特許第6600545号(P6600545)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6600545制御装置、機械システム、制御方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6600545
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】制御装置、機械システム、制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   B66C 13/00 20060101AFI20191021BHJP
   B66C 13/18 20060101ALI20191021BHJP
【FI】
   B66C13/00 D
   B66C13/18
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-240905(P2015-240905)
(22)【出願日】2015年12月10日
(65)【公開番号】特開2017-105595(P2017-105595A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2018年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000165974
【氏名又は名称】古河機械金属株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】506002823
【氏名又は名称】古河ユニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】三田 一登
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊彦
【審査官】 羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−042880(JP,A)
【文献】 特開2014−043327(JP,A)
【文献】 特開2010−241548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/00−15/06
B66C 23/00−23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に移動可能な移動部を制御する制御装置であって、
作業員を含む画像を解析し、前記移動部が向く方向と前記作業員が向く方向との相対的な関係を検出する画像解析部と、
前記作業員を基準にした相対的な方向により、前記移動部を所定の方向に移動させる指示入力を受付ける指示受付部と、
前記画像解析部が検出した前記相対的な関係に基づき、前記指示受付部が受付けた方向を、前記移動部を基準にした方向に変換する変換部と、
前記変換部による変換結果に基づき、前記移動部を所定の方向に移動させる制御信号を出力する制御部と、
を有し、
前記移動部は、伸縮動作、起伏動作及び旋回動作が可能なブームの所定部分であり、前記移動部が向く方向は前記ブームの伸長方向に基づき定められる制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置において、
前記画像解析部は、上方から前記作業員を含むように撮影した前記画像を解析する制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の制御装置において
記画像解析部は、前記ブームに取り付けられたカメラが前記作業員を含むように前記作業員の上方から撮影した前記画像を解析する制御装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の制御装置において、
前記画像解析部は、前記作業員が被るヘルメットに付された所定のマークを前記画像内から抽出し、前記マークの向く方向に基づき、前記作業員が向く方向を特定する制御装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置と、
伸縮動作、起伏動作及び旋回動作が可能なブームを備える機械装置と、
を有する機械システム。
【請求項6】
水平方向に移動可能な移動部を制御する制御装置が、
作業員を含む画像を解析し、前記移動部が向く方向と前記作業員が向く方向との相対的な関係を検出する画像解析ステップと、
前記作業員を基準にした相対的な方向により、前記移動部を所定の方向に移動させる指示入力を受付ける指示受付ステップと、
前記画像解析ステップで検出した前記相対的な関係に基づき、前記指示受付ステップで受付けた方向を、前記移動部を基準にした方向に変換する変換ステップと、
前記変換ステップによる変換結果に基づき、前記移動部を所定の方向に移動させる制御信号を出力する制御ステップと、
を実行し、
前記移動部は、伸縮動作、起伏動作及び旋回動作が可能なブームの所定部分であり、前記移動部が向く方向は前記ブームの伸長方向に基づき定められる制御方法。
【請求項7】
水平方向に移動可能な移動部を制御する制御装置を、
作業員を含む画像を解析し、前記移動部が向く方向と前記作業員が向く方向との相対的な関係を検出する画像解析手段、
前記作業員を基準にした相対的な方向により、前記移動部を所定の方向に移動させる指示入力を受付ける指示受付手段、
前記画像解析手段が検出した前記相対的な関係に基づき、前記指示受付手段が受付けた方向を、前記移動部を基準にした方向に変換する変換手段、
前記変換手段による変換結果に基づき、前記移動部を所定の方向に移動させる制御信号を出力する制御手段、
として機能させ
前記移動部は、伸縮動作、起伏動作及び旋回動作が可能なブームの所定部分であり、前記移動部が向く方向は前記ブームの伸長方向に基づき定められるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、機械システム、制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に関連する技術が開示されている。特許文献1には、伸縮動作、起伏動作及び旋回動作が可能なクレーンが開示されている。クレーンのオペレータは、クレーンが備える手動レバーや遠隔操作端末等を操作し、クレーンに所望の動作を行わせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−193825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、上述のようなクレーンを利用した作業を検討した結果、以下のような課題を見出した。
【0005】
クレーンを用いた作業の一例として、クレーンで物体を持ち上げ、当該クレーンを動作させることで当該物体を移動させ、そして、当該物体を移動後の所望の位置に配置する作業が考えられる。
【0006】
図1に当該作業のイメージ図を示す。車両40にクレーン30が搭載されている。そして、当該クレーン30が、物体60を持ち上げている。図は、所望の配置位置付近まで物体60を移動した後、かつ、配置前の状態を示す。所望の配置位置付近には、作業員50が存在する。当該物体を所望の位置に配置するため、作業員50は、物体60を地面に下ろす前に位置の微調整を行う。
【0007】
作業員50は、例えば口頭で、物体60を所定の方向に移動させる指示をクレーン30のオペレータ(不図示)に伝える。クレーン30のオペレータは、作業員50からの指示に従いクレーン30を動作させる。これにより、物体60が所望の方向に移動する。例えばこのようにして、物体60の位置の微調整が行われる。
【0008】
このような作業においては、以下のような問題がある。作業員50は、「(自分から見て)右に移動」、「(自分から見て)左に移動」、「(自分から)遠ざける」、「(自分に)近づける」等、自分を基準にした方向(自分から見た方向)で移動方向を伝えるのが容易である。このような指示の場合、クレーン30のオペレータは、作業員50の向く方向を視認した後、視認結果と指示内容とに基づき、物体60を移動させるべき方向を解釈する必要がある。かかる場合、クレーン30のオペレータの負担が大きくなる。また、クレーン30のオペレータが、物体60を移動させる方向を誤って解釈し得る。そして、作業員50の意図する方向とは異なる方向に物体60を移動させてしまう事態が発生し得る。結果、作業効率が悪くなる。
【0009】
なお、作業員50が、クレーン30のオペレータを基準にした方向(クレーン30のオペレータから見た方向)や、クレーン30を基準にした方向で、物体60を移動させる方向を伝える手段も考えられる。しかし、この場合には、作業員50の負担が大きくなる。また、作業員50が誤った方向を伝えてしまい、意図する方向とは異なる方向に移動させてしまう事態が発生し得る。結果、作業効率が悪くなる。
【0010】
同様の問題が、クレーン30以外のその他の機械装置を用いた作業においても発生し得る。
【0011】
本発明は、機械装置を用いた作業の効率を向上させるための技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、
水平方向に移動可能な移動部を制御する制御装置であって、
作業員を含む画像を解析し、前記移動部が向く方向と前記作業員が向く方向との相対的な関係を検出する画像解析部と、
前記作業員を基準にした相対的な方向により、前記移動部を所定の方向に移動させる指示入力を受付ける指示受付部と、
前記画像解析部が検出した前記相対的な関係に基づき、前記指示受付部が受付けた方向を、前記移動部を基準にした方向に変換する変換部と、
前記変換部による変換結果に基づき、前記移動部を所定の方向に移動させる制御信号を出力する制御部と、
を有し、
前記移動部は、伸縮動作、起伏動作及び旋回動作が可能なブームの所定部分であり、前記移動部が向く方向は前記ブームの伸長方向に基づき定められる制御装置が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、上記制御装置と、伸縮動作、起伏動作及び旋回動作が可能なブームを備える機械装置と、を有する機械システムが提供される。
【0014】
また、本発明によれば、
水平方向に移動可能な移動部を制御する制御装置が、
作業員を含む画像を解析し、前記移動部が向く方向と前記作業員が向く方向との相対的な関係を検出する画像解析ステップと、
前記作業員を基準にした相対的な方向により、前記移動部を所定の方向に移動させる指示入力を受付ける指示受付ステップと、
前記画像解析ステップで検出した前記相対的な関係に基づき、前記指示受付ステップで受付けた方向を、前記移動部を基準にした方向に変換する変換ステップと、
前記変換ステップによる変換結果に基づき、前記移動部を所定の方向に移動させる制御信号を出力する制御ステップと、
を実行し、
前記移動部は、伸縮動作、起伏動作及び旋回動作が可能なブームの所定部分であり、前記移動部が向く方向は前記ブームの伸長方向に基づき定められる制御方法が提供される。
【0015】
また、本発明によれば、
水平方向に移動可能な移動部を制御する制御装置を、
作業員を含む画像を解析し、前記移動部が向く方向と前記作業員が向く方向との相対的な関係を検出する画像解析手段、
前記作業員を基準にした相対的な方向により、前記移動部を所定の方向に移動させる指示入力を受付ける指示受付手段、
前記画像解析手段が検出した前記相対的な関係に基づき、前記指示受付手段が受付けた方向を、前記移動部を基準にした方向に変換する変換手段、
前記変換手段による変換結果に基づき、前記移動部を所定の方向に移動させる制御信号を出力する制御手段、
として機能させ
前記移動部は、伸縮動作、起伏動作及び旋回動作が可能なブームの所定部分であり、前記移動部が向く方向は前記ブームの伸長方向に基づき定められるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、機械装置を用いた作業の効率を向上させるための技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】クレーン30を用いた作業の一例を説明するための図である。
図2】本実施形態の装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図3】本実施形態の機械システム1の機能ブロック図の一例である。
図4】本実施形態のクレーン30の一例を示す図である。
図5】本実施形態の制御装置10の機能ブロック図の一例である。
図6】本実施形態のクレーン30とカメラ70との関係の一例を説明するための図である。
図7】本実施形態の画像解析部11が解析するフレーム71の一例を説明するための図である。
図8】本実施形態の画像解析部11が解析するフレーム71の一例を説明するための図である。
図9】本実施形態の変換部13の処理の概念を説明するための図である。
図10】本実施形態の変換部13の処理の概念を説明するための図である。
図11】本実施形態の制御部14の処理の一例を説明するための図である。
図12】本実施形態の機械装置の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、本実施形態の装置(制御装置、移動部)のハードウエア構成の一例について説明する。図2は、本実施形態の装置のハードウエア構成を例示するブロック図である。図2に示すように、装置は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路には、様々なモジュールが含まれる。
【0019】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、センサや遠隔操作端末等の装置と情報の送受信を行うためのインターフェイスなどを含む。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行う。
【0020】
以下、本実施の形態について説明する。なお、以下の実施形態の説明において利用する機能ブロック図は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。これらの図においては、各装置は1つの機器により実現されるよう記載されているが、その実現手段はこれに限定されない。すなわち、物理的に分かれた構成であっても、論理的に分かれた構成であっても構わない。なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0021】
<実施形態>
まず、本実施形態の概要について説明する。本実施形態の機械システムは、移動部と、制御装置とを有する。
【0022】
移動部は、水平方向の移動が可能である。移動部の移動はコンピュータにより制御される。
【0023】
制御装置は、移動部の移動動作を制御する。制御装置は、移動部を所定方向に移動させる指示入力をオペレータから受付ける。そして、制御装置は、オペレータから受付けた指示に従い、移動部を所定方向に移動させる。制御装置は、移動部を用いた作業の効率を向上させるため、以下のような特徴を有する。
【0024】
(1)現場の作業員50を基準にした相対的な方向により、移動部を所定の方向に移動させる指示入力を受付ける。
「現場の作業員50を基準にした相対的な方向」は、例えば、「(作業員50から見て)右方向」、「(作業員50から見て)左方向」、「(作業員50から)遠ざける方向」、「(作業員50に)近づける方向」等が考えられるが、これらに限定されない。
(2)現場の作業員50を所定の方向から撮影した画像を解析し、現場の作業員50が向く方向と移動部が向く方向との相対的な関係を検出する。
(3)検出した上記相対的な関係に基づき、入力された「現場の作業員50を基準にした相対的な方向」を、「移動部を基準にした方向」に変換する。
(4)変換の結果に基づき、移動部を所定方向に移動させる。
【0025】
次に、本実施形態の機械システムの構成について詳細に説明する。図3に、本実施形態の機械システム1の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、機械システム1は、制御装置10と、移動部20とを有する。
【0026】
移動部20は、水平方向の移動が可能である。移動部の移動はコンピュータにより制御される。移動部は、機械装置の一部又は全部である。
【0027】
本実施形態の機械装置は、クレーンである。そして、クレーンのブームのトップが移動部となる。ブームの旋回動作、伸縮動作及び起伏動作を組み合わせることで、ブームのトップを水平方向に移動させることができる。結果、ブームのトップから吊り下げられたフックを介して持ち上げられている物体60を、水平方向に移動させることができる。
【0028】
図4に、クレーン30の一例を示す。図示するように、クレーン30は、左右自在に回転する旋回体の上にコラム32を取り付けている。そして、そのコラム32にブーム34をブームフートピンと起伏シリンダ33で固定している。起伏シリンダ33の伸縮でブーム34の起伏動作を可能としている。また、ブーム34に内蔵されている伸縮シリンダ35を伸縮させることでブーム34を伸縮させることができる。
【0029】
さらに、フック37がワイヤロープ36を用いて吊り下げられている。ブーム34のトップが支点となっている。すなわち、ブーム34のトップからフック37が吊り下げられている。巻き上げ装置でワイヤロープ36を巻き取ったり、巻き戻したりすることで、フック37の位置が上下する。
【0030】
このようなクレーン30の動作を、本体に設置されている手動レバー31や遠隔操作端末(不図示)等を用いて制御することができる。クレーン30は、例えば図1に示すように、トラックなどの車両40に搭載されてもよい。
【0031】
次に、図5に、本実施形態の制御装置10の機能ブロック図の一例を示す。制御装置10は、移動部20の移動動作を制御する。本実施形態の制御装置10は、クレーン30のブーム34の動作(旋回動作、伸縮動作及び起伏動作)を制御する。図示するように、制御装置10は、画像解析部11と、指示受付部12と、変換部13と、制御部14とを有する。
【0032】
画像解析部11は、現場の作業員50を含む画像を解析し、移動部20が向く方向と作業員50が向く方向との相対的な関係を検出する。
【0033】
本実施形態では、クレーン30のブーム34にカメラが取り付けられる。カメラは鉛直下方向を撮影する。このようにすれば、作業員50を上方から撮影できる。カメラは動画像を撮影してもよいし、静止画像を連続的に撮影してもよい。画像解析部11は、当該カメラが撮影した画像(フレーム)を解析する。
【0034】
図6を用いて、クレーン30、カメラ70及び作業員50の関係の一例を説明する。図は、上空から地面を見下ろした様子を示す。当該図では、説明に支障のない範囲で、車両40、クレーン30及びカメラ70等を簡易的に示している。車両40に搭載されたクレーン30が、ブーム34のトップから吊り下げられたフック37(不図示)を介して物体60を持ち上げている。そして、物体60の近くで作業員50が位置調整等の作業をしている。
【0035】
例えば図示するように、ブーム34のトップ(先端付近)やその近辺にカメラ70が取り付けられる。カメラ70は、姿勢調整機構を介してブーム34に取り付けるのが好ましい。姿勢調整機構は、ブーム34の状態(伸縮状態、起伏状態、旋回状態)に関わらず、カメラ70の撮影方向(光軸方向)を略鉛直下向きに保つ。姿勢調整機構は、従来技術に準じて実現できるので、ここでの説明は省略する。
【0036】
カメラ70は、所定の向きでブーム34に取り付けられる。図では、カメラ70は、ブーム34の伸長方向を水平面に投影した方向(以下、「投影伸長方向」という)が上となるように取り付けられている。このようなカメラ70で撮影されたフレーム71の上下左右方向は、図示するようになる。ブーム34の伸長方向は、その状態(伸縮状態、起伏状態、旋回状態)からブーム34を伸長させた時にブーム34のトップが移動する方向である。
【0037】
なお、カメラ70をブーム34に取り付ける向きは、図6を用いて説明したものに限定されない。例えば、ブーム34の投影伸長方向から水平方向にX°(0°<X°<360°)傾いた方向が上となるようにカメラ70が取り付けられてもよい。
【0038】
以上説明したように取り付けられるカメラ70によれば、ブーム34のトップから吊り下げられているフック37を画像に含むように撮影することができる。結果、図6のフレーム71に示すように、フック37(不図示)を介して持ち上げられている物体60や、当該物体60の近くで作業する作業員50を画像に含むように撮影することができる。
【0039】
画像解析部11は、上述のようなカメラ70が撮影した画像を解析し、「作業員50を検出する処理」、「画像内で作業員50が向く方向を検出する処理」、「画像内で作業員50が向く方向と、画像内で移動部20が向く方向との相対的な関係を検出する処理」を実行する。なお、画像解析部11は、全てのフレームに対してこれらの処理を行ってもよいし、所定フレームおきにこれらの処理を行ってもよい。以下、これらの処理を順に説明する。
【0040】
「作業員50を検出する処理」
画像解析部11は、予め、作業員50の外観の特徴を示す特徴量を保持しておく。そして、画像解析部11は、当該特徴量をキーとして画像を検索することで、画像から作業員50を検出する。
【0041】
例えば、作業員50が被るヘルメットの所定位置(鉛直上方向から見て視認できる位置。例えば、ヘルメットの頂上付近。)に所定のマークを付しておく。そして、画像解析部11は、当該マークの特徴量をキーとして画像を検索することで、当該ヘルメットを被った作業員50を検出する。図6に示す例の場合、作業員50は、矢印マークを付されたヘルメットを被っている。なお、作業員50が着用するその他の物に所定のマークを付してもよい。また、矢印マーク以外のマークを付してもよい。
【0042】
「画像内で作業員50が向く方向を検出する処理」
「作業員50が向く方向」は、「作業員50の顔が向く方向」、「作業員50の顔が正対する方向」等と同義である。
【0043】
画像解析部11は、作業員50の外観の特徴に基づき、画像内で作業員50が向く方向を検出する。
【0044】
例えば、画像解析部11は、作業員50が被るヘルメットに付された所定のマークの向く方向に基づき、作業員50が向く方向を検出してもよい。図6に示す例の場合、矢印マークがヘルメットに付されている。当該矢印マークは、ヘルメットが正しく着用された状態において、作業員50の前方(顔が向く方向)を指し示す。当該例の場合、画像解析部11は、矢印マークが指し示す方向を、作業員50が向く方向として検出することができる。
【0045】
画像解析部11は、当該処理の検出結果として、画像内で作業員50が向く方向を出力する。当該向く方向の表し方は設計的事項であるが、例えば、図7に示すように、フレーム71の上方向を0°、右方向を90°、下方向を180°、左方向を270°とした角度情報で表してもよい。
【0046】
図7のフレーム71は、作業員50が着用するヘルメットのみを抽出した状態を示している。当該例の場合、画像解析部11は、「270°」という検出結果を出力する。
【0047】
「画像内で作業員50が向く方向と、画像内で移動部20が向く方向との相対的な関係を検出する処理」
まず、画像内で移動部20が向く方向について説明する。「移動部20が向く方向」は、任意に定義できる。例えば、「ブーム34の投影伸長方向」を、「移動部20(ブーム34のトップ)が向く方向」と定義してもよい。その他、投影伸長方向から水平方向にY°(0°<Y°<360°)傾いた方向を、「移動部20(ブーム34のトップ)が向く方向」と定義してもよい。
【0048】
上述のように、移動部20が向く方向を、ブーム34を基準にした方向で定義した場合、画像内で移動部20が向く方向は、ブーム34に取り付けられたカメラ70の向きに基づき特定できる。
【0049】
ブーム34の投影伸長方向が上となるようにカメラ70が取り付けられている場合、図7に示すフレーム71の上方向が、画像内でのブーム34の投影伸長方向となる。ブーム34の投影伸長方向から水平方向にX°(0°<X°<360°)傾いた方向が上となるようにカメラ70が取り付けられている場合、フレーム71の上方向からX°傾いた方向が、画像内でのブーム34の投影伸長方向となる。
【0050】
このように、画像内でのブーム34の投影伸長方向は、ブーム34に取り付けられたカメラ70の向きに基づき予め特定できる。そして上述のように定義された移動部20が向く方向は、画像内で特定されたブーム34の投影伸長方向に基づき特定できる。
【0051】
画像内で移動部20が向く方向は、画像内で作業員50が向く方向と同様に表すことができる。例えば図7に示すように、フレーム71の上方向を0°、右方向を90°、下方向を180°、左方向を270°とした角度情報で表すことができる。
【0052】
画像解析部11は、予め、画像内で移動部20が向く方向を示す情報を保持している。例えば、オペレータは、ブーム34取り付けられているカメラ70の向きや、移動部20が向く方向の定義等に基づき、画像内で移動部20が向く方向(例:上述のような角度情報)を算出する。そして、オペレータは、算出結果を、画像内で移動部20が向く方向を示す情報として、画像解析部11に登録する。
【0053】
次に、画像内で作業員50が向く方向と、画像内で移動部20が向く方向との相対的な関係を検出する処理について説明する。
【0054】
画像解析部11は、画像解析により画像内で作業員50が向く方向を検出すると、「検出した作業員50が向く方向」と、予め登録されている「画像内で移動部20が向く方向」との相対的な関係を算出する。
【0055】
相対的な関係の表し方は設計的事項であるが、例えば、画像解析部11は、一方の向く方向を基準とし、そこから他方の向く方向までの変位で、相対的な関係を表してもよい。例えば、「画像内で移動部20が向く方向」を基準とし、そこから「画像内で作業員50が向く方向」までの変位により、それらの相対的な関係を示してもよい。変位は、例えば、時計回りの回転角度により表すことができるが、これに限定されない。
【0056】
図7に示す例においては、画像内で移動部20が向く方向(フレーム71の上方向。0°。)から画像内で作業員50が向く方向(フレーム71の左方向。270°。)までの変位は、「270°」と表される。
【0057】
同様に、図8に示す例においては、画像内で移動部20が向く方向(フレーム71の上方向。0°。)から画像内で作業員50が向く方向(フレーム71の左上方向。315°。)までの変位は、「315°」と表される。
【0058】
図5に戻り、指示受付部12は、作業員50を基準にした相対的な方向により、移動部20を所定の方向に移動させる指示入力を受付ける。
【0059】
「作業員50を基準にした相対的な方向」は、例えば、「(作業員50から見て)右方向」、「(作業員50から見て)左方向」、「(作業員50から)遠ざける方向」、「(作業員50に)近づける方向」等が考えられる。ここでは4つのバリエーションを示したが、その他のバリエーションが存在してもよい。また、指示入力のバリエーションの数はその他であってもよい。
【0060】
指示受付部12は、例えば、図4を用いて説明した手動レバー31や遠隔操作端末を介して、上述のような指示入力を受付けることができる。
【0061】
この例の場合、複数の手動レバー31の各々や、遠隔操作端末の複数の操作対象(操作ボタン、操作レバー、タッチパネルディスプレイに表示されたアイコン等)の各々に、上記「作業員50を基準にした相対的な方向のバリエーション」の各々が対応付けられる。各手動レバー31や各操作対象を操作することで、各々に対応した方向(作業員50を基準にした相対的な方向)に移動部20を移動させる指示入力がなされる。
【0062】
例えば、作業員50は、上記指示入力のバリエーションの表現を用いて、移動部20を移動させる方向をクレーン30のオペレータに伝える。クレーン30のオペレータは、作業員50から聞いた内容通りに、指示入力を行う。
【0063】
その他の例として、指示受付部12は、作業員50による指示入力を可能とする入力手段を備えてもよい。物体60の近くで作業する作業員50は、図1に示すように、両手がふさがっている可能性がある。そこで、手での操作なしで、入力を可能とする手段が好ましい。
【0064】
例えば、指示受付部12は、作業員50が発した音声を検出するマイクや、作業員50の体を伝搬する振動(発話内容に応じて変化する振動)を検出する振動センサ等を備えてもよい。そして、指示受付部12は、これらで検出した信号を解析し、解析結果を指示入力として受付けてもよい。当該例の場合、作業員50が上記指示入力のバリエーションを発話すると、それに応じた音声や振動の信号が指示受付部12に入力される。指示受付部12は、入力された信号を解析し、解析結果(上記指示入力のバリエーションのいずれか)を指示入力として受付ける。
【0065】
図5に戻り、変換部13は、画像解析部11が検出した相対的な関係に基づき、指示受付部12が受付けた方向(作業員50を基準にした方向)を、移動部20を基準にした方向に変換する。
【0066】
ここで、当該変換処理の概念を説明する。なお、変換のアルゴリズムは設計的事項である。
【0067】
画像解析部11が検出した相対的な関係により、図9(1)に示すような関係が得られる。図では、移動部20の向く方向と、作業員50の向く方向との相対的な関係を示している。
【0068】
また、指示受付部12が受付けた「作業員50を基準にした相対的な方向(指示入力)」は、図9(2)に示すように、作業員50が向く方向を基準とした情報に変換される。図では、「作業員50を基準にした相対的な方向(指示入力)」として、「(作業員50から)遠ざける方向」、「(作業員50から見て)右方向」、「(作業員50に)近づける方向」及び「(作業員50から見て)左方向」が示されている。
【0069】
図示するように、「作業員50が向く方向」と、「(作業員50から)遠ざける方向」とが一致する。そして、「(作業員50から見て)右方向」は、「作業員50が向く方向」から時計回りに90°回転させた方向となる。「(作業員50に)近づける方向」は、「作業員50が向く方向」から時計回りに180°回転させた方向となる。「(作業員50から見て)左方向」は、「作業員50が向く方向」から時計回りに270°回転させた方向となる。
【0070】
そして、図9(3)に示すように、作業員50の向く方向を基準にすることで、指示受付部12が受付けた指示入力、すなわち作業員50を基準にした相対的な方向と、移動部20の向く方向との相対的な関係が特定される。結果、指示受付部12が受付けた指示入力を、移動部20を基準にした方向に変換できる。図9の例の場合、例えば、以下のように変換される。
【0071】
指示入力が「(作業員50から)遠ざける方向」である場合、当該指示入力は、移動部20の向く方向(例:投影伸長方向)から水平方向に時計回りに270°回転した方向に変換される。
【0072】
指示入力が「(作業員50から見て)右方向」である場合、当該指示入力は、移動部20の向く方向(例:投影伸長方向)に変換される。
【0073】
指示入力が「(作業員50に)近づける方向」である場合、当該指示入力は、移動部20の向く方向(例:投影伸長方向)から水平方向に時計回りに90°回転した方向に変換される。
【0074】
指示入力が「(作業員50から見て)左方向」である場合、当該指示入力は、移動部20の向く方向(例:投影伸長方向)から水平方向に時計回りに180°回転した方向に変換される。
【0075】
図10に、他の例を示す。当該例の場合、以下のように変換される。
【0076】
指示入力が「(作業員50から)遠ざける方向」である場合、当該指示入力は、移動部20の向く方向(例:投影伸長方向)から水平方向に時計回りに315°回転した方向に変換される。
【0077】
指示入力が「(作業員50から見て)右方向」である場合、当該指示入力は、移動部20の向く方向(例:投影伸長方向)から水平方向に時計回りに45°回転した方向に変換される。
【0078】
指示入力が「(作業員50に)近づける方向」である場合、当該指示入力は、移動部20の向く方向(例:投影伸長方向)から水平方向に時計回りに135°回転した方向に変換される。
【0079】
指示入力が「(作業員50から見て)左方向」である場合、当該指示入力は、移動部20の向く方向(例:投影伸長方向)から水平方向に時計回りに225°回転した方向に変換される。
【0080】
図5に戻り、制御部14は、変換部13による変換結果に基づき、移動部20を所定の方向に移動させる制御信号を出力する。変換部13は、移動部20(ブーム34のトップ)を基準にした移動方向(例:投影伸長方向を基準にした移動方向)を、制御部14に入力する。制御部14は、入力された移動方向に移動部20を移動させる制御信号を出力する。結果、移動部20がその移動方向に移動する。
【0081】
以下、制御部14の処理例を説明するが、これに限定されない。
【0082】
例えば、クレーン30の所定位置に設置されたセンサが、ブーム34の長さL、ブーム34の起伏角度θ及びブーム34の旋回角度φを検出する。検出された値は、制御部14に入力される。制御部14は、ブーム34のトップの位置を、ブーム34の長さL、ブーム34の起伏角度θ及びブーム34の旋回角度φを用いて所定の直交座標系で管理する。
【0083】
図11に示すように、ブーム34のトップの座標は、ブーム34の長さL、ブーム34の起伏角度θ及びブーム34の旋回角度φを用いて表すことができる。図示する例は、図1に示すように車両40に搭載されたクレーン30において、旋回中心軸(Z軸)の直下の地面を原点(0、0、0)とし、車両40の幅方向をx軸方向、車両40の長さ方向をy軸方向、車両40の高さ方向をz軸方向とした直交座標系でブーム34のトップの座標(x、y、z)を示している。
【0084】
図示する可変要素は値が可変な要素であり、固定要素は値が固定な要素である。予め、固定要素の値が制御部14に登録されている。なお、直交座標系の設定の仕方(原点位置、軸方向等)は設計的事項であり、ここで例示したものに限定されない。
【0085】
制御部14は、ブーム34のトップの現在の座標点(x1、y1、z1)を管理している。この点(x1、y1、z1)と、点(0、0、z1)とを結ぶベクトルを、これらの点間の距離で割ることで、投影伸長方向の単位ベクトルが求まる。
【0086】
制御部14は、変換部13から、移動部20(ブーム34のトップ)を基準にした移動方向(例:投影伸長方向を基準にした移動方向)の入力を受付けると、上記投影伸長方向の単位ベクトルに基づき、移動方向の単位ベクトルを算出する。その後、移動方向の単位ベクトルに所定の移動量を乗じたベクトルを、現在の座標点(x1、y1、z1)に加えることで、移動後の座標点が求まる。なお、移動量は、予め制御部14に与えられていてもよい。
【0087】
移動後のブーム34のトップの座標点を算出した後、制御部14は、図11に示すブーム34のトップの座標と、ブーム34の長さL、ブーム34の起伏角度θ及びブーム34の旋回角度φとの関係式に基づき、ブーム34のトップを移動後の座標点に位置させるためのブーム34の長さL、ブーム34の起伏角度θ及びブーム34の旋回角度φを算出する。
【0088】
その後、制御部14は、ブーム34の長さL、ブーム34の起伏角度θ及びブーム34の旋回角度φを算出した状態にさせる制御信号を出力する。クレーン30のブーム34の状態(伸縮状態、起伏状態、旋回状態)が、制御信号で示される状態となる。
【0089】
以上説明した本実施形態の制御装置10は、現場の作業員50を基準にした相対的な方向により、移動部20を所定の方向に移動させる指示入力を受付けることができる。このため、クレーン30のオペレータは、現場の作業員50を基準にした相対的な方向を、そのまま、移動部20を移動させる方向として制御装置10に入力することができる。すなわち、クレーン30のオペレータは、現場の作業員50を基準にした相対的な方向を、例えば移動部20や自分を基準にした方向に解釈し直すという面倒な作業を行う必要がない。このため、クレーン30のオペレータの負担が軽減される。また、作業員50が意図する方向と、実際に移動させる方向とが異なるという、不都合が発生し難い。このため、作業効率が向上する。
【0090】
また、本実施形態の制御装置10の一例によれば、現場の作業員50が自ら、移動部20を所定の方向に移動させる指示入力を行うこともできる。かかる場合、作業効率が向上するとともに、作業に関わる人員を減らすことが可能となる。
【0091】
<変形例>
上記実施形態では、クレーン30のトップを移動部20とした。変形例として、クレーン30からワイヤロープ36やフック37を取り外し、ブーム34のトップに所定の装置を取り付けた機械装置の一部を、移動部20としてもよい。
【0092】
図12に、このような機械装置の一例を示す。図4のクレーン30と比較すると、ワイヤロープ36及びフック37が取り外されていることが分かる。そして、ブーム34のトップに、姿勢調整機構39を介して、装置38が取り付けられている。姿勢調整機構39は、ブーム34の状態(伸縮状態、起伏状態、旋回状態)に関わらず、装置38の姿勢を一定(鉛直上向き)に保つ。
【0093】
装置38は、例えば、被検査物に打撃を加える打撃部、及び、打撃に応じた音を収集するマイクを備える打音検査装置であってもよい。その他、マーキング、塗装、打撃等の任意の機能を備える装置であってもよい。
【0094】
当該例の場合、ブーム34のトップに取り付けられた装置38を用いて、例えば、橋梁の裏等、高所の対象物に所定の処理が行われる。作業員50は、地上から装置38を見上げ、対象物と装置38との位置関係を確認しながら、装置38を所定の方向に移動させる指示入力を行う。
【0095】
当該変形例においても、上記実施形態と同様な作用効果を実現できる。
【0096】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 水平方向に移動可能な移動部を制御する制御装置であって、
作業員を含む画像を解析し、前記移動部が向く方向と前記作業員が向く方向との相対的な関係を検出する画像解析部と、
前記作業員を基準にした相対的な方向により、前記移動部を所定の方向に移動させる指示入力を受付ける指示受付部と、
前記画像解析部が検出した前記相対的な関係に基づき、前記指示受付部が受付けた方向を、前記移動部を基準にした方向に変換する変換部と、
前記変換部による変換結果に基づき、前記移動部を所定の方向に移動させる制御信号を出力する制御部と、
を有する制御装置。
2. 1に記載の制御装置において、
前記画像解析部は、上方から前記作業員を含むように撮影した前記画像を解析する制御装置。
3. 2に記載の制御装置において、
前記移動部は、伸縮動作、起伏動作及び旋回動作が可能なブームの所定部分であり、
前記画像解析部は、前記ブームに取り付けられたカメラが前記作業員を含むように前記作業員の上方から撮影した前記画像を解析する制御装置。
4. 2又は3に記載の制御装置において、
前記画像解析部は、前記作業員が被るヘルメットに付された所定のマークを前記画像内から抽出し、前記マークの向く方向に基づき、前記作業員が向く方向を特定する制御装置。
5. 1から4のいずれかに記載の制御装置と、
伸縮動作、起伏動作及び旋回動作が可能なブームを備える機械装置と、
を有する機械システム。
6. 水平方向に移動可能な移動部を制御する制御装置が、
作業員を含む画像を解析し、前記移動部が向く方向と前記作業員が向く方向との相対的な関係を検出する画像解析ステップと、
前記作業員を基準にした相対的な方向により、前記移動部を所定の方向に移動させる指示入力を受付ける指示受付ステップと、
前記画像解析ステップで検出した前記相対的な関係に基づき、前記指示受付ステップで受付けた方向を、前記移動部を基準にした方向に変換する変換ステップと、
前記変換ステップによる変換結果に基づき、前記移動部を所定の方向に移動させる制御信号を出力する制御ステップと、
を実行する制御方法。
7. 水平方向に移動可能な移動部を制御する制御装置を、
作業員を含む画像を解析し、前記移動部が向く方向と前記作業員が向く方向との相対的な関係を検出する画像解析手段、
前記作業員を基準にした相対的な方向により、前記移動部を所定の方向に移動させる指示入力を受付ける指示受付手段、
前記画像解析手段が検出した前記相対的な関係に基づき、前記指示受付手段が受付けた方向を、前記移動部を基準にした方向に変換する変換手段、
前記変換手段による変換結果に基づき、前記移動部を所定の方向に移動させる制御信号を出力する制御手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0097】
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
1 機械システム
10 制御装置
11 画像解析部
12 指示受付部
13 変換部
14 制御部
20 移動部
30 クレーン
31
32 コラム
33 起伏シリンダ
34 ブーム
35 伸縮シリンダ
36 ワイヤロープ
37 フック
38 装置
39 姿勢調整機構
40 車両
50 作業員
60 物体
70 カメラ
71 フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12