、それぞれのピースコア材70も、
図1〜
図6の実施形態のピースコア材30と同様に、板状の第1及び第2ピース部材の組み合せで形成されている。
【0129】
また、本実施形態においても、それぞれのピースコア材70の幅寸法は、表裏両面の表面材21,22の間隔(
図2や
図3で示されている長さL2)と同じ又は略同じとなっている。
【0130】
なお、それぞれのピースコア材70にも貫通孔を形成するようにしてもよい。
【0131】
なお、本実施形態に係るそれぞれのグラスウール71は、
図1〜
図6の実施形態のグラスウール31よりも小さい形状、寸法を有しているが、それぞれのグラスウール71の厚さ寸法は、表裏両面の表面材21,22の間隔(
図2や
図3で示されている長さL2)と同じ又は略同じとなっている。
【0132】
なお、以上説明した各実施形態において、ドア1の内部空間9のうち、ピースコア材の周囲は、グラスウールが存在しない部分となっていたが、ピースコア材の周囲にはグラスウールが充填されるようにしてもよい。
【0133】
また、以上説明した各実施形態において、防音性及び/又は防火性を有する充填材であるウール材は、グラスウールであったが、ロックウールでもよい。また、防音性及び/又は防火性を有する充填材は、無機系材料を発泡させた不燃性発泡材等でもよい。
【0134】
なお、以上説明した各実施形態において、力骨10〜14が表面材21,22に溶接(例えば、プラグ溶接)により固定される(言い換えると、溶着される)ものである場合には、この固定(溶着)作業の後、溶接により表面材21,22に生じた溶接痕をサンダー等で消す作業が行われる。
【0135】
なお、以上説明した各実施形態において、中力骨14は、板材の折り曲げで形成されている棒状のチャンネル材であったが、中空の棒状部材や、ハニカム構造の棒状部材等でもよい。
【0136】
なお、以上説明した各実施形態において、ドア1が防火性を有する必要がない場合には、力骨10〜14やピースコア材は、表面材21,22に接着剤(両面テープでもよい。)により接着(固定)するようにしてもよい。