【実施例】
【0049】
以下に、本発明の各実施例および各比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。また、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0050】
(実施例1)
まず、本発明に用いる無機中空粒子の製造を行った。
図3に示されるように、最初にコア粒子302となる炭酸カルシウム微粒子を結晶成長させる。ここで生成させる炭酸カルシウムの結晶はカルサイトであり六方晶系であるが、合成条件を制御することにより、あたかも立方晶系であるかのような形状、即ち「立方体状形態」に成長させることができる。ここで、「立方体状形態」とは、立方体に限らず面で囲まれた立方体に似た形状をいう。この炭酸カルシウム302の外径約400nm〜600nmとなるように結晶成長させた後に、ゾル−ゲル法によりシリコンアルコキシドを用いて、炭酸カルシウム微粒子302にシリカ303をコーティングする。
【0051】
続いて、これを水に分散させて酸を添加して内部の炭酸カルシウム302を溶解させて流出させることによって、流出孔を有する立方体状形態のシリカ殻からなるナノ中空粒子304が形成される。最後に、800℃で焼成し溶解した炭酸カルシウム302が流出した孔を塞ぐことによって、緻密なシリカ殻からなるナノ中空粒子(シリカナノ中空粒子)301が製造される。シリカナノ中空粒子301の中空部分301bの内径は、コア粒子の炭酸カルシウム微粒子302の外径400nm〜600nmであり、緻密なシリカ殻301aの厚さは1nm〜5nm、厚くても5nm〜20nm前後であるため、シリカナノ中空粒子301の一次粒子径は約400nm〜650nmとなった。
また、かさ密度は、0.03から0.07g/mlとなった。
【0052】
次に、本発明における無機中空粒子を含むポリオレフィン樹脂層を形成するための中空粒子含有マスターバッチの製造方法について説明する。ここでは、前述の通り作製したシリカナノ中空粒子301の中から、一次粒子径が約600nmであり、壁厚が約35nm以下であり、かさ密度が0.05g/mlであり、空隙率が約70%の立方体状形態のシリカ殻からなるシリカナノ中空粒子(以下、シリカナノ中空粒子1)を選んで用いた。
【0053】
低密度ポリエチレン樹脂(スミカセンL718−H 密度:0.918g/cm
3 住友化学製)と、シリカナノ中空粒子1をタンブルミキサーで攪拌し、押出機により混練した樹脂を押出し、ペレタイザーで樹脂をカットし、シリカナノ中空粒子を含むマスターバッチ−1を作成した。
【0054】
この際、マスターバッチ−1のシリカナノ中空粒子1の添加量は、低密度ポリエチレン樹脂対して、40重量%とした。
【0055】
パルプを主成分とする紙の層として両面にコロナ処理を施した、厚さ約149μmの上質紙(しらおい 坪量127.9g/m
2 日本製紙製)を使用し、一方の面に溶融押し出しラミネーションにより、厚さ30μmの背面樹脂層を形成した。背面樹脂層の形成には、低密度ポリエチレン樹脂(サンテックLD L4490 密度0.939g/cm
3
旭化成ケミカルズ製)を用いた。
【0056】
次に、無機中空粒子充填領域層104a用の樹脂として、シリカナノ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−1(配合比は後述の通り)が厚さ5μmと、無機中空粒子非充填領域層104b用樹脂であるシリカナノ中空粒子無添加の低密度ポリエチレン樹脂(スミ
カセンL718−H 密度0.918g/cm
3 住友化学製)が厚さ10μmからなる厚さ15μmの共押出樹脂(無機中空粒子を含むポリオレフィン樹脂層104)を接着剤として、紙の背面樹脂層側とは反対側の面と、厚さ35μmの発泡フィルム(トヨパールP4255 東洋紡製)の片面を、押出サンドイッチラミネーションにて貼り合わせることにより、熱転写受像シート用ベース基材を得た。
【0057】
その際、ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−1は、紙の凹凸を隠蔽するために、紙面に接するように押出した。厚さ15μの無機中空粒子を含むポリオレフィン樹脂層に対する、ナノシリカ中空粒子の充填率を透過型電子顕微鏡により確認したところ、15vol%であった。
【0058】
<ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−1>
・低密度ポリエチレン樹脂
(スミカセンL718−H 住友化学製) 839.0部
・マスターバッチ−1 100.0部
【0059】
(実施例2)
実施例1の紙の背面樹脂層側とは反対側の面と、厚さ35μmである発泡フィルム(トヨパールP4255 東洋紡製)の片面を、押出サンドイッチラミネーションにて貼り合わせる工程において、ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−1を、ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−2(後述の配合比を参照のこと)に変更し、シリカナノ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−2が厚さ10μmと、無添加の低密度ポリエチレン樹脂(スミカセンL718−H 密度0.918g/cm
3 住友化学製)が厚さ5μmからなる厚さ15μmの共押出樹脂(無機中空粒子を含むポリオレフィン層)を接着剤とし、紙の背面樹脂層側とは反対側の面と、厚さ35μmの発泡フィルム(トヨパールP4255 東洋紡製)の片面を、押出サンドイッチラミネーションにて貼り合わせた以外は、実施例1と同じ工程により、実施例2の熱転写受像シート用ベース基材を得た。
【0060】
なお、厚さ15μの無機中空粒子を含むポリオレフィン層に対する、ナノシリカ中空粒子の充填率を透過型電子顕微鏡により確認したところ、55vol%であった。
【0061】
<ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−2>
・低密度ポリエチレン樹脂
(スミカセンL718−H 住友化学製) 185.0部
・マスターバッチ−1 100.0部
【0062】
(実施例3)
実施例1の無機中空粒子の製造方法において、コア粒子となる炭酸カルシウムの粒径と、ゾル−ゲル法により炭酸カルシウム微粒子にシリカをコーティングする厚みを調整することにより、緻密なシリカ殻の厚が約25nm〜30nm、一次粒子径約500nm、空隙率70%のシリカナノ中空粒子(以下、シリカナノ中空粒子2)を得た。
【0063】
また、このシリカナノ中空粒子2のかさ密度は、0.06g/mlとなった。
次に、低密度ポリエチレン樹脂(スミカセンL718−H 住友化学製)とシリカナノ中空粒子2を用いて、実施例1と同様に、シリカナノ中空粒子の添加量が、低密度ポリエチレン樹脂対して、40重量%のマスターバッチ−2を作製した。
【0064】
ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−1を、ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−3(後述の配合比を参考のこと)に変更した以外は、実施例1と同じとし、実施例3の熱転写受像シート用ベース基材を得た。
【0065】
また、厚さ15μの共押出樹脂に対する、ナノシリカ中空粒子の充填率を透過型電子顕微鏡により確認したところ、ナノシリカ中空粒子の充填率を透過型電子顕微鏡により確認したところ、15vol%であった。
【0066】
<ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−3>
・低密度ポリエチレン樹脂
(スミカセンL718−H 住友化学製) 687.0部
・マスターバッチ−2 100.0部
【0067】
(実施例4)
実施例2において用いた、ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−2を、ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−4(後述の配合比を参照のこと)に変更した以外は、実施例2と同じとし、実施例4の熱転写受像シートを得た。
また、厚さ15μの無機中空粒子を含むポリオレフィン層に対する、ナノシリカ中空粒子の充填率を透過型電子顕微鏡により確認したところ、55vol%であった。
【0068】
<ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−4>
・低密度ポリエチレン樹脂
(スミカセンL718−H 住友化学製) 144.0部
・マスターバッチ−2 100.0部
【0069】
(実施例5)
実施例1の無機中空粒子の製造方法において、コア粒子となる炭酸カルシウムの粒径と、ゾル−ゲル法により炭酸カルシウム微粒子にシリカをコーティングする厚みを調整することにより、緻密なシリカ殻の厚が約35nm〜40nm、一次粒子径約300nm、空隙率40%のシリカナノ中空粒子(以下、シリカナノ中空粒子3)を得た。
【0070】
また、このシリカナノ中空粒子3のかさ密度は、0.07g/mlとなった。
次に、低密度ポリエチレン樹脂(スミカセンL718−H 住友化学製)とシリカナノ中空粒子3を用いて、実施例1同様に、シリカナノ中空粒子の添加量が、低密度ポリエチレン樹脂対して、40重量%のマスターバッチ−3を作製した。
【0071】
ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−1を、ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−5(後述の配合比を参照のこと)に変更した以外は、実施例1と同じとし、比較実施例1の熱転写受像シート用ベース基材を得た。
【0072】
また、厚さ15μの共押出樹脂に対する、ナノシリカ中空粒子の充填率を透過型電子顕微鏡により確認したところ、ナノシリカ中空粒子の充填率を透過型電子顕微鏡により確認したところ、15vol%であった。
【0073】
<ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−5>
・低密度ポリエチレン樹脂
(スミカセンL718−H 住友化学製) 580.0部
・マスターバッチ−3 100.0部
【0074】
(実施例6)
実施例2において、ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−2を、ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−6(後述の配合比を参照のこと)変更した以外は、実施例2と同じとし、実施例6の熱転写受像シートを得た。
また、厚さ15μの無機中空粒子を含むポリオレフィン層に対する、ナノシリカ中空粒子の充填率を透過型電子顕微鏡により確認したところ、55vol%であった。
【0075】
<ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−6>
・低密度ポリエチレン樹脂
(スミカセンL718−H 住友化学製) 115.0部
・マスターバッチ−3 100.0部
【0076】
(比較例1)
実施例1の無機中空粒子の製造方法において、コア粒子となる炭酸カルシウムの粒径と、ゾル−ゲル法により炭酸カルシウム微粒子にシリカをコーティングする厚みを調整することにより、緻密なシリカ殻の厚が40nm〜45nm、一次粒子径約300nm、空隙率37%のシリカナノ中空粒子(以下、シリカナノ中空粒子4)を得た。
【0077】
また、このシリカナノ中空粒子4のかさ密度は、0.08g/mlとなった。
次に、低密度ポリエチレン樹脂(スミカセンL718−H 住友化学製)とシリカナノ中空粒子4を用いて、実施例1同様に、シリカナノ中空粒子の添加量が、低密度ポリエチレン樹脂対して、40重量%のマスターバッチ−4を作製した。
【0078】
ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−1を、ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−7(後述の配合比を参照のこと)に変更した以外は、実施例1と同じとし、比較例1の熱転写受像シート用ベース基材を得た。
【0079】
また、厚さ15μの共押出樹脂に対する、ナノシリカ中空粒子の充填率を透過型電子顕微鏡により確認したところ、ナノシリカ中空粒子の充填率を透過型電子顕微鏡により確認したところ、10vol%であった。
【0080】
<ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−7>
・低密度ポリエチレン樹脂
(スミカセンL718−H 住友化学製) 1000.0部
・マスターバッチ−4 100.0部
【0081】
(比較例2)
実施例2において、ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−2を、ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−8(後述の配合比を参照のこと)に変更した以外は、実施例2と同じとし、比較例2の熱転写受像シートを得た。
【0082】
また、厚さ15μの無機中空粒子を含むポリオレフィン層に対する、ナノシリカ中空粒子の充填率を透過型電子顕微鏡により確認したところ、60vol%であった。
【0083】
<ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−8>
・マスターバッチ−4 100.0部
【0084】
(比較例3)
実施例3における、ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−3を、ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−9(後述の配合比を参照のこと)に変更した以外は、比較例1と同じとし、比較実施例3の熱転写受像シート用ベース基材を得た。
【0085】
また、厚さ15μの無機中空粒子を含むポリオレフィン層に対する、ナノシリカ中空粒子の充填率を透過型電子顕微鏡により確認したところ、10vol%であった。
【0086】
<ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−9>
・低密度ポリエチレン樹脂
(スミカセンL718−H 住友化学製) 1370.0部
・マスターバッチ−2 100.0部
【0087】
(比較例4)
実施例2における、ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−2を、ナノシ
リカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−10(後述の配合比を参照のこと)に変更した以外は、実施例2と同じとし、比較例4の熱転写受像シート用ベース基材を得た。
【0088】
また、厚さ15μの無機中空粒子を含むポリオレフィン層に対する、ナノシリカ中空粒子の充填率を透過型電子顕微鏡により確認したところ、60vol%であった。
【0089】
<ナノシリカ中空粒子を含む低密度ポリエチレン樹脂−10>
・マスターバッチ−2 100.0部
【0090】
(比較例5)
実施例1において、背面樹脂層の樹脂を、低密度ポリエチレン樹脂(スミカセンL718−H 密度0.918g/cm
3 住友化学製)に変更した以外は実施例1と同じとし、比較例5の熱転写受像シート用ベース基材を得た。
【0091】
≪熱転写受像シートの作製≫
実施例及び比較実施例で作製した熱転写用受像シート用ベース基材の発泡フィルムの紙側とは反対側の表面に、下引き層塗布液を、乾燥後の厚みが4μmとなるように塗布、乾燥することで、下引き層を形成した。
【0092】
更にその下引き層の上に、染料受容層塗布液を、乾燥後の厚みが3μmとなるように塗布、乾燥することで、染料受容層を形成し、実施例1〜6、比較例1〜5の熱転写受像シートを得た。
【0093】
<下引き層塗布液>
・ポリエステル樹脂 13.1部
・酸化チタン(粒径0.2μm) 26.2部
・水/イソプロピルアルコール〔IPA〕(質量比2/1) 60. 0部
【0094】
<受像層塗布液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 19.5部
・アミノ変性シリコーンオイル 0.50部
・トルエン 40.0部
・メチルエチルケトン 40.0部
【0095】
≪熱転写記録媒体の作製≫
基材として、4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に下記組成の耐熱滑性層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/m
2となるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の熱転写層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/m
2となるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
【0096】
<耐熱滑性層塗布液>
・シリコーン系アクリルグラフトポリマー 50.0部
・(東亜合成(株)US−350)
・メチルエチルケトン 50.0部
【0097】
<熱転写層塗布液>
・C.I.ソルベントブルー36 2.5部
・C.I.ソルベントブルー63 2.5部
・ポリビニルアセタール樹脂 5.0部
・トルエン 45.0部
・メチルエチルケトン 45.0部
【0098】
<印画評価>
実施例1〜6、比較例1〜5から作製した熱転写受像シートおよび熱転写記録媒体を使用し、解像度が300×300DPIの、評価用サーマルプリンタにて風景画の印画を行い、画質の評価を行った。
画質の評価は、以下の基準で実施した。
◎:熱転写受像シート表面に凹凸がなく、画質に優れている。
○:熱転写受像シート表面の凹凸が見えるが、画像にムラがなく、実用上問題がない。
×:熱転写受像シート表面の凹凸が目立ち、画像にムラが発生し、実用上問題がある。
【0099】
実施例1〜6、比較例1〜5から作製した熱転写受像シートおよび熱転写記録媒体を使用し、解像度が300×300DPIの、評価用サーマルプリンタにてKGサイズの黒ベタ画像の印画を行い、曲げ試験及びカール評価を行った。
【0100】
<曲げ試験>
曲げ試験では、印画物の長辺の両端を掴み、中央部の凹む部分を基準として、受像面側に60mm曲げた後、背面樹脂層側に60mm曲げる操作を50回繰り返した。
次に、曲げ操作行った印画物の断面を電子顕微鏡により観察を行い、無機中空粒子を含むポリオレフィン層の曲げに対する耐久性を評価した。
曲げ試験評価は、以下の判断基準により行った。
○:層クラックがなく、中空粒子の隙間がポリオレフィン樹脂で満たされている。
×:層にクラック或いは、無機中空粒子の滑落がみられる。
【0101】
<印画後カール>
印画後カール量の測定では、印画物を平板に置いたとき、受容層面側凹カールを−(マイナス)とし、受容層面凸カールを+(プラス)とし、印画物四隅のカール量の平均値をカール量とした。
印画後カール評価は、以下の判断基準により行った。
○:−5mm以上5mm以下
×:−5mm以下
【表1】
【0102】
実施例1〜6の結果より、空隙率40%以上、無機中空粒子を、充填率15〜55vol%含む無機中空粒子を含むポリオレフィン層を設け、背面樹脂層には、無機中空粒子を含むポリオレフィン樹脂よりも、密度の高いポリオレフィン樹脂を用いることで、高感度、高画質であり、鮮明な画像が形成できかつ、印画時の熱によるカールの少ない受像シートを作成することができた。また、無機中空粒子が500nm以下ではより良い本発明の効果が確認できた。
【0103】
これに対し、比較例1、比較例2では、無機中空粒子の空隙率が40%より低い37vol%であるため、断熱性の低下から低階調側の発色が弱く画質が悪い熱転写受像シートとなった。
【0104】
比較例2、比較例4では、無機中空粒子の添加量が多く、無機中空粒子を含むポリオレフィン層の膜の剛性が低下した結果、曲げ試験においてクラックが発生する熱転写受像シートとなった。
【0105】
比較例5では、背面樹脂のポリオレフィン樹脂の密度が低く、剛性が弱いため、印画後に−7mmカールする受像シートとなった。