特許第6601293号(P6601293)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6601293
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20191028BHJP
   G05D 1/02 20060101ALI20191028BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   G06Q10/08 330
   G05D1/02 H
   A47L9/28 E
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-62784(P2016-62784)
(22)【出願日】2016年3月25日
(65)【公開番号】特開2017-174359(P2017-174359A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2018年7月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅彦
【審査官】 阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−251959(JP,A)
【文献】 特開2014−054335(JP,A)
【文献】 特開2009−023740(JP,A)
【文献】 特開2005−056177(JP,A)
【文献】 特開2008−077131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
A47L 9/28
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の管理対象物にそれぞれ付される記録媒体の識別情報を非接触通信にて読み取る非接触読取部を有する情報読取装置と、前記情報読取装置にて読み取った情報を管理する情報管理装置と、を備える情報管理システムであって、
所定の走行エリア内を自走することで前記複数の管理対象物にそれぞれ付される記録媒体の読み取りと異なる作業を行う自走式作業装置と、
前記情報読取装置にて読み取った情報の前記情報管理装置への送信を含めた所定の制御を行う制御装置と、
を備え、
前記情報読取装置は、前記自走式作業装置に組み付けられ
前記自走式作業装置は、走行位置に関する位置情報を取得する位置情報取得部を備え、
前記制御装置は、前記所定の制御として、前記非接触読取部により読み取られた読取結果と前記位置情報取得部により取得された位置情報とに基づいて、前記自走式作業装置の走行を制御し、
前記自走式作業装置による前記走行エリア内の走行に応じて、前記非接触読取部により読み取られた複数の前記識別情報が、読み取り時に前記位置情報取得部により取得された位置情報にそれぞれ関連付けられて記憶される記憶部を備え、
前記制御装置は、前記記憶部に事前の走行で記憶されている複数の前記識別情報のうち現在の走行で前記非接触読取部により読み取られていない識別情報に関連付けられる位置情報に対応する位置に向けて、前記自走式作業装置の走行を制御することを特徴とする情報管理システム。
【請求項2】
複数の管理対象物にそれぞれ付される記録媒体の識別情報を非接触通信にて読み取る非接触読取部を有する情報読取装置と、前記情報読取装置にて読み取った情報を管理する情報管理装置と、を備える情報管理システムであって、
所定の走行エリア内を自走することで前記複数の管理対象物にそれぞれ付される記録媒体の読み取りと異なる作業を行う自走式作業装置と、
前記情報読取装置にて読み取った情報の前記情報管理装置への送信を含めた所定の制御を行う制御装置と、
を備え、
前記情報読取装置は、前記自走式作業装置に組み付けられ
前記情報読取装置および前記制御装置を搭載した前記自走式作業装置を複数備え、
前記情報管理装置は、複数の前記制御装置からそれぞれ受信した情報に基づいて、複数の前記情報読取装置にて読み取った情報を管理し、前記自走式作業装置による前記走行エリア内の走行に応じて、前記非接触読取部により読み取られた複数の前記識別情報を記憶する識別情報記憶部と、前記識別情報記憶部に事前の走行で記憶されている複数の前記識別情報のうち現在の走行で前記非接触読取部により読み取られていない識別情報をリスト化して識別情報リストとして、複数の前記制御装置の少なくともいずれか1つに送信する読取指示部と、を備え、
前記識別情報リストを受信した前記制御装置は、当該識別情報リストによって特定される識別情報を読み取るように前記自走式作業装置の走行を制御することを特徴とする情報管理システム。
【請求項3】
前記識別情報リストには、前記識別情報に関連付けられて当該識別情報が記憶される前記記録媒体の位置を特定するための座標情報が含まれ、
前記識別情報リストを受信した前記制御装置は、当該識別情報リストに含まれる前記座標情報に対応する位置に向けて、前記自走式作業装置の走行を制御することを特徴とする請求項2に記載の情報管理システム。
【請求項4】
前記読取指示部は、前記識別情報記憶部に事前の走行で記憶されている複数の前記識別情報のうち現在の走行で前記非接触読取部により読み取られていない識別情報をリスト化して分割した前記識別情報リストを、複数の前記制御装置に対して個々に送信することを
特徴とする請求項2又は請求項3に記載の情報管理システム。
【請求項5】
複数の管理対象物にそれぞれ付される記録媒体の識別情報を非接触通信にて読み取る非接触読取部を有する情報読取装置と、前記情報読取装置にて読み取った情報を管理する情報管理装置と、を備える情報管理システムであって、
所定の走行エリア内を自走することで前記複数の管理対象物にそれぞれ付される記録媒体の読み取りと異なる作業を行う自走式作業装置と、
前記情報読取装置にて読み取った情報の前記情報管理装置への送信を含めた所定の制御を行う制御装置と、
を備え、
前記情報読取装置は、前記自走式作業装置に対して着脱可能に組み付けられ、当該自走式作業装置から取り外されたときに前記記録媒体の識別情報を非接触通信にて読み取り可能な携帯端末として機能することを特徴とする情報管理システム。
【請求項6】
前記情報読取装置は、電力供給源となる充電可能なバッテリを備え、
前記バッテリは、前記情報読取装置が組み付けられた状態の前記自走式作業装置により充電されることを特徴とする請求項5に記載の情報管理システム。
【請求項7】
複数の管理対象物にそれぞれ付される記録媒体の識別情報を非接触通信にて読み取る非接触読取部を有する情報読取装置と、前記情報読取装置にて読み取った情報を管理する情報管理装置と、を備える情報管理システムであって、
所定の走行エリア内を自走することで前記複数の管理対象物にそれぞれ付される記録媒体の読み取りと異なる作業を行う自走式作業装置と、
前記情報読取装置にて読み取った情報の前記情報管理装置への送信を含めた所定の制御を行う制御装置と、
所定の充電位置に移動した前記自走式作業装置を充電する充電装置と、
を備え、
前記情報読取装置は、前記自走式作業装置に組み付けられ
前記制御装置は、前記自走式作業装置が前記充電装置により充電される際に、前記情報管理装置と通信可能に有線接続されることを特徴とする情報管理システム。
【請求項8】
前記自走式作業装置は、当該自走式作業装置に対する相対位置を変更可能に前記情報読取装置を保持する保持部を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報管理システム。
【請求項9】
前記制御装置は、前記情報管理装置と無線通信するための無線通信部を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の情報管理システム。
【請求項10】
前記自走式作業装置は、前記記録媒体の読み取りと異なる作業として、前記走行エリア内を自走しながら清掃する作業を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、店舗内や倉庫内に置かれている商品や製品などの在庫の数量を数え、台帳やデータベースなどによって在庫管理することが行われている。このような在庫管理は、例えば、所定の日時ごとに店舗内や倉庫内を回って商品や製品などの個数を数えるという作業を伴うため、作業者等の人の手を介して行われることになる。また、特に、店舗内における商品管理においては、顧客が出入りしない閉店後の店舗等において行われるのが通常である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−317112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の在庫管理の方法では、作業者の目視による商品等の所在の確認やコンピュータへの情報入力等を行う必要があり、これらの作業に多大な労力を要するといった問題があった。特に、在庫管理においては情報の更新の頻度の多さが重要であるが、毎日のように頻繁に在庫管理を行うことはより多大な労力と時間を要することになってしまう。
【0005】
所定の対象物を自動的に管理する方法としては、例えば、特許文献1に開示される自走式装置がある。この自走式装置は、室内の床面上を自律走行して、ペットなどの管理対象物に取り付けられたICタグを読み取ると、その管理対象物をカメラで撮像する。そして、自走式装置は、管理対象物の撮像画像をICタグを読み取った時間や位置の情報とともにユーザが所持する端末に送信するように構成されている。
【0006】
そこで、特許文献1に開示される自走式装置を在庫管理に利用し、管理対象物である商品や製品にICタグを取り付けて、自走式装置によってこれらICタグを読み取る構成が考えられる。しかしながら、特許文献1の自走式装置では、ICタグを読み取った際に管理対象物に関する情報を送信するのみであり、管理対象物に関する情報のデータベース化を行うこともなく、このような情報の更新処理を行うという概念もない。そのため、在庫管理を行おうとした場合、ユーザが識別情報や撮像画像などに基づいてコンピュータにこれらの情報を入力することになり、人手が必要となってしまう。また、特許文献1の自走式装置では、識別情報を取得した後にカメラの角度等を調整する処理が行われるため、これらの処理の後の情報送信では迅速な情報送信も難しくなる。特に、毎日のように頻繁に在庫管理を行うことで管理対象物に関する信頼性の高いデータを取得するような場合には、ある程度の人手を要することとなり、データベースの更新においても多くの時間を費やすことになってしまう。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、複数の管理対象物にそれぞれ付される記録媒体の識別情報を人手をかけることなく容易に読取可能な構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、複数の管理対象物(60)にそれぞれ付される記録媒体(100)の識別情報を非接触通信にて読み取る非接触読取部(33)を有する情報読取装置(30)と、前記情報読取装置にて読み取った情報を管理する情報管理装置(50)と、を備える情報管理システム(10)であって、所定の走行エリア(AR2)内を自走することで前記複数の管理対象物にそれぞれ付される記録媒体の読み取りと異なる作業を行う自走式作業装置(20)と、前記情報読取装置にて読み取った情報の前記情報管理装置への送信を含めた所定の制御を行う制御装置(40)と、を備え、前記情報読取装置は、前記自走式作業装置に組み付けられ、前記自走式作業装置は、走行位置に関する位置情報を取得する位置情報取得部を備え、前記制御装置は、前記所定の制御として、前記非接触読取部により読み取られた読取結果と前記位置情報取得部により取得された位置情報とに基づいて、前記自走式作業装置の走行を制御し、前記自走式作業装置による前記走行エリア内の走行に応じて、前記非接触読取部により読み取られた複数の前記識別情報が、読み取り時に前記位置情報取得部により取得された位置情報にそれぞれ関連付けられて記憶される記憶部を備え、前記制御装置は、前記記憶部に事前の走行で記憶されている複数の前記識別情報のうち現在の走行で前記非接触読取部により読み取られていない識別情報に関連付けられる位置情報に対応する位置に向けて、前記自走式作業装置の走行を制御することを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、複数の管理対象物にそれぞれ付される記録媒体の識別情報を非接触通信にて読み取る情報読取装置と別に、所定の走行エリア内を自走することで上記記録媒体の読み取りと異なる作業を行う自走式作業装置を備える構成となっている。そして、制御装置により、情報読取装置にて読み取った情報が情報管理装置に送信される。そして、情報読取装置は、自走式作業装置に組み付けられている。
【0010】
このような構成によって、情報読取装置は、自走式作業装置の走行エリア内の走行に伴って移動するため、管理対象物にそれぞれ付された記録媒体の識別情報を自動的に読み取ることができる。そのため、情報読取装置を携帯した作業者が各管理対象物が配置されるエリア内を歩き回ってそれぞれの管理対象物に付される記録媒体を読み取る必要がなく、人手を介さずに複数の記録媒体の読み取りを容易に行うことができる。
【0011】
さらに、非接触読取部により読み取られた読取結果と位置情報取得部により取得された位置情報とに基づいて、制御装置により、自走式作業装置の走行が制御される。これにより、未読の識別情報が記録される記録媒体の位置を特定できるだけでなく、その未読の記録媒体の位置に向けて自走式作業装置を走行させることで、未読だった識別情報を読み取る可能性を高めることができる。
【0012】
特に、自走式作業装置による前記走行エリア内の走行に応じて、非接触読取部により読み取られた複数の識別情報が、読み取り時に位置情報取得部により取得された位置情報にそれぞれ関連付けられて記憶部に記憶される。そして、制御装置により、記憶部に事前の走行で記憶されている複数の識別情報のうち現在の走行で非接触読取部により読み取られていない識別情報に関連付けられる位置情報に対応する位置に向けて、自走式作業装置の走行が制御される。これにより、現在未読となっている記録媒体の位置が明確となるので、未読だった識別情報を読み取る可能性をより高めることができる。
【0013】
請求項の構成では、複数の自律式作業装置によって走行エリア内を分担して走行することができ、1つの自律作業装置によって走行エリア内を走行する場合に比べて、非接触読取部により読み取られる読取結果をより短時間で効率的に取得することができる。
【0014】
特に、複数の制御装置からそれぞれ受信した情報に基づいて、複数の情報読取装置にて読み取った情報を識別情報記憶部に記憶して管理することができ、集約した情報から識別情報に読み落としや欠落を判断することができる。そして、リスト化された読み落としや欠落の識別情報(識別情報リスト)に基づいていずれかの自律式作業装置の走行を制御することで、未読だった識別情報をより効率的に読み取ることができる。
【0015】
請求項の構成では、未読の識別情報が記録される記録媒体の位置を座標情報に基づいて特定することができ、その未読の記録媒体の位置に向けていずれかの自走式作業装置を走行させることで、未読だった識別情報を効率的に読み取ることができる。
【0016】
請求項の構成では、読み落としや欠落した識別情報をリスト化して分割した識別情報リストに基づいて個々の制御装置を制御することができ、これら識別情報が記録される複数の記録媒体を分担して非接触読取部により読み取ることができる。そのため、未読だった識別情報をより短時間で効率的に取得することができる。
【0017】
請求項8の構成では、自走式作業装置に対する情報読取装置の相対位置を変更することで、非接触通信に利用するアンテナの方向を変更することができる。このため、自走式作業装置の走行に伴ってアンテナの方向を変更しながら記録媒体の識別情報を読み取ることで、アンテナの方向を変更しない場合と比較して、記録媒体の識別情報を読み取り易くすることができる。
【0018】
請求項の構成では、情報読取装置を自走式作業装置に組み付けて使用する場合と、情報読取装置単独で使用する場合と、を使い分けることができ、利便性を向上させることができる。
【0019】
請求項の構成では、自走式作業装置を情報読取装置の充電装置として利用することができる。このため、情報読取装置を自走式作業装置からの電力供給を利用して動作させることができ、情報読取装置のバッテリ残量などを気にすることがなく、利便性を向上させることができる。
【0020】
請求項の構成では、制御装置は、自走式作業装置が充電装置により充電される際に、情報管理装置と通信可能に有線接続されるため、自走式作業装置とともに情報読取装置および制御装置が移動する構成であっても、読み取った識別情報等を電波状態などにかかわらず情報管理装置に対して安定して送信することができる。
【0021】
請求項の構成では、制御装置は、自走式作業装置の走行中であっても情報管理装置と無線通信を行うことができ、リアルタイムに読取結果を情報管理装置とやり取りすることが可能となる。
【0022】
請求項10の構成では、自走式作業装置を、走行エリア内を清掃する装置として利用するだけでなく、情報読取装置を移動させて記録媒体の読み取りを自動的に行わせる装置として利用することができる。このため、情報読取装置を移動させるための装置を別途用意する必要も無いので、記録媒体の読み取りを自動的に行う装置およびそのシステムを安価に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態に係る情報管理システムを概略的に説明する説明図である。
図2図1の掃除ロボットを概略的に説明する説明図である。
図3図1の掃除ロボット、情報読取装置、及び制御装置の電気的構成を例示するブロック図である。
図4図4(A)は、図3の非接触通信部を概略的に例示するブロック図であり、図4(B)は、図4(A)の無線タグを概略的に例示するブロック図である。
図5図1の情報管理装置の電気的構成を例示するブロック図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る制御装置で行われる読取データ送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図7図7(A)は、店舗内の走行エリアを掃除ロボットが走行したときの走行経路の例を概念的に説明する説明図であり、図7(B)は、図7(A)の走行経路の走行で読み落とした無線タグを読み取るために再読取エリアが設定された例を概念的に説明する説明図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る情報管理装置で行われる処理の流れを例示するフローチャートである。
図9】情報管理装置に記憶される棚卸データベースの一例を概念的に説明する説明図である。
図10】本発明の第3実施形態に係る制御装置で行われる読取データ送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図11】本発明の第3実施形態の変形例に係る情報管理システムが適用された店舗内において、分割された走行エリアを複数の掃除ロボットがそれぞれ走行する例を概念的に説明する説明図である。
図12】本発明の他の実施形態に係る掃除ロボットを概略的に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る情報管理システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す情報管理システム10は、複数の管理対象物にそれぞれ付される記録媒体の識別情報を非接触通信にて読み取ることで各管理対象物を管理するシステムである。本実施形態では、棚卸し対象となる各管理対象物60に対してそれぞれ無線タグ(記録媒体)100が付されており、各管理対象物60に記録される識別情報を情報読取装置によって非接触通信にて読み取ることで棚卸作業を行うシステムとして本実施形態に係る情報管理システム10が採用されている。
【0025】
この情報管理システム10は、図1に示すように、自走式作業装置として構成される掃除ロボット20と、掃除ロボット20に搭載される情報読取装置30および制御装置40と、情報読取装置30にて読み取った情報等を管理する情報管理装置50と、を備えている。そして情報管理システム10が適用される店舗内では、棚卸し対象となる各管理対象物60がそれぞれ所定の店舗什器にて陳列されており、各管理対象物60には、当該管理対象物60を特定するための識別情報、例えば、その商品としての種類を識別するための識別情報を記憶した無線タグ100がそれぞれ付されている。また、この店舗内には、掃除ロボット20が自走する室内の床面上等における所定のエリア(以下、走行エリアAR2ともいう)の隅部近傍に、掃除ロボット20を充電するための充電装置70が配置されている。なお、図1では、便宜上、1つの無線タグ100が管理対象物60に対して付されている状態を図示しており、他の無線タグ100等の図示を省略している。
【0026】
図1に示すように、掃除ロボット20は、上記走行エリアAR2内を自走しながら清掃する作業を行う自走式の作業装置であって、その走行エリアAR2の清掃に適した所定の走行パターンに基づいて自律走行するように構成されている。この掃除ロボット20は、図2に示すように、その上面に、情報読取装置30を着脱可能に保持する保持部28が設けられており、情報読取装置30を保持部28にて保持した状態で走行可能に構成されている。
【0027】
図3に示すように、掃除ロボット20には、掃除ロボット20全体を制御する制御部21が設けられている。この制御部21は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、メモリ22とともに情報処理装置を構成している。メモリ22には、上記所定の走行パターンに基づいて自律走行するための走行処理等を実行するための所定のプログラム等が制御部21により実行可能に予め格納されている。
【0028】
また、制御部21には、駆動部23、外部インタフェース24、操作部25、電源部26などが接続されている。駆動部23は、複数の駆動輪23aや各駆動輪23aに駆動力を伝達するモータ等を備え、制御部21によって制御されて、各駆動輪23aを回転させることで、掃除ロボット20の前進、後進、回転などの上記所定の走行パターンを実現する公知の走行手段として機能するものである。外部インタフェース24は、制御装置40などの外部機器との間で無線または有線にて通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部21と協働して通信処理を行う構成をなしている。操作部25は、制御部21に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部21は、この操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行う。
【0029】
電源部26は、電力供給源となるバッテリ27からの電力を制御部21や各種電気部品に供給するように構成されている。本実施形態では、掃除ロボット20が充電装置70に対して所定の充電位置まで走行することで、充電装置70によりバッテリ27が充電可能な状態となる。また、電源部26は、バッテリ27から供給される電力を利用して保持部28により保持される情報読取装置30や制御装置40を充電可能に構成されている。
【0030】
次に、情報読取装置30について、図3等を用いて説明する。
情報読取装置30は、棚卸し対象となる各管理対象物60に対してそれぞれ付されている無線タグ100の識別情報を非接触通信にて読み取る装置である。この情報読取装置30は、保持部28により保持された状態にて掃除ロボット20の走行に応じて移動している状態だけでなく、保持部28から取り外された状態においても、無線タグ100に記憶される識別情報を読み取り可能な携帯端末として機能する。
【0031】
図3に示すように、情報読取装置30には、情報読取装置30全体を制御する制御部31が設けられている。この制御部31は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、メモリ32とともに情報処理装置を構成している。メモリ32には、非接触通信部33を利用した非接触通信処理等を実行するための所定のプログラム等が制御部31により実行可能に予め格納されている。
【0032】
また、制御部31には、非接触通信部33、外部インタフェース35、操作部36、表示部37、電源部38などが接続されている。外部インタフェース35は、制御装置40などの外部機器との間で無線等にて通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部31と協働して通信処理を行う構成をなしている。操作部36は、制御部31に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部31は、この操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行う。表示部37は、制御部31によって制御されて、読取結果等を表示画面に表示するように構成されている。
【0033】
電源部38は、電力供給源となるバッテリ39からの電力を制御部31や各種電気部品に供給するように構成されている。特に、本実施形態では、情報読取装置30が保持部28により保持された状態にて、掃除ロボット20から供給される電力によりバッテリ39が充電されるように構成されている。
【0034】
非接触通信部33は、アンテナ34および制御部31と協働して無線タグ100との間で電磁波による非接触通信を行ない、無線タグ100に記憶される識別情報等のデータの読み取り、或いは無線タグ100に対するデータの書込みを行なう非接触読取部として機能するものである。この非接触通信部33は、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、図4(A)にて概略的に示すように、送信回路33a、受信回路33b、整合回路33cなどを有している。
【0035】
送信回路33aは、キャリア発振器、符号化部、増幅器、送信部フィルタ、変調部などによって構成されており、キャリア発振器から所定の周波数のキャリア(搬送波)が出力される構成をなしている。また、符号化部は、制御部31に接続されており、当該制御部31より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)、及び符号化部からの送信データが入力される部分であり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を所定のゲインで増幅し、その増幅信号を送信部フィルタに出力しており、送信部フィルタは、増幅器からの増幅信号をフィルタリングした送信信号を、整合回路33cを介してアンテナ34に出力している。このようにしてアンテナ34に送信信号が出力されると、その送信信号が送信電波として当該アンテナ34より外部に放射される。
【0036】
一方、アンテナ34によって受信された応答信号は、整合回路33cを介して受信回路33bに入力される。この受信回路33bは、受信部フィルタ、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部などによって構成されており、アンテナ34を介して受信された応答信号を受信部フィルタによってフィルタリングした後、増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調する。そして、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化し、復号化部にて復号化した後、その復号化された信号を受信データとして制御部31に出力している。
【0037】
ここで、無線タグ100の電気的構成について、図4(B)を参照して説明する。
図4(B)に示すように、無線タグ100は、アンテナ101,電源回路102,復調回路103,制御部104,メモリ105,変調回路106などによって構成されている。電源回路102は、アンテナ101を介して受信した情報読取装置30からの送信信号(キャリア信号)を整流、平滑して動作用電源を生成するものであり、その動作用電源を、制御部104をはじめとする各構成要素に供給している。
【0038】
また、復調回路103は、送信信号(キャリア信号)に重畳されているデータを復調して制御部104に出力している。メモリ105は、ROM,EEPROM等の各種半導体メモリによって構成されており、当該無線タグ100が付される管理対象物60を特定するための固有の識別番号や所定の制御プログラムなどが記憶されている。制御部104は、メモリ105から上記識別番号等を読み出し、それを送信データとして変調回路106に出力する構成をなしており、変調回路106は、応答信号(キャリア信号)を当該送信データで負荷変調してアンテナ101から反射波として送信するように構成されている。
【0039】
本実施形態では、上述のように構成される情報読取装置30を保持部28にて保持した状態にて掃除ロボット20が走行するので、情報読取装置30は、上記走行エリアAR2内にて陳列(配置)される各管理対象物60の無線タグ100を掃除ロボット20の走行に応じて移動しながら読み取ることとなる。このため、棚卸し対象となる各管理対象物60は、上記走行エリアAR2内を走行する掃除ロボット20に搭載された情報読取装置30にて読み取り可能な管理エリアAR1内に陳列(配置)されている必要がある(図1参照)。
【0040】
次に、制御装置40について、図3等を用いて説明する。
制御装置40は、掃除ロボット20に搭載されており、掃除ロボット20および情報読取装置30の一部機能を制御可能であって、情報読取装置30にて読み取った情報の情報管理装置50への送信を含めた所定の制御を行うコントローラとして機能するように構成されている。
【0041】
図3に示すように、制御装置40には、制御装置40全体を制御する制御部41が設けられている。この制御部41は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、メモリ42とともに情報処理装置を構成している。メモリ42は、「記憶部」の一例に相当し、情報読取装置30によって読み取られた識別情報等が順次記憶されるデータベースが構築され、情報読取装置30によって読み取られた識別情報等を情報管理装置50に送信するための所定のプログラム等が制御部41により実行可能に予め格納されている。
【0042】
また、制御部41には、外部インタフェース43、電源部44などが接続されている。外部インタフェース43は、掃除ロボット20や情報読取装置30、情報管理装置50などの外部機器との間で無線または有線にて通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部41と協働して通信処理を行う構成をなしている。電源部44は、電力供給源となるバッテリ45からの電力を制御部41や各種電気部品に供給するように構成されている。本実施形態では、掃除ロボット20から供給される電力によりバッテリ45が充電されるように構成されている。
【0043】
次に、情報管理装置50について、図1および図5を用いて説明する。
情報管理装置50は、制御装置40から受信した棚卸作業用の読取データを用いて棚卸処理を行う機能を有するもので、店舗内における所定位置(例えば、管理エリアAR1の外部に位置する管理部屋内等)に配置されている。
【0044】
図5に示すように、情報管理装置50には、情報管理装置50全体を制御する制御部51が設けられている。この制御部51は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、メモリ52とともに情報処理装置を構成している。メモリ52は、「記憶部」の一例に相当し、棚卸処理を行うための所定のプログラム等が制御部51により実行可能に予め格納されるとともに、制御装置40から受信した棚卸作業用の読取データが順次記憶される棚卸データベースが構築されている。
【0045】
また、制御部51には、外部インタフェース53、操作部54、表示部55、電源部56などが接続されている。外部インタフェース53は、制御装置40などの外部機器との間で有線または無線にて通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部51と協働して通信処理を行う構成をなしている。特に、本実施形態では、情報管理装置50は、掃除ロボット20が充電装置70により充電される際に、制御装置40と外部インタフェース53を介して通信可能に有線接続されるようになっている。このため、充電装置70には、情報管理装置50に有線接続するための接続ポート(図示略)が、掃除ロボット20(制御装置40)側の接続ポート(図示略)に対応するように設けられている。
【0046】
操作部54は、制御部51に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部51は、この操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行う。表示部55は、制御部51によって制御されて、棚卸結果等を表示画面に表示するように構成されている。電源部56は、外部の商用電源等からの電力を制御部51や各種電気部品に供給するように構成されている。
【0047】
このように構成される情報管理システム10では、掃除ロボット20が所定のタイミングにて清掃作業を開始する際に、情報読取装置30を起動させて無線タグ100を読み取り可能な状態にする。これにより、情報読取装置30は、掃除ロボット20の走行エリアAR2内の走行に伴って移動するため、上記管理エリアAR1内に配置される管理対象物60に付された無線タグ100の識別情報を自動的に読み取ることができる。
【0048】
そして、掃除ロボット20が清掃作業を終えて上記所定の充電位置に戻ることで、制御装置40は、情報読取装置30にて読み取った識別情報等を、棚卸作業用の読取データとして外部インタフェース43を介して有線接続された情報管理装置50に送信する。これにより、情報管理装置50では、掃除ロボット20が清掃作業を開始してから上記所定の充電位置に戻るまで走行エリアAR2内を1回走行するごとに、棚卸し処理のための識別情報等を取得することができる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態に係る情報管理システム10では、複数の管理対象物60にそれぞれ付される無線タグ100の識別情報を非接触通信にて読み取る情報読取装置30と別に、所定の走行エリアAR2内を自走することで上記無線タグ100の読み取りと異なる作業を行う掃除ロボット20を備える構成となっている。そして、制御装置40により、情報読取装置30にて読み取った情報が情報管理装置50に送信される。そして、情報読取装置30は、掃除ロボット20に組み付けられている。
【0050】
このような構成によって、情報読取装置30は、掃除ロボット20の走行エリアAR2内の走行に伴って移動するため、管理対象物60にそれぞれ付された無線タグ100の識別情報を自動的に読み取ることができる。そのため、情報読取装置を携帯した作業者が上記管理エリアAR1内を歩き回ってそれぞれの管理対象物60に付される無線タグ100を読み取る必要がなく、人手を介さずに複数の無線タグ100の読み取りを容易に行うことができる。
【0051】
また、情報読取装置30は、掃除ロボット20の保持部28にて着脱可能に保持されているため、情報読取装置30を掃除ロボット20に組み付けて使用する場合と、情報読取装置30単独で使用する場合と、を使い分けることができ、利便性を向上させることができる。
【0052】
また、情報読取装置30のバッテリ39は、保持部28に保持された状態にて掃除ロボット20により充電されるため、掃除ロボット20を情報読取装置30の充電装置として利用することができる。このため、情報読取装置30を掃除ロボット20からの電力供給を利用して動作させることができ、情報読取装置30のバッテリ残量などを気にすることがなく、利便性を向上させることができる。
【0053】
また、制御装置40は、掃除ロボット20が充電装置70により充電される際に、情報管理装置50と通信可能に有線接続されるため、掃除ロボット20とともに情報読取装置30および制御装置40が移動する構成であっても、読み取った識別情報等を電波状態などにかかわらず情報管理装置50に対して安定して送信することができる。
【0054】
また、掃除ロボット20を、走行エリアAR2内を清掃する装置として利用するだけでなく、情報読取装置30を移動させて無線タグ100の読み取りを自動的に行わせる装置として利用することができる。このため、情報読取装置30を移動させるための装置を別途用意する必要も無いので、無線タグ100の読み取りを自動的に行う装置およびそのシステムを安価に実現することができる。
【0055】
なお、情報読取装置30は、掃除ロボット20に対して着脱可能に組み付けられることで、上記管理エリアAR1内を移動することに限らず、例えば、所定の物品を搬送する搬送機等、無線タグ100の読み取りと異なる作業を行う自走式作業装置に対して着脱可能に組み付けられてもよい。
【0056】
[第2実施形態]
次に、本第2実施形態に係る情報管理システムについて、図6図9を参照して説明する。
本第2実施形態では、無線タグ100の読み落としを抑制するために制御装置40が掃除ロボット20の走行を制御する点が、上記第1実施形態に係る情報管理システムと主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
上記第1実施形態のように走行する掃除ロボット20とともに情報読取装置30が移動しながら無線タグ100を自動的に読み取る構成では、清掃時の1回の走行だけでは、管理対象物60の陳列状態や電波状態、掃除ロボット20の走行状態によっては、一部の無線タグ100を読み落としてしまう可能性がある。
【0058】
そこで、本実施形態では、無線タグ100の読み落としを抑制するため、制御装置40の制御部41により行われる読取データ送信処理に応じて、掃除ロボット20の走行が制御される。このため、掃除ロボット20では、制御部21により、上記所定の充電位置を原点として、各駆動輪23aの駆動状態等に基づいて、上記所定の充電位置に対する掃除ロボット20の相対位置、すなわち、掃除ロボット20の走行位置が算出される。このように算出された走行位置に関する情報(以下、走行位置情報ともいう)は、制御装置40からの要求時または所定のタイミングにて、走行位置情報として外部インタフェース24を介して制御装置40に送信される。なお、制御部21は、「位置情報取得部」の一例に相当し得る。
【0059】
また、制御部21は、清掃作業開始時に、制御装置40により上記読取データ送信処理を実施させるための起動指示を当該制御装置40に対して外部インタフェース24を介して送信するように機能する。また、制御部21は、清掃作業を終えて上記所定の充電位置に戻った時に、清掃作業が終了したことを示す作業終了情報を該制御装置40に対して外部インタフェース24を介して送信するように機能する。
【0060】
そして、情報読取装置30は、制御装置40から起動指示を受信することで、無線タグ100を非接触通信処理にて読み取り可能な状態に移行する。このため、掃除ロボット20の走行中に制御部31にてなされる読取処理では、非接触通信部33にて読み取った無線タグ100の識別情報が外部インタフェース35を介し制御装置40に対して順次送信される。また、情報読取装置30は、制御装置40から読取終了指示を受信することで、非接触通信部33を利用した非接触通信処理を停止する。
【0061】
そして、制御装置40は、制御部41によりなされる上記読取データ送信処理により、情報読取装置30から取得した識別情報と掃除ロボット20から取得した走行位置情報とを関連付けた棚卸作業用の読取データを情報管理装置50に送信し、情報管理装置50からの指示に応じて掃除ロボット20の走行を制御する。また、制御装置40は、掃除ロボット20から上記起動指示を受信することで、上記起動指示を情報読取装置30に対して送信し、掃除ロボット20から上記作業終了情報を受信することで、上記読取終了指示を情報読取装置30に対して送信する。
【0062】
そして、情報管理装置50では、制御装置40から棚卸作業用の読取データを受信すると、販売結果等に基づいて読み取れないことが確定している識別情報を除き、事前の棚卸作業時に読み取られ現在(今回)の棚卸作業時に読み取られなかった識別情報を、必要に応じて未読識別情報として抽出する。ここで、事前の棚卸作業時に読み取られた識別情報とは、掃除ロボット20における前回の所定の走行パターンに基づく走行処理を行う時に読み取られた識別情報である。なお、事前の棚卸作業時に読み取られた識別情報は、このような前回の走行処理時に読み取られた識別情報のみに限らず、前回以前の前々回等の走行処理時に読み取られた識別情報を含めてもよい。このように抽出された未読識別情報に対応する走行位置情報に基づいて、未読識別情報を読み取るために掃除ロボット20が走行すべき再読取エリアが設定されると、この再読取エリアに関する情報が制御装置40に対して送信される。
【0063】
以下、本実施形態において、掃除ロボット20による清掃作業時に、制御装置40の制御部41で行われる読取データ送信処理について、図6に示すフローチャートを用いて詳述する。
充電装置70に対して充電位置(図7の位置A参照)に位置していた掃除ロボット20が清掃作業を開始するために起動すると、掃除ロボット20から制御装置40に対して起動指示が送信され、この起動指示が外部インタフェース43を介して受信される(ステップS101)。続いて、情報読取装置30に対して読取処理を開始する起動指示が送信される(S102)。これにより、情報読取装置30は、非接触通信部33を利用した非接触通信処理が可能な状態となる。また、掃除ロボット20は、清掃作業のため、例えば、図7の走行ラインL1となるように自走する。なお、図7では、便宜上、掃除ロボット20等の図示を省略している。
【0064】
次に、ステップS103の判定処理にて、情報読取装置30によって読み取られた識別情報を受信したか否かについて判定される。すなわち、情報読取装置30との非接触通信により読み取られた無線タグ100に記録された識別情報を、情報読取装置30から受信したか否かについて判定され、識別情報を受信するまでS103でのNoとの判定が繰り返される。
【0065】
一方で、識別情報を受信したと判定される場合、例えば、掃除ロボット20が図7(A)の位置Bを走行している時に、情報読取装置30により無線タグ100が読み取られることで情報読取装置30から識別情報「ABCDE」を受信した場合、上記ステップS103にてYesと判定される。この場合には、位置情報取得処理がなされ、この時点で掃除ロボット20から受信した上記走行位置情報が無線タグ100を読み取った位置に関連する位置情報として取得される(S104)。例えば、上述した識別情報「ABCDE」を読み取った場合、位置情報として位置Bの座標(0,200)が取得される。
【0066】
続いて、情報読取装置30から受信した識別情報と上記S104で取得した位置情報とが対応付けられて棚卸作業用の読取データとしてメモリ42のデータベースに記憶される(S105)。例えば、上述のように識別情報「ABCDE」を読み取った場合には、その識別情報「ABCDE」と位置情報(0,200)とが対応付けられてメモリ42のデータベースに記憶される。なお、複数の識別情報を一括して読み取った場合には、これら複数の識別情報に対して同一の位置情報が対応付けられてメモリ42のデータベースに記憶される。
【0067】
次に、ステップS106の判定処理にて、掃除ロボット20から上記作業終了情報を受信したか否かついて判定される。ここで、掃除ロボット20が清掃作業を終えていないことから上記作業終了情報を受信していない場合には(S106でNo)、上記ステップS103からの処理がなされる。
【0068】
一方、掃除ロボット20が清掃作業を終えたために上記所定の充電位置に戻ることで、掃除ロボット20からの上記作業終了情報を受信すると、ステップS106にてYesと判定される。この状態では、外部インタフェース43を介して情報管理装置50と有線接続された状態となっているため、メモリ42のデータベースに記憶される棚卸作業用の読取データが、外部インタフェース43を介して情報管理装置50に送信される(S107)。この送信に応じて、情報管理装置50から後述する終了指示が受信されると(S108でYes)、情報読取装置30に対して読取処理を停止するための読取終了指示が送信され(S109)、本読取データ送信処理が終了する。上記読取終了指示を受信した情報読取装置30では、非接触通信部33を利用した非接触通信処理が停止される。
【0069】
一方、上記送信に応じて、情報管理装置50から後述するように設定された再読取エリアに関する情報を受信すると(S108でNo)、その再読取エリアを走行するための走行指示が掃除ロボット20に送信され(S110)、上記ステップS103からの処理がなされる。
【0070】
ここで、上述のように制御装置40から棚卸作業用の読取データを受信した情報管理装置50の制御部51で行われる処理について図8に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、上述のように制御装置40から棚卸作業用の読取データが外部インタフェース53を介して受信すると(S201)、販売結果等に基づいて読み取れないことが確定している識別情報を除き、受信した棚卸作業用の読取データとメモリ52に記憶される事前の棚卸作業用の読取データとを比較することで、読み取られなかった無線タグ100があるか否かについて判定される(S202)。そして、読み取られなかった無線タグ100がないと判定される場合には(S202でNo)、制御装置40に対して終了指示が送信される(S203)。これにより、情報管理装置50から終了指示を受信した制御装置40では、その読取データ送信処理が終了する。
【0071】
一方、読み取られなかった無線タグ100があると判定される場合には(S202でYes)、抽出した未読識別情報に対応する走行位置情報に基づいて、未読識別情報を読み取るために掃除ロボット20が走行すべき再読取エリアSが設定される(S204)。例えば、図9に例示するように、事前に図7(B)の位置C(0,900)にて読み取られていた識別情報「CDEFG」と図7(B)の位置D(5,910)にて読み取られていた識別情報「DEFGH」がともに現在読み取られていない場合には(S202でYes)、事前の識別情報「CDEFG」に対応する位置情報(0,900)と事前の識別情報「DEFGH」に対応する位置情報(5,910)とに基づいて、図7(B)に例示するように、全ての位置が含まれる再読取エリアSが設定される(S204)。そして、このように設定された再読取エリアSに関する情報が制御装置40に対して送信される(S205)。なお、図9では、識別情報「ABCDE」が管理対象物60を特定する商品コード「1234567890」に予め対応付けられて登録され、識別情報「BCDEF」が商品コード「2345678901」に予め対応付けられて登録され、識別情報「CDEFG」が商品コード「3456789012」に予め対応付けられて登録され、識別情報「DEFGH」が商品コード「4567890123」に予め対応付けられて登録される状態を例示している。
【0072】
制御装置40では、上記読取データ送信処理において、情報管理装置50から上述のように設定された再読取エリアSに関する情報を受信すると(S108でNo)、その再読取エリアSを走行するための走行指示が掃除ロボット20に対して送信される(S110)。この走行指示を受信した掃除ロボット20は、事前に識別情報「CDEFG」および「DEFGH」を読み取った位置(再読取エリアS)に向かうこととなるため、未読だった識別情報を読み取る可能性を高めることができる。特に、未読だった識別情報を読み取る可能性をさらに高めるため、掃除ロボット20を再読取エリアS内にて蛇行等させてもよい。そして、再読取エリアS内での走行時間が所定の時間を経過するまで上記ステップS103からの処理を繰り返し、上記所定の時間を経過すると、作業終了情報を受信したとみなしてステップS106にてYesと判定してステップS107以降の処理を行う。
【0073】
以上説明したように、本実施形態に係る情報管理システム10では、情報読取装置30から受信した識別情報と上記S104で取得した位置情報とに基づいて、情報管理装置50から再読取エリアSに関する情報を受信した制御装置40により、掃除ロボット20の走行が制御される。これにより、未読の識別情報が記録される無線タグ100の位置を特定できるだけでなく、その未読の無線タグ100の位置に向けて掃除ロボット20を走行させることで、未読だった識別情報を読み取る可能性を高めることができる。
【0074】
特に、掃除ロボット20により上記走行エリアAR2内を1回走行するごとに、情報読取装置30から受信した複数の識別情報が、その読み取り時に上記S104で取得した位置情報にそれぞれ関連付けられてメモリ42やメモリ52のデータベースに記憶される。そして、メモリ52に事前に記憶されている複数の識別情報のうち現在読み取られていない識別情報に関連付けられる位置情報に対応する位置(再読取エリアS)に向けて、制御装置40により、掃除ロボット20の走行が制御される。これにより、現在未読となった無線タグ100の位置が明確となるので、未読だった識別情報を読み取る可能性をより高めることができる。
【0075】
なお、本実施形態では、制御装置40は、情報管理装置50から受信する読取結果情報(現在の走行で読み取りが行われなかった無線タグ100に関する位置情報)に基づいて、掃除ロボット20の走行を制御する構成を例示したが、これに限らず、メモリ42に記憶される読取結果情報(現在の走行で読み取りが行われなかった無線タグ100に関する位置情報)に基づいて、掃除ロボット20の走行を制御する構成であってもよい。
【0076】
[第3実施形態]
次に、本第3実施形態に係る情報管理システムについて、図10を参照して説明する。
本第3実施形態では、掃除ロボット20が上記所定の充電位置に戻る前に無線タグ100の読み落としを検出すると、その読み落とした無線タグ100の位置に向けて走行するように掃除ロボット20を制御する点が、上記第2実施形態に係る情報管理システムと主に異なる。したがって、第2実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0077】
本実施形態では、制御装置40は、無線通信部として機能させた外部インタフェース43を利用した無線通信により、棚卸作業用の読取データを情報管理装置50に対して所定の送信タイミングにて送信し、この送信に応じて情報管理装置50から再読取エリアS等を受信可能に構成される。すなわち、制御装置40は、掃除ロボット20が充電装置70により充電されている状態における有線通信だけでなく、無線通信を利用して情報管理装置50と通信することができる。
【0078】
以下、情報管理装置50と無線通信可能な制御装置40で行われる読取データ送信処理について図10に示すフローチャートを用いて説明する。
S101〜S105までの処理は、上記第1実施形態のS101〜S105の処理と同じであり、説明を省略する。S105の処理の後、ステップS301の判定処理にて、所定数の無線タグ100の読み取りが終了したか否かについて判定される。例えば、読み取り予定数の90%を所定数として予めメモリ42に記憶させておき、このような所定数の無線タグ100の読み取りが終了したか否かについて判定する。ここで、所定数の無線タグ100の読み取りが終了しておらず(S301でNo)、掃除ロボット20からの上記作業終了情報を受信していない場合には(S106でNo)、上述したS103以降の処理がなされ、情報読取装置30による読取処理が継続される。また、所定数の無線タグ100の読み取りが終了する前に(S301でNo)、掃除ロボット20からの上記作業終了情報を受信すると(S106でYes)、上述したS108以降の処理がなされる。この場合、制御装置40は、棚卸作業用の読取データを有線接続された状態で情報管理装置50に送信する(S107)。
【0079】
一方、掃除ロボット20が上記所定の充電位置に戻る前に所定数の無線タグ100の読み取りが終了したと判定されると(S301でYes)、上述したS108以降の処理がなされる。この場合、制御装置40は、無線通信部として機能させた外部インタフェース43を利用した無線通信により、棚卸作業用の読取データを情報管理装置50に対して送信する(S107)。
【0080】
このような構成とすることで、所定数の無線タグ100の読み取りが終了した時点で掃除ロボット20の走行を制御することができる。すなわち、事前の走行で取得された複数の識別情報に基づいて、現在の走行で読み取られていない識別情報に関連付けられる位置に向けて、自走式作業装置の走行を制御することができる。これにより、充電装置70による充電位置まで戻る必要もなく、所定数の無線タグ100の読み取りが終了した時点で掃除ロボット20を読み落とした無線タグ100に向かわせることができ、読み落とした無線タグ100の読み取りを早急に行うことができる。
【0081】
また、制御装置40は、掃除ロボット20の走行中であっても情報管理装置50と無線通信を行うことができ、リアルタイムに読取結果を情報管理装置50とやり取りすることができる。
【0082】
なお、上記第3実施形態では、無線タグ100が読み取られる(S103の判定処理)ごとに読み取り数の比較(S301の判定処理)を行う構成としたが、掃除ロボット20の走行距離の所定間隔ごとに、読み取り数の比較処理(S301の判定処理)を行う構成としてもよい。このような構成によって、読み落とした無線タグ100の読み取りのために走行する距離を短くすることができ、掃除ロボット20の効率的な走行制御を行うことができる。
【0083】
図11は、本発明の第3実施形態の変形例に係る情報管理システムが適用された店舗内において、分割された走行エリアを複数の掃除ロボットがそれぞれ走行する例を概念的に説明する説明図である。
上記第1実施形態等のように店舗内の走行エリアAR2を1つの掃除ロボット20が走行して無線タグ100の読み取りを行う構成に限らず、複数の掃除ロボット20が複数に分割された走行エリアAR2のそれぞれのエリアを走行して情報読取装置30に無線タグ100を読み取らせる構成であってもよい。すなわち、情報管理システム10は、情報読取装置30および制御装置40を搭載した掃除ロボット20を複数備える構成である。
【0084】
例えば、図11に示すように、走行エリアAR2が4つの走行エリアAR2a〜AR2dに分割され、各走行エリアAR2a〜AR2dを4つの掃除ロボット20がそれぞれ走行するような構成であってもよい。この構成では、各掃除ロボット20に情報読取装置30及び制御装置40がそれぞれ搭載され、各制御装置40が情報管理装置50とそれぞれ通信可能になっている。また、各制御装置40では、それぞれ上述した読取データ送信処理を行い、対応する走行エリアに関する棚卸作業用の読取データを情報管理装置50に送信する。このような構成によって、管理エリアAR1内の無線タグ100の読み取りを、各掃除ロボット20に搭載される各情報読取装置30によって分担して行うことができ、1つの掃除ロボット20によって走行エリア内を走行する場合に比べて、無線タグ100の読取結果をより短時間で効率的に取得することができる。
【0085】
また、上記第3実施形態の変形例に係る情報管理システムにおいて、効率的に識別情報を読み取るため、各制御装置40が情報管理装置50を介して棚卸作業用の読取データ等に関して情報を共有する構成であってもよい。このような構成では、情報管理装置50のメモリ52が、「識別情報記憶部」の一例に相当し、掃除ロボット20による走行エリア内の走行に応じて、情報読取装置30により読み取られた複数の識別情報を記憶するように機能する。また、制御部51が、「読取指示部」の一例に相当し、メモリ52に事前の走行で記憶されている複数の識別情報のうち現在の走行で情報読取装置30により読み取られていない識別情報をリスト化して識別情報リストとして、複数の制御装置40の少なくともいずれか1つに送信するように機能する。このような構成では、複数の制御装置からそれぞれ受信した情報に基づいて、複数の情報読取装置にて読み取った情報を識別情報記憶部に記憶して管理することができ、集約した情報から識別情報に読み落としや欠落を判断することができる。そして、リスト化された読み落としや欠落の識別情報(識別情報リスト)に基づいていずれかの自律式作業装置の走行を制御することで、未読だった識別情報をより効率的に読み取ることができる。
【0086】
例えば、上記第3実施形態の変形例に係る情報管理システムにおいて、各掃除ロボット20が、他の掃除ロボット20が読み落とした無線タグ100の読み取りのために走行を制御される構成であってもよい。具体的には、走行エリアAR2aを走行するように制御される掃除ロボット20が、走行エリアAR2bを走行するように制御される掃除ロボット20に関する読取結果情報(現在の走行で読み取りが行われなかった無線タグ100に関する位置情報)を情報管理装置50から受信し、この読み取られなかった無線タグ100を読み取るために走行エリアAR2bを読取結果情報に基づいて走行するように制御される構成であってもよい。このような構成では、各情報読取装置30が他の情報読取装置30の無線タグ100の読み落としを補完することができ、無線タグ100の読取結果をより一層短時間で効率的に取得することができる。
【0087】
また、上記識別情報リストには、上記第3実施形態と同様に、識別情報に関連付けられて当該識別情報が記憶される無線タグ100の位置を特定するための座標情報が含まれる構成であってもよい。例えば、情報読取装置30により無線タグ100が読み取られた時に掃除ロボット20により取得される走行位置情報を、座標情報として用いる構成(図8のS104参照)であってもよい。また、無線タグ100の位置を特定するための座標情報は、走行エリアAR2内において店舗什器等に対する無線タグ100の相対位置を予め設定した座標であってもよい。このような構成では、未読の識別情報が記録される無線タグ100の位置を座標情報に基づいて特定することができ、その未読の無線タグ100の位置に向けていずれかの掃除ロボット20を走行させることで、未読だった識別情報を効率的に読み取ることができる。
【0088】
また、未読だった複数の識別情報の再読み取りを、複数の掃除ロボット20の走行の制御によって分担して行ってもよい。すなわち、情報管理装置50は、メモリ52に事前の走行で記憶されている複数の識別情報のうち現在の走行で情報読取装置30により読み取られていない識別情報をリスト化して分割した識別情報リストを、複数の制御装置40に対して個々に送信する構成であってもよい。例えば、未読だった識別情報が記録された無線タグ100の位置に対して最も近い位置を走行する掃除ロボット20に対して、当該識別情報をリスト化して分割した識別情報リストを送信し、当該識別情報を読み取るように掃除ロボット20の走行を制御する構成であってもよい。このような構成によって、読み落としや欠落した識別情報をリスト化して分割した識別情報リストに基づいて個々の制御装置40を制御することができ、これら識別情報が記録される複数の無線タグ100を分担して情報読取装置30により読み取ることができる。そのため、未読だった識別情報をより短時間で効率的に取得することができる。
【0089】
また、上記第3実施形態の変形例に係る情報管理システムにおいて、各情報読取装置30が制御装置40を介して他の情報読取装置30から走行履歴に関する情報を受信する構成としてもよい。そして、走行履歴に関する情報を受信した情報読取装置30は、この情報に基づいて他の情報読取装置30が走行してないエリアを走行するように制御される構成としてもよい。
【0090】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)上記各実施形態では、1つの掃除ロボット20に対して1つの情報読取装置30が搭載される構成を例示したが、1つの掃除ロボット20に対して複数の情報読取装置30が搭載される構成であってもよい。なお、このような構成では、各情報読取装置30からそれぞれ識別情報を取得する制御装置40により、重複して読み取られた識別情報が除かれる。
(2)掃除ロボット20の保持部28は、当該掃除ロボット20に対する相対位置を変更可能に情報読取装置30を保持してもよい。これにより、例えば、上記再読取エリアSに移動した際に情報読取装置30を相対移動させてアンテナ34の向きを変えることで、未読識別情報を読み取る可能性をより高めることができる。また、相対位置を変更可能な保持部28として、例えば、図12に示すように、情報読取装置30が着脱可能に設置される置台28aと、置台28aを傾動自在に支持する支持部28bと、置台28aおよび駆動輪23aの双方に連結されるリンク部材28cと、を備えるように構成することができる。このような構成によって、駆動輪23aの回動に伴って情報読取装置30を揺動させることができる。そのため、掃除ロボット20の走行に伴ってアンテナ34を様々な方向に向けることができ、無線タグ100の読み取りを行い易くすることができる。
(3)図12に示す保持部28において、情報読取装置30を掃除ロボット20に対して支持する支持部28bが蛇腹状となるように構成されることで、この支持部28bの変形によって置台28aの位置を変更可能としてもよい。図2に示す保持部28でも同様の効果を奏する。
(4)図2図12に示すような保持部28によって情報読取装置30を保持する構成に限らず、掃除ロボット20の上面に設けられた凹部に情報読取装置30の一部を嵌め込み保持する構成であってもよい。また、ねじ(例えば、タッピングねじ)等の締結部材を用いて情報読取装置30を掃除ロボット20に組み付ける構成であってもよい。
(5)情報読取装置30は、バッテリ39の充電残量が一定以下となることを検出する公知の検出手段を備え、検出手段によってバッテリ39の充電残量が一定以下となったことを検出した場合に、掃除ロボット20からの電力供給によるバッテリ39の充電を開始する構成であってもよい。
(6)上記第1実施形態において、情報読取装置30が読み取った識別情報等を情報管理装置50に対して無線通信等により直接送信してもよい。また、上記第2,3実施形態において、情報読取装置30が掃除ロボット20からの位置情報や識別情報等を情報管理装置50に対して無線通信等により直接送信してもよい。すなわち、制御装置40の機能を情報管理装置50に集約することで、制御装置40を廃止してもよい。
【符号の説明】
【0091】
10…情報管理システム
20…掃除ロボット(自走式作業装置)
21…制御部(位置情報取得部)
28…保持部
30…情報読取装置
33…非接触通信部(非接触読取部)
39…バッテリ
40…制御装置
42…メモリ(記憶部)
50…情報管理装置
51…制御部(読取指示部)
52…メモリ(記憶部、識別情報記憶部)
70…充電装置
100…無線タグ(記録媒体)
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