特許第6601353号(P6601353)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6601353
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20191028BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20191028BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   G03G15/16 103
   G03G21/00 384
   G03G15/00 303
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-180724(P2016-180724)
(22)【出願日】2016年9月15日
(65)【公開番号】特開2018-45129(P2018-45129A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2018年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187562
【弁理士】
【氏名又は名称】沼田 義成
(72)【発明者】
【氏名】宇野 浩二
【審査官】 山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−075440(JP,A)
【文献】 特開2011−039428(JP,A)
【文献】 特開2000−330401(JP,A)
【文献】 特許第6414093(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0063418(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/16
G03G 15/00−15/01
G03G 21/00
G03G 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の感光体ドラムと、
前記複数の感光体ドラムのそれぞれに対応して配置される複数の一次転写ローラーと、
前記複数の一次転写ローラーのそれぞれに電圧を印加する複数の電圧印加部と、
前記複数の一次転写ローラーのそれぞれに流れる電流の電流値を検出する電流検出部と、
前記複数の一次転写ローラー毎に転写電圧値を記憶する記憶部と、
前記複数の一次転写ローラーの使用状態に応じて、前記転写電圧値の算出モードを、第1モードと第2モードとの何れかに切り替える制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記複数の一次転写ローラーのうちの所定の一次転写ローラーについて、前記電流検出部で検出された前記電流値に基づいて前記転写電圧値を新たに算出して更新する第1電圧算出部と、
前記複数の一次転写ローラーのうちの一つの一次転写ローラーの前記転写電圧値と、前記複数の一次転写ローラーのうちの前記一つの一次転写ローラー以外の他の一次転写ローラーの前記転写電圧値とを関連付けた関連情報に基づいて、前記他の一次転写ローラーの前記転写電圧値を新たに算出して更新する第2電圧算出部と、を備え、
前記第2モードの場合には、前記第1電圧算出部によって、前記複数の一次転写ローラーのそれぞれの前記転写電圧値を新たに算出して更新し、
前記一つの一次転写ローラーについて更新された前記転写電圧値と、前記他の一次転写ローラーについて更新された前記転写電圧値とを関連付けた前記関連情報を前記記憶部に蓄積し、
前記第1モードの場合には、前記第1電圧算出部によって前記一つの一次転写ローラーの前記転写電圧値を新たに算出して更新し、
前記第2電圧算出部によって前記他の一次転写ローラーの前記転写電圧値を新たに算出して更新し、
前記電圧印加部は、前記所定の一次転写ローラーに、互いに異なる複数の電圧値を有する複数の電圧を印加し、
前記電流検出部は、前記所定の一次転写ローラーに流れる電流の電流値を前記複数の電圧値毎に検出し、
前記第1電圧算出部は、前記複数の電圧値と前記複数の電圧値毎の前記電流値とに基づいて定められる前記所定の一次転写ローラーの特性を示す特性線を用いて、規定の転写電流の電流値に基づいて、前記所定の一次転写ローラーの前記転写電圧値を算出し、
前記制御部は、前記複数の一次転写ローラーの使用状態に応じて、前記転写電圧値の算出モードを、前記第1モードと前記第2モードと第3モードとの何れかに切り替え、
直近の前記第1モード又は前記第2モードにおいて、前記第1電圧算出部によって用いられた前記一つの一次転写ローラーの特性を示す一つの前記特性線を前記記憶部に記憶し、
前記電圧印加部は、前記第3モードの場合には、前記一つの一次転写ローラーに、単一の電圧を印加し、
前記電流検出部は、前記第3モードの場合には、前記単一の電圧の電圧値に対応して、前記一つの一次転写ローラーに流れる電流の電流値を検出し、
前記制御部は、前記第3モードの場合には、前記第1電圧算出部によって、前記一つの一次転写ローラーについて、前記単一の電圧の電圧値と、前記単一の電圧の電圧値に対応する前記電流値と、前記記憶部に記憶された前記特性線と、規定の転写電流の電流値とに基づいて、前記転写電圧値を算出して更新し、
前記第2電圧算出部によって、前記他の一次転写ローラーの前記転写電圧値を新たに算出して更新することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2電圧算出部は、前記他の一次転写ローラーについて、前記転写電圧値を算出する際に、前記記憶部に蓄積された前記関連情報の相関関係を示す式を用いることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2電圧算出部は、前記他の一次転写ローラーについて、前記転写電圧値を算出する際に、前記記憶部に蓄積された直近の所定数の前記関連情報を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写ベルトに沿って複数の感光体ドラムを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、転写ベルトに沿って複数の感光体ドラムを備え、複数の感光体ドラムのそれぞれに対して複数の一次転写ローラーを備えたものがある。各一次転写ローラーに最適な転写電流を供給するために、各一次転写ローラーの抵抗に合わせた転写電圧を印加する必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の画像形成装置は、転写材を担持する転写材担持体(感光体ドラム)と、転写材担持体表面に当接し、転写材に所定のバイアスを印加する帯電手段と、帯電手段の転写材担持体移動方向下流にて設けられた、現像剤像を転写材に転写する転写帯電手段(一次転写ローラー)と、帯電手段に所定のバイアスを印加した際に流れる電流もしくは印加される電圧を検知する検知手段と、検知手段の検知結果に基づいて転写帯電手段に印加する転写バイアスを制御する制御手段と、を有する。そして、制御手段によって、検知手段の検知した帯電手段に所定のバイアスを印加した際に流れる電流もしくは印加される電圧を、制御関数として与えられる変数に補正して、その補正結果に応じて転写バイアスが設定され、且つ、制御関数が転写材の幅に応じて各々設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−248384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一次転写ローラーに流れる転写電流は、一次転写ローラーの抵抗値と印加される転写電圧とによって定まる。一次転写ローラーの温度変化、経時使用による劣化やトナーの付着により、一次転写ローラーの抵抗値は変化することがある。一次転写ローラーに規定の転写電流を流すためには、抵抗値の変化に合わせて転写電圧を補正する必要がある。例えば、一次転写ローラーに所定の電圧を印加したときに流れる電流を検出し、これらの電圧値及び電流値に基づいて一次転写ローラーの抵抗値を算出し、その算出結果に基づいて規定の転写電流に必要な転写電圧を測定するフィードバック制御が行われる。
【0006】
しかし、複数の一次転写ローラーのそれぞれについてフィードバック制御を行うには時間を要する。そこで、一つの一次転写ローラーについてフィードバック制御を行い、測定された転写電圧と元の転写電圧との差分(補正量)を用いて、他の一次転写ローラーの転写電圧を補正することが考えられる。ところが、複数の一次転写ローラーのそれぞれの印加電圧や測定電圧にはばらつきがあり、一つの一次転写ローラーについての直前又は過去の測定結果に基づいて、他の一次転写ローラーの転写電圧を補正するには精度が不足し、各一次転写ローラーに最適な転写電圧を測定することができない。
【0007】
そこで、本発明は上記事情を考慮し、複数の一次転写ローラーについて短時間で最適な転写電圧を測定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、複数の感光体ドラムと、前記複数の感光体ドラムのそれぞれに対応して配置される複数の一次転写ローラーと、前記複数の一次転写ローラーのそれぞれに電圧を印加する複数の電圧印加部と、前記複数の一次転写ローラーのそれぞれに流れる電流の電流値を検出する電流検出部と、前記複数の一次転写ローラー毎に転写電圧値を記憶する記憶部と、前記複数の一次転写ローラーの使用状態に応じて、前記転写電圧値の算出モードを、第1モードと第2モードとの何れかに切り替える制御部と、備え、前記制御部は、前記複数の一次転写ローラーのうちの所定の一次転写ローラーについて、前記電流検出部で検出された前記電流値に基づいて前記転写電圧値を新たに算出して更新する第1電圧算出部と、前記複数の一次転写ローラーのうちの一つの一次転写ローラーの前記転写電圧値と、前記複数の一次転写ローラーのうちの前記一つの一次転写ローラー以外の他の一次転写ローラーの前記転写電圧値とを関連付けた関連情報に基づいて、前記他の一次転写ローラーの前記転写電圧値を新たに算出して更新する第2電圧算出部と、を備え、前記第2モードの場合には、前記第1電圧算出部によって、前記複数の一次転写ローラーのそれぞれの前記転写電圧値を新たに算出して更新し、前記一つの一次転写ローラーについて更新された前記転写電圧値と、前記他の一次転写ローラーについて更新された前記転写電圧値とを関連付けた前記関連情報を前記記憶部に蓄積し、前記第1モードの場合には、前記第1電圧算出部によって前記一つの一次転写ローラーの前記転写電圧値を新たに算出して更新し、前記第2電圧算出部によって前記他の一次転写ローラーの前記転写電圧値を新たに算出して更新することを特徴とする。
【0009】
また、前記電圧印加部は、前記所定の一次転写ローラーに、互いに異なる複数の電圧値を有する複数の電圧を印加し、前記電流検出部は、前記所定の一次転写ローラーに流れる電流の電流値を前記複数の電圧値毎に検出し、前記第1電圧算出部は、前記複数の電圧値と前記複数の電圧値毎の前記電流値とに基づいて定められる前記所定の一次転写ローラーの特性を示す特性線を用いて、規定の転写電流の電流値に基づいて、前記所定の一次転写ローラーの前記転写電圧値を算出するとよい。
【0010】
このような構成を採用することで、各一次転写ローラー7の過去の転写電圧値を蓄積して、各一次転写ローラー7の特性を示す関連情報を用いるため、各一次転写ローラー7の特性に合わせて、迅速に転写電圧値を算出することができる。そのため、複数の一次転写ローラー7のそれぞれの印加電圧や測定電圧にばらつきがある場合でも、一次転写ローラー7間の特性の差に拘らず、各一次転写ローラー7に最適な転写電圧値を高精度に算出することができる。従って、各一次転写ローラー7の動作不良を回避し、適切に画像形成を行うことが可能となる。
【0011】
前記制御部は、前記複数の一次転写ローラーの使用状態に応じて、前記転写電圧値の算出モードを、前記第1モードと前記第2モードと第3モードとの何れかに切り替え、直近の前記第1モード又は前記第2モードにおいて、前記第1電圧算出部によって用いられた前記一つの一次転写ローラーの特性を示す一つの前記特性線を前記記憶部に記憶し、前記電圧印加部は、前記第3モードの場合には、前記一つの一次転写ローラーに、単一の電圧を印加し、前記電流検出部は、前記第3モードの場合には、前記単一の電圧の電圧値に対応して、前記一つの一次転写ローラーに流れる電流の電流値を検出し、前記制御部は、前記第3モードの場合には、前記第1電圧算出部によって、前記一つの一次転写ローラーについて、前記単一の電圧の電圧値と、前記単一の電圧の電圧値に対応する前記電流値と、前記記憶部に記憶された前記特性線と、規定の転写電流の電流値とに基づいて、前記転写電圧値を算出して更新し、前記第2電圧算出部によって、前記他の一次転写ローラーの前記転写電圧値を新たに算出して更新してもよい。
【0012】
このような構成を採用することで、各一次転写ローラー7について、過去に算出した第1特性線が記憶されている場合には、フィードバック制御において複数段階電圧ではなく、単一の電圧を一次転写ローラー7に印加するので、フィードバック制御に掛かる時間を短縮しつつ、一次転写ローラー7の特性に合わせた転写電圧値を算出することができる。
【0013】
前記第2電圧算出部は、前記他の一次転写ローラーについて、前記転写電圧値を算出する際に、前記記憶部に蓄積された前記関連情報の相関関係を示す式を用いるとよい。
【0014】
このような構成を採用することで、複数の一次転写ローラー7のそれぞれの印加電圧や測定電圧にばらつきがある場合でも、各一次転写ローラー7の特性を適切に確定して、転写電圧値を算出することができる。
【0015】
前記第2電圧算出部は、前記他の一次転写ローラーについて、前記転写電圧値を算出する際に、前記記憶部に蓄積された直近の所定数の前記関連情報を用いるとよい。
【0016】
このような構成を採用することで、常に新しい情報を用いて転写電圧値を算出することができ、直近の所定数を超える関連情報については、削除して記憶部21を最適化することもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数の一次転写ローラーについて短時間で最適な転写電圧を測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンターを示す断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおける電気的構成を示す概要図である。
図3】本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおける一次転写ローラーの電圧値及び電流値の関係の一例を示すグラフである。
図4】本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおける一次転写ローラー間の転写電圧値の関係の一例を示すグラフである。
図5】本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおける一次転写ローラーの転写電圧算出動作を示すフローチャートである。
図6】本発明の他の実施形態に係るカラープリンターにおける一次転写ローラーの電圧値及び電流値の特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
先ず、本発明の一実施形態に係るカラープリンター1(画像形成装置)の全体の構成について図1を参照しながら説明する。以下、説明の便宜上、図1における紙面手前側をカラープリンター1の前側とする。
【0020】
カラープリンター1は、略箱型状のプリンター本体2を備え、プリンター本体2の中央部には、所定方向に回転する環状の中間転写ベルト3が複数のローラー間に架設される。中間転写ベルト3の下側には、4つの画像形成部4(4Y、4C、4M、4K)がトナーの色(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色)毎に設けられる。各画像形成部4は、中間転写ベルト3の回転方向における上流側(本実施形態では左側)から順に、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色に対応している。以下、色を特定して説明する場合を除き、トナーの色に対応する各部について「Y」、「C」、「M」、「K」の記号は省略する。中間転写ベルト3の右端には、二次転写部5が設けられ、二次転写部5は、中間転写ベルト3の右端側の一部と二次転写ローラーとで構成される。
【0021】
各画像形成部4は、回転可能な感光体ドラム6を備え、換言すれば、4つの感光体ドラム6(6Y、6C、6M、6K)が中間転写ベルト3の下側に沿って配置される。また、各画像形成部4は、回転可能な一次転写ローラー7を備え、換言すれば、4つの一次転写ローラー7(7Y、7C、7M、7K)が、中間転写ベルト3を挟んでそれぞれ4つの感光体ドラム6(6Y、6C、6M、6K)と対向して配置される。
【0022】
カラープリンター1の画像形成処理では、各画像形成部4で各色の画像が形成される。このとき、各画像形成部4では、先ず、各感光体ドラム6が帯電器によって帯電される。その後、外部コンピュータ(図示せず)等から入力した画像データに基づいて露光器によって各感光体ドラム6が露光されることで、各感光体ドラム6上に静電潜像が形成される。各感光体ドラム6上の静電潜像は、現像器によって各色のトナー像に現像される。各感光体ドラム6上のトナー像は、各一次転写ローラー7によって中間転写ベルト3の表面に一次転写される。以上の動作を4つの画像形成部4が順次繰り返すことによって、中間転写ベルト3上にフルカラーのトナー像(以下、カラートナー像と称する)が形成される。
【0023】
そして、カラープリンター1の画像形成処理では、カラートナー像は、中間転写ベルト3の回転によって二次転写部5へと供給される。二次転写部5では、カラートナー像とタイミングを合わせて給紙カセット等から用紙が供給され、中間転写ベルト3上のカラートナー像が用紙に二次転写される。更に、カラープリンター1では、定着装置によって用紙上のカラートナー像が定着され、カラートナー像定着後の用紙が排紙トレイに排出される。なお、中間転写ベルト3上の残留トナーは、クリーニング装置によって清掃、回収される。
【0024】
次に、カラープリンター1の電気的な構成について図2を参照しながら説明する。カラープリンター1は、制御部20と、記憶部21と、4つの電圧印加部22(22Y、22C、22M、22K)と、電流検出部23と、モード切替部24と、第1電圧算出部25と、第2電圧算出部26とを備える。
【0025】
制御部20は、CPU等からなり、記憶部21、4つの電圧印加部22、電流検出部23、モード切替部24、第1電圧算出部25、第2電圧算出部26及びその他のカラープリンター1に備わる各部に接続されていて、各部を制御可能に構成されている。制御部20は、例えば、4つの一次転写ローラー7に対する転写電圧の印加制御や、4つの一次転写ローラー7の転写電圧値の算出制御を行うことができ、4つの一次転写ローラー7の転写電圧値の算出モードには、第1モード及び第2モードがある。第1モードでは、基準となる一つの一次転写ローラー7(例えば、ブラックのトナーに対応する一次転写ローラー7K)に要する転写電圧値は、フィードバック制御によって決定(算出)され、他の一次転写ローラー7(イエロー、シアン、マゼンタのトナーに対応する一次転写ローラー7Y、7C、7M)に要する転写電圧値は、一つの一次転写ローラー7のフィードバック制御結果に基づいて決定(算出)される。第2モードでは、4つの一次転写ローラー7の転写電圧値は、全てフィードバック制御によって決定(算出)される。
【0026】
記憶部21は、ROMやRAM等からなり、カラープリンター1の画像形成処理やその他の各種機能を実現するプログラムやデータを記憶する。なお、図2では、モード切替部24、第1電圧算出部25及び第2電圧算出部26は、記憶部21とは別に図示されているが、記憶部21に記憶されて制御部20によって実行されるプログラムで構成されてよい。また、記憶部21は、例えば、4つの一次転写ローラー7のそれぞれに適した規定の転写電流値(目標電流値)や、第1電圧算出部25、第2電圧算出部26で算出された4つの一次転写ローラー7のそれぞれの転写電圧値を記憶する。更に、記憶部21は、4つの一次転写ローラー7のうちの基準となる一つの一次転写ローラー7(例えば、一次転写ローラー7K)の転写電圧値と、一つの一次転写ローラー7以外の他の一次転写ローラー7(例えば、一次転写ローラー7Y、7C、7M)の転写電圧値とを関連付けた関連情報を記憶する。記憶部21は、各一次転写ローラー7の特性を示す特性線(第1特性線、第2特性線)を記憶してもよい。
【0027】
4つの電圧印加部22は、4つの一次転写ローラー7のそれぞれに対応して設けられる。各電圧印加部22は、各一次転写ローラー7に接続されていて、制御部20による制御に応じて各一次転写ローラー7に電圧を印加する。例えば、各電圧印加部22は、通常印字の場合には、各一次転写ローラー7について記憶部に記憶された転写電圧値の電圧を各一次転写ローラー7に印加する。
【0028】
また、4つの電圧印加部22は、4つの一次転写ローラー7の転写電圧値の算出時には、各算出モード(第1モード、第2モード)に応じて4つの一次転写ローラー7に電圧を印加する。
【0029】
例えば、第1モードの場合、フィードバック制御される一つの一次転写ローラー7(例えば、一次転写ローラー7K)に対して、対応する電圧印加部22(例えば、電圧印加部22K)が、互いに異なる複数の電圧値を有する複数の電圧(複数段階電圧、例えば、700V、1000V、1300V)を電流検出用の電圧として印加する。これと同時に、他の一次転写ローラー7(例えば、一次転写ローラー7Y、7C、7M)に対して、対応する電圧印加部22(例えば、電圧印加部22Y、22C、22M)が、200分の1以上10分の1以下の電圧値の弱電圧(例えば、50〜100V)又はゼロ電圧を電流検出用の電圧として印加する。
【0030】
また、第2モードの場合、4つの一次転写ローラー7が順次、フィードバック制御の対象となり、フィードバック制御の対象の一次転写ローラー7に対して、対応する電圧印加部22が複数段階電圧を印加し、それ以外の一次転写ローラー7に対して、対応する電圧印加部22が弱電圧又はゼロ電圧を印加する。
【0031】
電流検出部23は、4つの電圧印加部22に接続されていて、4つの一次転写ローラー7を流れる電流の電流値を検出する。電流検出部23は、例えば、4つの一次転写ローラー7の転写電圧値の算出タイミング(一次転写ローラー7に電流検出用電圧や弱電圧又はゼロ電圧を印加しているタイミング)で4つの一次転写ローラー7に流れる電流を検出する。電流検出部23は、4つの一次転写ローラー7に共通した電流値の検出回路として4つの一次転写ローラー7に流れる総電流値(合計電流値)を検出し、その検出結果に基づいて、電流検出部23又は制御部20が各一次転写ローラー7の電流値を検出する。
【0032】
例えば、電流検出部23は、所定の一次転写ローラー7に対して、対応する電圧印加部22によって複数の電圧値を有する複数の電圧がそれぞれ印加される毎に、所定の一次転写ローラー7に流れる電流を検出し、即ち、複数の電圧値毎に所定の一次転写ローラー7に流れる電流の電流値を検出する。
【0033】
なお、本実施形態では、4つの一次転写ローラー7に共通した1つの電流検出部23を備える例を説明するが、電流検出部23の構成はこの例に限定されない。例えば、4つの一次転写ローラー7毎に電流検出部を備えて、各電流検出部23が各一次転写ローラー7を流れる電流を検出してもよい。
【0034】
モード切替部24は、4つの一次転写ローラー7の使用状態に応じて、転写電圧値の算出モードを、第1モードと第2モードとの何れかに切り替えて設定する。モード切替部24は、各一次転写ローラー7の抵抗値の変動が予想される場合(比較的多くの用紙の画像形成を行う場合、環境温度や相対湿度が大きく変動する場合)に、何れかの算出モードを設定し、算出モードが設定されることにより制御部20が転写電圧値の算出制御を行う。カラープリンター1は、環境温度を測定する温度センサーや相対湿度を測定する湿度センサーを4つの一次転写ローラー7の近傍に備えるとよい。モード切替部24は、4つの一次転写ローラー7の使用状態として時間的に余裕のない場合には第1モードを設定し、時間的に余裕のある場合には第2モードを設定する。例えば、モード切替部24は、比較的多くの用紙の画像形成を連続的に実行中のときには、所定枚数の用紙の画像形成が完了する毎に、第1モードを設定し、全ての用紙の画像形成が終了した後に第2モードを設定する。
【0035】
第1電圧算出部25は、4つの一次転写ローラー7のうちの所定の一次転写ローラー7について、電流検出部23で検出された電流値に基づいて、フィードバック制御により転写電圧値を新たに算出する。第1電圧算出部25は、所定の一次転写ローラー7について記憶部21に記憶されている転写電圧値に代えて新たに算出された転写電圧値を記憶することで、転写電圧値を更新する。
【0036】
例えば、第1電圧算出部25は、電流検出部23によって複数の電圧値毎に所定の一次転写ローラー7に流れる電流の電流値が検出されると、複数の電圧値と複数の電圧値毎の電流値とに基づいて、所定の一次転写ローラー7の特性を示す第1特性線を定める。第1特性線は、電圧値を横軸に設定すると共に電流値を縦軸に設定して、複数の電圧値毎の座標を定めて、これらの座標に直線補間や最小二乗法等を適用することで求められる。例えば、図3に示すように、ブラックの一次転写ローラー7Kに対して、複数の電圧値VK1、VK2、VK3を印加した際に、電流値AK1、AK2、AK3がそれぞれ検出される場合、第1特性線L1Kが得られる。また、イエローの一次転写ローラー7Yに対して、複数の電圧値VY1、VY2、VY3を印加した際に、電流値AY1、AY2、AY3がそれぞれ検出される場合、第1特性線L1Yが得られる。
【0037】
そして、第1電圧算出部25は、所定の一次転写ローラーについて、記憶部21に記憶された規定の転写電流値(目標電流値)に基づいて、上記の第1特性線を用いて転写電圧値を算出する。所定の一次転写ローラー7の第1特性線は、電圧値と電流値との相関関係の式(例えば、所定の傾きaを有する直線の式I=a×V+b)で示されるので、転写電圧値は、第1特性線の式から目標電流値に対応する電圧値を逆算することで算出される。例えば、図3に示すように、ブラックの一次転写ローラー7Kの第1特性線L1Kにおいて、目標電流値Aに対応する電圧値VKTを転写電圧値として得ることができる。また、イエローの一次転写ローラー7Yの第1特性線L1Yにおいて、目標電流値Aに対応する電圧値VYT1を転写電圧値として得ることができる。
【0038】
第2電圧算出部26は、フィードバック制御される一つの一次転写ローラー7(例えば、一次転写ローラー7K)の転写電圧値と、他の一次転写ローラー(例えば、一次転写ローラー7Y、7C、7M)の転写電圧値とを関連付けた関連情報を記憶部21から読み出し、この関連情報に基づいて他の一次転写ローラー7の転写電圧値を新たに算出する。第2電圧算出部26は、他の一次転写ローラー7について記憶部21に記憶されている転写電圧値に代えて新たに算出された転写電圧値を記憶することで、転写電圧値を更新する。
【0039】
例えば、第2電圧算出部26は、他の一次転写ローラー7の関連情報として蓄積された一つの一次転写ローラー7の過去の転写電圧値と他の一次転写ローラー7の過去の転写電圧値とに基づいて、他の一次転写ローラー7の特性を示す第2特性線を定める。第2特性線は、一つの一次転写ローラー7の過去の転写電圧値を横軸に設定すると共に他の一次転写ローラー7の過去の転写電圧値を縦軸に設定して、過去の転写電圧値毎の座標を定めて、これらの座標に最小二乗法等を適用することで求められる。例えば、図4に示すように、イエローの一次転写ローラー7Yの関連情報を示すグラフでは、ブラックの一次転写ローラー7Kに対して過去に印加された転写電圧値VK11〜VK19と、イエローの一次転写ローラー7Yに対して過去に印加された転写電圧値VY11〜VY19とがそれぞれ対応する座標が得られる。これらの座標にはある程度のばらつき(図4点線参照)があるが、これらの座標の各電圧値に基づく最小二乗法等を適用することで第2特性線L2Yが得られる。
【0040】
そして、第2電圧算出部26は、フィードバック制御で得られた一つの一次転写ローラー7の転写電圧値に基づいて、他の一次転写ローラー7の第2特性線を用いて転写電圧値を算出する。他の一次転写ローラー7の転写電圧値は、第2特性線上の一つの一次転写ローラー7の転写電圧値に対応する電圧値を読み取ることで得られる。例えば、図4に示すように、イエローの一次転写ローラー7Yの第2特性線L2Yにおいて、一つの一次転写ローラー7の転写電圧値VKTに対応する電圧値VYT2を転写電圧値として得ることができる。
【0041】
第2電圧算出部26は、他の一次転写ローラー7の第2特性線を、関連情報の相関関係(一つの一次転写ローラー7の転写電圧値と他の一次転写ローラーの転写電圧値との相関関係)を示す式として表してもよい。例えば、第2特性線は、ブラックの一次転写ローラー7Kの転写電圧値V、イエローの一次転写ローラー7Yの転写電圧値V、定数a、bを用いて、V=a×V+b等の多項式で示すことができる。そして、第2電圧算出部26は、この式を用いてイエローの一次転写ローラー7Yの転写電圧値Vを算出することができる。また、第2電圧算出部26は、記憶部21に蓄積された関連情報の全てではなく、直近の所定数の関連情報のみを用いてもよく、関連情報が所定数に満たない場合(関連情報が蓄積されていない場合も含む)には、第1電圧算出部25による転写電圧値の算出を行ってもよい。
【0042】
次に、本実施形態の各一次転写ローラー7の転写電圧値の算出動作を図5のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図5では、「一次転写ローラー」を単に「ローラー」と略称する。
【0043】
先ず、カラープリンター1では、制御部20又はモード切替部24によって、各一次転写ローラー7の使用状態を監視していて(ステップS1)、その監視の結果、各一次転写ローラー7の抵抗値の変動が予想されるとき、モード切替部24は、各一次転写ローラー7の使用状態として時間的に余裕のない場合には第1モードを設定し(ステップS1:第1モード)、時間的に余裕のある場合には第2モードを設定する(ステップS1:第2モード)。
【0044】
第2モードが設定された場合、4つの電圧印加部22が、複数段階電圧を順次、4つの一次転写ローラー7に印加し(ステップS2)、電流検出部23が、印加された複数の電圧値毎に、4つの一次転写ローラー7に流れる電流を検出する。
【0045】
次に、第1電圧算出部25は、4つの一次転写ローラー7毎に、複数の電圧値とこれらに対応して検出された複数の電流値との関係を示す第1特性線を算出する。そして、第1電圧算出部25は、各一次転写ローラー7の第1特性線を用いて、目標電流値に対応する新たな転写電圧値をフィードバック制御で算出し(ステップS3)、新たに算出された転写電圧値を記憶部21に記憶して更新する(ステップS4)。
【0046】
このとき、第1電圧算出部25は、基準となるブラックの一次転写ローラー7Kの転写電圧値と、他のイエロー、シアン、マゼンタの一次転写ローラー7Y、7C、7Mの転写電圧値とをそれぞれ関連付けたイエロー、シアン、マゼンタの一次転写ローラー7Y、7C、7Mの関連情報を記憶部21に蓄積する(ステップS5)。
【0047】
第1モードが設定された場合、ブラックの電圧印加部22Kが、複数段階電圧を順次、ブラックの一次転写ローラー7Kに印加し(ステップS6)、電流検出部23が、印加された複数の電圧値毎に、ブラックの一次転写ローラー7Kに流れる電流を検出する。
【0048】
次に、第1電圧算出部25は、ブラックの一次転写ローラー7Kについて、複数の電圧値とこれらに対応して検出された複数の電流値との関係を示す第1特性線を算出する。そして、第1電圧算出部25は、ブラックの一次転写ローラー7の第1特性線を用いて、目標電流値に対応する新たな転写電圧値をフィードバック制御で算出する(ステップS7)。
【0049】
また、第2電圧算出部26は、他のイエロー、シアン、マゼンタの一次転写ローラー7Y、7C、7Mの関連情報を記憶部21から取得し、イエロー、シアン、マゼンタの一次転写ローラー7Y、7C、7Mの第2特性線を算出する。そして、第2電圧算出部26は、イエロー、シアン、マゼンタの一次転写ローラー7Y、7C、7Mの第2特性線を用いて、ブラックの一次転写ローラー7の転写電圧値に対応するイエロー、シアン、マゼンタの一次転写ローラー7Y、7C、7Mの新たな転写電圧値を算出する(ステップS8)。そして、第1電圧算出部25及び第2電圧算出部26は、新たに算出された転写電圧値を記憶部21に記憶して更新する(ステップS9)。
【0050】
本実施形態によれば、上述のように、カラープリンター1(画像形成装置)は、4つ(複数)の感光体ドラム6と、4つの感光体ドラム6のそれぞれに対応して配置される4つ(複数)の一次転写ローラー7と、4つの一次転写ローラー7のそれぞれに電圧を印加する4つ(複数)の電圧印加部22と、4つの一次転写ローラー7のそれぞれに流れる電流の電流値を検出する電流検出部23と、4つの一次転写ローラー7毎に転写電圧値を記憶する記憶部21と、4つの一次転写ローラー7の使用状態に応じて、転写電圧値の算出モードを、第1モードと第2モードとの何れかに切り替えるモード切替部24(制御部20)とを備える。カラープリンター1(制御部20)は、4つの一次転写ローラー7のうちの所定の一次転写ローラー7について、電流検出部23で検出された電流値に基づいて転写電圧値を新たに算出して更新する第1電圧算出部25と、4つの一次転写ローラー7のうちの一つの一次転写ローラー7の転写電圧値と、複数の一次転写ローラー7のうちの一つの一次転写ローラー7以外の他の一次転写ローラー7の転写電圧値とを関連付けた関連情報に基づいて、他の一次転写ローラー7の転写電圧値を新たに算出して更新する第2電圧算出部26とを備える。制御部20は、第2モードの場合には、第1電圧算出部25によって、4つの一次転写ローラー7のそれぞれの転写電圧値を新たに算出して更新し、また、一つの一次転写ローラー7について更新された転写電圧値と、他の一次転写ローラー7について更新された転写電圧値とを関連付けた関連情報を記憶部21に蓄積する。制御部20は、第1モードの場合には、第1電圧算出部25によって一つの一次転写ローラー7の転写電圧値を新たに算出して更新し、第2電圧算出部26によって他の一次転写ローラー7の転写電圧値を新たに算出して更新する。
【0051】
例えば、電圧印加部22は、所定の一次転写ローラー7に、互いに異なる複数の電圧値を有する複数の電圧を印加する。電流検出部23は、所定の一次転写ローラー7に流れる電流の電流値を複数の電圧値毎に検出する。そして、第1電圧算出部25は、複数の電圧値と複数の電圧値毎の電流値とに基づいて定められる所定の一次転写ローラー7の特性を示す第1特性線を用いて、規定の転写電流の電流値に基づいて、所定の一次転写ローラー7の転写電圧値を算出する。
【0052】
このような構成とすることにより、各一次転写ローラー7の過去の転写電圧値を蓄積して、各一次転写ローラー7の特性を示す関連情報を用いるため、各一次転写ローラー7の特性に合わせて、迅速に転写電圧値を算出することができる。そのため、複数の一次転写ローラー7のそれぞれの印加電圧や測定電圧にばらつきがある場合でも、一次転写ローラー7間の特性の差に拘らず、各一次転写ローラー7に最適な転写電圧値を高精度に算出することができる。従って、各一次転写ローラー7の動作不良を回避し、適切に画像形成を行うことが可能となる。
【0053】
例えば、所定の第1タイミングにおいて4つの一次転写ローラー7の転写電圧値の算出を第2モードで行った実施例では、ブラックの一次転写ローラー7Kについて1100Vの転写電圧値が算出され、イエローの一次転写ローラー7Yについて900Vの転写電圧値が算出された。このとき、両者の転写電圧値の差分は200Vであった。また、他の第2タイミングにおいて4つの一次転写ローラー7の転写電圧値の算出を第2モードで行った実施例では、ブラックの一次転写ローラー7Kについて1100Vの転写電圧値が算出され、イエローの一次転写ローラー7Yについて870Vの転写電圧値が算出された。このとき、両者の転写電圧値の差分は230Vであった。このように、一次転写ローラー7間の転写電圧値の差分は、タイミングによって(各一次転写ローラー7の使用状態によって)異なる場合があるため、このような差分を用いて一次転写ローラー7の転写電圧値を推定すると、誤って算出される可能性がある。しかしながら、本実施形態では、上記したように、各一次転写ローラー7の特性に合わせて転写電圧値を算出するため、転写電圧値を誤って算出することがない。
【0054】
また、本実施形態によれば、第2電圧算出部26は、他の一次転写ローラー7について、転写電圧値を算出する際に、記憶部21に蓄積された関連情報の相関関係(第2特性線)を示す式を用いる。
【0055】
これにより、複数の一次転写ローラー7のそれぞれの印加電圧や測定電圧にばらつきがある場合でも、各一次転写ローラー7の特性を適切に確定して、転写電圧値を算出することができる。
【0056】
また、本実施形態によれば、第2電圧算出部26は、他の一次転写ローラー7について、転写電圧値を算出する際に、記憶部21に蓄積された直近の所定数の関連情報を用いる。
【0057】
これにより、常に新しい情報を用いて転写電圧値を算出することができ、直近の所定数を超える関連情報については、削除して記憶部21を最適化することもできる。
【0058】
上記実施形態では、モード切替部24が、4つの一次転写ローラー7の使用状態に応じて、転写電圧値の算出モードを、第1モードと第2モードとの何れかに切り替え、第1モード又は第2モードにおいて転写電圧値を算出する例を説明したが、転写電圧値を算出手法はこれに限定されない。例えば、他の実施形態では、モード切替部24は、4つの一次転写ローラー7の使用状態に応じて、転写電圧値の算出モードを、第1モードと第2モードと第3モードとの何れかに切り替えて設定してもよい。モード切替部24は、フィードバック制御される一つの一次転写ローラー7の特性を示す一つの第1特性線が、過去に動作した第1モードや第2モードによって記憶部21に記憶されている場合に、第1モードに代えて第3モードを設定してもよい。第1モード及び第2モードにおける転写電圧値の算出手法は、上記に説明したので、以下では、第3モードにおける転写電圧値の算出手法について説明する。
【0059】
第3モードでは、基準となる一つの一次転写ローラー7(例えば、ブラックの一次転写ローラー7K)に要する転写電圧値は、フィードバック制御によって算出され、他の一次転写ローラー7(例えば、イエロー、シアン、マゼンタの一次転写ローラー7Y、7C、7M)に要する転写電圧値は、一つの一次転写ローラー7のフィードバック制御結果に基づいて算出される。第1モードと第3モードとは、フィードバック制御手法が異なる。
【0060】
第3モードの場合、フィードバック制御される一つの一次転写ローラー7(例えば、ブラックの一次転写ローラー7K)に対して、対応する電圧印加部22(22K)が、単一の電圧(例えば、1000V)を電流検出用の電圧として印加する。これと同時に、他の一次転写ローラー7(例えば、一次転写ローラー7Y、7C、7M)に対して、対応する電圧印加部22(22Y、22C、22M)が、弱電圧又はゼロ電圧を電流検出用の電圧として印加する。
【0061】
電流検出部23は、第3モードの場合でも、上記と同様にして各一次転写ローラー7に流れる電流を検出する。例えば、電流検出部23は、一つの一次転写ローラー7に対して、対応する電圧印加部22によって単一の電圧が印加される際に、一つの一次転写ローラー7に流れる電流を検出し、即ち、単一の電圧の電圧値に対応して一つの一次転写ローラー7に流れる電流の電流値を検出する。
【0062】
第1電圧算出部25は、第3モードの場合、一つの一次転写ローラー7(例えば、ブラックの一次転写ローラー7K)について、単一の電圧の電圧値(単一電圧値)と、単一電圧値に対応する電流値(単一電流値)と、記憶部21に記憶された第1特性線と、規定の転写電流の電流値とに基づいて、新たな転写電圧値を算出して更新する。
【0063】
例えば、第1特性線は、電圧値と電流値との相関関係の式(例えば、所定の傾きを有する直線の式I=a×V+b)で示され、即ち、所定の一次転写ローラー7は、第1特性線の所定の傾きaの特性を有する。そこで、第1電圧算出部25は、単一電圧値を横軸に設定すると共に単一電流値を縦軸に設定した座標を通り、第1特性線の所定の傾きaを有する電圧値と電流値との相関関係の式を、所定の一次転写ローラー7の特性を示す新たな第1特性線として算出して更新する。例えば、図6に示すように、ブラックのトナーの一次転写ローラー7Kについて、記憶部21に記憶されている直近の第1特性線L11が所定の傾きaを有し、単一電圧値Vに対して単一電流値Iが検出される。このとき、一次転写ローラー7Kの新たな第1特性線L12は、単一電圧値V及び単一電流値Iの座標を通り、所定の傾きaを有する式として算出される。
【0064】
そして、第1電圧算出部25は、所定の一次転写ローラー7について、記憶部21に記憶された規定の転写電流値(目標電流値)に基づいて、上記のように算出された新たな第1特性線を用いて転写電圧値を算出する。例えば、図6に示すように、ブラックのトナーの一次転写ローラー7Kの第1特性線L12において、目標電流値Aに対応する電圧値V12を転写電圧値として得ることができる。
【0065】
換言すれば、他の実施形態のカラープリンター1では、モード切替部24は、4つの一次転写ローラー7の使用状態に応じて、転写電圧値の算出モードを、第1モードと第2モードと第3モードとの何れかに切り替える。制御部20は、直近の第1モード又は第2モードにおいて、第1電圧算出部25によって用いられた一つの一次転写ローラー7の特性を示す一つの第1特性線を記憶部21に記憶する。そして、電圧印加部22は、第3モードの場合には、一つの一次転写7ローラーに、単一の電圧を印加し、電流検出部23は、第3モードの場合には、単一の電圧の電圧値に対応して、一つの一次転写ローラー7に流れる電流の電流値を検出する。そして、制御部20は、第3モードの場合には、第1電圧算出部25によって、一つの一次転写ローラー7について、単一の電圧の電圧値と、単一の電圧の電圧値に対応する電流値と、記憶部21に記憶された第1特性線と、規定の転写電流の電流値とに基づいて、転写電圧値を算出して更新し、第2電圧算出部26によって、他の一次転写ローラー7の転写電圧値を新たに算出して更新する。
【0066】
これにより、各一次転写ローラー7について、過去に算出した第1特性線が記憶されている場合には、フィードバック制御において複数段階電圧ではなく、単一の電圧を一次転写ローラー7に印加するので、フィードバック制御に掛かる時間を短縮しつつ、一次転写ローラー7の特性に合わせた転写電圧値を算出することができる。
【0067】
本実施形態では、カラープリンター1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、複写機、ファクシミリ、複合機等の、複数の感光体ドラムを備える他の画像形成装置に本発明の構成を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 カラープリンター(画像形成装置)
3 中間転写ベルト
4 画像形成部
5 二次転写部
6 感光体ドラム
7 一次転写ローラー
20 制御部
21 記憶部
22 電圧印加部
23 電流検出部
24 モード切替部
25 第1電圧算出部
26 第2電圧算出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6