(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
近位側装着部及び遠位側装着部と、前記近位側装着部と前記遠位側装着部とに亘って形成された中空部と、を有し、前記近位側装着部及び前記遠位側装着部に第1医療器具及び第2医療器具がそれぞれ装着されたときに前記中空部を介して前記第1医療器具及び前記第2医療器具を互いに連通させる医療用接続具であって、
前記中空部は、遠位側に向かって第1変化率で縮径する近位側部分と、前記近位側部分の遠位側に設けられて遠位側に向かって前記第1変化率よりも小さい第2変化率で縮径する遠位側部分と、を有し、
前記中空部の軸心に対する前記近位側部分の周壁の平均傾斜角度は、前記中空部の前記軸心に対する前記遠位側部分の周壁の平均傾斜角度よりも大きく、
前記近位側部分と前記遠位側部分との並び方向における前記遠位側部分の長さが、当該並び方向における前記近位側部分の長さよりも長い医療用接続具。
前記近位側部分から前記遠位側部分にかけて前記中空部の内径が徐々に縮径しているとともに、前記中空部の中心線を含む平面と前記中空部の内周面との交線において前記近位側部分から前記遠位側部分にかけての部分が曲線となっている請求項1又は2に記載の医療用接続具。
前記中空部は、前記遠位側部分の遠位側に連接され且つ前記遠位側部分の遠位端と同径に形成された直管部分を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の医療用接続具。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
【0017】
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係る医療用接続具10の一例を示す平面図である。
図2は第1の実施形態に係る医療用接続具10の中空部40を示す図である。
図3は第1の実施形態に係る医療用接続具10の三面図であり、このうち(a)は左側面図、(b)は平面図、(c)は正面図である。
【0018】
はじめに本実施形態の概要について説明する。なお、以下の説明において、近位側(基端側)とは術者の手指に近い側であり
図1における右方をいう。遠位側(先端側)とは術者の手指から遠い側であり
図1における左方をいう。便宜上、
図1ではシース120についてのみ断面図を示す。
【0019】
本実施形態に係る医療用接続具10は、近位側装着部20及び遠位側装着部30と、近位側装着部20と遠位側装着部30とに亘って形成された中空部40と、を有する。医療用接続具10は、近位側装着部20及び遠位側装着部30に第1医療器具(シリンジ200)及び第2医療器具(シース120)がそれぞれ装着されたときに、中空部40を介して第1医療器具及び第2医療器具を互いに連通させる。中空部40は、遠位側に向かって第1変化率で縮径する近位側部分50と、近位側部分50の遠位側に設けられて遠位側に向かって第1変化率よりも小さい第2変化率で縮径する遠位側部分60と、を有する。近位側部分50と遠位側部分60との並び方向における遠位側部分60の長さが、当該並び方向における近位側部分50の長さよりも長い。
【0020】
次に、本実施形態について詳細に説明する。本実施形態に係る医療用接続具10は、例えば、後述するカテーテル組立体100におけるシース120とシリンジ200とを互いに連通させるカテーテルハブである。この医療用接続具10は、透明であるとともに、中空の筒状に形成されている。なお、医療用接続具10としては、カテーテルハブの他、チューブどうし、チューブとシリンジ、または薬剤が充填された袋状のバッグとチューブとを接続する各種のコネクタを挙げることができる。
【0021】
本実施形態に係る医療用接続具10において、遠位側装着部30は、チューブ状の第2医療器具(シース120)の基端部(近位部121)が嵌入する先端直管部32を有している。先端直管部32は円筒状の中空部であり、先端直管部32の直径は、医療用接続具10とともに用いられるシース120の外径よりも僅かに大きい。シース120の近位部121の周面に接着剤を塗布して当該近位部121を先端直管部32に挿入することにより、近位部121を遠位側装着部30に固着させることができる。
なお、先端直管部32は、後述する直管部分70よりも大径である。
【0022】
近位側装着部20は、シリンジ200(第1医療器具)の先端部202と嵌合する基端嵌合部22を有している。近位側装着部20は円管状をなしている。すなわち、基端嵌合部22は円筒状の中空部である。近位側装着部20には、シリンジ200の先端部202が密着状態で嵌合する。
【0023】
本実施形態に係る医療用接続具10とともに用いられるシリンジ200の先端部202は、いわゆるルアーロック式の雄コネクタである。医療用接続具10の近位側装着部20は雌コネクタを構成しており、基端嵌合部22に先端部202が挿入されることにより、基端嵌合部22に対して先端部202が嵌合する。基端嵌合部22の周囲、すなわち近位側装着部20の外周面には螺旋突部24が形成されている。シリンジ200において、先端部202の周囲の部分には螺旋状の内フランジ204が形成されており、内フランジ204は基端嵌合部22の螺旋突部24と螺合する。これにより、シリンジ200は医療用接続具10の近位側装着部20に対して着脱可能に装着される。
【0024】
医療用接続具10には、遠位側装着部30の先端直管部32と近位側装着部20の基端嵌合部22とに亘って中空部40が形成されている。すなわち、中空部40は、先端直管部32と基端嵌合部22とを相互に連通させている。
なお、中空部40、基端嵌合部22及び先端直管部32は、例えば、互いに同軸に配置されている。
【0025】
本実施形態の場合、中空部40は、遠位側部分60の遠位側に連接され且つ遠位側部分60の遠位端(遠位端開口71)と同径に形成された直管部分70を有する。
【0026】
なお、中空部40の近位側部分50、遠位側部分60及び直管部分70は、例えば、互いに同軸に配置されている。
中空部40の内腔断面形状及び開口形状、すなわち中空部40を軸方向における任意の位置において、軸方向に対して垂直に切断した横断面の形状は、いずれも円形である。
ここで、中空部40の軸方向とは、近位側装着部20と遠位側装着部30とを結ぶ方向であり、
図1における左右方向である。
【0027】
中空部40のうち、近位側に設けられた近位側部分50の近位端開口52は基端嵌合部22と略同径である。近位側部分50は、近位端開口52から遠位側に向かって縮径している。
近位側部分50よりも遠位側に設けられた遠位側部分60は、近位側部分50と連続的に形成されている。これにより、シリンジ200から近位側部分50に供給された薬剤は近位側部分50から遠位側部分60にかけて滑らかに流通する。遠位側部分60は、近位側部分50と遠位側部分60との第1境界部58から遠位側に向かって縮径している。
遠位側部分60よりも遠位側に設けられた直管部分70は、遠位側部分60と連続的に形成されている。これにより、薬剤は、遠位側部分60から直管部分70にかけても、滑らかに流通する。
【0028】
近位側部分50は、遠位側に向かって第1変化率で縮径し、遠位側部分60は、第1変化率よりも小さな第2変化率で、遠位側に向かって縮径している。
第1変化率は、軸方向における単位長さあたりの、近位側部分50の内径の変化量を意味する。第1変化率は、近位側部分50の軸方向における全長に亘って一定でも良いし、近位側部分50の軸方向における部分に応じて異なっていても良い。
同様に、第2変化率は、軸方向における単位長さあたりの、遠位側部分60の内径の変化量を意味する。第2変化率は、遠位側部分60の軸方向における全長に亘って一定でも良いし、遠位側部分60の軸方向における部分に応じて異なっていても良い。
【0029】
ここで、軸心に対する近位側部分50の周壁51の傾斜角度を、勾配φ1と称することとする。
近位側部分50は、勾配φ1が軸方向の全長に亘って一定である線形テーパー状に縮径しても良いし、勾配φ1が複数段階に漸減する多段テーパー状に形成されていても良い。
【0030】
一方、遠位側部分60は、近位側部分50との境界である第1境界部58から、遠位側部分60における遠位端である第2境界部62にかけて縮径している。遠位側部分60は、例えば、滑らかに縮径している。すなわち、遠位側部分60の内部には不連続な段差や多段テーパーは形成されておらず、遠位側部分60は遠位側に向かって滑らかに縮径している。
ここで、軸心に対する遠位側部分60の周壁61の傾斜角度を勾配φ2と称することとする。
遠位側部分60は、勾配φ2が軸方向の全長に亘って一定である線形テーパー状に縮径していても良いし、勾配φ2が遠位側に向かって漸減する指数関数テーパー状に縮径していても良い。
【0031】
近位側部分50の周壁51の平均傾斜角度、すなわち勾配φ1の平均値は、遠位側部分60の周壁61の平均傾斜角度、すなわち勾配φ2の平均値よりも大きい。
【0032】
図1〜
図3及び
図5に示す例では、第1変化率及び第2変化率は、それぞれ一定の変化率(一定の値)となっている。つまり、近位側部分50及び遠位側部分60は、それぞれ直線的なテーパー形状となっており、勾配φ1及び勾配φ2は、軸方向における位置によらず、それぞれ一定の値となっている。
従って、中空部40は、近位側部分50と遠位側部分60とでテーパー角度が異なる多段テーパー状に形成されており、近位側部分50及び遠位側部分60はそれぞれ円錐台形状をなしている。
近位側部分50のテーパー角度θ1、すなわち、テーパー形状の全頂角は、勾配φ1、すなわちテーパー形状の半頂角の2倍の角度である。
同様に、遠位側部分60のテーパー角度θ2、すなわち、テーパー形状の全頂角は、勾配φ2、すなわちテーパー形状の半頂角の2倍の角度である。
近位側部分50の全頂角(テーパー角度θ1)は、遠位側部分60の全頂角(テーパー角度θ2)よりも大きい。そして、近位側部分50と遠位側部分60との第1境界部58において、テーパー角度がθ1からθ2に不連続に変化している。
【0033】
本実施形態に係る医療用接続具10によれば、
図5を用いて後述するように、遠位側部分60の周壁61のテーパー角度θ2を近位側部分50の周壁51のテーパー角度θ1よりも緩やかにすることにより、薬剤(ビーズB)が遠位側部分60に集中して流入することを抑制することができる。
【0034】
近位側部分50のテーパー角度θ1は、例えば、5度以上、10度以上、或いは20度以上とすることができ、60度以下または45度以下とすることができる。
遠位側部分60のテーパー角度θ2は、2度よりも大きい。これにより、遠位側部分60の勾配φ2を、一般的に1度以下に設定される抜き勾配よりも大きくすることができる。抜き勾配とは、成形品から成形金型を引き抜きやすくするために設定される勾配である。
勾配φ2は、1.3度以上または1.5度以上とすることができる。すなわち、テーパー角度θ2は、2.6度以上または3度以上とすることができる。
また、勾配φ2は、例えば、4.5度以下とすることができる。すなわち、テーパー角度θ2は、9度以上とすることができる。
なお、直管部分70には、抜き勾配が設定されていなくても良いが、必要に応じて、抜き勾配が設定されていても良い。すなわち、直管部分70の勾配は、抜き勾配以下(1度以下)に設定することができる。
【0035】
図2に示すように、近位側部分50と遠位側部分60との並び方向(つまり軸方向)における遠位側部分60の長さL2は、当該並び方向(軸方向)における近位側部分50の長さL1よりも長い。
すなわち、中空部40がある程度の内径に縮径するまでは、ビーズB等の薬剤の流動方向における比較的短い区間(近位側部分50)で中空部40の内径が絞り込まれ、その後は、比較的長い区間(遠位側部分60)において、中空部40の内径が徐々に絞り込まれる。
【0036】
ここで、近位端開口52の内径D1は、第1境界部58の内径D2よりも大きく、且つ、シリンジ200の先端部202の内径よりも大きい。
内径D1は、例えば、ビーズBの直径の5倍以上、20倍以下とすることができる。このようにすることにより、近位端部分50内へのビーズBの流入をスムーズに行わせることができる。なお、基端嵌合部22の内径は、例えば、近位端開口52の内径D1と等しくすることができる。
【0037】
第1境界部58における中空部40の内径D2は、ビーズBの直径の2倍以上であることが好ましく、ビーズBの直径の6倍以下、または4倍以下とすることができる。このようにすることにより、近位側部分50において速やかに中空部40の内径を絞り込むことができる。
【0038】
遠位側部分60と直管部分70との境界部である第2境界部62における中空部40の内径D3は、ビーズBの直径と比べると大きいものの、ビーズBの直径の2倍よりも小さいことが好ましい。
【0039】
遠位側部分60の長さL2が近位側部分50の長さL1よりも長いので、内径D2をある程度大きくしても、内径D3を十分に小さく絞り込むことができる。
遠位側部分60においては、ビーズBの整流が徐々に行われ、各ビーズBの平均的な移動方向が徐々に軸方向に近づく。遠位側部分60においては、ビーズBの移動方向の整流をゆっくりと行うことができるため、遠位側部分60におけるビーズBの詰まりを抑制することができる。
【0040】
また、遠位側部分60から直管部分70にかけての部位においては、ビーズBを整列状態で流動させることができ、例えば、1個ずつのビーズBが順次に流動するようにできる。このため、ビーズBどうしの干渉を抑制することができるので、ビーズBの詰まりを抑制し、ビーズBをスムーズに流動させることができる。
【0041】
また、直管部分70の内径は実質的に一定となっている。このため、直管部分70内においても、ビーズBを整列状態で流動させることができるため、ビーズBどうしの干渉を抑制することができる。よって、直管部分70においても、ビーズBの詰まりを抑制し、ビーズBをスムーズに流動させることができる。
【0042】
なお、中空部40は、近位側部分50、遠位側部分60及び直管部分70以外の領域を更に有していてもよい。具体的には、例えば、近位側部分50と近位側装着部20との間、または、近位側部分50と遠位側部分60との間に、開口径が一定の直管(非テーパー)部分を有していても良い。一例として、第1境界部58が所定長さの非テーパー部分であってもよい。
【0043】
遠位側部分60の遠位側には、遠位側部分60よりも大径の遠位側装着部30が連接されている。遠位側装着部30には、第2医療器具としてのシース120が装着される。
【0044】
医療用接続具(カテーテルハブ)10は透明樹脂材料で作製することができる。透明樹脂材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン樹脂のほか、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどの合成樹脂材料を用いることができる。
【0045】
図3(a)から
図3(c)に示すように、医療用接続具10は、ハブ本体12を有している。ハブ本体12は、中空部40が内部に形成された円錐部13と、この円錐部13と一体成形された板状部14とを備えて構成されている。板状部14には、補強リブ16が形成されている。補強リブ16は、軸方向に沿って延在する突条である。ハブ本体12及び補強リブ16は上記の透明樹脂材料で一体形成されている。
【0046】
次に、医療用接続具10を備えるカテーテル組立体100について説明する。
図4は第1の実施形態に係るカテーテル組立体100の平面図であり、(a)はカテーテル組立体100及びシリンジ200を操作する前の状態を示し、(b)はカテーテル組立体100及びシリンジ200を操作した状態を示す。
【0047】
カテーテル組立体100は、本実施形態に係る医療用接続具10と、遠位側装着部30に装着されたチューブ状のシース120(第2医療器具)と、を備えている。
【0048】
図4(a)及び
図4(b)に示すように、カテーテル組立体100は、血管塞栓用ビーズ(ビーズB)が充填されたシリンジ200(第1医療器具)を近位側装着部20に着脱可能に装着して用いられる。
【0049】
カテーテル組立体100は、管状のシース120、操作部130及び医療用接続具10を備えている。操作部130は、ダイヤル操作部132、本体部134及びプロテクタ136を備えている。プロテクタ136は、本体部134の遠位側に装着された可撓性の筒状体である。医療用接続具10は操作部130の近位側に組み付けられて固定されている。ダイヤル操作部132は本体部134に対して回動可能かつ術者の手指によりアクセス可能に取り付けられており、双方向の回動方向のうち任意の回動方向に回動操作される。
【0050】
本体部134の内部にはシース120が貫通して挿通されている。シース120の近位部121(
図1参照)は医療用接続具10の遠位側装着部30に挿入されている。シース120の中間部122は本体部134及びプロテクタ136を貫通してカテーテル組立体100の遠位側に延在している。
シース120の中間部122において、操作部130の本体部134から遠位側に突出している部分は、プロテクタ136の内部に挿通されているため、当該部分が折れ曲がってキンクすることが抑制されている。
【0051】
シース120の内部には操作線(図示せず)が摺動可能に挿通され、操作線の先端はシース120の遠位部123に固定されている。操作線の基端部はシース120から側方に引き出されて操作部130のダイヤル操作部132に巻き付けられ、さらに操作線の基端はダイヤル操作部132に固定されている。ダイヤル操作部132を一方向に回動操作することにより、操作線の基端部はダイヤル操作部132に巻き取られ、操作線の先端部はシース120に対して相対的に近位側に牽引される。これにより、シース120の遠位部123は屈曲する。本実施形態に係るカテーテル組立体100においては、2本の操作線がシース120の内部に対向配置されており、それぞれシース120の軸線方向に沿って延在している。2本の操作線はダイヤル操作部132に対して互いに異なる向きに巻き付けられ、また2本の操作線の基端はダイヤル操作部132にそれぞれ固定されている。これにより、ダイヤル操作部132の回動方向を選択することで、牽引される操作線が選択される。
図4(b)に示すように、ダイヤル操作部132を時計回り(矢印A方向)に回動させることで、一方の操作線が牽引され、シース120の遠位部123は同図の上方に(矢印C方向に)屈曲する。ダイヤル操作部132を反時計回りに回動させると、他方の操作線が牽引され、シース120の遠位部123は
図4(b)における下方に屈曲する。
【0052】
シース120の遠位部123にはX線不透過材料で作成された環状のマーカー(図示せず)が装着されている。このため、X線撮像下で、シース120の遠位部123の屈曲方向を確認することができる。シース120を被験者の血管などの体腔内に留置した状態でダイヤル操作部132を操作して遠位部123を所望の方向に屈曲させ、所望の生体組織に対してビーズB等の薬剤を投与することができる。
【0053】
シース120の外径は、近位部121、中間部122、遠位部123の順に徐々に小径に変化している。これに対し、シース120の内腔124は、近位部121から遠位部123まで略同径である。すなわち、シース120の管壁は、近位部121において最も肉厚であり、遠位部123において最も肉薄である。シース120は、内腔124(メインルーメン)を画成する内層と、補強ワイヤをメッシュ状またはコイル状に巻回した補強層と、この補強層を内包する外層と、で積層形成されている(図示せず)。補強層は多重に積層構成してもよい。このほか、外層の内部には、上述した操作線が内包されている。操作線は、外層の内部に埋設された樹脂製の細管(図示せず)の内部に挿通されていてもよい。かかる細管は、少なくとも操作線の本数と同数だけ、内腔124の周囲に離間配置することができる。細管の内腔は、シース120の内腔124(メインルーメン)よりも小径であり、細管はサブルーメンを形成する。
【0054】
内層の材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)及びペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)などのフッ素系の熱可塑性樹脂材料を用いることができる。フッ素系の樹脂材料を用いることにより、ビーズBの摺動性を良好にすることができ、医療用接続具10からシース120の近位部121に供給されたビーズBが、長尺のシース120の内部で詰まってしまうことを抑制できる。
【0055】
シース120の外層に細管を埋設する場合、細管の材料にも上記のフッ素系の樹脂材料を用いることができる。このほか、細管の材料としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)または四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)などの低摩擦樹脂材料を用いることができる。
【0056】
外層の材料としては熱可塑性ポリマー材料を用いることができる。この熱可塑性ポリマー材料としては、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリアミドエラストマー(PAE)、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)などのナイロンエラストマー、ポリウレタン(PU)、エチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリプロピレン(PP)を挙げることができる。
【0057】
外層の外表面には、例えば、親水層(図示せず)が形成されている。親水層は、シース120の全長に形成されていても良いし、遠位部123を含む先端側の一部長さ領域のみに形成されていても良い。親水層は、たとえば、ポリビニルアルコール(PVA)などの無水マレイン酸系ポリマーやその共重合体、ポリビニルピロリドンなどの親水性の樹脂材料で作成することができる。
【0058】
補強層は、金属ワイヤをメッシュ状またはコイル状に巻回した金属層である。補強ワイヤの材料としては、タングステン(W)、ステンレス鋼(SUS)、ニッケルチタン系合金、鋼、チタン、銅、チタン合金または銅合金などの金属材料のほか、内層及び外層よりも剪断強度が高い、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)またはポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂材料を用いることができる。
【0059】
操作線は、単一の線材により構成されていてもよいが、複数本の細線を互いに撚りあわせることにより構成された撚り線であってもよい。操作線の材料には、低炭素鋼(ピアノ線)、ステンレス鋼(SUS)、耐腐食性被覆した鋼鉄線、チタンもしくはチタン合金、またはタングステンなどの金属線を用いることができる。このほか、操作線の材料としては、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはボロン繊維などの高分子ファイバーを用いることができる。
【0060】
シース120の代表的な寸法について説明する。内腔124の直径は400μm以上かつ600μm以下、内層の厚さは5μm以上かつ30μm以下、外層の厚さは10μm以上かつ200μm以下とすることができる。そして、シース120の外径は、700μm以上かつ980μm以下とすることができる。すなわち、本実施形態に係るカテーテル組立体100に用いられるシース120は直径1mm未満であり、シース120は末梢血管に挿入可能なマイクロカテーテルを構成する。また、医療用接続具10の代表的な寸法の例として、その遠位端から近位端までの長手寸法は1cm以上かつ10cm以下とすることができる。医療用接続具10がカテーテルハブである場合、長手寸法は2cm以上かつ6cm以下とすることができる。第1境界部58から近位端開口52までの近位側部分50の長手寸法、すなわち長さL1は、例えば、1mm以上かつ20mm以下とすることができる。第1境界部58から第2境界部62までの遠位側部分60の長手寸法、すなわち長さL2は、近位側部分50の長手寸法よりも長く、数mmから数十mmとすることができる。例えば、長さL2は長さL1の1.5倍以上とすることができ、2倍以上としても良い。また、直管部分70の長さは、例えば、0.2mm以上10mm以下とすることができる。なお、直管部分70の長さは、例えば、ビーズBの直径よりも大きくすることができる。
【0061】
カテーテル組立体100を用いて被験者の肝動脈などの生体組織に投与される薬剤としては各種のものを挙げることができる。具体的には、造影剤、液体抗ガン剤、生理食塩水または瞬間接着剤として用いられるNBCA(n−butyl−2−cianoacrylate)などの液体の薬剤のほか、塞栓コイルや多孔性ゼラチンスポンジ、塞栓球状物質である血管塞栓用ビーズなどの固体の薬剤を挙げることができる。本実施形態では、薬剤として血管塞栓用ビーズ(ビーズB)を用いる場合を例示する。シリンジ200には、ビーズBとともに生理食塩水などの液体を充填してもよい。
【0062】
血管塞栓用ビーズの例としては、ポリビニルアルコール・アクリル酸共重合体で作製された吸水性及び膨潤性のビーズや、アクリル系共重合体で作製された非吸水性のビーズなどがバイオスフィアメディカル社等より提供されている。具体的には、直径が100μmから300μm(上限値及び下限値を含む。以下同じ。)、300μmから500μm、500μmから700μm、の3種の粒子サイズの血管塞栓用ビーズが提供されている。本実施形態の内腔124の直径は400μm以上かつ600μm以下であるため、カテーテル組立体100は、100μmから300μm及び300μmから500μmの直径の血管塞栓用ビーズを、内腔124の内部に問題なく流通させることができる。そして、内腔124の直径は1mm未満であり、シース120は肝臓の全亜区域枝に到達可能である。したがって、本実施形態に係るカテーテル組立体100を肝動脈塞栓療法に用いることができる。
【0063】
医療用接続具10の近位側装着部20に装着されたシリンジ200には薬剤(ビーズB)が充填されている。
図4(b)に示すようにシリンジ200のプランジャ206を先端側に押し込むと薬剤(ビーズB)は近位側装着部20を通じて医療用接続具10に供給される。これにより、被験者の所望の生体組織に対して、必要によりシース120の遠位部123を屈曲させた状態で、薬剤(ビーズB)を投入することができる。
【0064】
以下、本実施形態に係る医療用接続具10により血管塞栓用ビーズ(ビーズB)の詰まりが抑制される原理について説明する。
【0065】
図5は中空部40及びシース120の内腔124を血管塞栓用ビーズ(ビーズB)が流通する様子を示す模式図である。
図7は比較形態に係る医療用接続具300の中空部340に血管塞栓用ビーズ(ビーズB)の詰まりが発生している状態を示す模式図である。
【0066】
シース120の内腔124の直径は、医療用接続具10の中空部40の直管部分70における遠位端開口71の内径と略同径である。そして、シース120と中空部40の遠位端開口71とは突き合わされて互いに連通している。シース120の内腔124の軸心と、中空部40の軸心とは、互いに同軸に位置するようになっていることが好ましい。
【0067】
シリンジ200(
図1参照)から近位側部分50の近位端開口52に対して軸方向に吐出されたビーズBは、テーパー角度θ1(半頂角である勾配はφ1)で傾斜する周壁51に衝突したり、周壁51に沿って流動したりする。これにより、多くのビーズBは、
図5に移動方向E1として示されるように、中空部40の軸心AXに向かって内向きの速度成分を含む移動方向E1で第1境界部58へ移動する。
【0068】
近位側部分50と遠位側部分60との第1境界部58の内径D2(
図2)は、上述のように、例えば、血管塞栓用ビーズ(ビーズB)の直径の2倍よりも大きい。そして、近位側部分50の周壁51の勾配φ1は、遠位側部分60の周壁61の勾配φ2よりも大きい。これにより、第1境界部58において、多くのビーズBは、互いに斜め衝突して速度を減じながら、1個または数個ずつ遠位側部分60に流入する(
図5に示す移動方向E1を参照)。第1境界部58の内径がビーズBの直径の2倍よりも大きいことにより、第1境界部58におけるビーズBの詰まりが抑制されている。
【0069】
遠位側部分60の周壁61は、近位側部分50よりも緩やかなテーパー角度θ2(半頂角である勾配はφ2)で傾斜している。これにより、複数個のビーズBが遠位側部分60の内部で詰まってしまうことが抑制されつつ、ビーズBは前後に整列して遠位側部分60を通過する。
【0070】
医療用接続具10(
図1参照)の中空部40の第2境界部62の内径は、血管塞栓用ビーズ(ビーズB)の直径よりも大きく、かつ血管塞栓用ビーズ(ビーズB)の直径の2倍よりも小さい。すなわち、遠位端開口71に突き当てられたシース120の内腔124にはビーズBが1個ずつ順番に流入することとなり、2個以上が同時に流入することが抑制される。
【0071】
本実施形態に係る医療用接続具10によれば、大きな勾配φ1で傾斜する近位側部分50において速やかに中空部40の内径の絞り込みが行われる。
そして、大きな勾配φ1の近位側部分50から小さな勾配φ2の遠位側部分60に切り替わる第1境界部58において、複数個のビーズBが流通可能な開口幅の空間で、多くのビーズBは互いに斜めに衝突する(
図5の移動方向E1を参照)。これにより、近位側部分50に流入するビーズBに対して第1段階の整流が行われる。
遠位側部分60は小さな勾配φ2を有するため、当該遠位側部分60においては、比較的ゆっくりと内径の絞り込みが行われる。よって、遠位側部分60においては、ビーズBに対する第2段階の整流を、ゆっくりと、且つ確実に行うことができる(
図5の移動方向E2を参照)。
遠位側部分60の遠位端の第2境界部62の内径は、ビーズBの直径の2倍未満であるため、ビーズBが第2境界部62を通過する頃には、ビーズBの移動方向は、概ね軸方向に沿った方向となるとともに、ビーズBが互いに整列状態で流動するようになる(
図5の移動方向E3を参照)。
そして、直管部分70では引き続きビーズBが互いに整列状態で流動した後、ビーズBは直管部分70の遠位端開口71からシース120の内腔124に流入する。
このため、流動性の低いビーズBのような固体の薬剤をシリンジ200からシース120に供給する場合でも、医療用接続具10の内部でビーズBが詰まりを生じることが抑制される。よって、医療用接続具10において最も小さな開口径をもつ第2境界部62や遠位端開口71がビーズBによって閉塞することが抑制される。
【0072】
一方、比較形態に係るハブ(
図7参照)のように中空部340の傾斜角度が均一の医療用接続具300においては、中空部340に供給される多数のビーズBが、最も小さな開口径をもつ遠位側開口362に集中する。このため、遠位側開口362の手前で複数個のビーズBが互いに周壁361に押しつけられてブリッジBRを形成することがある。これにより、後続のビーズBは中空部340を通過することができず、ブリッジBRはどんどん成長して完全に中空部340を閉塞させる。このことは、特許文献1の技術においても同様である。
【0073】
本実施形態で用いられる血管塞栓用ビーズ(ビーズB)の直径は、例えば、300μm以上500μm以下である。具体的には、平均粒子径が350μm程度のビーズBを肝動脈塞栓療法に用いることができる。
なお、複数種類の粒子径のビーズBを混合して用いても良い。ここで、ビーズBの粒子径が複数種類であるとは、ビーズBの粒度分布が複数のピークを持つことを意味する。
【0074】
以上のような第1の実施形態によれば、遠位側に向かって第1変化率で縮径する近位側部分50の長さL1よりも、遠位側に向かって第1変化率よりも小さい第2変化率で縮径する遠位側部分60の長さL2の方が長いことにより、医療用接続具10の長手寸法を抑制しつつ、薬剤の詰まりが発生することを抑制することが可能である。
【0075】
また、中空部40は、遠位側部分60の遠位側に連接され且つ遠位側部分60の遠位端と同径に形成された直管部分70を有するので、薬剤がシース120等に流入する手前に、直線状の助走領域を有する構成となっている。これにより、中空部40からシース120等に向けて、薬剤を抵抗なくスムーズに流動させることができる。
【0076】
〔第2の実施形態〕
図6は第2の実施形態に係る医療用接続具10の中空部40を示す図である。
本実施形態に係る医療用接続具10及びカテーテル組立体100は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る医療用接続具10及びカテーテル組立体100と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る医療用接続具10及びカテーテル組立体100と同様に構成されている。
【0077】
上記の第1の実施形態においては、
図5に示すように、中空部40の中心線を含む平面と中空部40の内周面との交線81が、近位側部分50と遠位側部分60との境界である第1境界部58において折れ曲がっている(折れ曲がり部81bとなっている)。
【0078】
これに対し、本実施形態の場合、
図6に示すように、近位側部分50から遠位側部分60にかけて中空部40の内径が徐々に縮径しているとともに、中空部40の中心線を含む平面と中空部40の内周面との交線81において近位側部分50から遠位側部分60にかけての部分が曲線となっている(曲線部81aとなっている)。曲線部81aにおける勾配は、例えば、円弧状に連続的に変化しているか、或いは、指数関数的に連続的に変化している。
曲線部81aが円弧状である場合、その曲率半径は、例えば、第1境界部58における中空部40の内径D2の5倍以上、50倍以下とすることができる。
なお、近位側部分50及び遠位側部分60における曲線部81a以外の部分においては、第1の実施形態と同様に、それぞれ一定の変化率で遠位側に向かって縮径している。すなわち、近位側部分50及び遠位側部分60において曲線部81aを除く部分がそれぞれ直線的なテーパー形状に形成されている点は、第1の実施形態と同様である。
【0079】
第1の実施形態に係る医療用接続具10では、上述したように、近位側部分50の近位端開口52より供給された多数のビーズBが、傾斜角度が変化する第1境界部58において互いに衝突して第1段階の整流が行われる(
図5参照)。これに対し、第2の実施形態に係る医療用接続具10によれば、近位側部分50に供給された多数のビーズBが、近位側部分50の内部で徐々に整流されながら境界部第1境界部58に到達し、さらに続けて遠位側部分60の内部で整流されて、直管部分70を経てシース120の内腔124に流入する。このため、第2の実施形態に係る医療用接続具10によっても、最も小さな開口径をもつ第2境界部62や遠位端開口71がビーズBによって閉塞することが抑制される。
【0080】
そして、第2の実施形態に係る医療用接続具10は、特定位置に形成された第1境界部58においてビーズBを減速させるのではなく、近位側部分50の内部でビーズBを徐々に減速させるため、医療用接続具10を通過するビーズBのスループットを高くすることができる。
【0081】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。たとえば、第1の実施形態では医療用接続具(カテーテルハブ)10にシース120の近位部121が固着されて一体化されている形態を例示したが、本発明はこれに限られない。医療用接続具10はシース120と分離可能であってもよい。また、医療用接続具10は操作部130に対して取り外し可能に取り付けられていてもよい。
【0082】
また、上述の各実施形態では、中空部40が遠位側部分60の遠位側に直管部分70を有する例を説明したが、中空部40は直管部分70を有していなくても良い。この場合、第2境界部62が中空部40の遠位端開口となる。
【0083】
また、本発明の医療用接続具10及びカテーテル組立体100を構成する各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はない。複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0084】
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)近位側装着部及び遠位側装着部と、前記近位側装着部と前記遠位側装着部とに亘って形成された中空部と、を有し、前記近位側装着部及び前記遠位側装着部に第1医療器具及び第2医療器具がそれぞれ装着されたときに前記中空部を介して前記第1医療器具及び前記第2医療器具を互いに連通させる医療用接続具であって、
前記中空部は、遠位側に向かって第1変化率で縮径する近位側部分と、前記近位側部分の遠位側に設けられて遠位側に向かって前記第1変化率よりも小さい第2変化率で縮径する遠位側部分と、を有し、
前記近位側部分と前記遠位側部分との並び方向における前記遠位側部分の長さが、当該並び方向における前記近位側部分の長さよりも長い医療用接続具。
(2)前記近位側部分及び前記遠位側部分は、それぞれ一定の変化率で遠位側に向かって縮径している上記(1)に記載の医療用接続具。
(3)前記近位側部分から前記遠位側部分にかけて前記中空部の内径が徐々に縮径しているとともに、前記中空部の中心線を含む平面と前記中空部の内周面との交線において前記近位側部分から前記遠位側部分にかけての部分が曲線となっている上記(1)又は(2)に記載の医療用接続具。
(4)前記中空部は、前記遠位側部分の遠位側に連接され且つ前記遠位側部分の遠位端と同径に形成された直管部分を有する上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の医療用接続具。
(5)前記遠位側装着部は、チューブ状の前記第2医療器具の基端部が嵌入する先端直管部を有する上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の医療用接続具。
(6)前記遠位側装着部は、チューブ状の前記第2医療器具の基端部が嵌入する先端直管部を有し、
前記先端直管部は前記直管部分よりも大径である上記(4)に記載の医療用接続具。
(7)前記近位側装着部は、前記第1医療器具であるシリンジの先端部と嵌合する基端嵌合部を有する上記(1)から(6)のいずれか一項に記載の医療用接続具。
(8)上記(1)から(7)のいずれか一項に記載の医療用接続具と、前記遠位側装着部に装着された前記第2医療器具と、を備えるカテーテル組立体であって、
前記第2医療器具は、チューブ状のシースであり、
前記シースの内径が前記中空部の遠位端開口の内径と略同径であり、かつ前記シースと前記遠位端開口とが突き合わされて互いに連通しているカテーテル組立体。
(9)前記近位側装着部に着脱可能に装着された前記第1医療器具を更に備え、
前記第1医療器具は、血管塞栓用ビーズが充填されたシリンジであり、
前記中空部の前記遠位端開口の前記内径が、前記血管塞栓用ビーズの直径よりも大きく、かつ前記血管塞栓用ビーズの前記直径の2倍よりも小さい上記(8)に記載のカテーテル組立体。