特許第6601064号(P6601064)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6601064タイミング調整回路および端末間同期回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6601064
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】タイミング調整回路および端末間同期回路
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20191028BHJP
   H04L 7/08 20060101ALI20191028BHJP
   H04L 7/04 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   H04L7/00 330
   H04L7/08
   H04L7/04 100
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-170664(P2015-170664)
(22)【出願日】2015年8月31日
(65)【公開番号】特開2017-50619(P2017-50619A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2018年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100079991
【弁理士】
【氏名又は名称】香取 孝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153453
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 弘崇
(74)【代理人】
【識別番号】100134061
【弁理士】
【氏名又は名称】菊地 公一
(72)【発明者】
【氏名】益子 卓也
【審査官】 谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−169372(JP,A)
【文献】 特開平04−090234(JP,A)
【文献】 特開平07−087558(JP,A)
【文献】 特開平09−298506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/00
H04L 7/04
H04L 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他のマスタ装置とカスケード接続され該他のマスタ装置との間でフレームの通信を実行するマスタ装置に搭載可能に構成され、該マスタ装置に接続されるスレーブ装置および後段にカスケード接続される他のマスタ装置に向けて一斉に送信する同期フレームの送信タイミングを調整するタイミング調整回路であって、該タイミング調整回路は、
該タイミング調整回路を搭載したマスタ装置が同期フレームを受信したタイミングおよび予め決定しておいた所定の時間値に基づいて、該タイミング調整回路を搭載したマスタ装置の前段にカスケード接続される他のマスタ装置が同期フレームを送信したタイミングを算出する演算回路と、
該演算回路によって算出された同期フレームの送信タイミングおよび前記同期フレームの送信周期に基づいて、前記後段にカスケード接続される他のマスタ装置に向けて該タイミング調整回路を搭載したマスタ装置が同期フレームを送出するタイミングを決定するタイミング決定回路とを有し、
前記所定の時間値は、該タイミング調整回路を搭載したマスタ装置および該マスタ装置の前段にカスケード接続されるマスタ装置の間を接続するケーブルに起因して生じる伝送遅延時間として正常な通信が確保される限度で許容される最大の遅延時間値に決定されることを特徴とするタイミング調整回路。
【請求項2】
請求項1に記載のタイミング調整回路において、前記演算回路は、前記同期フレームを受信したタイミングから前記所定の時間値を差し引くことによって、前記同期フレームを送信したタイミングを算出することを特徴とするタイミング調整回路。
【請求項3】
請求項1または2に記載のタイミング調整回路において、前記タイミング決定回路は、前記演算回路によって算出された同期フレームの送信タイミングに前記同期フレームの送信周期を加えることによって、前記同期フレームを送出するタイミングを決定することを特徴とするタイミング調整回路。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のタイミング調整回路において、前記所定の時間値は、該タイミング調整回路を搭載したマスタ装置および該マスタ装置の前段にカスケード接続されるマスタ装置の間を接続するケーブルに起因して生じる伝送遅延時間に基づいて決定されることを特徴とするタイミング調整回路。
【請求項5】
他のマスタ装置とカスケード接続され該他のマスタ装置との間でフレームの通信を実行するマスタ装置に搭載可能に構成され、前記接続したマスタ装置間におけるフレーム送信タイミングの同期を確保する端末間同期回路であって、該端末間同期回路はさらに、
前段にカスケード接続される他のマスタ装置から同期フレームを受け取る処理回路と、
前記マスタ装置に接続されるスレーブ装置および後段にカスケード接続される他のマスタ装置に向けて一斉に送信する同期フレームの送信タイミングを調整し、前記処理回路が同期フレームを受信したタイミングおよび予め決定しておいた所定の時間値に基づいて、該処理回路の前段に接続される他のマスタ装置が同期フレームを送信したタイミングを算出する演算回路と、該演算回路によって算出された同期フレームの送信タイミングおよび前記同期フレームの送信周期に基づいて、前記後段に接続される他のマスタ装置に向けて該端末間同期回路が同期フレームを送出するタイミングを決定するタイミング決定回路とを含むタイミング調整回路と、
後段に接続される他のマスタ装置との間で同期フレームの通信を実行するに際して、前記タイミング調整回路によって決定された同期フレームを送出するタイミングを受け取り、該タイミングに基づいて、前記後段に接続される他のマスタ装置に送信する同期フレームの送信タイミングを調整するインタフェース回路とを有し、
前記所定の時間値は、該マスタ装置および該マスタ装置の前段にカスケード接続されるマスタ装置の間を接続するケーブルに起因して生じる伝送遅延時間として正常な通信が確保される限度で許容される最大の遅延時間値に決定されることを特徴とする端末間同期回路。
【請求項6】
請求項に記載の端末間同期回路において、前記演算回路は、前記同期フレームを受信したタイミングから前記所定の時間値を差し引くことによって、前記同期フレームを送信したタイミングを算出することを特徴とする端末間同期回路。
【請求項7】
請求項またはに記載の端末間同期回路において、前記タイミング決定回路は、前記演算回路によって算出された同期フレームの送信タイミングに前記同期フレームの送信周期を加えることによって、前記同期フレームを送出するタイミングを決定することを特徴とする端末間同期回路。
【請求項8】
請求項ないしのいずれかに記載の端末間同期回路において、前記所定の時間値は、該マスタ装置および該マスタ装置の前段にカスケード接続されるマスタ装置の間を接続するケーブルに起因して生じる伝送遅延時間に基づいて決定されることを特徴とする端末間同期回路。
【請求項9】
コンピュータを、マスタ装置とカスケード接続して該マスタ装置との間でフレームの通信を実行するに際して、前記マスタ装置と接続されるスレーブ装置および後段にカスケード接続されるマスタ装置に向けて一斉に送信する同期フレームの送信タイミングを調整するマスタ装置として機能させるタイミング調整プログラムであって、該プログラムは前記コンピュータを少なくとも、
該コンピュータが同期フレームを受信したタイミングおよび予め決定しておいた所定の時間値に基づいて、該コンピュータの前段にカスケード接続されるマスタ装置が同期フレームを送信したタイミングを算出する演算手段、および、
該演算手段によって算出された同期フレームの送信タイミングおよび前記同期フレームの送信周期に基づいて、前記後段にカスケード接続されるマスタ装置に向けて前記コンピュータが同期フレームを送出するタイミングを決定するタイミング決定手段として機能させ
前記所定の時間値は、前記コンピュータおよび該コンピュータの前段にカスケード接続されるマスタ装置の間を接続するケーブルに起因して生じる伝送遅延時間として正常な通信が確保される限度で許容される最大の遅延時間値に決定されることを特徴とするタイミング調整プログラム。
【請求項10】
請求項に記載のタイミング調整プログラムにおいて、前記演算手段として働く前記コンピュータに、前記同期フレームを受信したタイミングから前記所定の時間値を差し引くことによって、前記同期フレームを送信したタイミングを算出させることを特徴とするタイミング調整プログラム。
【請求項11】
請求項または10に記載のタイミング調整プログラムにおいて、前記タイミング決定手段として働く前記コンピュータに、前記演算手段によって算出された同期フレームの送信タイミングに前記同期フレームの送信周期を加えることによって、前記同期フレームを送出するタイミングを決定させることを特徴とするタイミング調整プログラム。
【請求項12】
請求項ないし11のいずれかに記載のタイミング調整プログラムにおいて、前記所定の時間値は、前記コンピュータおよび該コンピュータの前段にカスケード接続されるマスタ装置の間を接続するケーブルに起因して生じる伝送遅延時間に基づいて決定されることを特徴とするタイミング調整プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイミング調整回路および端末間同期回路、より具体的には、マスタ装置に接続されるスレーブ装置およびその後段にカスケード接続される他のマスタ装置に向けて一斉に送信する同期フレームの送信タイミングを調整するタイミング調整回路および端末間同期回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種の施設内で複数の電話機を使用すべく構内交換機(Private Branch eXchange: PBX)を設置するような場合、PBXと電話端末の間は一般的に、時分割制御伝送(Time Compression Multiplexing: TCM)方式で接続されている。時分割制御伝送方式は、PBXや統合サービスデジタル網(Integrated Services Digital Network: ISDN)の有線または無線デジタル通信に採用されている方式である。これらのデジタル通信システムはマスタ装置およびスレーブ装置を有し、マスタ装置の動作タイミングに合わせてスレーブ装置が同期するシステムとなっている。
【0003】
ISDNやPBXによる通信では、交換局またはPBXがマスタ装置の役割を果たし、交換局またはPBXに接続される終端装置(Digital Service Unit: DSU)や電話端末がスレーブ装置の役割を果たすこととなる。マスタ装置は、スレーブ装置との間でデータを入出力するためのポートを、マスタ装置と接続可能なスレーブ装置の数だけ搭載している。通常は、各ポートに1台のスレーブ装置が接続される。マスタ装置は、フレームと呼ばれるスレーブ装置への送信データを各ポートに同じタイミングで送出する。
【0004】
マスタ装置から送出されるフレームは、送信周期の1/2よりも短いデータで構成される。送信周期における残りの時間はスレーブ装置からの受信に割り当てられている。フレームには、通信システムで必要とされるタイミング情報(クロック)が埋め込まれている。
【0005】
マスタ装置から一斉に送出されたフレームを受信したスレーブ装置は、必要なクロックを抽出し、そのクロックに同期する。そのため、1台のマスタ装置に接続されている複数台のスレーブ装置はいずれもマスタ装置に同期することができる。
【0006】
PBXに接続されるそれぞれの電話端末は、コードレス電話機の親機として構成され、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications) 方式と呼ばれるデジタルコードレス電話の無線通信方式を用いて各親機に対応するコードレス電話の子機と接続され得る。ここで、DECT方式を用いて同一の領域内で複数の通信を実現させるためには、1フレームを10msec周期で送信するタイミングを一致させる必要がある。電話端末をコードレスで使用する場合、構内交換機ではDECT方式による無線通信の実行に必要となる10msecのタイミング、すなわち無線同期タイミングをフレームに埋め込み、構内交換機の各ポートと有線ケーブルを介して接続されているそれぞれの電話端末にフレームを分配する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−182659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の構成はスター型の接続形態を前提としたものである。PBXが多数存在する大規模システムでは一般的に、PBX装置間は多段にわたるカスケード方式で接続される。カスケード接続を用いた場合の遅延値は、装置に起因する遅延およびケーブル長に起因する遅延などの影響を受ける。これらの遅延は一定ではないため、遅延値をシステム全体で同時に制御することは困難であった。この点についてより具体的に述べると、PBX装置はその前段に接続されたPBX装置が同期フレームを送出したタイミングを正確に見積もることができないため、その後段に接続されているPBX装置に同期フレームを送出するタイミングと、前段の装置が同期フレームを送出するタイミングを一致させることが困難であったということである。
【0009】
図7を参照して通常のカスケード接続時における同期フレームの遅延タイミングを示す。PBX装置が3段にわたってカスケード接続されている場合、第1段目のPBX装置は同期フレーム902をスレーブ装置として接続されている端末および第2段目のPBX装置にすべて同一のタイミングで送出する。前段のPBX装置から送出された同期フレーム902が第2段目のPBX装置で受信されるタイミングは、PBX装置間を接続するケーブルによる伝送遅延によって時間fだけ遅延する。そのために、第2段目のPBX装置は同期フレーム902を時間fだけ遅延したタイミングで、すなわち同期フレーム902aとして示すタイミングで受信する。第2段目のPBX装置は、受け取った同期フレーム902を処理した後、同期フレーム904をスレーブ装置として接続されている端末および第3段目のPBX装置にすべて同一のタイミングで送出する。ここで、第2段目のPBX装置が受け取った同期フレームの処理に要する処理遅延時間を時間gとすると、同期フレーム904を送出するタイミングは、第1段目のPBX装置が送出する同期フレーム902のタイミングに対して、時間f+gだけ遅延することとなる。この時間f+gが、一段ごとのカスケード接続に伴い生じる遅延となる。
【0010】
そのため、カスケード接続方式を用いて同期タイミングを分配するシステムの多くは、クロックのみ同期する構成を採っている。クロックのみ同期するというのは、位相がずれていても構わないが、クロックは一致させることを意味する。各システムが同一のクロックに同期することにより、クロック非同期時の位相ずれの影響を抑えることができる。しかしながら、位相がずれているため、無線スロットを有効に使用することができなかった。
【0011】
図8a図8bに、端末906と端末908の間の同期関係がそれぞれクロック同期、非同期およびフレーム同期のそれぞれの場合についてのタイムスロットの使用状況を示す。便宜上、図中では1つのフレームが5つのタイムスロット1〜5に分割され、端末906が使用しているタイムスロットは2番目のもの(タイムスロット2)であるものとする。まずクロック同期の場合、遅延hはフレームごとに一定になる。この遅延hにより各端末におけるフレーム間の位相がずれるため、図8aに示す通り、端末908側ではタイムスロット2に加えてタイムスロット1も使用できない。端末906が使用しているタイムスロット2に時間的に重複するからである。他方、クロック同期はとれているため、使用できないタイムスロットは時間が経過しても変動しない。
【0012】
非同期の場合には、端末906に対して端末908には遅延i(t)が生じるため、図8bに示す通り、端末906が使用しているタイムスロット2に時間的に重複する、タイムスロット1およびタイムスロット2は端末908側では使用できない。しかしながら、時間tの経過とともに遅延値i(t)は変動する。そのため、使用できないタイムスロットは時間の経過とともに変化し得る。図8bでは、当初はタイムスロット1および2が使用できないスロットであったが、時間の経過とともに使用できないスロットはタイムスロット2および3へと変わっている。
【0013】
本発明はこのような課題に鑑み、例えばカスケード接続されているマスタ装置同士を接続するケーブルの長さがそれぞれ異なる場合であっても同期フレームの送信時間を一致させ、前段にカスケード接続されているマスタ装置が次に同期フレームを送出するタイミングを正確に見積もるタイミング調整回路および端末間同期回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は上述の課題を解決するために、他のマスタ装置とカスケード接続され他のマスタ装置との間でフレームの通信を実行するマスタ装置に搭載可能に構成され、マスタ装置に接続されるスレーブ装置および後段にカスケード接続される他のマスタ装置に向けて一斉に送信する同期フレームの送信タイミングを調整するタイミング調整回路であって、タイミング調整回路を搭載したマスタ装置が同期フレームを受信したタイミングおよび予め決定しておいた所定の時間値に基づいて、タイミング調整回路を搭載したマスタ装置の前段にカスケード接続される他のマスタ装置が同期フレームを送信したタイミングを算出する演算回路と、演算回路によって算出された同期フレームの送信タイミングおよび同期フレームの送信周期に基づいて、後段にカスケード接続される他のマスタ装置に向けてタイミング調整回路を搭載したマスタ装置が同期フレームを送出するタイミングを決定するタイミング決定回路とを有する。
【0015】
また、本発明は、他のマスタ装置とカスケード接続され他のマスタ装置との間でフレームの通信を実行するマスタ装置に搭載可能に構成され、接続したマスタ装置間におけるフレーム送信タイミングの同期を確保する端末間同期回路であって、端末間同期回路はさらに、前段にカスケード接続される他のマスタ装置から同期フレームを受け取る処理回路と、マスタ装置に接続されるスレーブ装置および後段にカスケード接続される他のマスタ装置に向けて一斉に送信する同期フレームの送信タイミングを調整し、処理回路が同期フレームを受信したタイミングおよび予め決定しておいた所定の時間値に基づいて、処理回路の前段に接続される他のマスタ装置が同期フレームを送信したタイミングを算出する演算回路と、演算回路によって算出された同期フレームの送信タイミングおよび同期フレームの送信周期に基づいて、後段にカスケード接続される他のマスタ装置に向けて端末間同期回路が同期フレームを送出するタイミングを決定するタイミング決定回路とを含むタイミング調整回路と、後段に接続される他のマスタ装置との間で同期フレームの通信を実行するに際して、タイミング調整回路によって決定された同期フレームを送出するタイミングを受け取り、このタイミングに基づいて、後段に接続される他のマスタ装置に送信する同期フレームの送信タイミングを調整するインタフェース回路とを有する。
【0016】
また、本発明は、コンピュータを、マスタ装置とカスケード接続してマスタ装置との間でフレームの通信を実行するに際して、マスタ装置と接続されるスレーブ装置および後段にカスケード接続されるマスタ装置に向けて一斉に送信する同期フレームの送信タイミングを調整するマスタ装置として機能させるタイミング調整プログラムであって、コンピュータを少なくとも、コンピュータが同期フレームを受信したタイミングおよび予め決定しておいた所定の時間値に基づいて、コンピュータの前段にカスケード接続されるマスタ装置が同期フレームを送信したタイミングを算出する演算手段、および演算手段によって算出された同期フレームの送信タイミングおよび同期フレームの送信周期に基づいて、後段にカスケード接続されるマスタ装置に向けてコンピュータが同期フレームを送出するタイミングを決定するタイミング決定手段として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、カスケード接続されているマスタ装置同士を接続するケーブルの長さにかかわらず同期フレームの送信時間を一致させることが可能となる。また、前段に接続されているマスタ装置が次に同期フレームを送出するタイミングを正確に見積もることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るタイミング調整回路の実施例を含んで構成される構内交換機を用いて構築されている構内交換機システムを示す概略的な図である。
図2】本発明に係るタイミング調整回路の実施例の概略的な構成を示す回路構成図である。
図3図1の構内交換機システムを概略的に示す別の図である。
図4】本発明の実施例を用いて構内交換機からのフレーム出力の遅延調整を行ったときのタイミングチャートを示す図である。
図5】本発明の実施例を用いてフレーム同期を実現した場合のタイムスロットの位相を示す図である。
図6】コンピュータを本発明に係るタイミング調整回路の実施例を含む構内交換機として稼働させる構成を示す概略図である。
図7】カスケード接続で構内交換機を接続した従来の構内交換機システムによる同期フレームの遅延タイミングを示す図である。
図8a】クロック同期と位相ずれの関係を説明する図である。
図8b】非同期と位相ずれの関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に添付図面を参照して本発明によるタイミング調整回路および同回路を含む構内交換機の実施例を詳細に説明する。図1を参照すると、本発明によるタイミング調整回路10の実施例は、DECT方式のPBXデジタル通信網内でマスタ装置の役割を果たすそれぞれの構内交換機(PBX)12内に搭載され、PBX 12等複数の端末のカスケード接続に起因して発生し得る遅延を参酌してフレームの送信タイミングを調整する回路である。
【0020】
タイミング調整回路10を用いる構内交換機システム14内では複数のPBX 12がカスケード接続でつながっている。ただし、構内交換機システムを示す図1では便宜上、PBX 12a、PBX 12b、そしてPBX 12以外のPBXの図示は省略されている。また、図1において本発明の実施例に係るタイミング調整回路10が省略されずに図示されているのは2段目に接続されているPBX 12bのみであるが、PBX 12bの上段に接続されているPBX 12aおよびPBX 12bの下段に接続されているPBX 12cの内部にもタイミング調整回路10を搭載可能である。
【0021】
構内交換機(PBX)システム14は、マスタ装置の役割を果たしタイミング調整回路10を搭載する構内交換機(PBX)12aないし12cおよびスレーブ装置の役割を果たす複数の電話端末16を本質的な構成要素とする。本実施例に係るシステム14では、上段のPBX 14aから有線ケーブル16aを介してPBX 14bに同期フレームが送信され、さらにPBX 14bから有線ケーブル16bを介してPBX 14cに同期フレームが送信される。また、本図に示す実施例では、マスタ装置たるPBX 12bに対してそのスレーブ装置にあたる3つの電話端末18aないし18cがそれぞれ有線ケーブル20aないし20cを介して接続されているものとする。
【0022】
かかる構成によって、タイミング調整回路10を搭載するPBX 12bは、フレーム単位で同期するよう送出タイミングを調整した同期フレームを、電話端末18および次段のPBX 12cに一斉に送信し、フレームの通信を実行することが可能となる。
【0023】
電話端末18は、利用者が通話に用いる受話器とカールコード等によって有線接続される必要のない、コードレス電話機の親機である。それぞれの電話端末18a〜18cは対応するコードレス電話の子機22a〜22cと無線24a〜24cによって接続されている。無線接続の方式はDECT方式であり、同一のエリアで複数の通信を実現させるべく、構内交換機12は10msecの無線同期タイミングをフレームに埋め込み、有線ケーブル20を介して接続されている電話端末18に無線同期タイミングが埋め込まれたフレームを分配する。
【0024】
構内交換機12をマスタ装置として各電話端末18とそれらの子機22によるDECT方式を用いた複数の無線通信が可能となった領域を、図2ではDECT無線エリア26として表す。
【0025】
図1で示すシステム14の全体的な説明に続き、構内交換機12 (12b)およびこれに搭載されるタイミング調整回路10の構成のより詳細な説明を図2を参照しながら行う。構内交換機12は、タイミング調整回路10のほか、上位装置とのインタフェースでもある時分割制御回路32および下位装置とのインタフェースとなるインタフェース回路34を含んでいる。言い換えれば、構内交換機12はこれらの回路10、32および34を含み、各端末間で時分割制御方式による正常な通信を行うための処理としてフレーム送信タイミングの同期を確保する端末間同期回路35を含むということになる。すなわち、端末間同期回路12を搭載する装置が構内交換機12として働くとみなすこともできる。なお、本図で示す構成は、同期フレーム送出タイミングの調整と特に関連性の高い構成要素のみにとどめている。
【0026】
時分割制御回路32は、ケーブル16aを介して前段のPBX 12aと接続され、前段のPBX 12aから同期フレーム等の信号を受信する。時分割制御回路32は、受信した同期フレームに基づいて、時分割制御伝送方式による通信を行うために必要な種々の処理を行う。
【0027】
時分割制御回路32は通信線36を介してタイミング調整回路10に接続されている。タイミング調整回路10は、受信した同期フレームの関する情報の中から抽出した所定の情報を保持する記憶保持回路38を有していてもよい。特に、記憶保持回路38は、時分割制御回路32が前段のPBX 12aから同期フレームを受信した時間を受信タイミングT0として保持する。
【0028】
また、記憶保持回路38は、例えばPBX 12aからPBX 12bへのケーブル16aを介してのカスケード接続されたPBX同紙における同期フレームの伝送の際に生じる伝送遅延時間を考慮して、予め決められた遅延時間値T1を記憶可能である。または、PBX 12aとPBX 12bの間の伝送遅延時間値として正常な通信が確保される限度で最大限許容される遅延時間値を最大遅延値TMAXとして記憶していてもよい。
【0029】
記憶保持回路38は、例えば電気的な記憶方法を用いるDRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)のような一時記憶回路であってもよく、これらの一時回路を用いるとより高速でのデータの読み書きが可能となる。また、記憶保持回路38が電気的な記憶方法を用いる一時記憶回路である場合、例えば磁気的その他物理的な記憶方法を用いて長期的な記憶に適するハードディスク等の図示しない長期記憶装置を記憶保持回路38と接続させておいてもよい。遅延時間T1や最大遅延値TMAXを予め設定しておくことが可能なので、遅延時間T1や最大遅延値TMAXをまずは長期記憶装置に記憶させておき、必要に応じて時間値T1やTMAXを記憶保持回路38に送ってタイミング調整回路10内にてより高速にデータ処理を実行できるようにしてもよい。
【0030】
なお、記憶保持回路38ではさらに、同期フレームの送出周期Tを保持する。送出周期Tは、同期フレームの受信に伴い抽出される情報であってもよく、その場合には受信タイミングT0とともに記憶保持回路38に保持される。なお、予め送出周期Tが判明している場合で長期記憶装置を記憶保持回路38と接続する構成を採っているならば、PBX 12の稼働に先立って送出周期Tを長期記憶装置に記憶させておいてもよい。
【0031】
タイミング調整回路10はさらに、記憶保持回路38の出力39と接続されている演算回路40を有する。演算回路40は、時分割制御回路32が同期フレームを受信した受信タイミングT0および予め決められた遅延時間値T1に関するデータを記憶保持回路38から受け取る。遅延時間値T1を受け取る代わりに、記憶保持回路38が最大遅延値TMAXを記憶している場合には、演算回路40は記憶保持回路38から最大遅延値TMAXを受け取ってもよい。
【0032】
演算回路40は、受け取ったデータを用いて前段に接続されたPBXが実際に同期フレームを送出したタイミングを計算する。具体的には、演算回路40は受信タイミングT0から遅延時間値T1を差し引き、前段のPBX 12aが実際に同期フレームをPBX 12bに送出したタイミングT2を計算する。
【0033】
なお、演算回路40が遅延時間値T1ではなく最大遅延値TMAXを受け取った場合には、演算回路40は受信タイミングT0から最大遅延値TMAXを差し引き、前段のPBX 12aが同期フレームをPBX 12bに送出したタイミングをみなし送出タイミングT2として算出する。
【0034】
タイミング調整回路10はさらに、演算回路40の出力41と接続され演算回路40の演算結果を受け取り、後段のPBX 12cに同期フレームを送出するタイミングを決定するタイミング決定回路42を有する。タイミング決定回路42は、記憶保持回路38の出力43とも接続され、フレームの送出周期Tに関する情報を受け取ることができる。
【0035】
タイミング決定回路42は、演算回路40から受け取ったタイミングT2に記憶保持回路38から受け取った送出周期Tを加え、PBX 12bが電話端末18および後段のPBX 12cに対して同期フレームを送信するタイミングT2+Tを決定する。
【0036】
タイミング決定回路42の出力は、通信線44を介してインタフェース回路34の入力と接続される。インタフェース回路34はDECT方式のPBXデジタル通信網内でマスタ装置の役割を果たす構内交換機(PBX)12内に搭載される一方で、インタフェース回路34の出力はスレーブ装置の役割を果たす各電話端末18と接続される。インタフェース回路34は、PBX 12ごとにそのPBXのスレーブ装置となる電話端末18の数だけ搭載される。インタフェース回路34aないし34cは、このような構成でPBX 12と各電話端末18の間を接続して、両装置間での通信を可能とすべく種々の制御処理を行う。特に、インタフェース回路34は、時分割制御伝送方式による通信を実現するために必要な送信フレームの送信タイミングの調整を行う。
【0037】
インタフェース回路34はさらに、通信の信頼性をさらに向上させるべく、回路34に接続されている電話端末18に送信する送信フレームの送信タイミングを個別的に調整する同期回路46またはこれと同種の働きをする回路を有していてもよい。図2ではインタフェース回路34aのみに同期回路46は明示されているが、もちろんのこと他の回路34b、34cにも同期回路46が含まれていてよい。この同期回路46には、例えば、各ケーブルの長さに応じて生じるそれぞれの遅延量を測定するカウンタまたはこれと同様の回路を設け、PBX 12内における送信フレームの生成タイミングから送信フレームの受信に応じて電話端末18側から送信された受信フレームを受信する受信タイミングまでの間隔を測定する構成を採ってもよい。さらに、この測定値から各ケーブル44a〜44cの長さに応じて生じるPBX 12および電話端末18の間の遅延量を割り出し、各回路34a〜34cから各電話端末18a〜18cへ向けて送信する送信フレームの送信タイミングを個別に遅延させるよう調整する回路を同期回路46内に設けてもよい。
【0038】
インタフェース回路34内に上述の同期回路46又はこれに相当する回路を設けた場合、PBX 12と各電話端末18a〜18cの間の通信に異なる遅延差が発生する場合であっても、各電話端末18に供給される同期フレームの受信タイミングをT2+Tのタイミングで一致させることが可能となる。
【0039】
タイミング決定回路42の出力はさらに、通信線52を介してインタフェース回路54の入力とも接続されてもよい。インタフェース回路54の出力は、ケーブル16bを介して、PBX 12bの後段にカスケード接続されているPBX 12cにつながっている。インタフェース回路54は、このような構成でPBX 12bとPBX 12cの間を接続して、PBX 12bからPBX 12cへの同期フレームの供給が確実かつ円滑に実行できるよう、必要な制御処理を行う。なお、インタフェース回路54にも、前述の同期回路46に相当する回路が含まれていても構わない。かかる構成により、後段のPBX 12cとの間でフレームの通信を実行するに際して、後段PBX 12cに送信するフレームの送信タイミングを調整することができる。これによって、時分割制御伝送方式による通信を実現するために必要なタイミングの制御が行われる。
【0040】
続いて、本発明の実施例であるタイミング調整回路10によって実行される同期フレームの送信時間の調整に関する動作の説明を行う。図3で示す構内交換機システム10の構成は図1で示すものと実質的に同様である。しかしながら、各装置から送られる同期フレームの出力タイミングを把握しやすいように図示する構成要素を一部変更している。例えば、図中最前段のPBX 12aのスレーブ装置として、電話端末18dおよび18eがそれぞれ有線ケーブル20dおよび20eを介して接続されている。また、図4は、本発明に係るタイミング調整回路の実施例で実行される遅延調整に関するタイミングチャートである。
【0041】
まず、図中最前段の構内交換機(PBX)12aは、無線端末である電話端末18d、18eのほか、次段のPBX 12bに、同期フレーム62を同一のタイミングで送信する。PBX 12aからPBX 12bへの同期フレーム62の送信は、ケーブル16aを介して行われるので、ケーブル16aの長さに応じた伝送遅延が発生する。かかる伝送遅延のため、PBX 12bは同期フレーム62を遅延したタイミングで、すなわち図4に示す同期フレーム62aのタイミングTOで受信する。
【0042】
同期フレーム62aを受信したPBX 12bのタイミング調整回路10の記憶保持回路38では、同期フレーム62aとして受信したタイミングTOを保持する。また、記憶保持回路38には遅延時間値T1も予め記憶されている。
【0043】
続いてタイミング調整回路10の演算回路40は、記憶保持回路38に保持されている受信タイミングT0から遅延時間値T1を差し引くことによって、前段のPBX 12aが実際に同期フレームをPBX 12bに送出したタイミングT2を計算する。
【0044】
なお、遅延時間値T1ではなく最大遅延値TMAXを記憶保持回路38で記憶している場合であっても、遅延時間値T1の場合と同様に受信タイミングT0から最大遅延値TMAXを差し引くことにより、前段のPBX 12aが同期フレームをPBX 12bに送出したものと推定するみなしタイミングT2を算出する。
【0045】
タイミング調整回路10のタイミング決定回路42は、演算回路40からはタイミングT2を、記憶保持回路38からフレームの送出周期Tを受け取り、タイミングT2に送出周期Tを加え、PBX 12bが電話端末18a、18bおよび後段のPBX 12cに対して同期フレーム64を送信するタイミングT2+Tを決定する。
【0046】
PBX 12bの観点から見れば、PBX 12aの送出タイミングとされる値T2は、T0-T1の計算結果であり、この演算値T0-T1に送出周期Tを加えた時間だけ遅延処理を行ってから後段に同期フレーム64を送出したこととなる。そのため、本実施例においてPBX 12bが受け取った同期フレーム62aの処理に要した処理遅延時間は、T0-T1+Tの値に相当することとなる。
【0047】
タイミングT2は前段のPBX 12aが同期フレーム62を送出したタイミングに相当し、このタイミングT2に送出周期Tを加えた時間T2+Tが同期フレーム64の送信タイミングとなるので、同期フレーム64の送信タイミングは同期フレーム62の送信タイミングと一致する。したがって、ちょうど1周期(T)分の遅延を伴ってフレーム同期が実現されている状態となり、例えばPBX 12aのスレーブ装置たる電話端末18d、18eおよびPBX 12bのスレーブ装置たる電話端末18a、18bからそれぞれ発せられる無線タイムスロットの位相ずれは起こらない。
【0048】
フレーム同期がとれている場合における、各PBXからそれぞれ接続されている電話端末によって発せられるタイムスロットを、図5を参照しながら説明する。同図の説明においては、図8の場合と同様に、便宜上、1つのフレームが5つのタイムスロット1〜5に分割され、電話端末18a等の装置が使用しているタイムスロットは2番目のもの(タイムスロット2)であるものとする。同期フレーム62に対して同期フレーム64をフレーム同期させたならば、フレーム同士の遅延値jは常に0で一定となり位相ずれも生じない。このため、図5に示す通り、他の電話端末18b側で使用できないタイムスロットは常に1つ(タイムスロット2)のみとなり、有効に無線スロットを利用できることとなる。
【0049】
以上で述べたように、本発明の実施例によれば、カスケード接続されているすべてのPBXは予め決められた遅延値に基づいて後段のPBXへの同期フレームの送信時間を調整することにより、ケーブル長にかかわらず送信時間を一致させることが可能となる。また、PBXが同期フレームを受信したタイミングから遅延値を考慮することにより、前段のPBXが実際に同期フレームを送出するタイミングを計算することができるため、前段のPBXが次に同期フレームを送出するタイミングを正確に見積もることが可能となる。
【0050】
ところで、本発明の実施例に係るタイミング調整回路10および同回路10を含む構内交換機14は、上記で述べた調整方法を実行させるプログラムをコンピュータにインストールさせることによっても具現化され得る。この場合の実施例を、図6を参照しながら簡潔に説明する。上述した本発明の実施例に係るタイミング調整回路10を有する構内交換機12としてコンピュータ82を機能させるプログラムを記憶媒体84に記憶しておく。ここで、記憶媒体84とは、光学ディスクや磁気ディスク、フラッシュメモリなど、プログラムを記憶することが可能ないかなる装置や部品も含まれる。
【0051】
コンピュータ82は、記憶媒体84の記憶内容を読取り可能なドライブ86を有する。ドライブ86はコンピュータ82に固定的に内蔵されていても、または、コンピュータ82とは独立した外付け型でコンピュータ82と接続可能な機器であってもよい。また、コンピュータ82は、演算などの情報処理やコンピュータ自身の制御を行う中央処理装置(CPU)88およびプログラムやデータなどを記憶する記憶装置90を有する。本図で示す記憶装置90は便宜上、データを一時的に記憶する装置および恒常的に記憶する装置の双方を含むものとする。CPU 88はドライブ86と接続線92を介して接続され、記憶装置90とも接続線94を介して接続されている。
【0052】
記憶媒体84に記憶されたプログラムは、ドライブ86を介してコンピュータ82に読み取られ、読み取られたプログラムは、CPU 88による制御の下、コンピュータ82の記憶装置90に記憶される。このようにしてプログラムが組み込まれたコンピュータ82は、プログラムを実施させることにより、上述した本発明の実施例に係るタイミング調整回路10を搭載した構内交換機12として働くことが可能となる。このプログラムは、コンピュータ82内のCPU 88、記憶装置90その他図示しない様々な内部装置を、タイミング調整回路10内に含まれる記憶保持回路38、演算回路40およびタイミング決定回路42として働かせるものであるともいえる。また、コンピュータ82内の記憶装置90は、遅延時間T1や最大遅延値TMAX等のデータを予め記憶させておく長期記憶装置として働かせてもよい。
【0053】
以上、ここまで本発明のいくつかの実施例を述べてきたが、本発明を実施する具体的手法は上述の実施例に制限されるものではない。本発明の実施が可能である限りにおいて適宜に設計や動作手順等の変更をなし得る。例えば、本発明に用いられる構成要素の機能発揮を補助する用に供する回路その他の機器については、適宜に付加および省略可能である。
【符号の説明】
【0054】
10 タイミング調整回路
12 構内交換機
14 構内交換機システム
18 電話端末
35 端末間同期回路
40 演算回路
42 タイミング決定回路
82 コンピュータ
84 記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b