特許第6601172号(P6601172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6601172
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】車載装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20191028BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20191028BHJP
   B60R 21/00 20060101ALI20191028BHJP
   B60W 30/14 20060101ALI20191028BHJP
   B60W 40/105 20120101ALI20191028BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   G08G1/09 H
   G08G1/16 E
   B60R21/00 992
   B60W30/14
   B60W40/105
   B60W40/04
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-221371(P2015-221371)
(22)【出願日】2015年11月11日
(65)【公開番号】特開2017-91259(P2017-91259A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年4月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】林 良明
【審査官】 藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−123894(JP,A)
【文献】 特開2010−176632(JP,A)
【文献】 特開2008−110620(JP,A)
【文献】 特開2012−038082(JP,A)
【文献】 特開2014−092795(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0169517(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 〜 1/16
B60R 21/00
B60W 30/14 〜 30/17
B60W 40/02 〜 40/04
B60W 40/105
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両に搭載される車載装置であって、
自車両が複数の交差点を信号待ちすることなく通過できる推奨速度で走行中であるか否かを判定する判定部と、
該判定部で自車両が前記推奨速度で走行中であると判定した場合、自車両が前記推奨速度で走行している旨の走行情報を送信する送信部と
を備える車載装置。
【請求項2】
自車両に搭載される車載装置であって、
自車両が複数の交差点を信号待ちすることなく通過できる推奨速度で走行中であることを示す所定の情報を送信する送信部を備える車載装置。
【請求項3】
自車両に搭載される車載装置であって、
自車両が所定の推奨速度で走行中であるか否かを判定する判定部と、
該判定部で自車両が前記推奨速度で走行中であると判定した場合、自車両が前記推奨速度で走行している旨の走行情報を送信する送信部と、
複数の交差点に設置された信号灯器の信号情報を取得する信号情報取得部と、
該信号情報取得部で取得した信号情報に基づいて、前記複数の交差点を信号待ちすることなく通過することができる推奨速度を算出する推奨速度算出部と、
自車両の速度を取得する速度取得部と
を備え、
前記判定部は、
前記速度取得部で取得した速度及び前記推奨速度算出部で算出した推奨速度に基づいて、自車両が所定の推奨速度で走行中であるか否かを判定する車載装置。
【請求項4】
前記所定の推奨速度は、複数の交差点を信号待ちすることなく通過できる推奨速度である請求項3に記載の車載装置。
【請求項5】
他車両が前記推奨速度で走行中であることを示す所定の情報を受信する受信部と、
自車両が前記他車両に追従しているか否かを判定する追従判定部と
を備え、
前記送信部は、
前記受信部で前記所定の情報を受信し、前記追従判定部で追従していると判定した場合、自車両が前記推奨速度で走行している旨の走行情報を送信する請求項1、請求項2及び請求項のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項6】
他車両が前記所定の推奨速度で走行中であることを示す所定の情報を受信する受信部と、
自車両が前記他車両に追従しているか否かを判定する追従判定部と
を備え、
前記送信部は、
前記受信部で前記所定の情報を受信し、前記追従判定部で追従していると判定した場合、自車両が前記推奨速度で走行している旨の走行情報を送信する請求項3に記載の車載装置。
【請求項7】
コンピュータを、
自車両が所定の推奨速度で走行中であるか否かを判定する判定部と、
自車両が前記推奨速度で走行中であると判定した場合、自車両が前記推奨速度で走行している旨の走行情報を送信する送信部と
複数の交差点に設置された信号灯器の信号情報を取得する信号情報取得部と、
該信号情報取得部で取得した信号情報に基づいて、前記複数の交差点を信号待ちすることなく通過することができる推奨速度を算出する推奨速度算出部と、
自車両の速度を取得する速度取得部と
して機能させ
前記判定部は、
前記速度取得部で取得した速度及び前記推奨速度算出部で算出した推奨速度に基づいて、自車両が所定の推奨速度で走行中であるか否かを判定するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される車載装置及び該車載装置を実現するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の運転を支援する様々な技術が開発されている。例えば、複数の交差点について、信号機の信号情報、車両と信号機との距離などを取得し、信号機が青信号である間に車両が通過できる目標速度域を算出し、複数の信号機に対するそれぞれの目標速度域を表示することにより、車両が複数の交差点を停止することなく通過することができる運転支援装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5459278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置は、複数の交差点を信号待ちすることなく通過できるように推奨速度を案内する機能を備えるものであるが、推奨速度で走行している車両に追従している後方車両は、前方の車両が推奨速度の案内に従って走行していることは分からない。一般的に、推奨速度は、制限速度よりも遅い場合がほとんどである。このため、後方車両の運転者は、不快に感じて、前方の車両との車間距離を詰めて前方の車両に対して速度を上げるような危険な運転を行うおそれがある。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、車両の走行状態に係る走行情報を外部へ提供することができる車載装置及び該車載装置を実現するためのコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施の形態に係る車載装置は、自車両に搭載される車載装置であって、自車両が所定の推奨速度で走行中であるか否かを判定する判定部と、該判定部で自車両が前記推奨速度で走行中であると判定した場合、自車両が前記推奨速度で走行している旨の走行情報を送信する送信部と、複数の交差点に設置された信号灯器の信号情報を取得する信号情報取得部と、該信号情報取得部で取得した信号情報に基づいて、前記複数の交差点を信号待ちすることなく通過することができる推奨速度を算出する推奨速度算出部と、自車両の速度を取得する速度取得部とを備え、前記判定部は、前記速度取得部で取得した速度及び前記推奨速度算出部で算出した推奨速度に基づいて、自車両が所定の推奨速度で走行中であるか否かを判定する。
【0007】
本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、自車両が所定の推奨速度で走行中であるか否かを判定する判定部と、自車両が前記推奨速度で走行中であると判定した場合、自車両が前記推奨速度で走行している旨の走行情報を送信する送信部と、複数の交差点に設置された信号灯器の信号情報を取得する信号情報取得部と、該信号情報取得部で取得した信号情報に基づいて、前記複数の交差点を信号待ちすることなく通過することができる推奨速度を算出する推奨速度算出部と、自車両の速度を取得する速度取得部として機能させ、前記判定部は、前記速度取得部で取得した速度及び前記推奨速度算出部で算出した推奨速度に基づいて、自車両が所定の推奨速度で走行中であるか否かを判定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両の走行状態に係る走行情報を外部へ提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の車載装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1実施形態の車載装置による走行情報の提供の様子の一例を示す模式図である。
図3】第1実施形態の車載装置が提供する走行情報を表示する場合の一例を示す模式図である。
図4】第2実施形態の車載装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5】第2実施形態の車載装置による走行情報の提供の様子の一例を示す模式図である。
図6】本実施の形態の車載装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本願発明の実施形態の説明]
本発明の実施の形態に係る車載装置は、自車両に搭載される車載装置であって、自車両が所定の推奨速度で走行中であるか否かを判定する判定部と、該判定部で自車両が前記推奨速度で走行中であると判定した場合、自車両が前記推奨速度で走行している旨の走行情報を送信する送信部とを備える。
【0011】
本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、自車両が所定の推奨速度で走行中であるか否かを判定する判定部と、自車両が前記推奨速度で走行中であると判定した場合、自車両が前記推奨速度で走行している旨の走行情報を送信する送信部として機能させる。
【0012】
判定部は、自車両が所定の推奨速度で走行中であるか否かを判定する。所定の推奨速度で走行中とは、例えば、複数の交差点を信号待ちすることなく通過することができる推奨速度で走行している状態、あるいは自車両の周辺車両(例えば、後続車両)に対して、自車両の運転者の意図を通知することが好ましい走行状態などである。
【0013】
送信部は、自車両が推奨速度で走行中であると判定した場合、自車両が推奨速度で走行している旨の走行情報を送信する。走行情報は、例えば、自車両が推奨速度で走行している旨の情報、あるいは自車両の運転者の意図を通知することが好ましい情報などである。これにより、車両の走行状態に係る走行情報を外部(例えば、後続車両)へ提供することができる。また、自車両に追従して走行する後方車両の運転者は、前方の自車両が推奨速度で走行していることが分かるので、不快に感じることがなく、前方の自車両との車間距離を詰めて前方の自車両に対して速度を上げるような危険な運転を行うおそれを防止することができる。
【0014】
本発明の実施の形態に係る車載装置は、自車両に搭載される車載装置であって、自車両が所定の推奨速度で走行中であることを示す所定の情報を送信する送信部を備える。
【0015】
送信部は、自車両が所定の推奨速度で走行中であることを示す所定の情報を送信する。所定の推奨速度とは、例えば、複数の交差点を信号待ちすることなく通過することができる速度である。所定の情報は、例えば、自車両が推奨速度で走行している旨の情報、あるいは自車両の運転者の意図を通知することが好ましい情報などである。これにより、車両の走行状態に係る走行情報を外部(例えば、後続車両)へ提供することができる。また、自車両に追従して走行する後方車両の運転者は、前方の自車両が推奨速度で走行していることが分かるので、不快に感じることがなく、前方の自車両との車間距離を詰めて前方の自車両に対して速度を上げるような危険な運転を行うおそれを防止することができる。
【0016】
本発明の実施の形態に係る車載装置は、複数の交差点に設置された信号灯器の信号情報を取得する信号情報取得部と、該信号情報取得部で取得した信号情報に基づいて、前記複数の交差点を信号待ちすることなく通過することができる推奨速度を算出する推奨速度算出部と、自車両の速度を取得する速度取得部とを備え、前記判定部は、前記速度取得部で取得した速度及び前記推奨速度算出部で算出した推奨速度に基づいて、自車両が所定の推奨速度で走行中であるか否かを判定する。
【0017】
信号情報取得部は、複数の交差点に設置された信号灯器の信号情報を取得する。信号情報は、例えば、現在表示中の灯色の残存時間、各灯色の表示時間などを含む。
【0018】
推奨速度算出部は、信号情報取得部で取得した信号情報に基づいて、複数の交差点を信号待ちすることなく通過することができる推奨速度を算出する。推奨速度は、例えば、速度V1〜V2(>V1)の如く所要の範囲で表すことができる。また、推奨速度を、例えば、V1のごとく所要の数値で表すこともできる。
【0019】
速度取得部は、自車両の速度を取得する。判定部は、速度取得部で取得した速度及び推奨速度算出部で算出した推奨速度に基づいて、自車両が所定の推奨速度で走行中であるか否かを判定する。例えば、推奨速度がV1〜V2の範囲で表され、速度取得部で取得した速度をVとすると、V1≦V≦V2となる場合、自車両が所定の推奨速度で走行中であると判定することができる。また、推奨速度をV1で表す場合に、速度取得部で取得した速度がVであるときは、V=V1±αである場合、自車両が所定の推奨速度で走行中であると判定することができる。なお、αは適宜設定すればよい。
【0020】
本発明の実施の形態に係る車載装置は、他車両が所定の推奨速度で走行中であることを示す所定の情報を受信する受信部と、自車両が前記他車両に追従しているか否かを判定する追従判定部とを備え、前記送信部は、前記受信部で前記所定の情報を受信し、前記追従判定部で追従していると判定した場合、自車両が前記推奨速度で走行している旨の走行情報を送信する。
【0021】
受信部は、他車両が所定の推奨速度で走行中であることを示す所定の情報を受信する。所定の情報の受信は、例えば、車車間通信、路車間通信、又はサーバなどとの通信を使用することができる。
【0022】
追従判定部は、自車両が他車両に追従しているか否かを判定する。追従の判定は、例えば、他車両の位置情報を取得して判定してもよく、あるいは自車両に搭載したカメラ、超音波センサ又はミリ波センサで他車両を検出して判定してもよい。
【0023】
送信部は、受信部で所定の情報を受信し、追従判定部で追従していると判定した場合、自車両が推奨速度で走行している旨の走行情報を送信する。これにより、自車両が追従する他車両が推奨速度で走行していることが分かるので、自車両の運転者は、不快に感じることがなく、環境に優しい運転を選択することができる。また、自車両が推奨速度案内機能を具備しない場合でも、推奨速度案内機能を備える他車両(前方車両)に追従することで、自車両が推奨速度で走行していることが分かり、自車両の周辺車両に対して、自車両が推奨速度で走行している旨の情報を提供することができる。
【0024】
[本願発明の実施形態の詳細]
(第1実施形態)
以下、本発明に係る車載装置及びコンピュータプログラムの実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は第1実施形態の車載装置100の構成の一例を示すブロック図である。車載装置100は、装置全体を制御する制御部10、通信部11、信号情報取得部12、推奨速度算出部13、判定部14、速度取得部15などを備える。車載装置100は、車両に搭載することができる。なお、以下の説明では、自車両が車載装置100を搭載しているものとして説明する。
【0025】
通信部11は、車車間通信、路側装置(不図示)との間の路車間通信、サーバ(不図示)との間の電話回線による通信又はインターネット通信などの機能を有する。サーバは、例えば、グローバル・テレマティクス・サーバであり、プローブ車両からプローブ情報を収集し、車両からの要求に応じて推奨経路情報又は道路交通情報などを送信することができる。
【0026】
信号情報取得部12は、複数の交差点に設置された信号灯器の信号情報を取得する。信号情報は、例えば、現在表示中の灯色の残存時間、各灯色の表示時間などを含む。
【0027】
推奨速度算出部13は、信号情報取得部12で取得した信号情報に基づいて、複数の交差点を信号待ちすることなく通過することができる推奨速度を算出する。推奨速度は、例えば、速度V1〜V2(>V1)の如く所要の範囲で表すことができる。また、推奨速度を、例えば、V1のごとく所要の数値で表すこともできる。
【0028】
速度取得部15は、自車両の速度を取得する。具体的には、車両に搭載された車速センサなどから自車両の速度を取得することができる。
【0029】
判定部14は、自車両が所定の推奨速度で走行中であるか否かを判定する。所定の推奨速度で走行中とは、例えば、複数の交差点を信号待ちすることなく通過することができる推奨速度で走行している状態、あるいは自車両の周辺車両(例えば、後続車両)に対して、自車両の運転者の意図を通知することが好ましい走行状態などである。
【0030】
より具体的には、判定部14は、速度取得部15で取得した速度及び推奨速度算出部13で算出した推奨速度に基づいて、自車両が所定の推奨速度で走行中であるか否かを判定する。例えば、推奨速度がV1〜V2の範囲で表され、速度取得部で取得した速度をVとすると、V1≦V≦V2となる場合、自車両が所定の推奨速度で走行中であると判定することができる。また、推奨速度をV1で表す場合に、速度取得部で取得した速度がVであるときは、V=V1±αである場合、自車両が所定の推奨速度で走行中であると判定することができる。なお、αは適宜設定すればよい。
【0031】
通信部11は、送信部としての機能を有し、自車両が所定の推奨速度で走行中であることを示す所定の情報を送信する。例えば、通信部11は、判定部14が自車両が推奨速度で走行中であると判定した場合、自車両が推奨速度で走行している旨の走行情報を送信することができる。走行情報は、例えば、自車両が推奨速度で走行している旨の情報、あるいは自車両の運転者の意図を通知することが好ましい情報などである。
【0032】
これにより、車両の走行状態に係る走行情報を外部(例えば、後続車両)へ提供することができる。また、自車両に追従して走行する後方車両の運転者は、前方の自車両が推奨速度で走行していることが分かるので、不快に感じることがなく、前方の自車両との車間距離を詰めて前方の自車両に対して速度を上げるような危険な運転を行うおそれを防止することができる。
【0033】
図2は第1実施形態の車載装置100による走行情報の提供の様子の一例を示す模式図である。図2の例は、隣り合う交差点を接続する道路を、自車両1、自車両に追従する複数の後方車両2を図示している。隣り合う交差点には、信号機201、202が設置されている。また道路の適宜の箇所には、路側装置300を設置している。
【0034】
自車両1は、信号機201、202で信号待ちすることなく各交差点を通過することができる推奨速度で走行している。
【0035】
また、車載装置100は、自車両1が推奨速度で走行している旨の情報を外部へ提供することができる。また、自車両1に追従して走行する後方車両2の運転者は、前方の自車両1が推奨速度で走行していることが分かるので、不快に感じることがなく、前方の自車両1との車間距離を詰めて前方の自車両1に対して速度を上げるような危険な運転を行うおそれを防止することができる。
【0036】
また、図2に示すように、後方車両(図2において、1番目及び3番目の後方車両)の運転者は、自車両1に追従して推奨速度で走行することにより、環境に優しい運転を選択することができる。また、ナビゲーション装置を操作すべく車両を一旦停止させたい場合には、自車両1を追い越して交差点で信号待ちをするような運転を選択することができる(図2において、2番目の後方車両)。
【0037】
次に、車載装置100が提供する走行情報(推奨速度で走行している旨の情報)を利用する場合の例について説明する。
【0038】
図3は第1実施形態の車載装置100が提供する走行情報を表示する場合の一例を示す模式図である。図3に示すように、ECO運転中であることをナンバープレートの枠(例えば、枠の色を青にする)で表示することができる。なお、表示例は一例であって、図3の例に限定されるものではない。
【0039】
図3で示すような表示を行うことにより、車両が無線通信機能を具備しない場合でも、当該車両に追従する後続車両に対して、当該車両が推奨速度で走行している旨の情報を通知することができる。
【0040】
(第2実施形態)
図4は第2実施形態の車載装置120の構成の一例を示すブロック図である。図1に例示した第1実施形態の車載装置100との相違点は、信号情報取得部12、推奨速度算出部13及び速度取得部15に代えて追従判定部16を備える点である。すなわち、第2実施形態の車載装置120には、推奨速度算出機能が具備されていない。以下では、第1実施形態と同様の箇所は同一符号を付して説明を省略する。なお、図4に示す車載装置120において、信号情報取得部12、推奨速度算出部13及び速度取得部15を具備してもよい。
【0041】
通信部11は、受信部としての機能を有し、他車両が所定の推奨速度で走行中であることを示す所定の情報を受信する。所定の情報の受信は、例えば、車車間通信、路車間通信、又はサーバなどとの通信を使用することができる。
【0042】
追従判定部16は、自車両が他車両に追従しているか否かを判定する。追従の判定は、例えば、他車両の位置情報を取得して判定してもよく、あるいは自車両に搭載したカメラ、超音波センサ又はミリ波センサで他車両を検出して判定してもよい。
【0043】
判定部14は、通信部11で他車両が所定の推奨速度で走行中であることを示す所定の情報を受信し、追従判定部で自車両が当該他車両に追従していると判定した場合、自車両が推奨速度で走行していると判定する。なお、判定部14の機能を追従判定部16に組み込んでもよい。
【0044】
また、通信部11は、他車両が所定の推奨速度で走行中であることを示す所定の情報を受信し、追従判定部で自車両が当該他車両に追従していると判定した場合、自車両が推奨速度で走行している旨の走行情報を送信する。
【0045】
これにより、自車両が追従する他車両が推奨速度で走行していることが分かるので、自車両の運転者は、不快に感じることがなく、環境に優しい運転を選択することができる。また、自車両が推奨速度案内機能又は推奨速度算出機能などを具備しない場合でも、推奨速度案内機能又は推奨速度算出機能などを備える他車両(前方車両)に追従することで、自車両が推奨速度で走行していることが分かり、自車両の周辺車両に対して、自車両が推奨速度で走行している旨の情報を提供することができる。
【0046】
図5は第2実施形態の車載装置120による走行情報の提供の様子の一例を示す模式図である。図5の例は、隣り合う交差点を接続する道路を、自車両1、自車両に追従する後方車両2、自車両1が追従する前方車両3を図示している。隣り合う交差点には、信号機201、202が設置されている。また道路の適宜の箇所には、路側装置300を設置している。
【0047】
図5に示すように、自車両1の運転者は、自車両1が追従する前方車両3(他車両)が推奨速度で走行していることが分かるので、不快に感じることがない。また、自車両1が推奨速度算出機能又は推奨速度案内機能を具備しない場合でも、推奨速度算出機能又は推奨速度案内機能を備える前方車両3に追従することで、自車両1の運転者は、環境に優しい運転を選択することができる。
【0048】
また、図5の例は、片側1車線の道路であるが、片側2車線の道路の場合には、自車両1は前方車両3を追い越すことができるので、例えば、ナビゲーション装置を操作すべく自車両1を一旦停止させたい場合には、追従する前方車両3を追い越して交差点で信号待ちをするような運転を選択することができる。
【0049】
次に、前述の第1実施形態、第2実施形態の車載装置100、120の動作について説明する。図6は本実施の形態の車載装置100、120の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下では、便宜上処理の主体を制御部10として説明する。
【0050】
制御部10は、自車両が推奨速度で走行中であるか否かを判定し(S11)、推奨速度で走行中である場合(S11でYES)、自車両が推奨速度で走行している旨の走行情報を出力し(S12)、後述のステップS15の処理を行う。
【0051】
自車両が推奨速度で走行中でない場合(S11でNO)、制御部10は、前方車両に追従しているか否かを判定し(S13)、前方車両に追従している場合(S13でYES)、前方車両が推奨速度で走行中であるか否かを判定する(S14)。なお、自車両が推奨速度で走行中でないと判定する場合には、自車両が推奨速度を算出する機能を具備しない場合も含むものとする。
【0052】
前方車両が推奨速度で走行中である場合(S14でYES)、制御部10は、ステップS12の処理を行う。自車両が前方車両に追従していない場合(S13でNO)、あるいは、前方車両が推奨速度で走行中でない場合(S14でNO)、制御部10は、後述のステップS15の処理を行う。
【0053】
制御部10は、処理を終了するか否かを判定し(S15)、処理を終了しない場合(S15でNO)、ステップS11以降の処理を続ける。処理を終了する場合(S15でYES)、制御部10は、処理を終了する。
【0054】
本実施の形態の車載装置100、120は、CPU(プロセッサ)、RAMなどを備えた汎用コンピュータを用いて実現することもできる。すなわち、図6に示すような、各処理の手順を定めたコンピュータプログラムをコンピュータに備えられたRAMにロードし、コンピュータプログラムをCPU(プロセッサ)で実行することにより、コンピュータ上で車載装置100、120を実現することができる。
【0055】
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0056】
1 自車両
2 後方車両
3 前方車両
10 制御部
11 通信部
12 信号情報取得部
13 推奨速度算出部
14 判定部
15 速度取得部
16 追従判定部
100、120 車載装置
201、202 信号機
300 路側装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6