(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ユニポーラ型保護素子の前記順方向降下電圧から前記保護ダイオードの前記順方向降下電圧を減算した差分が、0Vより高く且つ15V以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
前記スイッチング回路が、互いに並列接続されたバイポーラ型電力用スイッチング素子、ユニポーラ型電力用スイッチング素子及び還流ダイオードを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
負荷を駆動する半導体装置であって、前記負荷に並列に接続された、ダイオード接続のバイポーラ型保護素子、ダイオード接続のユニポーラ型保護素子及び保護ダイオードを有する保護回路と、前記保護回路に直列接続され、前記負荷を駆動するようにスイッチング動作を行うスイッチング回路と、を備え、前記バイポーラ型保護素子、前記ユニポーラ型保護素子及び前記保護ダイオードが逆方向となる極性にバイアスされ、前記スイッチング回路のターンオフ時に、前記負荷からの逆起電力による放電電流を消費し、前記ユニポーラ型保護素子は、第1導電型のドリフト領域の内部に複数の第2導電型のカラムが周期的に配置され、当該カラムで挟まれた前記ドリフト領域の部分を第1導電型のカラムと定義した超接合構造のMOSFETである半導体装置の製造方法であって、
前記ユニポーラ型保護素子に粒子線を照射することにより前記ユニポーラ型保護素子の順方向降下電圧を増大させ、前記ユニポーラ型保護素子の順方向降下電圧を前記保護ダイオードの順方向降下電圧よりも高く設定することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
電力用スイッチングデバイスにおいては、スイッチング素子のターンオフ時に負荷の逆起電力による放電電流を消費する保護回路が一般的に設けられる。この保護回路として、数A程度の小電流領域〜数百A程度の大電流領域でも使用できるように、IGBT等のバイポーラ型保護素子とMOSFET等のユニポーラ型保護素子を逆バイアスのダイオードとして動作するように並列接続することが検討されている。
【0010】
本発明者らは、バイポーラ型保護素子とユニポーラ型保護素子を並列接続した保護回路において、モータ等の誘導性負荷の動作における小電流領域では、バイポーラ型保護素子よりもオン抵抗が相対的に低いユニポーラ型保護素子に放電電流が集中して流れ、ユニポーラ型保護素子が短寿命となる問題があることを見出した。特に、複数のp型カラムとn型カラムを交互に形成した超接合(SJ)構造のMOSFETを採用すると、逆回復時に空乏層が速く広がることに起因してサージ電圧が跳ね上がるので、破壊され易い。
【0011】
上記課題を鑑み、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。以下の説明で参照する図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。更に、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための半導体装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質や、それらの形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
また、本明細書において説明する半導体装置の導電型は一例であり、以下の説明に用いた導電型の選択に限定される必要はない。また、本明細書及び添付図面においては、n又はpを冠記した層や領域では、それぞれ電子又は正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに上付き文字で付す+及び−は、+及び−の付記されていない半導体領域に比してそれぞれ相対的に不純物密度が高い又は低い半導体領域であることを意味する。また、本明細書において、「上側」「下側」等の「上」「下」の定義は、図示した断面図上の単なる表現上の問題であって、例えば、半導体装置の方位を90°変えて観察すれば「上」「下」の称呼は、「左」「右」になり、180°変えて観察すれば「上」「下」の称呼の関係は逆になることは勿論である。
【0013】
<半導体装置>
本発明の実施形態に係る半導体装置は、
図1に示すように、負荷Z
1に直列接続され、負荷Z
1の駆動するようにスイッチング動作を行うスイッチング回路101と、スイッチング回路101に直列接続され、且つ負荷Z
1に並列接続された、スイッチング回路101のターンオフ時に負荷Z
1からの逆起電力による放電電流を消費させる保護回路102とを備える電力用スイッチングデバイスである。負荷Z
1としては例えばモータ等が使用可能である。
【0014】
スイッチング回路101は、互いに並列接続されたバイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11、ユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12及び還流ダイオード(FWD)D
1を備える。バイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11としては例えばIGBT、静電誘導(SI)サイリスタ、ゲート・ターンオフ(GTO)サイリスタ等が使用でき、ユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12としては例えばMOSトランジスタやMISトランジスタが使用できる。MOSトランジスタにはMOSFETやMOSSITがある。同様に、MISトランジスタにはMISFETやMISSIT等の絶縁ゲート構造の半導体素子がある。以下の説明では便宜上、バイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11としてIGBT、ユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12としてMOSFETの場合について例示的に説明する。
【0015】
通常、バイポーラ型素子であるIGBTのオン閾値電圧は、ビルトインポテンシャルの影響で、小電流領域ではユニポーラ型素子であるMOSFETのオン閾値電圧よりも高くなるので、バイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11はユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12よりも小電流領域では導通損失が大きい。一方、ユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12はバイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11よりも大電流側で導通損失が大きい。
【0016】
バイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11のゲートとユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12のゲートは制御回路100に共通に接続されており、制御回路100から共通の制御信号が供給される。バイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11のコレクタ側、ユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12のドレイン側、還流ダイオードD
1のカソード側は保護回路102及び負荷Z
1側の端子N
1に接続される。バイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11のエミッタ側、ユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12のソース側、還流ダイオードD
1のアノード側は、電源V
ccの負極側に接続されている。
【0017】
通常は、ユニポーラ型素子であるMOSFETのターンオン、ターンオフ時のドレイン・ソース間電流のdi/dtよりもバイポーラ型素子であるIGBT上ののターンオン、ターンオフ時のコレクタ・エミッタ間電流のdi/dtの方が緩やかであり、更に電流について、MOSFETのドレイン・ソース間電流のdi/dtとIGBTのコレクタ・エミッタ間電流のdi/dtとの合成となることから、di/dtがより緩やかとなり、ターンオン損失が増加する。そこで、バイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11よりもスイッチング速度が速いユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12から先にターンオンさせることで、ターンオン損失を低減できる。但し、ユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12側に大電流を流したくない場合は、バイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11から先にターンオンさせてもよく、電流帯によってバイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11とユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12のターンオフする順番が変化してもよい。
【0018】
保護回路102は、負荷Z
1に並列に接続された、ダイオード接続のバイポーラ型保護素子Q
21、ダイオード接続のユニポーラ型保護素子Q
22及び保護ダイオードD
2を有する。バイポーラ型保護素子Q
21、ユニポーラ型保護素子Q
22及び保護ダイオードD
2は逆方向となる極性にバイアスされ、スイッチング回路101のターンオフ時に、負荷Z
1からの逆起電力による放電電流を消費する。バイポーラ型保護素子Q
21としては例えばIGBTやSIサイリスタ、GTOサイリスタ等が使用でき、ユニポーラ型保護素子Q
22としては例えばMOSトランジスタやMISトランジスタが使用できる。以下の説明では便宜上、バイポーラ型保護素子Q
21としてIGBT、ユニポーラ型保護素子Q
22としてMOSFETの場合について例示的に説明する。
【0019】
バイポーラ型保護素子Q
21のコレクタ側、ユニポーラ型保護素子Q
22のドレイン側、保護ダイオードD
2のカソード側は電源V
ccの正極側の端子N
2に接続されている。バイポーラ型保護素子Q
21のエミッタ側、ユニポーラ型保護素子Q
22のソース側、保護ダイオードD
2のアノード側はスイッチング回路101側の端子N
1に接続されている。バイポーラ型保護素子Q
21のゲートはエミッタと接続され、ゲート−エミッタ間を同電位にすることで、逆方向ダイオードとして動作する。なお、バイポーラ型保護素子Q
21のゲートとエミッタを接続する代わりに、バイポーラ型保護素子Q
21のゲートを制御回路100に接続して、ゲートーエミッタ間電圧が0Vとなるように制御することで、逆方向ダイオードとして動作させてもよい。ユニポーラ型保護素子Q
22のゲートはソースと接続され、ゲート−ソース間が同電位となり、逆方向ダイオードとして動作する。
【0020】
本発明の実施形態に係る半導体装置の保護回路102のユニポーラ型保護素子Q
22は、例えば
図2にその一部の断面構造を示すように、n型のドリフト領域11の内部に複数のp型カラム12a,12b,…が周期的に配置され、p型カラム12a,12b,…で挟まれたドリフト領域11の部分をn型カラム11a,11b,11c,…と定義した超接合(SJ)構造のMOSFET(以下、単に「SJMOS」ともいう)が好適に採用できる。以下の説明では、p型カラム12a,12b,…とn型カラム11a,11b,11c,…が交互に周期的に形成されたSJMOSの場合について説明する。
【0021】
ドリフト領域11のp型カラム12a,12b,…上に位置する領域には、p型のウェル領域13a,13b,…が周期的に多数配置されマルチチャネル構造をなしている。ウェル領域13a,13b,…の上部には、p型のコンタクト領域14a,14b,…が配置され、コンタクト領域14a,14b,…を挟むようにn型のソース領域15a,15b,15c,15d,…が周期的に多数配置され大電流が流せるように構成されている。n型カラム11a,11b,11c,…上にはゲート絶縁膜16を介してゲート電極17a,17b,17c,…が配置されている。ゲート絶縁膜16を覆うように層間絶縁膜18が形成されている。コンタクト領域14a,14b,…及びソース領域15a,15b,15c,15d,…に接するようにソース電極19が配置されている。p型カラム12a,12b,…及びn型カラム11a,11b,11c,…の下側にはドレイン領域10が配置され、ドレイン領域10の下面にドレイン電極20が配置されて、SJMOSを構成している。
【0022】
図1に示した保護回路102の保護ダイオードD
2は、例えば
図3に示すように、n
−型のドリフト領域21と、ドリフト領域21の上面に配置されたp
+型のアノード領域22と、ドリフト領域21の裏面に配置され、ドリフト領域21よりも高不純物密度のn型のカソード領域23を備えるpinダイオードである。アノード領域22の上面にはアノード電極24が配置されている。一方、カソード領域23の裏面にはカソード電極25が配置されている。
【0023】
図1に示した保護回路102のバイポーラ型保護素子Q
21は、
図4にその一部を示すように、例えばトレンチゲート構造を単位構造として有するIGBTである。n
−型のドリフト領域31の上面側には単位構造としてp型のベース領域32a,32bが配置され、この単位構造が周期的に配置されてマルチチャネル構造をなしている。ベース領域32a,32bの上部には、ドリフト領域31よりも高不純物密度のn
+型のエミッタ領域33a,33b,…が周期的に配置されている。ベース領域32a,32bを貫通してドリフト領域31の上部に達する凹部(トレンチ)の内面にはゲート絶縁膜34を介してゲート電極35が周期的に埋め込まれている。ゲート電極35上には層間絶縁膜36を介してエミッタ電極37が周期的に配置されている。エミッタ電極37は、エミッタ領域33a,33b,…及びベース領域32a,32bに接する。ドリフト領域31の裏面側にはドリフト領域21よりも高不純物密度のn型のフィールドストップ(FS層)40が配置され、FS層40の裏面側にはp型のコレクタ領域38が配置されている。コレクタ領域38の裏面にはコレクタ電極39が配置されている。
【0024】
図1に示したスイッチング回路101のバイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11、ユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12及び還流ダイオードD
1と、保護回路102のバイポーラ型保護素子Q
21、ユニポーラ型保護素子Q
22及び保護ダイオードD
2のそれぞれは、例えば1チップにそれぞれ形成された個別のディスクリートデバイスであり、ボンディングワイヤ等で接続しパッケージングされてモジュール化されていてもよい。また、スイッチング回路101のバイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11、ユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12及び還流ダイオードD
1と、保護回路102のバイポーラ型保護素子Q
21、ユニポーラ型保護素子Q
22及び保護ダイオードD
2のそれぞれが1つのチップに一括してモノシリックに形成されていてもよい。
【0025】
図1に示したスイッチング回路101のユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12、還流ダイオードD
1及びバイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11のそれぞれは、
図2に示した保護回路102のユニポーラ型保護素子Q
22、
図3に示した保護回路102の保護ダイオードD
2、
図4に示した保護回路102のバイポーラ型保護素子Q
21のそれぞれと同様の構成を備えていてもよく、異なる構成であってもよい。
【0026】
<半導体装置の動作>
次に、
図1を用いて、本発明の実施形態に係る半導体装置のスイッチング動作の一例を説明する。
【0027】
まず、スイッチング回路101のターンオン時から説明すると、制御回路100からの制御信号に基づいて、スイッチング回路101のバイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11及びユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12がターンオンし、導通状態となる。例えば、バイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11よりもオン閾値電圧の低いユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12が先にターンオンする。バイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11及びユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12が導通状態となることにより、電源V
ccから負荷Z
1へ電流が流れる。
【0028】
その後、制御回路100からの制御信号に基づいて、スイッチング回路101のバイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11及びユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12がターンオフし、遮断状態となる。スイッチング回路101のバイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11及びユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12が遮断状態となることにより、電源V
ccから負荷Z
1へ流れる電流は遮断される。これにより、負荷Z
1からの逆起電力による放電電流が保護回路102に流れ、保護回路102のバイポーラ型保護素子Q
21、ユニポーラ型保護素子Q
22及び保護ダイオードD
2が放電電流を消費する。
【0029】
その後、制御回路100からの制御信号に基づいて、スイッチング回路101のバイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11及びユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12がターンオンし、導通状態となる。この際、保護回路102においては、順方向から逆方向状態に移行する逆回復時に、保護回路102のバイポーラ型保護素子Q
21、ユニポーラ型保護素子Q
22及び保護ダイオードD
2に逆回復電流が流れる。
【0030】
一方、比較例に係る半導体装置は、
図5に示すように、スイッチング回路201及び保護回路202を備える。スイッチング回路101は、並列接続されたバイポーラ型電力用スイッチング素子X
11及びユニポーラ型電力用スイッチング素子X
12を備え、
図1に示した半導体装置のように還流ダイオードが並列接続されていない点が異なる。一方、保護回路202は、並列接続されたバイポーラ型保護素子X
21及びユニポーラ型保護素子X
22を備え、
図1に示した半導体装置のように保護ダイオードが並列接続されていない点が異なる。
【0031】
図6は、SJMOS等の超接合ユニポーラ型素子と、IGBT等のバイポーラ型素子の電流電圧特性を示す。
図6に示すように、小電流領域では、超接合ユニポーラ型素子のオン抵抗がバイポーラ型素子のオン抵抗よりも相対的に高い。一方、大電流領域では、バイポーラ型素子のオン抵抗が超接合ユニポーラ型素子のオン抵抗よりも相対的に高い。このため、比較例に係る半導体装置の保護回路202では、数A程度の小電流領域ではユニポーラ型保護素子X
22がオンして放電電流が流れる。一方、例えばモータがフル稼働するような数百A程度の大電流側では、バイポーラ型保護素子X
21がオンして放電電流が流れる。
【0032】
比較例に係る半導体装置において、特にユニポーラ型保護素子X
22が
図2に示すようなSJMOSである場合には、p型カラム12a,12b,…とn型カラム11a,11b,11c,…との距離が近いため、空乏層の広がりが速く、SJMOSのボディダイオードの逆回復時に電圧が急峻に跳ね上がり、ハードスイッチングとなる。このサージ電圧と逆回復ピーク電流I
rpとのエネルギー量で、ユニポーラ型保護素子X
22は破壊され易く、逆回復時の破壊耐量は弱くなる。サージ電圧の跳ね上がりと逆回復ピーク電流I
rpを抑制するために、
図7に示すように、逆回復時の電流の減少率di/dtを小さくする(例えばdi/dt=33A/μsecとする)ことが考えられるが、di/dtを小さくすると、ユニポーラ型保護素子X
22のターンオン時のdi/dtが小さくなりターンオン損失E
onが増大するため好ましくない。
【0033】
これに対して、本発明の実施形態に係る半導体装置では、保護回路102に保護ダイオードD
2が並列接続されているので、負荷Z
1からの放電電流を保護ダイオードD
2にも分担させて流すことができる。ここで、ユニポーラ型保護素子Q
22と保護ダイオードD
2との電流分担比率は、ユニポーラ型保護素子Q
22の順方向降下電圧Vf
qと保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdとの相対的な関係により決定される。本発明の実施形態に係る半導体装置では、保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdよりもユニポーラ型保護素子Q
22の順方向降下電圧V
fqを相対的に高く設定している。これにより、逆回復時のユニポーラ型保護素子Q
22の電流分担率を相対的に小さくでき、逆回復時のユニポーラ型保護素子Q
22の電圧の急峻な跳ね上がりを抑制でき、破壊耐量を強くすることができる。
【0034】
通常のSJMOSの場合には、n型カラム11a,11b,11c,…の幅が狭いため、ドリフト抵抗が非常に低いので、p型カラム12a,12b,…の正孔が貯まり易く、SJMOSの順方向降下電圧V
fqが下がり易い。一方、保護ダイオードD
2はドリフト領域21が広く、ドリフト抵抗はSJMOSよりも高くなる。更に、n型カラムが無いため、正孔は素子表面から裏面へダイレクトに流れる。したがって、通常は、保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdよりもユニポーラ型保護素子Q
22に採用されるSJMOSの順方向降下電圧V
fqが低くなる傾向がある。
【0035】
これに対して、本発明の実施形態によれば、意図的に、ユニポーラ型保護素子Q
22を構成しているSJMOSの順方向降下電圧V
fqを保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdよりも相対的に高く設定する。例えば、ユニポーラ型保護素子Q
22の製造工程において、ユニポーラ型保護素子Q
22に電子線等の粒子線を照射してライフタイムを短縮させるとともに、ユニポーラ型保護素子Q
22の順方向降下電圧V
fqを増大させることで、ユニポーラ型保護素子Q
22の順方向降下電圧V
fdを保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdよりも相対的に高く設定できる。また、保護ダイオードD
2の製造工程において、保護ダイオードD
2に電子線等の粒子線を照射することにより、保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdを調整してもよい。
【0036】
また、SJMOSのドリフト抵抗を増大させても、SJMOSの順方向降下電圧V
fqを保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdよりも相対的に高く設定できる。また、保護ダイオードD
2のチップサイズを増大したり、或いは保護ダイオードD
2を薄化したりすることによっても、保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdを低下させて、ユニポーラ型保護素子Q
22を構成するSJMOSの順方向降下電圧V
fqを保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdよりも相対的に高く設定できる。更には、ユニポーラ型保護素子Q
22をSiC材料を用いて作製する一方で、保護ダイオードD
2をSi材料を用いて作製する等、材料を異ならせてもよい。上述した手段を組み合わせることにより、ユニポーラ型保護素子Q
22の順方向降下電圧Vfqを保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdよりも相対的に高く設定することも可能である。
【0037】
ユニポーラ型保護素子Q
22の順方向降下電圧V
fqから保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdを減算した差分ΔV
f(以下、単に「ΔV
f」という。)は、0よりも高く且つ15V以下であることが好ましい。ΔV
fが15V以下であれば、保護ダイオードD
2のチップサイズの増大に伴うコストの増大やユニポーラ型保護素子Q
22のオン抵抗の悪化を実現可能な範囲内に抑制できる。なお、保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdは例えば0.5V〜1.5V程度(例えばSiダイオードであれば0.6V)である、ユニポーラ型保護素子Q
22の順方向降下電圧V
fqは例えば0.5V〜15V程度であるが、これに限定されるものではなく、適宜設定可能であることは勿論である。
【0038】
<実施例>
次に、シミュレーションにより、実施例A〜Eに係る半導体装置を設定して、ΔV
fとユニポーラ型保護素子Q
22を構成するSJMOSに流れる電流の関係を計算した。実施例A〜Eのユニポーラ型保護素子Q
22の順方向降下電圧V
fqを0.78V、1V、1.92V、2.97V、4.62Vと順に高くなるように設定した。更に、実施例A〜E毎に、ユニポーラ型保護素子Q
22の順方向降下電圧V
fqは同一であるが、保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdを1.28V、1.05V、0.91Vと変えたものを3種類ずつ設定した。
図8は、実施例A〜Eについて、ΔV
fとユニポーラ型保護素子Q
22を構成するSJMOSに流れる電流(SJ電流)の関係の計算結果を示す。
図8に示すように、ΔV
fが大きいほど、保護ダイオードD
2の電流分担比率が上がるため、ユニポーラ型保護素子Q
22に流れる電流(SJ電流)が低減しているのが分かる。
【0039】
更に、シミュレーションにより、実施例A〜Eを用いて、ユニポーラ型保護素子Q
22について、逆回復時のボディダイオードの跳ね上がり電圧の関係を計算した。シミュレーション条件は、ゲート抵抗を固定し、バス電圧300V、電流300A、逆回復電流の減少率di/dt=3kA/μsecとした。
図9に、ΔV
fと、保護回路102のユニポーラ型保護素子Q
22のボディダイオードの跳ね上がり電圧の関係の計算結果を示す。更に、
図9のプロットP1〜P4のサンプルについて、逆回復時の電流及び電圧の計算結果を
図10〜
図13にそれぞれ示す。
図9〜
図13に示すように、ΔV
fが大きいほど逆回復時の跳ね上がり電圧は低減していき、ΔV
fが0近傍より大きくなると、跳ね上がり電圧を略抑制できていることが分かる。
【0040】
ここで、
図10に示すように、ΔV
fが負の場合、ユニポーラ型保護素子Q
22のボディダイオードの電圧V
AKが急峻に跳ね上がっているのが分かる。そのため、サージ電圧が大きく、逆回復時に破壊され易い。これに対して、
図11〜
図13に示すように、ΔV
fが大きくなると、ユニポーラ型保護素子Q
22の逆回復電流(SJ電流)がゼロに戻っても保護ダイオードD
2側の電流が流れ続けているため、ユニポーラ型保護素子Q
22の電圧は立ち上がらない。そして、保護ダイオードD
2側の電流がゼロに戻るにつれて、保護ダイオードD
2側の電圧V
AKがソフトに立ち上がる。したがって、逆回復電流の減少率di/dtを大きくすることで、逆回復ピーク電流I
rpが増大しても、電圧V
AKはソフトに立ち上がるため、破壊耐量は強くなる。よって、数百A程度の大電流時に、スイッチング損失Errを低減するために逆回復電流の減少率di/dtを大きくしても、破壊耐量を高めることができる。
【0041】
また、
図14には、シミュレーションによる静特性時のΔV
fの計算結果を示す。ユニポーラ型保護素子Q
22の電流密度を保護ダイオードD
2の電流密度に対して700倍に高めると、ΔV
fを15Vに設定できることが分かる。電流密度差は、例えば保護ダイオードD
2のチップサイズを大きくし、ユニポーラ型保護素子Q
22のチップサイズを小さくすることで調整可能である。ユニポーラ型保護素子Q
22の電流密度を保護ダイオードD
2の電流密度に対して700倍以下であることが、ユニポーラ型保護素子Q
22のオン抵抗の悪化及び保護ダイオードD2のコストの増大を抑制する点から好ましい。
【0042】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る半導体装置によれば、
図1に示すように、保護回路102において、バイポーラ型保護素子Q
21、ユニポーラ型保護素子Q
22及び保護ダイオードD
2を並列接続することにより、保護ダイオードD
2が無い場合と比較して、ユニポーラ型保護素子Q
22に流れる電流を保護ダイオードD
2に分担させることができるので、ユニポーラ型保護素子Q
22を長寿命化できる。更に、保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdよりもユニポーラ型保護素子Q
22の順方向降下電圧V
fqを高くすることにより、ユニポーラ型保護素子Q
22の電流分担比率を低下させて、逆回復時のユニポーラ型保護素子Q
22のサージ電圧の跳ね上がりを抑制でき、破壊耐量を強くすることができる。
【0043】
<ユニポーラ型保護素子の製造方法>
次に、
図15〜
図18を用いて、本発明の実施形態に係る半導体装置で使用するユニポーラ型保護素子Q
22に用いられるSJMOSの製造方法の一例を説明する。なお、以下に述べる半導体装置の製造方法は一例であり、特許請求の範囲に記載した趣旨の範囲であれば、これ以外の種々の製造方法により実現可能であることは勿論である。
【0044】
(a)
図15(a)に示すように、単結晶Siからなるn型の半導体基板10上に、n型のエピタキシャル層11aを成長させる。次に、エピタキシャル層11a上にフォトレジスト膜41を塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜41をパターニングする。パターニングされてフォトレジスト膜41をマスクと用いて、
図15(b)に示すように、ボロン(B)等のp型不純物をエピタキシャル層11a上から選択的にイオン注入する。残存したフォトレジスト膜41は剥離液又はアッシング等で除去する。なお、図示を省略するが、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングし、パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして用いて、n型カラムとなる領域に選択的にn型不純物のイオン注入を更に行ってもよい。
【0045】
(b)次に、
図15(c)に示すように、エピタキシャル層11a上にn型のエピタキシャル層11bを成長させると、エピタキシャル成長の温度の効果により、注入されたイオンがエピタキシャル層11a中で活性化し、更にエピタキシャル層11b内にも外方拡散してp型領域43が形成される。同様のエピタキシャル層の成長工程とイオン注入工程とを繰り返す多段エピタキシャル法をすれば、注入した不純物イオンの活性化と外方拡散によって、
図16(a)に示すように、半導体基板10の厚さ方向に伸びる複数のn型カラム11a,11b,11c,…及びp型カラム12a,12b,…を交互に周期的に有するようにドリフト領域11を形成する。多段エピタキシャル法を用いた際に、最上層のエピタキシャル層にはイオン注入を実施しないことにより、ドリフト領域11はp型カラム12a,12b,…の上を覆うように形成される。
【0046】
(c)次に、ドリフト領域11の上面にフォトレジスト膜を塗布して、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして用いて、B等のp型不純物をドリフト領域11の表面に選択的にイオン注入する。残存したフォトレジスト膜を剥離液又はアッシング等により除去する。同様に、ドリフト領域11の上面にフォトレジスト膜を新たに塗布して、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして用いて、B等のp型不純物をドリフト領域11の表面に選択的にイオン注入する。その後、熱処理を行うことにより、
図16(b)に示すように、ドリフト領域11のp型カラム12a,12b,…上の位置に、p型のウェル領域13a,13b,…が形成されるとともに、ウェル領域13a,13b,…の上部にp
+型のコンタクト領域14a,14b,…が形成される。
【0047】
(d)次に、ウェル領域13a,13b,…及びコンタクト領域14a,14b,…を形成した被処理基体を洗浄後、ドリフト領域11、ウェル領域13a,13b,…及びコンタクト領域14a,14b,…の表面を熱酸化し、
図17(a)に示すようにシリコン酸化膜(SiO
2膜)からなるゲート絶縁膜16を形成する。そして、化学気相成長(CVD)法等により、
図17(b)に示すように、ゲート絶縁膜16上にn型の不純物を添加したポリシリコン層(ドープドポリシリコン層)17を堆積する。そして、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング等により、
図18(a)に示すように、ゲート絶縁膜16及びポリシリコン層17の一部を選択的に除去して、ウェル領域13a,13b,…及びコンタクト領域14a,14b,…を露出させるとともに、ゲート電極17a,17b,17cを形成する。
【0048】
(e)次に、ゲート電極17a,17b,17c、ウェル領域13a,13b,…及びコンタクト領域14a,14b,…の上面にフォトレジスト膜を塗布して、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして用いて、P等のn型不純物を選択的にイオン注入する。残存したフォトレジスト膜をフッ酸等により除去する。その後、熱処理を行うことにより、
図18(b)に示すように、コンタクト領域14a,14b,…を挟むようにn
+型のソース領域15a,15b,15c,15d,…が形成される。
【0049】
(f)次に、CVD法等により、ゲート電極17a,17b,17c、コンタクト領域14a,14b,…及びソース領域15a,15b,15c,15d,…の上面にSiO
2膜等からなる層間絶縁膜を堆積する。層間絶縁膜上にフォトレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして用いて、ドライエッチングにより層間絶縁膜の一部を選択的に除去する。その後、フォトレジスト膜を剥離液又はアッシング等で除去する。この結果、
図19(a)に示すように、ゲート電極17a,17b,17c,…を覆うように層間絶縁膜18が形成される。
【0050】
(g)次に、スパッタ法又は蒸着法等により、
図19(b)に示すように、コンタクト領域14a,14b,…及びソース領域15a,15b,15c,15d,…の上面にAl等からなるソース電極19を形成する。その後、半導体基板10を裏面側から研削・研磨してドリフト領域10とした後、スパッタ法又は蒸着法等により、
図2に示すように、ドレイン領域10の裏面にAu等からなるコレクタ電極39を形成する。
【0051】
(h)次に、半導体基板に表面側又は裏面側から吸収線量500kGy〜1000kGy程度で電子線を照射することにより、半導体基板中にキャリアのライフタイムを短縮させるとともに、ユニポーラ型保護素子Q
22の順方向降下電圧V
fqを増大させる。その後、熱処理を行うことにより、電子線の照射により形成されたエネルギー状態が不安定な結晶欠陥を回復させる。このようにして、本発明の実施形態に係る半導体装置で使用するユニポーラ型保護素子Q
22が完成する。
【0052】
本発明の実施形態に係る半導体装置で使用するユニポーラ型保護素子Q
22の製造方法によれば、電子線を照射してユニポーラ型保護素子Q
22の順方向降下電圧V
fqを増大させることにより、ユニポーラ型保護素子Q
22の順方向降下電圧V
fqを保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdよりも相対的に高く設定できる。なお、ドレイン電極20を形成した後に電子線を照射する場合を説明したが、ドレイン電極20を形成する前の段階で電子線を照射してもよい。また、電子線照射後の電子線アニールを行わない場合もある。また、電子線を照射する代わりに、プロトンやヘリウム等の荷電粒子線や、中性子線等の非荷電粒子線を照射してもよい。
【0053】
<保護ダイオードの製造方法>
次に、
図20及び
図21を用いて、本発明の実施形態に係る半導体装置で使用する保護ダイオードD
2の製造方法の一例を説明する。なお、以下に述べる製造方法は一例であり、特許請求の範囲に記載した趣旨の範囲であれば、これ以外の種々の製造方法により実現可能であることは勿論である。
【0054】
(a)まず、単結晶Siからなるn
−型の半導体基板21を用意し、半導体基板21の表面にB等のp型不純物イオンを注入する。その後、熱処理を行うことにより注入されたイオンを活性化させ、
図20(a)に示すように、例えば不純物密度5×10
17〜1×10
19cm
−3程度のp
+型のアノード領域22を形成する。
【0055】
(b)次に、研削又はウェットエッチング等により、半導体基板21を裏面側から除去し、半導体基板21を所望の厚さ(例えば50μm〜300μm程度)とする。そして、半導体基板21の裏面にAsやP等のn型不純物をイオン注入する。その後、熱処理を行うことにより注入されたイオンを活性化させ、
図20(b)に示すように、例えば不純物密度1×10
19cm
−3〜1×10
21cm
−3程度のn
+型のカソード領域23を形成する。
【0056】
(c)次に、スパッタ法又は蒸着法等により、
図21(a)に示すように、アノード領域22の上面にAl等からなるアノード電極24を形成する。同様に、スパッタ法又は蒸着法等により、
図21(b)に示すようにカソード領域23の裏面にAu等からなるカソード電極25を形成する。
【0057】
(d)次に、半導体基板21の表面側又は裏面側から、吸収線量500kGy〜1000kGy程度で電子線を照射することにより、半導体基板21中にキャリアのライフタイムを制御するための結晶欠陥を発生させる。その後、熱処理を行うことにより、電子線の照射により形成されたエネルギー状態が不安定な結晶欠陥を回復させる。このようにして、
図3に示した保護ダイオードD
2が完成する。
【0058】
本発明の実施形態に係る半導体装置で使用する保護ダイオードD
2の製造方法によれば、半導体基板21に電子線を照射することにより、保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdを調整できる。なお、カソード電極25を形成した後に電子線を照射する場合を説明したが、カソード電極25を形成する前の段階で電子線を照射してもよい。また、保護ダイオードD
2の順方向降下電圧V
fdを調整する必要が無ければ電子線を照射しなくてもよい。
【0059】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0060】
例えば、本発明の実施形態に係る半導体装置のスイッチング回路101が、並列接続されたバイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11、ユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12及び還流ダイオードD
1を有する場合を説明したが、スイッチング回路101の構成はこれに限定されるものではない。例えば、スイッチング回路101は、バイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11及びユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12のみを有していてもよく、単体のバイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11又はユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12等のスイッチング素子のみを有していてもよい。また、例えばスイッチング回路101を各相で2組ずつ用いて三相出力インバータを構成することもできる。
【0061】
また、スイッチング回路101のバイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11、ユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12及び還流ダイオードD
1や、保護回路102のバイポーラ型保護素子Q21、ユニポーラ型保護素子Q
22及び保護ダイオードD
2のそれぞれの構造は特に限定されない。例えば、バイポーラ型電力用スイッチング素子Q
11の一例としてトレンチゲート構造の縦型IGBTを説明したが、プレーナゲート構造の横型IGBTも採用可能である。また、ユニポーラ型電力用スイッチング素子Q
12及びユニポーラ型保護素子Q
22としてはSJMOSが好適であるが、これ以外の構造であってもよい。
【0062】
このように、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱しない範囲で、種々の半導体装置の製造方法及びこれに用いる半導体製造装置に適用可能である。