特許第6600712号(P6600712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6600712
(24)【登録日】2019年10月11日
(45)【発行日】2019年10月30日
(54)【発明の名称】五徳スタンド
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/07 20060101AFI20191021BHJP
【FI】
   A47J37/07
【請求項の数】6
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-79732(P2018-79732)
(22)【出願日】2018年4月18日
(65)【公開番号】特開2019-187487(P2019-187487A)
(43)【公開日】2019年10月31日
【審査請求日】2018年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000111867
【氏名又は名称】パール金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084102
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 彰
(72)【発明者】
【氏名】高波 文雄
【審査官】 二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−153142(JP,U)
【文献】 実開昭53−077169(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/00−37/07
A47J 33/00
F24B 1/18
F24B 1/182
F24C 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠部を備えた載置部と、載置部に折り畳み可能に連結した脚杆部と、載置部の枠部に着脱自在で、且つ枠部に吊下げ装着、また載置部上への載置装着の何れでも可能な係止鉤部を備えた風防板で構成してなることを特徴とする五徳スタンド。
【請求項2】
風防板に、載置部の枠部への吊下げ装着時に、風防板が載置部中央内側へ揺動するのを阻止する揺動阻止部を設けてなる請求項1記載の五徳スタンド。
【請求項3】
風防板形状を載置部形状と対応させてなる請求項1又は2記載の五徳スタンド。
【請求項4】
載置部及び風防板を長方形状に形成すると共に、枠部の長手方向辺風防板を装着してなる請求項3記載の五徳スタンド。
【請求項5】
載置部の枠部に吊下げ横杆を突設し、係止鉤部を風防板の上縁に前記吊下げ横杆の幅に対応して設けると共に、前記係止鉤部を枠部に替えて吊下げ横杆に吊下げ装着した際に、前記係止鉤部の基部が枠部と当接して載置部中央内側への揺動を阻止する揺動阻止部に形成してなる請求項2乃至4記載の何れかの五徳スタンド。
【請求項6】
吊下げ横杆を、風防板を吊下げ横杆に吊下げ係止した状態から載置部に載置した状態へ、前記吊下げ横杆を中心とした回動動作でなされる位置に設けてなる請求項5記載の五徳スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として屋外で使用される五徳スタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
五徳は周知のとおり脚杆部と載置部とを備え、加熱源上に配置し、載置部に薬缶や鍋等を載置して使用するもので、特に特許文献1には、屋外使用を目的として携帯に便利なように脚杆部を折畳とした器具(五徳スタンド)が開示されており、また特許文献2には、同様に屋外用において便利なように風防板を備えた器具(五徳スタンド)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭60−132226号公報
【特許文献2】意匠登録第640526号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
五徳スタンドを屋外で使用するに際して、風防板を備えることは、加熱源(固形燃料・薪・炭・ガスバーナー等)の火が消えるのを防止し、また炎の偏りを防止する等の点で有効であるが、特許文献2に開示した五徳スタンドは、風防板が載置部の枠体に連結されて垂れ下げられており、風防としてしか利用できていない。また風防板が着脱自在の構造で取り付けられていないので、邪魔になった場合の風防板の処置に困る等の問題がある。
【0005】
そこで本発明は、風防板の利用価値を高める構造の五徳スタンドを提案した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る五徳スタンドは、枠部を備えた載置部と、載置部に折り畳み可能に連結した脚杆部と、載置部の枠部に着脱自在で且つ吊下げ状態及び載置状態で装着される風防板で構成してなることを特徴とするものである。
【0007】
而して風防板を枠部に吊下げた状態では風防とて機能し、載置状態ではテーブルとして機能すると共に、分離可能に設けているので個々に洗浄が可能となる。
【0008】
また本発明の請求項2記載の五徳スタンドは、風防板に、載置部の枠部への吊下げ装着時に、風防板が載置部中央内側へ揺動するのを阻止する揺動阻止部を設けてなるもので、吊下げ装着した風防板を風上側に配置して使用するが、その際に風防板で風を受けても、風防板の加熱源が存在する載置部中央側への揺動が阻止されるので、屋外簡易グリルとして支障なく使用することができる。
【0009】
また本発明の請求項3記載の五徳スタンドは、風防板形状を載置部形状と対応させてなるもので、テーブルとして使用する際に、載置部の上面全体がテーブル面となる。
【0010】
また本発明の請求項4記載の五徳スタンドは、載置部及び風防板を長方形状に形成すると共に、長手方向辺の枠杆で風防板を連結してなるもので、風防面として広い面積を確保できると共に、テーブルとして使用する際も使いやすい形状となる。
【0011】
また本発明の請求項5記載の五徳スタンドは、載置部の枠部に吊下げ横杆を突設し、風防板の上縁に吊下げ横杆の幅に対応する係止鉤部を設けると共に、前記係止鉤部を吊下げ横杆に吊下げ装着した際に、前記係止鉤部の基部が枠部と当接して載置部中央内側への揺動を阻止する揺動阻止部に形成してなるものであり、更に本発明の請求項6記載の五徳スタンドは、前記の吊下げ横杆を、風防板を吊下げ横杆に吊下げ係止した状態から載置部に載置した状態へ、前記吊下げ横杆を中心とした回動動作でなされる位置に設けてなるものである。
【0012】
従って係止鉤部を吊下げ横杆に引掛けて係止し、吊下げ状態で風防として使用し、そのまま回動するとテーブルとして使用することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の構成は上記のとおりで、風防機能を備えた五徳スタンドを、テーブルとしても使用できる多機能化を図ると共に、風防板を分離しての洗浄も可能としたものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態の全体斜視図(風防板分離状態)。
図2】同風防板装着状態の全体斜視図で(イ)は正面(ロ)は背面を示す。
図3】同風防板の係止構造の説明図で(イ)は装着時(ロ)は装着前を示す。
図4】同風防板装着時の側面図。
図5】同使用状態の説明図(グリルとして使用)。
図6】同図(テーブルとして使用)。
図7】同風防板の操作説明図。
図8】同収納時・携帯時の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明の実施形態について説明する。実施形態に示した五徳スタンドは、五徳を構成する載置部1及び脚杆部2と、風防板3で形成される。
【0016】
載置部1は、長方形の枠部11の内方に載置面を形成する網杆12を架設形成すると共に、両側近傍(短尺辺)に脚軸杆13及び脚受杆14を設け、枠部11の背面(長尺辺側)に吊下げ横杆15を付設したものである。
【0017】
前記の脚受杆14は、脚軸杆13の外側下方で、後述する脚杆部2の折畳み構造を実現する位置関係とするものである。
【0018】
また吊下げ横杆15は、枠部11の長尺辺と平行に枠部11の少し下方に枠部11より突設したものである。
【0019】
脚杆部2は、縦脚杆21と足杆22の上方開口コの字状に形成したもので、縦脚杆21の先端を脚軸杆13に巻装して回動自在に連結したもので、折り畳み時には、載置部1の裏面に添うように折り畳み、使用時には脚杆部2を回動して足杆22が脚軸杆13の鉛直下方から外側に位置して脚受杆14に当接することで、起立状態を維持するようにしたものである。
【0020】
風防板3は、載置部1の枠部11の形状と対応する大きさの主板部31と、前記主板部31の上縁に吊下げ横杆15に係止可能に折曲形成した係止鉤部32を設けてなる。
【0021】
また特に吊下げ横杆15と係止鉤部32の位置関係(係止鉤部32の形成位置)は、吊下げ横杆15に、係止鉤部32を吊下げ係止した際に、係止鉤部32の基部側が、枠部11と当接して載置部1の中央内側への揺動を阻止する揺動阻止部33に形成され、且つ当該吊下げ状態から吊下げ横杆15を中心として風防板3を回動させると、風防板3の主板部31が丁度載置部1に載置される位置関係となるように、吊下げ横杆15と係止鉤部32を設けるものである。
【0022】
而して五徳(簡易グリル)使用する場合は、脚杆部2を開脚して安定させ、吊下げ横杆15に係止鉤部32を係止して風防板3を吊下げるもので、図5に示すように載置部の下方に加熱源(固形燃料A、炭B、その他薪、ガスバーナー)を配置し、屋外調理に供するものである。特に風防板3を備えることで、加熱源への風の吹き込みを防止する。
【0023】
特に図4に示すように、風防板3が吊下げ装着された状態で、揺動阻止部33が枠部11の下方に当接するので、風上側に配置される風防板3で風を受けても、風防板3が加熱源側に揺動することなく、加熱源を風の吹き込みから守るものである。
【0024】
また風防板3を吊下げ状態から回動操作して、載置部1上に乗せると、図6に示すようにテーブルとして使用され、更に載置部1上に風防板3を載置した状態で脚杆部2を折畳むと、図8に示すように一枚の板状となり、携帯や収納に便利となる。
【0025】
尚本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば載置部1においては枠部11の形状は長方形以外にも採用することができ、また網杆12に替えて格子板や焼網を採用することもできる。
【0026】
また脚杆部2も単に折り畳み可能な構造であれば良く、線材以外にも板状物を採用することもできる。更に揺動阻止部33も前記実施形態に示したように主板部31の延長とせずに、小片を主板部31の上縁に付設することでも容易に実現できる。
【符号の説明】
【0027】
1 載置部
11 枠部
12 網杆
13 脚軸杆
14 脚受杆
15 吊下げ横杆
2 脚杆部
21 縦脚杆
22 足杆
3 風防板
31 主板部
32 係止鉤部
33 揺動阻止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8