特許第6601274号(P6601274)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6601274
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20191028BHJP
【FI】
   H05B37/02 H
   H05B37/02 B
   H05B37/02 D
   H05B37/02 E
   H05B37/02 L
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-42455(P2016-42455)
(22)【出願日】2016年3月4日
(65)【公開番号】特開2017-157524(P2017-157524A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2018年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】特許業務法人イトーシン国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】笹井 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】白井 悠
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0134901(US,A1)
【文献】 特開平5−121176(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/005277(WO,A1)
【文献】 特開2013−254666(JP,A)
【文献】 特開2015−149139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
いに異なる光色で発光する3系統以上の複数の光源部と;
前記3系統以上の複数の光源部のうちの2系統の光源部の調光を制御するための調光信号を受信する調光信号受信部と;
前記複数の光源部のそれぞれの発光を独立して制御する複数の駆動制御部と;
前記調光信号による調光制御とは独立した調光制御を行うための付加情報を発生する付加情報発生部と;
前記調光信号及び前記付加情報に基づいて前記3系統以上の複数の光源の発光をそれぞれ独立して制御するための調光信号を発生して前記駆動制御部に与える調光レベル決定部と;
を具備する照明装置。
【請求項2】
前記付加情報は、日時に関する情報である
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記付加情報は、人の検知情報又は周囲の明るさ情報である
請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
周囲環境を検知するセンサを具備し、
前記付加情報発生部は、前記センサの出力に基づいて前記付加情報を発生する
請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記付加情報発生部は、周囲環境を検知する外部のセンサの出力に基づいて前記付加情報を発生する
請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記付加情報発生部は、外部のネットワークからの情報に基づいて前記付加情報を発生する
請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
互いに異なる光色で発光する3系統以上の複数の光源部と;
前記3系統以上の複数の光源部のうちの2系統の光源部の調光を制御するための調光信号を受信する調光信号受信部と;
前記複数の光源部のそれぞれの発光を独立して制御する複数の駆動制御部と;
前記調光信号に基づいて前記3系統以上の複数の光源部の発光をそれぞれ独立して制御するための調光信号を発生して前記駆動制御部に与える調光レベル決定部と;
を具備する照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)など、発光色を選択することが可能な光源が開発され、これらの光源を用いることにより光量および光色を任意に変化させることが可能な照明装置を実現することができる。
【0003】
発光色の異なる複数の光源を含む照明装置では、各光色の光源に対して、それぞれ独立に調光制御を行うことが好ましい。これにより、照明装置の発光色を任意に制御し、その演色性を向上させることが可能となる。しかしながら、各光色の光源を独立に制御するためには、光色の数と同数の制御信号を供給する必要がある。このため、照明装置を制御するための信号系統が多くなり、器具を施工する際に信号系統の接続が煩雑となる。また、照明装置の製造コストも上昇する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4661292号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、調光信号の系統数を削減すると共に多様な演出方法での照明を行うことができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る照明装置は、いに異なる光色で発光する3系統以上の複数の光源部と;前記3系統以上の複数の光源部のうちの2系統の光源部の調光を制御するための調光信号を受信する調光信号受信部と;前記複数の光源部のそれぞれの発光を独立して制御する複数の駆動制御部と;前記調光信号による調光制御とは独立した調光制御を行うための付加情報を発生する付加情報発生部と;前記調光信号及び前記付加情報に基づいて前記3系統以上の複数の光源の発光をそれぞれ独立して制御するための調光信号を発生して前記駆動制御部に与える調光レベル決定部とを具備する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、調光信号の系統数を削減すると共に多様な演出方法での照明を行うことができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施の形態に係る照明装置10を示すブロック図。
図2A】実施形態に係る照明装置10を例示する模式図。
図2B図2A中の透光性カバー21の内部に配置される基板22,23を示す模式平面図。
図2C図2A中の透光性カバー21の内部に配置される基板24を示す模式平面図。
図3】実施形態に係る照明装置10の調光レベル決定部12を示すブロック図。
図4】第2の実施の形態を示すブロック図。
図5】第3の実施の形態を示すブロック図。
図6】第4の実施の形態を示すブロック図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本実施の形態の照明装置は、第1の系統数の調光信号を受信する調光信号受信部と;互いに異なる光色で発光し前記第1の系統数よりも多い数の複数の光源部と;前記複数の光源部のそれぞれの発光を独立して制御する複数の駆動制御部と;前記調光信号による調光制御とは独立した調光制御を行うための付加情報を発生する付加情報発生部と;前記調光信号及び前記付加情報に基づいて前記複数の光源の発光をそれぞれ独立して制御するための調光信号を発生して前記駆動制御部に与える調光レベル決定部と;を具備する。
【0010】
また、前記付加情報は、日時に関する情報である。
【0011】
また、前記付加情報は、人の検知情報又は周囲の明るさ情報である。
【0012】
また、本実施の形態の照明装置は、周囲環境を検知するセンサを具備し、前記付加情報発生部は、前記センサの出力に基づいて前記付加情報を発生する。
【0013】
また、前記付加情報発生部は、周囲環境を検知する外部のセンサの出力に基づいて前記付加情報を発生する。
【0014】
また、前記付加情報発生部は、外部のネットワークからの情報に基づいて前記付加情報を発生する。
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
【0016】
以下に説明する実施形態は例示であり、本発明をこれらの例に限定するものではない。また、各実施例に記載した構成要素は、その例に限定されるものではなく、技術的に可能であれば共通に適用できるものである。
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態に係る照明装置10を例示するブロック図である。図1に示すように、照明装置10は、調光信号受信部11a,11b、調光レベル決定部12、駆動制御部13a〜13e、光源部14a〜14e及び付加情報発生部15を備える。
【0017】
従来、電球色及び昼光色の2色の発光色で照明を行う照明器具が商品化されている。このような照明器具では、2系統の調光信号によって、各発光色の光源が調光制御される。更に、例えば、R(赤)光、G(緑)光、B(青)光を発生するLED光源を採用することで、任意の発光色で発光させる光源を組み合わせた照明器具も考えられる。本実施の形態は、このような3種類以上の光源の調光制御を、光源の数よりも少ない系統数の調光信号によって制御するものである。
【0018】
更に、本実施の形態においては、調光信号だけでなく、調光信号による照明制御とは独立した制御のための情報であって、時間の経過や入力される情報等に基づいて変化する付加情報を用いて、光源を自動的に調光制御するようになっている。
【0019】
図1では、従来、電球色及び昼光色で発光する照明器具の調光操作が一般的であったことを考慮して、2系統の調光信号を用いて、3種類以上(図1では5種類)の光源の調光制御を行う例について説明するが、調光信号の系統数よりも多い数の光源を制御するものであれば、調光信号の系統数及び光源の数は適宜設定可能である。
【0020】
調光信号受信部11a,11bは、それぞれ調光信号Vsi1,Vsi2を受信して、受信した調光信号を調光レベル決定部12に出力する。調光レベル決定部12は、n系統の調光信号をn+1系統以上の調光信号に変換する。ここで「n」は、1以上の整数である。図1の例では、調光レベル決定部12は、2つの調光信号Vsi1、Vsi2を5つの調光信号Vso1〜Vso5に変換する。
【0021】
駆動制御部13a〜13eは、それぞれ光源部14a〜14eの点灯を制御するものであり、光源部14a〜14eに対応した安定器や電源回路等によって構成されている。駆動制御部13a〜13eは、それぞれ、調光レベル決定部12からの調光信号Vso1〜Vso5が入力され、調光信号Vso1〜Vso5に基づいて光源部14a〜14eをそれぞれ駆動して調光することができるようになっている。例えば、駆動制御部13a〜13eは、光源部14a〜14eの特性に応じて、電圧制御、電流制御又はPWM制御等の各種制御により、光源部14a〜14eを調光する。
【0022】
なお、駆動制御部13a〜13eは、駆動する光源部14a〜14eによっては、1つの光源部を複数台の安定器や電源回路等によって駆動するように構成されることもある。
【0023】
調光レベル決定部12および駆動制御部13a〜13eは、一体の点灯回路として構成されてもよい。すなわち、1つの点灯回路が、調光レベル決定部12および駆動制御部13a〜13eの各機能を備える構成であってもよい。ここで、調光レベル決定部12および駆動制御部13a〜13eは、それぞれ明示的に分離される必要はない。
【0024】
光源部14a〜14eは、例えば、相互に異なる発光色で発光することができる。光源部14a〜14eとしてLEDを採用してもよい。例えば、光源部14a,14bは、電球色又は昼光色で発光するLEDによって構成してもよく、光源部14c〜14eは、それぞれR(赤)光、G(緑)光、B(青)を発生するLEDによって構成してもよい。光源部14a〜14eは、駆動制御部13a〜13eによってそれぞれ調光制御される。例えば、光源部14a〜14eは、調光レベル決定部12からの調光信号Vso1〜Vso5に対応したPWM信号によってそれぞれ調光点灯される。
【0025】
図2Aは実施形態に係る照明装置10を例示する模式図である。照明装置10は、例えば、埋め込み形のベースライトである。図2Aは、照明装置10の拡散性を有する透光性カバー21を下方から見た模式平面図である。また、図2B及び図2C図2A中の透光性カバー21の内部に配置される基板22,23および24をそれぞれ示す模式平面図である。
【0026】
図2Aに示すように、照明装置10は、基板22,23と基板24とを備える。基板24は、例えば、2つの基板22,23の間に配置される。図2Bに示すように、基板22,23には、光源部14aを構成する発光部L1と光源部14bを構成する発光部L2とがそれぞれ複数実装されている。また、図2Cに示すように、基板24には、光源部14c〜14eをそれぞれ構成する発光部LR,LG,LBがそれぞれ複数実装されている。
【0027】
発光部L1は、例えば、昼光色LEDにより構成され、発光部L2は、例えば、電球色LEDによって構成される。発光部L1の発光色の色温度は、発光部L2の発光色の色温度よりも高い。このように、照明装置10は、基板22,23上に昼光色の発光部L1による光源部14aと、電球色の発光部L2による光源部14bとを備え、光源部14aの発光部L1の輝度および光源部14bの発光部L2の輝度をそれぞれ独立に制御することにより、昼光色と電球色との間における任意の色温度の照明を行うことができる。
【0028】
さらに、照明装置10は、光源部14c〜14eを構成する発光部LR,LG,LBを備える。発光部LRは、例えば、赤色LEDにより構成され、発光部LGは、例えば、緑色LEDにより構成され、発光部LBは、例えば、青色LEDにより構成される。調光レベル決定部12は、光源部14c〜14eを構成する発光部LR,LG,LBの発光量を相互に独立して制御することにより、光源部14c〜14eを1つの光源として任意の発光色の照明を行うことができる。即ち、光源部14c〜14eは、基板22,23相互間に配置された基板24から任意の色光を出射する。これにより、光源部14c〜14eによる光を拡散性を有するカバー21に照射しカバー21自体の色を変化させることができる。つまり、カバー21自体の色を背景光として利用した演出が可能である。すなわち、調光レベル決定部12は、光源部14aおよび14bから放射される主照明に加えて、光源部14c〜14eから任意の色による背景光を放射させることができる。例えば、背景光として青色での照明を行うことにより、青空を演出することができる。これにより、例えば、室内に配置される照明装置10を用いて屋外光をイメージさせることも可能である。
【0029】
更に、本実施の形態においては、調光レベル決定部12は、付加情報発生部15からの付加情報に基づいて、光源部14a〜14eの発光を相互に独立して制御することができるようになっている。付加情報発生部15は、1種類以上の付加情報を発生することができる。例えば、付加情報発生部15は、図示しない時計またはタイマ回路を備えており、日時、季節、昼夜等の時間に関する付加情報を調光レベル決定部12に出力することができるようになっていてもよい。また、例えば、付加情報発生部15は、図示しない温度センサ、湿度センサ、明るさセンサ、画像センサ、光色センサ等の各種センサの出力を用いて、室内や室外の温度や湿度等の周囲環境に関する付加情報を調光レベル決定部12に出力することができるようになっていてもよい。
【0030】
調光レベル決定部12は、第1及び第2調光信号Vsi1,Vsi2に基づいて発生する調光信号Vso1〜Vso5を、更に、付加情報に基づく信号に変換した後、出力することができるようになっている。
【0031】
図3は、実施形態に係る照明装置10の調光レベル決定部12を示すブロック図である。調光レベル決定部12は、入力部32、プロセッサ33、出力部34及びメモリ35が搭載された変換ユニット31を有する。調光レベル決定部12には変換ユニット用電源36が設けられており、変換ユニット用電源36は交流電源37からの交流電源を元に変換ユニット31に供給する電源電圧を発生する。変換ユニット31の入力部32は、入力された2つの調光信号Vsi1およびVsi2を取り込んでプロセッサ33に与える。入力部32は、例えば、フォトカップラによって構成することができ、入力側とプロセッサ33側とを電気的に分離する構成としてもよい。
【0032】
プロセッサ33には、付加情報発生部15からの付加情報も与えられる。プロセッサ33は、例えば、入力部32を介して入力される2つの調光信号Vsi1,Vsi2及び付加情報に基づき、5つの独立した調光信号Vso1〜Vso5を出力する。出力部34は、プロセッサ33からの調光信号Vso1〜Vso5をそれぞれ駆動制御部13a〜13eに出力する。
【0033】
メモリ35は、調光信号Vsi1,Vsi2及び付加情報に基づいて調光信号Vso1〜Vso5を発生するための情報を記憶する。プロセッサ33は、メモリ35にアクセスし、調光信号Vsi1,Vsi2及び付加情報に対応する情報を読出して、読出した情報を用いて5つの調光信号Vso1〜Vso5を生成する。なお、図示しない入力装置によって、メモリ35の情報をユーザによって変更可能に構成されていてもよい。
【0034】
調光信号Vsi1,Vsi2は、外部から供給される信号であり、例えば、ユーザの調光操作に基づく信号である。従って、調光信号Vsi1,Vsi2は、例えばユーザによる調光操作時のみ変化し、以後は一定の信号である。一方、付加情報は、例えば時間や温度、湿度等の周囲環境や外部からの情報等により変化する情報である。外部からの情報としては、各種センサの出力信号やインターネット等のネットワーク回線から取得される情報等がある。例えば、インターネット等から取得する天気に関する情報や防災に関する情報等を付加情報として入手してもよい。また、スポーツの勝敗に関する情報や試合の得点に関する情報や警報に関する情報等、様々な情報を付加情報として入手することができる。更に、付加情報発生部15は、取得した各種情報等を組み合わせて、付加情報を生成しても良い。
【0035】
本実施の形態においては、メモリ35には、例えば、付加情報に基づいてユーザが好みの演出方法で照明を行うための情報が記述されている。メモリ35に、調光信号Vsi1,Vsi2及び付加情報のそれぞれの値に対応する5つの調光信号Vso1〜Vso5の各値の情報が記憶されている場合には、プロセッサ33は、入力された調光信号Vsi1,Vsi2及び付加情報に基づいてメモリ35から調光信号Vso1〜Vso5を読出して出力する。また、メモリ35に、調光信号Vsi1,Vsi2及び付加情報をパラメータとして、5つの調光信号Vso1〜Vso5を生成するためのプログラムが記憶されている場合には、プロセッサ33は、メモリ35からプログラムを読出して、入力された調光信号Vsi1,Vsi2及び付加情報をパラメータとしてプログラムを実行することで、5つの調光信号Vso1〜Vso5を生成してもよい。また、プロセッサ33は、先ず、調光信号Vsi1,Vsi2に基づいて5つの調光信号Vso1〜Vso5を生成した後、付加情報に基づいて、生成した調光信号Vso1〜Vso5を修正して、出力するようになっていてもよい。
【0036】
次にこのように構成された実施の形態の動作について説明する。
【0037】
いま、光源部14aが昼光色の光源であり、光源部14bが電球色の光源であり、光源部14c〜14eが所定の色光を出射する1つの光源として機能するものとする。また、調光信号Vsi1,Vsi2はそれぞれ昼光色と電球色の照明を制御するための信号であるものとする。そして、メモリ35に、昼光色の光源部14a及び電球色の光源部14bを制御する2つの調光信号Vsi1,Vsi2に対して、予め、光源部14c〜14eによってどのような色光を出すかを決定するための情報が記憶されているものとする。
【0038】
例えば、調光レベル決定部12のプロセッサ33は、先ず、入力された調光信号Vsi1,Vsi2に基づいてメモリ35から光源部14a〜14eを調光制御するための情報を読み出して、調光信号Vso1〜Vso5を生成する。更に、プロセッサ33は、付加情報発生部15から入力される付加情報に基づいて、生成した調光信号Vso1〜Vso5を修正する。
【0039】
例えば、付加情報発生部15から付加情報として日時情報がプロセッサ33に入力されるものとする。プロセッサ33は、入力された日時を示す付加情報に基づいて、メモリ35に予め記録されている調光信号Vso1〜Vso5にそれぞれ対応する係数情報を読み出し、調光信号Vsi1,Vsi2のみに基づいて生成した調光信号Vso1〜Vso5に各係数を付与して、調光信号Vso1〜Vso5を得るようにしてもよい。これにより、調光信号Vsi1,Vsi2によって調光された昼光色、電球色及び所定の色光を放射する光源部14a〜14eは、時間の経過に対応した付加情報によって、更に、調光制御されることになる。
【0040】
例えば、付加情報によって昼間の時間帯が示された場合には、作業に適した昼光色の照明が行われるように、光源部14aの光量を光源部14bの光量に比べて大きくすると共に、光源部14c〜14eによって、青空を想起させる青っぽい照明光を放射させることができる。また、例えば、付加情報によって夕方の時間帯が示された場合には、くつろぎ感が得られる暖色の照明が行われるように、光源部14bの光量を光源部14aの光量に比べて大きくすると共に、光源部14c〜14eによって、夕日を想起させる赤っぽい照明光を放射させることができる。
【0041】
また、調光レベル決定部12は、付加情報に基づいて、様々な調光制御が可能である。例えば、付加情報によって季節や天気が示された場合には、調光レベル決定部12は、調光信号Vsi1,Vsi2に基づく調光制御を、季節に応じて、或いは天気の情報に応じて変更するようにしてもよい。例えば、同一時間帯であっても、夏場においては青っぽい色光等の比較的冷たく感じる光の光量を増大させ、冬場においては赤っぽい色光等の比較的暖かく感じる光の光量を増大させるようにしてもよい。調光レベル決定部12は、各種付加情報を組み合わせて用いて、きめ細やかな調光制御を行うことが可能である。これにより、演色性に優れた調光制御が可能である。
【0042】
このように、本実施の形態においては、調光信号の系統数よりも多い数の光源を調光制御可能にすることにより、簡単な調光操作によって太陽光と青空をイメージさせる照明や電球色の夜間照明などを任意に演出することが可能となるだけでなく、付加情報を利用することで、時間や、周囲環境や外部からの情報等に基づいて、ユーザの好みの演出法で自動的に照明を制御することが可能である。
(第2の実施の形態)
図4は第2の実施の形態を示すブロック図である。図4において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施の形態の照明装置40は付加情報発生部15に代えて付加情報発生部41を採用したものである。付加情報発生部41は、情報受信部42及び付加情報生成部43を有している。また、照明装置40は人感センサ45を有している。人感センサ45は、例えば、赤外線等を利用して、人が検知エリアに進入すると人感検知信号を出力することができるようになっている。
【0043】
情報受信部42は、人感センサ45からの人感検知信号を受信して付加情報生成部43に与える。付加情報生成部43は、人感検知信号に基づいて付加情報を生成し、生成した付加情報を調光レベル決定部12に出力するようになっている。
【0044】
このように構成された実施の形態においても、調光レベル決定部12は、調光信号Vsi1,Vsi2及び付加情報に基づいて、調光信号Vso1〜Vso5を発生する。例えば、調光レベル決定部12は、人感検知信号に基づく付加情報が入力されていない場合には、調光信号Vsi1,Vsi2のみに基づいて調光信号Vso1〜Vso5を発生する。この場合でも、調光操作に応じて、例えば、太陽光と青空をイメージさせる照明や電球色の夜間照明などを任意に演出することができる。
【0045】
ここで、人感センサ45によって、人の進入が検知され、人感検知信号が付加情報発生部41に出力されるものとする。そうすると、付加情報生成部43は、人が検知されたことを示す付加情報を調光レベル決定部12に出力する。調光レベル決定部12は、付加情報に基づいて、調光信号Vso1〜Vso5を修正する。例えば、調光レベル決定部12は、人感検知信号に基づく付加情報が入力されると、光源部14a〜14eの光量を増大させるように調光信号Vso1〜Vso5を修正する。これにより、人が検知エリアに進入すると、演色性を維持したまま、より明るい照明を行うことができる。
【0046】
また、例えば、調光レベル決定部12は、人感検知信号に基づく付加情報が入力されると、光源部14a〜14eにより青っぽい色光や赤っぽい色光等、ユーザの設定に応じた色光が放射されるように、調光信号Vso1〜Vso5を修正してもよい。これにより、人が検知エリアに進入すると、ユーザの希望に応じた演出が可能である。
【0047】
このように本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の効果が得られると共に、人感センサを利用することで、人が近接した場合とそうでない場合とで、異なる演出が可能である。
(第3の実施の形態)
図5は第3の実施の形態を示すブロック図である。図5において図4と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施の形態の照明装置50は付加情報発生部41に代えて付加情報発生部51を採用したものである。付加情報発生部51は、外部情報受信部52及び付加情報生成部53を有している。外部情報受信部52には、外部に設けられた人感センサ55からの人感検知信号を受信することができるようになっている。人感センサ55は、例えば、赤外線等を利用して、人が検知エリアに進入すると人感検知信号を出力することができるようになっている。
【0048】
外部情報受信部52は、人感センサ55からの人感検知信号を受信して付加情報生成部53に与える。付加情報生成部53は、人感検知信号に基づいて付加情報を生成し、生成した付加情報を調光レベル決定部12に出力するようになっている。
【0049】
このように構成された実施の形態においては、付加情報生成部53が、外部に設けられた人感センサ55の出力に基づいて付加情報を生成する点が第2の実施の形態と異なるのみである。
【0050】
このように本実施の形態においても、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態においては、人感センサは外部に配置することができるので、人感センサの配置位置の自由度が高い。このため、壁等の影響を受けることなく人が接近する前に事前に照明を変更する等の制御も可能である。
【0051】
また、図1では1台の人感センサのみを配置した例を示したが、本実施の形態においては、複数台の人感センサからの人感検知信号を外部情報受信部において受信するようになっていてもよい。この場合には、複数台の照明装置間において、連携した照明制御が可能である。例えば、連続的に配置した照明装置の照明色を、人の移動に連動させて順次変化させる等の制御も可能である。複数台の人感センサの出力を利用することで、人が検知エリアに入る前に人の進入を予測することもでき、より滑らかな制御が可能となる。例えば、1つの人感検知エリア内においても、演色方法を変化させることも可能である。
【0052】
なお、上記第2及び第3の実施の形態においては、人感センサの人感検知信号を付加情報に利用する例を示したが、照度センサ等の他のセンサの検知結果を付加情報に利用してもよいことは明らかである。
(第4の実施の形態)
図6は第4の実施の形態を示すブロック図である。図6において図5と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施の形態の照明装置60は付加情報発生部51に代えて付加情報発生部61を採用したものである。付加情報発生部61は、情報受信部62及び付加情報生成部63を有している。情報受信部62は、外部に設けられた回線接続部65からの情報を受信することができるようになっている。情報受信部62は受信した情報を付加情報生成部63に与える。付加情報生成部63は、入力された情報に基づいて付加情報を生成し、調光レベル決定部12に出力する。
【0053】
回線接続部65は、所定のネットワーク66に接続することができるようになっている。インターネット等のネットワーク66には、図示しないサーバ等が接続されており、回線接続部65は、各種サーバ等からの情報を取得して情報受信部62に出力することができるようになっている。例えば、回線接続部65は、ネットワーク66に接続されたサーバから天気情報を取得することもできる。この場合には、付加情報生成部63は、天気情報に基づく付加情報を調光レベル決定部12に出力することができる。
【0054】
このように構成された実施の形態においては、ネットワーク66上の各種サーバ等の情報が回線接続部65を介して情報受信部62に供給される。情報受信部62は受信した情報を付加情報生成部63に与える。付加情報生成部63は、入力された情報に基づく付加情報を生成して調光レベル決定部12に与える。これにより、調光レベル決定部12は、調光信号Vsi1,Vsi2だけでなく、ネットワーク66から取得した各種情報に基づく付加情報によって調光信号Vso1〜Vso5を生成することができる。
【0055】
これにより、調光レベル決定部12は、調光信号Vsi1,Vsi2に基づいて生成した調光信号Vso1〜Vso5を、ネットワーク66から取得した各種情報、例えば天気情報に応じて修正することができる。例えば、調光信号Vsi1,Vsi2に基づく光源部14a〜14eによる照明を、時々刻々変化する天気に応じて変化させることも可能である。
【0056】
このように本実施の形態においても、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。更に、本実施の形態においては、ネットワーク上の膨大な量の情報を利用することができ、ユーザが要求する様々な希望に応じた多彩な演出効果を期待することができる。
【0057】
以上本発明の実施形態を説明したが、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0058】
10…照明装置、11a,11b…調光信号受信部、12…調光レベル決定部、13a〜13e…駆動制御部、14a〜14e…光源部、15…付加情報発生部。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6