特許第6601912号(P6601912)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6601912並列型の充電装置および該充電装置の校正方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6601912
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】並列型の充電装置および該充電装置の校正方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/00 20060101AFI20191028BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20191028BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20191028BHJP
   G01R 35/00 20060101ALI20191028BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20191028BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20191028BHJP
【FI】
   G01R19/00 P
   H02J7/10 H
   H02J7/00 303A
   G01R35/00 E
   H01M10/44 Q
   H01M10/48 P
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-103859(P2016-103859)
(22)【出願日】2016年5月25日
(65)【公開番号】特開2017-211253(P2017-211253A)
(43)【公開日】2017年11月30日
【審査請求日】2018年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤尾 嘉紀
【審査官】 續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/181847(WO,A1)
【文献】 特開2014−196931(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3174482(JP,U)
【文献】 特開2011−61990(JP,A)
【文献】 特開2014−192960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 19/00
G01R 35/00
H01M 10/44
H01M 10/48
H02J 7/00
H02J 7/10
G01R 31/36−31/396
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力する電流に対応する電圧信号を生じさせる電流検知部を有する、互いに並列に接続されたN個(ただし、Nは2以上の整数)の電源部と、前記電源部に指令信号を送出して該電源部が出力する電流を制御する制御部とを備えた並列型の充電装置であって、
前記制御部は、
(1)第1時刻に、前記N個の電源部に前記指令信号を送出して前記電流の出力を開始させ、
(2)前記第1時刻から予め定められた暖機期間が経過した第2時刻に、1個の前記電源部を除くN−1個の前記電源部に前記指令信号を送出して前記電流の出力を休止させ、
(3)前記第2時刻と該第2時刻から予め定められた検知期間が経過した第3時刻との間に、前記1個の電源部の前記電圧信号を読み取り、
(4)前記第3時刻に、前記N−1個の電源部に前記指令信号を送出して前記電流の出力を再開させ、
(5)前記第3時刻から予め定められた再暖機期間が経過した第4時刻に、前記1個の電源部とは別の1個の前記電源部を除くN−1個の前記電源部に前記指令信号を送出して前記電流の出力を休止させ、
(6)前記第4時刻と該第4時刻から前記検知期間が経過した第5時刻との間に、前記別の1個の電源部の前記電圧信号を読み取り、
(7)前記第5時刻に、前記N−1個の電源部に前記指令信号を送出して前記電流の出力を再開させる、
ことにより前記電流の校正を行うよう構成されており、かつ、前記再暖機期間は前記暖機期間よりも短いことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記電流検知部は、シャント抵抗であることを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
出力する電流に対応する電圧信号を生じさせる電流検知部を有する、互いに並列に接続されたN個(ただし、Nは2以上の整数)の電源部を備えた並列型の充電装置において、前記電流を校正する校正方法であって、
(1)第1時刻に、前記N個の電源部に前記電流の出力を開始させるステップと、
(2)前記第1時刻から予め定められた暖機期間が経過した第2時刻に、1個の前記電源部を除くN−1個の前記電源部に前記電流の出力を休止させるステップと、
(3)前記第2時刻と該第2時刻から予め定められた検知期間が経過した第3時刻との間に、前記1個の電源部の前記電圧信号を読み取るステップと、
(4)前記第3時刻に、前記N−1個の電源部に前記電流の出力を再開させるステップと、
(5)前記第3時刻から予め定められた再暖機期間が経過した第4時刻に、前記1個の電源部とは別の1個の前記電源部を除くN−1個の前記電源部に前記電流の出力を休止させるステップと、
(6)前記第4時刻と該第4時刻から前記検知期間が経過した第5時刻との間に、前記別の1個の電源部の前記電圧信号を読み取るステップと、
(7)前記第5時刻に、前記N−1個の電源部に前記電流の出力を再開させるステップと、
を含み、前記再暖機期間は前記暖機期間よりも短いことを特徴とする校正方法。
【請求項4】
前記電流検知部として、シャント抵抗を使用することを特徴とする請求項3に記載の校正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに並列に接続された複数の電源部を備えた充電装置、および該充電装置の各電源部を校正する校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の二次電池の大容量化に伴い、大電流を出力することができる充電装置の需要が高まってきている。そして、この需要に応えるべく、互いに並列に接続された複数の電源部を備えたタイプの充電装置が種々検討されている。このタイプの充電装置によれば、電源部の数を増加させるだけで、容易に大電流を出力することが可能となる。すなわち、このタイプの充電装置によれば、電源部を再設計することなく、大電流化の要求を満足させることできる。
【0003】
充電装置は、自分自身が出力する電流を校正する校正機能を有している場合がある。校正は、通常、電源部(複数の電源部を備えている場合は、各電源部)に内蔵されたシャント抵抗に予め定められた電流を通流させたときの電圧降下値と基準電圧値とを比較することにより行われる。電圧降下値が基準電圧値を下回っている場合、電流は低めにずれている。一方、電圧降下値が基準電圧値を上回っている場合、電流は高めにずれている。
【0004】
ところで、シャント抵抗は、温度によって抵抗値が若干ではあるが変動する。また、電流を通流させると、シャント抵抗の温度は上昇する。このため、校正の正確性を増すためには、電圧降下値の検知の前にシャント抵抗に検知時と同じ量の電流を通流させて、シャント抵抗の温度を飽和点まで上昇させておく必要がある。事前に電流を通流させて温度を安定させることを、本明細書では「暖機」と称する。
【0005】
校正は、例えば、図3および図4に示したタイミングチャートにしたがって行われる。これらの図において、Ira,Irb,Irc,Irdは、互いに並列に接続された第1〜第4電源部に設けられたシャント抵抗Ra,Rb,Rc,Rdを通流する電流である。また、t1,t3,t5,t7は暖機期間であり、t2,t4,t6,t8は検知期間である。暖機期間t1,t3,t5,t7は同一の長さを有する。検知期間t2,t4,t6,t8も同一の長さを有する。
【0006】
図3に示す一例では、暖機期間t1,t3,t5,t7および検知期間t2,t4,t6,t8が時間的に重ならないように配置されている。一方、図4に示す一例では、校正時間を短縮するために、暖機期間t1,t3,t5,t7および検知期間t2,t4,t6,t8が時間的に重なるように配置されている。ただし、図4においても、検知期間t2,t4,t6,t8同士は重ならない。
【0007】
なお、このようなタイミングチャートは、例えば、特許文献1に開示されている。ただし、特許文献1は、充電装置に関する文献ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2014−196931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図4のタイミングチャートにしたがった校正は、検知期間t2,t4,t6,t8における環境が実使用時の環境と相違するため、正確性にやや問題があった。すなわち、実使用においては全ての電源部が同時に動作して熱的に影響を及ぼし合うところ、図4のタイミングチャートでは、特に第4電源部の検知期間t8において他の電源部が動作を停止しており、該他の電源部がシャント抵抗Rdに及ぼす影響が少なくなっているので、電流Irdの校正が正確性に欠けるという問題があった。図3のタイミングチャートにも同様の問題がある。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、従来よりも正確な校正が可能な充電装置、および該充電装置における校正方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る充電装置は、出力する電流に対応する電圧信号を生じさせる電流検知部を有する、互いに並列に接続されたN個(ただし、Nは2以上の整数)の電源部と、電源部に指令信号を送出して該電源部が出力する電流を制御する制御部とを備えた並列型の充電装置であって、制御部は、(1)第1時刻に、N個の電源部に指令信号を送出して電流の出力を開始させ、(2)第1時刻から予め定められた暖機期間が経過した第2時刻に、1個の電源部を除くN−1個の電源部に指令信号を送出して電流の出力を休止させ、(3)第2時刻と該第2時刻から予め定められた検知期間が経過した第3時刻との間に、該1個の電源部の電圧信号を読み取り、(4)第3時刻に、該N−1個の電源部に指令信号を送出して電流の出力を再開させ、(5)第3時刻から予め定められた再暖機期間が経過した第4時刻に、該1個の電源部とは別の1個の電源部を除くN−1個の電源部に指令信号を送出して電流の出力を休止させ、(6)第4時刻と該第4時刻から検知期間が経過した第5時刻との間に、該別の1個の電源部の電圧信号を読み取り、(7)第5時刻に、該N−1個の電源部に指令信号を送出して電流の出力を再開させる、ことにより電流の校正を行うよう構成されており、かつ、再暖機期間は暖機期間よりも短いことを特徴とする。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る校正方法は、出力する電流に対応する電圧信号を生じさせる電流検知部を有する、互いに並列に接続されたN個(ただし、Nは2以上の整数)の電源部を備えた並列型の充電装置において、電流を校正する校正方法であって、(1)第1時刻に、N個の電源部に電流の出力を開始させるステップと、(2)第1時刻から予め定められた暖機期間が経過した第2時刻に、1個の電源部を除くN−1個の電源部に電流の出力を休止させるステップと、(3)第2時刻と該第2時刻から予め定められた検知期間が経過した第3時刻との間に、該1個の電源部の電圧信号を読み取るステップと、(4)第3時刻に、該N−1個の電源部に電流の出力を再開させるステップと、(5)第3時刻から予め定められた再暖機期間が経過した第4時刻に、該1個の電源部とは別の1個の電源部を除くN−1個の電源部に電流の出力を休止させるステップと、(6)第4時刻と該第4時刻から検知期間が経過した第5時刻との間に、該別の1個の電源部の電圧信号を読み取るステップと、(7)第5時刻に、該N−1個の電源部に電流の出力を再開させるステップと、を含み、再暖機期間は暖機期間よりも短いことを特徴とする。
【0013】
これらの構成によれば、校正される電源部以外の電源部が検知期間の直前まで電流を出力し続けるので、検知期間における環境が従来よりも実使用時の環境に似通ったものとなり、校正の正確性が向上する。なお、校正を行う1個の電源部を除くN−1個の電源部の電流の出力を一旦休止させるのは、各電源部の出力が集約された箇所(例えば、充電対象たる二次電池の直前)で各電源部から出力された電流を個別に検知したい場合があるとの事情による。
【0014】
なお、上記充電装置および校正方法では、電流検知部をシャント抵抗で構成することができるが、これには限定されない。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来よりも正確な校正が可能な充電装置、および該充電装置における校正方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例に係る充電装置のブロック図である。
図2】本発明の実施例に係る充電装置の校正に関するタイミングチャートであって、(A)は、各電源部の電流検知部を通流する電流を示し、(B)は、(A)に対応する各電源部の電流検知部の温度を示す。
図3】従来の校正に関するタイミングチャートである。
図4】従来の校正に関する別のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る充電装置および校正方法の実施例について説明する。
【0018】
図1に、本発明の実施例に係る充電装置1を示す。同図に示すように、充電装置1は、商用交流電源10が出力する交流電圧を直流化するAC/DCコンバータ2と、互いに並列に接続された4個の同一の電源部3a,3b,3c,3dと、制御部4とを備えている。各電源部3a,3b,3c,3dは、入力側がAC/DCコンバータ2に接続され、出力側が充電対象としての二次電池11に接続されている。
【0019】
4個の電源部3a,3b,3c,3dは、本発明の電流検知部としてのシャント抵抗Ra,Rb,Rc,Rdを有している。より詳しくは、第1電源部3aはシャント抵抗Raを有し、第2電源部3bはシャント抵抗Rbを有し、第3電源部3cはシャント抵抗Rcを有し、第4電源部3dはシャント抵抗Rdを有している。シャント抵抗Raには、第1電源部3aが二次電池11に向けて出力する電流が通流する。他のシャント抵抗Rb,Rc,Rdについても同様である。
【0020】
制御部4は、各電源部3a,3b,3c,3dに指令信号を送出することにより該各電源部3a,3b,3c,3dが出力する電流を制御する。具体的には、制御部4は、4個の電源部3a,3b,3c,3dの全部に指令信号を送出して電流の出力を一斉に開始/停止させたり、電源部3a,3b,3c,3dのいずれかに個別に指令信号を送出して該電源部の電流の出力だけを開始/停止させたりすることができる。もちろん、制御部4は、電流値も指令することができる。
【0021】
また、制御部4は、任意のタイミングで各電源部3a,3b,3c,3dのシャント抵抗Ra,Rb,Rc,Rdにおける電圧降下値(言い換えると、シャント抵抗Ra,Rb,Rc,Rdが生じさせた電圧信号)を読み取り、読み取った値と基準電圧値とを比較した結果を記憶部5に格納することもできる。例えば、第1電源部3aに10[A]の電流を出力させているときにシャント抵抗Raの電圧降下値が9.8[A]に対応する値を示している場合、制御部4は、−0.2[A]または98[%]を記憶部5に格納する。制御部4は、実使用時に、記憶部5に格納された情報に基づいて補正した指令信号を各電源部3a,3b,3c,3dに送出する。
【0022】
図2に、充電装置1の校正に関するタイミングチャートを示す。同図(A)は、各電源部3a,3b,3c,3dのシャント抵抗Ra,Rb,Rc,Rdを通流する電流Ira,Irb,Irc,Irdを示し、同図(B)は、(A)に対応するシャント抵抗Ra,Rb,Rc,Rdの温度Tra,Trb,Trc,Trdを示す。
【0023】
制御部4は、まず、時刻taにおいて、各電源部3a,3b,3c,3dに指令信号を送出して該電源部3a,3b,3c,3dに電流Ira,Irb,Irc,Irdの出力を開始させる。これにより、シャント抵抗Ra,Rb,Rc,Rdの温度Tra,Trb,Trc,Trdは、飽和点に向かって上昇を始める。
【0024】
時刻taから予め定められた暖機期間t1が経過した時刻tbにおいて、制御部4は、第1電源部3aを除く3個の電源部3b,3c,3dに指令信号を送出して電流Irb,Irc,Irdの出力を休止させる。これにより、シャント抵抗Rb,Rc,Rdの温度Trb,Trc,Trdは、緩やかに下降を始める。このように、第1電源部3aの電流Iraを校正する際に他の電源部3b,3c,3dの電流Irb,Irc,Irdの出力を休止させるのは、本校正と並行して、各電源部3a,3b,3c,3dの出力が集約された箇所、言い換えると電流Ira,Irb,Irc,Irdが合流する箇所で校正中の電源部(第1電源部3a)の電流(電流Ira)を個別に検知したい場合があるからである。
【0025】
時刻tbから始まる検知期間t2において、制御部4は、シャント抵抗Raの電圧降下値を読み取り、これと基準電圧値とを比較した結果を記憶部5に格納する。このとき、温度Trb,Trc,Trdは、時刻tbにおける温度からほとんど低下していない。このため、シャント抵抗Raの電圧降下値の読み取りは、電源部3b,3c,3dが電流を出力し続けている場合と同等の環境において行われる。
【0026】
検知期間t2が経過した時刻tcにおいて、制御部4は、3個の電源部3b,3c,3dに指令信号を送出して電流Irb,Irc,Irdの出力を再開させる。これにより、温度Trb,Trc,Trdが、時刻tdまでの間に飽和点に復帰する。なお、第1電源部3aの校正(電流Iraの検知)が終了した後にも電流Iraを出力させるのは、電流Irb(Irc,Ird)を検知する際の環境を実使用時の環境に近づけるためである。実使用においては、全電源部3a,3b,3c,3dが同一条件で電流を出力することが多いところ、この構成によれば、ある電源部(例えば、第2電源部3b)の校正の直前まで当該電源部を除く他の電源部(例えば、電源部3a,3c,3d)において暖機が継続されるので、実使用に近い温度環境が保たれ、校正の正確性が向上する。
【0027】
前述の通り、検知期間t2の間に、温度Trb,Trc,Trdは僅かにしか低下しない。したがって、時刻tcから時刻tdまでの期間t3(以下、「再暖機期間」という)は、暖機期間t1よりも遙かに短くてもよく、これにより、図3に示す従来の校正よりも校正時間が大幅に短縮される。
【0028】
時刻tdにおいて、制御部4は、第2電源部3bを除く3個の電源部3a,3c,3dに指令信号を送出して電流Ira,Irc,Irdの出力を休止させる。これにより、シャント抵抗Ra,Rc,Rdの温度Tra,Trc,Trdは、緩やかに下降を始める。
【0029】
時刻tdから始まる検知期間t4において、制御部4は、シャント抵抗Rbの電圧降下値を読み取り、これと基準電圧値とを比較した結果を記憶部5に格納する。このとき、温度Tra,Trc,Trdは、時刻tdにおける温度からほとんど低下していない。このため、シャント抵抗Rbの電圧降下値の読み取りは、電源部3a,3c,3dが電流を出力し続けている場合と同等の環境において行われる。
【0030】
検知期間t4が経過した時刻teにおいて、制御部4は、3個の電源部3a,3c,3dに指令信号を送出して電流Ira,Irc,Irdの出力を再開させる。これにより、温度Tra,Trc,Trdが、時刻tfまでの間に飽和点に復帰する。
【0031】
同様にして、第3電源部3cのシャント抵抗Rcおよび第4電源部3dのシャント抵抗Rdの電圧降下値の読み取りが順次行われ、校正は終了する。
【0032】
なお、検知期間t2,t4,t6,t8の長さは同一である。また、再暖機期間t3,t5,t7の長さも同一である。
【0033】
以上のように、本発明に係る充電装置および校正方法では、検知期間(例えば、検知期間t4)において他の電源部(例えば、電源部3a,3c,3d)の電流の出力が休止されるが、その直前までは他の電源部が電流を出力し続ける。このため、本発明によれば、他の電源部が電流を出力し続けている場合と同等の環境で電圧降下値の読み取りを行うことができ、校正の正確性を向上させることできる。
【0034】
なお、本発明の構成は、上記実施例の構成に限定されるものではない。
【0035】
例えば、シャント抵抗は、通流する電流に対応する電圧信号を生じさせる電流検知部の一例に過ぎず、同等の機能を有する回路または素子に置き換えることができる。
【0036】
また、互いに並列に接続された電源部の数は4に限定されず、2以上の整数であってもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 充電装置
2 AC/DCコンバータ
3a 第1電源部
3b 第2電源部
3c 第3電源部
3d 第4電源部
4 制御部
5 記憶部
10 商用交流電源
11 二次電池
Ra,Rb,Rc,Rd シャント抵抗(電流検知部)
図1
図2
図3
図4