(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6601164
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】現像装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20191028BHJP
【FI】
G03G15/08 362
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-215928(P2015-215928)
(22)【出願日】2015年11月2日
(65)【公開番号】特開2017-90505(P2017-90505A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】柳瀬 真二
【審査官】
山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−125212(JP,A)
【文献】
特開2004−309888(JP,A)
【文献】
特開2003−107906(JP,A)
【文献】
特開2003−114577(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0008389(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤が収容された現像剤収容部内において攪拌部材を回転させて現像剤を攪拌させると共に、現像剤収容部内における現像剤を回転する現像剤担持体により像担持体に導いて現像を行う現像装置において、前記の攪拌部材の回転軸を前記の現像剤収容部内から突出させ、現像剤収容部から突出された攪拌部材の回転軸の部分に、攪拌部材に回転を伝達させる駆動伝達部材を設けると共に、駆動伝達部材が設けられた前記の回転軸の部分よりもさらに突出された回転軸の部分に放熱部材を設け、前記の放熱部材を、攪拌部材における回転軸の回転に伴って回転させるようにしたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現像装置において、前記の現像剤収容部内に攪拌部材を複数設け、少なくとも1つの攪拌部材の回転軸に前記の放熱部材を設けたことを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の現像装置において、前記の放熱部材に空気を吹き付ける吹付け手段を設けたことを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、前記の現像装置における放熱部材に空気を吹き付ける吹付け手段を設け、前記の吹付け手段から放熱部材に空気を吹き付けることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体に形成された静電潜像を現像するのに使用する現像装置及びこのような現像装置を用いて画像形成を行う画像形成装置に関するものである。特に、現像剤が収容された現像剤収容部内において攪拌部材を回転させて現像剤を攪拌させると共に、現像剤収容部内における現像剤を回転する現像剤担持体により像担持体に導いて現像を行う現像装置において、攪拌部材を高速で回転させて現像剤を攪拌させる場合においても、攪拌部材の回転軸における摩擦熱や、攪拌部材に回転を伝達させる駆動伝達部材に発生する熱等によって、現像剤収容部内の温度が上昇するのを抑制し、現像剤収容部内において現像剤が凝集したり、現像剤が現像剤収容部や攪拌部材に固着したりするのを適切に防止するようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンター、ファクシミリ及びこれらの複合機等の画像形成装置においては、感光体等の像担持体に形成された静電潜像に現像装置からトナーを供給して、像担持体に形成された静電潜像を現像するようにしている。
【0003】
そして、このような現像装置としては、トナーとキャリアを含む現像剤を収容させた現像剤収容部内に攪拌部材を設け、この攪拌部材を回転させて、現像剤収容部内に収容された現像剤を攪拌させると共に、この現像剤の一部を現像スリーブ等の現像剤担持体に供給し、この現像剤担持体により現像剤を像担持体と対向する位置に導き、この現像剤担持体から像担持体に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行うようにしたものが広く用いられている。
【0004】
ここで、前記のように攪拌部材を回転させて、現像剤収容部内に収容された現像剤を攪拌させるようにした場合、攪拌部材の回転軸における摩擦熱や、駆動装置からの回転を攪拌部材に伝達させる駆動伝達部材に発生する熱等によって、現像剤収容部内の温度が上昇し、現像剤中におけるトナーが凝集したり、トナーが攪拌部材や現像剤収容部に固着したりして、適切な画像形成が行えなくなる等の問題があった。
【0005】
このため、従来においては、特許文献1に示されるように、現像剤収容部から突出された攪拌部材の回転軸の部分に、駆動装置からの回転を攪拌部材に伝達させる駆動伝達部材を設け、この駆動伝達部材を介して攪拌部材を現像剤収容部内において回転させるようにした現像装置において、駆動伝達部材が設けられた側とは反対側において現像剤収容部から突出された攪拌部材の回転軸の部分に放熱部材を取り付け、攪拌部材の回転軸における熱を、この放熱部材を介して放熱させて、現像剤収容部内の温度が上昇するのを抑制するようにしたものが提案されている。
【0006】
しかし、このように駆動伝達部材と反対側において、現像剤収容部から突出された攪拌部材の回転軸の部分に放熱部材を取り付け、この放熱部材を介して攪拌部材の回転軸における熱を放熱させるようにした場合、駆動伝達部材において発生した熱が、駆動伝達部材とは反対側における回転軸の部分に取り付けられた放熱部材をよって十分に放熱されず、特に、高速で画像形成を行うために、駆動伝達部材を介して攪拌部材を高速で回転させるようにした場合、駆動伝達部材において発生した多くの熱を十分に放熱させることができず、この熱が攪拌部材を通して現像剤収容部内に導かれて現像剤収容部内の温度が上昇し、依然として、現像剤中のトナーが凝集したり、トナーが攪拌部材や現像剤収容部に固着したりするという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−309888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、複写機やプリンター等の画像形成装置に使用する現像装置において、前記のように現像剤が収容された現像剤収容部内において攪拌部材を回転させて現像剤を攪拌させると共に、現像剤収容部内における現像剤を回転する現像剤担持体により像担持体に導いて現像を行う場合における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0009】
すなわち、本発明は、前記のような現像装置において、攪拌部材を高速で回転させて現像剤を攪拌させるようにした場合においても、攪拌部材の回転軸における摩擦熱や、駆動装置からの回転を攪拌部材に伝達させる駆動伝達部材に発生する熱等によって、現像剤収容部内の温度が上昇するのを抑制し、現像剤中におけるトナーが凝集したり、トナーが攪拌部材や現像剤収容部に固着したりするのを適切に防止することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明における現像装置においては、前記のような課題を解決するため、現像剤が収容された現像剤収容部内において攪拌部材を回転させて現像剤を攪拌させると共に、現像剤収容部内における現像剤を回転する現像剤担持体により像担持体に導いて現像を行う現像装置において、前記の攪拌部材の回転軸を前記の現像剤収容部内から突出させ、現像剤収容部から突出された攪拌部材の回転軸の部分に、攪拌部材に回転を伝達させる駆動伝達部材を設けると共に、駆動伝達部材が設けられた回転軸の部分
よりもさらに突出された回転軸の部分に放熱部材を設け、前記の放熱部材を、攪拌部材における回転軸の回転に伴って回転させるようにした。
【0011】
このように、現像剤収容部から突出された攪拌部材の回転軸の部分において、攪拌部材に回転を伝達させる駆動伝達部材が設けられた
回転軸の部分よりもさらに突出された回転軸の部分に放熱部材を設け、前記の放熱部材を、攪拌部材における回転軸の回転に伴って回転させるようにすると、攪拌部材を高速で回転させて現像剤を攪拌させるようにした場合において、攪拌部材の回転軸における摩擦熱や、攪拌部材に回転を伝達させる駆動伝達部材に発生する熱等が発生しても、これらの熱が、駆動伝達部材が設けられた回転軸
の部分よりもさらに突出された回転軸の部分に設けられた放熱部材を通して効率よく放熱されるようになる。
【0012】
また、前記の現像装置において
は、駆動伝達部材が設けられた
回転軸に放熱部材を設けるに当たって
、前記のように放熱部材を駆動伝達部材が設けられた回転軸の部分よりもさらに突出された回転軸の部分に設けるように
したため、この放熱部材の部分に、適切に空気を吹き付けて攪拌部材等を冷却させることが容易に行えると共に、放熱部材の取付けや交換等が簡単に行えるようになる。
【0013】
また、前記の現像装置において、前記の現像剤収容部内に前記の攪拌部材が複数設けられているような場合には、少なくとも1つの攪拌部材の回転軸に前記の放熱部材を設けるだけであってもよいが、各攪拌部材の回転軸における摩擦熱や、各攪拌部材に回転を伝達させる各駆動伝達部材に発生する熱等を十分に放熱させるため、放熱部材を前記のようにして各攪拌部材の回転軸に設けることが好ましい。
【0014】
また、前記のように攪拌部材の回転軸に放熱部材を
駆動伝達部材が設けられた回転軸の部分よりもさらに突出された回転軸の部分に設ける
と共に、この放熱部材が攪拌部材における回転軸の回転に伴って回転される
ようにすると、放熱部材から熱が効果的に放熱されるように
なる。
【0015】
また、本発明における画像形成装置においては、前記のような現像装置を用いるようにした。
【0016】
そして、本発明における画像形成装置においては、前記の現像装置における放熱部材に空気を吹き付ける吹付け手段を設け、この吹付け手段により前記の放熱部材に空気を吹き付けて、放熱部材から熱が効果的に放熱されるようにすることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の現像装置においては、前記のように現像剤収容部から突出された攪拌部材の回転軸の部分に、攪拌部材を回転させる駆動伝達部材を設けると共に、駆動伝達部材が設けられた回転軸の部分
よりもさらに突出された回転軸の部分に放熱部材を設け、前記の放熱部材を、攪拌部材における回転軸の回転に伴って回転させるようにしたため、攪拌部材の回転軸における摩擦熱や、攪拌部材を回転させる駆動伝達部材に発生した熱等が、駆動伝達部材が設けられた回転軸と同じ側に設けられた放熱部材を通して効率よく放熱されるようになる。
【0018】
この結果、本発明においては、攪拌部材を高速で回転させて現像剤を攪拌させるようにした場合においても、攪拌部材の回転軸における摩擦熱や、攪拌部材を回転させる駆動伝達部材に発生した熱等が、前記の放熱部材を通して効率よく放熱されて、現像剤収容部内の温度が上昇するのが抑制され、現像剤中におけるトナーが凝集したり、トナーが攪拌部材や現像剤収容部に固着したりするのを適切に防止されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る現像装置を用いる画像形成装置の内部構造を示した概略説明図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る現像装置の内部構造を示した概略縦断面図である。
【
図3】前記の実施形態に係る現像装置において、現像剤収容部の片側の側壁から突出された第1の攪拌部材における回転軸と第2の攪拌部材における回転軸との端部に回転を伝達させる第1及び第2の伝達ギアを設けると共に、第2伝達ギアからさらに外方に突出した第2の攪拌部材における回転軸の端部に放熱部材を取り付けた状態を示した概略横断面図である。
【
図4】前記の実施形態に係る現像装置の変更例において、第2伝達ギアからさらに外方に突出した第2の攪拌部材における回転軸の端部に放熱部材を取り付けると共に、第1伝達ギアからさらに外方に突出した第1の攪拌部材における回転軸の端部に放熱部材を取り付けた状態を示した概略横断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態に係る現像装置及び画像形成装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る現像装置及び画像形成装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0021】
この実施形態における画像形成装置1においては、
図1に示すように、その内部に4つの感光体ドラム(像担持体)10を設けると共に、各感光体ドラム10に対応させて、トナーとキャリアとを含む現像剤を収容させた4つの現像装置30を設け、各現像装置30においては、それぞれの現像剤におけるトナーの色彩を異ならせ、黒色,黄色,マゼンダ色,シアン色のトナーを用いるようにしている。
【0022】
そして、この画像形成装置1においては、前記の各感光体ドラム10を回転させて、各感光体ドラム10の表面をそれぞれ帯電装置11によって帯電させ、このように帯電された各感光体ドラム10の表面に対して、それぞれ潜像形成装置12により画像形成情報に従った露光を行い、各感光体ドラム10の表面にそれぞれ画像形成情報に従った静電潜像を形成するようにしている。
【0023】
次いで、このように静電潜像が形成された各感光体ドラム10に対して、それぞれ対応する現像装置30から所定の色彩のトナーを各感光体ドラム10の静電潜像に供給して現像を行い、各感光体ドラム10の表面にそれぞれの色彩のトナー像を形成するようにしている。
【0024】
そして、前記のように各感光体ドラム10に形成された各色彩のトナー像を、回転ローラー13に架け渡されて回転駆動される無端状の中間転写ベルト14の表面に、前記の各感光体ドラム10と対向して設けられた各一次転写ローラー15により順々に一次転写させて、この中間転写ベルト14の表面に各色彩のトナー像が合成されたトナー像を形成するようにしている。また、前記の中間転写ベルト14に転写されずに各感光体ドラム10の表面に残留しているトナー等を、それぞれ第1のクリーニング装置16により、各感光体ドラム10の表面から除去するようにしている。
【0025】
次いで、前記のようにして中間転写ベルト14の上に形成されたトナー像を、この中間転写ベルト14により二次転写ローラー17と対向する位置に導くようにしている。
【0026】
一方、画像形成装置1の下部に収容された用紙Sを、給紙ローラー18により給紙してタイミングローラー19に送り、このタイミングローラー19により、用紙Sを適当なタイミングで中間転写ベルト14と二次転写ローラー17との間に導き、中間転写ベルト14の上に形成されたトナー像を前記の二次転写ローラー17により用紙Sに転写させるようにしている。また、用紙Sに転写されずに前記の中間転写ベルト14の上に残ったトナー等を、第2のクリーニング装置20によって中間転写ベルト14の上から回収するようにしている。
【0027】
そして、前記のようにトナー像が転写された用紙Sを定着装置21に導き、この定着装置21により、転写された前記のトナー像を用紙Sに定着させた後、このようにトナー像が定着された用紙Sを排紙ローラー22により排紙させるようにしている。
【0028】
次に、この実施形態において使用する現像装置30について具体的に説明する。
【0029】
この現像装置30においては、
図2に示すように、トナーとキャリアを含む現像剤Dを現像剤収容部31内に収容させると共に、内部にマグネットローラー32aが設けられた現像スリーブ(現像剤担持体)32を、前記の感光体ドラム10と所要間隔を介して対向するように設けている。
【0030】
そして、前記の現像剤収容部31においては、
図2及び
図3に示すように、前記の現像スリーブ32に沿って前記の現像剤Dを搬送させる第1搬送部31aを設け、この第1搬送部31a内に、回転軸33aの周囲に現像剤Dを攪拌しながら搬送させるスクリュウ状の羽根部材33bが設けられた第1の攪拌部材33を設けている。また、この第1搬送部31aと隔壁34を介して前記の現像スリーブ32から斜め下方に離れた位置に、第1搬送部31aと現像剤Dを逆方向に搬送させる第2搬送部31bを設け、この第2搬送部31b内に、回転軸35aの周囲に現像剤Dを攪拌しながら搬送させるスクリュウ状の羽根部材35bが設けられた第2の攪拌部材35を設けている。
【0031】
また、前記の第1搬送部31aと第2搬送部31bとの間に設けられた隔壁34の両端部に、前記の第1搬送部31aと第2搬送部31bとを連通させる循環口34a,34bを設け、これらの循環口34a,34bを通して現像剤Dを第1搬送部31aと第2搬送部31bとの間で循環させるようにしている。
【0032】
また、前記の第1の攪拌部材33における回転軸33aの両側の端部及び第2の攪拌部材35における回転軸35aの両側の端部を、それぞれ現像剤収容部31の側壁に設けられた各軸受け36a,36bを通して外方に突出させると共に、現像剤収容部31の片側の側壁から突出された第1の攪拌部材33における回転軸33a及び前記の第2の攪拌部材35における回転軸35aの端部にそれぞれ回転を伝達させる第1及び第2の伝達ギア(駆動伝達部材)33c,35cを設け、第1の攪拌部材33における第1伝達ギア33cと第2の攪拌部材35における第2伝達ギア35cとを噛み合わせるようにしている。
【0033】
そして、駆動装置(図示せず)による回転を前記の第1伝達ギア33cと第2伝達ギア35cとを介して第1の攪拌部材33と第2の攪拌部材35とに伝達させて、第1の攪拌部材33と第2の攪拌部材35とを逆方向に回転させるようにしている。
【0034】
ここで、このように第1の攪拌部材33と第2の攪拌部材35とを逆方向に回転させると、第1搬送部31aにおける現像剤Dは、前記の第1の攪拌部材33により攪拌されながら現像スリーブ32に沿って第1搬送部31aにおける現像剤Dの搬送方向上流側から下流側に設けられた前記の循環口34aに向けて搬送され、この現像剤Dの一部が感光体ドラム10と対向して回転する現像スリーブ32に供給されると共に、前記の循環口34aに導かれた現像剤Dが、この循環口34aを通して第2搬送部31bに送られるようになる。
【0035】
一方、第2搬送部31bにおける現像剤Dは、第1の攪拌部材33と逆方向に回転する前記の第2の攪拌部材35により攪拌されながら第1搬送部31aと逆方向に搬送されて、この第2搬送部31bにおける現像剤Dの搬送方向上流側から下流側に設けられた前記の循環口34bに導かれ、この循環口34bを通して第1搬送部31aに戻され、現像剤Dが第1搬送部31aと第2搬送部31bとの間で循環されるようになる。
【0036】
そして、この現像装置30においては、
図1に示すように、前記のように現像スリーブ32に供給された現像剤Dを、この現像スリーブ32により感光体ドラム10に向けて搬送させる途中において、現像スリーブ32に保持された現像剤Dの量を規制部材37により適切に規制し、このように規制された現像剤Dを、現像スリーブ32により感光体ドラム10と対向する位置に導き、現像剤D中のトナーを感光体ドラム10に供給して、感光体ドラム10に形成された静電潜像を現像するようにしている。
【0037】
ここで、前記のように駆動装置(図示せず)の回転を、第1伝達ギア33cと第2伝達ギア35cとにより第1の攪拌部材33と第2の攪拌部材35とに伝達させて、第1の攪拌部材33と第2の攪拌部材35とを回転させると、第1の攪拌部材33や第2の攪拌部材35における各回転軸33a、35aや、前記の第1伝達ギア33cや第2伝達ギア35cにおいて熱が発生し、この熱によって現像剤収容部31内の温度が上昇し、現像剤Dにおけるトナーが凝集したり、またこのトナーが第1の攪拌部材33や第2の攪拌部材35や現像剤収容部31に固着したりするおそれがある。
【0038】
このため、この実施形態における現像装置30においては、
図3に示すように、前記の第2の攪拌部材35における回転軸35aにおいて、現像剤収容部31の片側の側壁から突出されて第2伝達ギア35cが設けられた部分よりもさらに突出側の位置に放熱部材35dを取り付け、この放熱部材35dを第2の攪拌部材35と一緒に回転させるようにし、この放熱部材35dから、第1の攪拌部材33と第2の攪拌部材35における各回転軸33a、35aや、第1伝達ギア33cや第2伝達ギア35cにおいて発生した熱を放熱させるようにしている。
【0039】
また、このように第2の攪拌部材35の回転軸35aに取り付けた放熱部材35dから熱を放熱させるにあたり、この実施形態においては、前記の放熱部材35dに冷却用の空気を吹き付ける吹付け手段として、
図1に示すように、前記の画像形成装置1に送風装置23を設け、この送風装置23によって冷却用の空気を画像形成装置1内に送風させ、この冷却用の空気を前記の第2の攪拌部材35における回転軸35aに取り付けた放熱部材35dに対して、他の装置等を冷却させた後、或いは直接吹き付け、前記の放熱部材35dを通して熱を放熱させるようにしている。
【0040】
また、この実施形態においては、前記の放熱部材35dを、現像剤収容部31から突出された第2の攪拌部材35の回転軸35aに設けた第2伝達ギア35cよりもさらに突出側の位置に設けるようにしたため、送風装置23からの冷却用の空気を前記の放熱部材35dに対して適切に吹き付けることが簡単に行えるようになり、さらにこの放熱部材35dを第2の攪拌部材35と一緒に回転させるようにしたため、この放熱部材35dから前記の熱が効率よく放熱されるようになる。
【0041】
なお、この実施形態においては、第2の攪拌部材35における回転軸35aに放熱部材35dを取り付けるようにしただけであるが、
図4に示すように、前記の第1の攪拌部材33における回転軸33aにおいても、前記の第2の攪拌部材35と同様に、現像剤収容部31の片側の側壁から突出されて第1伝達ギア33cが設けられた部分よりもさらに突出側の位置に放熱部材33dを取り付け、この放熱部材33dがこの第1の攪拌部材33と一緒に回転させるようにすることができる。
【0042】
このようにすると、第1の攪拌部材33と第2の攪拌部材35とを回転させた場合に、第1の攪拌部材33と第2の攪拌部材35の各回転軸33a、35aや、第1伝達ギア33cや第2伝達ギア35cにおいて発生した熱が、第1の攪拌部材33の回転軸33aに取り付けられた放熱部材33dと、第2の攪拌部材35の回転軸35aに取り付けられた放熱部材35dとによって十分に放熱されるようになり、現像剤収容部31内の温度が上昇するのがより一層抑制され、現像剤Dにおけるトナーが凝集したり、またこのトナーが第1の攪拌部材33や第2の攪拌部材35や現像剤収容部31に固着したりするのをより適切に防止できるようになる。
【符号の説明】
【0043】
1 画像形成装置
10 感光体ドラム(像担持体)
11 帯電装置
12 潜像形成装置
13 回転ローラー
14 中間転写ベルト
15 一次転写ローラー
16 第1のクリーニング装置
17 二次転写ローラー
18 給紙ローラー
19 タイミングローラー
20 第2のクリーニング装置
21 定着装置
22 排紙ローラー
23 送風装置(吹付け手段)
30 現像装置
31 現像剤収容部、31a 第1搬送部、31b 第2搬送部
32 現像スリーブ(現像剤担持体)、32a マグネットローラー
33 第1の攪拌部材、33a 回転軸、33b 羽根部材、33c 第1伝達ギア(駆動伝達部材)、33d 放熱部材
34 隔壁
34a,34b 循環口
35 第2の攪拌部材、35a 回転軸、35b 羽根部材、35c 第2伝達ギア(駆動伝達部材)、35d 放熱部材
36a,36b 軸受け
37 規制部材
D 現像剤
S 用紙