特許第6601612号(P6601612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6601612
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】容器処理装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20191028BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20191028BHJP
   B65G 47/91 20060101ALN20191028BHJP
【FI】
   B25J13/08 A
   B25J13/00 A
   !B65G47/91 D
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-113021(P2015-113021)
(22)【出願日】2015年6月3日
(65)【公開番号】特開2016-221656(P2016-221656A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2018年5月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082108
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】松崎 涼平
(72)【発明者】
【氏名】村浜 政貴
【審査官】 松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−336783(JP,A)
【文献】 特開2001−328088(JP,A)
【文献】 特開2012−158406(JP,A)
【文献】 特開2006−256744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00−21/02
B65G 47/22−47/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横転状態の容器を収容する複数の収容部を有した搬送手段と、上記搬送手段によって搬送される容器を上記搬送手段の側方から横転した容器の底部もしくは上部を撮影する第1撮影手段と、上記搬送手段の上方から横転した容器の側面を撮影する第2撮影手段と、上記第1撮影手段および第2撮影手段が撮影した画像から容器の保持位置を算出する画像処理手段と、上記搬送手段の収容部内の容器を保持して取り出す取り出し手段と、当該取り出し手段を制御して、画像処理手段が算出した上記容器の保持位置で保持させる制御手段とを備え、
上記画像処理手段は、上記第1撮影手段が撮影した容器の底部もしくは上部の画像から上記容器の傾斜角度を検出する傾斜角度算出部と、上記第2撮影手段が撮影した容器の側面の画像の幅方向中心を算出する中心算出部と、上記容器の傾斜角度ごとに、上記幅方向中心に対する上記保持位置のずれ量を記憶したずれ量記憶部と、上記中心算出部が算出した容器の幅方向中心と上記ずれ量記憶部が記憶したずれ量とから、撮影した容器についての上記保持位置を算出する保持位置算出部とを有することを特徴とする容器処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器処理装置に関し、より詳しくは搬送手段を搬送される横転状態の容器を取り出す取り出し手段を備えた容器処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、横転状態の容器を収容する複数の収容部を有した搬送手段と、上記搬送手段によって搬送される容器を撮影する撮影手段と、上記搬送手段の収容部内の容器を保持して取り出す取り出し手段と、上記撮影手段が撮影した容器の画像から上記取り出し手段が容器を保持するための保持位置を設定する制御手段とを備えた容器処理装置が知られている(特許文献1)。
特許文献1の容器処理装置は角型容器の処理に好適となっており、V字形に形成された収容部の前後の板状部材に容器のいずれかの側面が当接することで、当該容器は傾斜した状態で搬送されるようになっている。
そして上記撮影手段がこの収容部内の容器を上方から撮影すると、傾斜した容器のうち上方を向いた2つの側面が撮影され、制御手段は撮影した容器の画像における幅方向中心に対して偏倚した位置に上記保持位置を設定するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5655596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1のように容器が角型容器の場合、一つの側面が収容部の板状部分に当接することで、当該収容部に収容される当該容器の傾斜角度が一定となることから、上記保持位置は撮影手段が撮影した容器の画像の幅方向中心に対して画一的に設定されている。
また特許文献1の図4には、角型容器ではない断面楕円形を有した容器の処理について記載されているものの、このような断面楕円形状の容器は角型容器のように平坦な側面を有さないことから、実際には容器の傾斜角度がランダムな状態で搬送されることとなる。
そのため、このようなランダムに傾斜した容器に対し、容器の画像の幅方向中心に対して画一的に保持位置を設定しようとしても、実際には保持位置が容器の異なる位置に設定されてしまい、取り出し手段による保持不良が発生することとなる。
このような問題に鑑み、本発明は角型容器に限らないその他の形状を有した容器であっても正確に保持位置を設定することが可能な容器処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、請求項1の発明にかかる容器処理装置は、横転状態の容器を収容する複数の収容部を有した搬送手段と、上記搬送手段によって搬送される容器を上記搬送手段の側方から横転した容器の底部もしくは上部を撮影する第1撮影手段と、上記搬送手段の上方から横転した容器の側面を撮影する第2撮影手段と、上記第1撮影手段および第2撮影手段が撮影した画像から容器の保持位置を算出する画像処理手段と、上記搬送手段の収容部内の容器を保持して取り出す取り出し手段と、当該取り出し手段を制御して、画像処理手段が算出した上記容器の保持位置で保持させる制御手段とを備え、
上記画像処理手段は、上記第1撮影手段が撮影した容器の底部もしくは上部の画像から上記容器の傾斜角度を検出する傾斜角度算出部と、上記第2撮影手段が撮影した容器の側面の画像の幅方向中心を算出する中心算出部と、上記容器の傾斜角度ごとに、上記幅方向中心に対する上記保持位置のずれ量を記憶したずれ量記憶部と、上記中心算出部が算出した容器の幅方向中心と上記ずれ量記憶部が記憶したずれ量とから、撮影した容器についての上記保持位置を算出する保持位置算出部とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、第1撮影手段が横転した容器の底部もしくは上部を撮影して、第1撮影手段、第2撮影手段が撮影した画像とともに容器の傾斜角度を認識することから、容器の保持位置を正確に算出することができる。
これにより、収容部にランダムな傾斜角度で収容される容器であっても、取り出し手段によって正確に保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施例にかかる容器処理装置の平面図。
図2】容器を搬送する第1搬送手段の正面図。
図3】第1撮影手段および第2撮影手段が撮影した画像を示し、(a)、(b)はそれぞれ異なる傾斜角度で搬送される容器の画像を示す。
図4】制御手段の構成を説明する図。
図5】容器の傾斜角度と容器の幅方向中心に対する保持位置のずれ量との関係を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1は横転した状態で供給される空の容器1を、下流側に設けた図示しない充填装置に起立させてから供給するための容器処理装置2となっている。
この容器処理装置2は、横転状態の容器1を搬送する第1搬送手段3と、上記第1搬送手段3に並行して配置された第2搬送手段4と、第1搬送手段3から容器1を取り出して第2搬送手段4へ受け渡す取り出し手段としてのロボット5とを備えている。
上記容器処理装置2は制御手段6(図4参照)によって制御されるとともに、上記第1搬送手段3に隣接した位置には、第1搬送手段3上の容器1を撮影する第1撮影手段7および第2撮影手段8が設けられ、これらが撮影した画像は上記制御手段6に送信されるようになっている。
そして上記制御手段6では、これら第1、第2撮影手段7、8が撮影した第1搬送手段3上の容器1の画像から、上記ロボット5による容器1の保持位置Hを算出し、算出した保持位置Hに基づいて上記ロボット5を制御するようになっている。
【0009】
上記容器1は、図2に示すように断面楕円形状を有しており、楕円形を有した底部1Aと、当該底部1Aに隣接して形成された側面1Bと、上記側面1Bの上部に設けられて図示しないキャップが装着される口部1Cとから構成されている。
そして本実施例の容器1は、横転状態で第1搬送手段3上に供給されるようになっており、その際、上記口部1Cが第1搬送手段3の図示上方もしくは図示下方を向いた状態でランダムに供給されるようになっている。
本実施例のロボット5には従来公知の産業用ロボットが使用され、先端に設けられた吸着ヘッド5aが上記容器1の側面1Bを吸着保持するようになっている。
上記吸着ヘッド5aは略円形の吸盤(図示せず)を対象物に密着させてこれを吸着保持するものとなっているため、容器1を良好に保持するには断面楕円形状を有した側面1Bにおける、曲率が極力大きな部分を上記保持位置Hとして設定する必要がある。
【0010】
図2に示すように、第1搬送手段3は、図示しないモータによって駆動する無端状ベルト11と、この無端状ベルト11に搬送方向の所定間隔毎に配置されて容器1を収容する複数の収容部12とを備えている。
上記無端状ベルト11には、エンコーダ11aが設けられており、このエンコーダ11aによって制御手段6は第1搬送手段3の各収容部12の位置を認識するようになっている。
収容部12は、断面が略V字形の板状の部材によって構成され、下端部に形成された平坦な底面12aと、当該底面12aに対して搬送方向前方および後方に形成された板状部材12bとから構成されている。
上記底面12aは上記無端状ベルト11の搬送方向に対して直交する方向に固定されており、また上記板状部材12bは無端状ベルト11の上面に対して同じ傾斜角度に設けられている。
このような構成により、図示しない供給機構が各収容部12内に1個ずつ横転状態の容器1を供給すると、図1に示すように上記収容部12の底面12aに従って、各容器1はその上下方向が第1搬送手段3の搬送方向に直交した状態で収容されることとなる。
一方、容器1は断面楕円形状を有していることから、各容器1は上記板状部材12bによって図2に示すようにランダムに傾斜し、その中心位置は収容部12の底面12aの中央に対して搬送方向にランダムに偏倚している。
【0011】
第2搬送手段4は、図示しない駆動手段によって駆動される無端状ベルト13と、この無端状ベルト13上を搬送されるとともにひとつの容器1を収容可能な複数のハカマ14と、上記無端状ベルト13上のハカマ14を所定間隔に整列させるスクリュー15とを備えている。
上記ハカマ14は略直方体形状を有し、上面中央に容器1を収容する断面楕円形状の収容部14aが形成されており、この収容部14aに容器1を挿入することにより、容器1を直立した状態で保持することが可能な構成となっている。
上記ロボット5は横転状態の容器1を保持して起立させた後、上記ハカマ14の収容部14aに底部1Aを下方にした直立した状態で収容するようになっており、その際ロボット5は保持した容器1の向きを収容部14aの向きに一致させるようになっている。
上記スクリュー15は無端状ベルト13の搬送方向下流側に設けられており、図示しない駆動手段によって駆動することにより、ランダムな間隔で搬送されるハカマ14を所定間隔に整列させるようになっている。
また制御手段6は当該スクリュー15に設けられたエンコーダ15aを介して各ハカマ14の位置を認識し、ハカマ14の位置に応じて上記ロボット5を制御するようになっている。
【0012】
上記第1、第2撮影手段7、8はそれぞれ従来公知のカメラとなっており、第1、第2撮影手段7、8が撮影した画像はそれぞれ上記制御手段6に送信されるようになっている。
図3(a)(b)はそれぞれ上記第1、第2撮影手段7、8が撮影した容器の画像の一例となっており、このうち下段は第1撮影手段7が撮影した画像を、上段は上記第2撮影手段8が撮影した画像をそれぞれ示している。
具体的に説明すると、上記第1撮影手段7は上記第1搬送手段3の側方に配置されており、第1撮影手段7の正面を通過する収容部12内の容器1の底面1Aもしくは口部1C側を撮影するようになっている。
次に第2撮影手段8は、上記第1搬送手段3の上方に下方を向けて配置されており、第2撮影手段8の下方を通過する収容部12内の容器1の側面1Bを上方から撮影するようになっている。
この時、図3(a)(b)に示すように、収容部12に収容された容器1が傾斜している場合には、上方から撮影された容器1の側面1Bはその搬送方向の幅が異なって撮影されることとなる。
【0013】
図4に示すように、上記制御手段6には上記第1、第2撮影手段7、8が撮影した画像を処理する画像処理手段21と、当該画像処理手段21が算出した保持位置Hに基づいて上記ロボット5を制御する指令部22とを備えている。
そして上記画像処理手段21は、上記第1撮影手段7が撮影した容器1の底部1Aもしくは口部1C側の画像から上記容器1の傾斜角度θを検出する傾斜角度算出部21aと、上記第2撮影手段8が撮影した容器1の側面1Bの画像の幅方向中心Cwを算出する中心算出部21bと、上記容器1の傾斜角度θごとに、上記幅方向中心Cwに対する上記保持位置Hのずれ量Gを記憶したずれ量記憶部21cと、上記中心算出部21bが算出した容器1の幅方向中心Cwと上記ずれ量記憶部21cが記憶したずれ量Gとから、撮影した容器1についての上記保持位置Hを算出する保持位置算出部21dとを有している。
また詳細な説明については省略するが、上記制御手段6は第1搬送手段3に設けられたエンコーダ11aおよび第2搬送手段4に設けられたエンコーダ15aに基づいて、第1、第2搬送手段3、4の各収容部12およびハカマ14の位置を認識しながら上記ロボット5を制御するようになっている。
【0014】
上記傾斜角度算出部21aは、第1撮影手段7が撮影した容器1の底面12aもしくは口部1C側の画像から、当該容器1が垂直方向に対してどれだけ傾斜しているかを画像認識する。なお、以下の説明では上記第1撮影手段7が容器1の底面12aを撮影したものとして説明する。
図3を用いて説明すると、傾斜角度算出部21aは第1撮影手段7が撮影した容器1の画像から、容器1の底面12aを従来公知の画像処理方法を用いて認識し、当該認識した画像から容器1の中心軸Cと、上記底部1Aの短軸に一致した断面中心Csとを認識する。
そして傾斜角度算出部21aは、上記断面中心Csが垂直方向に対してどれだけ傾斜しているかを検出し、この角度を容器1の傾斜角度θとして認識する。
具体的に、図3(a)に示す容器1は傾斜角度θが0°、すなわち容器1の断面中心Csが垂直方向に対して傾斜していない状態を示しており、図3(b)に示す容器1は傾斜角度θが45°、すなわち容器1の断面中心Csが垂直方向に対して45°傾斜した状態を示している。
【0015】
上記中心算出部21bは、第2撮影手段8が撮影した容器1の側面1Bの画像から、当該容器1の幅方向中心Cwを画像認識により算出するものとなっている。
図3を用いて説明すると、中心算出部21bは第2撮影手段8が撮影した容器1の側面1Bの画像を認識して、当該容器1の搬送方向における中心位置を上記幅方向中心Cwとして認識する。なおこの幅方向中心Cwは、容器1を上方から見た場合には当該容器1の中心軸Cに一致する。
また上述したように、容器1は収容部12の内部で搬送方向前後方向にランダムな位置に位置していることから、中心算出部21bは収容部12の中央に対する容器1の幅方向中心Cwまでの距離を認識する。
【0016】
上記ずれ量記憶部21cは、容器1の傾斜角度θごとに上記容器1の側面1Bの幅方向中心Cwに対する保持位置Hのずれ量Gを記憶している。
上記ずれ量Gとは、容器1を上方から見た場合における、幅方向中心Cwと上記ロボット5による容器1の保持位置Hとの距離をいい、図3(a)に示すように、容器1の傾斜角度θが0°の場合、上記ロボット5による保持位置Hは上方から見て上記幅方向中心Cwと一致する。
これに対し、図3(b)に示すように容器1が傾斜している場合には、ロボット5による保持位置Hは、上方から見て上記幅方向中心Cwより搬送方向前方もしくは後方にずれることとなる。
この幅方向中心Cwに対する保持位置Hのずれ量Gは、容器1の傾斜角度θによって変化するため、上記ずれ量記憶部21cには図5に示すような容器1の傾斜角度θと上記ずれ量Gとの関係が予め登録されている。
従って、上記傾斜角度算出部21aが容器1の傾斜角度θを算出すると、ずれ量記憶部21cはこの算出された傾斜角度θに対応するずれ量Gを出力するようになっている。
また上記ずれ量Gは容器1の断面形状によって異なるため、容器処理装置2が処理する容器1の種類を変更する毎に、ずれ量記憶部21cに登録される上記容器1の傾斜角度θとずれ量Gとの関係が変更されるようになっている。
【0017】
上記保持位置算出部21dは、上記中心算出部21bが算出した容器1の幅方向中心Cwの位置と上記ずれ量記憶部21cが記憶したずれ量Gとから、撮影した容器1についての上記保持位置Hを算出するようになっている。
具体的には、上記中心算出部21bが算出した、容器1の幅方向中心Cwが収容部12の中心から離隔した距離に、上記ずれ量記憶部21cが出力した、容器1の傾斜角度θに対するずれ量Gを加算して、収容部12の中央に対する容器1の保持位置Hを算出する。
このようにして保持位置算出部21dが算出した保持位置Hは、その後上記制御手段6の指令部22に送信され、指令部22は上記保持位置Hに吸着ヘッド5aを移動させるようロボット5を制御して、上記第1搬送手段3の収容部12に収容された容器1を保持させる。
この時、ロボット5は上記画像処理手段21が算出した保持位置Hの位置で容器1を保持するため、当該容器1の側面1Bにおける曲率の大きい部分が吸着保持されるようになっている。
また第1搬送手段3を搬送される全ての容器1を一定の保持位置Hで保持することから、ロボット5が保持した容器1を第2搬送手段4のハカマ14に収容する際において、容器1を収容部14aの向きに合わせて収容することができ、挿入不良を防止することができる。
【0018】
このように、本実施例における容器処理装置2によれば、断面が楕円形を有するような、収容部12にランダムな傾斜角度で収容される容器1であっても、当該容器1の保持位置Hを正確に認識することが可能となっている。
これに対し、特許文献1に記載された容器処理装置では、角型容器を処理しており、当該角型容器は収容部に一定の傾斜角度で収容されることから、保持位置が容器の幅方向中心に対して一定の距離に設定されていた。
このため、この特許文献1の構成では、本実施例のようにランダムな傾斜角度で供給される容器を適切な保持位置で保持することができず、曲率の大きな保持に適した部分を保持せずに曲率の小さな部分を保持してしまう場合があった。
その結果、容器を収容部から取り出すことができない場合が発生し、また本実施例のように取り出した容器を第2搬送手段4のハカマ14に挿入するような場合には、保持位置Hが一定とならないことから、ハカマ14への挿入不良が発生する恐れがあった。
【0019】
なお、ケチャップやマヨネーズの容器1といった、断面形状が上方から下方に向けて拡開する形状を有した容器1については、底部1Aの形状を撮影するために第1搬送手段3の両側に第1撮影手段7を設けてもよい。
また上記実施例のように断面楕円形の容器1に限らず、収容部12に収容された場合にランダムな傾斜角度θで収容されてしまう断面形状を有した容器1であれば、本実施例にかかる容器処理装置2によって処理することが可能である。
さらに、上記第1撮影手段7と第2撮影手段8との順番を逆にすることも可能である。すなわち、先に容器1の側面1Bを上方から撮影した後に、底面1Aもしくは口部1Cを側方から撮影しても良い。
【符号の説明】
【0020】
1容器 1A 底面
1B 側面 1C 口部(上部)
2 容器処理装置 3 第1搬送手段
5 ロボット(取り出し手段) 6 制御手段
7 第1撮影手段 8 第2撮影手段
21 画像処理手段 21a 傾斜角度算出部
21b 中心算出部 21c ずれ量記憶部
21d 保持位置算出部
図1
図2
図3
図4
図5