特許第6601370号(P6601370)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6601370後処理装置およびこれを備えた画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6601370
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】後処理装置およびこれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/26 20060101AFI20191028BHJP
   B65H 31/38 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   B65H31/26
   B65H31/38
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-225070(P2016-225070)
(22)【出願日】2016年11月18日
(65)【公開番号】特開2018-80044(P2018-80044A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2018年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100178582
【弁理士】
【氏名又は名称】行武 孝
(72)【発明者】
【氏名】能宗 輝光
(72)【発明者】
【氏名】上野 康則
(72)【発明者】
【氏名】岡田 里菜
【審査官】 西本 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−037041(JP,A)
【文献】 特開2003−015374(JP,A)
【文献】 特開2009−057193(JP,A)
【文献】 特開2015−016980(JP,A)
【文献】 特開2005−035765(JP,A)
【文献】 特開2014−043304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00 − 31/40
B65H 33/00 − 33/18
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに後処理を施す後処理装置であって、
筐体と、
前記筐体に配置され、シートが積載されるシート積載部と、
前記筐体に回転可能に支持され、前記シートを挟持しながら、前記シートを前記シート積載部に向かって所定の搬送方向に沿って排出する排出ローラー対と、
前記排出ローラー対よりも前記搬送方向下流側に配置され、前記シートに当接することで前記シートを整合する、少なくとも一つの整合部材と、
前記シート積載部に排出された前記シートのうち前記搬送方向に沿って延びる側縁に前記整合部材が当接する位置であって、前記搬送方向と交差するシート幅方向における前記シートの位置を規制する第1の位置と、前記第1の位置よりも前記シート幅方向の内側の位置であって、前記シート積載部に排出された前記シートのシート面に前記整合部材が上方から当接し、前記シートの撓みを矯正する第2の位置との間で、前記整合部材を移動させる移動機構と、
前記移動機構を制御して、前記整合部材を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する整合部材制御部と、
前記シートに後処理を施す後処理部と、
を有し、
前記整合部材制御部は、前記シートに対して施される前記後処理の種類に応じて、前記整合部材を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する、後処理装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの整合部材は、前記シート幅方向に間隔をおいて配置される一対の前記整合部材を含み、
前記一対の整合部材が前記第1の位置に配置されると、前記シートの前記搬送方向に沿って延びる一対の側縁に、前記一対の整合部材がそれぞれ当接する、請求項1に記載の後処理装置。
【請求項3】
前記排出ローラー対の上方で前記シート幅方向に沿って延びるように前記筐体に支持されるシャフトと、
前記シート幅方向に沿って移動可能なように前記シャフトに支持され、かつ、前記整合部材を支持するホルダと、
を更に有し、
前記移動機構は、前記ホルダを前記シャフトに沿って移動させる第1移動機構を備える、請求項1または2に記載の後処理装置。
【請求項4】
前記整合部材は、前記ホルダに揺動可能に支持されており、
前記移動機構は、前記ホルダを支点として前記整合部材を揺動させる第2移動機構を備え、
前記第2移動機構によって前記整合部材が揺動されると、前記整合部材の先端部が前記シート面に上方から当接する、請求項3に記載の後処理装置。
【請求項5】
前記後処理部は、
前記排出ローラー対よりも前記搬送方向上流側に配置され、前記シートが一時的に積載される載置部と、
前記シートの前記搬送方向下流側の端部が前記シート積載部側に露出した状態で、前記載置部に積載された前記シートにステープル処理を施すステープル処理部と、
を備え、
前記整合部材制御部は、前記シートに前記ステープル処理が施される場合には、前記整合部材を前記第1の位置に配置する、請求項1乃至4の何れか1項に記載の後処理装置。
【請求項6】
前記シートの前記シート幅方向のサイズに応じて、前記第2の位置が異なる位置に設定されている、請求項1乃至の何れか1項に記載の後処理装置。
【請求項7】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像が形成されたシートに後処理を施す、請求項1乃至の何れか1項に記載の後処理装置と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像が形成されたシートに後処理を施す後処理装置と、
を有する画像形成装置であって、
前記後処理装置は、
筐体と、
前記筐体に配置され、シートが積載されるシート積載部と、
前記筐体に回転可能に支持され、前記シートを挟持しながら、前記シートを前記シート積載部に向かって所定の搬送方向に沿って排出する排出ローラー対と、
前記排出ローラー対よりも前記搬送方向下流側に配置され、前記シートに当接することで前記シートを整合する、少なくとも一つの整合部材と、
前記シート積載部に排出された前記シートのうち前記搬送方向に沿って延びる側縁に前記整合部材が当接する位置であって、前記搬送方向と交差するシート幅方向における前記シートの位置を規制する第1の位置と、前記第1の位置よりも前記シート幅方向の内側の位置であって、前記シート積載部に排出された前記シートのシート面に前記整合部材が上方から当接し、前記シートの撓みを矯正する第2の位置との間で、前記整合部材を移動させる移動機構と、
前記移動機構を制御して、前記整合部材を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する整合部材制御部と、
を有し、
前記整合部材制御部は、前記画像形成部における画像形成条件に応じて、前記整合部材を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する、画像形成装置
【請求項9】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像が形成されたシートに後処理を施す後処理装置と、
を有する画像形成装置であって、
前記後処理装置は、
筐体と、
前記筐体に配置され、シートが積載されるシート積載部と、
前記筐体に回転可能に支持され、前記シートを挟持しながら、前記シートを前記シート積載部に向かって所定の搬送方向に沿って排出する排出ローラー対と、
前記排出ローラー対よりも前記搬送方向下流側に配置され、前記シートに当接することで前記シートを整合する、少なくとも一つの整合部材と、
前記シート積載部に排出された前記シートのうち前記搬送方向に沿って延びる側縁に前記整合部材が当接する位置であって、前記搬送方向と交差するシート幅方向における前記シートの位置を規制する第1の位置と、前記第1の位置よりも前記シート幅方向の内側の位置であって、前記シート積載部に排出された前記シートのシート面に前記整合部材が上方から当接し、前記シートの撓みを矯正する第2の位置との間で、前記整合部材を移動させる移動機構と、
前記移動機構を制御して、前記整合部材を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する整合部材制御部と、
を有し、
前記整合部材制御部は、前記画像形成部において前記シートに対して連続的に前記画像が形成される1ジョブあたりの画像形成枚数に応じて、前記整合部材を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する、画像形成装置
【請求項10】
前記整合部材制御部は、前記1ジョブあたりの前記画像形成枚数が所定の閾値枚数よりも小さい場合に前記整合部材を前記第1の位置に配置させ、前記画像形成枚数が前記閾値枚数よりも大きい場合に前記整合部材を前記第2の位置に配置する、請求項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記後処理装置は、前記シート積載部の上方に間隔をおいて配置され、前記シート積載部との間で選択的に前記シートが排出される副シート積載部を更に有する、請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記後処理装置は、前記シートに後処理を施す後処理部を更に有し、
前記整合部材制御部は、前記シートに対して施される前記後処理の種類に応じて、前記整合部材を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する、請求項8乃至11の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに後処理を施す後処理装置、及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成後のシートを排紙トレイに排出するに際して、複数枚のシートに順次後処理を施した後、前記複数枚のシートを整合して排出する後処理装置が知られている。特許文献1には、排出された複数のシートの端面を揃える機構を含む後処理装置を備えた画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−179326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成に伴って、シートにカールが生じたまま、シートが排出されることがある。特許文献1に記載された後処理装置では、カールしたシートが排出され続けると、排出部におけるシートの整合性が悪化するという問題があった。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたものであって、シートにカールなどの撓みが生じている場合であっても、排出されたシートの整合性を良好に維持することが可能な後処理装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る後処理装置は、シートに後処理を施す後処理装置であって、筐体と、前記筐体に配置され、シートが積載されるシート積載部と、前記筐体に回転可能に支持され、前記シートを挟持しながら、前記シートを前記シート積載部に向かって所定の搬送方向に沿って排出する排出ローラー対と、前記排出ローラー対よりも前記搬送方向下流側に配置され、前記シートに当接することで前記シートを整合する、少なくとも一つの整合部材と、前記シート積載部に排出された前記シートのうち前記搬送方向に沿って延びる側縁に前記整合部材が当接する位置であって、前記搬送方向と交差するシート幅方向における前記シートの位置を整合する第1の位置と、前記第1の位置よりも前記シート幅方向の内側の位置であって、前記シート積載部に排出された前記シートのシート面に前記整合部材が上方から当接し、前記シートの撓みを矯正する第2の位置との間で、前記整合部材を移動させる移動機構と、前記移動機構を制御して、前記整合部材を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する整合部材制御部と、を有する。
【0007】
本構成によれば、整合部材が整合部材制御部によって第1の位置に配置されると、シート幅方向におけるシートの位置を規制することができる。また、整合部材が整合部材制御部によって第2の位置に配置されると、カールなどのシートの撓みを矯正することができる。このため、シートの撓み状態に応じて整合部材の位置を調整しながら、シート積載部に積載されるシートを整合することができる。
【0008】
上記の構成において、前記少なくとも一つの整合部材は、前記シート幅方向に間隔をおいて配置される一対の前記整合部材を含み、前記一対の整合部材が前記第1の位置に配置されると、前記シートの前記搬送方向に沿って延びる一対の側縁に、前記一対の整合部材がそれぞれ当接することが望ましい。
【0009】
本構成によれば、シート幅方向におけるシートの位置を安定して規制することができるとともに、シートの撓みを安定して矯正することができる。
【0010】
上記の構成において、前記排出ローラー対の上方で前記シート幅方向に沿って延びるように前記筐体に支持されるシャフトと、前記シート幅方向に沿って移動可能なように前記シャフトに支持され、かつ、前記整合部材を支持するホルダと、を更に有し、前記移動機構は、前記ホルダを前記シャフトに沿って移動させる第1移動機構を備えることが望ましい。
【0011】
本構成によれば、ホルダがシャフトに沿って移動することで、整合部材を第1の位置および第2の位置に容易に配置することができる。
【0012】
上記の構成において、前記整合部材は、前記ホルダに揺動可能に支持されており、前記移動機構は、前記ホルダを支点として前記整合部材を揺動させる第2移動機構を備え、前記第2移動機構によって前記整合部材が揺動されると、前記整合部材の先端部が前記シート面に上方から当接することが望ましい。
【0013】
本構成によれば、整合部材のホルダ回りの揺動に伴って、整合部材の先端部をシート面に当接させることができる。このため、シートの撓みを安定して矯正することができる。
【0014】
上記の構成において、前記シートに後処理を施す後処理部を更に有し、前記整合部材制御部は、前記シートに対して施される前記後処理の種類に応じて、前記整合部材を前記第1の位置または前記第2の位置に配置することが望ましい。
【0015】
本構成によれば、後処理の内容に応じて、シートのシート幅方向における位置規制とシートの撓み矯正とを選択的に実行することができる。
【0016】
上記の構成において、前記後処理部は、前記排出ローラー対よりも前記搬送方向上流側に配置され、前記シートが一時的に積載される載置部と、前記シートの前記搬送方向下流側の端部が前記シート積載部側に露出した状態で、前記載置部に積載された前記シートにステープル処理を施すステープル処理部と、を備え、前記整合部材制御部は、前記シートに前記ステープル処理が施される場合には、前記整合部材を前記第1の位置に配置することが望ましい。
【0017】
本構成によれば、シートにステープル処理が施される場合には、整合部材がシートから離間して配置されるため、シートに安定してステープル処理を実行することができる。
【0018】
上記の構成において、前記シートの前記シート幅方向のサイズに応じて、前記第2の位置が異なる位置に設定されていることが望ましい。
【0019】
本構成によれば、排出されるシートのサイズが異なる場合であっても、シートの撓みを安定して矯正することができる。
【0020】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像が形成されたシートに後処理を施す、上記の何れか1に記載の後処理装置と、を有することを特徴とする。
【0021】
本構成によれば、シート幅方向におけるシートの位置規制とシートの撓みの矯正とを選択的に安定して実行することができる。特に、画像形成部において画像が形成され、カールしたシートが排出される場合であっても、整合部材によってシートの撓みを抑えた状態でシートを積載することができる。
【0022】
上記の構成において、前記整合部材制御部は、前記画像形成部における画像形成条件に応じて、前記整合部材を前記第1の位置または前記第2の位置に配置することが望ましい。
【0023】
本構成によれば、シートにカールが発生しやすい画像形成条件に応じて、整合部材を第1の位置および第2の位置に選択的に配置することができる。
【0024】
上記の構成において、前記整合部材制御部は、前記画像形成部において前記シートに対して連続的に前記画像が形成される1ジョブあたりの画像形成枚数に応じて、前記整合部材を前記第1の位置または前記第2の位置に配置することが望ましい。
【0025】
本構成によれば、出力される画像形成枚数に応じて、シート幅方向におけるシートの位置規制とシートの撓みの矯正とを選択的に安定して実行することができる。
【0026】
上記の構成において、前記整合部材制御部は、前記1ジョブあたりの前記画像形成枚数が所定の閾値枚数よりも小さい場合に前記整合部材を前記第1の位置に配置させ、前記画像形成枚数が前記閾値枚数よりも大きい場合に前記整合部材を前記第2の位置に配置することが望ましい。
【0027】
本構成によれば、連続的に排出される画像形成枚数が少ない場合には、シート幅方向におけるシートの位置規制を重視し、連続的に排出される画像形成枚数が多い場合には、シートの積載性を重視してシートの撓みを矯正することができる。
【0028】
上記の構成において、前記後処理装置は、前記シート積載部の上方に間隔をおいて配置され、前記シート積載部との間で選択的に前記シートが排出される副シート積載部を更に有することが望ましい。
【0029】
本構成によれば、シート積載部の上方に副シート積載部が配置され、シート積載部の積載枚数に上限が存在する場合でも、シートの撓みを矯正しながら、シートを安定して積載することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、シートにカールなどの撓みが生じている場合であっても、排出されたシートの整合性を良好に維持することが可能な後処理装置およびこれを備えた画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態に係る後処理装置を備えた画像形成装置の外観を示す斜視図である。
図2】画像形成装置の本体部の内部構造を概略的に示す断面図である。
図3】後処理装置の内部構造を概略的に示す拡大断面図である。
図4】後処理装置のシート排出部の周辺の構造を示す拡大斜視図である。
図5】画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
図6】シートにカールが生じた様子を示す後処理装置の拡大断面図である。
図7】シートにステープル処理が施される場合の後処理装置の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る後処理装置5を備えた画像形成装置Sの外観を示す斜視図、図2は、画像形成装置Sの本体部1の内部構造を概略的に示す断面図ある。ここでは、画像形成装置Sの本体部1は、いわゆる胴内排紙型のモノクロ複写機を示すが、当該本体部は、カラー複写機、プリンター、ファクシミリ装置、或いは、これらの機能を備える複合機であってもよい。
【0033】
図1に示すように、画像形成装置Sは、シートに対して画像形成処理を行う本体部1と、この本体部1に隣接して配置され、画像形成処理が施されたシート又はシート群(シート束)に対して所定の後処理を行う後処理部を備えた後処理装置5とを含む。前記後処理とは、例えばシートに綴じ孔を穿孔するパンチ処理、シート群にステープルを打設するステープル処理、シートを折り畳む中折り処理、シートに対してシフト動作や幅合わせ動作などを行う整合処理などである。
【0034】
本体部1は、本体筐体100と、この本体筐体100の上部に配置された画像読取部2aと、画像読取部2aの上面に配置された自動原稿給送装置(ADF)2bと、画像読取部2aの前面に取り付けられた操作部10とを備えている。本体筐体100の内部には、給紙部3a、搬送路3b、画像形成部4a、定着部4b及びシート排出部3cが収容されている(図2)。
【0035】
操作部10は、ユーザーから画像形成装置Sに対する各種の設定、動作指示の入力を受け付ける。操作部10は、コピー枚数などの設定のための数字入力用のテンキー部11、コピー動作実行の指示入力を受け付けるスタートキー12、及び各種の操作キーの表示やガイダンスを表示するタッチパネル13を備えている。
【0036】
自動原稿給送装置2bは、所定の原稿読取位置(第1コンタクトガラス24が組み付けられた位置)に向けて、複写される原稿シートを自動給送する。一方、ユーザーが手置きで原稿シートを所定の原稿読取位置(第2コンタクトガラス25の配置位置)に載置する場合は、自動原稿給送装置2bは上方に開けられる。自動原稿給送装置2bは、原稿シートが載置される原稿トレイ21と、自動原稿読取位置を経由して原稿シートを搬送する原稿搬送部22と、読取後の原稿シートが排出される原稿排出トレイ23とを含む。
【0037】
画像読取部2aは、箱形の筐体構造を有し、その上面には自動原稿給送装置2bから自動給送される原稿シートの読取用の第1コンタクトガラス24と、手置きされる原稿シートの読取用の第2コンタクトガラス25とが嵌め込まれている。画像読取部2aは、原稿シートの画像を光学的に読み取る。
【0038】
本体筐体100内の給紙部3aは、複数のカセット31を含む(図1及び図2に示すように、上方から31A、31B、31C、31Dの計4段)。各カセット31は、各サイズ(例えば、A4、B4等のA型、B型シート等)、各種類(例えば、コピーシート、再生紙、厚紙、OHPシート等)のシートを複数枚収容する。各カセット31は、回転駆動する給紙ローラー32(図2において、上方から32A、32B、32C、32Dの計4本)を備え、画像形成時、1枚ずつシートを搬送路3bに送り込む。
【0039】
搬送路3bは、給紙部3aから胴内排出トレイ33、或いは後処理装置5まで、本体筐体100内においてシートを搬送するための搬送路である。搬送路3bには、シートの案内のためのガイド板や、シート搬送時に回転駆動する搬送ローラー対34(図2において、上方から34A、34B、34Cの計3つ)や、搬送されるシートを画像形成部4aの手前で待機させ、形成されたトナー像の転写タイミングに合わせてシートを送り出すレジストローラー対35が設けられている。
【0040】
画像形成部4aは、トナー画像を生成しこれをシート上に転写する、すなわち、シートに画像を形成する。画像形成部4aは、感光体ドラム41と、この感光体ドラム41の周囲に配置された、帯電器42、露光器43、現像装置44、転写ローラー45及びクリーニング装置46とを含む。
【0041】
感光体ドラム41は、その軸回りに回転し、その周面に静電潜像及びトナー像が形成される。帯電器42は、感光体ドラム41の表面を均一に帯電する。露光器43は、レーザー光源とミラーやレンズ等の光学系機器とを有し、感光体ドラム41の周面に、原稿画像の画像データに基づくレーザー光Lを照射して、静電潜像を形成する。現像装置44は、感光体ドラム41上に形成された静電潜像を現像するために、感光体ドラム41の周面にトナーを供給する。転写ローラー45は、感光体ドラム41と共に転写ニップ部を形成すると共に、転写バイアスが与えられる。前記転写ニップ部を通過するシートに対して、感光体ドラム41上のトナー像が転写される。クリーニング装置46は、クリーニングローラー等を有し、トナー像転写後の感光体ドラム41の周面を清掃する。
【0042】
定着部4bは、シートPに転写されたトナー像を定着させる。定着部4bは、発熱体を内蔵する加熱ローラー47と、加熱ローラー47に圧接される加圧ローラー48とを含む。トナー像が転写されたシートが、加熱ローラー47と加圧ローラー48とで形成される定着ニップを通過すると、トナーが溶融・加熱され、トナー像がシートに定着される。定着処理後のシートは、シート排出部3cに送られる。
【0043】
シート排出部3cは、画像形成済のシートを後処理装置5の方向に送り出すための対外排出ローラー対36Aと、胴内排出トレイ33方向に送り出すための対内排出ローラー対36Bとを有する。各排出ローラー対36A、36Bは、排出動作時に回転駆動され、シートを機外に排出する。また、シート排出部3cは、シート紙の搬送方向を切り替える切り替えレバー37を有する。切り替えレバー37は回動し、操作部10で指定された排出先に向けてシートを導く。
【0044】
後処理装置5は、本体筐体100に隣接して配置される後処理装置筐体500(筐体)と、この後処理装置筐体500内に配置され、シートPに後処理を施す各種の後処理部とを含む。図3は、後処理装置5の内部構造を概略的に示す拡大断面図である。後処理装置5は、搬送ローラー対51と、排出ローラー対52と、メイン排出トレイ54(シート積載部)と、サブ排出トレイ55(副シート積載部)と、不図示のパンチ処理部と、ステープル処理部56と、整合部57と、を備える。
【0045】
後処理装置筐体500の、本体筐体100と対向する側面には、画像形成処理後のシートを筐体500内へ受け入れる不図示の搬入口が備えられ、前記側面と反対側の側面(左側面)には筐体500からシートを排出するメイン搬出口およびサブ搬出口が備えられている。これらメイン搬出口及びサブ搬出口にそれぞれ対応して、後処理装置筐体500の前記左側面には、メイン排出トレイ54及びサブ排出トレイ55が取り付けられている(図1図3)。
【0046】
メイン排出トレイ54は、ステープル処理、シフト動作及び幅合わせ動作などが施され、排出ローラー対52によって排出されるシート又はシート群が積載(スタック)されるトレイである。なお、メイン排出トレイ54は、排出されるシートの枚数が増えることに応じて降下され、メイン排出トレイ54(又はトレイ上の最上位にあるシート)の位置を一定の高さに維持するように制御される。
【0047】
サブ排出トレイ55は、前述のサブ搬出口から排出されるシートがスタックされるトレイである。サブ排出トレイ55は、メイン排出トレイ54の上方に間隔をおいて配置され、メイン排出トレイ54との間で選択的にシートが排出される。サブ排出トレイ55は、主として、後処理装置5で特に後処理が施されずに排出されるシートや、パンチ処理だけが施されたシートがスタックされる。
【0048】
搬送ローラー対51は、後処理装置本体500に回転可能に支持されたローラー対である。搬送ローラー対51は、本体部1のシート排出部3cから後処理装置本体500内に搬入されたシートを排出ローラー対52に向かって搬送する。
【0049】
排出ローラー対52は、後処理装置本体500に回転可能に支持されたローラー対である。排出ローラー対52は、シートを挟持しながら、シートをメイン排出トレイ54に向かって所定の搬送方向(左方向)に沿って排出する。なお、シートをサブ排出トレイ55に排出するために、後処理装置本体500内には、不図示の搬送ローラー対および排出ローラー対が更に備えられている。
【0050】
ステープル処理部56は、複数枚のシートからなるシート群に対してステープルを打設するステープル処理を行う。ここでのステープル処理は、シート群の角部若しくは端部にステープルを打設する、いわゆる端綴じのための処理である。ステープル処理部56においてステープル処理が行われる場合、複数枚のシートが整合部57にスタックされる(図7参照)。
【0051】
図4は、後処理装置5の排出部周辺の構造を示す拡大斜視図である。後処理装置5は、更に、一対の整合部材60と、一対のホルダ61と、シャフト62と、移動機構70と、を備える。
【0052】
整合部材60は、排出ローラー対52よりもシートPの搬送方向下流側に配置され、シートPに当接することでシートPを整合する機能を備えている。整合部材60は、少なくとも一つ備えられている。なお、本実施形態では、図4に示すように、シートPの搬送方向と直交(公差)するシート幅方向(図4の前後方向)に間隔をおいて、一対の整合部材60が配置されている。
【0053】
ホルダ61は、シート幅方向(前後方向)に沿って移動可能なようにシャフト62に支持され、かつ、整合部材60を支持する。図4に示すように、ホルダ61は、シャフト62が挿通される軸支部を備えている。また、ホルダ61は、整合部材60の基端部を揺動可能に支持している。
【0054】
シャフト62は、排出ローラー対52の上方でシート幅方向に沿って延びるように後処理装置本体500に支持されている(図4)。
【0055】
移動機構70は、ホルダ61を介して、整合部材60を移動させる機能を備えている。詳しくは、移動機構70は、整合部材60をシート幅方向に沿った第1の位置(図4の整合部材60よりも前後方向の外側の位置)と第2の位置(図4の整合部材60の位置)との間で移動させる。第1の位置では、一対の整合部材60がメイン排出トレイ54に排出されたシートPのうち搬送方向に沿って延びる一対の側縁PS(図4)にそれぞれ側方から当接する。第1の位置に配置された整合部材60は、シート幅方向におけるシートPの位置を規制する。また、第2の位置は、第1の位置よりもシート幅方向の内側の位置である。第2の位置では、整合部材60はメイン排出トレイ54に排出されたシートPのシート面に上方から当接し、シートPの撓みを矯正する。移動機構70は、第1移動機構71と、第2移動機構72と、を備える(図4)。
【0056】
第1移動機構71は、一対のホルダ61をシャフト62に沿って移動させる。第1移動機構71は、一対のホルダ61に備えられた不図示のギアと、シャフト62と平行に配置された不図示のベルト部材と、を備える。ベルト部材の内周部には、歯型形状が備えられており、各ホルダ61のギアと係合されている。また、当該ベルト部材の前端部は、後処理装置本体500に回転可能に支持された駆動入力ギアによって支持されている。当該駆動入力ギアが駆動されると、ベルト部材が周回移動され、一対のホルダ61がシート幅方向(前後方向)に沿って移動する。この際、一対のホルダ61は互いに反対の方向に移動される。したがって、一対のホルダ61が互いに離間するように移動されると、一対の整合部材60のシート幅方向における間隔が拡がる。また、一対のホルダ61が互いに接近するように移動されると、一対の整合部材60のシート幅方向における間隔が狭まる。なお、整合部材制御部903がシートPのシート幅方向の位置を規制(調整)する場合には、一対の整合部材60が前後方向に僅かに往復移動されながら、シートPの位置を規制(幅合わせ)してもよい。このように、本実施形態では、ホルダ61がシャフト62に沿って移動することで、整合部材60を第1の位置および第2の位置に容易に配置することができる。
【0057】
第2移動機構72は、ホルダ61を支点として整合部材60を揺動させる。第2移動機構72は、シャフト62を回転させる不図示の回転機構と、シャフト62の回転を整合部材60の揺動に変換する不図示の変換機構と、を含む。回転機構は、シャフト62の前端部に備えられたD面部に連結されている。回転機構からシャフト62に回転駆動力が伝達すると、シャフト62が回転する。変換機構は、各ホルダ61の内部に備えられている。変換機構は、シャフト62に外嵌された不図示のギアと、当該ギアの回転を整合部材60に伝達する不図示のベルト部材と、を含む。シャフト62が回転されると、整合部材60の先端部側がホルダ61を支点として揺動する(図3の矢印D32参照)。この結果、整合部材60の先端部がシートPのシート面に上方から当接する。このように、本実施形態では、整合部材60のホルダ61回りの揺動に伴って、整合部材60の先端部をシート面に当接させることができる。このため、シートPの撓みを安定して矯正することができる。
【0058】
次に、本実施形態に係る後処理装置5を含む画像形成装置Sの電気的構成について説明する。図5は、画像形成装置Sの電気的構成を示すブロック図である。画像形成装置Sは、本体部1及び後処理装置5の各部の動作を制御する制御部90と、環境センサー81と、用紙検知部82と、画像メモリ83と、I/F84と、を備える。また、後処理装置5は、駆動部85(図5)を備える。
【0059】
環境センサー81は、画像形成装置Sの本体筐体100に備えられており、画像形成装置Sの周囲の温度および湿度を検出する。なお、他の実施形態において、環境センサー81は後処理装置本体500に備えられていてもよい。
【0060】
用紙検知部82は、複数のカセット31にそれぞれ備えられており、各カセットに格納されているシートPの紙種(坪量、圧さ)、サイズなどを検知する。なお、他の実施形態において、用紙検知部82は、操作部10(図1)からユーザーによって入力された入力情報に基づいて、シートPの紙種、サイズなどを検知する態様でもよい。
【0061】
画像メモリ83は、画像形成装置Sがプリンターとして機能する場合に、例えばパーソナルコンピューターなどの外部機器から与えられる印刷用画像データを一時的に記憶する。また、画像メモリ83は、画像形成装置Sが複写機として機能する場合には、ADF2bにより光学的に読み取られた画像データを一時的に記憶する。
【0062】
I/F84は、外部機器とのデータ通信を実現させるためのインターフェイス回路であり、例えば画像形成装置Sと外部機器とを接続するネットワークの通信プロトコルに従った通信信号を作成すると共に、ネットワーク側からの通信信号を画像形成装置1が処理可能な形式のデータに変換する。パーソナルコンピューター等から送信される印刷指示信号はI/F84を介して制御部90に与えられ、また画像データは、I/F84を介して画像メモリ83に記憶される。
【0063】
駆動部85は、搬送ローラー対51、排出ローラー対52などを回転させる駆動力を発生する。駆動部85は、不図示のモーターなどを含む。
【0064】
制御部90は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。制御部90は、前記CPUが前記ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、駆動制御部901と、モード判定部902と、整合部材制御部903と、画像密度判定部904と、記憶部905と、を備えるように機能する。
【0065】
駆動制御部901は、駆動部85を制御して、搬送ローラー対51および排出ローラー対52を回転駆動させる。また、駆動制御部901は、画像形成装置Sの本体部1の画像形成動作に応じて、後処理装置5内の各後処理部の動作を制御する。
【0066】
モード判定部902は、画像形成装置Sの本体部1から送信されるジョブ情報を受け取り、本体部1から受け渡されるシートPの後処理モードを判定する。当該後処理モードは、シートPに後処理が施されないストレート排出モード、シートPにステープル処理が施されるステープル処理モード、シートPにパンチ処理が施されるパンチ処理モードなどを含む。
【0067】
整合部材制御部903は、移動機構70の第1移動機構71を制御して、整合部材60を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する。また、整合部材制御部903は、移動機構70の第2移動機構72を制御して、整合部材60の揺動動作を制御する。
【0068】
画像密度判定部904は、本体部1の画像形成部4aにおいてシートPに形成されるトナー画像の画像密度を判定する。画像密度判定部904は、シートPの全面に100%ベタ画像が形成される場合を最大値として、当該画像密度を演算、判定する。この際、画像密度判定部904は、I/F84を介して画像メモリ83に記憶された画像データを参照する。
【0069】
記憶部905は、モード判定部902、整合部材制御部903および画像密度判定部904が行う動作に必要とされる各種の閾値情報やデータを予め記憶している。
【0070】
図6は、シートPにカールが生じた様子を示す後処理装置の拡大断面図である。画像形成装置Sの本体部1の定着部4bでは、シートPに熱が付与される。このため、本体部1から後処理装置5に受け渡された後、排出ローラー対52によって排出されたシートPには、図6の矢印D61に示すようなカール(図6では上カール)が形成されやすい。このようなカール(撓み)がシートPに生じている場合、シートPの積載性が悪化する。特に、メイン排出トレイ54上に予め設定された積載可能枚数よりも少ないシート枚数で、メイン排出トレイ54上が満載状態となりやすくなる。また、メイン排出トレイ54上で、カールしたシートPが滞留していると、新たに排出されるシートPの先端部のメイン排出トレイ54への進行が妨げられ、紙つまり(JAM)が発生しやすくなる。
【0071】
このような課題を解決するために、本実施形態では、整合部材60がシートPのカールを矯正または抑え込む機能を備えている。シートPにカールが生じやすい条件で画像形成処理が行われると、整合部材制御部903(図5)は、整合部材60を前述の第2の位置に移動させる。そして、図3の矢印D31に示すように、シートPが、整合部材60の下方を搬送ローラー対51および排出ローラー対52によって排出されると、整合部材制御部903は整合部材60を矢印D32で示すように揺動させる。この結果、整合部材60がシートPのカールを矯正または抑え込むことができる。連続的にシートPが排出され続けると、整合部材60がシートPのシート面を押さえることで、メイン排出トレイ54に多くのシートPを積載することができる。
【0072】
このように、整合部材60が整合部材制御部903によって第1の位置に配置されると、シート幅方向におけるシートPの位置を規制することができる。また、整合部材60が整合部材制御部903によって第2の位置に配置されると、カールなどのシートPの撓みを矯正することができる。このため、シートPの撓み状態に応じて整合部材60の位置を調整しながら、メイン排出トレイ54に積載されるシートPを整合することができる。この際、第1の位置では、一対の整合部材60が間隔をおいて配置され、シートPの両側縁PSにそれぞれ側方から当接する。このため、シート幅方向におけるシートPの位置を安定して規制することができるとともに、シートPの撓みを安定して矯正することができる。なお、整合部材60の第1の位置と第2の位置との切換は、ジョブ中に行われてもよく、またジョブごとに予め切り替えられてもよい。
【0073】
なお、本実施形態では、以下のような各条件に応じて、整合部材制御部903が整合部材60の移動を制御する。なお、これらの制御は全て実行される必要はなく、何れかの制御が実行される態様でもよい。
【0074】
整合部材制御部903は、シートPに対して施される後処理の種類に応じて、整合部材60を前記第1の位置または前記第2の位置に配置する。後処理装置5において実行される後処理の中には、シートPのシート幅方向における位置が重要であるものや、シートPにカールが発生している場合には後処理が精度良く実行できないものがある。本実施形態では、後処理の内容に応じて、シート幅方向におけるシートPの位置規制とシートPの撓み矯正とを選択的に実行することができる。
【0075】
画像形成装置Sの本体部1から入力されるジョブ情報に基づいて、モード判定部902がシートPのストレート排出モードが実行されると判定した場合、整合部材制御部903は整合部材60を第2の位置に配置する。この結果、メイン排出トレイ54上に排出されるシートPの撓みを矯正しながら、メイン排出トレイ54上に安定してシートPを積載することができる。このため、メイン排出トレイ54の上方にサブ排出トレイ55が配置され、メイン排出トレイ54の積載枚数に上限が存在する場合でも、シートPの撓みを矯正しながら、シートPを安定して積載することができる。
【0076】
図7は、ステープル処理部56において、シートPにステープル処理が施される場合の後処理装置5の拡大断面図である。図7に示すように、ステープル処理が施される際に、複数のシートPは排出ローラー対52よりも搬送方向上流側に配置された整合部57(載置部)上に一時的にスタックされる。そして、ステープル処理部56は、シートPの搬送方向下流側の端部がメイン排出トレイ54側に露出した状態で、整合部57に積載されたシートPにステープル処理を施す。
【0077】
このため、画像形成装置Sの本体部1から入力されるジョブ情報に基づいて、モード判定部902がステープル処理モードの実行を判定した場合、整合部材制御部903は、整合部材60を第1の位置に配置する。この結果、整合部材60がシートPから離間して配置されるため、シートPに安定してステープル処理を実行することができる。なお、ステープル処理モードが実行される場合に、整合部材制御部903は整合部材60を第2の位置に配置させ、更に、図7の矢印D71で示すように、整合部材60を上方に揺動させてもよい。この場合も、ステープル処理時に排出されるシートP(矢印D72)に整合部材60が干渉することが抑止される。
【0078】
また、整合部材制御部903は、排出されるシートPのシート幅方向のサイズに応じて、整合部材60の第2の位置を異なる位置に制御する。すなわち、排出されるシートPがA5サイズのように小さなシートである場合には、整合部材制御部903は一対の整合部材60を第1の位置よりもシート幅方向の内側に移動させる。一方、排出されるシートPがA3サイズのように大きなシートである場合には、整合部材制御部903は一対の整合部材60をA5サイズの場合よりもシート幅方向の外側に移動させる。この結果、排出されるシートPのサイズが異なる場合であっても、シートPの撓みを安定して矯正することができる。また、このような整合部材60の位置制御は、シートの種類に応じて実行されてもよい。
【0079】
また、整合部材制御部903は、画像形成部4aにおける画像形成条件に応じて、整合部材60を第1の位置または第2の位置に配置する。シートPに形成される画像密度が大きい場合、シートPにカールが形成されやすい。このため、整合部材制御部903は、画像密度判定部904(図5)によって、シートPに形成される画像密度が予め設定され記憶部905に格納された閾値よりも大きいと判定されると、整合部材60を第2の位置に配置し、整合部材60を揺動させる。この結果、シートPの積載性が向上される。
【0080】
また、環境センサー81によって、周囲の環境が高温高湿と判定されると、整合部材制御部903は整合部材60を第2の位置に配置し、整合部材60を揺動させる。この結果、高温高湿環境のためにシートPにカールが発生しやすい場合であっても、シートPの積載性が向上される。
【0081】
また、用紙検知部82(図5)によってシートPが薄紙であると判定された場合、整合部材制御部903は、整合部材60を第2の位置に配置し、整合部材60を揺動させる。この結果、シートPの積載性が向上される。このように、本実施形態では、シートPのカールが発生しやすい画像形成条件に応じて、整合部材60を第1の位置および第2の位置に選択的に配置することができる。
【0082】
更に、整合部材制御部903は、画像形成部4aにおいてシートPに対して連続的に画像が形成される1ジョブあたりの画像形成枚数に応じて、整合部材60を第1の位置または第2の位置に配置する。このため、出力される画像形成枚数に応じて、シート幅方向におけるシートPの位置規制とシートPの撓みの矯正とを選択的に安定して実行することができる。
【0083】
なお、1ジョブあたりの画像形成枚数が少ない場合には、シートPに多少のカールが存在しても、メイン排出トレイ54上でシートPが満載になることはない。このため、整合部材制御部903は、1ジョブあたりの画像形成枚数が、記憶部905に格納された所定の閾値枚数よりも小さい場合に、整合部材60を第1の位置に配置させ、画像形成枚数が前記閾値枚数よりも大きい場合に、整合部材60を第2の位置に配置する。この結果、連続的に排出される画像形成枚数が少ない場合には、シート幅方向におけるシートPの位置規制を重視し、連続的に排出される画像形成枚数が多い場合には、シートPの積載性を重視してシートPの撓みを矯正することができる。
【0084】
また、上記のような後処理装置5を備えた画像形成装置Sでは、シート幅方向におけるシートPの位置規制とシートPの撓みの矯正とを選択的に安定して実行することができる。特に、画像形成部において画像が形成され、カールしたシートPが排出される場合であっても、整合部材60によってシートPの撓みを抑えた状態でシートPを積載することができる。
【0085】
また、前述のように、本実施形態では、メイン排出トレイ54は、排出されるシートの枚数が増えることに応じて降下され、メイン排出トレイ54(又はメイン排出トレイ54上の最上位にあるシート)の位置を一定の高さに維持するように制御される。また、整合部材60が第2の位置に配置されると、図6の整合部材60の下端部60Sは、メイン排出トレイ54(又はメイン排出トレイ54上のシート)に対して平行に延びるように配置される。この際、下端部60Sとメイン排出トレイ54(またはメイン排出トレイ54上の最上位のシート)との間には所定の隙間が形成される。なお、シートの種類等によっては、メイン排出トレイ54に対して整合部材60が平行ではない姿勢に配置されてもよい。
【0086】
更に、整合部材60は、図6の位置に配置された場合でも、所定の距離だけ上方に移動することができる。換言すれば、整合部材60は、図6に示された状態において、上方に所定のガタツキを有しており、完全に図6の位置に固定されてはいない。このため、排出されるシートに過剰な負荷がかかることが抑止される。
【0087】
また、シートが排出されているときには、整合部材60は、図6の位置よりも上方に移動されており、シートが排出されたあとに、図6の位置に移動されてもよい。この場合も、排出されるシートに過剰な負荷がかかることが抑止される。また、印刷JOBが終了したあとに、シートのカールが大きくなることを抑止するために、整合部材60はシートを押さえる位置で保持されることが望ましい。
【0088】
以上、本発明の一実施形態につき詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、例えば以下のような変形実施形態を取ることができる。
【0089】
(1)上記実施形態では、第2の位置に移動された整合部材60が、第2移動機構72によって揺動される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。整合部材60は、第2の位置において、シートPのシート面に当接する高さで停止される態様でもよい。この場合も、整合部材60がシート面を押さえることで、シートPのカールを矯正しながら、シートPを積載することができる。また、整合部材60は揺動されるものに限られず、上下にスライド移動されるものでもよい。
【0090】
(2)また、上記実施形態では、後処理部の一例として、ステープル処理部56を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。前述のように、パンチ処理やその他の後処理に際して、整合部材60がシートPを整合する態様でもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 本体部
2a 画像読取部
2b 自動原稿給送装置
3a 給紙部
4a 画像形成部
4b 定着部
5 後処理装置
54 メイン排出トレイ(シート積載部)
55 サブ排出トレイ(副シート積載部)
56 ステープル処理部(後処理部)
57 整合部(載置部)
500 後処理装置筐体(筐体)
60 整合部材
61 ホルダ
62 シャフト
70 移動機構
71 第1移動機構
72 第2移動機構
81 環境センサー
82 用紙検知部
83 画像メモリ
84 I/F
85 駆動部
90 制御部
901 駆動制御部
902 モード判定部
903 整合部材制御部
904 画像密度判定部
905 記憶部
P シート
PS シート側縁
S 画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7