特許第6601805号(P6601805)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6601805
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20191028BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20191028BHJP
   B60P 3/07 20060101ALI20191028BHJP
   A61G 3/08 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   G01C21/34
   G08G1/00 D
   B60P3/07 Z
   A61G3/08 704
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-89162(P2017-89162)
(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公開番号】特開2018-189376(P2018-189376A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2018年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相内 雄二
(72)【発明者】
【氏名】菊地 勝美
【審査官】 藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−050202(JP,A)
【文献】 特開2003−175080(JP,A)
【文献】 国際公開第02/072383(WO,A1)
【文献】 特開2006−285841(JP,A)
【文献】 特開2008−065773(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1787883(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0085370(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26 〜 21/36
G08G 1/00 〜 1/16
B60P 3/07
A61G 3/00 〜 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗車している複数のサブモビリティの各々についての降車順、手動運転の可否、および乗車位置の組み合わせの少なくとも1つの乗車条件を取得する取得部と、
複数の前記サブモビリティの乗車条件の組み合わせに基づいて、乗車している複数の前記サブモビリティについて乗車室での乗車位置を決定する乗車位置決定部と、
を有し、
前記乗車位置決定部は、
新たな前記サブモビリティが乗車する場合、乗車後の複数の前記サブモビリティの乗車位置を更新する、
車両。
【請求項2】
乗車している各前記サブモビリティは、前記乗車位置決定部の決定に基づき移動が制御され又は誘導される、
請求項1記載の車両。
【請求項3】
前記車両に乗り込む乗車口とは別の降車口、を有し、
前記乗車位置決定部は、乗車している複数の前記サブモビリティの乗車位置を、前記降車口から降車する順番で前記降車口へ移動可能となるように決定する、
請求項1または2記載の車両。
【請求項4】
前記乗車室には、前記サブモビリティの乗車位置として、前記車両を手動運転可能な運転位置と、乗車するだけの同乗位置と、が設けられ、
前記乗車位置決定部は、手動運転を希望する乗員の前記サブモビリティの乗車位置を、前記運転位置または前記運転位置へ移動可能な同乗位置に決定する、
請求項1または2記載の車両。
【請求項5】
前記乗車室には、前記車両を手動運転可能な運転位置と、乗車するだけの同乗位置と、が設けられ、
前記乗車位置決定部は、手動運転可能な少なくとも一人の乗員の前記サブモビリティの乗車位置を、前記運転位置または前記運転位置へ移動可能な同乗位置に決定する、
請求項1または2記載の車両。
【請求項6】
前記乗車室には、前記運転位置および1つの前記同乗位置から降車可能な降車口、を有し、
前記乗車位置決定部は、次の降車地において降車する前記サブモビリティの乗車位置を、前記運転位置または前記1つの同乗位置に決定する、
請求項4または5記載の車両。
【請求項7】
新たな前記サブモビリティが乗車した場合に、乗車している複数の前記サブモビリティの目的地またはその近くの立寄地の巡回経路を更新する主ルート生成部、を有し、
前記乗車位置決定部は、新たな前記サブモビリティの乗車により前記巡回経路が更新された場合、既に乗車していた乗車位置を基準として、乗車後の複数の前記サブモビリティの乗車位置を、各々の直前の乗車位置から移動可能な乗車位置に更新する、
請求項記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員が乗車しているサブモビリティを積載して移動可能な車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から自力歩行が難しい高齢者やハンディキャップパーソンには車椅子が利用されている。
そして、近年では、電動モータなどにより自走可能な車椅子などのパーソナルモビリティが提案され始めている。
このようなパーソナルモビリティが広く普及し、その結果として自力歩行が難しい人が活動し易い社会を作るためには、自力歩行が難しい人だけでなく、自力歩行可能な人にもパーソナルモビリティを利用してもらうことが重要である。
このために、たとえば特許文献1、2において車椅子の例があるように、人がパーソナルモビリティに乗車したまま自動車などの車両へ乗り込むことができるようにすることが大切であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−006702号公報
【特許文献2】特開2004−114956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、1つの車両に複数のサブモビリティをまとめて積載して目的地やその近くの立寄地まで移動する場合、各サブモビリティの乗車位置が課題となることが考えられる。
たとえば、降車口から離れた乗車位置にいるサブモビリティは、それらの間に存在するサブモビリティを降車させるなど移動させなければ、降車することができない。
また、車両を運転したい乗員のサブモビリティが車両の運転位置から離れている場合、それらの間に存在するサブモビリティを移動させなければ、運転位置へ移動して運転することができない。
また、1つのグループの乗員は、まとまって乗車したい。
また、乗員によっては、隣り合いたくない他の乗員が存在することも考えられる。
【0005】
このように複数のサブモビリティが乗車可能な車両では、複数のサブモビリティの乗車位置を適宜調整する必要があり、求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両は、乗車している複数のサブモビリティの各々についての降車順、手動運転の可否、および乗車位置の組み合わせの少なくとも1つの乗車条件を取得する取得部と、複数の前記サブモビリティの乗車条件の組み合わせに基づいて、乗車している複数の前記サブモビリティについて乗車室での乗車位置を決定する乗車位置決定部と、を有し、前記乗車位置決定部は、新たな前記サブモビリティが乗車する場合、乗車後の複数の前記サブモビリティの乗車位置を更新する。
【0007】
好適には、乗車している各前記サブモビリティは、前記乗車位置決定部の決定に基づき移動が制御され又は誘導される、とよい。
【0008】
好適には、前記車両に乗り込む乗車口とは別の降車口、を有し、前記乗車位置決定部は、乗車している複数の前記サブモビリティの乗車位置を、前記降車口から降車する順番で前記降車口へ移動可能となるように決定する、とよい。
【0009】
好適には、前記乗車室には、前記サブモビリティの乗車位置として、前記車両を手動運転可能な運転位置と、乗車するだけの同乗位置と、が設けられ、前記乗車位置決定部は、手動運転を希望する乗員の前記サブモビリティの乗車位置を、前記運転位置または前記運転位置へ移動可能な同乗位置に決定する、とよい。
【0010】
好適には、前記乗車室には、前記車両を手動運転可能な運転位置と、乗車するだけの同乗位置と、が設けられ、前記乗車位置決定部は、手動運転可能な少なくとも一人の乗員の前記サブモビリティの乗車位置を、前記運転位置または前記運転位置へ移動可能な同乗位置に決定する、とよい。
【0011】
好適には、前記乗車室には、前記運転位置および1つの前記同乗位置から降車可能な降車口、を有し、前記乗車位置決定部は、次の降車地において降車する前記サブモビリティの乗車位置を、前記運転位置または前記1つの同乗位置に決定する、とよい。
【0012】
好適には、前記乗車位置決定部は、新たな前記サブモビリティが乗車する場合、乗車後の複数の前記サブモビリティの乗車位置を更新する、とよい。
【0013】
好適には、新たな前記サブモビリティが乗車した場合に、乗車している複数の前記サブモビリティの目的地またはその近くの立寄地の巡回経路を更新する主ルート生成部、を有し、前記乗車位置決定部は、新たな前記サブモビリティの乗車により前記巡回経路が更新された場合、既に乗車していた乗車位置を基準として、乗車後の複数の前記サブモビリティの乗車位置を、各々の直前の乗車位置から移動可能な乗車位置に更新する、とよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、乗車している複数のサブモビリティの各々についての降車順、手動運転の可否、および乗車位置といった乗車条件の組み合わせに基づいて、乗車している複数のサブモビリティについて乗車室での乗車位置を決定する。
よって、降車に支障をきたし難くなるように、手動運転ができるように、または各自の希望の乗車条件を満たすように、複数の前記サブモビリティを並べて乗車させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明に適用したサブモビリティの一例の概観図である。
図2図2は、図1のサブモビリティの電気回路の一例の説明図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る自動車の模式的な概観図である。
図4図4は、図3の自動車の電気回路の一例の説明図である。
図5図5は、乗車室における複数のサブモビリティの乗車位置の割り当てを決定して制御するための回路の説明図である。
図6図6は、乗車位置決定部などにより実施される乗車位置割り当て処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、本発明に適用したサブモビリティ50の一例の概観図である。
図1に示すように、サブモビリティ50は、卵型のボディ51を有する。ボディ51の内側には、乗員が着座するシート52が配置される。シート52の左右両側にはアームレスト53が配置される。アームレスト53の先端には、操作レバー54が配置される。また、ボディ51の下部には、複数の車輪55が設けられる。
【0018】
図2は、図1のサブモビリティ50の電気回路の一例の説明図である。
図2に示すように、図1のサブモビリティ50には、電力系回路として、副受電コネクタ61、副充電器62、副バッテリ63、副コンバータ64、複数の車輪55を駆動する副動力モータ65、副制動モータ66、副操舵モータ67、副設備機器68、が設けられる。
【0019】
副受電コネクタ61は、たとえば商用電源と電源コードにより接続される。副充電器62は、副受電コネクタ61から供給される電力により副バッテリ63を充電する。
副コンバータ64は、副バッテリ63の蓄電電力を変換して、副動力モータ65、副制動モータ66、副操舵モータ67、および副設備機器68といった負荷機器へ供給する。
副動力モータ65が駆動されることにより、複数の車輪55が回転し、サブモビリティ50は前進または後退できる。
副操舵モータ67が駆動されることにより、車輪55の向きが変更され、サブモビリティ50は左右に展開できる。
副制動モータ66が駆動されることにより、複数の車輪55の回転が制動される。これにより、サブモビリティ50は停止できる。
このようにサブモビリティ50は、副受電コネクタ61から供給される電力により充電された副バッテリ63の蓄電電力を用いて、乗員をシート52に乗せて走行できる。
【0020】
また、図2にはさらに、制御系回路として、副電力監視部71、副電力制御部72、副GPS(Global Positioning System)受信部73、副入力部74、副通信部75、副表示部76、副センサ部77、副ルート生成部78、副自動運転部79、を有する。副電力制御部72、副ルート生成部78、および副自動運転部79は、CPU(Central Processing Unit)80がプログラムを実行することにより実現されてよい。この制御系回路は、上述した副設備機器68の一部として、副コンバータ64から電力供給を受けてよい。
【0021】
副電力監視部71は、副バッテリ63の状態を監視する。副バッテリ63の状態には、たとえば充電電圧、温度などがある。
副電力制御部72は、副電力監視部71からの情報に基づいて、副充電器62、副コンバータ64を制御する。たとえば副受電コネクタ61に電源コードが接続されて副充電器62により副バッテリ63を充電可能な状態である場合、副バッテリ63の電圧が所定の最高電圧となるまで副充電器62による充電を制御する。副バッテリ63の電圧が所定の最低電圧より低い場合には、副コンバータ64による電力変換を停止させる。所定の最低電圧より少し高い電圧以下になると、副コンバータ64が各負荷機器へ供給する電力を減らす。副電力制御部72は、これらの電力制御状態および副バッテリ63の状態についての情報を、副ルート生成部78および副自動運転部79へ適宜に又は周期的に通知する。
【0022】
副GPS受信部73は、GPS衛星から電波を受信する。複数のGPS衛星からの電波を受信することでサブモビリティ50の位置を演算できる。
副入力部74は、乗員の操作が入力されるデバイスであり、たとえば上述した操作レバー54を有する。
副通信部75は、他のデバイスたとえば自動車1の主通信部35との間で通信し、データを送受する。また、基地局と通信することにより、基地局の位置情報を取得できる。
副表示部76は、たとえばタッチパネル式液晶デバイスである。このタッチパネルは、副入力部74の一部として機能し得る。
副センサ部77は、サブモビリティ50の位置、速度、周囲環境などを検出するものである。
副ルート生成部78は、たとえば目的地などが入力されることにより、サブモビリティ50の現在位置から目的地までの巡回経路を生成する。
副自動運転部79は、たとえば生成された巡回経路にしたがって副動力モータ65、副制動モータ66および副操舵モータ67へ制御信号を出力する。これにより、サブモビリティ50は、巡回経路をたどって目的地まで自動的に移動することができる。
【0023】
ところで、サブモビリティ50が広く普及し、その結果として自力歩行が難しい人が活動し易い社会を作るためには、自力歩行が難しい人だけでなく、自力歩行可能な人にもサブモビリティ50を利用してもらうことが重要である。
このために、人がサブモビリティ50に乗車したまま自動車1などの車両へ乗り込むことができるようにすることが大切であると考えられる。
また、このように自動車1へサブモビリティ50が乗り込む場合、好ましくは、乗車したサブモビリティ50を自動車1内で充電できるようにするとよい。これにより、乗員は、十分な充電がなされていない状態にあるサブモビリティ50に乗車して移動を開始し、自動車1内でサブモビリティ50を充電できる。そして、自動車1から降車した後には十分に充電されたサブモビリティ50を用いて目的地まで移動したり、目的地において移動したりできる。このような付加価値により、サブモビリティ50と自動車1とが有機的に結合した次世代交通システムの利便性が高まり、その利用促進が期待できる。
【0024】
しかしながら、1つの自動車1に複数のサブモビリティ50をまとめて積載して目的地やその近くの立寄地まで移動する場合、自動車1内での各サブモビリティ50の乗車位置が課題となることが考えられる。
たとえば、自動車1の降車口から離れた乗車位置にいるサブモビリティ50は、それらの間に存在するサブモビリティ50を降車させるなど移動させなければ、自動車1から降車することができない。
また、自動車1を運転したい乗員のサブモビリティ50が自動車1の運転位置から離れている場合、それらの間に存在するサブモビリティ50を移動させなければ、運転位置へ移動して運転することができない。
また、1つのグループの複数のサブモビリティ50は、移動中においてもまとまって乗車したい。
また、乗員によっては、隣り合いたくない他の乗員のサブモビリティ50が存在することも考えられる。
【0025】
このように複数のサブモビリティ50が乗車可能な自動車1では、自動車1内での複数のサブモビリティ50の乗車位置を適宜調整する必要があり、することが求められている。
【0026】
図3は、本発明の実施形態に係る自動車1の模式的な概観図である。
図3の自動車1は、乗車室2を有する車体3、車体3の下部に設けられる車輪4、を有する。そして、乗車室2には、6台のサブモビリティ50が3台ずつ2列で同乗位置5に積載できる。また、これらの同乗位置5の前には、運転位置6がある。運転位置6の周囲には、乗員が操作する自動車1のハンドルなどの操作部材が配置される。サブモビリティ50は、同乗位置5または運転位置6といった乗車位置において、タイヤ止め部材などにより車体3の床面に固定されてよい。
また、図3の自動車1では、車体3の右前側に乗車口7が設けられ、左前側に降車口8が設けられる。
そして、サブモビリティ50に乗車した乗員は、サブモビリティ50ごと、乗車口7から乗車室2へ乗車することができる。
また、乗車したサブモビリティ50は、乗車室2内で、同乗位置5または運転位置6に移動できる。
また、乗員室2のサブモビリティ50は、サブモビリティ50ごと、降車口8から自動車1の外へ降車することができる。
【0027】
このような自動車1では、二列の乗車位置列は、互いに前後に行来可能である。
そして、前列の同乗位置5のサブモビリティ50は運転位置6へ直接に移動することができる一方で、後列の同乗位置5のサブモビリティ50は運転位置6に移動し難い。
また、前列左側の同乗位置5および運転位置6からは、直接に降車口8へ移動できる。また、運転位置6にサブモビリティ50が不在であれば、前列のすべての同乗位置5から直接に降車口8へ移動できる。これに対して、後列の同乗位置5はすべて、降車口8へ移動し難い。
また、同乗位置5が3行で存在するため、左端行の同乗位置5と右端行の同乗位置5とは、直接的に隣り合わない。
なお、図3では、すべての同乗位置5のサブモビリティ50が前向きに積載されているが、サブモビリティ50は後向きに積載されてもよい。前列と後列とを向かい合わせにしたり、後列で後向きなったりできる。多様な乗車パターンを実現できる。
【0028】
図4は、図3の自動車1のサブモビリティ充電システムの一例の説明図である。自動車1は、車両の一例である。
図4に示すように、図3の自動車1には、電力系回路として、主受電コネクタ11、主受電コイル12、主充電器13、主バッテリ14、主コンバータ15、複数の車輪4を駆動する主動力モータ16、主制動モータ17、主操舵モータ18、主設備機器19、主給電コネクタ20、が設けられる。
【0029】
主受電コネクタ11は、自動車1が駐車している場合に使用されるものであり、たとえば商用電源と電源コードにより接続される。主充電器13は、主受電コイル12または主受電コネクタ11から供給される電力により主バッテリ14を充電する。
主コンバータ15は、主バッテリ14の蓄電電力を変換して、主動力モータ16、主制動モータ17、主操舵モータ18、主設備機器19、および主給電コネクタ20といった負荷機器へ供給する。主コンバータ15は、主受電コネクタ11や主受電コイル12へ供給された電力又は主バッテリ14の蓄電電力を給電コネクタへ供給する。
主給電コネクタ20は、電源コードなどにより、積載したサブモビリティ50の副受電コネクタ61と接続される。積載したサブモビリティ50に対して自動車1の電力を供給するために用いられる。
主動力モータ16が駆動されることにより、複数の車輪4が回転し、自動車1は前進または後退できる。
主操舵モータ18が駆動されることにより、車輪4の向きが変更され、自動車1は左右に展開できる。
主制動モータ17が駆動されることにより、複数の車輪4の回転が制動される。これにより、自動車1は停止できる。
このように自動車1は、主受電コイル12または主受電コネクタ11から供給される電力により充電された主バッテリ14の蓄電電力を用いて、サブモビリティ50を乗せて走行できる。
【0030】
また、図4にはさらに、制御系回路として、主電力監視部31、主電力制御部32、主GPS受信部33、主入力部34、主通信部35、主表示部36、主センサ部37、主ルート生成部38、主自動運転部39、を有する。主電力制御部32、主ルート生成部38、および主自動運転部39は、制御部としてのCPU40がプログラムを実行することにより実現されてよい。CPU40は、ECUとして自動車1に設けられてよい。これらの制御系の各部は、上述した主設備機器19の一部として、主コンバータ15から電力供給を受けてよい。
【0031】
主電力監視部31は、主バッテリ14の状態を監視する。主バッテリ14の状態には、たとえば充電電圧、温度などがある。
主電力制御部32は、主電力監視部31からの情報に基づいて、主充電器13、主コンバータ15を制御する。主電力制御部32は、主コンバータ15による主給電コネクタ20を通じたサブモビリティ50への給電を制御する。たとえば主受電コネクタ11に電源コードが接続されて主充電器13により主バッテリ14を充電可能である場合、主バッテリ14の電圧が所定の最高電圧となるまで主充電器13による充電を制御する。
【0032】
主GPS受信部33は、GPS衛星から電波を受信する。複数のGPS衛星からの電波を受信することで自動車1の位置を演算できる。なお、主GPS受信部33は、たとえば他の電波を受信し、これにより補正された位置を得るものであってもよい。
主入力部34は、乗員の操作が入力されるデバイスである。
主通信部35は、他のデバイスたとえばサブモビリティ50の副通信部75との間で通信し、データを送受する。また、基地局と通信することにより、基地局の位置情報を取得できる。
主表示部36は、たとえばタッチパネル式液晶デバイスである。このタッチパネルは、主入力部34の一部として機能し得る。タッチパネル式液晶デバイスは、たとえば乗車室2の前面に配置される。これにより、複数のサブモビリティ50に乗車した乗員は、共通の表示を閲覧することができる。
主センサ部37は、自動車1の位置、速度、周囲環境などを検出するものである。
主ルート生成部38は、たとえば目的地などが入力されることにより、自動車1の現在位置から立寄地などまでの巡回経路を生成する。立寄地は、目的地と同一であっても、目的地の近くの駐車可能な場所であってもよい。
主自動運転部39は、たとえば生成された巡回経路にしたがって主動力モータ16、主制動モータ17および主操舵モータ18へ制御信号を出力する。これにより、自動車1は、巡回経路をたどって目的地まで自動的に移動することができる。
【0033】
図5は、乗車室2における複数のサブモビリティ50の乗車位置の割り当てを決定して制御するための回路の説明図である。
図5には、自動車1の制御回路として、主入力部34、主表示部36、主ルート生成部38、乗車位置決定部41、車内誘導部42、主通信部35、が図示されている。
また、各サブモビリティ50の回路として、副通信部75、副表示部76、副入力部74、副ルート生成部78、が図示されている。
【0034】
主ルート生成部38は、主入力部34または複数のサブモビリティ50から取得した目的地の情報に基づいて、乗車している複数のサブモビリティ50の目的地またはその近くの立寄地を順番に巡る巡回経路を生成する。
この際、主ルート生成部38は、主通信部35と副通信部75との間で自動通信をさせて、各サブモビリティ50から各サブモビリティ50の乗車条件を取得すればよい。
乗車位置決定部41は、生成された巡回経路と複数のサブモビリティ50の目的地とに基づいて、基本的に降車する順番で降車口8に近い同乗位置5から順番に同乗位置5を割り当てるように、乗車位置を決定する。
また、乗車位置決定部41は、決定した同乗位置5の割り当てを、主表示部36および複数の副表示部76に表示させる。
車内誘導部42は、決定された同乗位置5に複数のサブモビリティ50が移動できるように、乗車している複数のサブモビリティ50についての車内の移動手順を主表示部36および複数の副表示部76に表示させる。なお、車内誘導部42は、自ら複数のサブモビリティ50を移動してもよい。
【0035】
図6は、乗車位置決定部41などにより実施される乗車位置割り当て処理のフローチャートである。
乗車位置決定部41は、新たな降車または乗車があった場合に、図6の処理を実施する。なお、乗車位置決定部41は、乗車しているサブモビリティ50の目的地が変更された場合などにおいても、図6の処理を実施してよい。
【0036】
図6に示すように、乗車位置決定部41は、新たな降車または乗車が完了したことを確認する(ステップST1)。
完了を確認した後、乗車位置決定部41は、主ルート生成部38に新たな巡回経路の生成を指示する。
主ルート生成部38は、新たに乗車したサブモビリティ50において入力されていた目的地を取得し、既に取得していた他のサブモビリティ50の目的地とともに用いて、それらの目的地またはその近くの立寄地を順番に巡る新たな巡回経路を生成する。これにより、巡回経路を更新する(ステップST2)。
【0037】
巡回経路が更新されると、乗車位置決定部41は、乗車室2における複数のサブモビリティ50の乗車位置を更新する処理を開始する(ステップST3)。
まず、乗車位置決定部41は、1つのサブモビリティ50を選択し(ステップST4)、そのサブモビリティ50の条件を判断する。
具体的には、選択したサブモビリティ50の目的地に基づいて、次の目的地または立寄地で降車するか否かを判断する(ステップST5)。降車する場合、選択したサブモビリティ50を前列キューに登録する(ステップST8)。
また、選択したサブモビリティ50の乗員属性情報や手動運転の希望の有無の情報に基づいて、手動運転可能または希望であるか否かを判断する(ステップST6)。手動運転が可能または希望している場合、選択したサブモビリティ50を前列キューに登録する(ステップST8)。
また、選択したサブモビリティ50の現在の同乗位置5の情報に基づいて、前列に移動できるか否かを判断する(ステップST7)。移動できる場合、選択したサブモビリティ50を前列キューに登録する(ステップST8)。
上記のいずれでもない場合、選択したサブモビリティ50を後列キューに登録する(ステップST9)。
なお、前列キューは、図3の前列の同乗位置5に対応し、後列キューは、図3の後列の同乗位置5に対応する。だだし、実際に各列に存在する同乗位置5の数を超えて登録してよい。
次に、乗車位置決定部41は、すべてのサブモビリティ50についての選択が完了したか否かを判断する(ステップST10)。終了していない場合、ステップ4の選択処理からステップ8または9のキューへの割り当て処理までの処理を繰り返す。
【0038】
すべてのサブモビリティ50についての選択が完了した場合、乗車位置決定部41は、すべてのサブモビリティ50から乗車位置についての組み合わせ条件を取得する(ステップST11)。組み合わせ条件には、グループ情報、隣接可否情報などがある。
【0039】
そして、乗車位置決定部41は、降車順、前列キュー、後列キュー、および組み合わせ条件に基づいて、乗車している複数のサブモビリティ50の同乗位置5を決定する(ステップST12)。
たとえば前列キューの中、次の目的地で降車するサブモビリティ50を前列の左側の同乗位置5から順番に割り当てる。この際、乗車位置についての組み合わせ条件を考慮し、かつ、現在の同乗位置5から移動し易い同乗位置5を割り当てる。
また、上記割り当ての結果として、前列に手動運転可能な乗員が含まれていない場合、前列の同乗位置5の少なくとも1つを、手動運転可能な乗員のサブモビリティ50と交換する。この結果、次の目的地で降車するにもかかわらず前列に含まれなくなったサブモビリティ50については、前列の降車するサブモビリティ50の後の同乗位置5に割り当てる。
また、後列キューのサブモビリティ50を、後列または前列で空いている同乗位置5の左側または前側から順番に割り当てる。この際、可能な限り次回以降の目的地での降車順に左側から並ぶように割り当てる。
なお、基本的には乗車位置の中の同乗位置5にすべてのサブモビリティ50を割り当てる。しかしながら、7台目が乗車する場合などにおいては、運転位置6にサブモビリティ50の乗車位置を割り当ててもよい。この際、次の目的地で降車するサブモビリティ50であって手動運転可能な乗員のものを、運転位置6に割り当てるとよい。
これらの処理により、乗車位置決定部41は、乗車している複数のサブモビリティ50の同乗位置5を決定する。
【0040】
次に、乗車位置決定部41は、決定した複数のサブモビリティ50の同乗位置5を、主表示部36および複数の副表示部76に表示させる(ステップST13)。この表示に基づいて、乗車している乗員は、サブモビリティ50を所定の同乗位置5へ移動させる。乗車している各サブモビリティ50は、乗車位置決定部41の決定に基づき移動が制御され又は誘導される。
なお、この同乗位置5への移動において、複数のサブモビリティ50の移動経路が交錯する可能性がある。この場合、車内誘導部42は、決定された同乗位置5に複数のサブモビリティ50が移動できるように、乗車している複数のサブモビリティ50についての車内の移動手順を主表示部36および複数の副表示部76に表示させるとよい。
【0041】
以上のように、本実施形態では、乗車している複数のサブモビリティ50の各々についての降車順、手動運転の可否、および乗車位置といった乗車条件の組み合わせに基づいて、乗車している複数のサブモビリティ50について乗車室での乗車位置(同乗位置5)を決定する。
よって、降車に支障をきたし難くなるように、手動運転ができるように、または各自の希望の乗車条件を満たすように、複数のサブモビリティ50を配列して乗車させることができる。
【0042】
本実施形態では、乗車口7とは別に降車口8が設けられている。そして、降車口8から降車する順番で降車口8へ移動可能となるように、複数のサブモビリティ50の乗車位置を決定する。
よって、乗車口7から順番に乗車した各サブモビリティ50の降車の際に、降車しない他のサブモビリティ50を降車させなければならないような事態の発生を効果的に抑制できる。
【0043】
本実施形態では、乗車室2には、サブモビリティ50の乗車位置として、自動車1を手動運転可能な運転位置6と、乗車するだけの同乗位置5と、が設けられ、手動運転を希望する乗員のサブモビリティ50の乗車位置を、運転位置6または運転位置6へ移動可能な同乗位置5に優先的に決定する。
よって、手動運転を希望する乗員のサブモビリティ50を適宜運転位置6に配置でき、手動運転をさせることが可能になる。
【0044】
本実施形態では、乗車室2には、自動車1を手動運転可能な運転位置6と、乗車するだけの同乗位置5と、が設けられ、手動運転可能な少なくとも一人の乗員のサブモビリティ50の乗車位置を、運転位置6または運転位置6へ移動可能な同乗位置5に決定する。
よって、手動運転が必要となった場合には手動運転が可能な乗員のサブモビリティ50を運転位置6に配置でき、手動運転をさせることが可能になる。
【0045】
本実施形態では、乗車室2には、運転位置6および1つの同乗位置5から降車可能な降車口8、を有し、次の降車地において降車するサブモビリティ50の乗車位置を、運転位置6または1つの同乗位置5に決定する。
よって、次の降車地において降車しないサブモビリティ50を降車させることなく、次の降車地において降車するサブモビリティ50を降車させることができる。
【0046】
本実施形態では、新たなサブモビリティ50が乗車する場合、乗車後の複数のサブモビリティ50の乗車位置を更新する。
よって、乗車している複数のサブモビリティ50の乗車位置は、常に次の降車に支障をきたし難くなるように配列させることができる。
【0047】
本実施形態では、新たなサブモビリティ50が乗車した場合には、乗車している複数のサブモビリティ50の目的地またはその近くの立寄地の巡回経路を更新する。
そして、巡回経路が更新された場合には、既に乗車していた乗車位置を基準として、乗車後の複数のサブモビリティ50の乗車位置を、各々の直前の乗車位置から移動可能な乗車位置に更新する。
よって、複数のサブモビリティ50の乗車位置を、可能な限り降車順に応じて適した状態に維持することができる。
【0048】
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
【0049】
上記実施形態では、乗車している各サブモビリティ50の乗車位置は、表示に基づいて、乗車している乗員により移動が制御され又は誘導される。
この他にもたとえば、各サブモビリティ50が自動的に移動を御してもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…自動車(車両)、2…乗員室、3…車体、4…車輪、5…同乗位置(乗車位置)、6…運転位置(乗車位置)、7…乗車口、8…降車口、11…主受電コネクタ、12…主受電コイル、13…主充電器、14…主バッテリ、15…主コンバータ、16…主動力モータ、17…主制動モータ、18…主操舵モータ、19…主設備機器、20…主給電コネクタ、31…主電力監視部、32…主電力制御部、33…主GPS受信部、34…主入力部(取得部)、35…主通信部、36…主表示部、37…主センサ部、38…主ルート生成部、39…主自動運転部、40…CPU(制御部)、41…乗車位置決定部、42…車内誘導部、50…サブモビリティ、51…ボディ、52…シート、53…アームレスト、54…操作レバー、55…車輪、61…副受電コネクタ、62…副充電器、63…副バッテリ、64…副コンバータ、65…副動力モータ、66…副制動モータ、67…副操舵モータ、68…副設備機器、71…副電力監視部、72…副電力制御部、73…副GPS受信部、74…副入力部、75…副通信部、76…副表示部、77…副センサ部、78…副ルート生成部、79…副自動運転部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6