特許第6601360号(P6601360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ダイフクの特許一覧

<>
  • 特許6601360-物品搬送設備 図000002
  • 特許6601360-物品搬送設備 図000003
  • 特許6601360-物品搬送設備 図000004
  • 特許6601360-物品搬送設備 図000005
  • 特許6601360-物品搬送設備 図000006
  • 特許6601360-物品搬送設備 図000007
  • 特許6601360-物品搬送設備 図000008
  • 特許6601360-物品搬送設備 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6601360
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20191028BHJP
【FI】
   B65G1/00 521D
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-193915(P2016-193915)
(22)【出願日】2016年9月30日
(65)【公開番号】特開2018-52724(P2018-52724A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2018年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】田中 誠
(72)【発明者】
【氏名】嶋村 淳一
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−122531(JP,A)
【文献】 特開平09−017845(JP,A)
【文献】 特開2004−303835(JP,A)
【文献】 特開2009−057117(JP,A)
【文献】 特開2000−091401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容した容器が搬入される搬入用ポートと、
前記物品を洗浄する第1洗浄機に対応する位置に設置されて前記第1洗浄機により洗浄される前の前記物品を収容した前記容器を支持する第1洗浄用ポートと、
前記第1洗浄機に対応する位置に設置され、前記容器から取り出されて前記第1洗浄機により洗浄された後の前記物品を支持する第2洗浄用ポートと、
前記物品を搬送する第1搬送装置と、
前記容器を搬送する第2搬送装置と、を備え、
前記第2洗浄用ポートは、前記第1洗浄用ポートとは別に設置され、
前記第2搬送装置は、前記容器の前記搬入用ポートから前記第1洗浄用ポートへの搬送、前記物品が取り出された後の前記容器の前記第1洗浄用ポートから第2搬送先への搬送を行い、
前記第1搬送装置は、前記物品の前記第2洗浄用ポートから第1搬送先への搬送を行う物品搬送設備。
【請求項2】
前記物品が取り出された後の前記容器を洗浄する第2洗浄機に対応する位置に設置されて前記第2洗浄機により洗浄される前の前記容器を支持する第3洗浄用ポートと、
前記第2洗浄機に対応する位置に設置されて前記第2洗浄機により洗浄された後の前記容器を支持する第4洗浄用ポートと、を更に備え、
前記第4洗浄用ポートは、前記第3洗浄用ポートとは別に設置され、又は前記第3洗浄用ポートと共用され、
前記第2搬送装置は、前記物品が取り出された後の前記容器の前記第1洗浄用ポートから前記第2搬送先としての前記第3洗浄用ポートへの搬送、及び、前記容器の前記第4洗浄用ポートから第3搬送先への搬送を行う請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記第1洗浄機と前記第2洗浄機とが並ぶ方向を並び方向とし、前記並び方向における前記第2洗浄機に対して前記第1洗浄機が存在する方向を第1方向、その反対方向を第2方向として、
前記第1搬送装置及び前記第2搬送装置の夫々は、前記並び方向に移動可能に構成され、
前記第1搬送装置は、前記第2搬送装置に対して前記第1方向側にあり、
前記第1搬送装置の移動経路と前記第2搬送装置の移動経路とが、前記並び方向で重なる部分を有する請求項2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記物品を保管するための第1保管部と、前記容器を保管するための第2保管部と、を更に備え、
前記第1搬送装置は、前記物品の前記第2洗浄用ポートから前記第1搬送先としての前記第1保管部への搬送も行い、
前記第2搬送装置は、前記容器の前記第4洗浄用ポートから前記第3搬送先としての前記第2保管部への搬送も行う請求項2又は3に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記第2洗浄機に対して前記第1洗浄機が存在する方向を第1方向、その反対方向を第2方向として、
前記第1洗浄用ポートと前記第2洗浄用ポートと前記第3洗浄用ポートと前記第4洗浄用ポートと前記搬入用ポートとのうち、前記第2洗浄用ポートが最も前記第1方向側に設置されると共に前記第4洗浄用ポートが最も前記第2方向側に設置され、
前記第2洗浄用ポートより前記第1方向には、前記第1保管部と前記第2保管部とのうちの前記第1保管部のみが設置され、
前記第4洗浄用ポートより前記第2方向には、前記第1保管部と前記第2保管部とのうち前記第2保管部のみが設置されている請求項4に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記物品を収容した前記容器を搬出するための搬出用ポートを更に備え、
前記第2搬送装置は、前記物品を収容していない前記容器を前記搬出用ポートに搬送し、
前記第1搬送装置は、前記第1洗浄機により洗浄された前記物品を前記搬出用ポートに位置する前記容器に収容させるように当該物品を前記搬出用ポートに搬送する請求項1から5のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する第1搬送装置と、容器を搬送する第2搬送装置と、を備えた物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品搬送設備の一例が、特開2000−091401号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1の物品搬送設備では、1つの搬送装置(移載ロボット76)と、物品(レチクル)を収容した容器(カセット)が搬入される搬入用ポート(入出庫口81)と、物品用の保管部(棚72A)と、容器用の保管部(カセット棚72B)と、が備えられている。搬送装置は、カセット用ハンド77とレチクル用ハンド78とを備えており、1つの搬送装置が、物品を搬送する搬送装置である第1搬送装置と容器を搬送する搬送装置である第2搬送装置とに兼用されている。そして、搬送装置は、カセット用ハンド77を用いて、搬入用ポートに搬入された容器を容器用の保管部に搬送する。また、搬送装置は、レチクル用ハンド78を用いて、容器用の保管部に保管された保管中の容器内から物品を取り出して物品用の保管部に搬送すると共に、物品用の保管部の物品を保管中の容器内に収容する。
【0003】
このような物品搬送設備を利用して、物品や容器を洗浄することが考えられる。つまり、物品用の保管部に代えて、物品洗浄用ポートを設置し、容器用の保管部に代えて、容器洗浄用ポートを設置する。物品洗浄用ポートは、物品を洗浄する第1洗浄機に対応する位置に設置されたポートであり、容器洗浄用ポートは、容器を洗浄する第2洗浄機に対応する位置に設置されたポートである。
つまり、搬送装置のカセット用ハンドを用いて、洗浄前の容器を搬入用ポートから容器洗浄用ポートに搬送し、搬送装置のレチクル用ハンドを用いて、容器洗浄用ポートに位置する容器内から洗浄前の物品を取り出してこの洗浄前の物品を物品洗浄用ポートに搬送するとともに、第1洗浄機により洗浄された洗浄後の物品を物品洗浄用ポートから容器洗浄用ポートに位置する容器内に収容することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−091401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のように、搬送装置により容器や物品を搬送すると、レチクル用ハンドにより、洗浄前の物品と洗浄後の物品との双方を搬送する。そのため、レチクル用ハンドにより洗浄前の物品を搬送したときに、洗浄前の物品に付着している塵埃等の汚染物質がレチクル用ハンドに付着し、レチクル用ハンドにより洗浄後の物品を搬送したときに、レチクル用ハンドに付着した汚染物質が洗浄後の物品に付着することで、洗浄後の物品が汚染されることが考えらえる。
【0006】
そこで、洗浄後の物品が汚染されることを回避できる物品搬送設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた、物品搬送設備の特徴構成は、物品を収容した前記容器が搬入される搬入用ポートと、前記物品を洗浄する第1洗浄機に対応する位置に設置されて前記第1洗浄機により洗浄される前の前記物品を収容した前記容器を支持する第1洗浄用ポートと、前記第1洗浄機に対応する位置に設置され、前記容器から取り出されて前記第1洗浄機により洗浄された後の前記物品を支持する第2洗浄用ポートと、前記物品を搬送する第1搬送装置と、前記容器を搬送する第2搬送装置と、を備え、前記第2洗浄用ポートは、前記第1洗浄用ポートとは別に設置され、前記第2搬送装置は、前記容器の前記搬入用ポートから前記第1洗浄用ポートへの搬送、前記物品が取り出された後の前記容器の前記第1洗浄用ポートから第2搬送先への搬送を行い、前記第1搬送装置は、前記物品の前記第2洗浄用ポートから第1搬送先への搬送を行う点にある。
【0008】
このような構成により、搬入用ポートに搬入された容器は、第2搬送装置により搬入用ポートから第1洗浄用ポートに搬送される。このとき第2搬送装置により搬送される容器は、第2洗浄機に洗浄される前の容器であり、この容器には、第1洗浄機に洗浄される前の物品が収容されている。そして、物品については、第1洗浄用ポートに位置する容器から取り出されて第1洗浄機により洗浄された後、第2洗浄用ポートに載せられる。そして、この洗浄された後の物品は、第1搬送装置により第2洗浄用ポートから第1搬送先に搬送される。また、物品が取り出されて空になった容器は、第2搬送装置により、第1洗浄用ポートから第2搬送先に搬送される。
【0009】
第1洗浄機により洗浄される前の物品は、容器に収容された状態で搬入用ポートに搬入され、容器に収容された状態で第2搬送装置により搬入用ポートから第1洗浄用ポートに搬送される。そして、第1洗浄機により洗浄された後の物品は、第1搬送装置により第2洗浄用ポートから搬送先に搬送される。このように、第1搬送装置は、第1洗浄機により洗浄される前の物品を搬送せず、洗浄された後の物品の搬送のみを行うため、洗浄される前の物品を搬送することによって汚れた第2搬送装置により洗浄した後の物品を搬送することにより、洗浄した後の物品が汚染されるということを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】物品搬送設備の平面図
図2】物品搬送設備の側面図
図3】第2スタッカークレーンによる容器の搬送の説明図
図4】第1スタッカークレーンにより板状体の搬送の説明図
図5】第1スタッカークレーンによる板状体の搬送と第2スタッカークレーンによる容器の搬送との説明図
図6】第1スタッカークレーンによる板状体の搬送と第2スタッカークレーンによる容器の搬送との説明図
図7】第2スタッカークレーンによる容器の搬送の説明図
図8】第1スタッカークレーンにより板状体の搬送の説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る物品搬送設備の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品搬送設備には、板状体1及び容器2を保管する保管棚4と、板状体1を搬送する第1スタッカークレーン5と、容器2を搬送する第2スタッカークレーン6と、容器搬入用の搬入用ポート7と、容器搬出用の搬出用ポート8と、を備えている。また、物品搬送設備には、壁体Wが備えられており、保管棚4と第1スタッカークレーン5と第2スタッカークレーン6とは、壁体Wに囲まれた内部に設置されている。
【0012】
壁体Wの外部には、当該壁体Wに隣接する状態で第1洗浄機CL1と第2洗浄機CL2とが設置されている。第1洗浄機CL1は、板状体1を洗浄するための洗浄機であり、第2洗浄機CL2は、板状体1が取り出された後の容器2を洗浄するための洗浄機である。そして、物品搬送設備には、第1洗浄機CL1に対して設置された第1洗浄用ポート11及び第2洗浄用ポート12と、第2洗浄機CL2に対して設置された第3洗浄用ポート13及び第4洗浄用ポート14が備えられている。第1洗浄用ポート11は、第2洗浄用ポート12とは別に設置され、第4洗浄用ポート14は、第3洗浄用ポート13とは別に設置されている。
【0013】
本実施形態では、板状体1は、フォトマスクであり、平面視での形状が矩形状に形成されている。尚、板状体1が物品に相当する。容器2は、規定枚数の板状体1を収容可能な容器である。容器2として、蓋が備えられており蓋の開閉が必要な密閉された密閉式の容器、蓋が備えられておらず蓋の開閉が不要な解放式の容器、のいずれの容器を用いてもよい。ただし、密閉式の容器を用いる場合は、蓋の開閉が必要な位置(例えば、後述する搬出用ポート8等)には、容器2の蓋を開閉する開閉装置を備える必要がある。
【0014】
以下、物品搬送設備の各構成について説明するが、上下方向Zに見て、第1洗浄機CL1と第2洗浄機CL2とが並ぶ方向を並び方向Yとし、この並び方向Yに対して直交する方向を前後方向Xとして説明する。また、前後方向Xにおいて、保管棚4に対して第1スタッカークレーン5や第2スタッカークレーン6が存在する方向を前方X1とし、その反対方向を後方X2として説明する。また、並び方向Yにおいて、第2洗浄機CL2に対して第1洗浄機CL1が存在する方向を第1方向Y1とし、その反対方向を第2方向Y2として説明する。
【0015】
図2に示すように、物品搬送設備の天井部には、第1ファンフィルタユニット16が設置されている。この第1ファンフィルタユニット16は、保管棚4や第1スタッカークレーン5や第2スタッカークレーン6より上方に設置されており、上方の空気を吸引して下方に空気を吐出する。これにより、壁体Wの内部には、天井側から床側に向けて清浄空気が下向きに流動するダウンフローが形成されている。
また、壁体Wには、第2ファンフィルタユニット17が設置されている。第2ファンフィルタユニット17は、保管棚4に対して後方X2側に位置するように設置されている。そして、第2ファンフィルタユニット17は、後方X2の空気を吸引して前方X1に吐出する。これにより、保管棚4内に清浄空気が後方X2から前方X1に流れる清浄空気の流れが形成されている。
物品搬送設備が設置される床部Fは、下部床F1と、下部床F1よりも上側に配設された上部床F2とにより構成されており、下部床F1と上部床F2との間に床下空間が形成され、上部床F2と天井との間に作業空間が形成されている。上部床F2は、グレーチング床であり、上下方向Zに貫通する通気孔が複数形成されている。下部床F1は、通気孔を有さない床であり、本実施形態では、無孔状のコンクリートによって構成されている。
【0016】
〔搬入出用コンベヤ〕
図1に示すように、物品搬送設備には、搬入用コンベヤ19と搬出用コンベヤ20との夫々が壁体Wを貫通する状態で設置されている。搬入用コンベヤ19や搬出用コンベヤ20は、板状体1を収容した容器2を搬送する。
搬入用コンベヤ19は、壁体Wの外部に位置する第1搬入位置から壁体Wの内部に位置する第2搬入位置に容器2を搬送する。搬入用コンベヤ19における壁体Wより内側に位置する、搬入用コンベヤ19の前方X1の端部により搬入用ポート7が構成されている。換言すれば、搬入用ポート7は、第2搬入位置に位置する容器2を支持するためのポートである。そして、搬入用コンベヤ19により容器2を第1搬入位置から第2搬入位置に搬送することで、容器2が搬入用ポート7に搬入される。このように、搬入用ポート7は、板状体1を収容した容器2が搬入されるポートである。
搬出用コンベヤ20は、壁体Wの内部に位置する第1搬出位置から壁体Wの外部に位置する第2搬出位置に容器2を搬送する。搬出用コンベヤ20における壁体Wより内側に位置する、搬出用コンベヤ20の前方X1の端部により搬出用ポート8が構成されている。換言すれば、搬出用ポート8は、第1搬出位置に位置する容器2を支持するためのポートである。そして、搬出用コンベヤ20により容器2を第1搬出位置から第2搬出位置に搬送することで、容器2が搬出用ポート8から搬出される。このように、搬出用ポート8は、板状体1を収容した容器2を搬出するためのポートである。
【0017】
〔洗浄用コンベヤ〕
また、図1に示すように、物品搬送設備には、第1洗浄用コンベヤ21と第2洗浄用コンベヤ22と第3洗浄用コンベヤ23と第4洗浄用コンベヤ24との夫々が、壁体Wを貫通する状態で設置されている。第1洗浄用コンベヤ21及び第2洗浄用コンベヤ22は、第1洗浄機CL1に対して設置されており、第3洗浄用コンベヤ23及び第4洗浄用コンベヤ24は、第2洗浄機CL2に対して設置されている。
【0018】
第1洗浄用コンベヤ21は、壁体Wの内部に位置する第1位置P1から第1洗浄機CL1に密着する位置に容器2を搬送すると共に、第1洗浄機CL1に密着する位置から第1位置P1に容器2を搬送する。第1洗浄機CL1には、容器2から板状体1を取り出すロボット(図示せず)が装備されている。そのため、第1洗浄用コンベヤ21により第1位置P1から第1洗浄機CL1に密着する位置に搬送される容器2には板状体1が収容されているが、第1洗浄用コンベヤ21により第1洗浄機CL1に密着する位置から第1位置P1に搬送される容器2には板状体1は収容されていない。このように、第1洗浄用コンベヤ21は、板状体1を収容した容器2及び板状体1を収容していない容器2の双方を搬送する。尚、第1洗浄用コンベヤ21により搬送される容器2及びこれに収容されている板状体1は、洗浄機により洗浄される前の容器2(洗浄前の容器2)及び板状体1(洗浄前の板状体1)である。第1洗浄用コンベヤ21における壁体Wより内側に位置する、第1洗浄用コンベヤ21の前方X1の端部により第1洗浄用ポート11が構成されている。換言すれば、第1洗浄用ポート11は、第1位置P1に位置する容器2を支持するためのポートである。尚、この第1洗浄用ポート11は、板状体1を洗浄する第1洗浄機CL1に対応する位置に設置されて第1洗浄機CL1により洗浄される前の板状体1を収容した容器2を支持するポートに相当する。
【0019】
第2洗浄用コンベヤ22は、第1洗浄機CL1内から壁体Wの内部に位置する第2位置P2に板状体1を搬送する。第1洗浄機CL1では、当該第1洗浄機CL1にて洗浄された後の板状体1(洗浄後の板状体1)が第2洗浄用コンベヤ22に載せられる。そのため、第2洗浄用コンベヤ22により第1洗浄機CL1内から第2位置P2に搬送される板状体1は、洗浄後の板状体1である。第2洗浄用コンベヤ22における壁体Wより内側に位置する、第2洗浄用コンベヤ22の前方X1の端部により第2洗浄用ポート12が構成されている。換言すれば、第2洗浄用ポート12は、第2位置P2に位置する板状体1を支持するためのポートである。尚、この第2洗浄用ポート12は、第1洗浄機CL1に対応する位置に設置され、容器2から取り出されて第1洗浄機CL1により洗浄された後の板状体1を支持するポートに相当する。
【0020】
第3洗浄用コンベヤ23は、壁体Wの内部に位置する第3位置P3から第2洗浄機CL2内に容器2を搬送する。第3洗浄用コンベヤ23により搬送される容器2は、第2洗浄機CL2により洗浄される前の容器2(洗浄前の容器2)である。第3洗浄用コンベヤ23における壁体Wより内側に位置する、第3洗浄用コンベヤ23の前方X1の端部により第3洗浄用ポート13が構成されている。換言すれば、第3洗浄用ポート13は、第3位置P3に位置する容器2を支持するためのポートである。尚、この第3洗浄用ポート13は、第2洗浄機CL2に対応する位置に設置されて第2洗浄機CL2により洗浄される前の容器2を支持するポートに相当する。
【0021】
第4洗浄用コンベヤ24は、第2洗浄機CL2内から壁体Wの内部に位置する第4位置P4に容器2を搬送する。第4洗浄用コンベヤ24により搬送される容器2は、第2洗浄機CL2により洗浄された後の容器2(洗浄後の容器2)である。第4洗浄用コンベヤ24における壁体Wより内側に位置する、第4洗浄用コンベヤ24の前方X1の端部により第4洗浄用ポート14が構成されている。換言すれば、第4洗浄用ポート14は、第4位置P4に位置する容器2を支持するためのポートである。この第4洗浄用ポート14は、第2洗浄機CL2に対応する位置に設置されて第2洗浄機CL2に洗浄された後の容器2を支持するポートに相当する。
【0022】
〔保管棚〕
保管棚4は、複数の保管部26を備えている。保管棚4は、上下方向Z及び並び方向Yに複数並ぶ状態で保管部26を備えている。保管棚4には、保管部26として、板状体1を保管するための第1保管部27と、容器2を保管するための第2保管部28とを備えている。保管棚4は、並び方向Yにおいて、第1保管部27が第2保管部28に対して第1方向Y1に位置するように、第1保管部27及び第2保管部28を備えている。
また、保管棚4には、更に、搬入用ポート7(搬入用コンベヤ19)、搬出用ポート8(搬出用コンベヤ20)、第1洗浄用ポート11(第1洗浄用コンベヤ21)、第2洗浄用ポート12(第2洗浄用コンベヤ22)、第3洗浄用ポート13(第3洗浄用コンベヤ23)、第4洗浄用ポート14(第4洗浄用コンベヤ24)、後述する検査部29が備えられている。
【0023】
本実施形態では、前後方向Xに並ぶ状態で保管棚4が一対設置されており、前後方向Xにおいて、一対の保管棚4の間に第1スタッカークレーン5及び第2スタッカークレーン6が設置されている。一対の保管棚4のうちの一方の保管棚4に、搬入用ポート7及び搬出用ポート8が設けられており、一対の保管棚4のうちの他方の保管棚4に、第1洗浄用ポート11、第2洗浄用ポート12、第3洗浄用ポート13、第4洗浄用ポート14及び検査部29が備えられている。第1保管部27及び第2保管部28の夫々は、一対の保管棚4の双方に備えられている。また、本実施形態では、検査部29として、第1検査部30と第2検査部31との2つの検査部29を備えている。第1検査部30は、パーティクルやパターンの欠陥等の板状体1の外観を検査する。第2検査部31は、板状体1の長さ、幅及び厚み等の板状体1の大きさを計測(測長)する。
【0024】
図2に示すように、第2保管部28として、洗浄後の容器2を保管するための洗浄後の第2保管部28Aと、洗浄前の容器2を保管するための洗浄前用の第2保管部28Bと、がある。洗浄前用の第2保管部28Bは、洗浄後の第2保管部28Aより下方に備えられている。上下方向Zに隣り合う洗浄後用の第2保管部28Aと洗浄前用の第2保管部28Bとは、仕切体32により仕切られている。仕切体32は、上下方向Zに隣り合う洗浄後用の第2保管部28Aと洗浄後用の第2保管部28Bとを互いに空気が流動しないように、無孔状の板状材により構成されている。
【0025】
〔スタッカークレーン〕
図1に示すように、第1スタッカークレーン5及び第2スタッカークレーン6の夫々は、並び方向Yに移動可能に構成されている。第1スタッカークレーン5は、板状体1を搬送するスタッカークレーンである。第2スタッカークレーン6は、容器2を搬送するスタッカークレーンである。第1スタッカークレーン5は、第2スタッカークレーン6に対して第1方向側にある。第1スタッカークレーン5の移動経路M1と第2スタッカークレーン6の移動経路M2とが、並び方向Yで重なる部分を有する。尚、第1スタッカークレーン5は、板状体1を搬送する第1搬送装置に相当し、第2スタッカークレーン6は、容器2を搬送する第2搬送装置に相当する。
【0026】
図2に示すように、第2スタッカークレーン6は、並び方向Yに走行する走行台車33と、走行台車33に立設されたマスト34と、マスト34に沿って昇降する昇降体35と、昇降体35に支持されている移載装置36と、を備えている。詳細な説明は省略するが、移載装置36には、容器2を支持する支持体と、当該支持体を前後方向Xに沿って移動させるリンク機構と、を備えている。移載装置36は、第2搬送元S2から自己に容器2を移載可能で且つ自己から第2搬送先G2に容器2を移載可能に構成されている。第1スタッカークレーン5は、移載装置36の支持体にて板状体1を支持する点以外は、第2スタッカークレーン6と同様に構成されている。
【0027】
〔ポートの位置関係〕
第1洗浄用ポート11と第2洗浄用ポート12と第3洗浄用ポート13と第4洗浄用ポート14と搬入用ポート7と搬出用ポート8とのうち、第2洗浄用ポート12が最も第1方向Y1側に設置されると共に第4洗浄用ポート14が最も第2方向Y2側に設置されている。本実施形態では、第1洗浄用ポート11と第2洗浄用ポート12と第3洗浄用ポート13と第4洗浄用ポート14とは、第2方向Y2に向けて、第2洗浄用ポート12、第1洗浄用ポート11、第3洗浄用ポート13、第4洗浄用ポート14の順に並んでいる。このように、第1スタッカークレーン5が搬送元又は搬送先とする第2洗浄用ポート12は、第2スタッカークレーン6が搬送元又は搬送先とする第1洗浄用ポート11、第3洗浄用ポート13及び第4洗浄用ポート14よりも、第1方向Y1に位置するように設置されている。
【0028】
搬入用ポート7と搬出用ポート8とは、第2方向Y2に向けて、搬入用ポート7、搬出用ポート8の順に並んでいる。搬入用ポート7及び搬出用ポート8は、並び方向Yにおいて、第2洗浄用ポート12の第1方向Y1側の端部と、第4洗浄用ポート14の第2方向Y2側の端部と、の間に位置するように設置されている。そして、これら搬入用ポート7及び搬出用ポート8は、第1スタッカークレーン5及び第2スタッカークレーン6の双方の搬送元又は搬送先となるため、並び方向Yにおいて、第1スタッカークレーン5の移動経路M1と第2スタッカークレーン6の移動経路M2とが重なる領域内に設置されている。第2洗浄用ポート12より第1方向Y1には、第1保管部27と第2保管部28とのうちの第1保管部27のみが設置されており、第4洗浄用ポート14より第2方向Y2には、第1保管部27と第2保管部28とのうちの第2保管部28のみが設置されている。
【0029】
〔搬送の形態〕
第1スタッカークレーン5は、第1搬送元S1から第1搬送先G1に板状体1を搬送する。第1スタッカークレーン5は、第2洗浄用ポート12、第1検査部30、第2検査部31及び第1保管部27を第1搬送元S1とし、第1検査部30、第2検査部31、第1保管部27及び搬出用ポート8を第1搬送先G1としている。つまり、具体例を挙げると、第1スタッカークレーン5は、次のように第1搬送元S1から第1搬送先G1に板状体1を搬送する。
図4に示すように、第1スタッカークレーン5は、第2洗浄用ポート12を第1搬送元S1とし、第1検査部30を第1搬送先G1として、板状体1の第2洗浄用ポート12から第1検査部30への搬送を行う。図5に示すように、第1スタッカークレーン5は、第1検査部30を第1搬送元S1とし、第2検査部31を第1搬送先G1として、板状体1の第1検査部30から第2検査部31への搬送を行う。図6に示すように、第1スタッカークレーン5は、第2検査部31を第1搬送元S1とし、第1保管部27を第1搬送先G1として、板状体1の第2検査部31から第1保管部27への搬送を行う。図8に示すように、第1スタッカークレーン5は、第1保管部27を第1搬送元S1とし、搬出用ポート8を第1搬送先G1として、板状体1の第1保管部27から搬出用ポート8への搬送を行う。具体的には、第1スタッカークレーン5は、第1保管部27を第1搬送元S1とし、搬出用ポート8に位置する容器2を第1搬送先G1として、板状体1の第1保管部27から搬出用ポート8の容器2への搬送を行う。
また、第1スタッカークレーン5は、第2検査部31を第1搬送元S1とし、搬出用ポート8を第1搬送先G1として、第2検査部31から搬出用ポート8に板状体1を搬送する場合等もあり、第1スタッカークレーン5により板状体1が搬送される搬送元と搬送先の組み合わせは図示したものに限られない。
【0030】
第2スタッカークレーン6は、第2搬送元S2から第2搬送先G2に容器2を搬送する。第2スタッカークレーン6は、搬入用ポート7、第1洗浄用ポート11、第4洗浄用ポート14及び第2保管部28を第2搬送元S2とし、搬出用ポート8、第1洗浄用ポート11、第3洗浄用ポート13及び第2保管部28を第2搬送先G2としている。尚、第2スタッカークレーン6は、搬出用ポート8及び第2保管部28を第3搬送先としており、第2搬送先G2のうち、第4洗浄用ポート14を第2搬送元S2とした場合に、容器を搬送する先となるポートや保管部26を第3搬送先としている。
【0031】
つまり、具体例を挙げると、第2スタッカークレーン6は、次のように第2搬送元S2から第2搬送先G2に容器2を搬送する。 図3に示すように、第2スタッカークレーン6は、搬入用ポート7を第2搬送元S2とし、第1洗浄用ポート11を第2搬送先G2として、容器2の搬入用ポート7から第1洗浄用ポート11への搬送を行う。図5に示すように、第2スタッカークレーン6は、第1洗浄用ポート11を第2搬送元S2、第3洗浄用ポート13を第2搬送先G2として、第1洗浄用ポート11から第3洗浄用ポート13に容器2を搬送する。図6に示すように、第2スタッカークレーン6は、第4洗浄用ポート14を第2搬送元S2とし、第2保管部28を第2搬送先G2(第3搬送先)として、容器2の第4洗浄用ポート14から第2保管部28への搬送を行う。図7に示すように、第2スタッカークレーン6は、第2保管部28を第2搬送元S2とし、搬出用ポート8を第2搬送先G2として、容器2の第2保管部28から搬出用ポート8への搬送を行う。
また、搬入用ポート7に容器2が搬入されたものの第1洗浄用ポート11に別の容器2が存在する等にて搬入用ポート7の容器2を第1洗浄用ポート11に搬送できない場合は、第2スタッカークレーン6は、搬入用ポート7を第2搬送元S2とし、第2保管部28を第2搬送先G2として、搬入用ポート7から第2保管部28に容器2を搬送する。そして、当該容器2を第1洗浄用ポート11に搬送できるようになった場合に、第2スタッカークレーン6は、第2保管部28を第2搬送元S2とし、第1洗浄用ポート11を第2搬送先G2として、第2保管部28から第1洗浄用ポート11に容器2を搬送する。このように、第2スタッカークレーン6により容器2が搬送される搬送元と搬送先の組み合わせは図示したものに限られない。
【0032】
図1に示すように、物品搬送設備には、第1スタッカークレーン5及び第2スタッカークレーン6を制御する制御部Hが備えられている。次のようにして板状体1及び容器2を搬送するべく、制御部Hにより第1スタッカークレーン5及び第2スタッカークレーン6が制御される。
図3に仮想線(二点鎖線)で示すように、搬入用コンベヤ19により搬入用ポート7に容器2が搬入される。この搬入用ポート7に搬入された容器2は洗浄前の容器2であり、当該容器2には、洗浄前の板状体1が収容されている。そして、制御部Hは、搬入用ポート7に搬入された容器2を搬入用ポート7から第1洗浄用ポート11に搬送(図3参照)するように、第2スタッカークレーン6を制御する第1容器搬送制御を実行する。第1洗浄用ポート11に搬送された容器2は、第1洗浄用コンベヤ21により第1洗浄機CL1に密着する位置に搬送された後、第1洗浄機CL1のロボット(図示せず)により容器2から板状体1が取り出されて、板状体1が第1洗浄機CL1により洗浄される。第1洗浄機CL1により洗浄された後の板状体1は、第1洗浄機CL1のロボットにより、第2洗浄用コンベヤ22上に載せられ、図3に示すように、第2洗浄用コンベヤ22により第2洗浄用ポート12に搬送される。板状体1が全て取り出された容器2は、第1洗浄用コンベヤ21により第1洗浄機CL1に密着する位置から第1洗浄用ポート11に搬送される。
【0033】
制御部Hは、第1洗浄用ポート11の容器2を第1洗浄用ポート11から第3洗浄用ポート13に搬送(図5参照)するように、第2スタッカークレーン6を制御する第2容器搬送制御を実行する。この第2容器搬送制御によって第2スタッカークレーン6により搬送される容器2は洗浄前の容器2であり、当該容器2には、洗浄前の板状体1が収容されている。そして、図5に示すように、第3洗浄用ポート13に搬送された洗浄前の容器2は、第3洗浄用コンベヤ23により第2洗浄機CL2内に搬送され、第2洗浄機CL2により洗浄される。第2洗浄機CL2により洗浄された後の洗浄後の容器2は、第4洗浄用コンベヤ24により第4洗浄用ポート14に搬送される。
【0034】
制御部Hは、第4洗浄用ポート14の容器2を第4洗浄用ポート14から第2保管部28に搬送(図6参照)するように、第2スタッカークレーン6を制御する第3容器搬送制御を実行する。そして、容器2に板状体1を収容して容器2を搬出する場合に、制御部Hは、第2保管部28から搬出用ポート8に搬送(図7参照)するように、第2スタッカークレーン6を制御する第4容器搬送制御を実行する。この第3容器搬送制御や第4容器搬送制御により第2スタッカークレーン6によって搬送される容器2は洗浄後の容器2であり、当該容器2には、板状体1は収容されていない。
【0035】
制御部Hは、第2洗浄用ポート12の板状体1を第2洗浄用ポート12から第1検査部30に搬送(図4参照)するように、第1スタッカークレーン5を制御する第1板状体搬送制御を実行する。制御部Hは、第1検査部30における検査が終了した板状体1を第1検査部30から第2検査部31に搬送(図5参照)するように、第1スタッカークレーン5を制御する第2板状体搬送制御を実行する。制御部Hは、第2検査部31における検査が終了した板状体1を第2検査部31から第1保管部27に搬送(図6参照)するように、第1スタッカークレーン5を制御する第3板状体搬送制御を実行する。そして、制御部Hは、容器2に板状体1を収容して容器2を搬出する場合に、第1保管部27の板状体1を第1保管部27から搬出用ポート8に搬送(図8参照)するように、第1スタッカークレーン5を制御する第4板状体搬送制御を実行する。第1板状体搬送制御、第2板状体搬送制御、第3板状体搬送制御及び第4板状体搬送制御により第1スタッカークレーン5によって搬送される板状体1は、洗浄後の板状体1である。そして、第4板状体搬送制御では、第1スタッカークレーン5により搬出用ポート8に板状体1を搬送する場合において、第1スタッカークレーン5は、板状体1を搬出用ポート8に位置する容器2に収容させるように当該板状体1を搬出用ポート8に搬送する。
【0036】
2.その他の実施形態
次に、物品搬送設備のその他の実施形態について説明する。
【0037】
(1)上記実施形態では、第1洗浄用ポート11を、第2洗浄用ポート12に対して第1方向Y1側に設置したが、第1洗浄用ポート11及び第2洗浄用ポート12の設置位置は適宜変更してもよい。例えば、第1洗浄用ポート11を、第2洗浄用ポート12に対して第2方向Y2に設置してもよく、また、上下方向Zに見て第1洗浄用ポート11と第2洗浄用ポート12とを重なるように設置して、第1洗浄用ポート11と第2洗浄用ポート12とを並び方向Yで同じ位置に設置してもよい。尚、第3洗浄用ポート13及び第4洗浄用ポート14の設置位置、並びに、搬入用ポート7及び搬出用ポート8の設置位置についても、第1洗浄用ポート11及び第2洗浄用ポート12と同様に、適宜変更してもよい。
また、上記実施形態では、第4洗浄用ポート14を、第3洗浄用ポート13とは別に設置したが、第3洗浄用ポート13に第4洗浄用ポート14の機能を備えさせて、第3洗浄用ポート13を第4洗浄用ポート14と共用してもよい。また、搬出用ポート8を、搬入用ポート7とは別に設置したが、搬入用ポート7に搬出用ポート8の機能を備えさせて、搬入用ポート7を搬出用ポート8と共用してもよい。
【0038】
(2)上記実施形態では、第2スタッカークレーン6は、第2洗浄機CL2により洗浄され且つ板状体1を収容していない容器2を搬出用ポート8に搬送し、第1スタッカークレーン5は、第1洗浄機CL1により洗浄された後の板状体1を搬出用ポート8に位置する容器2に収容させるように当該板状体1を搬出用ポート8に搬送するようにして、容器2に板状体1を収容したが、別の構成により板状体1を容器2に収容してもよい。具体的には、例えば、搬出用ポート8とは別に容器収容用ポートを備えて、第2スタッカークレーン6は、第2洗浄機CL2により洗浄され且つ板状体1を収容していない容器2を容器収容用ポートに搬送し、第1スタッカークレーン5は、第1洗浄機CL1により洗浄された後の板状体1を容器収容用ポートに位置する容器2に収容させるように当該板状体1を容器収容用ポートに搬送するようにしてもよい。この場合、第2スタッカークレーン6によって板状体1を収容した容器2を容器収容用ポートから搬出用ポート8に搬送する。また、例えば、搬出用ポート8とは別に板状体用ポートを備えて、第2スタッカークレーン6は、第2洗浄機CL2により洗浄され且つ板状体1を収容していない容器2を搬出用ポート8に搬送し、第1スタッカークレーン5は、第1洗浄機CL1により洗浄された後の板状体1を板状体用ポートに搬送する。そして、別途備えた収容ロボットにより、板状体1を搬出用ポート8に位置する容器2に収容させるように、板状体1を板状体用ポートから搬出用ポート8に搬送するようにしてもよい。
【0039】
(3)上記実施形態では、第1スタッカークレーン5を、板状体1の底面を下方から支持するように構成したが、第1スタッカークレーン5における板状体1を支持する構成は適宜変更してもよく、例えば、第1スタッカークレーン5を、板状体1の上面を吸着により上方から支持するように構成してもよい。
第2スタッカークレーン6を、容器2の底面を下方から支持するように構成したが、第2スタッカークレーン6における容器2を支持する構成は適宜変更してもよく、例えば、第2スタッカークレーン6を、容器2の上部を支持して容器2を吊り下げるように支持してもよい。
【0040】
(4)上記実施形態では、第1洗浄用ポート11と第2洗浄用ポート12と第3洗浄用ポート13と第4洗浄用ポート14と搬入用ポート7と搬出用ポート8のうち、最も第1方向Y1側に位置するポートより第1方向Y1には、第1保管部27と第2保管部28とのうちの第1保管部27のみを設置したが、最も第1方向Y1側に位置するポートより第1方向Y1に、第1保管部27と第2保管部28との双方を設置してもよい。また、第1洗浄用ポート11と第2洗浄用ポート12と第3洗浄用ポート13と第4洗浄用ポート14と搬入用ポート7と搬出用ポート8のうち、最も第2方向Y2側に位置するポートより第2方向Y2には、第1保管部27と第2保管部28とのうちの第2保管部28のみを設置したが、最も第2方向Y2側に位置するポートより第2方向Y2に、第1保管部27と第2保管部28との双方を設置してもよい。
【0041】
(5)上記実施形態では、第3洗浄用ポート13及び第4洗浄用ポート14を、第2スタッカークレーン6が容器2を受け渡し可能な位置に設置したが、第3洗浄用ポート13及び第4洗浄用ポート14を設置する位置は適宜変更してもよい。具体的には、例えば、第3洗浄用ポート13及び第4洗浄用ポート14を壁体Wの外部に設置して、洗浄前で且つ板状体1を収容していない容器2を搬出用ポート8から搬出し、その搬出用ポート8から搬出した容器2を外部の搬送装置により第3洗浄用ポート13に搬送すると共に、洗浄後で且つ板状体1を収容していない容器2を外部の搬送装置により第4洗浄用ポート14から搬送して、当該容器2を搬入用ポート7から搬入するようにしてもよい。また、第2洗浄機CL2、第3洗浄用ポート13及び第4洗浄用ポート14を備えなくてもよい。
【0042】
(6)上記実施形態では、物品をフォトマスクとしたが、ウェハ等の他の板状体1でもよく、また、物品の形状としては、板状以外に立方体状や丸棒状等の他の形状でもよい。
【0043】
(7)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0044】
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した物品搬送設備の概要について説明する。
【0045】
物品搬送設備は、物品を収容した前記容器が搬入される搬入用ポートと、前記物品を洗浄する第1洗浄機に対応する位置に設置されて前記第1洗浄機により洗浄される前の前記物品を収容した前記容器を支持する第1洗浄用ポートと、前記第1洗浄機に対応する位置に設置され、前記容器から取り出されて前記第1洗浄機により洗浄された後の前記物品を支持する第2洗浄用ポートと、前記物品を搬送する第1搬送装置と、前記容器を搬送する第2搬送装置と、を備え、前記第2洗浄用ポートは、前記第1洗浄用ポートとは別に設置され、前記第2搬送装置は、前記容器の前記搬入用ポートから前記第1洗浄用ポートへの搬送、前記物品が取り出された後の前記容器の前記第1洗浄用ポートから第2搬送先への搬送を行い、前記第1搬送装置は、前記物品の前記第2洗浄用ポートから第1搬送先への搬送を行う。
【0046】
このような構成により、搬入用ポートに搬入された容器は、第2搬送装置により搬入用ポートから第1洗浄用ポートに搬送される。このとき第2搬送装置により搬送される容器には、第1洗浄機に洗浄される前の物品が収容されている。そして、物品については、第1洗浄用ポートに位置する容器から取り出されて第1洗浄機により洗浄された後、第2洗浄用ポートに載せられる。そして、この洗浄された後の物品は、第1搬送装置により第2洗浄用ポートから第1搬送先に搬送される。また、物品が取り出されて空になった容器は、第2搬送装置により、第1洗浄用ポートから第2搬送先に搬送される。
【0047】
第1洗浄機により洗浄される前の物品は、容器に収容された状態で搬入用ポートに搬入され、容器に収容された状態で第2搬送装置により搬入用ポートから第1洗浄用ポートに搬送される。そして、第1洗浄機により洗浄された後の物品は、第1搬送装置により第2洗浄用ポートから搬送先に搬送される。このように、第1搬送装置は、第1洗浄機により洗浄される前の物品を搬送せず、洗浄された後の物品の搬送のみを行うため、洗浄される前の物品を搬送することによって汚れた第2搬送装置により洗浄した後の物品を搬送することにより、洗浄した後の物品が汚染されるということを回避できる。
【0048】
また、前記物品が取り出された後の前記容器を洗浄する第2洗浄機に対応する位置に設置されて前記第2洗浄機により洗浄される前の前記容器を支持する第3洗浄用ポートと、前記第2洗浄機に対応する位置に設置されて前記第2洗浄機により洗浄された後の前記容器を支持する第4洗浄用ポートと、を更に備え、前記第4洗浄用ポートは、前記第3洗浄用ポートとは別に設置され、又は前記第3洗浄用ポートと共用され、前記第2搬送装置は、前記物品が取り出された後の前記容器の前記第1洗浄用ポートから前記第2搬送先としての前記第3洗浄用ポートへの搬送、及び、前記容器の前記第4洗浄用ポートから第3搬送先への搬送を行うと好適である。
【0049】
この構成によれば、第2搬送装置により、第1洗浄用ポートから第3洗浄用ポートに搬送され、第2洗浄機により洗浄された容器は、第2搬送装置により、第4洗浄用ポートから第3搬送先に搬送される。このように、第2洗浄機により容器を洗浄できると共に、当該容器を、第2搬送装置により第4洗浄用ポートから第3搬送先に搬送することで、搬送装置を別に備える場合に比べて、物品搬送設備の構成の簡素化を図ることができる。
【0050】
ここで、前記第1洗浄機と前記第2洗浄機とが並ぶ方向を並び方向とし、前記並び方向における前記第2洗浄機に対して前記第1洗浄機が存在する方向を第1方向、その反対方向を第2方向として、前記第1搬送装置及び前記第2搬送装置の夫々は、前記並び方向に移動可能に構成され、前記第1搬送装置は、前記第2搬送装置に対して前記第1方向側にあり、前記第1搬送装置の移動経路と前記第2搬送装置の移動経路とが、前記並び方向で重なる部分を有すると好適である。
【0051】
この構成によれば、第1搬送装置の移動経路と第2搬送装置の移動経路とで並び方向で重なる部分に搬送先を配設することで、第1搬送装置と第2搬送装置とで同じ搬送先に物品や容器を搬送することができる。そのため、例えば、第2搬送装置により洗浄した後の容器を搬送先に搬送し、洗浄した後の物品を、搬送先に位置する容器に収容するように搬送先に搬送することもできる。このように、使い勝手がよい物品搬送設備を提供することができる。
【0052】
また、前記物品を保管するための第1保管部と、前記容器を保管するための第2保管部と、を更に備え、前記第1搬送装置は、前記物品の前記第2洗浄用ポートから前記第1搬送先としての前記第1保管部への搬送も行い、前記第2搬送装置は、前記容器の前記第4洗浄用ポートから前記第3搬送先としての前記第2保管部への搬送も行うと好適である。
【0053】
この構成によれば、洗浄後の物品を第1保管部に保管することができ、洗浄後の容器を第2保管部に保管することができる。そして、洗浄後の物品を洗浄後の容器に収容する場合であって、物品の洗浄が完了するタイミングと容器の洗浄が完了するタイミングがずれた場合などに、第1保管部や第2保管部を、物品や容器を一時的に保管するバッファとして利用できる。
【0054】
また、前記第2洗浄機に対して前記第1洗浄機が存在する方向を第1方向、その反対方向を第2方向として、前記第1洗浄用ポートと前記第2洗浄用ポートと前記第3洗浄用ポートと前記第4洗浄用ポートと前記搬入用ポートとのうち、前記第2洗浄用ポートが最も前記第1方向側に設置されると共に前記第4洗浄用ポートが最も前記第2方向側に設置され、前記第2洗浄用ポートより前記第1方向には、前記第1保管部と前記第2保管部とのうちの前記第1保管部のみが設置され、前記第4洗浄用ポートより前記第2方向には、前記第1保管部と前記第2保管部とのうち前記第2保管部のみが設置されていると好適である。
【0055】
この構成によれば、並び方向において、第1保管部と第2保管部との間に第1洗浄用ポートと第2洗浄用ポートと第3洗浄用ポートと第4洗浄用ポートと搬入用ポートとを設置することで、これらのポートを集約して設置できる。そのため、ポートから別のポートに物品や容器を搬送するときに、物品や容器を効率よく搬送できる。また、最も第1方向側に設置された第2洗浄用ポートより第1方向には、物品を保管するための第1保管部のみが設置されているため、容器を搬送するための第2搬送装置を第2洗浄用ポートより第1方向に移動しないようにして、第2搬送装置の移動経路を短くできる。また、最も第2方向側に設置された第4洗浄用ポートより第2方向には、容器を保管するための第1保管部のみが設置されているため、物品を搬送するための第1搬送装置を第4洗浄用ポートより第2方向に移動しないようにして、第1搬送装置の移動経路を短くできる。このように第1搬送装置及び第2搬送装置の移動経路を短くできるため、第1搬送装置による物品の搬送や第2搬送装置による容器の搬送を効率よく行える。
【0056】
また、前記物品を収容した前記容器を搬出するための搬出用ポートを更に備え、前記第2搬送装置は、前記第2洗浄機により洗浄され且つ前記物品を収容していない前記容器を前記搬出用ポートに搬送し、前記第1搬送装置は、前記第1洗浄機により洗浄された前記物品を前記搬出用ポートに位置する前記容器に収容させるように当該物品を前記搬出用ポートに搬送すると好適である。
【0057】
この構成によれば、第2搬送装置により、物品を収容していない容器を搬出用ポートに搬送しておき、その容器に物品を収容させるように、第1搬送装置により、洗浄された後の物品を搬出用ポートに搬送する。このように、搬出用ポートを利用して容器に物品を収容することで、例えば、搬出用ポート以外の場所で、洗浄した後の物品を容器に収容した場合のように、物品を収容した容器を搬出用ポートに搬送する、という搬送処理が必要ないため、容器を効率よく搬出できる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本開示に係る技術は、洗浄機に対応する位置に設置されたポートに物品や容器を搬送する物品搬送設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1:板状体(物品)
2:容器
5:第1スタッカークレーン(第1搬送装置)
6:第2スタッカークレーン(第2搬送装置)
7:搬入用ポート
8:搬出用ポート
11:第1洗浄用ポート
12:第2洗浄用ポート
13:第3洗浄用ポート
14:第4洗浄用ポート
27:第1保管部
28:第2保管部
CL1:第1洗浄機
CL2:第2洗浄機
M1:移動経路
M2:移動経路
Y:並び方向
Y1:第1方向
Y2:第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8