特許第6601178号(P6601178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社明電舎の特許一覧

特許6601178局所地図作成装置および局所地図作成方法
<>
  • 特許6601178-局所地図作成装置および局所地図作成方法 図000007
  • 特許6601178-局所地図作成装置および局所地図作成方法 図000008
  • 特許6601178-局所地図作成装置および局所地図作成方法 図000009
  • 特許6601178-局所地図作成装置および局所地図作成方法 図000010
  • 特許6601178-局所地図作成装置および局所地図作成方法 図000011
  • 特許6601178-局所地図作成装置および局所地図作成方法 図000012
  • 特許6601178-局所地図作成装置および局所地図作成方法 図000013
  • 特許6601178-局所地図作成装置および局所地図作成方法 図000014
  • 特許6601178-局所地図作成装置および局所地図作成方法 図000015
  • 特許6601178-局所地図作成装置および局所地図作成方法 図000016
  • 特許6601178-局所地図作成装置および局所地図作成方法 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6601178
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】局所地図作成装置および局所地図作成方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20060101AFI20191028BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   G05D1/02 J
   G09B29/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-225492(P2015-225492)
(22)【出願日】2015年11月18日
(65)【公開番号】特開2017-97000(P2017-97000A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年10月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】宍道 洋
(72)【発明者】
【氏名】藤原 伸行
【審査官】 鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/064821(WO,A1)
【文献】 特開2015−041203(JP,A)
【文献】 根岸 善朗,全方位ステレオとレーザレンジファインダの統合による移動ロボットの地図生成,日本ロボット学会誌,日本,社団法人日本ロボット学会,2003年 9月15日,第21巻 第6号,第110〜116頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00
G05D 1/00−1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定角度間隔で放射状に距離を計測する距離センサから距離データを入力する距離データ入力部と、
前記距離データに基づいて隣り合う二つの計測点間の距離を計算する二点間距離計算部と、
前記二つの計測点間の距離に基づいて隣り合う二つの計測点間に物体が存在する確率を計算する二点間確率計算部と、
前記距離データに基づいて物体の存在が不明な領域を予め設定した「不明領域」に対応する輝度で描画し、前記距離センサから前記計測点までの間を予め設定した「物体なし領域」に対応する輝度で描画する一方、隣り合う二つの計測点間を「物体あり領域」として前記確率に基づく値に応じた輝度で描画してグリッド状の局所地図を生成する局所地図生成部と
を備えることを特徴とする局所地図作成装置。
【請求項2】
前記局所地図生成部が、前記確率に基づき、隣り合う二つの前記計測点間の距離が短いほど前記「物体あり領域」に近い輝度で隣り合う二つの計測点間を描画し、当該二点間の距離が長いほど前記「不明領域」に近い輝度で隣り合う二つの計測点間を描画する
ことを特徴とする請求項1記載の局所地図作成装置。
【請求項3】
一定角度間隔で放射状に距離を計測する距離センサから距離データを入力する第一の工程と、
前記距離データに基づいて隣り合う二つの計測点間の距離を計算する第二の工程と、
前記二つの計測点間の距離に基づいて隣り合う二つの計測点間に物体が存在する確率を計算する第三の工程と、
前記距離データに基づいて物体の存在が不明な領域を予め設定した「不明領域」に対応する輝度で描画し、前記距離センサから前記計測点までの間を予め設定した「物体なし領域」に対応する輝度で描画する一方、隣り合う二つの計測点間を「物体あり領域」として前記確率に基づく値に応じた輝度で描画してグリッド状の局所地図を生成する第四の工程と
を備えることを特徴とする局所地図作成方法。
【請求項4】
前記第四の工程では、前記確率に基づき、当該二点間の距離が短いほど前記「物体あり領域」に近い輝度で隣り合う二つの計測点間を描画し、当該二点間の距離が長いほど前記「不明領域」に近い輝度で隣り合う二つの計測点間を描画する
ことを特徴とする請求項3記載の局所地図作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所地図作成装置および局所地図作成方法に関し、とくにレーザレンジファインダ(LRF)を用いて周辺環境を計測しながら動作するロボットについて、その周辺環境の地図作成を行う局所地図作成装置および局所地図作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボット等の周辺環境を、レーザレンジファインダ(LRF)を用いて距離計測して局所地図を生成し、その局所地図を用いて全体の大域地図を生成するものが公知となっている(例えば、下記特許文献1〜9および非特許文献1等参照)。
このうち、局所地図を作る方法については下記非特許文献1に開示された方法が知られている。
【0003】
図1に示すように、レーザレンジファインダ11は、水平面に一定角度Δθの間隔(角度分解能:例えばΔθ=1度やΔθ=0.25度など)でレーザー光11aを照射し、その反射光を検出して障害物2aや壁2bなどの物体(以下、総称する場合は物体2と称する)までの距離を計測している。レーザレンジファインダ11を搭載し、その距離データを利用して周辺環境を理解して移動するロボット1では、この距離データを地図化する必要がある。
【0004】
非特許文献1では、図8(a)に示すようにレーザレンジファインダ11などの距離センサによって得られる距離データrを基に物体2までの距離を取得し、図8(b)に示すように物体2があるところを「1.0」、物体2がない自由空間を「0.0」、未観測または不明を中間の「0.5」の確率で表し、これをグリッド状の確率的障害物地図に変換している。ここでレーザレンジファインダ11から照射される各レーザー光11aには間隔があり連続的ではない。そのため角度分解能をΔθとするとき、そのΔθ分の隙間を埋める必要があり、図8(c)に示すように、一つの距離データrに対して扇形の領域Eで、物体2の有無を表している。なお、図8(c)に示すFは、未観測領域を示している。
【0005】
この扇形の領域Eを図9に示すようにグリッド状の地図に障害物の確率分布として当てはめ、グリッド状の地図4を作成する。なお、図9に示す例では、未観測または不明の部分をグレーの領域A、障害物がない部分を黒の領域B、障害物がある部分を白の領域Cで示している。
これをすべての方向の距離データに適用し、確率的障害物地図を作成する。これが周辺環境の「局所地図」となる。
【0006】
また、ロボット1が走行する範囲全体の地図である「大域地図」は、上記の局所地図をつなぎ合せて作成する。
このつなぎ合わせでは、複数の局所地図を、それぞれロボット1の移動した量だけずらして重ね合わせることになるが、このロボット1の移動量に誤差が含まれる場合、精度のよい大域地図が生成できない。
【0007】
従来、パーティクルフィルタを用いた方法では、各パーティクルに位置・姿勢、大域地図の情報をそれぞれ持たせ、パーティクル毎にロボット1の移動・姿勢変化量(オドメトリからの推定量など)に加え、ランダムなノイズと局所地図を与えて、大域地図と局所地図のマッチングを行う。このマッチングでは、下式(1)により間違いの割合dを計算する。
【0008】
【数1】
【0009】
そして、上記間違いの割合の値dからパーティクル毎の尤度lpに対して、下式(2)として尤度を更新する。
【0010】
【数2】
【0011】
この尤度の値の大きいパーティクルが最も良い大域地図と位置姿勢を保持しているということになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−061355号公報
【特許文献2】特開2010−061442号公報
【特許文献3】特開2010−066932号公報
【特許文献4】特開2010−072762号公報
【特許文献5】特開2010−079869号公報
【特許文献6】特開2014−006833号公報
【特許文献7】特開2014−006835号公報
【特許文献8】特開2010−262546号公報
【特許文献9】特開2012−185202号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】根岸、三浦、白井著、「全方位ステレオとレーザレンジファインダの統合による移動ロボットの地図生成」、日本ロボット学会誌、2003年、Vol.21、No.6、p.690−696
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、非特許文献1の方法では、図10に示すように壁2bに対してレーザレンジファインダ11で距離を計測した場合、壁2bに対するレーザー光11aの角度Θが浅くなるにつれ隣り合う障害物計測点Pの間隔が空いてしまい、図11に破線で囲んで示すように実際には壁2bがあるのにもかかわらず「物体なし」となる部分が多くなるほか、図11に一点鎖線で囲んで示すように、本来障害物2bがない部分に障害物があるという結果になるなど、実際の周辺環境と異なる部分がでてきてしまう。
【0015】
このような地図を重ね合わせて大域地図を構成しようとしても精度良く構築できないことがある。これは、以下の点により上式(1)で得られる間違いの割合dの値が正しく得られなくなるためである。
1.本来障害物がない部分が「物体あり」となった局所地図が、過去に大域地図に反映されてしまったこと
2.計測点が飛び飛びとなる部分のため、計測点間が「物体なし」となる部分が多くなること
【0016】
このようなことから本発明は、レーザレンジファインダのレーザー光の障害物に対する照射角度によらず、「物体なし」の領域及び「物体あり」の領域を高精度に描画し、大域地図を高精度に生成することができる局所地図作成装置および局所地図作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を解決するための第1の発明に係る局所地図作成装置は、
一定角度間隔で放射状に距離を計測する距離センサから距離データを入力する距離データ入力部と、
前記距離データに基づいて隣り合う二つの計測点間の距離を計算する二点間距離計算部と、
前記二つの計測点間の距離に基づいて隣り合う二つの計測点間に物体が存在する確率を計算する二点間確率計算部と、
前記距離データに基づいて物体の存在が不明な領域を予め設定した「不明領域」に対応する輝度で描画し、前記距離センサから前記計測点までの間を予め設定した「物体なし領域」に対応する輝度で描画する一方、隣り合う二つの計測点間を「物体あり領域」として前記確率に基づく値に応じた輝度で描画してグリッド状の局所地図を生成する局所地図生成部と
を備えることを特徴とする。
【0018】
上記の課題を解決するための第2の発明に係る局所地図作成装置は、
前記局所地図生成部が、前記確率に基づき、隣り合う二つの前記計測点間の距離が短いほど前記「物体あり領域」に近い輝度で隣り合う二つの計測点間を描画し、当該二点間の距離が長いほど前記「不明領域」に近い輝度で隣り合う二つの計測点間を描画する
ことを特徴とする。
【0019】
上記の課題を解決するための第3の発明に係る局所地図作成方法は、
一定角度間隔で放射状に距離を計測する距離センサから距離データを入力する第一の工程と、
前記距離データに基づいて隣り合う二つの計測点間の距離を計算する第二の工程と、
前記二つの計測点間の距離に基づいて隣り合う二つの計測点間に物体が存在する確率を計算する第三の工程と、
前記距離データに基づいて物体の存在が不明な領域を予め設定した「不明領域」に対応する輝度で描画し、前記距離センサから前記計測点までの間を予め設定した「物体なし領域」に対応する輝度で描画する一方、隣り合う二つの計測点間を「物体あり領域」として前記確率に基づく値に応じた輝度で描画してグリッド状の局所地図を生成する第四の工程と
を備えることを特徴とする。
【0020】
上記の課題を解決するための第4の発明に係る局所地図作成方法は、
前記第四の工程では、前記確率に基づき、当該二点間の距離が短いほど前記「物体あり領域」に近い輝度で隣り合う二つの計測点間を描画し、当該二点間の距離が長いほど前記「不明領域」に近い輝度で隣り合う二つの計測点間を描画する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、レーザレンジファインダのレーザー光の障害物に対する照射角度によらず、「物体なし」の領域及び「物体あり」の領域を高精度に描画し、大域地図を高精度に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】レーザレンジファインダにより物体までの距離を計測する例を示す説明図である。
図2】本発明の実施例に係る局所地図作成部の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施例に係る局所地図作成の流れを示すフローチャートである。
図4】局所地図を初期化した状態を示す説明図である。
図5】局所地図に「物体なし」の領域を描画した例を示す説明図である。
図6】局所地図に「物体あり」の直線を描画した例を示す説明図である。
図7】分岐のある通路を局所地図化した例を示す説明図である。
図8図8(a)は距離データの一例を示す説明図、図8(b)は物体の有無を確率で示した例を示す説明図、図8(c)は一つの距離データを従来の手法によりモデル化した例を示す説明図である。
図9図8に示すモデルからグリッド状の地図を作成した例を示す説明図である。
図10】壁に対する距離計測の例を示す説明図である。
図11図10から得られる従来のグリッド状地図を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る局所地図作成装置および局所地図作成方法について説明する。
【実施例】
【0024】
図1から図7を用いて本発明の一実施例に係る局所地図作成装置および局所地図作成方法の詳細を説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施例に係る局所地図作成装置12は、距離センサとしてのレーザレンジファインダ(LRF)11を用いて周辺環境を計測しながら動作するロボット1に搭載され、レーザレンジファインダ11により取得した距離データを用いてロボット1の周辺環境の地図作成を行うものである。
【0026】
レーザレンジファインダ11は、水平面に一定角度Δθの間隔(角度分解能:例えばΔθ=1度やΔθ=0.25度など)でレーザー光11aを照射し、このレーザー光11aの障害物2aや壁2b等(物体2)による反射光を検出して物体2までの距離を計測する。なお、図1中に示す点Pはレーザレンジファインダ11のレーザー光11aによる障害物計測点である。
【0027】
局所地図作成部12は、図2に示すように、LRFデータ入力部12a、二点間距離計算部12b、二点間確率計算部12c、局所地図生成部12d、および記憶部12eを備えている。
【0028】
LRFデータ入力部12aは、レーザレンジファインダ11から距離データを入力し、記憶部12eに保管する。
二点間距離計算部12bは、記憶部12eから読み出した距離データの隣り合う二点間の距離を計算し、結果を記憶部12eに保管する。
二点間確率計算部12cは、記憶部12eから読み出した二点間距離を基に、その二点間の「物体あり」の確率を計算する。求めた確率は、二点間確率として記憶部12eに保管する。
【0029】
局所地図生成部12dは、距離データと二点間確率を基に、グリッド状の局所地図データを生成する部分であり、「物体なし」領域描画部12daと、「物体あり」直線描画部12dbとを備えている。「物体なし」領域描画部12daは、初期化されたグリッド状の局所地図データに対し、「物体なし」領域を描画する。「物体あり」直線描画部12dbは、グリッド状の局所地図データに対し、距離データと二点間確率を用いて、「物体あり」を示す直線を二点間確率の値に応じた輝度で描画する。生成された局所地図は記憶部12eに保管する。
記憶部12eは、距離データ、二点間距離、二点間確率、局所地図等を保管する。
【0030】
次に、図3を用いて局所地図作成部12による局所地図作成の流れを説明する。
図3に示すように、局所地図作成部12では、まず、LRFデータ入力部12aによりレーザレンジファインダ11から当該レーザレンジファインダ11によって取得した距離データを入力する(ステップS1)。
続いて、二点間距離計算部12bにより、記憶部12eから読み出した距離データに基づいて距離データの隣り合う二点間の距離を算出する(ステップS2)。すなわち、角度分解能Δθのレーザレンジファインダ11で取得した計測データのうち、それぞれ物体2を計測した隣り合う距離データri,ri+1に対し、二点間の距離liを下式(3)により求める。
【0031】
【数3】
【0032】
なお、角度分解能Δθが十分に小さい場合は、cosΔθ→1より、下式(4)により二点間の距離を求めることができる。
【0033】
【数4】
【0034】
ステップS2に続いては、ステップS2で求めた二点間の距離liから二点間の「物体あり」の確率を算出する(ステップS3)。すなわち、上記ステップS2で求めた距離liが短いほど「物体あり」(1.0)に近く、距離が長いほど「不明領域」の輝度(0.5)に近くなるように、以下の式(5)により二点間を接続する線の確率値piを求める。
【0035】
【数5】
【0036】
続いて、局所地図生成部12dにより局所地図の生成を行う(ステップS4)。局所地図の生成は、図4に示すように局所地図全体を「不明領域A」として輝度0.5で初期化した状態で、図5に示すように、「物体なし」領域描画部12daにより障害物がないところ、つまり隣り合う二つの計測点とレーザレンジファインダ11の原点からなる三角形を「物体なし領域B」として輝度0.0で描画する(ステップS4a)。その後、図6に示すように、「物体あり」直線描画部12dbにより障害物があるところ、つまり隣り合う障害物計測点間を距離に基づいて算出した確率値piに応じた部分を「物体あり領域C」として0.5より大きく1.0未満の輝度で直線状に描画する(ステップS4b)。
以上により、局所地図の生成が終了する。
【0037】
ここで、図7は、分岐などで手前の物体と奥の物体との間で距離が大きく変化する場合の局所地図の例である。図7に破線で囲んで示すように、本実施例の局所地図作成装置を用いると、二点間の距離が大きく変化する部分は、ほぼ「不明領域A」(輝度0.5)に近いグレーとなっていることが分かる。
【0038】
上述した本実施例に係る局所地図作成装置および局所地図作成方法によれば、本来障害物がない部分を正確に「物体なし」と描画することができ、計測点間の距離が長い場合にはその長さに応じた輝度で「物体あり」を描画するため、上式(1)の間違いの割合をより正確に算出できることになる。
すなわち、レーザレンジファインダ11のレーザー光11aの障害物2に対する照射角度Θが浅い場合であっても、「物体なし」の領域及び「物体あり」の領域を高精度に描画することができ、よって、大域地図を高精度に生成することが可能となる。
なお、上述した実施例では「不明領域A」を輝度0.5で描画し、「物体なし領域B」を輝度0.0で描画し、「物体あり領域C」を0.5より大きく1.0未満の輝度で描画する例を示したが、例えば、「不明領域A」及び「物体なし領域B」を予め設定された異なる色で描画し、「物体あり領域C」を二点間距離が小さいほど「物体あり領域C」に近く、二点間距離が大きいほど「不明領域A」に近い色で描画するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、局所地図作成装置および局所地図作成方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 ロボット
2 物体
2a 障害物
2b 壁
3 局所地図
11 レーザレンジファインダ(LRF)
11a レーザー光
12 局所地図作成部
12a LRFデータ入力部
12b 二点間距離計算部
12c 二点間確率計算部
12d 局所地図生成部
12da 「物体なし」領域描画部
12db 「物体あり」直線描画部
12e 記憶部
A 不明領域
B 物体なし領域
C 物体あり領域
D 距離データ
E 扇形領域
F 未観測領域
P 障害物計測点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11