【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度、独立行政法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/ソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発 課題B 新たなソーシャル・ビッグデータ利活用・基盤技術の研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【文献】
西岡 勉, 菊池 利幸, 難波 隆,地域で見守る在宅福祉支援システム−水沢市における生活リズム情報解析システム実証実験の事例−,日立評論,日立評論社,2001年 9月 1日,第83巻, 第9号,pp.27-30
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記積算部が算出した前記積算活動量と前記積算部が前回以前に算出した所定回数の前記積算活動量の平均値との差が予め設定された閾値を超えている場合にアラートを行うアラート部をさらに備える、請求項1または2に記載の活動量算出システム。
前記積算部が算出した前記積算活動量が予め設定された上限値を超えている場合にアラートを行うアラート部をさらに備える、請求項1または2に記載の活動量算出システム。
前記積算部が算出した前記積算活動量が予め設定された下限値未満である場合にアラートを行うアラート部をさらに備える、請求項1または2に記載の活動量算出システム。
前記積算部が算出した前記積算活動量と前記積算部が前回以前に算出した所定回数の前記積算活動量の平均値との差が予め設定された閾値を超えている場合にアラートを行うアラート部をさらに備える、請求項7または8に記載の活動量算出装置。
前記積算部が算出した前記積算活動量が予め設定された上限値を超えている場合にアラートを行うアラート部をさらに備える、請求項7または8に記載の活動量算出装置。
(c)前記(b)のステップにおいて算出した前記積算活動量と前回以前に算出した所定回数の前記積算活動量の平均値との差が予め設定された閾値を超えている場合にアラートを行うステップをさらに有する、請求項13または14に記載の活動量算出方法。
(d)前記(b)のステップにおいて算出した前記積算活動量が予め設定された上限値を超えている場合にアラートを行うステップをさらに有する、請求項13または14に記載の活動量算出方法。
(e)前記(b)のステップにおいて算出した前記積算活動量が予め設定された下限値未満である場合にアラートを行うステップをさらに有する、請求項13または14に記載の活動量算出方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されたシステムによれば、上述のように、高齢者の生活行動を確認することができる。具体的には、例えば、高齢者がトイレの水を流した時間および電話をかけた時間等を把握することができる。しかしながら、高齢者の活動量の変化を把握することができないので、高齢者の健康状態の変化を把握することは難しい。
【0008】
一方、特許文献2に開示されたシステムを利用すれば、高齢者の歩行速度の低下を把握することができるかもしれない。しかしながら、特許文献2のシステムを利用する場合、高齢者が認証端末を操作する必要があり、高齢者の負担を十分に軽減できない。また、特許文献2のシステムでは、認証端末間の移動に要する最小時間を設定しなければならないが、高齢者の健康状態の変化を的確に把握できる最小時間を設定することは困難である。
【0009】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、住人の負担を軽減しつつ、該住人の活動量の変化を的確に把握できる、活動量算出システム、活動量算出装置、活動量算出方法、および
プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における活動量算出システムは、複数の部屋を有する住居の住人の活動量を算出するためのシステムであって、
前記複数の部屋の出入り口を前記住人が通過する際に該住人を検知して検知信号を出力する複数の検知部と、
前記複数の検知部から出力された検知信号に基づいて前記住人の活動量を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記活動量を積算することによって所定時間における前記住人の積算活動量を繰り返し算出する積算部とを備え、
前記算出部は、異なる前記検知部が前記住人を検知した場合に、予め設定された前記検知した検知部と基準活動量との関係に基づいて前記住人の活動量を算出する、ことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における活動量算出装置は、複数の部屋を有する住居の住人の活動量を算出するための装置であって、
前記複数の部屋の出入り口を前記住人が通過する際に該住人を検知する複数の検知装置から出力された検知信号に基づいて、前記住人の活動量を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記活動量を積算することによって所定時間における前記住人の積算活動量を繰り返し算出する積算部とを備え、
前記算出部は、異なる前記検知装置が前記住人を検知した場合に、予め設定された前記検知した検知装置と基準活動量との関係に基づいて前記住人の活動量を算出する、ことを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における活動量算出方法は、活動量算出装置によって、複数の部屋を有する住居の住人の活動量を算出するための方法であって、
(a)前記複数の部屋の出入り口を前記住人が通過する際に該住人を検知する複数の検知装置から出力された検知信号に基づいて、前記住人の活動量を算出するステップと、
(b)前記
(a)のステップにおいて算出した前記活動量を積算することによって所定時間における前記住人の積算活動量を繰り返し算出するステップと、
を有し、
前記(a)のステップにおいて、異なる前記検知装置が前記住人を検知した場合に、予め設定された前記検知した検知装置と基準活動量との関係に基づいて前記住人の活動量を算出する、ことを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における
プログラムは、コンピュータによって、複数の部屋を有する住居の住人の活動量を算出するためのプログラ
ムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記複数の部屋の出入り口を前記住人が通過する際に該住人を検知する複数の検知装置から出力された検知信号に基づいて、前記住人の活動量を算出するステップと、
(b)前記
(a)のステップにおいて算出した前記活動量を積算することによって所定時間における前記住人の積算活動量を繰り返し算出するステップと、
を実行さ
せ、
前記(a)のステップにおいて、異なる前記検知装置が前記住人を検知した場合に、予め設定された前記検知した検知装置と基準活動量との関係に基づいて前記住人の活動量を算出する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、住人の負担を軽減しつつ、該住人の活動量の変化を的確に把握できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における、活動量算出システム、活動量算出方法、およびプログラムについて、
図1〜
図7を参照しながら説明する。
【0017】
[システム構成]
最初に、
図1を用いて、活動量算出システムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態における活動量算出システムの概略構成を示す図である。
【0018】
図1を参照して、本実施の形態における活動量算出システム(以下、単に「算出システム」とも記す)100は、活動量算出装置10と、複数(本実施の形態では2つ)の検知部D1,D2とを備えている。算出システム100は、複数の部屋を有する住居における住人の活動量を算出するシステムである。
【0019】
活動量算出装置(以下、単に「算出装置」とも記す)10には、複数の検知部D1,D2から出力された検知信号が入力される。詳細は後述するが、複数の検知部D1,D2は、上記複数の部屋の出入り口を住人が通過する際に、該住人を検知して検知信号を出力する。
【0020】
算出装置10は、算出部11と積算部12とを備えている。算出部11は、検知部D1および検知部D2が住人を検知した場合に、後述する検知部と基準活動量との関係に基づいて住人の活動量を算出する。積算部12は、算出部11が算出した活動量を積算することによって、所定時間における住人の積算活動量を繰り返し算出する。
【0021】
本実施の形態に係る算出システム100によれば、部屋の出入り口を住人が通過した際に出力される検知部D1,D2の検知信号に基づいて、算出部11が住人の活動量を算出する。詳細は後述するが、算出部11は、予め設定された検知部と基準活動量との関係に基づいて、住人の活動量を算出する。この場合、部屋の配置を考慮して、検知部D1,D2と活動量との関係を予め設定することによって、容易かつ的確に住人の活動量を算出することができる。また、積算部12によって、所定時間における住人の積算活動量が繰り返し算出される。この場合、積算活動量の変化を確認することによって、住人の健康状態の変化を容易に把握できる。さらに、算出システム100では、活動量測定のための装置等を住人が携帯する必要もなく、活動量測定のための特別な操作等を住人が行う必要もない。これにより、住人の負担を十分に軽減できる。
【0022】
以上のように、本実施の形態に係る算出システム100によれば、住人の負担を軽減しつつ、該住人の活動量の変化を的確に把握することができる。したがって、例えば、本実施の形態にかかる算出システム100によって、家族と離れて一人で暮らす高齢者の活動量の変化を把握することによって、高齢者の健康状態を的確に把握することができる。
【0023】
次に、
図2を用いて、本実施の形態における算出システムの構成について具体的に説明する。
図2は、算出システムの構成を具体的に示すブロック図である。
【0024】
図2に示すように、本実施の形態では、算出システム100は、複数の検知部D1〜D6および算出装置10を備えている。本実施の形態では、複数の検知部D1〜D6は、例えば、有線または無線のネットワークによって算出装置10に接続されている。本実施の形態では、検知部D1〜D6は、住人を検知して検知信号を出力する検知装置である。検知部D1〜D6としては、例えば、赤外線、超音波または可視光等を利用して人を検知する人感センサを用いることができる。
【0025】
以下、算出装置10の詳細な構成を説明する前に、住居における算出システム100の設置例について簡単に説明する。
【0026】
図3は、複数の部屋を有する住居における算出システムの設置例を示す図である。
【0027】
図3に示す住居50は、複数の部屋として、玄関ホールR1、トイレットルームR2、居間R3、寝室R4、および台所R5を有している。また、住居50は、廊下R6を有している。玄関ホールR1、トイレットルームR2、居間R3、寝室R4および台所R5は、廊下R6を介して繋がっている。
図3の例では、算出装置10は居間R3に設置されている。
【0028】
各部屋には、それぞれ出入り口が設けられている。本実施の形態では、住居50は、出入り口DR1〜DR6を有している。検知部D1〜D6は、出入り口DR1〜DR6にそれぞれ対応して設けられている。検知部D1〜D6はそれぞれ、住人60が対応する出入り口DR1〜DR6を通過する際に住人60を検知し、検知信号を算出装置10へ出力する。なお、人感センサの代わりに、検知部D1〜D6として圧力センサを設けてもよい。この場合、圧力センサを床に設け、検出される圧力の変化に基づいて住人60を検知してもよい。さらに、検知部D1〜D6として撮像装置を用いて、住人60を検知してもよい。
【0029】
以下、算出装置10の構成について説明する。
【0030】
図2を参照して、算出装置10は、上述の算出部11および積算部12に加えてさらに、データ収集部13、タイマー14、検知情報記憶部15、配置情報記憶部16、活動量記憶部17、アラート部18、および送信部19を備えている。
【0031】
検知部D1〜D6から出力された検知信号は、データ収集部13に入力される。データ収集部13は、検知部D1〜D6のいずれかから検知信号が入力されると、タイマー14から日時情報を取得する。そして、データ収集部13は、検知信号が入力された時刻を検知部が住人60を検知した時刻として、検知部ごとの検知時刻を検知情報記憶部15に記憶させる。これにより、検知情報記憶部15には、検知部D1〜D6ごとに、住人60を検知した時刻が記憶される。なお、検知部D1〜D6が、住人60を検知した時刻を検知信号とともにデータ収集部13に送信する機能を有している場合には、算出装置10にタイマー14を設けなくてもよい。
【0032】
配置情報記憶部16には、検知部D1〜D6と活動量との関係が予め記憶されている。算出部11は、検知情報記憶部15に記憶された検知部D1〜D6ごとの検知時刻と、配置情報記憶部16に記憶された上記の関係とに基づいて、住人60の活動量を算出する。以下、活動量の算出方法について簡単に説明する。
【0033】
図4は、検知情報記憶部15に記憶される検知部と検知時刻との関係の一例を示す図である。また、
図5は、配置情報記憶部16に予め記憶されている、検知部と基準活動量との関係の一例を示す図である。具体的には、
図5には、2つの検知部と基準活動量との関係が示されている。なお、
図5の例では、基準活動量に加えて、基準時間も示されている。本実施の形態では、基準活動量として、検知部D1〜D6の実際の設置位置を考慮した距離が設定されている。また、基準時間も同様に、検知部D1〜D6の実際の設置位置を考慮して設定されている。
【0034】
例えば、
図4に示す例では、8時15分20秒に検知部D4によって住人60が検知され、8時15分24秒に検知部D3によって住人60が検知されている。これは、住人60が、寝室R4(
図3参照)から出るために出入り口DR4を通過し、その後、居間R3(
図3参照)に入るために出入り口DR3を通過したことを意味する。また、1つ目の検知部D4による検知から2つ目の検知部D3による検知までの経過時間は4秒である。これは、住人60が寝室R4から居間R3へ移動するのに要した時間が4秒であることを意味する。
【0035】
上記の場合、算出部11は、寝室R4から居間R3への住人60の活動量を以下のように算出する。まず、算出部11は、先に住人60を検知した検知部(1つ目の検知部)が検知部D4で、後に住人60を検知した検知部(2つ目の検知部)が検知部D3であるとして、
図5に示した関係から、基準活動量を5mであると判断する。
【0036】
次に、上記経過時間と
図5に示した基準時間とを比較する。上記経過時間が基準時間以上である場合には、算出部11は、基準活動量を住人60の活動量とする。一方、経過時間が基準時間未満の場合には、算出部11は、基準活動量に1よりも大きい係数(例えば、1.75)を乗算して得られる値を住人60の活動量とする。上記の例では、経過時間が4秒で、基準時間未満であるので、算出部11は、基準活動量(5m)に上記係数を乗算して得られる値を住人60の活動量とする。このように基準活動量に係数を乗算することによって、住人60の運動強度(移動速度)を考慮した活動量を算出することができる。
【0037】
積算部12は、算出部11によって算出された活動量を積算することによって、所定時間における住人60の積算活動量を繰り返し算出する。また、積算部12は、算出した積算活動量を活動量記憶部17に記憶させるとともに、アラート部18および送信部19に送信する。上記所定時間は、適宜調整することができる。例えば、住人60の一日当たりの活動量を知りたい場合には、上記所定時間を24時間に設定すればよい。この場合、活動量記憶部17には、1日毎の積算活動量が記憶される。
【0038】
アラート部18は、積算部12から入力された積算活動量(今回の積算活動量)と、活動量記憶部17に記憶された積算活動量とに基づいて、アラート信号を生成し、生成したアラート信号を送信部19へ出力する。具体的には、アラート部18は、活動量記憶部17に記憶される積算活動量に基づいて、積算部12が前回以前に算出した所定回数(例えば、1週間分)の積算活動量の平均値を算出する。アラート部18は、積算部12から入力された積算活動量(今回の積算活動量)と上記平均値との差が予め設定された閾値を超えている場合に、アラート信号を生成する。なお、上記閾値は、例えば、住人60の積算活動量が大幅に上昇した場合、または大幅に低下した場合にアラート部18によってアラート信号が生成されるように設定される。
【0039】
なお、今回の積算活動量が予め設定された上限値を超えている場合、および今回の積算活動量が予め設定された下限値未満である場合に、アラート信号を生成するように、アラート部18を構成してもよい。この場合、上限値および下限値は、例えば、住人60と同年代の人の活動量を考慮して決定することができる。
【0040】
送信部19は、積算部12から入力された積算活動量を、住人60と離れて暮らす家族が使用する図示しない外部端末(パーソナルコンピュータ、スマートフォン、およびタブレット型端末等)に、インターネット等のネットワークを介して送信する。これにより、例えば、住人60と離れて暮らす家族は、住人60の積算活動量を確認することができ、住人60の健康状態を的確に把握することができる。
【0041】
また、送信部19は、アラート部18からアラート信号が入力された場合に、アラート信号を送信することによって上記外部端末にアラートを通知する。これにより、住人60の家族は、例えば、住人60の活動量が大幅に増加したこと、または大幅に低下したことを知ることができる。その結果、住人60の健康状態に異常が生じた可能性を認識することができる。このように、本実施の形態では、アラートの通知が行われるので、家族は、住人60の健康状態の確認を常時行う必要がない。これにより、家族の負担が軽減される。なお、送信部19は、例えば、上記外部端末にアラート信号を送信する代わりに、電子メールでアラートを通知してもよい。
【0042】
なお、算出装置10は、例えば、コンピュータにプログラムを導入することによって構築することができる。算出装置10を構築するコンピュータは、1台でもよく、2台以上であってもよい。例えば、算出部11、積算部12、データ収集部13、タイマー14、アラート部18および送信部19が設けられるコンピュータに対して、検知情報記憶部15、配置情報記憶部16および活動量記憶部17が外部記憶装置として接続されていてもよい。
【0043】
[システム動作]
次に、本発明の実施の形態における算出システムの動作について
図6を用いて説明する。以下の説明においては、適宜
図2を参照する。
【0044】
また、本実施の形態では、活動量算出システム100を動作させることによって、活動量算出方法が実施される。よって、本実施の形態における活動量算出方法の説明は、以下の活動量算出システム100の動作説明に代える。
【0045】
図6は、本発明の実施の形態における活動量算出システムの動作を示すフロー図である。
【0046】
図6を参照して、算出装置10において、まず、データ収集部13は、検知部D1〜D6から検知信号を取得するとともに、タイマー14から日時情報を取得する(ステップS1)。次に、データ収集部13は、ステップS1において取得した検知信号および日時情報に基づいて、検知部ごとの検知時刻を検知情報記憶部15に記憶させる(ステップS2)。
【0047】
次に、算出部11は、検知情報記憶部15に記憶されている検知部ごとの検知時刻、および配置情報記憶部16に記憶されている検知部と基準活動量との関係に基づいて、活動量を算出する(ステップS3)。次に、積算部12は、算出部11によって算出された活動量を積算することによって、所定時間における住人60の積算活動量を算出する(ステップS4)。ステップS4において積算部12はさらに、算出した積算活動量を活動量記憶部17に記憶させるとともに、アラート部18および送信部19に送信する。
【0048】
次に、アラート部18は、積算部12から入力される積算活動量と、活動量記憶部17に記憶された積算活動量とに基づいて、アラート信号を生成するか否かを判定する(ステップS5)。アラート部18がアラート信号を生成しないと判定した場合、送信部19は、活動量記憶部17から入力された積算活動量を外部端末へ送信する(ステップS6)。これにより、算出装置10は、処理を終了する。
【0049】
一方、ステップS5においてアラート部18がアラート信号を生成すると判定した場合、アラート部18はアラート信号を生成し、該アラート信号を送信部19へ送信する(ステップS7)。次に、送信部19は、積算部12から入力された積算活動量およびアラート部18から入力されたアラート信号を外部端末へ送信する(ステップS8)。これにより、算出装置10は、処理を終了する。
【0050】
なお、本実施の形態では、算出装置10は、例えば、検知部D1〜D6から検知信号が入力されるごとにステップS1およびステップS2の処理を行い、ステップS3〜S8の処理は、所定時間ごとに行う。
【0051】
[変形例]
上述の実施形態では、複数の検知部および算出装置をともに住居に設置する場合について説明したが、算出装置は住居に設置していなくてもよい。例えば、算出装置をクラウドサーバ上で構成してもよい。この場合、複数の検知部は、検知信号および検知時刻を示す信号をインターネットを介して算出装置に送信できるように構成される。なお、算出装置をクラウドサーバ上に構成する場合には、例えば、特定の利用者のみにアラートを通知してもよい。具体的には、アラートの通知を希望する利用者に課金してもよい。
【0052】
上述の実施形態では、検知部D1〜D6の実際の配置を考慮した距離で基準活動量を設定しているが、基準活動量の規定方法は上述の例に限定されない。例えば、検知部と検知部との間に段差(階段等)が存在する場合には、その検知部間の基準活動量を、同程度の距離の他の検知部間の基準活動量よりも大きく設定してもよい。
【0053】
上述の実施形態では、同じ検知部から連続して検知信号が出力された場合には、算出部11は活動量を算出しないが、同じ検知部から連続して検知信号が出力された場合にも、算出部11が活動量を算出するように、算出装置10を構成してもよい。例えば、各部屋における滞在時間に応じて、算出部11が活動量を算出するように算出装置10を構成してもよい。具体的には、トイレットルームおよび風呂場等での滞在時間を考慮して、算出部11が活動量を算出してもよい。
【0054】
上述の実施形態では、出入り口DR1〜DR6に対応するように検知部D1〜D6が設けられているが、各部屋の中にも検知部を設けてもよい。この場合、より正確に住人60の活動量を算出できる。
【0055】
アラートの通知方法は上述の例に限定されず、例えば、電話、FAX、または回転灯等によってアラートの通知を行ってもよい。
【0056】
なお、上述の実施形態において、例えば、検知部D2、D4、またはD5の検知信号の後に検知部D1の検知信号が算出装置10に入力された場合において、その後に検知部D1以外の検知信号が算出装置10に入力されるとアラートを通知してもよい。この場合、住人60が外出した後に、住人60が帰宅したことを示す検知信号が算出装置10に入力されていないにもかかわらず、住居50内に人が存在していることを示す検知信号が算出装置10に入力されたことになる。このような場合にアラートを通知することによって、空き巣狙いの検知が可能になる。
【0057】
上述の実施形態において、異なる検知部から連続して検知信号が算出装置10に入力され、かつその異なる検知部の組合せに対応する基準活動量が配置情報記憶部16に記憶されていない場合に、アラートを通知してもよい。具体的には、
図3および
図5を参照して、例えば、検知部D4から出力された検知信号に続いて、検知部D6から出力された検知信号が算出装置10に入力された場合には、検知部D3または検知部D5が故障している可能性がある。このような場合にアラートを通知することによって、検知部の故障を早期に発見できる。
【0058】
上述の実施形態では、一人暮らしの住人60の活動量を算出する場合について説明したが、複数の住人の活動量を算出する場合には、例えば、住人の身長または体重等を考慮して、検知部の配置(高さ等)、設定、および種類等を適宜変えることが好ましい。
【0059】
[プログラム]
本発明の実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、
図6に示すステップS1〜S8を実行させるプログラムであればよい。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態における活動量算出装置と活動量算出方法とを実現することができる。この場合、算出装置となるコンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、算出部11、積算部12、データ収集部13、タイマー14、アラート部18、および送信部19として機能し、処理を行なう。
【0060】
また、本実施の形態では、検知情報記憶部15、配置情報記憶部16、および活動量記憶部17は、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置に、これらを構成するデータファイルを格納することによって、またはこのデータファイルが格納された記録媒体をコンピュータと接続された読取装置に搭載することによって実現されている。
【0061】
[物理構成]
ここで、本実施の形態におけるプログラムを実行することによって、活動量算出装置を実現するコンピュータについて図を用いて説明する。
図7は、本発明の実施の形態における活動量算出装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0062】
図7に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0063】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであってもよい。
【0064】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボードおよびマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0065】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、およびコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0066】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))およびSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記憶媒体、またはCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体が挙げられる。
【0067】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)〜(付記24)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0068】
(付記1)
複数の部屋を有する住居の住人の活動量を算出するためのシステムであって、
前記複数の部屋の出入り口を前記住人が通過する際に該住人を検知して検知信号を出力する複数の検知部と、
前記複数の検知部から出力された検知信号に基づいて前記住人の活動量を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記活動量を積算することによって所定時間における前記住人の積算活動量を繰り返し算出する積算部とを備え、
前記算出部は、異なる前記検知部が前記住人を検知した場合に、予め設定された前記検知した検知部と基準活動量との関係に基づいて前記住人の活動量を算出する、活動量算出システム。
【0069】
(付記2)
前記算出部は、前記異なる検知部が前記住人を検知した場合において、
1つ目の前記検知部による検知から2つ目の前記検知部による検知までの経過時間が、予め設定された基準時間以上の場合には、前記検知した検知部と前記基準活動量との前記関係から得られる基準活動量を前記住人の活動量とし、
前記経過時間が前記基準時間未満の場合には、前記検知した検知部と前記基準活動量との前記関係から得られる基準活動量に1よりも大きい係数を乗算して得られる値を前記住人の活動量とする、付記1に記載の活動量算出システム。
【0070】
(付記3)
前記積算部が算出した前記積算活動量と前記積算部が前回以前に算出した所定回数の前記積算活動量の平均値との差が予め設定された閾値を超えている場合にアラートを行うアラート部をさらに備える、付記1に記載の活動量算出システム。
【0071】
(付記4)
前記積算部が算出した前記積算活動量が予め設定された上限値を超えている場合にアラートを行うアラート部をさらに備える、付記1に記載の活動量算出システム。
【0072】
(付記5)
前記積算部が算出した前記積算活動量が予め設定された下限値未満である場合にアラートを行うアラート部をさらに備える、付記1に記載の活動量算出システム。
【0073】
(付記6)
前記活動量は、距離で示される、付記1に記載の活動量算出システム。
【0074】
(付記7)
複数の部屋を有する住居の住人の活動量を算出するための装置であって、
前記複数の部屋の出入り口を前記住人が通過する際に該住人を検知する複数の検知装置から出力された検知信号に基づいて、前記住人の活動量を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記活動量を積算することによって所定時間における前記住人の積算活動量を繰り返し算出する積算部とを備え、
前記算出部は、異なる前記検知装置が前記住人を検知した場合に、予め設定された前記検知した検知装置と基準活動量との関係に基づいて前記住人の活動量を算出する、活動量算出装置。
【0075】
(付記8)
前記算出部は、前記異なる検知装置が前記住人を検知した場合において、
1つ目の前記検知装置による検知から2つ目の前記検知装置による検知までの経過時間が、予め設定された基準時間以上の場合には、前記検知した検知装置と前記基準活動量との前記関係から得られる基準活動量を前記住人の活動量とし、
前記経過時間が前記基準時間未満の場合には、前記検知した検知装置と前記基準活動量との前記関係から得られる基準活動量に1よりも大きい係数を乗算して得られる値を前記住人の活動量とする、付記7に記載の活動量算出装置。
【0076】
(付記9)
前記積算部が算出した前記積算活動量と前記積算部が前回以前に算出した所定回数の前記積算活動量の平均値との差が予め設定された閾値を超えている場合にアラートを行うアラート部をさらに備える、付記7に記載の活動量算出装置。
【0077】
(付記10)
前記積算部が算出した前記積算活動量が予め設定された上限値を超えている場合にアラートを行うアラート部をさらに備える、付記7に記載の活動量算出装置。
【0078】
(付記11)
前記積算部が算出した前記積算活動量が予め設定された下限値未満である場合にアラートを行うアラート部をさらに備える、付記7に記載の活動量算出装置。
【0079】
(付記12)
前記活動量は、距離で示される、付記7に記載の活動量算出装置。
【0080】
(付記13)
活動量算出装置によって、複数の部屋を有する住居の住人の活動量を算出するための方法であって、
(a)前記複数の部屋の出入り口を前記住人が通過する際に該住人を検知する複数の検知装置から出力された検知信号に基づいて、前記住人の活動量を算出するステップと、
(b)前記
(a)のステップにおいて算出した前記活動量を積算することによって所定時間における前記住人の積算活動量を繰り返し算出するステップと、
を有し、
前記(a)のステップにおいて、異なる前記検知装置が前記住人を検知した場合に、予め設定された前記検知した検知装置と基準活動量との関係に基づいて前記住人の活動量を算出する、活動量算出方法。
【0081】
(付記14)
前記(a)のステップでは、前記異なる検知装置が前記住人を検知した場合において、
1つ目の前記検知装置による検知から2つ目の前記検知装置による検知までの経過時間が、予め設定された基準時間以上の場合には、前記検知した検知装置と前記基準活動量との前記関係から得られる基準活動量を前記住人の活動量とし、
前記経過時間が前記基準時間未満の場合には、前記検知した検知装置と前記基準活動量との前記関係から得られる基準活動量に1よりも大きい係数を乗算して得られる値を前記住人の活動量とする、付記13に記載の活動量算出方法。
【0082】
(付記15)
(c)前記(b)のステップにおいて算出した前記積算活動量と前回以前に算出した所定回数の前記積算活動量の平均値との差が予め設定された閾値を超えている場合にアラートを行うステップをさらに有する、付記13に記載の活動量算出方法。
【0083】
(付記16)
(d)前記(b)のステップにおいて算出した前記積算活動量が予め設定された上限値を超えている場合にアラートを行うステップをさらに有する、付記13に記載の活動量算出方法。
【0084】
(付記17)
(e)前記(b)のステップにおいて算出した前記積算活動量が予め設定された下限値未満である場合にアラートを行うステップをさらに有する、付記13に記載の活動量算出方法。
【0085】
(付記18)
前記活動量は、距離で示される、付記13に記載の活動量算出方法。
【0086】
(付記19)
コンピュータによって、複数の部屋を有する住居の住人の活動量を算出するためのプログラ
ムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記複数の部屋の出入り口を前記住人が通過する際に該住人を検知する複数の検知装置から出力された検知信号に基づいて、前記住人の活動量を算出するステップと、
(b)前記
(a)のステップにおいて算出した前記活動量を積算することによって所定時間における前記住人の積算活動量を繰り返し算出するステップと、
を実行させる命令を含む、プログラムを記録しており、
前記(a)のステップにおいて、異なる前記検知装置が前記住人を検知した場合に、予め設定された前記検知した検知装置と基準活動量との関係に基づいて前記住人の活動量を算出する、
プログラム。
【0087】
(付記20)
前記(a)のステップでは、前記異なる検知装置が前記住人を検知した場合において、
1つ目の前記検知装置による検知から2つ目の前記検知装置による検知までの経過時間が、予め設定された基準時間以上の場合には、前記検知した検知装置と前記基準活動量との前記関係から得られる基準活動量を前記住人の活動量とし、
前記経過時間が前記基準時間未満の場合には、前記検知した検知装置と前記基準活動量との前記関係から得られる基準活動量に1よりも大きい係数を乗算して得られる値を前記住人の活動量とする、付記19に記載の
プログラム。
【0088】
(付記21)
前記コンピュータに、
(c)前記(b)のステップにおいて算出した前記積算活動量と前回以前に算出した所定回数の前記積算活動量の平均値との差が予め設定された閾値を超えている場合にアラートを行うステップを
さらに実行させ
る、付記19に記載の
プログラム。
【0089】
(付記22)
前記コンピュータに、
(d)前記(b)のステップにおいて算出した前記積算活動量が予め設定された上限値を超えている場合にアラートを行うステップを
さらに実行させ
る、付記19に記載の
プログラム。
【0090】
(付記23)
前記コンピュータに、
(e)前記(b)のステップにおいて算出した前記積算活動量が予め設定された下限値未満である場合にアラートを行うステップを
さらに実行させ
る、付記19に記載の
プログラム。
【0091】
(付記24)
前記活動量は、距離で示される、付記19に記載の
プログラム。
【0092】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0093】
この出願は、2015年3月31日に出願された日本出願特願2015−73769を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。