(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に、本実施の形態のシステムの概要を示す。ネットワークスイッチ1には、ストレージ装置3とサーバ5とが接続される。具体的には、ネットワークスイッチ1のポート11pはサーバ5のポート51pに接続され、ネットワークスイッチ1のポート12pはサーバ5のポート52pに接続され、ネットワークスイッチ1のポート13pはストレージ装置3のポート31pに接続され、ネットワークスイッチ1のポート14pはストレージ装置3のポート32pに接続される。
図1において「P」はポートを表す。
【0011】
ネットワークスイッチ1は、ポート11p乃至14pと、LAG設定格納部101と、LAG管理データ格納部102と、リンクアップ検知部103と、取得部104と、ループ検知部105と、LAG判定部106と、設定部107と、回避処理部108とを有する。
【0012】
リンクアップ検知部103は、ポートがリンクアップしたことを検知する処理を実行する。取得部104は、LACP(Link Aggregation Control Protocol)フレームからパートナーキー及びパートナーシステムの情報を取り出す処理を実行する。ループ検知部105は、ループの発生を検知する処理を実行する。LAG判定部106は、接続先の機器のポートにLAG設定が適用されているか判定する処理を実行する。設定部107は、ポート11p乃至14pにLAG設定を適用する処理を実行する。回避処理部108は、ループ検知部105により検知されたループに対処する処理を実行する。
【0013】
サーバ5は、ポート51p及び52pと、LAG設定格納部501とを有する。ストレージ装置3は、ポート31p及び32pと、LAG設定格納部301とを有する。
【0014】
図2に、LAG設定格納部101に格納されるデータの一例を示す。
図2の例では、ポートに適用されるLAG設定のファイルの識別情報と、LAG設定のファイルの内容とが格納される。
図3に、LAG設定のファイルの内容の一例を示す。但し、LAG設定のファイルは
図3の例に限られるわけではなく、
図3に示された情報以外の情報(例えば、LACPにおけるパートナーキー又はアクターキー等)を含む場合もある。
【0015】
なお、LACPにおいて、アクターとは自機器のことであり、パートナーとは接続先のことである。アクターキーは、自機器のポートに適用されるLAG設定を識別するための情報であり、自機器が任意の値に設定することができる。パートナーキーは、接続先の機器のポートに適用されるLAG設定を識別するための情報であり、接続先の機器が任意の値に設定することができる。つまり、パートナーキーは接続先のアクターキーに相当する。パートナーシステムの情報は、接続先の機器に固有の情報(例えばMAC(Media Access Control)アドレス)である。アクターキーとLAG設定のファイルの識別情報とは1対1で対応する。
【0016】
なお、LAG設定格納部501に格納されるデータ及びLAG設定格納部301に格納されるデータは、LAG設定格納部101に格納されるデータと同様である。LAG管理データ格納部102に格納されるデータについては、後で説明する。
【0017】
次に、
図4乃至
図23を用いて、ネットワークスイッチ1の動作を説明する。前提として、
図4に示すような状態が成立していると仮定する。すなわち、以下のような条件が成立する。
【0018】
(1)ネットワークスイッチ1とサーバ5との間はLAG接続が既に確立されており、ポート11p及び12pとポート51p及び52pとにはLAG設定のファイル「A」が適用されている。
(2)ストレージ装置3のポート31p及び32pにはLAG設定のファイル「B」が適用されており、このLAG設定は正しい設定である。
(3)ネットワークスイッチ1のポート13pとストレージ装置3のポート31pとの間の接続は既に確立されている。この接続は通常の接続であり、LAG接続ではない。
【0019】
そして、ネットワークスイッチ1において新たにポート14pがリンクアップしたと仮定する。本実施の形態において、リンクアップした状態とは、ポートが光を受信した状態であって、通常の通信を行うことができない状態であるとする。但し、レイヤ2のプロトコルであるLACPのフレームの送受信をすることはできるとする。ポートが「connect」の状態になるか又はLAG接続が形成されると、通常の通信を行うことが可能になる。
【0020】
図5に、初期状態においてLAG管理データ格納部102に格納されているデータの一例を示す。
図5の例では、ポートの識別情報と、アクターキーと、パートナーキーと、パートナーシステムの情報と、状態を示す情報と、ポートに設定されたLAG設定のファイルの識別情報とが格納される。なお、LAG管理データ格納部102は設定部107及び回避処理部108によって更新される。
【0021】
まず、ネットワークスイッチ1のリンクアップ検知部103は、ネットワーク1におけるポート14pがリンクアップしたことを検知する(
図6:ステップS1)。リンクアップ検知部103は、ポート14pがリンクアップしたことをLAG判定部106に通知する。
【0022】
LAG判定部106は、LACPのフレーム(以下、LACPフレームと呼ぶ)をポート14pを介して受信したか判定する(ステップS3)。
【0023】
LACPには2種類のモード(アクティブモード及びパッシブモード)が有る。アクティブモードにおいては、機器はLACPフレームを例えば定期的に送信し、接続先の機器とネゴシエーションを行い、LAGを形成する。パッシブモードにおいては、接続先の機器からLACPフレームを受信するまで機器はアクションを起こさず、待ち状態を続ける。以下で説明するように、本実施の形態においてはネットワークスイッチ1が接続先の機器からLACPフレームを受信しない場合、LACPフレームを接続先の機器に送信し応答を待つ。これにより、接続先の機器がパッシブモードであったとしても、LAGを形成することができるようになる。
【0024】
そして、LACPフレームをポート14pを介して受信した場合(ステップS3:Yesルート)、ポート32pにLAG設定が適用されている。従って、設定部107は、LACPフレームの処理を実行する(ステップS9)。LACPフレームの処理については、
図7乃至
図10を用いて説明する。
【0025】
まず、設定部107は、LACPフレームをポート14pを介して受信したことを取得部104に通知する。これに応じ、取得部104は、受信したLACPフレームから、パートナーキー及びパートナーシステムの情報を取得する(
図7:ステップS21)。LAG判定部106は、取得したパートナーキー及びパートナーシステムの情報を設定部107に通知すると共に、取得したパートナーキー及びパートナーシステムの情報をLAG管理データ格納部102に格納する。
【0026】
ステップS21の処理が実行されると、LAG管理データ格納部102は
図8に示すような状態に更新される。
図8の状態においては、ポート14pについてパートナーキー及びパートナーシステムが設定されており、また、ポート14pの状態が「Connect now」から「Get Info」に変更されている。
【0027】
設定部107は、LAG管理データ格納部102に格納されているデータを読み出し(ステップS23)、ステップS21において取得されたパートナーキーと一致するパートナーキーが、読み出されたデータに含まれているか判定する(ステップS25)。例えば、ステップS21において取得されたパートナーキーが「1」である場合、このパートナーキーは
図8におけるポート11p乃至13pのパートナーキーと一致する。
【0028】
ステップS25の処理の時点において、LAG管理データ格納部102は
図9に示すような状態に更新される。
図9の状態においては、ポート14pの状態が「Get Info」から「Search」に更新されている。
【0029】
ステップS21において取得されたパートナーキーと一致するパートナーキーが、読み出されたデータに含まれていない場合(ステップS25:Noルート)、ステップS31の処理に移行する。一方、ステップS21において取得されたパートナーキーと一致するパートナーキーが、読み出されたデータに含まれている場合(ステップS25:Yesルート)、設定部107は、一致すると判定されたパートナーキーに対応するパートナーシステムは、ステップS21において取得されたパートナーシステムに一致するか判定する(ステップS27)。
【0030】
ステップS25において一致すると判定されたパートナーキーに対応するパートナーシステムは、ステップS21において取得されたパートナーシステムに一致する場合(ステップS27:Yesルート)、同じLAG設定が適用されるポートがネットワークスイッチ1内に既に存在することを意味する。したがって、設定部107は、パートナーキー及びパートナーシステムが一致するポートに適用されたLAG設定のファイルを、LAG設定格納部101から読み出す。例えば、パートナーキー及びパートナーシステムが一致するポートに適用されたLAG設定のファイルが「B」である場合、LAG設定格納部101からLAG設定のファイル「B」が読み出される。そして、設定部107は、読み出したLAG設定のファイルを対象ポート(ここでは、リンクアップしたポートであるポート14p)に適用する(ステップS29)。例えば、ファイルの内容が、ポート14p用の記憶領域に書き込まれる。そしてステップS37の処理に移行する。
【0031】
ステップS29の処理が完了した時点で、LAG管理データ格納部102は
図10に示すような状態に更新される。
図10の状態においては、ポート14pについて、ポート13pについてのアクターキーと同じアクターキーである「2」が新たに設定され、ファイルの識別情報として「B」が設定されている。その後、LAG接続が形成されると、ポート14pの状態は「LAG」に更新される。
【0032】
上で述べたように、パートナーキーは接続先の機器が任意に設定可能な値であるため、パートナーキーだけを用いてLAG設定を探索した場合には、或る機器と通信をするためのポートに適用すべきLAG設定を、別の機器と通信をするためのポートに適用してしまう可能性がある。従って、機器に固有の情報であるパートナーシステムの情報を利用することで、誤ったLAG設定を適用してしまうことがなくなる。
【0033】
図7の説明に戻り、ステップS25において一致すると判定されたパートナーキーに対応するパートナーシステムは、ステップS21において取得されたパートナーシステムに一致しない場合(ステップS27:Noルート)、同じLAG設定が適用されるポートが現状ではネットワークスイッチ1内に存在しないことを意味する。したがって、設定部107は、LAG管理データ格納部102において使用されていないアクターキーを特定する(ステップS31)。例えばLAG管理データ格納部102に格納されているアクターキーが「1」のみである場合、ステップS31においては使用されていないアクターキーとして「2」が特定される。
【0034】
設定部107は、ステップS21において取得されたデータ(例えばパートナーキー)からLAG設定のファイルを生成し、LAG設定格納部101に格納する(ステップS33)。ステップS33において生成されたLAG設定のファイルには、他のLAG設定のファイルとは異なる識別情報が付与される。
【0035】
設定部107は、ステップS33において生成されたLAG設定のファイルを、対象ポート(ここではポート14p)に適用する(ステップS35)。例えば、ファイルの内容が、ポート14p用の記憶領域に書き込まれる。そして呼び出し元の処理に戻る。
【0036】
なお、仮にポート13p及び14pに対してLAG設定のファイル「A」が適用された場合には、ポート13p及び14pのLAG設定とポート31p及び32pのLAG設定とが一致しないので、誤ったLAG設定が行われたということになる。
【0037】
その後、LAG管理データ格納部102は、例えば
図11に示すような状態に更新される。
図11の状態においては、ポート13p及び14pについて、状態が「LAG」に更新されている。
【0038】
この時点においては、例えば
図12に示すような状態が成立する。
図12の状態においては、ネットワークスイッチ1とサーバ5との間はLAG接続が既に確立されており、ポート11p及び12pとポート51p及び52pとにはLAG設定のファイル「A」が適用されている。また、ネットワークスイッチ1とストレージ装置3との間はLAG接続が確立され、ポート13p及び14pとポート31p及び32pとにはLAG設定のファイル「B」が適用されている。
【0039】
図6の説明に戻り、LACPフレームを受信していない場合(ステップS3:Noルート)、LAG判定部106は、LACPフレームを生成し、生成したLACPフレームをポート14pの接続先の機器であるストレージ装置3にポート14pを介して送信する(ステップS5)。生成されたLACPフレームはパートナーキー及びパートナーシステムの情報を含む。但し、パートナーキーは適当な値でよい。
【0040】
LAG判定部106は、ステップS5の処理の後所定時間が経過した場合、LACPフレームをポート14pを介して受信したか判定する(ステップS7)。
【0041】
LACPフレームをポート14pを介して受信した場合(ステップS7:Yesルート)、ポート32pにLAG設定が適用されている。従って、ステップS9の処理に移行する。一方、LACPフレームをポート14pを介して受信していない場合(ステップS7:Noルート)、ポート32pにLAG設定が適用されていない。この場合、ループ検知部105は、リンクアップの完了後に確立されたポート14pとポート32pとの間の接続によってループが発生したか判定する(ステップS11)。ループの発生は、例えば、ネットワークスイッチ1が中継するパケットを監視することで検知される。通常、ループはLAG設定が適用されていない複数のポートが同じ装置に接続された場合に発生する。また、誤ってLAG設定を適用した場合にも発生することがある。
【0042】
ループが発生していない場合(ステップS13:Noルート)、ネットワークスイッチ1は、LAG接続ではない通常の接続による通信をポート14pを介して実行する(ステップS15)。
【0043】
一方、ループが発生した場合(ステップS13:Yesルート)、ループ検知部105は、ループが発生したことを回避処理部108に通知する。
【0044】
この時点において、LAG管理データ格納部102は
図13に示すような状態に更新される。
図13の状態においては、ポート13p及び14pについて、状態が「loop」に設定されている。なお、ポート13pについては、状態以外の情報も設定されていても良いが、ここでは図を見やすくするため省略されている。
【0045】
そして、ループ検知部105からの通知に応じ、回避処理部108は、ループ回避処理を実行する(ステップS17)。そして処理は終了する。ループ回避処理については、
図14乃至
図23を用いて説明する。
【0046】
まず、回避処理部108は、ループが発生したポートを「disconnect」に設定する(
図14:ステップS41)。本実施の形態において、「disconnect」に設定されたポートはシャットダウンされ、通信不能な状態になる。
【0047】
ステップS41が完了した時点において、LAG管理データ格納部102は
図15に示すような状態に更新される。
図15の状態においては、ポート13p及び14pについて、状態が「disconnect」に設定されている。
【0048】
ステップS41の処理が完了すると、
図16に示すような状態が成立する。
図16の状態においては、ネットワークスイッチ1とサーバ5との間はLAG接続が既に確立されており、ポート11p及び12pとポート51p及び52pとにはLAG設定のファイル「A」が適用されている。一方、ポート13pとポート31pとの間及びポート14pとポート32pとの間では接続が確立されておらず、通信が行われない状態である。
【0049】
図14の説明に戻り、回避処理部108は、LAG管理データ格納部102において使用されていないアクターキーを特定する(ステップS43)。
【0050】
回避処理部108は、ステップS43において特定されたアクターキーからデフォルトのLAG設定のファイルを生成し、LAG設定格納部101に格納する(ステップS45)。ステップS45において生成されたファイルには、他のファイルとは異なる識別情報(ここでは「default」)が付与される。
【0051】
回避処理部108は、ステップS45において生成されたLAG設定のファイルを、ループが発生したポート(ここではポート13p及び14p)に適用する(ステップS47)。
【0052】
ステップS47の処理が完了した時点において、LAG管理データ格納部102は
図17に示すような状態に更新される。
図17の状態においては、ポート13p及び14pについて、アクターキー「2」が設定され、ファイルの識別情報として「default」が設定されている。
【0053】
回避処理部108は、ループが発生したポートであるポート13p及び14pをリンクアップさせる(ステップS49)。ステップS49においては、ポート13p及び14pに設定された「disconnect」が解除され、ポート13p及び14pによるL2通信が可能になる。これにより、
図18に示すような状態が成立する。
図18の状態においては、ネットワークスイッチ1とサーバ5との間はLAG接続が既に確立されており、ポート11p及び12pとポート51p及び52pとにはLAG設定のファイル「A」が適用されている。一方、ポート13p及びポート14pについてはリンクアップの状態になる。
【0054】
さらに、ポート13pとポート31pとの間の接続及びポート14pとポート32pとの間の接続が完了すると、LAG管理データ格納部102は
図19に示す状態に更新される。
図19の状態においては、ポート13p及び14pについて、状態が「connect」に設定されている。
【0055】
図14の説明に戻り、回避処理部108は、ループ検知部105にループ発生の確認を指示し、ループ検知部105から受け取った確認結果に基づき、ループが発生したか判定する(ステップS51)。LAGが形成され、ループが発生していない場合(ステップS53:Noルート)、呼び出し元の処理に戻る。
【0056】
LAGが形成された場合、LAG管理データ格納部102に、例えば
図20に示すような状態に更新される。
図20の状態においては、ポート13p及び14pについて、状態が「LAG」に設定されている。ポート13p及び14pについてのパートナーキー及びパートナーシステムには、ストレージ装置3から取得したデータが設定されるため、
図20に示したような値に限られるわけではない。
【0057】
また、LAGが形成された場合、
図21に示すような状態が成立する。
図21の状態においては、ネットワークスイッチ1とサーバ5との間はLAG接続が既に確立されており、ポート11p及び12pとポート51p及び52pとにはLAG設定のファイル「A」が適用されている。また、ネットワークスイッチ1とストレージ装置3との間はLAG接続が既に確立されており、ポート13p及び14pとポート31p及び32pとにはデフォルトのLAG設定のファイルが適用されている。
【0058】
なお、LAGが形成される場合とは、ストレージ装置3も本実施の形態の処理を実行できる場合又は人手によってストレージ装置3にLAGが設定された場合である。従って、このような場合以外には、LAGは形成されない。
【0059】
図14の説明に戻り、回避処理部108は、ループが発生した場合(ステップS53:Yesルート)、ループが発生したポート(ここでは、ポート13p及び14p)のうち一方のポートを「disconnect」に設定する(ステップS55)。すなわち、一方のポートがシャットダウンされ、通信不能な状態になる。これによりループが切断される。
【0060】
回避処理部108は、ループが発生したポート(ここでは、ポート13p及び14p)のうち一方のポートを「connect」に設定する(ステップS57)。但し、既にポートが「connect」に設定されている場合は、ステップS57の処理は省略される。
【0061】
ステップS57の処理が完了すると、LAG管理データ格納部102は、例えば
図22に示すような状態に更新される。
図22の状態においては、ポート13pについて、状態が「disconnect」に設定されている。また、ポート14pについて、アクターキーが「2」に設定され、状態が「connect」に設定され、ファイルの識別情報が「default」に設定されている。
【0062】
また、ステップS57の処理が完了すると、
図23に示すような状態が成立する。
図23の状態においては、ネットワークスイッチ1とサーバ5との間はLAG接続が既に確立されており、ポート11p及び12pとポート51p及び52pとにはLAG設定のファイル「A」が適用されている。また、ポート14pとポート32pとの間は接続が確立されているが、ポート13pとポート31pとの間は接続が確立されていない。
【0063】
以上のような処理を実行すれば、管理者等が煩雑な作業をすることなく、正しいLAG設定を自動でネットワークスイッチ1に対して適用することができるようになる。なお、設定ミスが発生した場合、正常にLAGが形成されず、冗長化されるべき経路においてパケットがループする。これにより、システム全体に対して重大な影響がもたらされるが、本実施の形態の方法であればこのような事態を生じさせることがない。
【0064】
また、本実施の形態においては標準化されたLACPをベースとしているので、ベンダ及び接続先の機器の種類に依存することなく、LAG設定の自動化を実現することができる。
【0065】
以上本発明の一実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上で説明したネットワーク1の機能ブロック構成は実際のプログラムモジュール構成に一致しない場合もある。
【0066】
また、上で説明した各テーブルの構成は一例であって、上記のような構成でなければならないわけではない。さらに、処理フローにおいても、処理結果が変わらなければ処理の順番を入れ替えることも可能である。さらに、並列に実行させるようにしても良い。
【0067】
また、上で述べたネットワークスイッチ1は、
図24に示すように、メモリ2601とCPU2603とハードディスク・ドライブ(HDD)2605と表示装置2609に接続される表示制御部2607とリムーバブル・ディスク2611用のドライブ装置2613と入力装置2615とネットワークに接続するための通信制御部2617(
図24では、2617a乃至2617c)とがバス2619で接続されている構成の場合もある。なお、場合によっては、表示制御部2607、表示装置2609、ドライブ装置2613、入力装置2615は含まれない場合もある。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施の形態における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2605に格納されており、CPU2603により実行される際にはHDD2605からメモリ2601に読み出される。必要に応じてCPU2603は、表示制御部2607、通信制御部2617、ドライブ装置2613を制御して、必要な動作を行わせる。なお、通信制御部2617のいずれかを介して入力されたデータは、他の通信制御部2617を介して出力される。CPU2603は、通信制御部2617を制御して、適切に出力先を切り替える。また、処理途中のデータについては、メモリ2601に格納され、必要があればHDD2605に格納される。本技術の実施例では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはコンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスク2611に格納されて頒布され、ドライブ装置2613からHDD2605にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2617を経由して、HDD2605にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2603、メモリ2601などのハードウエアとOS及び必要なアプリケーション・プログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
【0068】
以上述べた本発明の実施の形態をまとめると、以下のようになる。
【0069】
本実施の形態の第1の態様に係る中継装置は、(A)第1の装置に接続された第1のポートと、(B)第1のポートを介して受信したフレームから、第1の装置の識別情報及び第1の装置に適用されたLAG(Link Aggregation Group)設定の識別情報を取り出す第1処理部と、(C)第1処理部により取り出された、第1の装置の識別情報及び第1の装置に適用されたLAG設定の識別情報に基づき、第1のポートに適用されるLAG設定を決定する第2処理部とを有する。
【0070】
これにより、第1のポートに適用されるLAG設定を誤りなく決定することができるので、中継装置のLAG設定を適切に行うことができるようになる。
【0071】
また、本中継装置は、(D)装置の識別情報及び当該装置のポートに適用されるLAG設定の識別情報に対応付けて、当該装置に接続されたポートに適用されるLAG設定の識別情報を格納するデータ格納部をさらに有してもよい。そして、第2処理部は、(c1)第1の装置の識別情報及び第1の装置のLAG設定の識別情報に対応付けられた、第1のポートに適用されるLAG設定の識別情報をデータ格納部から読み出し、読み出された識別情報によって特定されるLAG設定を、第1のポートに適用してもよい。これにより、同一のLAG設定が適用される他のポートが存在する場合に対処できるようになる。
【0072】
また、第2処理部は、(c2)第1の装置の識別情報及び第1の装置のLAG設定の識別情報に対応付けられた、第1のポートに適用されるLAG設定の識別情報がデータ格納部に格納されていない場合、第1の装置に適用されたLAG設定の識別情報からLAG設定を生成し、生成したLAG設定を第1のポートに適用してもよい。これにより、同一のLAG設定が適用される他のポートが存在しない場合にも対処できるようになる。
【0073】
また、本中継装置は、(E)第1のポートからフレームを受信するか判定し、第1のポートからフレームを受信しないと判定した場合に、第1のポートからフレームを送信する第3処理部をさらに有してもよい。或るプロトコルにおいては、接続先の装置からフレームを受信しない限りフレームを送信しないモードが有る。上で述べたようにすれば、第1の装置がこのようなモードであったとしても対処できるようになる。
【0074】
また、本中継装置は、(F)第1のポートからフレームを送信した後、第1のポートからフレームを受信しない場合に、第1のポートによってループが発生するか判定し、第1のポートによってループが発生すると判定した場合に、第1のポートに対して新規のLAG設定を適用する第4処理部をさらに有してもよい。これにより、ループによる障害の発生を防止できるようになる。
【0075】
また、本中継装置は、(G)第1のポートからフレームを送信した後、第1のポートからフレームを受信しない場合に、第1のポートによってループが発生するか判定し、第1のポートによってループが発生すると判定した場合に、ループが発生した複数のポートのうち少なくとも1のポートを介した通信を禁止する処理を実行する第4処理部をさらに有してもよい。これにより、ループによる障害の発生を防止できるようになる。
【0076】
また、フレームはLACP(Link Aggregation Control Protocol)のフレームであってもよい。さらに、装置の識別情報はLACPにおけるパートナーシステムの情報であり、前記装置のポートに適用されるLAG設定の識別情報はLACPにおけるパートナーキーであってもよい。
【0077】
本実施の形態の第2の態様に係る設定方法は、(H)第1の装置に接続された第1のポートを介して受信したフレームから、第1の装置の識別情報及び第1の装置に適用されたLAG(Link Aggregation Group)設定の識別情報を取り出し、(I)取り出された、第1の装置の識別情報及び第1の装置に適用されたLAG設定の識別情報に基づき、第1のポートに適用されるLAG設定を決定する処理を含む。
【0078】
なお、上記方法による処理をプロセッサに行わせるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。尚、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
【0079】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0080】
(付記1)
中継装置であって、
第1の装置に接続された第1のポートと、
前記第1のポートを介して受信したフレームから、前記第1の装置の識別情報及び前記第1の装置に適用されたLAG(Link Aggregation Group)設定の識別情報を取り出す第1処理部と、
前記第1処理部により取り出された、前記第1の装置の識別情報及び前記第1の装置に適用されたLAG設定の識別情報に基づき、前記第1のポートに適用されるLAG設定を決定する第2処理部と、
を有する中継装置。
【0081】
(付記2)
装置の識別情報及び当該装置のポートに適用されるLAG設定の識別情報に対応付けて、当該装置に接続されたポートに適用されるLAG設定の識別情報を格納するデータ格納部
をさらに有し、
前記第2処理部は、
前記第1の装置の識別情報及び前記第1の装置のLAG設定の識別情報に対応付けられた、前記第1のポートに適用されるLAG設定の識別情報を前記データ格納部から読み出し、
読み出された前記識別情報によって特定されるLAG設定を、前記第1のポートに適用する、
付記1記載の中継装置。
【0082】
(付記3)
前記第2処理部は、
前記第1の装置の識別情報及び前記第1の装置のLAG設定の識別情報に対応付けられた、前記第1のポートに適用されるLAG設定の識別情報が前記データ格納部に格納されていない場合、前記第1の装置に適用されたLAG設定の識別情報からLAG設定を生成し、
生成した前記LAG設定を前記第1のポートに適用する、
付記2記載の中継装置。
【0083】
(付記4)
前記第1のポートからフレームを受信するか判定し、前記第1のポートからフレームを受信しないと判定した場合に、前記第1のポートからフレームを送信する第3処理部
をさらに有する付記1乃至3のいずれか1つ記載の中継装置。
【0084】
(付記5)
前記第1のポートからフレームを送信した後、前記第1のポートからフレームを受信しない場合に、第1のポートによってループが発生するか判定し、
前記第1のポートによってループが発生すると判定した場合に、前記第1のポートに対して新規のLAG設定を適用する第4処理部
をさらに有する付記4記載の中継装置。
【0085】
(付記6)
前記第1のポートからフレームを送信した後、前記第1のポートからフレームを受信しない場合に、第1のポートによってループが発生するか判定し、
前記第1のポートによってループが発生すると判定した場合に、ループが発生した複数のポートのうち少なくとも1のポートを介した通信を禁止する処理を実行する第4処理部
をさらに有する付記4記載の中継装置。
【0086】
(付記7)
前記フレームはLACP(Link Aggregation Control Protocol)のフレームであり、
前記装置の識別情報はLACPにおけるパートナーシステムの情報であり、前記装置のポートに適用されるLAG設定の識別情報はLACPにおけるパートナーキーである、
付記1乃至6のいずれか1つ記載の中継装置。
【0087】
(付記8)
プロセッサが、
第1の装置に接続された第1のポートを介して受信したフレームから、前記第1の装置の識別情報及び前記第1の装置に適用されたLAG(Link Aggregation Group)設定の識別情報を取り出し、
取り出された、前記第1の装置の識別情報及び前記第1の装置に適用されたLAG設定の識別情報に基づき、前記第1のポートに適用されるLAG設定を決定する、
処理を実行する設定方法。
【0088】
(付記9)
プロセッサに、
第1の装置に接続された第1のポートを介して受信したフレームから、前記第1の装置の識別情報及び前記第1の装置に適用されたLAG(Link Aggregation Group)設定の識別情報を取り出し、
取り出された、前記第1の装置の識別情報及び前記第1の装置に適用されたLAG設定の識別情報に基づき、前記第1のポートに適用されるLAG設定を決定する、
処理を実行させる設定プログラム。
【0089】
(付記10)
第1の装置と、
中継装置と、
を有し、
前記中継装置は、
第1の装置に接続された第1のポートと、
前記第1のポートを介して受信したフレームから、前記第1の装置の識別情報及び前記第1の装置に適用されたLAG(Link Aggregation Group)設定の識別情報を取り出す第1処理部と、
前記第1処理部により取り出された、前記第1の装置の識別情報及び前記第1の装置に適用されたLAG設定の識別情報に基づき、前記第1のポートに適用されるLAG設定を決定する第2処理部と、
を有する情報処理システム。