【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度、総務省「高信頼・低遅延ネットワークを実現する端末間通信技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【文献】
CATT,"Resource Allocation for UE-to-Network relay operation",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #81 R1-152574,[online],2015年 5月16日,pages 1-4,[検索日 2019.09.03],URL,https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_81/Docs/R1-152574.zip
【文献】
Ericsson,"Overview of ProSe UE to Network Relay & Service Continuity",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #80bis R1-151765,[online],2015年 4月10日,pages 1-8,[検索日 2019.09.03],URL,https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_80b/Docs/R1-151765.zip
【文献】
Ericsson,"Measurements, Signaling, and Selection Rules for Relay Discovery",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #80bis R1-151767,[online],2015年 4月10日,pages 1-7,[検索日 2019.09.03],URL,https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_80b/Docs/R1-151767.zip
【文献】
Intel, Alcatel-Lucent,"Consolidated description of solutions for ProSe Discovery using ProSe Communication capability (D3, D6, D7)",3GPP TSG-SA WG2 Meeting #101 S2-140337,[online],2014年 1月14日,pages 1-11,[検索日 2019.09.03],URL,https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_101_Taipei/Docs/S2-140337.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接続情報は、(a)前記他の無線端末のデータフローを転送する前記セルラーネットワーク内のベアラに関する設定情報、及び(b)前記無線端末装置が前記ノードとアプリケーションレイヤにおいて通信するために必要な設定情報、のうち少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の無線端末装置。
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記中継動作の開始を要求されるよりも前に、前記他の無線端末のデータフローを転送する前記セルラーネットワーク内のベアラを準備するためのベアラ設定手順又はベアラ修正手順を前記セルラーネットワークとの間で前記接続情報に従って行うよう構成されている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線端末装置。
【背景技術】
【0002】
いくつかの実装において、無線端末は、他の無線端末と直接的に通信できるよう構成される。このような通信は、device-to-device(D2D)通信と呼ばれる。D2D通信は、ダイレクト通信およびダイレクト・ディスカバリの少なくとも一方を含む。いくつかの実装において、D2D通信をサポートする複数の無線端末は、自律的に又はネットワークの指示に従ってD2D通信グループを形成し、当該D2D通信グループ内の他の無線端末と通信を行う。
【0003】
3GPP Release 12は、Proximity-based services(ProSe)について規定している(例えば、非特許文献1を参照)。ProSeは、ProSeディスカバリ(ProSe discovery)及びProSeダイレクト通信(ProSe direct communication)を含む。ProSeディスカバリは、無線端末が近接していること(in proximity)の検出を可能にする。ProSeディスカバリは、ダイレクト・ディスカバリ(ProSe Direct Discovery)及びネットワークレベル・ディスカバリ(EPC-level ProSe Discovery)を含む。
【0004】
ProSeダイレクト・ディスカバリは、ProSeを実行可能な無線端末(ProSe-enabled User Equipment(UE))が他のProSe-enabled UEをこれら2つのUEが有する無線通信技術(例えば、Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) technology)の能力だけを用いて発見する手順により行われる。これに対して、EPC-level ProSe Discoveryでは、コアネットワーク(Evolved Packet Core (EPC))又はProSe function(D2Dコントローラ5)が2つのProSe-enabled UEsの近接を判定し、これをこれらのUEsに知らせる。ProSeダイレクト・ディスカバリは、3つ以上のProSe-enabled UEsにより行われてもよい。
【0005】
ProSeダイレクト通信は、ProSeディスカバリ手順の後に、ダイレクト通信レンジ内に存在する2以上のProSe-enabled UEsの間の通信パスの確立を可能にする。言い換えると、ProSeダイレクト通信は、ProSe-enabled UEが、基地局(eNodeB)を含む公衆地上移動通信ネットワーク(Public Land Mobile Network (PLMN))を経由せずに、他のProSe-enabled UEと直接的に通信することを可能にする。ProSeダイレクト通信は、基地局(eNodeB)にアクセスする場合と同様の無線通信技術(E-UTRA technology)を用いて行われてもよいし、wireless local area network (WLAN)の無線技術(つまり、IEEE 802.11 radio technology)を用いて行われてもよい。
【0006】
ProSeダイレクト・ディスカバリ及びProSeダイレクト通信は、UE間のダイレクトインタフェースにおいて行われる。当該ダイレクトインタフェースは、PC5インタフェース又はサイドリンク(sidelink)と呼ばれる。すなわち、ProSeダイレクト・ディスカバリ及びProSeダイレクト通信は、D2D通信の一例である。なお、D2D通信は、サイドリンク通信と呼ぶこともでき、peer-to-peer通信と呼ぶこともできる。
【0007】
3GPP Release 12では、ProSe functionが公衆地上移動通信ネットワーク(PLMN)を介してProSe-enabled UEと通信し、ProSeディスカバリ及びProSeダイレクト通信を支援(assist)する。ProSe functionは、ProSeのために必要なPLMNに関連した動作に用いられる論理的な機能(logical function)である。ProSe functionによって提供される機能(functionality)は、例えば、(a)third-party applications(ProSe Application Server)との通信、(b)ProSeディスカバリ及びProSeダイレクト通信のためのUEの認証、(c)ProSeディスカバリ及びProSeダイレクト通信のための設定情報(例えば、EPC-ProSe-User IDなど)のUEへの送信、並びに(d)ネットワークレベル・ディスカバリ(i.e., EPC-level ProSe discovery)の提供、を含む。ProSe functionは、1又は複数のネットワークノード又はエンティティに実装されてもよい。本明細書では、ProSe functionを実行する1又は複数のネットワークノード又はエンティティを“ProSe function エンティティ”又は“ProSe functionサーバ”と呼ぶ。
【0008】
さらに、3GPP Release 12は、一方のUEがネットワークカバレッジ外であり、他方のUEがネットワークカバレッジ内であるパーシャルカバレッジ・シナリオについて規定している(例えば、非特許文献1のセクション4.4.3、4.5.4および5.4.4を参照)。パーシャルカバレッジ・シナリオにおいて、カバレッジ外のUEはremote UEと呼ばれ、カバレッジ内かつremote UEとネットワークを中継するUEはProSe UE-to-Network Relayと呼ばれる。ProSe UE-to-Network Relayは、remote UEとネットワーク(E-UTRA network(E-UTRAN)及びEPC)との間でトラフィック(ダウンリンク及びアップリンク)を中継する。
【0009】
より具体的に述べると、ProSe UE-to-Network Relayは、UEとしてネットワークにアタッチし、ProSe function エンティティ又はその他のPacket Data Network(PDN)と通信するためのPDN connectionを確立し、ProSeダイレクト通信を開始するためにProSe function エンティティと通信する。ProSe UE-to-Network Relayは、さらに、remote UEとの間でディスカバリ手順を実行し、UE間ダイレクトインタフェース(e.g., サイドリンク又はPC5インタフェース)においてremote UEと通信し、remote UEとネットワークとの間でトラフィック(ダウンリンク及びアップリンク)を中継する。Internet Protocol version 4(IPv4)が用いられる場合、ProSe UE-to-Network Relayは、Dynamic Host Configuration Protocol Version 4 (DHCPv4) Server及びNetwork Address Translation (NAT) として動作する。IPv6が用いられる場合、ProSe UE-to-Network Relayは、stateless DHCPv6 Relay Agentとして動作する。
【0010】
本明細書では、ProSe UE-to-Network RelayのようなD2D通信能力およびリレー能力を持つ無線端末を「モバイルリレー(mobile relay (MR))」、「モバイルリレー(mobile relay(MR))無線端末(mobile terminal(MT))」、又は「モバイルリレーUE(MR UE)」と呼ぶ。また、モバイルリレーによる中継サービスを受ける無線端末を「リモート無線端末(remote MT)」又は「リモートUE(remote UE)」と呼ぶ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0025】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例を示している。リモートUE1は、少なくとも1つの無線トランシーバを有し、端末間ダイレクトインタフェース(e.g., PC5インタフェース又はサイドリンク)102上で1又は複数のモバイルリレー2とD2D通信(e.g., ProSeダイレクト・ディスカバリ及びProSeダイレクト通信)を行うよう構成されている。また、
図1には示されていないが、リモートUE1は、1又は複数の基地局3により提供されるセルラーカバレッジ31内においてセルラー通信を行うよう構成されている。
【0026】
モバイルリレー2は、少なくとも1つの無線トランシーバを有し、セルラーカバレッジ31内において基地局3とのセルラー通信(101)を行うとともに、端末間ダイレクトインタフェース(e.g., PC5インタフェース又はサイドリンク)102上でリモートUE1とD2D通信(e.g., ProSeダイレクト・ディスカバリ及びProSeダイレクト通信)を行うよう構成されている。
【0027】
基地局3は、無線アクセスネットワーク(i.e., E-UTRAN)内に配置されたエンティティであり、1又は複数のセルを含むセルラーカバレッジ31を提供し、セルラー通信技術(e.g., E-UTRA technology)を用いてモバイルリレー2と通信(101)することができる。さらに、基地局3は、リモートUE1がセルラーカバレッジ31内にいる場合に、リモートUE1とセルラー通信を行うよう構成されている。
【0028】
コアネットワーク(i.e., Evolved Packet Core(EPC))4は、複数のユーザープレーン・エンティティ(e.g., Serving Gateway (S-GW)及びPacket Data Network Gateway (P-GW))、及び複数のコントロールプレーン・エンティティ(e.g., Mobility Management Entity(MME)及びHome Subscriber Server(HSS))を含む。複数のユーザープレーン・エンティティは、基地局3を含む無線アクセスネットワークと外部ネットワークとの間でリモートUE1及びモバイルリレー2のユーザデータを中継する。複数のコントロールプレーン・エンティティは、リモートUE1及びモバイルリレー2のモビリティ管理、セッション管理(ベアラ管理)、加入者情報管理、及び課金管理を含む様々な制御を行う。
【0029】
いくつかの実装において、近接サービス(e.g., 3GPP ProSe)を利用するために、リモートUE1及びモバイルリレー2は、基地局3及びコアネットワーク4を介してD2Dコントローラ5と通信するよう構成される。例えば、3GPP ProSeの場合、D2Dコントローラ5は、ProSe function エンティティに相当する。リモートUE1及びモバイルリレー2は、例えば、D2Dコントローラ5によって提供されるネットワークレベル・ディスカバリ(e.g., EPC-level ProSe Discovery)を利用してもよいし、D2D通信(e.g., ProSeダイレクト・ディスカバリ及びProSeダイレクト通信)のリモートUE1及びモバイルリレー2における起動(有効化、activation)を許可することを示すメッセージをD2Dコントローラ5から受信してもよいし、セルラーカバレッジ31におけるD2D通信に関する設定情報をD2Dコントローラ5から受信してもよい。
【0030】
モバイルリレー2は、リモートUE1とセルラーネットワーク(基地局3及びコアネットワーク4)の間でのリレー動作をリモートUE1に提供する。言い換えると、モバイルリレー2は、リモートUE1に関するデータフロー(トラフィック)をリモートUE1とセルラーネットワーク(基地局3及びコアネットワーク4)との間で中継する。これにより、リモートUE1は、モバイルリレー2及びセルラーネットワーク(基地局3及びコアネットワーク4)を経由して外部ネットワーク6内のノード(e.g., アプリケーションサーバ7)と通信することができる。
【0031】
図1の例では、リモートUE1は、セルラーカバレッジ31の外に位置している(アウト・オブ・カバレッジ)。しかしながら、リモートUE1は、セルラーカバレッジ31内に位置してもよく、何らかの条件(例えば、ユーザーによる選択)に基づいてセルラーネットワーク(基地局3及びコアネットワーク4)に接続不能な状態であってもよい。リモートUE1は、セルラーネットワークに接続できない条件の場合に(e.g., カバレッジ外)、モバイルリレー2とのD2D通信(e.g., ダイレクト通信)を行う。
【0032】
なお、本明細書では、便宜上、リモートUE1とモバイルリレー2の間のD2D通信を「パーシャルカバレッジでのD2D通信」と呼ぶ。しかしながら、本明細書における「パーシャルカバレッジでのD2D通信」は、リモートUE1が様々な要因によってセルラーネットワークに接続できない条件にある場合でのリモートUE1によるモバイルリレー2とのサイドリンク通信を含む。
【0033】
リモートUE1がセルラーネットワークに接続不能であることは、セルラーネットワーク内の1又は複数の基地局3から送信される無線信号の受信品質(e.g., Reference Signal Received Power(RSRP)又はReference Signal Received Quality(RSRQ))が所定の閾値以下であることにより判定されてもよい。言い換えると、リモートUE1は、セルラーネットワークの無線信号を正常に受信できないことにより、セルラーネットワークに接続不能であることを判定してもよい。これに代えて、リモートUE1は、いずれかの基地局3からの無線信号を受信できるものの、コアネットワーク4への接続(アタッチ)を拒絶された場合に、セルラーネットワークに接続不能であることを判定してもよい。これに代えて、リモートUE1は、ユーザの指示又はセルラーネットワーク内の制御装置(e.g., 基地局3、D2Dコントローラ5、又はOperation Administration and Maintenance(OAM)サーバ)の指示により強制的にセルラーネットワークとの接続を切断又は不活性化(deactivate)する場合に、セルラーネットワークに接続不能であることを判定してもよい。
【0034】
続いて以下では、本実施形態に係るリレー動作の開始手順について
図2〜
図7を用いて説明する。本実施形態に係るモバイルリレー2は、モバイルリレー2によるリモートUE1とセルラーネットワーク(基地局3及びコアネットワーク4)の間でのリレー動作の開始をリモートUE1又はD2Dコントローラ5から要求されるよりも前に、当該リレー動作に関する接続情報をリモートUE1又はD2Dコントローラ5から保持するよう構成されている。ここで、接続情報は、モバイルリレー2によるリモートUE1とセルラーネットワーク(基地局3及びコアネットワーク4)の間でのリレー動作を介してリモートUE1がセルラーネットワーク又は外部ネットワーク6内のノード(e.g., アプリケーションサーバ7)と通信するために必要な設定情報を含む。
【0035】
例えば、接続情報は、リモートUE1のデータフローを転送するセルラーネットワーク内のベアラ(e.g., Evolved Packet System(EPS)ベアラ)に関する設定情報を含んでもよい。ベアラに関する設定情報は、例えば、ベアラのQuality of Service(QoS)ポリシ及びパケットフィルタのうち少なくとも1つを指定してもよい。
【0036】
さらに又はこれに代えて、接続情報は、リモートUE1が外部ネットワーク6内のノード(e.g., アプリケーションサーバ7)とアプリケーションレイヤにおいて通信するために必要な設定情報を含んでもよい。アプリケーションレイヤでの通信に関する設定情報は、例えば、外部ネットワーク6内のノードの識別子(e.g., Uniform Resource Locator(URL))、当該ノードのアドレス(e.g., Internet Protocol(IP)アドレス、又はセッションID(i.e., IPアドレスとTransmission Control Protocol(TCP)ポート番号の組合せ))、及び当該ノードにアクセスするための認証情報(e.g., ユーザID及びパスワード)、のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0037】
いくつかの実装において、モバイルリレー2は、リモートUE1のためのリレー動作の開始を要求されるよりも前に、接続情報に従ってリレー動作のための通信パスの準備を行うよう構成されてもよい。例えば、モバイルリレー2は、リモートUE1のためのリレー動作の開始を要求されるよりも前に、リモートUE1のデータフローを転送するセルラーネットワーク内のベアラを準備するためのベアラ設定(activation)手順又はベアラ修正(modification)手順をセルラーネットワークとの間で当該接続情報に従って行ってもよい。さらに又はこれに代えて、モバイルリレー2は、リモートUE1のためのリレー動作の開始を要求されるよりも前に、外部ネットワーク6内のノード(e.g., アプリケーションサーバ7)と通信可能な状態を接続情報に従って確立してもよい。
【0038】
いくつかの実装において、モバイルリレー2は、接続情報を受信したことに応答して、接続情報に従ってリレー動作のための通信パスの準備を開始してもよい。これに代えて、モバイルリレー2は、接続情報を受信した後にD2Dコントローラ5からの指示を受信したことに応答して、接続情報に従ってリレー動作のための通信パスの準備を開始してもよい。これに代えて、モバイルリレー2は、接続情報を受信した後にリモートUE1からの指示(e.g., ディスカバリ信号)を受信したことに応答して、接続情報に従ってリレー動作のための通信パスの準備を開始してもよい。
【0039】
いくつかの実装において、モバイルリレー2は、リモートUE1のための少なくとも1つのモバイルリレー候補(MR candidate)の1つに指定されるときに上述の接続情報を受信し、接続情報に従ってリレー動作のための通信パスの準備を開始してもよい。なお、“モバイルリレー候補”との用語は、リモートUE1のためのリレー動作を接続情報に基づいて準備するよう依頼されているが、リレー動作の開始をまだ要求されていない無線端末を意味する。接続情報に基づく通信パスの準備は、上述したように、コアネットワーク4とのベアラ設定手順(ベアラ修正手順)及びアプリケーションサーバ7との認証手順の少なくとも一方を含んでもよい。ここで、ベアラ設定手順は、新たな個別(dedicated)ベアラを設定する手順であり、ベアラ修正手順は既に設定済みのベアラのポリシを変更する手順である。そして、モバイルリレー(候補)2は、リモートUE1のための少なくとも1つのモバイルリレー候補の1つへの指定に起因したリレー開始要求をリモートUE1又はD2Dコントローラ5から受信したことに応答して、既に準備済みの通信パスを使用してリレー動作を開始するよう構成されてもよい。一例において、モバイルリレー(候補)2は、リモートUE1のための少なくとも1つのモバイルリレー候補の1つに指定された後に、リレー開始要求を受信してもよい。
【0040】
以上の説明から理解されるように、本実施形態では、リモートUE1又はD2Dコントローラ5は、モバイルリレー2によるリモートUE1とセルラーネットワークの間でのリレー動作を介してリモートUE1がセルラーネットワーク又は外部ネットワーク6内のノードと通信するために必要な接続情報を、リレー動作の開始をリモートUE1又はD2Dコントローラ5からモバイルリレー2に要求するよりも前にモバイルリレー2に送信するよう構成されている。一方、モバイルリレー2は、モバイルリレー2によるリモートUE1とセルラーネットワーク(基地局3及びコアネットワーク4)の間でのリレー動作の開始をリモートUE1又はD2Dコントローラ5から要求されるよりも前に、当該リレー動作に関する当該接続情報をリモートUE1又はD2Dコントローラ5から受信するよう構成されている。すなわち、モバイルリレー2は、リレー動作の開始を要求されるよりも前に、当該リレー動作に関する当該接続情報を保持するよう構成されている。これにより、モバイルリレー2は、リモートUE1のためのリレー動作の開始を要求されるよりも前に、接続情報に従ってリレー動作のための通信パスの準備を開始することができる。通信パスの準備は、上述したように、コアネットワーク4とのベアラ設定手順(ベアラ修正手順)及びアプリケーションサーバ7との認証手順の少なくとも一方を含んでもよい。リレー動作のための通信パスの事前準備を行うことで、モバイルリレー2は、リレー動作を開始するよう要求されてからリレー動作を開始できるまでの遅延を低減できる。したがって、本実施形態に係るリモートUE1、モバイルリレー2、及びD2Dコントローラ5は、モバイルリレー2がリレー動作を開始するよう要求されてからリレー動作を開始できるまでの遅延の低減に寄与できる。
【0041】
続いて以下では、本実施形態に係るリレー動作の開始手順に関するその他の詳細について説明する。いくつかの実装において、
図2に示されるように、リモートUE(RUE)1は、接続情報をD2Dコントローラ5に送信し、D2Dコントローラ5は、リモートUE1から受信した接続情報をモバイルリレー候補(MR candidate)としてのモバイルリレー2に転送してもよい。言い換えると、リモートUE1は、D2Dコントローラ5を介して、接続情報をモバイルリレー(候補)2に送信してもよい。一例において、リモートUE1は、セルラーネットワークの通信品質(e.g., RSRP又はRSRQ)の劣化を検出したことに応答して、リレー動作に必要な接続情報をD2Dコントローラ5を介してモバイルリレー(候補)2に送信してもよい。これに代えて、リモートUE1は、セルラーネットワークへの接続したとき、又はセルラーネットワークに接続している間の任意のときに、接続情報をD2Dコントローラ5を介してモバイルリレー(候補)2に送信してもよい。
【0042】
いくつかの実装において、
図3に示されるように、リモートUE(RUE)1は、モバイルリレー(候補)2とのD2D通信において直接的に、接続情報をモバイルリレー(候補)2に送信してもよい。一例において、リモートUE1は、セルラーネットワークの通信品質(e.g., RSRP又はRSRQ)の劣化を検出したことに応答して、リレー動作に必要な接続情報をD2D通信を介してモバイルリレー(候補)2に送信してもよい。これに代えて、リモートUE1は、セルラー通信が利用でき且つモバイルリレー(候補)2とのD2D通信も利用できる任意のときに、リレー動作に必要な接続情報をD2D通信を介してモバイルリレー(候補)2に送信してもよい。
【0043】
図4は、本実施形態に係るリレー動作の開始手順の一例(処理400)を示すシーケンス図である。
図4の例では、リモートUE1は、D2Dコントローラ5を介して、接続情報をモバイルリレー(候補)2に送信する。すなわち、ブロック401では、リモートUE1は、接続情報をD2Dコントローラ5に送信する。ブロック402では、D2Dコントローラ5は、リモートUE1から受信した接続情報をモバイルリレー(候補)2に送信する。
【0044】
ブロック403及び404では、モバイルリレー(候補)2は、受信した接続情報に従って、リモートUE1のためのリレー動作に必要な通信パスを準備する。すなわち、ブロック403では、モバイルリレー(候補)2は、コアネットワーク4と通信し、リモートUE1のデータフローが必要とするポリシ(e.g., QoSポリシ及びパケットフィルタ)に対応したベアラを準備するためにベアラ設定手順又はベアラ修正手順を実行する。上述したように、ベアラ設定手順は、新たな個別(dedicated)ベアラを設定する手順であり、ベアラ修正手順は既に設定済みのベアラのポリシを変更する手順である。
【0045】
ブロック404では、モバイルリレー(候補)2は、外部ネットワーク6内のアプリケーションサーバ7と通信し、リモートUE1の代理としてアプリケーションサーバと通信するための認証手順を実行する。これにより、リモートUE1のためのリレー動作に使用するためのベアラ405及びモバイルリレー(候補)2とアプリケーションサーバ7の間のコネクション406が確立される。コネクション406は、アプリケーションレイヤのコネクション(セッション)であってもよいし、TCP/IPレイヤのコネクションであってもよい。なお、
図4の例は一例である。例えば、モバイルリレー(候補)2は、アプリケーションサーバ7とのコネクション406の確立を行わずに、ベアラ405の確立のみを行ってもよい。
【0046】
ブロック407では、リモートUE1は、D2D通信の開始条件を満足したことに応じて、モバイルリレーを選択する手順を実行し、これによりモバイルリレー2を選択する。ブロック408では、リモートUE1は、D2D通信を介してリレー動作の開始要求(リレー要求)をモバイルリレー2に送信する。いくつかの実装において、リモートUE1は、モバイルリレー(候補)2を含む複数のモバイルリレー候補の中から実際にリレー動作を依頼する無線端末を選択し、選択された無線端末にリレー要求を送信してもよい。リモートUE1は、複数のモバイルリレー候補からの無線信号の受信品質を比較し、最も良い受信品質を得た無線端末をモバイルリレーとして選択してもよい。これに代えて、リモートUE1は、ダイレクト・ディスカバリ手順を実行し、発見できた少なくとも1つの無線端末の中からリレー動作を依頼する無線端末を選択してもよい。
【0047】
モバイルリレー(候補)2は、リレー要求に応答して、リモートUE1とのダイレクト通信を開始し、必要に応じてセルラーネットワークとの接続を活性化(activate)し、リモートUE1とセルラーネットワーク(基地局3及びコアネットワーク4)の間でのリレー動作を開始する(409及び410)。
【0048】
図5は、モバイルリレー(候補)2の動作の一例(処理500)を示すフローチャートである。ブロック501では、モバイルリレー(候補)2は、リモートUE(RUE)1がセルラーネットワーク(基地局3及びコアネットワーク4)又はアプリケーションサーバ7と通信するために必要な接続情報を、リレー動作の開始をRUE1又はD2Dコントローラ5から要求されるよりも前に保持する。ブロック502では、モバイルリレー(候補)2は、リレー動作の開始を要求されるよりも前に、接続情報に従って、RUE1のポリシに対応したセルラーネットワーク内のベアラ及アプリケーションサーバ7との接続を準備する。ブロック503では、モバイルリレー(候補)2は、RUE1又はD2Dコントローラ5からのリレー要求の受信に応答してリレー動作を開始し、RUE1のデータフローをリレーする。
【0049】
図6は、リモートUE1の動作の一例(処理600)を示すフローチャートである。ブロック601では、リモートUE(RUE)1は、他のUE(モバイルリレー(候補)2)によるリレー動作を介してRUE1がセルラーネットワーク又はアプリケーションサーバ7と通信するために必要な接続情報を、リレー動作の開始をRUE1又はD2Dコントローラ5から要求するよりも前に他のUE(モバイルリレー(候補)2)に送信する。RUE1は、複数のモバイルリレー候補に接続情報を送信してもよい。RUE1は、D2Dコントローラ5を介して1又は複数のモバイルリレー候補に接続情報を送信してもよい。ブロック602では、RUE1は、リレー動作を依頼するモバイルリレー候補を選択し、選択されたモバイルリレー候補にリレー動作の開始を要求する。
【0050】
図7は、D2Dコントローラ5の動作の一例(処理700)を示すフローチャートである。ブロック701では、D2Dコントローラ5は、他のUE(モバイルリレー(候補)2)によるリレー動作を介してRUE1がセルラーネットワーク又はアプリケーションサーバ7と通信するために必要な接続情報を、リレー動作の開始を他のUE(モバイルリレー(候補)2)に要求するよりも前にRUE1から受信する。ブロック702では、D2Dコントローラ5は、リレー動作の開始を要求するよりも前に、RUE1から受信した接続情報を他のUE(モバイルリレー(候補)2)に送信する。ブロック703では、D2Dコントローラ5は、RUE1のためのリレー動作を依頼するモバイルリレー候補を選択し、選択されたモバイルリレー候補にリレー動作の開始を要求する。なお、リレー要求がRUE1とモバイルリレー(候補)2の間のD2D通信を介して行われる場合、
図7のブロック703での処理は省略されてもよい。
【0051】
<第2の実施形態>
本実施形態では、第1の実施形態で説明されたリレー動作の開始手順の変形例が説明される。本実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例は、
図1と同様である。
【0052】
本実施形態では、リモートUE1又はD2Dコントローラ5は、接続情報に従ってリモートUE1のためのリレー動作の準備を予め行うリレー候補UEを複数確保するために、接続情報を複数のモバイルリレー(候補)2に送信するよう構成される。いくつかの実装において、
図8に示されるように、リモートUE(RUE)1は、接続情報をD2Dコントローラ5に送信し、D2Dコントローラ5は、リモートUE1から受信した接続情報を複数のモバイルリレー(候補)2に転送してもよい。いくつかの実装において、
図9に示されるように、リモートUE(RUE)1は、D2D通信を介して直接的に、接続情報を複数のモバイルリレー(候補)2に送信してもよい。
【0053】
本実施形態によれば、複数のモバイルリレー(候補)2の各々は、接続情報に従って、リモートUE1のためのリレー動作に必要な通信パスを準備することができる。通信パスの準備は、第1の実施形態で説明したように、コアネットワーク4とのベアラ設定手順(ベアラ修正手順)及びアプリケーションサーバ7との認証手順の少なくとも一方を含んでもよい。複数のモバイルリレー(候補)2がリレー動作のための通信パスの事前準備を行うことで、リモートUE1が直接的なセルラー通信からモバイルリレー経由の通信へのい切り替えを低遅延で行える確率を高めることができる。
【0054】
<第3の実施形態>
本実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例は、
図1と同様である。本実施形態では、D2Dコントローラ5は、リモートUE1のためのリレー動作の準備を接続情報に従って予め行うモバイルリレー(候補)2の数が所定数以上又は所定範囲内となるように、モバイルリレー(候補)2の追加又は削除を行うよう構成される。
【0055】
図10は、本実施形態に係る、モバイルリレー(候補)2の追加及び削除に関する手順の一例(処理1000)を示すフローチャートである。
図10において、モバイルリレー(候補)2Aは、リモートUE1に関する接続情報を既に受信し、リレー動作の準備完了している無線端末である。モバイルリレー(候補)2Aは、第1の実施形態で説明されたいずれかの手順に従って、リモートUE1又はD2Dコントローラ5から接続情報を受信してもよい。
【0056】
ブロック1001では、モバイルリレー(候補)2Aは、リモートUE1のためのリレー動作の準備を予め行うモバイルリレー候補としての条件を満たさなくなったことに応じて、モバイルリレー候補からの辞任通知(resignation from MR candidate)をD2Dコントローラ5に送信する。当該辞任通知は、新たなモバイルリレー候補を追加することをD2Dコントローラ5にトリガーする。例えば、モバイルリレー(候補)2Aは、D2D通信品質に基づいてリモートUE1との距離が離れたことを検出した場合に、辞任通知を送信してもよい。さらに又はこれに代えて、モバイルリレー(候補)2Aは、自身のセルラー通信品質が所定の閾値を下回った場合に、辞任通知を送信してもよい。さらに又はこれに代えて、モバイルリレー(候補)2Aは、自身のデータ通信のためにセルラー通信を開始する場合、自身のセルラー通信量が閾値を超えた場合、又はモバイルリレー(候補)2Aのその他の負荷が閾値を超えた場合に、辞任通知を送信してもよい。
【0057】
ブロック1002では、D2Dコントローラ5は、モバイルリレー(候補)2Aからの辞任通知の受信に応答して、モバイルリレー(候補)2AをリモートUE1のためのモバイルリレー候補から削除するとともに、新たなモバイルリレー候補を追加するための選択手順を行い、モバイルリレー(候補)2BをリモートUE1のための新たなモバイルリレー候補として選択する。ブロック1003では、D2Dコントローラ5は、リレー動作を介してRUE1がセルラーネットワーク又はアプリケーションサーバ7と通信するために必要な接続情報を、モバイルリレー(候補)2Bに送信する。モバイルリレー(候補)2Bは、第1の実施形態で説明したように、接続情報に従ってリレー動作のための通信パスの準備を行ってもよい。
【0058】
本実施形態で説明されたモバイルリレー(候補)2の追加及び削除の手順によれば、リモートUE1のための1又は複数のモバイルリレー(候補)を安定して確保することに寄与できる。
【0059】
<第4の実施形態>
本実施形態では、第3の実施形態で説明されたモバイルリレー(候補)2の追加及び削除の手順のいくつかの変形例が説明される。本実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例は、
図1と同様である。
【0060】
いくつかの実装において、リモートUE1は、リモートUE1のためのリレー動作の準備を接続情報に従って予め行うモバイルリレー(候補)2の数が所定数以上又は所定範囲内となるように、モバイルリレー(候補)2の追加又は削除を行うよう構成されてもよい。リモートUE1は、ディスカバリ手順を実行することで、自身の近くに位置しているモバイルリレー(候補)2の数を検出してもよい。
【0061】
リモートUE1は、D2Dコントローラ5と通信せずに、自律的にモバイルリレー(候補)2の追加又は削除を行ってもよい。具体的には、リモートUE1は、過去に検出されていたモバイルリレー(候補)2が新たなディスカバリで検出できない場合に、新たなモバイルリレー(候補)2を選択し、当該選択されたモバイルリレー(候補)2に接続情報を送信してもよい。
【0062】
これに代えて、リモートUE1は、
図11に示されるように、モバイルリレー(候補)2の追加又は削除を行うために、D2Dコントローラ5と通信してもよい。
図11は、モバイルリレー(候補)2の追加及び削除に関する手順の一例(処理1100)を示すフローチャートである。ブロック1101では、リモートUE1は、ディスカバリ手順を実行することで、自身の近くに位置しているモバイルリレー(候補)2の数を検出する。リモートUE1は、検出されたモバイルリレー(候補)2の数が所定数を下回る場合、又は所定範囲外である場合に、モバイルリレー(候補)2の再選択をD2Dコントローラ5に要求する(1102)。ブロック1103では、D2Dコントローラ5は、モバイルリレー候補の追加及び削除のどちらか又は両方を行うために、モバイルリレー候補の選択手順を実行する。D2Dコントローラ5は、削除されるモバイルリレー(候補)2に対してリモートUE1のためのモバイルリレー候補から解任されることを知らせてもよい。一方、D2Dコントローラ5は、追加されるモバイルリレー(候補)2に対して接続情報を送信し、接続情報に基づくリレー動作の準備を依頼指定もよい。
【0063】
最後に、上述の複数の実施形態に係るリモートUE1、モバイルリレー2、及びD2Dコントローラ5の構成例について説明する。
図12は、リモートUE1の構成例を示すブロック図である。モバイルリレー2も、
図12に示されているのと同様の構成を有してもよい。Radio Frequency(RF)トランシーバ1201は、基地局3と通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ1201により行われるアナログRF信号処理は、周波数アップコンバージョン、周波数ダウンコンバージョン、及び増幅を含む。RFトランシーバ1201は、アンテナ1202及びベースバンドプロセッサ1203と結合される。すなわち、RFトランシーバ1201は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をベースバンドプロセッサ1203から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナ1202に供給する。また、RFトランシーバ1201は、アンテナ1202によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをベースバンドプロセッサ1203に供給する。
【0064】
ベースバンドプロセッサ1203は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。デジタルベースバンド信号処理は、(a) データ圧縮/復元、(b) データのセグメンテーション/コンカテネーション、(c) 伝送フォーマット(伝送フレーム)の生成/分解、(d) 伝送路符号化/復号化、(e) 変調(シンボルマッピング)/復調、及び(f) Inverse Fast Fourier Transform(IFFT)によるOFDMシンボルデータ(ベースバンドOFDM信号)の生成などを含む。一方、コントロールプレーン処理は、レイヤ1(e.g., 送信電力制御)、レイヤ2(e.g., 無線リソース管理、及びhybrid automatic repeat request(HARQ)処理)、及びレイヤ3(e.g., アタッチ、モビリティ、及び通話管理に関するシグナリング)の通信管理を含む。
【0065】
例えば、LTEおよびLTE-Advancedの場合、ベースバンドプロセッサ1203によるデジタルベースバンド信号処理は、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤ、Radio Link Control(RLC)レイヤ、MACレイヤ、およびPHYレイヤの信号処理を含んでもよい。また、ベースバンドプロセッサ1203によるコントロールプレーン処理は、Non-Access Stratum(NAS)プロトコル、RRCプロトコル、及びMAC CEの処理を含んでもよい。
【0066】
ベースバンドプロセッサ1203は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., Digital Signal Processor(DSP))とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., Central Processing Unit(CPU)、又はMicro Processing Unit(MPU))を含んでもよい。この場合、コントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサは、後述するアプリケーションプロセッサ1204と共通化されてもよい。
【0067】
アプリケーションプロセッサ1204は、CPU、MPU、マイクロプロセッサ、又はプロセッサコアとも呼ばれる。アプリケーションプロセッサ1204は、複数のプロセッサ(複数のプロセッサコア)を含んでもよい。アプリケーションプロセッサ1204は、メモリ1206又は図示されていないメモリから読み出されたシステムソフトウェアプログラム(Operating System(OS))及び様々なアプリケーションプログラム(例えば、通話アプリケーション、WEBブラウザ、メーラ、カメラ操作アプリケーション、音楽再生アプリケーション)を実行することによって、リモートUE1の各種機能を実現する。
【0068】
いくつかの実装において、
図12に破線(1205)で示されているように、ベースバンドプロセッサ1203及びアプリケーションプロセッサ1204は、1つのチップ上に集積されてもよい。言い換えると、ベースバンドプロセッサ1203及びアプリケーションプロセッサ1204は、1つのSystem on Chip(SoC)デバイス1205として実装されてもよい。SoCデバイスは、システムLarge Scale Integration(LSI)またはチップセットと呼ばれることもある。
【0069】
メモリ1206は、揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリ又はこれらの組合せである。メモリ1206は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。例えば、メモリ1206は、ベースバンドプロセッサ1203、アプリケーションプロセッサ1204、及びSoC1205からアクセス可能な外部メモリデバイスを含んでもよい。メモリ1206は、ベースバンドプロセッサ1203内、アプリケーションプロセッサ1204内、又はSoC1205内に集積された内蔵メモリデバイスを含んでもよい。さらに、メモリ1206は、Universal Integrated Circuit Card(UICC)内のメモリを含んでもよい。
【0070】
メモリ1206は、上述の複数の実施形態で説明されたリモートUE1による処理を行うための命令群およびデータを含むソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)を格納してもよい。いくつかの実装において、ベースバンドプロセッサ1203又はアプリケーションプロセッサ1204は、当該ソフトウェアモジュールをメモリ1206から読み出して実行することで、上述の実施形態でシーケンス図及びフローチャートを用いて説明されたリモートUE1の処理を行うよう構成されてもよい。
【0071】
図13は、上述の実施形態に係るD2Dコントローラ5の構成例を示すブロック図である。
図13を参照すると、D2Dコントローラ5は、ネットワークインターフェース1301、プロセッサ1302、及びメモリ1303を含む。ネットワークインターフェース1301は、無線端末1と通信するために使用される。ネットワークインターフェース1301は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0072】
プロセッサ1302は、メモリ1303からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてシーケンス図及びフローチャートを用いて説明されたD2Dコントローラ5の処理を行う。プロセッサ1302は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ1302は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0073】
メモリ1303は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1303は、プロセッサ1302から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1302は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1303にアクセスしてもよい。
【0074】
図13の例では、メモリ1303は、D2D通信のための制御モジュールを含むソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1302は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1303から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明されたD2Dコントローラ5の処理を行うことができる。
【0075】
図12及び
図13を用いて説明したように、上述の実施形態に係るリモートUE1、モバイルリレー2、及びD2Dコントローラ5が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0076】
<その他の実施形態>
上述の実施形態は、各々独立に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0077】
さらに、上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
【0078】
この出願は、2015年6月22日に出願された日本出願特願2015−124572を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。