特許第6601706号(P6601706)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6601706
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】足場隙間体感研修装置
(51)【国際特許分類】
   G09B 9/00 20060101AFI20191028BHJP
   G09B 25/00 20060101ALI20191028BHJP
   G09B 25/04 20060101ALI20191028BHJP
   G09B 25/08 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   G09B9/00 Z
   G09B25/00 Z
   G09B25/04
   G09B25/08
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-24500(P2015-24500)
(22)【出願日】2015年2月10日
(65)【公開番号】特開2016-148733(P2016-148733A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2018年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】大畑 進
(72)【発明者】
【氏名】阿部 俊美
(72)【発明者】
【氏名】佐古本 真也
【審査官】 西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−250465(JP,A)
【文献】 特開2013−218102(JP,A)
【文献】 特開2012−203014(JP,A)
【文献】 実開平7−11640(JP,U)
【文献】 特開昭49−39923(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0063692(KR,A)
【文献】 韓国登録特許第10−0835263(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B1/00−9/56,
17/00−19/26,
23/00−29/14,
E04G1/00,5/08,21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄骨部材を用いて直方体状に枠組みされ架台と、
この架台によって水平に支持されるとともに平面視矩形状をなす開口部が設けられたデッキ部と、
前記開口部の一対の端縁に沿って水平方向へスライド可能に前記開口部に跨設された足場板と、
この足場板の下面に一端が枢着されるとともに棒状の係止部が側方へ突出するように形成された把持具と、
前記架台によって支持されるとともに前記デッキ部の前記開口部の平行な一対の端縁に沿うように前記デッキ部の下方に設置された一対のガイドレールと、
この一対のガイドレール上を走行可能に配置されるとともに前記足場板の下面に設置された一対のガイドローラと、
前記ガイドレールと平行をなすように前記架台に固定されて前記足場板の下方に設置されるとともに複数の係止溝を有する長尺状の係止具と、を備え、
前記係止溝は、前記係止具の長手方向に沿うとともに前記足場板に対向するように設けられ、
前記把持具の前記係止部が前記ガイドレールに対して直交するとともに前記足場板の移動に伴って前記係止具の複数の前記係止溝に対して順次係止可能に配置されたことを特徴とする足場隙間体感研修装置。
【請求項2】
前記デッキ部を囲むように前記架台の上面に立設される安全枠を備えたことを特徴とする請求項1記載の足場隙間体感研修装置。
【請求項3】
前記安全枠に固定され前記デッキ部の前記開口部を跨ぐように設置される棒状の取付具を備えたことを特徴とする請求項2記載の足場隙間体感研修装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高所作業時に設置される作業用足場の危険性を体感する装置に係り、特に、作業用足場の隙間からの墜落という実作業時に発生し得る危険な状況を疑似体験できる足場隙間体感研修装置に関する。
【背景技術】
【0002】
労働現場では、労働災害の発生を防止するために、作業者に対して定期的に安全教育が行われている。しかし、それが作業者の知識不足を補うことのみを目的とするものである場合には、あまり効果が期待できない。すなわち、個々の作業に関する知識が十分であっても、作業者の安全意識が低い場合には、労働災害が発生し易い。そこで、近年では、作業者に実際の作業を行う際に発生し得る危険な状況を模擬的に体験させて、作業者の危険予知能力を高めることが推奨されており、それに用いられる設備や装置等に関して、いろいろな発明がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、「足下注意体感・体験装置」という名称で、歩行する場所の状況により、どのような点に注意が必要かを体験若しくは体感するための装置に関する発明が開示されている。
この特許文献1に開示された発明は、歩行路を構成する路面部に形成された升目状開口に路面再現部材が嵌め込まれるとともに、路面部の両側に手摺りが設置された構造となっている。
このような構造により、日常生活や労働の場において歩行者が実際に歩行する可能性のある路面が容易に再現される。したがって、歩行者はそれらの路面上を歩行する際に遭遇する様々な危険を事前に体感したり、体験したりすることができる。
【0004】
また、特許文献2には、「移動型安全体感設備用架構」という名称で、建設現場における重量物の吊り下げや高所作業時における危険性と安全性を体感するための設備に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された「架構」は、上段支柱によって支持される床スラブが、基礎スラブを起点として立設される複数の下段支柱に沿ってチェーン駆動機構により上下方向へ移動可能に設置されるとともに、基礎スラブを支持するアウトリガが収納可能に形成されたことを特徴としている。
このような構造によれば、トラックなどの車両からの荷降ろしや荷積みの際の人的作業を最少限にすることができる。
【0005】
さらに、特許文献3には、「移動型安全体感設備用架構および安全体感教育方法」という名称で、車両に積載して輸送することが可能な「架溝」とそれを用いた「安全体感教育方法」に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された発明である「移動型安全体感設備用架構」は、床スラブが、基礎スラブを起点として立設されるテレスコピック型の複数の支柱によって昇降可能に支持され、アウトリガによって基礎スラブが支持されるとともに、基礎スラブよりも高所に荷揚げ手段が設置された構造となっている。
このような構造によれば、支柱を短縮させることで、車両に搭載した際の高さが低くなり、輸送状態が安定化するため、輸送時の安全性が高まる。したがって、作業現場が遠隔地にある場合でも、当該「架構」を安全に輸送して、作業現場近郊において、吊荷のハンドリングに関する模擬実習等を作業者に体験させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−250465号公報
【特許文献2】特開2013−218102号公報
【特許文献3】特開2012−203014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
建物や機械設備の工事等に係る高所作業では作業用足場が設置されるが、この作業用足場からの墜落等の事故を防止するため、危険性を体感する研修として「安全帯によるぶら下がり体感」や「墜落衝撃体感」、あるいは「高所足場歩行体感」が一般的に実施されている。
特許文献1に記載された発明は、確かに、様々な路面を歩行するという体験を通して、路面の状況が通常と異なる場合に起こり得る危険を予知するという作業者の能力を高めることができるものの、上述の高所作業を行う作業者に対する研修機材としては利用することができない。
また、特許文献2や特許文献3に係る発明では、明細書にも記載されているように、吊荷のハンドリングに関する模擬実習に加え、上述の「安全帯ぶら下がり体感実習」や「安全帯落下検証実習」を行うことができる。しかしながら、これらの発明では、高所作業時に設置される作業用足場の隙間の大きさにより危険性がどの程度高まるか等の間隔を身につけるための研修機材として利用することができない。
【0008】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであって、高所作業等を行う作業者の危険予知能力を高めるための研修機材として利用され、特に、作業用足場の隙間からの墜落という実作業時に発生し得る危険な状況を作業者に疑似体験させることが可能な足場隙間体感研修装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、第1の発明である足場隙間体感研修装置は、鉄骨部材を用いて直方体状に枠組みされる架台と、この架台によって水平に支持されるデッキ部と、を備え、このデッキ部に平面視矩形状をなす開口部が設けられたことを特徴とするものである。なお、本発明における「平面視矩形状をなす開口部」には「平面視略矩形状をなす開口部」も含まれるものとする。
デッキ部に設けられた開口部を作業用足場の隙間に見立てた場合、この隙間を利用することにより作業用足場の隙間からの墜落という状況を高所作業等を行う作業者等に疑似体験させることができる。したがって、本発明の足場隙間体感研修装置は、当該作業者の危険予知能力を訓練するための研修機材としての機能を有している。
【0010】
また、第2の発明は、第1の発明において、デッキ部は、開口部に跨設される足場板を備え、この足場板はその両端がそれぞれ設置される開口部の一対の端縁に沿って水平方向へスライド可能に設置されたことを特徴とするものである。
上記構造の足場隙間体感研修装置を、受講者に作業用足場板の隙間からの墜落を疑似体験させる研修機材として用いた場合、本発明は第1の発明の作用に加え、開口部の端縁に沿って水平方向へ足場板をスライドさせることにより、デッキ部に形成される開口部の大きさが変化するという作用を有する。
【0011】
第3の発明は、第2の発明において、架台によって支持される一対のガイドレールがデッキ部の開口部に対し、その平行な一対の端縁に沿うようにデッキ部の下方に設置され、一対のガイドレール上を走行可能に配置される一対のガイドローラが足場板の下面に設置されたことを特徴とするものである。
このような構造の足場隙間体感研修装置においては、第2の発明の作用に加え、足場板のスライド機構がガイドレールとガイドローラという簡単な形状の部材の組合せによって容易に実現されるという作用を有する。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、足場板の下面に一端が枢着される把持具と、ガイドレールと平行をなすように架台に固定されて足場板の下方に設置される長尺状の係止具と、を備え、この係止具は、その長手方向に沿って複数の係止溝が足場板に対向するように設けられ、把持具は、側方へ突出するように形成される棒状の係止部を有し、この係止部がガイドレールに対して直交するとともに、足場板の移動に伴って係止具の複数の係止溝に対して順次係止可能に配置されたことを特徴とするものである。
このような構造の足場隙間体感研修装置においては、第3の発明の作用に加え、足場板の把持具に設けられた係止部が係止具の係止溝に係止することにより、足場板が架台に対して固定されるという作用を有する。
【0013】
第5の発明は、第1乃至第4の発明において、デッキ部を囲むように架台の上面に立設される安全枠を備えたことを特徴とするものである。
このような構造の足場隙間体感研修装置においては、第1乃至第4の発明の作用に加えて、安全枠によってデッキ部に搭乗した受講者等の落下が防止されるという作用を有する。
【0014】
第6の発明は、第5の発明において、安全枠に固定されデッキ部の開口部を跨ぐように設置される棒状の取付具を備えたことを特徴とするものである。
このような構造の足場隙間体感研修装置において、作業用足場の隙間からの墜落を体験する研修等にデッキ部の開口部を使用しない場合には、開口部と取付具を利用して「安全帯ぶら下がり体感実習」を行うことができる。その際に、取付具は、安全帯に繋いだロープ等を吊り下げるために用いられる。
【発明の効果】
【0015】
第1の発明を危険予知能力の訓練をするための研修機材として用いた場合、作業用足場の隙間からの墜落という疑似体験を通して、その研修の受講者は高所作業において発生し得る各種の危険について再認識するとともに、高所作業時における作業手順や姿勢によって、どの程度隙間から墜落し易くなるかということ体感できるため、危険に対する意識が強くなり、危険予知能力が高められる。
【0016】
第2の発明を前述の研修機材として用いた場合、作業用足場の隙間に相当するデッキ部の開口部の大きさを変更することにより、受講者は、作業用足場の隙間について、各自の体形や作業姿勢に応じて、墜落する可能性がある最小サイズを容易に確認することができる。その結果、受講者は作業用足場の隙間からの墜落の危険性を高い精度で予測することが可能となる。したがって、本発明では、第1の発明の効果に加え、作業用足場の隙間からの墜落事故を防止するために適切な対策を立てることができるという効果を有している。
【0017】
第3の発明によれば、第2の発明の効果に加え、足場板のスライド機構を安価に実現できるという効果を奏する。
【0018】
第4の発明によれば、第3の発明の効果に加え、足場板をスライドさせる際に用いる把持具が架台に対して足場板を固定させるロック機構を兼ねており、このロック機構が簡単な形状の把持具と係止具によって構成されていることから、安価に製造できるという効果を奏する。
【0019】
第5の発明によれば、第1乃至第4の発明の効果に加え、安全性に優れるという効果を奏する。
【0020】
第6の発明によれば、第5の発明の効果に加え、デッキ部の開口部を墜落体感実習以外の用途に有効利用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態に係る足場隙間体感研修装置の実施例の外観斜視図である
図2図1に示した足場隙間体感研修装置の平面図である。
図3】(a)は図2におけるA方向矢視図であり、(b)は同図(a)に示されたB部の拡大図である。
図4】(a)は把持具の側面図であり、(b)は把持具が係止具に係止した状態を示す平面図であり、(c)は同図(b)におけるC−C線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の足場隙間体感研修装置の構造について図1図4を用いて具体的に説明する。なお、本実施例では作業用足場の隙間を4通りに設定可能な構造となっているが、隙間のパターンやその数については本実施例に示した場合に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【実施例】
【0023】
図1及び図2はそれぞれ本発明の足場隙間体感研修装置の一例を示す外観斜視図及び平面図である。そして、図3(a)は図2におけるA方向矢視図であり、図3(b)は図3(a)に示されたB部の拡大図である。また、図4(a)は把持具の側面図であり、図4(b)は把持具の係止部が係止具の係止溝に係止した状態を示す平面図であり、図4(c)は図4(b)におけるC−C線矢視断面図である。
なお、図3(a)では踏み台を破線で示し、図4(a)及び図4(c)では足場板と固定具を破線で示している。
【0024】
図1乃至図4に示すように、本実施例の足場隙間体感研修装置は、鉄骨部材を用いて略直方体状に枠組みされた架台1によってデッキ部2が水平に支持され、このデッキ部2に平面視略矩形状をなす開口部6が設けられた構造となっている。
なお、デッキ部2の上面には、研修の受講者の落下を防止するための安全枠3が設けられており、架台1の側面には、デッキ部2へと繋がる階段4が取り付けられている。また、安全枠3のうち、対向するように配置された箇所には、金属パイプ等からなる取付具5が架設されている。そして、デッキ部2の下には、踏み台16を設置するのに十分な空間が設けられている(図3(a)参照)。
【0025】
デッキ部2に設けられた開口部6を作業用足場の隙間に見立てた場合、この隙間を利用することにより作業用足場の隙間からの墜落という状況を高所作業等を行う作業者等に疑似体験させることができる。すなわち、上記構造の足場隙間体感研修装置は、当該作業者の危険予知能力を訓練するための研修機材としての機能を有している。そして、本発明の足場隙間体感研修装置を、このような研修機材として用いた場合、作業用足場の隙間から墜落という疑似体験を通して、その研修の受講者は高所作業において発生し得る各種の危険について再認識することができる。また、受講者は、高所作業時にどのような作業手順や姿勢をとったときに、隙間から墜落し易いかということを体感することで、危険に対する意識が強くなる。その結果、危険予知能力が高められる。
【0026】
また、本発明の足場隙間体感研修装置においては、安全枠3によってデッキ部2に搭乗した受講者等の落下が防止されるため、安全性に優れている。さらに、作業用足場の隙間からの墜落を体感する目的等にデッキ部2の開口部6を使用しない場合には、安全帯に繋いだロープ等を取付具15に吊り下げることで、開口部6を利用して「安全帯ぶら下がり体感実習」を行うことができる。すなわち、本発明の足場隙間体感研修装置では、デッキ部2の開口部6を墜落体感実習以外の用途にも有効利用することが可能である。
【0027】
デッキ部2は、開口部6の両側に設置される2枚の渡し板7,7と、開口部6の一部を覆うように渡し板7,7の間に跨設される足場板8からなる。また、デッキ部2の下方には、開口部6に面する側の渡し板7,7の端縁に沿って、一対のガイドレール9,9が設置されている。
なお、ガイドレール9は、複数本の支柱10によってそれぞれ水平に支持され、開口部6を挟んで対向するように配置される一対の桁材11a,11aの上面に固定されている。そして、足場板8の下面には、平行な一対の端縁に沿ってガイドローラ12,12がガイドレール9の上を走行可能に設置されている。
【0028】
このような構造の足場隙間体感研修装置を前述の研修機材として用いた場合、足場板8は高所作業における作業用足場に相当する。このとき、渡し板7は階段4を昇ってきた受講者が足場板8の方へ移動する際の通路又は次の受講者の待機場所としての機能を有している。また、足場板8を開口部6の端縁に沿って水平方向へスライドさせた場合、デッキ部2に形成される開口部6の大きさが変化する。
この場合、受講者は開口部6の大きさを変更して、その開口部6から墜落する体験を繰り返すことができる。これにより、受講者は、作業用足場の隙間について、頭、胸、腹、臀部等の各自の体形や、前向きか、横向きか、若しくは保護具を装着しているか等の作業姿勢に応じて、墜落する可能性がある最小サイズを容易に確認することができる。したがって、受講者は、確認した隙間の最小サイズに基づき、各自の体形や作業姿勢ごとに作業用足場の隙間からの墜落の危険性を高い精度で予測することができる。すなわち、本発明の足場隙間体感研修装置を利用すれば、より適切に作業用足場の隙間からの墜落事故を防止するための対策を立てることができる。
【0029】
足場板8の下面には、外形が平面視略門形をなす把持具13(図4(b)参照)の両端が固定具14,14を用いてそれぞれ枢着されている(図4(a)参照)。
また、桁材11a,11aの間には、複数の桁材11bが跨設されており、この桁材11bの上面には、一対の係止具15,15が桁材11aと平行をなすように設置されている。すなわち、係止具15は桁材11a,11bを介して架台1に固定されている。
なお、係止具15は長尺状の板材であり、その側面の一つに複数の係止溝15aが幅方向に対して平行に設けられ、この係止溝15aを上方へ向けた状態で桁材11bに固定されている。一方、把持具13は、係止具15の係止溝15aに対して係止可能に形成された棒状の係止部13a(図4(b)及び図4(c)参照)を有している。そして、足場板8に対して把持具13は、足場板8の移動に伴って、この係止部13aが係止具15の係止溝15aに順次係止可能な位置に取り付けられている。
なお、本実施例では、足場板8を架台1に対してスライドさせることにより、デッキ部2の開口部6の大きさを4通りに調節可能となっている。
【0030】
このような構造の足場隙間体感研修装置においては、足場板8の把持具13に設けられた係止部13aが係止具15の係止溝15aに係止することにより、足場板8が架台1に対して固定され、足場板8が不用意にスライドするおそれがないため、安全である。そして、把持具13や係止具15が簡単な構造であって、しかも足場板8の把持具13が足場板8を架台1に対して固定するロック機構の一部を兼ねた構造であるため、当該ロック機構を安価に実現することができる。さらに、足場板8のスライド機構もガイドレール9とガイドローラ12という簡単な形状の部材の組合せによって容易に実現されるため、足場板8のスライド機構も安価に製造することが可能である。
【0031】
なお、本実施例では、係止具15が桁材11bの上面に固定されているが、本発明の足場隙間体感研修装置はこのような構造に限定されるものではない。すなわち、桁材11bの代わりに平板材を用い、この平板材の上面に係止具15が固定された構造としても良い。また、係止具15及び係止溝15aの個数も本実施例に示した場合に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、高所作業時に設置される作業用足場の危険性を体感する研修機材として利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1…架台 2…デッキ部 3…安全枠 4…階段 5…取付具 6…開口部 7…渡し板 8…足場板 9…ガイドレール 10…支柱 11a,11b…桁材 12…ガイドローラ 13…把持具 13a…係止部 14…固定具 15…係止具 15a…係止溝 16…踏み台
図1
図2
図3
図4