特許第6601106号(P6601106)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6601106
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20191028BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20191028BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20191028BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20191028BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   B41J29/00 Z
   B41J29/42 F
   G06F3/12 304
   G06F3/12 367
   H04N1/00 127A
【請求項の数】12
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-194462(P2015-194462)
(22)【出願日】2015年9月30日
(65)【公開番号】特開2017-65135(P2017-65135A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 猛
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−218287(JP,A)
【文献】 特開2013−156834(JP,A)
【文献】 特開2014−159123(JP,A)
【文献】 特開2013−240929(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0255112(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/00
B41J 29/42
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタであって、
表示部と、
ネットワークインターフェースと、
印刷エンジンと、
前記ネットワークインターフェースを介して、特定のユーザID及び特定のパスワードの特定の組合せを含む第1の印刷要求が受信される場合に、認証テーブルを利用して、前記特定の組合せに対して印刷機能の実行が許容されるのか否かを判断する第1の判断部であって、前記認証テーブルは、前記印刷機能の実行が許容されるユーザID及びパスワードの組合せを含む、前記第1の判断部と、
前記特定の組合せに対して前記印刷機能の実行が許容されると判断され、かつ、前記第1の印刷要求がセキュアコードを含まない場合に、前記第1の印刷要求に対応する第1の印刷データによって表わされる第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させ、前記特定の組合せに対して前記印刷機能の実行が許容されないと判断される場合に、前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させないエンジン制御部と、
前記特定の組合せに対して前記印刷機能の実行が許容されると判断され、かつ、前記第1の印刷要求が第1のセキュアコードを含む場合に、前記特定の組合せに関連付けて、前記第1のセキュアコードと前記第1の印刷データとをメモリに記憶させる第1の記憶制御部と、
前記第1のセキュアコードと前記第1の印刷データとが前記メモリに記憶された後に、セキュアコードを入力するためのボックスを含む入力画面を前記表示部に表示させる入力画面制御部と、を備え、
前記エンジン制御部は、さらに、
前記第1のセキュアコードが前記入力画面に入力される第1の場合に、前記第1のセキュアコードに関連付けられている前記第1の印刷データによって表わされる前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させ、
前記第1のセキュアコードが前記入力画面に入力されずに、前記特定のパスワードが取得される第2の場合に、前記特定のパスワードに関連付けられている前記第1の印刷データによって表わされる前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させる、プリンタ。
【請求項2】
前記プリンタは、さらに、
前記特定の組合せに対して、セキュアコードの入力に応じた印刷に代えてパスワードの入力に応じた代替印刷を許可するのか否かを、前記認証テーブルを利用して判断する第2の判断部であって、前記認証テーブルでは、前記印刷機能の実行が許容されるユーザID及びパスワードの組合せと、前記代替印刷を許可するのか否かを示す設定情報と、が対応付けられている、前記第2の判断部と、
前記エンジン制御部は、
前記特定の組合せに対して前記代替印刷を許可すると判断されるのか否かに関わらず、前記第1のセキュアコードが前記入力画面に入力される前記第1の場合に、前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させ、
前記特定の組合せに対して前記代替印刷を許可すると判断され、かつ、前記第1のセキュアコードが前記入力画面に入力されずに、前記特定のパスワードが取得される前記第2の場合に、前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させ、
前記特定の組合せに対して前記代替印刷を許可しないと判断され、かつ、前記第1のセキュアコードが前記入力画面に入力されない場合に、前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させない、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記入力画面制御部は、
前記特定の組合せに対して前記代替印刷を許可すると判断される場合に、セキュアコードを入力するためのボックスと、パスワードを入力するためのボックスと、を含む前記入力画面を前記表示部に表示させ、
前記特定の組合せに対して前記代替印刷を許可しないと判断される場合に、セキュアコードを入力するためのボックスを含む前記入力画面を前記表示部に表示させ、セキュアコードを入力するためのボックスと、パスワードを入力するためのボックスと、を含む前記入力画面を前記表示部に表示させず、
前記エンジン制御部は、前記特定の組合せに対して前記代替印刷を許可すると判断され、かつ、前記第1のセキュアコードが前記入力画面に入力されずに、前記特定のパスワードが前記入力画面に入力されることによって前記特定のパスワードが取得される前記第2の場合に、前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させる、請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記プリンタは、さらに、
前記ネットワークインターフェースを介して、ユーザID及びパスワードの組合せを含まない第2の印刷要求であって、第2のセキュアコードを含む前記第2の印刷要求が受信される場合に、前記第2のセキュアコードと、前記第2の印刷要求に対応する第2の印刷データと、を関連付けて、前記メモリに記憶させる第2の記憶制御部を備え、
前記入力画面制御部は、さらに、前記第2のセキュアコードと前記第2の印刷データとが前記メモリに記憶された後に、前記入力画面を前記表示部に表示させ、
前記エンジン制御部は、さらに、前記第2のセキュアコードが前記入力画面に入力される場合に、前記第2のセキュアコードに関連付けられている前記第2の印刷データによって表わされる第2の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させる、請求項1から3のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記入力画面制御部は、前記第2のセキュアコードと前記第2の印刷データとが前記メモリに記憶された後に、セキュアコードを入力するためのボックスを含むと共にパスワードを入力するためのボックスを含まない前記入力画面を前記表示部に表示させる、請求項4に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記プリンタは、さらに、
前記第1のセキュアコードと前記第1の印刷データとが前記メモリに記憶された後に、前記メモリに記憶されている1個以上の印刷データの中から印刷対象の印刷データを選択するためのデータ選択画面を前記表示部に表示させるデータ選択画面制御部を備え、
前記入力画面制御部は、前記データ選択画面において前記第1の印刷データが選択された後に、セキュアコードを入力するためのボックスと、パスワードを入力するためのボックスと、を含む前記入力画面を前記表示部に表示させ、
前記エンジン制御部は、前記第1のセキュアコードが前記入力画面に入力されずに、前記特定のパスワードが前記入力画面に入力されることによって前記特定のパスワードが取得される前記第2の場合に、前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させる、請求項1から5のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記入力画面制御部は、前記データ選択画面において前記第1の印刷データが選択された後に、セキュアコードを入力するためのボックスと、パスワードを入力するためのボックスと、ユーザIDを入力するためのボックスと、を含む前記入力画面を前記表示部に表示させ、
前記エンジン制御部は、前記第1のセキュアコードが前記入力画面に入力されずに、前記特定の組合せが前記入力画面に入力されることによって前記特定の組合せが取得される前記第2の場合に、前記特定の組合せに関連付けられている前記第1の印刷データによって表わされる前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させる、請求項6に記載のプリンタ。
【請求項8】
前記入力画面制御部は、前記第1のセキュアコードと前記第1の印刷データとが前記メモリに記憶された後に、前記入力画面のうちの第1の部分を前記表示部に表示させ、
前記第1の部分は、セキュアコードを入力するためのボックスを含むと共にパスワードを入力するためのボックスを含まず、
前記プリンタは、さらに、
特定のセキュアコードが前記第1の部分に入力された後に、前記メモリに記憶されている1個以上の印刷データの中から印刷対象の印刷データを選択するためのデータ選択画面を前記表示部に表示させるデータ選択画面制御部を備え、
前記エンジン制御部は、前記特定のセキュアコードが前記第1のセキュアコードに一致し、かつ、前記データ選択画面において前記第1の印刷データが選択される前記第1の場合に、前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させ、
前記入力画面制御部は、前記特定のセキュアコードが前記第1のセキュアコードに一致せず、かつ、前記データ選択画面において前記第1の印刷データが選択される場合に、前記入力画面のうちの第2の部分を前記表示部に表示させ、
前記第2の部分は、パスワードを入力するためのボックスを含むと共にセキュアコードを入力するためのボックスを含まず、
前記エンジン制御部は、前記特定のパスワードが前記第2の部分に入力されることによって前記特定のパスワードが取得される前記第2の場合に、前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させる、請求項1から5に記載のプリンタ。
【請求項9】
前記第2の部分は、さらに、ユーザIDを入力するためのボックスを含み、
前記エンジン制御部は、前記特定の組合せが前記第2の部分に入力されることによって前記特定の組合せが取得される前記第2の場合に、前記特定の組合せに関連付けられている前記第1の印刷データによって表わされる前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させる、請求項8に記載のプリンタ。
【請求項10】
前記プリンタは、さらに、
前記第1のセキュアコードと前記第1の印刷データとが前記メモリに記憶された後に、前記プリンタへのログインを示すログインボタンと、前記プリンタへのログインなしで前記印刷機能を実行することを示す印刷ボタンと、を含むボタン選択画面を前記表示部に表示させるボタン選択画面制御部を備え、
前記入力画面制御部は、前記ボタン選択画面において前記印刷ボタンが選択される場合に、前記入力画面を前記表示部に表示させる、請求項1から9のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項11】
前記プリンタは、さらに、
前記ボタン選択画面において前記ログインボタンが選択される場合に、ユーザIDを入力するためのボックスとパスワードを入力するためのボックスとを含むと共にセキュアコードを入力するためのボックスを含まないログイン画面を前記表示部に表示させるログイン画面制御部を備え、
前記エンジン制御部は、さらに、前記特定の組合せが前記ログイン画面に入力される第3の場合に、前記第1のセキュアコードが入力されなくても、前記特定の組合せに関連付けられている前記第1の印刷データによって表わされる前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させる、請求項10に記載のプリンタ。
【請求項12】
前記プリンタは、さらに、
前記特定の組合せが前記ログイン画面に入力された後に、前記メモリに記憶されている1個以上の印刷データの中から印刷対象の印刷データを選択するためのデータ選択画面を前記表示部に表示させるデータ選択画面制御部を備え、
前記エンジン制御部は、前記特定の組合せが前記ログイン画面に入力され、かつ、前記データ選択画面において前記第1の印刷データが選択される前記第3の場合に、前記第1のセキュアコードが入力されなくても、前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させる、請求項11に記載のプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、認証印刷及びセキュア印刷を実行可能なプリンタを開示する。
【背景技術】
【0002】
ユーザID及びパスワードの組合せの認証が成功することを条件として印刷機能を実行する認証印刷が知られている。例えば、プリンタは、印刷機能の実行が許容されるユーザID及びパスワードの組合せが登録されているテーブルを記憶する。プリンタは、ユーザID及びパスワードの組合せを含む印刷要求を受信する場合に、当該組合せがテーブルに登録されていることを条件として、即ち、当該組合せの認証が成功することを条件として、印刷要求に応じた印刷機能を実行する。
【0003】
また、印刷ジョブに応じた印刷機能を実行させるためのセキュアコードを利用するセキュア印刷も知られている。プリンタは、ユーザによって指定された指定済みセキュアコードを含む印刷要求を受信する場合に、印刷要求に応じた印刷機能を即座に実行せずに、指定済みセキュアコードに関連付けて印刷ジョブを記憶しておく。そして、プリンタは、セキュアコードを入力するための画面を表示し、ユーザによって指定済みセキュアコードが当該画面に入力される場合に、印刷ジョブに応じた印刷機能を実行する。ユーザが指定済みセキュアコードをプリンタに入力することを条件として印刷機能が実行されるので、印刷物が当該ユーザとは異なる者によって持ち去られることを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−219892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、ユーザが、指定済みセキュアコードを忘れてしまう可能性がある。この場合、ユーザは、指定済みセキュアコードをプリンタに入力することができないので、印刷ジョブに応じた印刷機能をプリンタに実行させることができない。本明細書では、ユーザが指定済みセキュアコードをプリンタに入力することができない状況でも、認証印刷の仕組みを利用して、セキュア印刷を実現するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示されるプリンタは、表示部と、ネットワークインターフェースと、印刷エンジンと、前記ネットワークインターフェースを介して、特定のユーザID及び特定のパスワードの特定の組合せを含む第1の印刷要求が受信される場合に、認証テーブルを利用して、前記特定の組合せに対して印刷機能の実行が許容されるのか否かを判断する第1の判断部であって、前記認証テーブルは、前記印刷機能の実行が許容されるユーザID及びパスワードの組合せを含む、前記第1の判断部と、前記特定の組合せに対して前記印刷機能の実行が許容されると判断され、かつ、前記第1の印刷要求がセキュアコードを含まない場合に、前記第1の印刷要求に対応する第1の印刷データによって表わされる第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させ、前記特定の組合せに対して前記印刷機能の実行が許容されないと判断される場合に、前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させないエンジン制御部と、前記特定の組合せに対して前記印刷機能の実行が許容されると判断され、かつ、前記第1の印刷要求が第1のセキュアコードを含む場合に、前記特定の組合せに関連付けて、前記第1のセキュアコードと前記第1の印刷データとをメモリに記憶させる第1の記憶制御部と、前記第1のセキュアコードと前記第1の印刷データとが前記メモリに記憶された後に、セキュアコードを入力するためのボックスを含む入力画面を前記表示部に表示させる入力画面制御部と、を備える。前記エンジン制御部は、さらに、前記第1のセキュアコードが前記入力画面に入力される第1の場合に、前記第1のセキュアコードに関連付けられている前記第1の印刷データによって表わされる前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させ、前記第1のセキュアコードが前記入力画面に入力されずに、前記特定のパスワードが取得される第2の場合に、前記特定のパスワードに関連付けられている前記第1の印刷データによって表わされる前記第1の画像の印刷を前記印刷エンジンに実行させる。
【0007】
上記の構成によると、プリンタは、特定の組合せに対して印刷機能の実行が許容されると判断され、かつ、第1の印刷要求がセキュアコードを含まない場合に、第1の画像の印刷を実行する。即ち、プリンタは、認証印刷を実現することができる。また、プリンタは、特定の組合せに対して印刷機能の実行が許容されると判断され、かつ、第1の印刷要求がセキュアコードを含む場合に、特定の組合せに関連付けて、第1のセキュアコードと第1の印刷データとをメモリに記憶させる。そして、プリンタは、第1のセキュアコードが入力画面に入力される場合に、第1の画像の印刷を実行する。即ち、プリンタは、セキュア印刷を実現することができる。また、プリンタは、第1のセキュアコードが入力されなくても、特定のパスワードが取得される場合に、第1の画像の印刷を実行する。従って、ユーザは、例えば第1のセキュアコードを忘れてしまっても、認証印刷のための特定のパスワードをプリンタに取得させれば、第1の画像の印刷をプリンタに実行させることができる。このように、プリンタは、ユーザが第1のセキュアコードをプリンタに入力することができない状況でも、認証印刷の仕組みを利用して、セキュア印刷を実現することができる。
【0008】
上記のプリンタを実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】印刷要求監視処理のフローチャートを示す。
図3】印刷要求受信時のケースA及びBのシーケンス図を示す。
図4】印刷要求受信時のケースC及びDのシーケンス図を示す。
図5】第1実施例の機能制御処理のフローチャートを示す。
図6】第1及び第2実施例の画面遷移の一例を示す。
図7】第2実施例の機能制御処理のフローチャートを示す。
図8】第3実施例の機能制御処理のフローチャートを示す。
図9】第3実施例の画面遷移の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;図1
図1に示されるように、通信システム2は、多機能機10と、端末装置100と、を備える。各デバイス10,100は、LAN(Local Area Networkの略)4を介して、相互に通信可能である。以下では、多機能機10のことを「MFP(Multi-Function Peripheralの略)10」と記載する。
【0011】
(MFP10の構成)
MFP10は、印刷機能、スキャン機能、コピー機能等を含む複数個の機能を実行可能な周辺装置(即ち端末装置100等の周辺装置)である。なお、変形例では、MFP10に代えて、印刷機能のみを実行可能なプリンタが利用されてもよい。MFP10は、操作部12と、表示部14と、印刷エンジン16と、スキャンエンジン18と、ネットワークインターフェース20と、制御部30と、を備える。各部12〜30は、バス線(符号省略)に接続されている。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0012】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をMFP10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部14は、いわゆるタッチパネルとして機能する。即ち、表示部14は、ユーザによって操作される操作部としても機能する。以下では、MFP10の操作部を記載する箇所では、符号12,14を省略して、単に「操作部」と記載する。印刷エンジン16は、インクジェット方式、レーザー方式等の印刷機構を備える。スキャンエンジン18は、CCD(Charge Coupled Deviceの略)、CIS(Contact Image Sensorの略)等のスキャン機構を備える。ネットワークI/F20は、有線通信又は無線通信を実行するためのインターフェースであり、LAN4に接続されている。
【0013】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ34は、上記のプログラム36の他に、認証フラグ40と認証テーブル50とジョブテーブル52とを記憶する。認証フラグ40は、ユーザ情報を利用した認証印刷を実行することを意味する「ON」と、認証印刷を実行しないことを意味する「OFF」と、のどちらかの値を示す。認証フラグ40は、MFP10の管理者によって「ON」又は「OFF」に設定される。
【0014】
認証テーブル50は、MFP10に印刷を実行させることが許容されるユーザ情報を登録するためのテーブルである。ユーザ情報は、ユーザID及びパスワードの組合せ(即ちユーザを識別するためのユーザ識別情報)である。例えば、MFP10の管理者が端末装置(例えば100)からMFP10にアクセスすることによって、ユーザ情報が認証テーブル50に登録される。認証フラグ40が「ON」を示し、かつ、印刷要求に含まれるユーザ情報が認証テーブル50に登録されている場合には、MFP10は、当該印刷要求に応じた印刷を実行する。即ち、MFP10は、認証テーブル50を利用して、認証印刷を実現することができる。
【0015】
認証テーブル50には、さらに、各ユーザ情報に対応付けて、代替フラグが登録される。代替フラグは、PINコードの入力に応じたセキュア印刷に代えてユーザ情報の入力に応じたセキュア印刷を許容することを意味する「ON」と、ユーザ情報の入力に応じたセキュア印刷を許容しないことを意味する「OFF」と、のどちらかの値を示す。代替フラグも、MFP10の管理者によって認証テーブル50に登録される。
【0016】
ジョブテーブル52は、セキュア印刷の対象の印刷ジョブを登録するためのテーブルである。印刷ジョブは、ジョブ番号とPIN(Personal Identification Numberの略)コードと印刷データとを少なくとも含む。ジョブ番号は、印刷ジョブを識別するための番号である。PINコードは、セキュア印刷の実行を望むユーザによって指定されるセキュアコードであり、例えば、所定桁数の数字であってもよいし、所定文字数の数字及びアルファベットの組合せであってもよい。印刷ジョブは、さらに、ユーザ情報(即ちユーザID及びパスワード)を含み得る。即ち、認証フラグ40が「ON」を示す場合には、印刷要求にユーザ情報が含まれるので、ユーザ情報を含む印刷ジョブがジョブテーブル52に登録される。一方、認証フラグ40が「OFF」を示す場合には、印刷要求にユーザ情報が含まれないので、ユーザ情報を含まない印刷ジョブがジョブテーブル52に登録される。
【0017】
なお、変形例では、各テーブル50,52は、MFP10のメモリ34に記憶されていなくてもよく、例えば、外部のサーバに記憶されていてもよい。この場合、MFP10は、各テーブル50,52を利用すべき際に、例えば、サーバから各テーブル50,52を取得すればよい。
【0018】
(端末装置100の構成)
端末装置100は、デスクトップPC(Personal Computerの略)、ノートPC、タブレットPC、携帯電話、スマートフォン等のユーザ端末である。端末装置100は、MFP10のベンダによって提供されるプリンタドライバを備えていない。ただし、端末装置100は、例えば、MFP10のベンダとは異なる事業者によって提供されるインターネット上のサーバからインストールされたIPP(Internet Printing Protocolの略)プログラムを備える。IPPプログラムは、HTTP(Hyper Text Transfer Protocolの略)に従ったコマンドを生成して、当該コマンドをMFP10に送信するためのプログラムである。端末装置100は、公知のウェブブラウザプログラムを備えていれば、HTTPを利用することができ、この結果、IPPプログラムを利用してコマンドをMFP10に送信して、MFP10に印刷機能を実行させることができる。即ち、端末装置100は、MFP10のベンダによって提供されるプリンタドライバを備えていなくても、MFP10に印刷機能を実行させることができる。
【0019】
(印刷要求監視処理;図2
続いて、図2を参照して、CPU32によって実行される印刷要求監視処理の内容を説明する。図2の処理は、MFP10の電源がONされることをトリガとして開始され、IPPに従った印刷要求を受信することを監視するための処理である。印刷要求は、例えば、IPPで定義されているCreate−Jobコマンドである。なお、以下の全ての通信は、ネットワークI/F20を介して実行される。このために、以下では、「ネットワークI/F20を介して」という説明を省略する。
【0020】
S10では、CPU32は、端末装置100から印刷要求を受信することを監視する。CPU32は、端末装置100から印刷要求を受信する場合に、S10でYESと判断してS20に進む。印刷要求は、印刷指示操作が端末装置100に実行される場合に、端末装置100からMFP10に送信される。印刷指示操作は、端末装置100内の印刷対象の画像を表わすファイルを選択するための操作と、IPPプログラムに従って表示される画面において、印刷の実行を示すボタンを選択するための操作と、を含む。また、ユーザがセキュア印刷をMFP10に実行させることを望む場合には、印刷指示操作は、さらに、PINコードを指定するための操作を含む。この場合、印刷要求は、指定済みのPINコードを含む。
【0021】
S20では、CPU32は、メモリ34内の認証フラグ40が「ON」を示すのか否かを判断する。CPU32は、認証フラグ40が「OFF」を示す場合には、S20でNOと判断して、S30及びS40をスキップして、S50に進む。一方、CPU32は、認証フラグ40が「ON」を示す場合には、S20でYESと判断して、S30において、印刷要求がユーザ情報を含むのか否かを判断する。CPU32は、印刷要求がユーザ情報を含まない場合には、S30でNOと判断して、S42において、情報要求を端末装置100に送信する。情報要求は、HTTPで定義されているコマンドであり、具体的には、401AuthorizationRequiredである。S42が終了すると、S10に戻る。
【0022】
S42で情報要求が端末装置100に送信されると、ユーザ情報を入力するための認証画面が端末装置100に表示される。このために、ユーザは、ユーザ情報を端末装置100に入力することができる。この場合、端末装置100は、ユーザ情報を含む印刷要求をMFP10に送信する。この結果、CPU32は、S10でYESと判断し、S20でYESと判断し、S30において、印刷要求がユーザ情報を含むと判断し(S30でYES)、S40に進む。
【0023】
S40では、CPU32は、メモリ34内の認証テーブル50を利用して、印刷要求に含まれるユーザ情報の認証を実行する。具体的には、CPU32は、印刷要求に含まれるユーザ情報が認証テーブル50に登録されている場合に、当該ユーザ情報の認証が成功したと判断し(S40でYES)、S50に進む。一方、CPU32は、印刷要求に含まれるユーザ情報が認証テーブル50に登録されていない場合に、当該ユーザ情報の認証が失敗したと判断し(S40でNO)、S42において、情報要求を端末装置100に再び送信する。
【0024】
S50では、CPU32は、印刷データの送信を要求するためのOK応答を端末装置100に送信する。OK応答は、HTTPで定義されているコマンドであり、具体的には、200OKである。次いで、S52では、CPU32は、端末装置100から印刷データを受信する。印刷データは、MFP10の印刷エンジン16が解釈可能なデータ形式を有するデータであり、端末装置100が上記の印刷指示操作で選択されたファイルを変換することによって生成される。
【0025】
S60では、CPU32は、印刷要求がPINコードを含むのか否かを判断する。CPU32は、印刷要求がPINコードを含む場合、即ち、セキュア印刷を実行すべき場合には、S60でYESと判断して、S62の登録処理を実行する。S62では、印刷要求がユーザ情報を含むのか否かに応じて登録される内容が異なる。即ち、印刷要求がユーザ情報を含まない場合には、CPU32は、印刷要求に含まれるPINコードと、S52で受信された印刷データと、を関連付けて、ジョブテーブル52に登録する。一方、印刷要求がユーザ情報を含む場合には、印刷要求に含まれるPINコードと、印刷要求に含まれるユーザ情報と、S52で受信された印刷データと、を関連付けて、ジョブテーブル52に登録する。S62が終了すると、S10に戻る。
【0026】
一方、CPU32は、印刷要求がPINコードを含まない場合には、S60でNOと判断して、S64の印刷処理を実行する。S64では、CPU32は、S52で受信された印刷データを印刷エンジン16に供給して、印刷データによって表わされる画像の印刷を印刷エンジン16に実行させる。S64が終了すると、S10に戻る。
【0027】
(印刷要求を受信する具体的なケース;図3及び図4
続いて、図3及び図4を参照して、図2の処理によって実現される具体的なケースを説明する。
【0028】
ケースAでは、認証フラグ40が「OFF」を示し、端末装置100においてPINコードが指定されない。端末装置100は、A1の印刷指示操作が実行される場合に、T10において、ユーザ情報とPINコードとを含まない印刷要求をMFP10に送信する。
【0029】
MFP10は、T10の印刷要求を受信する場合(図2のS10でYES)に、認証フラグ40が「OFF」を示すと判断し(S20でNO)、T20において、OK応答を端末装置100に送信し(S50)、T22において、端末装置100から印刷データを受信する(S52)。そして、MFP10は、T10の印刷要求がPINコードを含まないと判断し(S60でNO)、T30において、印刷処理を実行する(S64)。
【0030】
ケースBでは、認証フラグ40が「ON」を示し、端末装置100においてPINコードが指定されない。端末装置100は、A11の印刷指示操作が実行される場合に、T110において、ユーザ情報とPINコードとを含まない印刷要求をMFP10に送信する。
【0031】
MFP10は、T110の印刷要求を受信する場合(図2のS10でYES)に、認証フラグ40が「ON」を示すと判断し(S20でYES)、印刷要求がユーザ情報を含まないと判断し(S30でNO)、T112において、情報要求を端末装置100に送信する(S42)。
【0032】
端末装置100は、T112の情報要求を受信する場合に、T114において、ユーザ情報を入力するための認証画面を表示する。端末装置100は、A12のユーザ情報入力操作が実行される場合に、T116において、ユーザ情報を含むと共にPINコードを含まない印刷要求をMFP10に送信する。
【0033】
MFP10は、T116の印刷要求を受信する場合(図2のS10でYES)に、認証フラグ40が「ON」を示すと判断し(S20でYES)、印刷要求がユーザ情報を含むと判断し(S30でYES)、ユーザ情報の認証を実行する(S40)。MFP10は、ユーザ情報の認証が成功する場合(S40でYES)に、ケースAのT20〜T30と同様に、T120〜T130を実行する(S50、S52、S60でNO、S64)。
【0034】
一方、MFP10は、ユーザ情報の認証が失敗する場合(S40でNO)に、T150において、情報要求を端末装置100に再び送信する(S42)。この結果、図示省略しているが、端末装置100において、T114の認証画面が再び表示される。
【0035】
図4のケースCでは、認証フラグ40が「OFF」を示し、端末装置100においてPINコードが指定される。端末装置100は、PINコードを指定する操作を含むA31の印刷指示操作が実行される場合に、T210において、ユーザ情報を含まないと共にPINコードを含む印刷要求をMFP10に送信する。
【0036】
MFP10は、T210の印刷要求を受信する場合(図2のS10でYES)に、認証フラグ40が「OFF」を示すと判断し(S20でNO)、T220において、OK応答を端末装置100に送信し(S50)、T222において、端末装置100から印刷データを受信する(S52)。そして、MFP10は、T210の印刷要求がPINコードを含むと判断し(S60でYES)、T240において、T210の印刷要求に含まれるPINコードと、T222の印刷データと、を関連付けてジョブテーブル52に登録する。ここでは、ユーザ情報は、ジョブテーブル52に登録されない。
【0037】
ケースDでは、認証フラグ40が「ON」を示し、端末装置100においてPINコードが指定される。端末装置100は、PINコードを指定する操作を含むA41の印刷指示操作が実行される場合に、T310において、ユーザ情報を含まないと共にPINコードを含む印刷要求をMFP10に送信する。
【0038】
MFP10は、T310の印刷要求を受信する場合(図2のS10でYES)に、認証フラグ40が「ON」を示すと判断し(S20でYES)、印刷要求がユーザ情報を含まないと判断し(S30でNO)、T312において、情報要求を端末装置100に送信する(S42)。
【0039】
T314及びA42は、図3のT114及びA12と同様である。T316では、端末装置100は、ユーザ情報とPINコードとを含む印刷要求をMFP10に送信する。当該PINコードは、T310の印刷要求内のPINコードと同じものである。
【0040】
MFP10は、T316の印刷要求を受信する場合(図2のS10でYES)に、以下の処理を実行する。即ち、ユーザ情報の認証が成功する場合に実行されるT320及びT322は、図3のT120及びT122と同様である。そして、MFP10は、T316の印刷要求がPINコードを含むと判断し(S60でYES)、T340において、T316の印刷要求に含まれるPINコードと、T316の印刷要求に含まれるユーザ情報と、T322の印刷データと、を関連付けてジョブテーブル52に登録する。ユーザ情報の認証が失敗する場合に実行されるT350は、図3のT150と同様である。
【0041】
(機能制御視処理;図5
続いて、図5を参照して、CPU32によって実行される機能制御処理の内容を説明する。図5の処理は、MFP10の電源がONされることトリガとして開始され、ユーザの指示に応じた機能を実行するための処理である。
【0042】
S110では、CPU32は、機能選択画面SC1(図6参照)を表示部14に表示させる。画面SC1は、スキャンを示すボタンと、コピーを示すボタンと、セキュア印刷を示すボタンと、を含む。セキュア印刷は、PINコードを入力してジョブテーブル52内の印刷ジョブに従った印刷を実行させることを意味する。本実施例では、特に、PINコードが入力されなくても、ユーザ情報が入力されると、セキュア印刷を実現することができる。操作部が画面SC1内のいずれかのボタンを選択するための操作を受け付けると、S120に進む。
【0043】
S120では、CPU32は、S110でセキュア印刷が選択されたのか否かを判断する。CPU32は、スキャン又はコピーが選択されたと判断する場合(S120でNO)には、S130において、選択済みの機能に応じた処理を実行する。例えば、スキャンが選択された場合には、CPU32は、スキャンエンジン18を駆動して、原稿のスキャンをスキャンエンジン18に実行させる。また、例えば、コピーが選択された場合には、CPU32は、スキャンエンジン18を駆動して、原稿のスキャンをスキャンエンジン18に実行させ、スキャンデータを印刷エンジン16に供給して画像の印刷を印刷エンジン16に実行させる。S130が終了すると、S110に戻る。
【0044】
一方、CPU32は、セキュア印刷が選択されたと判断する場合(S120でYES)には、S140において、ジョブ選択画面SC2を表示部14に表示させる。具体的には、CPU32は、メモリ34内のジョブテーブル52に含まれる1個以上の印刷データの1個以上のファイル名を取得し、当該1個以上のファイル名を含む画面SC2(図6参照)を表示部14に表示させる。操作部が画面SC2内のいずれかのファイル名を選択するための操作を受け付けると、S145に進む。
【0045】
S145では、CPU32は、メモリ34内の認証フラグ40が「ON」を示すのか否かを判断する。CPU32は、認証フラグ40が「OFF」を示す場合には、S145でNOと判断して、S170に進む。S145でNOと判断される状況では、ジョブテーブル52において、ユーザ情報を含まない印刷ジョブが登録されている(図2のS20でNOの場合のS62参照)。このために、ユーザ情報を入力可能な画面(即ち後述のS160の画面SC3)の表示に関係するS150及びS160が実行されずに、S170に進む。これにより、ユーザ情報の入力に応じたセキュア印刷が実行されないにも関わらず、ユーザ情報を入力可能な画面が表示されるのを抑制することができる。
【0046】
一方、CPU32は、認証フラグ40が「ON」を示す場合には、S145でYESと判断して、S150において、対象の代替フラグが「ON」を示すのか否かを判断する。具体的には、S145でYESと判断される状況では、ジョブテーブル52では、ユーザ情報とPINコードと印刷データとを含む印刷ジョブが登録されている(図2のS20でYESの場合のS62参照)。CPU32は、まず、ジョブテーブル52を参照して、S140で選択されたファイル名(即ち印刷データ)に関連付けられているユーザ情報を取得する。そして、CPU32は、認証テーブル50を参照して、取得済みのユーザ情報に対応付けられている代替フラグ(即ち対象の代替フラグ)が「ON」を示すのか否かを判断する。CPU32は、対象の代替フラグが「ON」を示すと判断する場合(S150でYES)には、S160に進み、対象の代替フラグが「OFF」を示すと判断する場合(S150でNO)には、S170に進む。本実施例では、S150の判断結果に応じて、後述の画面SC3,SC4のどちらかが表示される(S160,S170)。即ち、MFP10の管理者によって設定される代替フラグに応じて、ユーザ情報の入力に応じたセキュア印刷を許容するのか否かが変わる。このために、管理者の意図に応じたセキュア印刷を実現することができる。
【0047】
また、例えば、個々のユーザに割り当てられるユーザID及びパスワードに加えて、個々のユーザ以外の全てのユーザが共通的に利用可能なユーザID及びパスワード(以下では「ゲストユーザ情報」と呼ぶ)が認証テーブル50に登録され得る。仮に、ゲストユーザ情報の入力に応じたセキュア印刷が許容されると、誰でも、ゲストユーザ情報を利用して、MFP10にセキュア印刷を実行させることができる。この結果、例えば、第1のユーザがゲストユーザ情報を利用して印刷要求をMFP10に送信した後に、第1のユーザとは異なる第2のユーザがゲストユーザ情報を入力すれば、第1のユーザのための印刷ジョブを利用した印刷が実行される。即ち、第2のユーザが第1のユーザのための印刷物を取得することが許容されてしまう。これに対し、本実施例では、ゲストユーザ情報に対応付けられる代替フラグを「OFF」に設定することができるので、第2のユーザが第1のユーザのための印刷ジョブを利用した印刷をMFP10に実行させる事象が発生することを抑制することができる。
【0048】
S160では、CPU32は、双方入力画面SC3(図6参照)を表示部14に表示させる。画面SC3は、PINコードを入力するためのボックスと、ユーザIDを入力するためのボックスと、パスワードを入力するためのボックスと、を含む。即ち、画面SC3は、PINコードとユーザ情報との双方を入力可能な画面である。ユーザは、端末装置100においてユーザ自身が指定したPINコードを覚えていれば、PINコードを画面SC3に入力することができる。また、例えば、ユーザは、PINコードを忘れてしまっても、ユーザ情報を画面SC3に入力することができる。操作部がPINコード又はユーザ情報の入力を受け付けると、S162に進む。
【0049】
S162では、CPU32は、適正PINコードが入力されたのか否かを判断する。CPU32は、まず、ジョブテーブル52を参照して、S140で選択されたファイル名(即ち印刷データ)に関連付けられているPINコードを取得する。そして、CPU32は、入力済みのPINコードが取得済みのPINコードに一致する場合には、適正PINコードが入力されたと判断し(S162でYES)、S164をスキップしてS180に進む。一方、CPU32は、入力済みのPINコードが取得済みのPINコードに一致しない場合、又は、画面SC3にPINコードが入力されなかった場合には、適正PINコードが入力されなかったと判断し(S162でNO)、S164に進む。
【0050】
S164では、CPU32は、適正ユーザ情報が入力されたのか否かを判断する。CPU32は、まず、ジョブテーブル52を参照して、S140で選択されたファイル名(即ち印刷データ)に関連付けられているユーザ情報を取得する。そして、CPU32は、入力済みのユーザ情報が取得済みのユーザ情報に一致する場合には、適正ユーザ情報が入力されたと判断し(S164でYES)、S180に進む。一方、CPU32は、入力済みのユーザ情報が取得済みのユーザ情報に一致しない場合、又は、画面SC3にユーザ情報が入力されなかった場合には、適正ユーザ情報が入力されなかったと判断し(S164でNO)、S180を実行することなく、S110に戻る。
【0051】
また、S170では、CPU32は、PIN入力画面SC4(図6参照)を表示部14に表示させる。画面SC4は、PINコードを入力するためのボックスを含むが、ユーザ情報を入力するためのボックスを含まない。即ち、画面SC4は、PINコードのみを入力可能な画面である。操作部がPINコードの入力を受け付けると、S172に進む。
【0052】
S172では、CPU32は、S162と同様に、適正PINコードが入力されたのか否かを判断し、適正PINコードが入力されたと判断する場合(S172でYES)には、S180に進み、適正PINコードが入力されなかったと判断する場合(S172でNO)には、S180を実行することなく、S110に戻る。
【0053】
S180では、CPU32は、S140で選択された印刷データを印刷エンジン16に供給して、印刷データによって表わされる画像の印刷を印刷エンジン16に実行させる。これにより、セキュア印刷が実現される。S180が終了すると、S110に戻る。
【0054】
(本実施例の効果)
本実施例によると、MFP10は、印刷要求に含まれるユーザ情報に対して印刷機能の実行が許容されると判断し(図2のS40でYES)、かつ、当該印刷要求がPINコードを含まない場合(S60でNO)に、印刷処理を実行する。即ち、MFP10は、認証印刷を実現することができる。また、MFP10は、印刷要求に含まれるユーザ情報に対して印刷機能の実行が許容されると判断し(S40でYES)、かつ、当該印刷要求がPINコードを含む場合(S60でYES)に、ユーザ情報とPINコードと印刷データとを含む印刷ジョブをジョブテーブル52に登録する(S62)。そして、MFP10は、適正PINコードが双方入力画面SC3に入力される場合(図5のS162でYES)に、印刷処理を実行する(S180)。即ち、MFP10は、セキュア印刷を実現することができる。また、MFP10は、適正PINコードが入力されなくても(S162でNO)、適正ユーザ情報が双方入力画面SC3に入力される場合(S164でYES)に、印刷処理を実行する(S180)。従って、ユーザは、例えばPINコードを忘れてしまっても、認証印刷のためのユーザ情報を入力すれば、セキュア印刷をMFP10に実行させることができる。このように、MFP10は、ユーザがPINコードをMFP10に入力することができない状況でも、認証印刷の仕組みを利用して、セキュア印刷を実現することができる。
【0055】
(対応関係)
図3のT116の印刷要求、及び、図4のT316の印刷要求が、「第1の印刷要求」の一例である。当該印刷要求に含まれるユーザID、パスワードが、それぞれ、「特定のユーザID」、「特定のパスワード」の一例である。また、図3のT122の印刷データ、及び、図4のT322の印刷データが、「第1の印刷データ」の一例である。図4のT316の印刷要求に含まれるPINコードが、「第1のセキュアコード」の一例である。図4のT210の印刷要求、当該印刷要求に含まれるPINコード、T222の印刷データが、それぞれ、「第2の印刷要求」、「第2のセキュアコード」、「第2の印刷データ」の一例である。画面SC3,SC4が、「入力画面」の一例である。
【0056】
(第1実施例の変形例)
CPU32は、図5のS160において、双方入力画面SC3に代えて、PIN入力画面SC4を表示部14に表示させてもよい。この場合、CPU32では、適正PINコードが入力されなかったと判断する場合(S162でNO)に、さらに、ユーザIDを入力するためのボックスと、パスワードを入力するためのボックスと、を含み、PINコードを入力するためのボックスを含まないユーザ情報入力画面を表示部14に表示させ、その後、S164に進んでもよい。本変形例では、S160又はS170で表示されるPIN入力画面SC4と上記のユーザ情報入力画面とが、「入力画面」の一例である。
【0057】
(第2実施例;図7
本実施例では、図5の処理に代えて、図7の処理が実行される。S210〜S230は、図5のS110〜S130と同様である。S240、S242、S250は、それぞれ、図5のS170、S140、S172と同様である。
【0058】
CPU32は、適正PINコードが入力されたと判断する場合(S250でYES)には、S255〜S270をスキップして、S280において、図5のS180と同様に、印刷処理を実行する。一方、CPU32は、適正PINコードが入力されなかったと判断する場合(S250でNO)には、S255に進む。S255、S260は、それぞれ、図5のS145、S150と同様であり、CPU132は、これらの処理でNOと判断する場合には、S280を実行することなく、S210に戻る。
【0059】
CPU132は、対象の代替フラグが「ON」を示すと判断する場合(S260でYES)には、S262において、ユーザ情報入力画面SC5(図6参照)を表示部14に表示させる。画面SC5は、ユーザIDを入力するためのボックスと、パスワードを入力するためのボックスと、を含み、PINコードを入力するためのボックスを含まない。即ち、画面SC5は、ユーザ情報のみを入力可能な画面である。操作部がユーザ情報の入力を受け付けると、S270に進む。
【0060】
S270は、図5のS164と同様である。CPU32は、適正ユーザ情報が入力されたと判断する場合(S270でYES)には、S280において、印刷処理を実行する。一方、CPU32は、適正ユーザ情報が入力されなかったと判断する場合(S270でNO)には、S280を実行することなく、S210に戻る。
【0061】
本実施例でも、第1実施例と同様の効果を得ることができる。本実施例では、画面SC4,SC5が、「入力画面」の一例である。画面SC4、画面SC5が、それぞれ、「第1の部分」、「第2の部分」の一例である。



【0062】
(第3実施例)
本実施例では、認証テーブル50の内容が第1実施例とは異なる。図1に示されるように、認証テーブル50には、ユーザIDと、パスワードと、印刷許可情報と、スキャン許可情報と、コピー許可情報と、代替フラグと、が対応付けられた情報が登録される。印刷許可情報は、印刷機能の利用をユーザに許可するのか否かを示す情報である。同様に、スキャン許可情報、コピー許可情報は、それぞれ、スキャン機能、コピー機能の利用をユーザに許可するのか否かを示す情報である。「OK」は、機能の利用を許可することを示し、「NG」は、機能の利用を許可しないことを示す。
【0063】
また、本実施例では、認証フラグ40は、認証テーブル50を利用した機能制限を実行するのか否かを示すフラグである。即ち、認証フラグ40は、認証テーブル50を利用した機能制限を実行することを意味する「ON」と、機能制限を実行しないことを意味する「OFF」と、のどちらかの値を示す。即ち、認証フラグ40が「OFF」に設定されている状態では、認証テーブル50内の各許可情報の内容に関わらず、いずれのユーザに対しても印刷機能、スキャン機能、及び、コピー機能の利用が許可される。
【0064】
本実施例では、図2のS40の処理が第1実施例とは異なる。即ち、CPU32は、印刷要求に含まれるユーザ情報が認証テーブル50に登録されており、かつ、当該ユーザ情報に対応付けられている印刷許可情報が「OK」を示す場合に、S40でYESと判断して、S50に進む。一方、CPU32は、印刷要求に含まれるユーザ情報が認証テーブル50に登録されていない場合、又は、当該ユーザ情報が認証テーブル50に登録されているが、当該ユーザ情報に対応付けられている印刷許可情報が「NG」を示す場合に、S40でNOと判断して、S42に進む。
【0065】
(機能制御処理;図8
CPU32は、認証フラグ40が「ON」に設定されている場合には、図8の処理を実行する。なお、CPU32は、認証フラグ40が「OFF」に設定されている場合には、図5又は図7の処理を実行する。
【0066】
S300では、CPU32は、初期選択画面SC0(図9参照)を表示部14に表示させる。図9に示されるように、画面SC0は、セキュア印刷を示すボタンと、ログインを示すボタンと、を含む。ログインは、ユーザ情報を入力してMFP10にログインすることを意味する。操作部が画面SC0内のいずれかのボタンを選択するための操作を受け付けると、S302に進む。
【0067】
S302では、CPU32は、S300でセキュア印刷が選択されたのか否かを判断する。CPU32は、セキュア印刷が選択されたと判断する場合(S300でYES)には、図5のS140に進む。ただし、変形例では、CPU32は、S300でYESの場合に、図7のS240に進んでもよい。
【0068】
一方、CPU32は、S300でログインが選択されたと判断する場合(S300でNO)には、S304において、ログイン画面SC6(図9参照)を表示部14に表示させる。画面SC6は、ユーザIDを入力するためのボックスと、パスワードを入力するためのボックスと、を含み、セキュアコードを入力するためのボックスを含まない。操作部がユーザ情報の入力を受け付けると、S306に進む。
【0069】
S306では、CPU32は、適正ユーザ情報が入力されたのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、入力済みのユーザ情報が認証テーブル50に登録されている場合には、適正ユーザ情報が入力されたと判断し(S306でYES)、S310に進む。以下では、S306でYESと判断されるユーザ情報のことを「ログインユーザ情報」と呼ぶ。一方、CPU32は、入力済みのユーザ情報が認証テーブル50に登録されていない場合には、適正ユーザ情報が入力されなかったと判断し(S306でNO)、S310〜S380をスキップして、S300に戻る。
【0070】
S310では、CPU32は、機能選択画面SC1(図9参照)を表示部14に表示させる。具体的には、CPU32は、まず、認証テーブル50を参照して、ログインユーザ情報に対応付けられている各許可情報を取得する。そして、CPU32は、許可情報「OK」に対応する機能を示すボタンの選択を受付可能であると共に許可情報「NG」に対応する機能を示すボタンの選択を受付不可能である状態で、画面SC1を表示部14に表示させる。例えば、図1の認証テーブル50では、ユーザID「U1」及びパスワード「P1」に対応付けて、印刷許可情報「OK」、スキャン許可情報「NG」、及び、コピー許可情報「OK」が登録されている。この場合、CPU32は、セキュア印刷及びコピーを示す各ボタンの選択を受付可能であると共にスキャンボタンの選択を受付不可能な状態(例えばスキャンボタンがグレーアウトされた状態)で、画面SC1を表示部14に表示させる。仮に、ユーザによってスキャンボタンが選択されても、操作部は、スキャンボタンの選択を受け付けない。これにより、CPU32は、当該ユーザに許可されていないスキャン機能を実行しないので、機能制限を実現することができる。操作部が画面SC1内のいずれかのボタンを選択するための操作を受け付けると、S320に進む。
【0071】
S320〜S340は、図5のS120〜S140と同様である。S350、S370、S372は、それぞれ、図5のS150、S170、S172と同様である。S352では、CPU32は、ログインユーザ情報が選択ファイルに対応するユーザ情報に一致するのか否かを判断する。ここで、「選択ファイル」は、S340で選択されたファイル(即ち印刷データ)であり、「選択ファイルに対応するユーザ情報」は、ジョブテーブル52において、選択ファイルに関連付けられているユーザ情報である。CPU32は、2つのユーザ情報が一致しないと判断する場合(S352でNO)には、図5のS160〜S164と同様に、S360〜S364を実行する。
【0072】
一方、CPU32は、2つのユーザ情報が一致すると判断する場合(S352でYES)には、S360〜S364をスキップして、S380において、印刷処理を実行する。即ち、CPU32は、ユーザ情報の認証が成功しているので(S306でYES)、PINコード又はユーザ情報をユーザに入力させなくても、印刷処理を実行する。
【0073】
本実施例でも、S302でYESの場合に図5のS140以降の処理が実行されるので、第1実施例と同様の効果を得ることができる。また、S352でYESの場合に、ユーザがPINコード又はユーザ情報を入力せずに済むので、ユーザの利便性を向上させることができる。本実施例では、初期選択画面SC0が、「ボタン選択画面」の一例である。
【0074】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例が含まれる。
【0075】
(変形例1)例えば、図5のS160では、CPU32は、双方入力画面SC3に代えて、PIN入力画面SC4を表示部14に表示させてもよい。そして、CPU32は、S162でNOと判断する場合に、例えば近距離無線通信を実行して、ユーザによって携帯される認証カードからユーザ情報を取得し、次いで、S164において、取得済みのユーザ情報が適正ユーザ情報であるのか否かを判断してもよい。本変形例も、「特定のパスワードが取得される第2の場合」の一例である。
【0076】
(変形例2)CPU32は、図5のS162でNOの場合、又は、図8のS362でNOの場合に、ユーザ情報入力画面SC5を表示部14に表示させ、その後、S164及びS364において、ユーザ情報入力画面SC5に入力されたユーザ情報が適正ユーザ情報であるのか否かを判断してもよい。本変形例では、図5のS160の画面SC3とS170の画面SC4とユーザ情報入力画面SC5とが、「入力画面」の一例である。
【0077】
(変形例3)例えば、図5のS160の双方入力画面SC3は、ユーザIDを入力するためのボックスを含んでいなくてもよい。この場合、S164では、CPU32は、適正パスワードが入力されたのか否かを判断すればよい。
【0078】
(変形例4)例えば、図5のS170において、PIN入力画面SC4に代えて、双方入力画面SC3が表示されてもよい。この場合、仮に、適正ユーザ情報が入力されても、S172でNOと判断される。即ち、「入力画面制御部」は、特定の組合せに対して代替印刷を許可すると判断される場合(例えばS150でYES)、及び、許可しないと判断される場合(例えばS150でNO)のどちらでも、セキュアコードを入力するためのボックスと、パスワードを入力するためのボックスと、を含む入力画面を表示させてもよい。また、「入力画面制御部」は、第2のセキュアコードと第2の印刷データとがメモリに記憶された後に(例えばS145でNO)、セキュアコードを入力するためのボックスと、パスワードを入力するためのボックスと、を含む入力画面を表示させてもよい。
【0079】
(変形例5)認証テーブル50において、代替フラグが登録されなくてもよい。この場合、メモリ34は、さらに、ユーザIDと代替フラグとが対応付けられている代替テーブルを記憶してもよい。本変形例では、認証テーブル50と代替テーブルとの組合せが、「認証テーブル」の一例である。
【0080】
(変形例6)認証テーブル50において、代替フラグが登録されなくてもよい。この場合、CPU32は、例えば、図5のS145でYESと判断する場合に、S150を実行せずに、S160を実行してもよい。本変形例では、「第2の判断部」を省略可能である。
【0081】
(変形例7)メモリ34は、認証フラグ40を記憶しなくてもよい。この場合、CPU32は、例えば、図2のS10でYESと判断する場合に、S20を実行せずに、S30を実行してもよい。本変形例では、「第2の記憶制御部」を省略可能である。
【0082】
(変形例8)例えば、図5のS140及びS150が省略されてもよい。この場合、CPU32は、S160又はS170で入力されたPINコードに関連付けてジョブテーブル52に登録されている全ての印刷データを利用して、S180の印刷処理を実行してもよい。また、CPU32は、S160で入力されたユーザ情報に関連付けてジョブテーブル52に登録されている全ての印刷データを利用して、S180の印刷処理を実行してもよい。本変形例では、「データ選択画面制御部」を省略可能である。
【0083】
(変形例9)端末装置100は、MFP10のためのドライバプログラムを備えていてもよく、当該ドライバプログラムを利用して、IPPとは異なるプロトコルに従った印刷要求をMFP10に送信してもよい。この場合、印刷要求は、印刷データを含んでいてもよい。そして、CPU32は、図2のS50及びS52を実行せずに、印刷要求に含まれる印刷データを利用して、S62及びS64の処理を実行してもよい。
【0084】
(変形例10)上記の各実施例では、印刷要求は、端末装置100に入力されたユーザ情報をそのまま含む。これに代えて、印刷要求は、ユーザ情報をダイジェスト化(例えばハッシュ化)することによって得られるダイジェスト値を含んでいてもよい。そして、CPU32は、図2のS40において、認証テーブル50内の各ユーザ情報をダイジェスト化することによって各ダイジェスト値を算出し、算出済みの各ダイジェスト値と、印刷要求に含まれるダイジェスト値と、を比較してもよい。本変形例では、印刷要求に含まれるダイジェスト値が、「特定の組合せ」の一例である。
【0085】
(変形例11)上記の実施例では、MFP10のCPU32がプログラム36に従って処理を実行することによって、図2図5図7、及び、図8の各処理が実現される。これに代えて、これらの各処理のうちの少なくとも1つの処理は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0086】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0087】
2:通信システム、10:多機能機(MFP)、12:操作部、14:表示部、16:印刷エンジン、18:スキャンエンジン、20:ネットワークインターフェース、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:プログラム、40:認証フラグ、50:認証テーブル、52:ジョブテーブル、100:端末装置
図1
図2
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図9