(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ヒンジは、前記サポート部材の左,右方向に離間して少なくとも2個配設され、前記各ヒンジは、前記サポート部材にそれぞれ少なくとも2個の締結部材を用いて取り付けられる構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械の代表例として、クローラ式の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0016】
図1ないし
図13は、本発明の第1の実施の形態を示している。油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載され、該下部走行体2と共に車体を構成する上部旋回体3と、該上部旋回体3の前,後方向の前側に俯仰動可能に設けられ土砂の掘削作業等を行う作業装置4とにより構成されている。
【0017】
上部旋回体3は、支持構造体をなし前側に作業装置4が取り付けられる車体フレームとしての旋回フレーム5と、作業装置4とバランスをとるために旋回フレーム5の後側に設けられたカウンタウエイト6と、旋回フレーム5の前部左側に設けられオペレータが搭乗するキャブ7と、カウンタウエイト6の前側に位置して旋回フレーム5上に設けられたエンジン8と、エンジン8を冷却するエンジン冷却水の熱交換を行うラジエータ10Bを含む熱交換器10と、内部にエンジン8、熱交換器10、後処理ユニット13等の搭載機器を収容する建屋カバー14と、建屋カバー14に設けられエンジン8、熱交換器10、後処理ユニット13等の上方を覆う機械室カバー26とにより大略構成されている。
【0018】
エンジン8は、カウンタウエイト6の前側に位置して旋回フレーム5上に左,右方向に延びる横置き状態で搭載されている。このエンジン8は、後述の機械室18内で旋回フレーム5上に防振状態で支持されている。そして、エンジン8の左側には、
図3に示すように、後述の熱交換器10に冷却風を供給するための冷却ファン9が設けられている。一方、エンジン8の右側には、エンジン8によって駆動されることにより、後述の作動油タンク11から供給される作動油を、圧油として制御弁装置(図示せず)に向け吐出する油圧ポンプ(図示せず)が設けられている。また、エンジン8には、エンジン8から排出された排気ガスを後述の後処理ユニット13に導く排気管8Aが接続されている。
【0019】
熱交換器10は、エンジン8の長さ方向の左側に位置して旋回フレーム5上に設けられている。
図3に示すように、熱交換器10は、平面視で(上方からみて)前,後方向に長い略矩形状となって後述の機械室18の左側に位置し、エンジン8の冷却ファン9に対面している。そして、熱交換器10は、枠構造をなす支持枠体10Aと、支持枠体10Aの内部に前,後方向に並んで配置されたラジエータ10B、オイルクーラ10C、インタクーラ10D等により構成されている。
【0020】
ラジエータ10Bは、エンジン冷却水の熱を冷却風中に放熱することにより、温度上昇したエンジン冷却水を冷却するものである。オイルクーラ10Cは、作動油の熱を冷却風中に放熱することにより、温度上昇した作動油を冷却するものである。インタクーラ10Dは、エンジン8が吸込む空気を冷却するものである。
【0021】
作動油タンク11は、油圧ポンプの前側に位置して旋回フレーム5の右側に設けられている。この作動油タンク11は、下部走行体2、作業装置4等に設けられたアクチュエータを駆動するための作動油を貯えるものである。一方、燃料タンク12は、作動油タンク11の前側に位置して旋回フレーム5に設けられている。
【0022】
後処理ユニット13は、エンジン8の右側で油圧ポンプの上方に配置されている。この後処理ユニット13は、後述の機械室18の右側に位置して排気管8Aに接続されている。後処理ユニット13は、エンジン8から排出される排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を酸化して除去し、排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化し、さらに排気ガスの騒音を低減するものである。
【0023】
建屋カバー14は、キャブ7とカウンタウエイト6との間に位置して旋回フレーム5上に設けられている。この建屋カバー14は、左側面板15、右側面板16およびこれら各側面板15,16の上側を覆う上面板17からなっている。
【0024】
左側面板15は、キャブ7とカウンタウエイト6との間で旋回フレーム5から立上っている。左側面板15の上端側には、冷却ファン9の駆動により外部の空気(冷却風)を後述の機械室18内に取込む吸気口15Aが設けられている。一方、右側面板16は、作動油タンク11とカウンタウエイト6との間で、後処理ユニット13に対面して旋回フレーム5から立上っている。
【0025】
上面板17は、エンジン8を含む搭載機器(熱交換器10および後処理ユニット13等)のメンテナンスをするためのメンテナンス開口部17Aを有している。このメンテナンス開口部17Aは、カウンタウエイト6の前側に位置して、左,右方向に延びる長方形状となっている。また、上面板17には、冷却ファン9の駆動により外部の空気(冷却風)を後述の機械室18内に取込む吸気口17Bが左側面板15の吸気口15Aと左,右方向に並列して設けられている。また、上面板17には、吸気口17Bとメンテナンス開口部17Aとの間に前,後方向に離間して後述の第1エンジンカバー27を取り付けるためのめねじ孔17Cが、例えば裏ナット、裏ねじ座等を用いて設けられている。
【0026】
機械室18は、建屋カバー14によって覆われ、エンジン8、熱交換器10、後処理ユニット13を含む搭載機器を収容している。この機械室18の上側は、メンテナンス開口部17Aにより開口しており、常時は後述の機械室カバー26により覆われ(閉塞され)ている。
図3に示すように、機械室18には、左,右方向の左側から順に、熱交換器10、エンジン8、後処理ユニット13が並んで配置されている。
【0027】
前サポート部材19は、機械室18の前側(作業装置4側)に設けられている。この前サポート部材19は、上端が前方に向けて屈曲した略L字状に形成され、メンテナンス開口部17Aの前縁部に位置して左,右方向に延在している。前サポート部材19は、例えば左端側が熱交換器10の支持枠体10Aに固着され、右端側が作動油タンク11に固着されている。また、前サポート部材19の中央部には、後述のステップ21の前端側が取り付けられる。
【0028】
後サポート部材20は、機械室18の後側(カウンタウエイト6側)に設けられている。この後サポート部材20は、上端が前方に向けて屈曲した略L字状に形成され、メンテナンス開口部17Aの後縁部に位置して左,右方向に延在している。後サポート部材20は、例えば左端側が熱交換器10の支持枠体10Aに固着され、右端側が旋回フレーム5から立上る支柱に固着されている。後サポート部材20は、本発明のサポート部材を構成している。
【0029】
後サポート部材20の上面20Aのうち左側には、左,右方向に離間した2箇所に後述の第2エンジンカバー28を回動可能に取り付けるためのめねじ孔20Bがそれぞれ2個ずつ例えば裏ナット、裏ねじ座等を用いて設けられている。一方、後サポート部材20の上面20Aのうち右側には、左,右方向に離間した2箇所に後述の第3エンジンカバー29を回動可能に取り付けるためのめねじ孔20Cがそれぞれ2個ずつ例えば裏ナット、裏ねじ座等を用いて設けられている。この場合、左,右方向に離間する4個のめねじ孔20Cのうち内側に位置する2個のめねじ孔20Cは、後述の仮止め治具41のピン41Bが挿通する仮止め治具挿通孔としても機能する。
【0030】
ステップ21は、エンジン8の上方を前,後方向に跨いで設けられたものである。このステップ21は、機械室18の左,右方向で後述の第2エンジンカバー28と第3エンジンカバー29との境界部の近傍に設けられている。ステップ21は、オペレータおよび作業者等がエンジン8等のメンテナンスをするときに足を乗せるためのものである。そして、ステップ21は、前サポート部材19に取り付けられた前脚部22、後サポート部材20に取り付けられた後脚部23、前脚部22と後脚部23との間を連結する足乗せ部24とにより構成されている。
【0031】
足乗せ部24は、前,後方向に長い略L字状の上板24Aと、上板24Aの前端から立下がる前板24Bと、上板24Aの後端から立下がり前板24Bと対面する後板24Cと、上板24Aの左端から立下がる左板24Dと、上板24Aの右端から立下がり左板24Dと対面する右板24Eとにより構成されている。
【0032】
ステーガイド25は、足乗せ部24の右板24Eに前,後方向に延びて形成されている。即ち、ステーガイド25は、後述の第3エンジンカバー29とエンジン8との間で、かつメンテナンス開口部17Aを前,後方向に延びて設けられている。ステーガイド25の後端には、下方に凹む第1凹部25Aが設けられている。また、第1凹部25Aよりも前側には、下方に凹む第2凹部25Bが設けられている。即ち、第1凹部25Aと第2凹部25Bとは、前,後方向に並んで設けられている。ステーガイド25には、後述のステー36の他端側が摺動可能に取り付けられる。なお、足乗せ部24の左板24Dにも後述の第2エンジンカバー28用のステー(図示せず)の他端側が摺動可能に取り付けられるステーガイド(図示せず)が形成されている。
【0033】
機械室カバー26は、上面板17上を左,右方向に延び、機械室18の上方を覆っている。即ち、機械室カバー26は、機械室18内に配置されたエンジン8、熱交換器10、後処理ユニット13等の搭載機器の上方を覆い、メンテナンス開口部17Aを開閉可能に構成されている。そして、機械室カバー26は、第1エンジンカバー27、第2エンジンカバー28、第3エンジンカバー29とに3分割して形成されている。
【0034】
第1エンジンカバー27は、機械室カバー26の左側部分を構成するものである。この第1エンジンカバー27は、第2エンジンカバー28の左側に隣接して熱交換器10の上方に配置されている。これにより、第1エンジンカバー27は、機械室18内に配設された熱交換器10の上方全域を覆っている。第1エンジンカバー27は、上面板17のめねじ孔17Cにヒンジ(図示せず)を介して取り付けられている。これにより、第1エンジンカバー27は、左側面板15側を回動支点(回転端)とし、機械室18側(右側)を自由端(開閉側)として左,右方向に開閉可能となっている。
【0035】
第2エンジンカバー28は、機械室カバー26の中央部分を構成するものである。この第2エンジンカバー28は、第1エンジンカバー27と第3エンジンカバー29との間に配置され、エンジン8の上方全域を覆っている。第2エンジンカバー28は、後サポート部材20のめねじ孔20Bにヒンジ(図示せず)を介して取り付けられている。これにより、第2エンジンカバー28は、カウンタウエイト6側(後側)を回動支点(回転端)とし、機械室18側(前側)を自由端(開閉側)として前,後方向に開閉可能となっている。
【0036】
次に、機械室カバー26の右側部分を構成する第3エンジンカバー29について説明する。
【0037】
第3エンジンカバー29は、第2エンジンカバー28の右側に隣接して後処理ユニット13の上方に配置されている。この第3エンジンカバー29は、本発明のエンジンカバーを構成している。第3エンジンカバー29は、カウンタウエイト6側(後側)を回動支点(回転端)とし、機械室18側(前側)を自由端(開閉側)として前,後方向に開閉可能となっている。
【0038】
そして、第3エンジンカバー29は、上面板17および作動油タンク11の上面から立上る前面板29Aと、前面板29Aの上端から後方(カウンタウエイト6側)に向けて延びる上面板29Bと、上面板29Bの後端から立下がる後面板29Cと、上面板29Bの右端から立下がる右面板29Dとにより左方と下方とが開口したボックス状に形成されている。
【0039】
前面板29Aには、後述のストライカ39と取っ手30とが左,右方向に並んで設けられている。また、上面板29Bの後端側には、円形状の排出口29B1が形成されている。この排出口29B1には、尾管31が取り付けられている。これにより、エンジン8から排出された排気ガスは、後処理ユニット13により浄化処理された後に排出口29B1から尾管31を介して外部へと排出される。
【0040】
また、上面板29Bの左端側には、前,後方向に延びる長方形状の排出口29B2が形成され、右端側には前,後方向に延びる長方形状の排出口29B3が形成されている。この場合、排出口29B2は、本発明のステー取付用開口部としての機能も有している。即ち、排出口29B2は、第3エンジンカバー29が閉状態のとき、後述のステー36と対応する位置に設けられ、ステー36を第3エンジンカバー29とステーガイド25とに取り付けるためのものでもある。
【0041】
従って、排出口29B2(ステー取付用開口部)は、作業者の手(腕)および工具等が挿通することができる大きさに形成されている。ステー36を第3エンジンカバー29とステーガイド25とに取り付けるための作業(第3エンジンカバー取付作業)については、後で詳細に説明する。
【0042】
排出口29B1,29B2には、右側に向けて開口したダクト32が設けられている。このダクト32は、熱交換器10内を流れるエンジン冷却水等の流体を冷却する冷却風を排出させるためのものである。即ち、左側面板15の吸気口15Aや上面板17の吸気口17Bから機械室18内に導入された冷却風は、排出口29B1,29B2からダクト32を介して右側に向けて外部に排出される。
【0043】
後面板29Cの上端側の内面29C1には、ブラケット33が設けられている。このブラケット33は、後述のステー36の一端が回動可能に係合するものである。ブラケット33は、後面板29Cの内面29C1に当接して溶接等により固着される当接板33Aと、当接板33Aの下端から立上る下板33Bと、当接板33Aの右端から立上る右縦板33Cとにより構成されている。そして、右縦板33Cの上端側には、左,右方向に貫通する貫通孔33Dが形成されている。この貫通孔33Dには、後述のステー36の一端側が挿通される。
【0044】
また、後面板29Cの下端側の内面29C1には、左,右方向に延びるヒンジ取付具29Eが溶接等により固着されている。このヒンジ取付具29Eには、例えば金属製のヒンジ34が左,右方向に離間して2個設けられている。即ち、各ヒンジ34は、ヒンジ取付具29Eを介して後面板29Cの内面29C1に取り付けられている。
【0045】
そして、
図5、
図10等に示すように、各ヒンジ34は、第3エンジンカバー29のヒンジ取付具29Eに取り付けられるエンジンカバー側取付部34Aと、後サポート部材20に取り付けられるサポート部材側取付部34Bと、エンジンカバー側取付部34Aをサポート部材側取付部34Bに対して回動可能に接続する回動部34Cとにより構成されている。エンジンカバー側取付部34Aは、ヒンジ取付具29Eに溶接等により固着されている。
【0046】
また、サポート部材側取付部34Bには、左,右方向に離間して2個のボルト挿通孔34Dが形成されている。各ボルト挿通孔34Dは、後サポート部材20に設けられた各めねじ孔20Cに対応する位置に形成されている。この場合、左,右方向に離間する2個のヒンジ34に形成された合計4個のボルト挿通孔34Dのうち内側に位置する2個のボルト挿通孔34Dは、後述の仮止め治具41のピン41Bが貫通する仮止め治具貫通孔としても機能する。即ち、後サポート部材20に設けられた4個のめねじ孔20Cのうち、仮止め治具挿通孔として機能するものに対応する位置に形成されたボルト挿通孔34Dは、仮止め治具貫通孔としても機能する。
【0047】
各ヒンジ34は、締結部材としてのボルト35を後サポート部材20の各めねじ孔20Cに螺合することにより、後サポート部材20の上面20Aに取り付けられる。従って、第3エンジンカバー29のヒンジ34は、後サポート部材20の左,右方向に離間して2個配設され、各ヒンジ34は、後サポート部材20にそれぞれ2個のボルト35を用いて取り付けられている。これにより、第3エンジンカバー29は、後面板29Cの下端を回転端とし、後面板29Cの下端よりも前側を自由端として前,後方向に回動可能となっている。
【0048】
右面板29Dには、前,後方向に並んで排出口29D1が設けられている。この排出口29D1は、左側面板15の吸気口15Aや上面板17の吸気口17Bから機械室18内に導入された冷却風を外部に向けて排出するものである。
【0049】
ステー36は、第3エンジンカバー29とステーガイド25との間に設けられている。このステー36は、第3エンジンカバー29を開閉するときに、ステーガイド25に案内されて第3エンジンカバー29を開状態に維持するものである。具体的には、ステー36は、長尺な棒状体36Aと、棒状体36Aの長さ方向の一端側(後端側、第3エンジンカバー29の後面板29C側)をブラケット33の貫通孔33Dに向けて曲げることにより形成された取付部36Bと、棒状体36Aの長さ方向の他端側(前端側)をステーガイド25に向けて曲げることにより形成された摺動部36Cとにより構成されている。
【0050】
図8に示すように、取付部36Bには、抜止めピン挿通孔36Dが設けられている。この抜止めピン挿通孔36Dは、第3エンジンカバー29が閉状態のとき、第3エンジンカバー29の上面板29Bに設けられた排出口29B2(ステー取付用開口部)側に向く位置に形成されている。換言すると、抜止めピン挿通孔36Dは、第3エンジンカバー29が閉状態のとき、抜止めピン挿通孔36Dの軸線が前,後方向ないし排出口29B2に向けて延びるように形成されている。
【0051】
これにより、抜止めピン挿通孔36Dの位置が排出口29B2から視認し易くなり、取付部36Bをブラケット33の貫通孔33Dに挿通して、抜止めピン37を抜止めピン挿通孔36Dに簡単に挿通させることができる。従って、ステー36を排出口29B2から第3エンジンカバー29のブラケット33とステーガイド25とに取り付ける取付作業の作業性を向上することができる。
【0052】
ステー36は、取付部36Bをブラケット33に回動可能に取り付け、摺動部36Cをステーガイド25に摺動可能に取り付けたものである。ステー36は、第3エンジンカバー29を開いたときに、摺動部36Cがステーガイド25を後方向に摺動(スライド移動)する。そしてステー36の摺動部36Cは、ステーガイド25の第1凹部25Aまたは第2凹部25Bに係合することにより、第3エンジンカバー29の開状態を維持することができる。
【0053】
なお、摺動部36Cを第1凹部25Aに係合させることにより、第3エンジンカバー29の開角度を例えば90°に設定することができ、摺動部36Cを第2凹部25Bに係合させることにより、第3エンジンカバー29の開角度を例えば60°に設定することができる。
【0054】
ロック装置38は、各エンジンカバー27,28,29と上面板17との間に設けられたものである。即ち、ロック装置38は、左,右方向に離間して3個設けられている。ロック装置38は、各エンジンカバー27,28,29を閉じた状態で、各エンジンカバー27,28,29を上面板17に対してロックするものである。また、ロック装置38は、必要に応じて施錠、解錠可能となっている。
【0055】
そして、ロック装置38は、各エンジンカバー27,28,29側に設けられたストライカ39と、上面板17に設けられたラッチ40とにより構成されている。各エンジンカバー27,28,29は、ラッチ40をストライカ39に係合することにより上面板17に固定される。これにより、各エンジンカバー27,28,29は、上面板17に対してがたつきを抑制したり、施錠したりすることができる。
【0056】
次に、第3エンジンカバー29を後サポート部材20に仮止めする仮止め治具41について説明する。
【0057】
仮止め治具41は、第3エンジンカバー29を後サポート部材20に取り付けるときに、第3エンジンカバー29のヒンジ34に取り付けるものである。
図5に示すように、仮止め治具41は、第3エンジンカバー29を後サポート部材20に取り付ける前に、ヒンジ34のボルト挿通孔34D(仮止め治具貫通孔)に挿通されるものである。
図13に示すように、仮止め治具41は、例えば金属材料、樹脂材料等により板状に形成された横板41Aと、横板41Aの長さ方向の両端側に位置して横板41Aから下方に向けて延びるピン41Bとにより構成されている。
【0058】
横板41Aは、長さ方向の両端側に位置して左,右のヒンジ34の各サポート部材側取付部34Bにそれぞれ当接するヒンジ当接部41A1と、各ヒンジ当接部41A1間を接続する接続部41A2とにより構成されている。
図5に示すように、横板41Aは、左,右のヒンジ34間を架け渡すことができる長さ寸法を有している。ヒンジ当接部41A1は、その幅寸法がヒンジ34のサポート部材側取付部34Bの幅寸法よりも若干小さい寸法に形成されている。
【0059】
また、ヒンジ当接部41A1には、磁石42が設けられている。これにより、仮止め治具41を左,右のヒンジ34に取り付けたときに、磁石42の磁力でヒンジ34のエンジンカバー側取付部34Aとサポート部材側取付部34Bとを磁石42を介して固定することができる。つまり、ヒンジ34の閉じた状態を保持することができる。
【0060】
ピン41Bは、横板41Aのヒンジ当接部41A1に溶接等により固着されている。また、ピン41Bは、左,右のヒンジ34のボルト挿通孔34D(仮止め治具貫通孔)に対応する位置に設けられている。ピン41Bは、その外径がボルト挿通孔34Dの孔径および後サポート部材20のめねじ孔20C(仮止め治具挿通孔)の孔径よりも若干小さく形成されている。また、ピン41Bは、ヒンジ34のサポート部材側取付部34Bを後サポート部材20に当接させたときに、ヒンジ34のボルト挿通孔34Dと後サポート部材20のめねじ孔20Cとに挿通することができる長さ寸法に形成されている。
【0061】
これにより、
図9、
図10に示すように、第3エンジンカバー29を後サポート部材20に仮止めしたときに、仮止め治具41のピン41Bが左,右のヒンジ34の各ボルト挿通孔34Dと後サポート部材20のめねじ孔20Cとに挿通しているので、第3エンジンカバー29の揺れを抑制することができる。
【0062】
本実施の形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
【0063】
まず、オペレータはキャブ7に搭乗してエンジン8を作動させる。そして、オペレータが、キャブ7内に配置された走行用の操作レバー(図示せず)を操作することにより、油圧ショベル1を走行させることができ、作業用の操作レバー(図示せず)を操作することにより、作業装置4を用いて土砂の掘削作業を行うことができる。
【0064】
また、オペレータおよび作業者は、建屋カバー14の上面板17上に上がり、機械室18内に配設されたエンジン8等の搭載機器のメンテナンスを上面板17に形成されたメンテナンス開口部17Aから行うことができる。従って、メンテナンス開口部17Aには、機械室18を開閉可能な第1,第2,第3エンジンカバー27,28,29が設けられている。
【0065】
ところで、上述した従来技術では、工場等でエンジンカバーを車体に取り付けるときに、クレーン等の吊り具によりエンジンカバーに設けられたヒンジを下側にして、エンジンカバーを開状態で吊下げ、建屋カバーの上面側にボルトで締結する。この場合、エンジンカバーを吊り具により吊った状態を維持しながらボルトの締結作業を行うので、エンジンカバーに揺れが生じ易くなる。そして、エンジンカバーに揺れが生じるとヒンジが動くので、ボルト締結作業が困難となり、エンジンカバー取付作業の作業性が低下する虞がある。
【0066】
また、エンジンカバーを建屋カバーの上面側に取り付けるまでは、クレーンを専有しなければならず、エンジンカバー取付作業の作業効率が低下する虞がある。さらに、ステーをエンジンカバーとステーガイドとに取り付けるときにも、エンジンカバーを開状態に維持しながらでなければならず、エンジンカバー取付作業の作業性が低下するという問題がある。
【0067】
そこで、本実施の形態では、エンジンカバー(第3エンジンカバー29)の上面板29Bのうちステー36に対応する位置にステー取付用開口部(排出口29B2)を設けている。これにより、第3エンジンカバー29が閉状態でステー36を取り付けることができるので、第3エンジンカバー29の取付作業の作業性を向上することができる。
【0068】
第3エンジンカバー29を後サポート部材20に取り付ける取付作業について、
図5ないし
図12を参照して説明する。
【0069】
図5、
図6は、本発明のエンジンカバー仮止め工程を示している。このエンジンカバー仮止め工程では、第3エンジンカバー29を後サポート部材20に取り付けるときに、第3エンジンカバー29を閉じた状態で後サポート部材20に仮止めするための仮止め治具41を後サポート部材20のうち仮止め治具41に対応する位置に形成された仮止め治具挿通孔(めねじ孔20C)に挿通することにより、第3エンジンカバー29を仮止め状態とする。
【0070】
具体的には、
図5に示すように、作業者は、仮止め治具41を予め左,右のヒンジ34のサポート部材側取付部34Bに取り付ける。即ち、仮止め治具41を各サポート部材側取付部34Bのボルト挿通孔34D(仮止め治具貫通孔)に挿通させる。この場合、仮止め治具41の磁石42によりヒンジ34を閉じた状態で保持させる。
【0071】
次に、
図6に示すように、クレーン等(図示せず)のフック(吊り具)100で第3エンジンカバー29を閉状態(上面板29Bを上にして)、かつ水平状態に吊下げる。この場合、尾管31およびダクト32を第3エンジンカバー29の上面板29Bに取り付けるためのめねじ孔に吊ボルト101を螺合することにより、第3エンジンカバー29を吊下げることができる。これにより、第3エンジンカバー29を吊下げるためのめねじ孔等を新たに設ける必要がないので、コストを低減することができる。
【0072】
そして、フック100を下げることにより第3エンジンカバー29のヒンジ34に取り付けられた仮止め治具41のピン41Bを後サポート部材20のめねじ孔20C(仮止め治具挿通孔)に挿通する。この場合、仮止め治具41の磁石42によりヒンジ34を閉じた状態で保持させているので、ピン41Bを安定した状態で後サポート部材20のめねじ孔20Cに挿通することができる。また、作業者は、上面板29Bに形成された排出口29B2,29B3からピン41Bを視認することができるので、ピン41Bをめねじ孔20Cに容易に挿通させることができる。その後、フック100および吊ボルト101を取り外して第3エンジンカバー29を仮置き状態にすることができる。これにより、クレーンを早期に解放させることができるので、例えば工場内での油圧ショベル1の組立作業の作業性を向上することができる。
【0073】
次に、
図7、
図8は、本発明のステー取付工程を示している。このステー取付工程では、第3エンジンカバー29を閉じた状態で、ステー36を第3エンジンカバー29とステーガイド25とに取り付けるために、第3エンジンカバー29の上面(上面板29B)に設けられたステー取付用開口部(排出口29B2)から第3エンジンカバー29とステーガイド25とにステー36を取り付ける。
【0074】
具体的には、
図7に示すように、第3エンジンカバー29の上面板29Bに形成された排出口29B2からステー36の摺動部36Cをステーガイド25の前端部に差し込み、摺動部36Cをステーガイド25に摺動可能に係合させる。次に、ステー36の取付部36Bを第3エンジンカバー29の後面板29Cの内面29C1に設けられたブラケット33の貫通孔33Dに挿通させる。
【0075】
この場合、
図8に示すように、ステー36の取付部36Bに形成された抜止めピン挿通孔36Dは、排出口29B2側に向いている。これにより、抜止めピン挿通孔36Dは、排出口29B2から視認し易くなっている。従って、作業者は、抜止めピン37を抜止めピン挿通孔36Dに簡単に差し込むことができるので、ステー取付作業の作業性を向上することができる。
【0076】
また、ステー36は、第3エンジンカバー29が閉状態で排出口29B2から第3エンジンカバー29のブラケット33とステーガイド25とに取り付けることができる。これにより、作業者は、第3エンジンカバー29を開状態に維持してステー36を取り付ける必要がないので、簡単にステー36を第3エンジンカバー29とステーガイド25との間に取り付けることができ、ステー36の取付作業の作業性、安定性を向上することができる。
【0077】
次に、
図9ないし
図12は、本発明のエンジンカバー取付工程を示している。このエンジンカバー取付工程では、ステー36により第3エンジンカバー29の開状態を維持して仮止め治具41とボルト35とを入れ替えることにより、第3エンジンカバー29を後サポート部材20に取り付ける。
【0078】
具体的には、
図9に示すように、第3エンジンカバー29の前面板29Aに設けられた取っ手30を把持して第3エンジンカバー29を上方に持上げ、ヒンジ34を回動支点として第3エンジンカバー29を開く。この場合、左,右のヒンジ34には、仮止め治具41が取り付けられているので、第3エンジンカバー29を揺らすことなく、安定して開くことができる。また、ステー36の摺動部36Cは、ステーガイド25を後方に向けて移動する。そして、摺動部36Cを第1凹部25Aに係合させることにより、第3エンジンカバー29をほぼ90°の開状態に維持することができる。
【0079】
次に、
図10に示すように、ボルト35を仮止め治具41のピン41Bが挿通していないヒンジ34のボルト挿通孔34Dに挿通してめねじ孔20Cに螺合する。この場合、仮止め治具41は、各ヒンジ34の左,右方向の内側に位置するボルト挿通孔34Dに挿通し、左,右のヒンジ34の両方に跨って取り付けられている。従って、第3エンジンンカバー29は、揺れおよびがたつきが抑制されている。これにより、各ヒンジ34の左,右方向の外側に位置するボルト挿通孔34Dと後サポート部材20のめねじ孔20Cとの位置合わせを行うことなく、簡単にボルト35をめねじ孔20Cに螺合することができるので、ボルト締結作業の作業性を向上することができる。
【0080】
その後、
図11、
図12に示すように、仮止め治具41をヒンジ34から取り外して、ボルト35を仮止め治具41のピン41Bが挿通していたボルト挿通孔34Dに挿通して後サポート部材20のめねじ孔20Cに螺合する。この場合、各ヒンジ34の左,右方向の外側に位置するボルト挿通孔34Dには、既にボルト35が取り付けられているので、仮止め治具41をヒンジ34から取り外しても第3エンジンカバー29の揺れおよびがたつきが抑制されている。これにより、各ヒンジ34の左,右方向の内側に位置するボルト挿通孔34Dと後サポート部材20のめねじ孔20Cとの位置合わせを行うことなく、簡単にボルト35をめねじ孔20Cに螺合することができるので、ボルト締結作業の作業性を向上することができる。
【0081】
そして、
図2、
図4に示すように、第3エンジンカバー29の上面板29Bに形成された排出口29B1に尾管31を取り付け、排出口29B2、29B3にそれぞれダクト32を取り付ける。
【0082】
かくして、本実施の形態によれば、第3エンジンカバー29の上面板29Bにステー取付用開口部(排出口29B2)を設けているので、この排出口29B2から仮置きした第3エンジンカバー29とステーガイド25とにステー36を取り付けることができる。これにより、フック100により第3エンジンカバー29をメンテナンス開口部17A上に仮置きしてフック100を取り外した後に、仮置きした第3エンジンカバー29の開状態をステー36により維持して第3エンジンカバー29のヒンジ34を後サポート部材20にボルト締結することができる。
【0083】
従って、フック100により第3エンジンカバー29を吊った状態でヒンジ34を後サポート部材20にボルト締結する場合よりも早期にフック100(クレーン)を解放することができるので、第3エンジンカバー29を車体に取り付ける作業の作業性を向上することができる。
【0084】
また、例えば排出口29B2を有していない場合には、エンジンカバーを開状態に維持してステーを取り付けなくてはならず、作業者はエンジンカバーを押えながらステーを取り付けなければならない。しかし、第3エンジンカバー29に形成された排出口29B2により、第3エンジンカバー29を開状態とすることなく、ステー36を第3エンジンカバー29とステーガイド25とに取り付けることができる。これにより、簡単にステー36を第3エンジンカバー29とステーガイド25とに取り付けることができるので、ステー36の取付作業の作業性を向上することができる。
【0085】
また、排出口29B2(ステー取付用開口部)には、熱交換器10内を流れるエンジン冷却水等の流体を冷却する冷却風を排出させるためのダクト32が設けられる。これにより、ステー36を取り付けるためのステー取付用開口部と冷却風を排出させるための排出口29B2とを兼用しているので、コストを低減することができる。
【0086】
また、ヒンジ34は、後サポート部材20の左,右方向に離間して2個配設され、各ヒンジ34は、後サポート部材20に2個のボルト35を用いて取り付けられる。これにより、第3エンジンカバー29を安定して支持することができる。
【0087】
また、ステー36の取付部36Bに形成された抜止めピン挿通孔36Dは、第3エンジンカバー29が閉状態のときに、排出口29B2側に向く位置に形成されている。これにより、作業者は、排出口29B2から抜止めピン挿通孔36Dを視認し易くなっているので、抜止めピン37を抜止めピン挿通孔36Dに簡単に挿通させることができ、ステー取付作業の作業性を向上することができる。
【0088】
また、第3エンジンカバー29を後サポート部材20に取り付けるときに、第3エンジンカバー29のヒンジ34に取り付けられた仮止め治具41を後サポート部材20の仮止め治具挿通孔(めねじ孔20C)に挿通することにより、第3エンジンカバー29を仮止め状態としている。また、仮止め治具41は、左,右に離間したヒンジ34の両方に取り付けられている。
【0089】
これにより、第3エンジンカバー29を開状態としたときに、第3エンジンカバー29の揺れを抑制することができ、また第3エンジンカバー29の位置決めがなされているので、簡単に第3エンジンカバー29のヒンジ34を後サポート部材20にボルト締結することができる。従って、第3エンジンカバー29の取付作業の作業性を向上することができる。
【0090】
また、仮止め治具41は、ヒンジ34および後サポート部材20に仮止め治具41用の貫通孔を新たに設けることなく、ヒンジ34のボルト挿通孔34Dと後サポート部材20のめねじ孔20Cとを利用している。これにより、既存のヒンジ34および後サポート部材20を用いることができるので、コストを低減することができる。さらに、仮止め治具41は、ヒンジ34から着脱可能としているので、1個の仮止め治具41を複数個の第3エンジンカバー29に用いることができ、コストを低減することができる。
【0091】
次に、
図14、
図15は、本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、第3エンジンカバーのヒンジに後サポート部材に向けて突出する位置決めピンを設け、後サポート部材に位置決めピンが挿通されるピン挿通孔を設けたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0092】
ヒンジ51は、第3エンジンカバー29の後面板29Cの内面29C1に設けられたヒンジ取付具29Eの左,右方向に離間して2個設けられている。ヒンジ51は、第3エンジンカバー29のヒンジ取付具29Eに取り付けられるエンジンカバー側取付部51Aと、後サポート部材20に取り付けられるサポート部材側取付部51Bと、エンジンカバー側取付部51Aをサポート部材側取付部51Bに対して回動可能に接続する回動部51Cとにより構成されている。
【0093】
エンジンカバー側取付部51Aは、ヒンジ取付具29Eに溶接等により固着されている。一方、サポート部材側取付部51Bには、左,右方向に離間して2個のボルト挿通孔51Dが形成されている。各ボルト挿通孔51Dは、後サポート部材20に設けられた各めねじ孔20Cに対応する位置に形成されている。また、サポート部材側取付部51Bには、各ボルト挿通孔51D間に磁石52が設けられている。そして、サポート部材側取付部51Bのうち後サポート部材20の上面20Aに当接する当接面51B1には、位置決めピン53が設けられている。位置決めピン53は、左,右のボルト挿通孔51D間に位置してサポート部材側取付部51Bの当接面51B1から後サポート部材20に向けて突出している。
【0094】
ピン挿通孔54は、後サポート部材20のうちめねじ孔20Cとは異なる位置に設けられている。このピン挿通孔54は、各ヒンジ51に設けられた各位置決めピン53に対応する位置に上,下方向に貫通してそれぞれ設けられている。ピン挿通孔54には、ヒンジ51に設けられた位置決めピン53が挿通する。これにより、第3エンジンカバー29は、後サポート部材20に仮置き状態とすることができる。
【0095】
次に、第3エンジンカバー29を後サポート部材20に取り付ける取付作業について説明する。
【0096】
まず、エンジンカバー仮止め工程では、第3エンジンカバー29を後サポート部材20に取り付けるときに、第3エンジンカバー29を閉じた状態でフック100により吊下げ、後サポート部材20に仮止めするための位置決めピン53を後サポート部材20のうちヒンジ51を取り付けるためのめねじ孔20Cとは別個の位置に形成されたピン挿通孔54に挿通することにより第3エンジンカバー29を仮止め状態とする。この場合、磁石52によりヒンジ51を閉じた状態で保持させているので、位置決めピン53を安定した状態で後サポート部材20のピン挿通孔54に挿通させることができる。
【0097】
次のステー取付工程では、上述の第1の実施の形態と同様に、第3エンジンカバー29を閉じた状態で、ステー36を第3エンジンカバー29とステーガイド25とに取り付けるために、第3エンジンカバー29の上面(上面板29B)に設けられたステー取付用開口部(排出口29B2)から第3エンジンカバー29とステーガイド25とにステー36を取り付ける。
【0098】
次のエンジンカバー取付工程では、位置決めピン53をピン挿通孔54に挿通したままの状態で、かつステー36により第3エンジンカバー29の開状態を維持し、ボルト35をヒンジ51のボルト挿通孔51Dに挿通してめねじ孔20Cに螺合することにより、ヒンジ51を後サポート部材20に締結して第3エンジンカバー29を後サポート部材20に取り付ける。
【0099】
かくして、第2の実施の形態においても、上述の第1の実施の形態と同様の作用、効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態では、第3エンジンカバー29に設けられたヒンジ51に仮止め用の位置決めピン53が固着されているので、位置決めピン53がヒンジ51から外れ落ちることなく、第3エンジンカバー29を安定して後サポート部材20に仮置きすることができる。
【0100】
また、位置決めピン53を後サポート部材20のピン挿通孔54に挿通したままの状態で、第3エンジンカバー29を後サポート部材20に取り付けることができるので、第3エンジンカバー29の取付作業の作業性を向上することができる。
【0101】
なお、上述した第1の実施の形態では、ヒンジ34は、第3エンジンカバー29の左,右方向に離間して2個設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばヒンジ34を第3エンジンカバー29の左,右方向に離間して3個以上設けてもよい。このことは、第2の実施の形態についても同様である。
【0102】
また、各ヒンジ34は、後サポート部材20に2個のボルト35を用いて取り付けられた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば各ヒンジ34は、3個以上のボルト35を用いて後サポート部材20に取り付けられてもよい。このことは、第2の実施の形態についても同様である。
【0103】
また、上述した第1の実施の形態では、仮止め治具41を横板41Aと横板41Aに固着されたピン41Bとにより構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば仮止め治具としてのピン部材を2個用意して、1個のピン部材を左のヒンジ34のボルト挿通孔34Dに挿通させ、もう1個のピン部材を右のヒンジ34のボルト挿通孔34Dに挿通させて、これらのピン部材により第3エンジンカバー29を後サポート部材20に仮止めしてもよい。
【0104】
また、上述した実施の形態では、建設機械として、クローラ式の下部走行体2を備えた油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベルに適用してもよい。それ以外にも、ホイールローダ、油圧クレーン等の他の建設機械にも広く適用することができる。