特許第6600546号(P6600546)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6600546
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】光モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/02 20060101AFI20191021BHJP
【FI】
   H01L31/02 B
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-242275(P2015-242275)
(22)【出願日】2015年12月11日
(65)【公開番号】特開2017-108064(P2017-108064A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2018年5月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】301005371
【氏名又は名称】日本ルメンタム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 和弘
(72)【発明者】
【氏名】野口 大輔
【審査官】 原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−113099(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0142929(US,A1)
【文献】 特開2007−156467(JP,A)
【文献】 特開2007−067380(JP,A)
【文献】 特開2013−229801(JP,A)
【文献】 特開2009−252918(JP,A)
【文献】 特開2007−013040(JP,A)
【文献】 特開2007−019075(JP,A)
【文献】 特開2010−191346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00−31/024
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリードを有し、光信号及び電気信号を少なくとも一方から他方に変換するための光サブアセンブリと、
配線パターンを有し、前記光サブアセンブリに重なって電気的に接続される配線基板と、
を有する光モジュールであって、
前記複数のリードは、差動信号をそれぞれに入力するための一対の差動信号リードと、電源を供給するための電源リードと、を含み、
前記配線パターンは、前記一対の差動信号リードにそれぞれ接続される一対の差動伝送線路と、前記電源リードに接続される電源配線と、を含み、
前記配線基板は、前記光サブアセンブリに重なる第1領域と、前記光サブアセンブリからはみ出すように前記第1領域から延びる第2領域と、を含み、
前記一対の差動信号リードは、前記電源リードよりも、前記第2領域から離れており、
前記一対の差動伝送線路は、相互に電磁気的に結合するように接近し、
光サブアセンブリは、前記一対の差動伝送線路の間の領域で前記配線基板を貫通するリードを有しないことを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載された光モジュールであって、
前記電源配線は、前記電源リードから前記第2領域への最短距離の方向を避けて、回り込むように前記電源リードから延びる迂回部を含むことを特徴とする光モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載された光モジュールであって、
前記電源配線と前記電源リードを接合する半田をさらに有し、
前記電源配線は、前記電源リードから前記第2領域への最短距離の方向に拡がるパッドをさらに含み、
前記パッドは、前記電源リードが貫通して前記半田が載ることを特徴とする光モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載された光モジュールであって、
前記配線パターンを、一部を除いて覆うカバー層をさらに有し、
前記電源配線は、前記第1領域で、前記カバー層によって覆われる部分と前記カバー層から露出する部分との境目を有し、
前記パッドは、前記第2領域に最も近い先端を、前記第1領域に有し、
前記電源配線の前記境目は、前記パッドの前記先端よりも、前記第2領域から離れた位置にあることを特徴とする光モジュール。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記一対の差動信号リードのピッチは、前記第2領域での前記一対の差動伝送線路のピッチよりも大きいことを特徴とする光モジュール。
【請求項6】
請求項5に記載された光モジュールであって、
前記一対の差動伝送線路は、相互に離れる方向に延びることなく、前記一対の差動信号リードから相互に接近する方向に延びることを特徴とする光モジュール。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記配線基板は、前記一対の差動伝送線路に絶縁されて重なるグランドプレーンをさらに含み、
前記複数のリードは、前記グランドプレーンに接続されるグランドリードをさらに含むことを特徴とする光モジュール。
【請求項8】
請求項7に記載に記載された光モジュールであって、
前記配線基板は、前記差動信号リードと前記電源リードとの間に設けられた切欠き部を含み、
前記配線パターンは、前記グランドリードから前記切欠き部へと連なるグランド配線パターンを含み、
前記グランド配線パターンは、前記切欠き部に設けられた半田により、前記光サブアセンブリと電気的に接続されていることを特徴とする光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信で使用されるCAN型光モジュール(Optical Sub Assembly(OSA)ともいう)は、光電変換を行う光半導体素子を搭載したCAN型光パッケージと、CAN型光パッケージを電気的にメイン基板などと接続する為のフレキシブル基板とを含む(特許文献1及び2)。フレキシブル基板には、一対の差動伝送線路が、電磁気的に結合して所望の特性インピーダンスが得られるように、近接して設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−302438号公報
【特許文献2】特開2007−287767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フレキシブル基板は、CAN型光パッケージからはみ出すように引き出されており、はみ出した部分の曲げ止めになる位置にGNDリードピンを設けることで、フレキシブル基板の曲がりを防止して、差動伝送線路など配線の断線を防止することができる。つまり、GNDリードピンは、フレキシブル基板がCAN型光パッケージと重なる領域であって、フレキシブル基板のはみ出した部分に近い位置に設けられる。
【0005】
しかし、この位置にGNDリードピンを設けると、一対の差動伝送線路はGNDリードピンを挟んで互いに離れることになり、それぞれ独立した伝送線路となる。インピーダンスを整合させる為には、例えば伝送線路の線幅を変える必要があるが、このような変化点はインピーダンス不整合の要因となり、最終的には特性への悪影響が考えられる。よって極力近接させた状態で接続端子まで配線することが望ましい。
【0006】
本発明は、高周波特性の良い光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る光モジュールは、複数のリードを有し、光信号及び電気信号を少なくとも一方から他方に変換するための光サブアセンブリと、配線パターンを有し、前記光サブアセンブリに重なって電気的に接続される配線基板と、を有する光モジュールであって、前記複数のリードは、差動信号をそれぞれに入力するための一対の差動信号リードと、電源を供給するための電源リードと、を含み、前記配線パターンは、前記一対の差動信号リードにそれぞれ接続される一対の差動伝送線路と、前記電源リードに接続される電源配線と、を含み、前記配線基板は、前記光サブアセンブリに重なる第1領域と、前記光サブアセンブリからはみ出すように前記第1領域から延びる第2領域と、を含み、前記一対の差動信号リードは、前記電源リードよりも、前記第2領域から離れており、前記一対の差動伝送線路は、相互に電磁気的に結合するように接近し、光サブアセンブリは、前記一対の差動伝送線路の間の領域で前記配線基板を貫通するリードを有しないことを特徴とする。本発明によれば、一対の差動信号リードは、電源リードよりも第2領域(光サブアセンブリからはみ出す領域)から離れているので、電源リードが配線基板の曲げ止めになる。一対の差動伝送線路は、一対の差動信号リードとの接合部で曲がると断線しやすいが、電源リードが配線基板の曲げ止めになることで、断線が防止される。また、一対の差動伝送線路は、相互間の領域にリードが無いので離れない。そのため、インピーダンスの不整合が無く、高周波特性が良くなっている。
【0008】
(2)(1)に記載された光モジュールであって、前記電源配線は、前記電源リードから前記第2領域への最短距離の方向を避けて、回り込むように前記電源リードから延びる迂回部を含むことを特徴としてもよい。
【0009】
(3)(2)に記載された光モジュールであって、前記電源配線と前記電源リードを接合する半田をさらに有し、前記電源配線は、前記電源リードから前記第2領域への最短距離の方向に拡がるパッドをさらに含み、前記パッドは、前記電源リードが貫通して前記半田が載ることを特徴としてもよい。
【0010】
(4)(3)に記載された光モジュールであって、前記配線パターンを、一部を除いて覆うカバー層をさらに有し、前記電源配線は、前記第1領域で、前記カバー層によって覆われる部分と前記カバー層から露出する部分との境目を有し、前記パッドは、前記第2領域に最も近い先端を、前記第1領域に有し、前記電源配線の前記境目は、前記パッドの前記先端よりも、前記第2領域から離れた位置にあることを特徴としてもよい。
【0011】
(5)(1)から(4)のいずれか1項に記載された光モジュールであって、前記一対の差動信号リードのピッチは、前記第2領域での前記一対の差動伝送線路のピッチよりも大きいことを特徴としてもよい。
【0012】
(6)(5)に記載された光モジュールであって、前記一対の差動伝送線路は、相互に離れる方向に延びることなく、前記一対の差動信号リードから相互に接近する方向に延びることを特徴としてもよい。
【0013】
(7)(1)から(6)のいずれか1項に記載された光モジュールであって、前記配線基板は、前記一対の差動伝送線路に絶縁されて重なるグランドプレーンをさらに含み、前記複数のリードは、前記グランドプレーンに接続されるグランドリードをさらに含むことを特徴としてもよい。
【0014】
(8)(7)に記載に記載された光モジュールであって、前記配線基板は、前記差動信号リードと前記電源リードとの間に設けられた切欠き部を含み、前記配線パターンは、前記グランドリードから前記切欠き部へと連なるグランド配線パターンを含み、前記グランド配線パターンは、前記切欠き部に設けられた半田により、前記光サブアセンブリと電気的に接続されていることを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る光モジュールの概略を示す断面図である。
図2図1に示す光モジュールのII−II線断面図である。
図3】電源配線の詳細を説明するための拡大図である。
図4図1に示す光モジュールのIV−IV線断面図である。
図5】実施形態の変形例を図3に対応して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る光モジュールの概略を示す断面図である。図2は、図1に示す光モジュールのII−II線断面図である。
【0017】
光モジュールは、光サブアセンブリ10を有する。光サブアセンブリ10の一例は、レーザなどの発光素子を内部に有し、電気信号を光信号に変換して、光コネクタと接続される光ファイバに光信号を送信する光送信モジュール(TOSA; Transmitter Optical SubAssembly)である。他の一例は、内部にフォトダイオードに代表される受光素子を有し、光コネクタより受信した光信号を電気信号に変換する光受信モジュール(ROSA; Receiver Optical SubAssembly)である。あるいは、その両方の機能を内包したBOSA (Bidirectional Optical Subassembly)も光サブアセンブリ10の一例である。このように光サブアセンブリ10は、電気信号及び光信号を少なくとも一方から他方に変換するようになっているものである。
【0018】
光サブアセンブリ10は、ステム12から突出する複数のリード14(具体的にはリードピン)を、接続端子として有する。複数のリード14は、同じ方向に突出し、相互に平行に延びている。複数のリード14は、差動信号(高周波信号)をそれぞれに入力するための一対の差動信号リード16を含む。複数のリード14は、電源を供給するための電源リード18及び接地するためのグランドリード20を含む。光サブアセンブリ10が受光素子を有する場合、複数のリード14は、受光素子を流れる電流の高周波成分の平均値に相当する直流電流を流すDCリード22を含んでもよいし、複数の電源リード18を含んでも構わない。
【0019】
光モジュールは、配線基板24(例えばフレキシブル基板)を有する。配線基板24は、光サブアセンブリ10に重なる第1領域A1と、光サブアセンブリ10からはみ出すように第1領域A1から延びる第2領域A2と、を含む。配線基板24は、ポリイミド樹脂などの有機材料(絶縁材料)からなるベースフィルム26を有する。配線基板24は、光サブアセンブリ10に電気的に接続するための配線パターン28を有する。ベースフィルム26の第1面30に配線パターン28が形成されている。配線パターン28は、第1接着層32を介して、一部を除いて第1カバー層34に覆われている。第1カバー層34もポリイミド樹脂などの有機材料(絶縁材料)からなる。
【0020】
配線パターン28は、一対の差動伝送線路36を含む。一対の差動伝送線路36は、所望の特性インピーダンスとなるように、相互に電磁気的に結合するように接近している。一対の差動伝送線路36は、それぞれ、一対の差動信号リード16に接続される。詳しくは、差動伝送線路36は、端部に信号パッド38を有し、信号パッド38を貫通するように差動信号リード16が配置されている。信号パッド38には半田38Aが設けられ、半田38Aによって信号パッド38と差動信号リード16が接合されて、両者が電気的に接続されている。一対の差動伝送線路36は、信号パッド38同士のピッチが最も大きくなっており、一対の差動信号リード16から相互に離れる方向に延びることなく、相互に接近する方向に延びる。一対の差動信号リード16のピッチは、第2領域A2での一対の差動伝送線路36の直線部分のピッチよりも大きい。
【0021】
配線パターン28は、電源リード18に接続される電源配線40を含む。電源配線40は、迂回部42を含む。迂回部42は、電源リード18から、第2領域A2への最短距離の方向を避けて、回り込むように電源リード18から延びる。電源配線40は、電源パッド44を含む。電源パッド44は、電源リード18が貫通して半田44Aが載る。半田44Aは、電源パッド44と電源リード18を接合する。
【0022】
図3は、電源配線40の詳細を説明するための拡大図である。電源パッド44は、半田44Aが載ることで曲がりにくくなっているので、配線基板24は、電源パッド44の半田44Aが載った部分に隣接した位置で曲がりやすくなる。一対の電源パッド44があるので、これらに隣接した直線(図3に示す一点鎖線L)で配線基板24は曲がりやすい。
【0023】
電源配線40は、第1領域A1で、第1カバー層34によって覆われる部分と第1カバー層34から露出する部分との境目40Bを有する。電源パッド44は、電源リード18から第2領域A2への最短距離の方向に拡がり、第2領域A2に最も近い先端40Tを第1領域A1に有する。この先端40Tに隣接して、配線基板24の曲がりやすい位置がある。
【0024】
本実施形態では、電源配線40の露出被覆の境目40Bは、電源パッド44の先端40Tよりも、第2領域A2から離れた位置にある。つまり、配線基板24の曲がりやすい位置(一点鎖線L)では、電源配線40は第1カバー層34に覆われているので断線しにくくなっている。
【0025】
図3には、第1カバー層34の輪郭線(第1カバー層34がある領域と無い領域の境界線)と、配線基板24が曲がりやすい直線(一点鎖線L)との交点Pが示されている。交点Pを通り、電源リード18の中心点(電源パッド44の表面を含む面と中心軸の交点)を中心とする円を描くと、一点鎖線Lよりもパッドに近い側で2つの交点Pの間にある弧の範囲(矢印の範囲)で、電源パッド44から電源配線40(迂回部42)が引き出されているので、電源配線40の断線のおそれは小さくなる。
【0026】
本実施形態では、電源パッド44は、電源リード18から電源配線40が引き出される方向への幅W1よりも、電源リード18から第2領域A2への最短距離の方向への幅W2が大きい。そのため、上述した円が大きくなり、すなわち、矢印で示す弧が長くなり、断線のおそれが小さくなる引き出し方向の範囲が広くなる。これにより、設計の自由度が向上するので、例えば、他の配線等の部品が接近しているときに有効である。また、弧の両端から離れて電源配線40を引き出すことで、電源配線40の露出被覆の境目40Bを、屈曲しやすくなる直線(一点鎖線L)から離すことができるので、断線耐力が向上する。
【0027】
図2に示すように、一対の差動信号リード16は、電源リード18よりも第2領域A2から離れている。逆に言うと、電源リード18が配線基板24を貫通しており、これにより配線基板24の曲げを止めることができる。一対の差動伝送線路36は、一対の差動信号リード16との接合部(詳しくは半田38Aに隣接する部分)で曲がると断線しやすいが、電源リード18が配線基板24の曲げ止めになることで、電源リード18から第2領域A2側の範囲においては、第1カバー層34で覆われているために、断線が防止される。
【0028】
本実施形態では、光サブアセンブリ10は、一対の差動伝送線路36の間の領域に、配線基板24を貫通するリードを有しない。つまり、一対の差動伝送線路36は、相互間の領域にリードが無いので離れない。そのため、一対の差動線路36間の電磁界の閉じ込め状態の変化を抑えることができ、インピーダンスの不整合となりづらく、高周波特性が良くなっている。
【0029】
なお、配線パターン28は、DCリード22に接続されるDC配線46を含む。DC配線46は、一対の差動伝送線路36を挟んで、電源配線40と線対称の形状になっているので、その構造には電源配線40の説明が該当する。
【0030】
図4は、図1に示す光モジュールのIV−IV線断面図である。図1及び図4に示すように、配線基板24は、グランドプレーン48を有する。ベースフィルム26の第2面50にグランドプレーン48が形成されている。グランドプレーン48は、第2接着層52を介して、一部を除いて第2カバー層54に覆われている。第2カバー層54もポリイミド樹脂などの有機材料(絶縁材料)からなる。グランドプレーン48は、一対の差動伝送線路36(図2参照)に絶縁されて重なり、グランドリード20に接続されており、これによりマイクロストリップラインが構成される。詳しくは、配線パターン28と同層に設けられたグランドランド56(図2参照)とグランドプレーン48がベースフィルム26を貫通するスルーホール(図示せず)で電気的に導通し、グランドリード20がグランドランド56を貫通し、グランドランド56に設けられた半田56Aによって、グランドリード20とグランドランド56が接合されて電気的に接続される。
【0031】
図5は、実施形態の変形例を図3に対応して示す図である。図3に示す実施形態との相違点は、配線基板124の配線パターン128とステム12とが直接的に半田158により接続されている点であり、それ以外については上記実施形態と同じである。本変形例では、配線基板124の一部に切欠き部160が設けられている。切欠き部160は、配線パターン128の一部であるグランド配線パターン162により、グランドリード20とつながっている。ステム12に接触するように切欠き部160に半田158を設けることで、グランド配線パターン162とステム12とがグランド電位で導通する。グランド配線パターン162は、差動信号リード16を、差動伝送線路36が引き出される方向(図5で第2領域A2の方向)を除いた3方向で囲んでいる。本構造とすることで、差動伝送線路36の一部および差動信号リード16の周りをグランド電位で囲むことができ、高周波特性に優れた光モジュールを提供することができる。
【0032】
そして、上記実施形態で述べたように、第2領域A2に近い側にDCリード22を設け、DCリード22から第1領域A1に向かう方向に、差動信号リード16及びグランドリード20を、この順に配置する。こうすることで、差動信号リード16とDCリード22との間に配線パターンを無くすことができるために、ここに切欠き部160を設けることができ、この領域でステム12と接続することで上述したように差動伝送線路36および差動信号リード16をグランド電位で囲むことができる。
【0033】
なお、本変形例では、グランドリード20と切欠き部160は配線パターン128側で接続したが、逆側のグランドプレーンを通じて接続させても良い。また、本実施形態では「切欠き部」と呼称しているが、切欠きはスルーホールのような穴であっても構わない。
【0034】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0035】
10 光サブアセンブリ、12 ステム、14 リード、16 差動信号リード、18 電源リード、20 グランドリード、22 DCリード、24 配線基板、26 ベースフィルム、28 配線パターン、30 第1面、32 第1接着層、34 第1カバー層、36 差動伝送線路、38 信号パッド、38A 半田、40 電源配線、40B 境目、40T 先端、42 迂回部、44 電源パッド、44A 半田、46 DC配線、48 グランドプレーン、50 第2面、52 第2接着層、54 第2カバー層、56 グランドランド、56A 半田、124 配線基板、128 配線パターン、158 半田、160 切欠き部、162 グランド配線パターン、A1 第1領域、A2 第2領域、L 一点鎖線、P 交点、W1,W2 幅。
図1
図2
図3
図4
図5