(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、流路側ポートの開口部の位置が異なる各種の流体処理装置への弁本体の互換適合性が高められた弁装置を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1流路側ポートを有する流体処理装置に装着される弁装置であって、弁室を区画するとともに前記弁室と前記第1流路側ポートと連通させるための第1弁側ポートが形成された弁本体と、前記第1弁側ポートを開閉する弁体と、前記弁本体と前記流体処理装置との間に装着されるガスケットとを含み、前記ガスケットは、前記第1流路側ポートと前記第1弁側ポートとに間に、これらを互いに連通させるための空間を提供する第1貫通孔を有し、前記第1流路側ポートの開口部と、前記第1弁側ポートの開口部とは、前記ガスケットの厚さ方向から視て、互いに異なる位置に設けられており、前記第1貫通孔は、前記ガスケットの厚さ方向から視て、前記第1流路側ポートの開口部及び前記第1弁側ポートの開口部を包摂するとともに、前記第1流路側ポートの開口部及び前記第1弁側ポートの開口部の外側領域に拡張した孔輪郭を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る前記弁装置において、前記第1流路ポートの開口部と、前記第1弁側ポートの開口部とは、前記ガスケットの厚さ方向から視て、重なることなく完全に離れていることが望ましい。
【0009】
本発明に係る前記弁装置において、前記ガスケットの前記第1貫通孔の前記孔輪郭は、楕円状又は長円状であることが望ましい。
【0010】
本発明に係る前記弁装置において、前記流体処理装置は、第2流路側ポートを有し、前記弁本体には、前記第2流路側ポートと連通させるための第2弁側ポートが形成されており、前記ガスケットは、前記第2流路側ポートと前記第2弁側ポートとに間に、これらを互いに連通させるための空間を提供する第2貫通孔を有し、前記第2流路側ポートの開口部と、前記第1弁側ポートの開口部とは、前記ガスケットの厚さ方向から視て、互いに異なる位置に設けられており、前記第2貫通孔は、前記ガスケットの厚さ方向から視て、前記第2流路側ポートの開口部及び前記第2弁側ポートの開口部を包摂するとともに、前記第2流路側ポートの開口部及び前記第2弁側ポートの開口部の外側領域に拡張した孔輪郭を有することが望ましい。
【0011】
本発明に係る前記弁装置において、前記流体処理装置は、第3流路側ポートを有し、前記弁本体には、前記第3流路側ポートと連通させるための第3弁側ポートが形成されており、前記ガスケットは、前記第3流路側ポートと前記第3弁側ポートとに間に、これらを互いに連通させるための空間を提供する第3貫通孔を有し、前記第3貫通孔は、前記ガスケットの厚さ方向から視て、前記第3流路側ポートの開口部及び前記第3弁側ポートの開口部を包摂するとともに、前記第3流路側ポートの開口部及び前記第3弁側ポートの開口部の外側領域に拡張した孔輪郭を有することが望ましい。
【0012】
本発明に係る前記弁装置において、前記第1弁側ポート、前記第2弁側ポート及び前記第3弁側ポートの各ポート中心は、前記ガスケットの厚さ方向から視て、同一直線上に並ぶことなく配されていることが望ましい。
【0013】
本発明に係る前記弁装置において、前記弁体は、前記弁本体と共に前記弁室を区画するダイアフラムを含むことが望ましい。
【0014】
本発明に係る前記弁装置において、前記弁体を駆動する駆動手段をさらに具えることが望ましい。
【0015】
本発明に係る前記弁装置において、前記駆動手段は、電磁力を発生するコイルを含むことが望ましい。
【0016】
本発明の第2発明は、流路側ポートを有する流体処理装置と、弁側ポートが形成された弁本体との間に装着されるガスケットであって、前記流路側ポートと前記弁側ポートとに間に、これらを互いに連通させるための空間を提供する貫通孔を有し、前記流路側ポートの開口部と、前記弁側ポートの開口部とは、前記ガスケットの厚さ方向から視て、互いに異なる位置に設けられており、前記貫通孔は、前記ガスケットの厚さ方向から視て、前記流路側ポートの開口部及び前記弁側ポートの開口部を包摂するとともに、前記流路側ポートの開口部及び前記弁側ポートの開口部の外側領域に拡張した孔輪郭を有する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の弁装置は、弁本体と流体処理装置との間に装着されるガスケットとを含み、ガスケットは、第1流路側ポートと第1弁側ポートとに間に第1貫通孔を有する。これにより、第1流路側ポートと第1弁側ポートとを互いに連通させるための空間が提供される。
【0018】
第1流路側ポートの開口部と、第1弁側ポートの開口部とは、ガスケットの厚さ方向から視て、互いに異なる位置に設けられている。第1貫通孔は、ガスケットの厚さ方向から視て、第1流路側ポートの開口部及び第1弁側ポートの開口部を包摂する孔輪郭を有する。さらに、孔輪郭は、第1流路側ポートの開口部及び第1弁側ポートの開口部の外側領域に拡張して形成されている。これにより、第1流路側ポート開口部の位置が異なる各種の流体処理装置に弁装置が装着される場合であっても、第1流路側ポートと第1弁側ポートとが、第1貫通孔によって互いに連通される。従って、第1流路側ポートの開口部の位置が異なる各種の流体処理装置への弁本体の互換適合性が高められ、弁装置のコストダウンを図ることが可能となる。
【0019】
本発明のガスケットは、弁本体と流体処理装置との間に装着され、流路側ポートと弁側ポートとに間に貫通孔を有する。これにより、流路側ポートと弁側ポートとを互いに連通させるための空間が提供される。
【0020】
流路側ポートの開口部と、弁側ポートの開口部とは、ガスケットの厚さ方向から視て、互いに異なる位置に設けられている。貫通孔は、ガスケットの厚さ方向から視て、流路側ポートの開口部及び弁側ポートの開口部を包摂する孔輪郭を有する。孔輪郭は、流路側ポートの開口部及び弁側ポートの開口部の外側領域に拡張して形成されている。これにより、流路側ポート開口の位置が異なる各種の流体処理装置に弁装置が装着される場合であっても、流路側ポートと弁側ポートとが、貫通孔によって互いに連通される。従って、流路側ポート開口の位置が異なる各種の流体処理装置への弁本体の互換適合性が高められ、弁装置のコストダウンを図ることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の弁装置1の断面図である。
図1に示されるように、本実施形態の弁装置1は、流体処理装置100に装着され、流体処理装置100に定量の流体を供給する。
【0023】
流体処理装置100は、流路が形成された流路ブロック110を有している。流路ブロック110は、流体処理装置100の本体に装着されている。流路ブロック110は、弁装置1から供給された流体が流れる第1流路側ポート111を具える。
【0024】
弁装置1は、弁本体2と、弁体3と、ガスケット4とを含む。弁本体2は、弁室20を区画する。弁本体2には、第1弁側ポート21が形成されている。第1弁側ポート21は、
弁室20と第1流路側ポート111とを連通させる。
【0025】
弁体3は、第1弁側ポート21を開閉する。これにより、弁室20から第1流路側ポート111に流体が供給される。なお、
図1では、第1弁側ポート21が開放された第1状態が示されている。
【0026】
ガスケット4は、弁本体2と流体処理装置100との間に装着される。ガスケット4によって、弁本体2と流体処理装置100との間の流体漏れが防止される。ガスケット4は、第1流路側ポート111と第1弁側ポート21との間に、第1貫通孔41を有する。第1貫通孔41は、第1流路側ポート111と第1弁側ポート21とを互いに連通させるための空間を提供する。
【0027】
図2は、ガスケット4の厚さ方向Z(
図1参照)から視た、ガスケット4の平面図である。同図では、実線で描かれたガスケット4に、弁本体2の第1弁側ポート21等が一点鎖線で、流体処理装置100の第1流路側ポート111等が破線で、それぞれが重ね合わせて記載されている(以下、
図3、8及び9についても同様とする)。
【0028】
第1流路側ポート111の開口部111aと、第1弁側ポート21の開口部21aとは、ガスケット4の厚さ方向Z(すなわち、流体の流れる方向)から視て、互いに異なる位置に設けられている。すなわち、開口部111aと、開口部21aとは、弁本体2の長手方向Xにずれて配置されている。本実施形態では、
図2に示されるように、第1流路側ポート111の開口部111aと、第1弁側ポート21の開口部21aとは、ガスケット4の厚さ方向Zから視て、部分的に重なっている。
【0029】
第1貫通孔41は、ガスケット4の厚さ方向Zから視て、互いに異なる位置に設けられている上記開口部111a及び開口部21aを包摂する輪郭部44を有する。孔輪郭44は、開口部111a及び開口部21aの外側領域に拡張して形成されている。
【0030】
図3は、
図2に対して第1流路側ポート111の開口部111aの位置が異なる流路ブロック110を有する流体処理装置100に弁装置1が装着された場合のガスケット4を示している。
【0031】
図3に示される流路ブロック110では、開口部111aの位置が、弁本体2の長手方向Xにずれて配置されている。本発明では、第1貫通孔41は、開口部111a及び開口部21aを包摂し、その外側領域に拡張された孔輪郭44を有するので、
図3に示される場合であっても、第1流路側ポート111と第1弁側ポート21とが、第1貫通孔41によって互いに連通される。従って、開口部111aの位置が異なる各種の流体処理装置100への弁本体2の互換適合性が高められ、弁装置1のコストダウンを図ることが可能となる。
【0032】
流体処理装置100の仕様によっては、第1流路側ポート111の配置が異なり、開口部111aと開口部21aとは、ガスケット4の厚さ方向Zから視て、部分的に重なることなく、完全に離れていてもよい。本発明では、このような開口部111a及び開口部21aであっても、孔輪郭44を有するガスケット4によって、第1流路側ポート111と第1弁側ポート21とが、互いに連通される。
【0033】
ガスケット4の第1貫通孔41の孔輪郭44は、楕円状又は長円状が望ましい。このような孔輪郭44は、第1流路側ポート111と第1弁側ポート21との間で流体漏れを効果的に防止すると共に、孔輪郭44の拡張領域を大きく確保することが可能となる。
【0034】
図1及び2に示されるように、流体処理装置100の流路ブロック110は、第2流路側ポート112を有している。
【0035】
弁本体2には、第2弁側ポート22が形成されている。第2弁側ポート22は、弁室20と第2流路側ポート112とを連通させる。本実施形態では、第2弁側ポート22は、常時開放されている。これにより、第2流路側ポート112から弁室20に流体が供給される。
【0036】
ガスケット4は、第2流路側ポート112と第2弁側ポート22との間に、第2貫通孔42を有する。第1貫通孔41と第2貫通孔42とは、隔壁47によって隔てられる。第2貫通孔42は、第2流路側ポート112と第2弁側ポート22とを互いに連通させるための空間を提供する。
【0037】
図2に示されるように、第2流路側ポート112の開口部112aと、第2弁側ポート22の開口部22aとは、ガスケット4の厚さ方向Zから視て、互いに異なる位置に設けられている。すなわち、開口部112aと、開口部22aとは、弁本体2の長手方向Xにずれて配置されている。本実施形態では、
図2に示されるように、第2流路側ポート112の開口部112aと、第2弁側ポート22の開口部22aとは、ガスケット4の厚さ方向Zから視て、部分的に重なることなく、完全に離れている。
【0038】
第2貫通孔42は、ガスケット4の厚さ方向Zから視て、互いに異なる位置に設けられている上記開口部112a及び開口部22aを包摂する輪郭部45を有する。孔輪郭45は、開口部112a及び開口部22aの外側領域に拡張して形成されている。
【0039】
これにより、
図3に示されるように、第2流路側ポート112の開口部112aの位置が
図2とは異なる各種の流体処理装置100に、弁装置1が装着される場合であっても、第2流路側ポート112と第2弁側ポート22とが、第2貫通孔42によって互いに連通される。従って、開口部112aの位置が異なる各種の流体処理装置100への弁本体2の互換適合性が高められ、弁装置1のコストダウンを図ることが可能となる。
【0040】
流体処理装置100の仕様によっては、第2流路側ポート112の配置が異なり、開口部112aと開口部22aとは、ガスケット4の厚さ方向Zから視て、部分的に重なっていてもよい。本発明では、このような開口部112a及び開口部22aであっても、孔輪郭45を有するガスケット4によって、第2流路側ポート112と第2弁側ポート22とが、互いに連通される。
【0041】
ガスケット4の第2貫通孔42の孔輪郭45は、楕円状又は長円状が望ましい。このような孔輪郭45は、第2流路側ポート112と第2弁側ポート22との間で流体漏れを効果的に防止すると共に、孔輪郭45の拡張領域を大きく確保することが可能となる。
【0042】
図1及び2に示されるように、流体処理装置100の流路ブロック110は、第3流路側ポート113を有している。第1流路側ポート111、第2流路側ポート112及び第3流路側ポート113は、同一直線上に並んで配置されている。
【0043】
弁本体2には、第3弁側ポート23が形成されている。第3弁側ポート23は、弁室20と第3流路側ポート113とを連通させる。第1弁側ポート21、第2弁側ポート22及び第3弁側ポート23は、同一直線上に並んで配置されている。
【0044】
弁体3は、第3弁側ポート23を開閉する。これにより、弁室20から第3流路側ポート113に流体が供給される。これにより、弁室20から第3流路側ポート113に流体が供給される。なお、
図1に示される第1状態では、第3弁側ポート23は閉鎖されている。
【0045】
ガスケット4は、第3流路側ポート113と第3弁側ポート23との間に、第3貫通孔43を有する。第2貫通孔42と第3貫通孔43とは、隔壁48によって隔てられる。第3貫通孔43は、第3流路側ポート113と第3弁側ポート23とを互いに連通させるための空間を提供する。
【0046】
図2に示されるように、第3流路側ポート113の開口部113aと、第3弁側ポート23の開口部23aとは、ガスケット4の厚さ方向Zから視て、互いに異なる位置に設けられている。すなわち、開口部113aと、開口部23aとは、弁本体2の長手方向Xにずれて配置されている。本実施形態では、
図2に示されるように、第3流路側ポート113の開口部113aと、第3弁側ポート23の開口部23aとは、ガスケット4の厚さ方向Zから視て、部分的に重なることなく、完全に離れている。
【0047】
第3貫通孔43は、ガスケット4の厚さ方向Zから視て、互いに異なる位置に設けられている上記開口部113a及び開口部23aを包摂する輪郭部46を有する。孔輪郭46は、開口部113a及び開口部23aの外側領域に拡張して形成されている。
【0048】
これにより、
図3に示されるように、第3流路側ポート113の開口部113aの位置が
図2とは異なる各種の流体処理装置100に、弁装置1が装着される場合であっても、第3流路側ポート113と第3弁側ポート23とが、第3貫通孔43によって互いに連通される。従って、開口部113aの位置が異なる各種の流体処理装置100への弁本体2の互換適合性が高められ、弁装置1のコストダウンを図ることが可能となる。
【0049】
流体処理装置100の仕様によっては、第3流路側ポート113の配置が異なり、開口部113aと開口部23aとは、ガスケット4の厚さ方向Zから視て、部分的に重なっていてもよい。本発明では、このような開口部113a及び開口部23aであっても、孔輪郭46を有するガスケット4によって、第3流路側ポート113と第3弁側ポート23とが、互いに連通される。
【0050】
ガスケット4の第3貫通孔43の孔輪郭46は、楕円状又は長円状が望ましい。このような孔輪郭46は、第3流路側ポート113と第3弁側ポート23との間で流体漏れを効果的に防止すると共に、孔輪郭46の拡張領域を大きく確保することが可能となる。
【0051】
図4及び
図5は、弁本体2を示している。弁本体2は、例えば、樹脂材料によって形成されている。第1弁側ポート21及び第3弁側ポート23の弁室20側の開口部の周りには弁座21b及び弁座23bが設けられている。弁座21b及び弁座23bは、弁体3の側(
図1参照)に突出して形成されている。
【0052】
弁本体2は、弁室20とは反対側に、流体処理装置100への装着面24を有する。装着面24には、ガスケット4を装着するための凹部25が形成されている。第1弁側ポート21、第2弁側ポート22及び第3弁側ポート23は、弁室20から凹部25を貫通して形成されている。
【0053】
図6は、ガスケット4を示している。ガスケット4は、例えば、ゴムなどの弾性材料によって形成されている。ガスケット4の外縁の形状は、凹部25と対応するように形成されている。ガスケット4の厚さは、凹部25の深さよりも大きく設定されている。第1貫通孔41、第2貫通孔42及び第3貫通孔43が並ぶ方向に垂直な方向に突出する突出部49を有している。突出部49によって凹部25へのガスケット4の装着向きが限定される。
【0054】
第1貫通孔41の周辺部40のガスケット4の厚さ方向Zに垂直な方向の肉厚は、例えば、1mm以上が望ましい。このような周辺部40は、第1貫通孔41内を流れる流体の圧力に耐え、ガスケット4と弁本体2及び流路ブロック110との間からの流体漏れを効果的に防止する。第2貫通孔42及び第3貫通孔43の周辺部のガスケット4の厚さ方向Zに垂直な方向の肉厚についても上記と同様である。また、隔壁47及び48のガスケット4の厚さ方向Zに垂直な方向の肉厚についても上記と同様である。
【0055】
図1に示されるように、本実施形態では、弁本体2には、弁体3を支持するためのサブブロック7が装着されている。弁体3は、ダイアフラム31を含む。ダイアフラム31は、弁本体2と共に弁室20を区画する。ダイアフラム31は、例えば、ゴムなどの弾性材料によって形成されている。
【0056】
ダイアフラム31は、外側に延出された外周部31aを有する。外周部31aは、弁本体2とサブブロック7とによって挟み込まれて保持・拘束されることにより弁本体2に密着する。これにより、弁室20が密閉され、流体のリークが防止される。
【0057】
弁装置1は、弁体3を駆動する駆動手段5をさらに具える。弁体3は、駆動手段5に駆動されることにより、支持軸32を中心としてシーソー状に揺動する。これに伴い、ダイアフラム31が、弁座21b又は弁座23bの一方と密着し、他方と離間する。これにより、第1弁側ポート21又は第3弁側ポート23が開閉される。
【0058】
駆動手段5は、第1プランジャー(可動鉄心)51と、第2プランジャー52と、第1コイルばね53と、第2コイルばね54と、ソレノイドコイル55と、固定鉄心56とを有する。
【0059】
第1プランジャー51は、第3弁側ポート23の上方に配設されている。第1プランジャー51は、ソレノイドコイル55が巻回されるコイルボビン57の内部に挿入されている。固定鉄心56には、第1コイルばね53が装填される凹部が形成されている。第1コイルばね53の一端は、固定鉄心56と当接し、他端は、第1プランジャー51と当接する。第1コイルばね53は、第1プランジャー51を弁体3の第1当接部36の側に押し下げ、これに伴い、第1プランジャー51の先端部が、弁体3の第1当接部36を押圧する。第1コイルばね53のばね荷重は、第2コイルばね54のばね荷重よりも大きく設定されている。
【0060】
第2プランジャー52は、第1弁側ポート21の上方に配設されている。第2コイルばね54の一端は、第2プランジャー52と当接し、他端は、サブブロック7と当接する。第2コイルばね54は、第2プランジャー52を弁体3の第2当接部37の側に押し下げ、これに伴い、第2プランジャー52の先端部が、弁体3の第2当接部37を押圧する。
【0061】
ソレノイドコイル55は、筒状のコイルボビン57の周囲に巻回される。ソレノイドコイル55は、通電により電磁力を発生する。ソレノイドコイル55には、第1コイルばね53の荷重と第2コイルばね54の荷重の差よりも大きな電磁力を発生するように、所定の電流が流される。第1プランジャー51、第1コイルばね53、ソレノイドコイル55、固定鉄心56及びコイルボビン57は、フレーム8に収容されている。このうち、ソレノイドコイル55、固定鉄心56及びコイルボビン57は、フレーム8に固定されている。一方、第2プランジャー52及び第2コイルばね54は、弁体3とともにサブブロック7の内部に収容されている。
【0062】
以下、弁装置1の開閉動作が説明される。既に述べたように、第1コイルばね53のばね荷重は、第2コイルばね54のばね荷重よりも大きいので、第1コイルばね53が発生する弾性力は、第2コイルばね54が発生する弾性力よりも大きい。そのため、通常時においては、ダイアフラム31の姿勢は、
図1に示されるように、図中反時計回りに回動された姿勢で維持され、第3弁側ポート23が閉鎖され、第1弁側ポート21が開放される。これに伴い、矢印Aにて示されるように、第2弁側ポート22から弁室20に流れ込んだ流体は、第1弁側ポート21から流体処理装置100の第1流路側ポート111に送り込まれる。
【0063】
図7は、第3弁側ポート23が開放された第2状態の弁装置1を示している。ソレノイドコイル55に所定の電流が流れると、その電磁力によって第1プランジャー51が第1コイルばね53を圧縮する方向に移動する。このとき、第2プランジャー52の先端部が弁体3の第2当接部37を押圧しているので、ダイアフラム31が時計回りに回動され、第1弁側ポート21が閉鎖され、第3弁側ポート23が開放される。これに伴い、矢印Bにて示されるように、第2弁側ポート22から弁室20に流れ込んだ流体は、第3弁側ポート23から流体処理装置100の第3流路側ポート113に送り込まれる。
【0064】
図8は、
図2に示されるガスケット4の変形例であるガスケット4Aを示している。
【0065】
ガスケット4Aは、第2貫通孔42Aが弁本体2の短手方向Yに拡張された孔輪郭45Aを有している点で、ガスケット4とは異なる。本実施形態では、第2貫通孔42Aは、突出部49の側に拡張されている。これにより、孔輪郭45Aは、ガスケット4の厚さ方向Zから視て、略L字状に形成されている。
【0066】
上述したガスケット4Aを用いることにより、第2流路側ポート112Aの中心が第1流路側ポート111及び第3流路側ポート113の各中心に対して弁本体2の短手方向Yにずれて配置された流路ブロック110Aにも、弁本体2が装着可能とされる。すなわち、ガスケット4Aを用いることにより、第1流路側ポート111、第2流路側ポート112A及び第3流路側ポート113の各ポート中心が厚さ方向Zから視て、同一直線上に並ぶことなく配されている流路ブロック110Aにも、弁本体2が装着可能とされる。
【0067】
ガスケット4Aでは、上記第2貫通孔42Aと同様に、第1貫通孔41の孔輪郭44が、弁本体2の短手方向Yに拡張されていてもよい。さらには、第3貫通孔43の孔輪郭46が、弁本体2の短手方向Yに拡張されていてもよい。このようなガスケット4Aを用いることにより、第1流路側ポート111、第2流路側ポート112又は第3流路側ポート113の各ポート中心が、厚さ方向Zから視て、同一直線上に並ぶことなく配されている流路ブロック110Aにも、弁本体2が装着可能とされる。
【0068】
図9は、
図2に示される弁本体2の変形例である弁本体2Bの各ポート21、22B、23を、ガスケット4B等とともに示している。
【0069】
弁本体2Bは、第2弁側ポート22Bの中心が、第1弁側ポート21及び第3弁側ポート23の各中心に対して、弁本体2Bの短手方向Yにずれて配置されている点で、
図2に示される弁本体2とは異なる。上述したガスケット4Aと同等の構成のガスケット4Bを用いることにより、上記弁本体2Bが各ポートの開口部の位置が異なる流路ブロック110に装着可能とされる。すなわち、ガスケット4Bを用いることにより、第2弁側ポート22Bの中心が第1弁側ポート21及び第3弁側ポート23の各中心に対して弁本体2Bの短手方向Yにずれて配置されている弁本体2Bが流路ブロック110に装着可能とされる。
【0070】
弁本体2Bでは、上記第2弁側ポート22Bと同様に、第1弁側ポート21の中心が、第2弁側ポート22及び第3弁側ポート23の各中心に対して、弁本体2Bの短手方向Yにずれて配置されていてもよい。この場合、第1貫通孔41の孔輪郭44が、弁本体2の短手方向Yに拡張されたガスケット4Bが用いられる。
【0071】
また、第3弁側ポート23の中心が、第1弁側ポート21及び第2弁側ポート22の各中心に対して、弁本体2Bの短手方向Yにずれて配置されていてもよい。この場合、第3貫通孔43の孔輪郭46が、弁本体2の短手方向Yに拡張されたガスケット4Bが用いられる。
【0072】
以上、本発明の弁装置及びガスケットが詳細に説明されたが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施される。