特許第6601968号(P6601968)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6601968放送受信装置、放送受信方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6601968
(24)【登録日】2019年10月18日
(45)【発行日】2019年11月6日
(54)【発明の名称】放送受信装置、放送受信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/435 20110101AFI20191028BHJP
   H04N 21/433 20110101ALI20191028BHJP
   H04N 21/6332 20110101ALI20191028BHJP
   H04H 20/40 20080101ALI20191028BHJP
   H04H 60/16 20080101ALI20191028BHJP
【FI】
   H04N21/435
   H04N21/433
   H04N21/6332
   H04H20/40
   H04H60/16
【請求項の数】6
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-184532(P2016-184532)
(22)【出願日】2016年9月21日
(65)【公開番号】特開2018-50189(P2018-50189A)
(43)【公開日】2018年3月29日
【審査請求日】2019年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【弁理士】
【氏名又は名称】覚田 功二
(72)【発明者】
【氏名】中瀬 陽之
(72)【発明者】
【氏名】青木 緑
(72)【発明者】
【氏名】栗原 良一
【審査官】 富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−178190(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0222958(US,A1)
【文献】 特開2003−345768(JP,A)
【文献】 特開2007−104346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
H04H 20/40
H04H 60/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン放送におけるデータ放送用データについて処理を実行することに応じて、データ放送用データの処理以外の所定機能に対応して実装された受信装置ソフトウェアがアクセス不可のデータ放送用データ記憶部からデータ放送用データを読み出すデータ放送用データ処理部と、
前記データ放送用データ処理部により処理されたデータ放送用データに関連する情報を含むリスト項目によるデータ放送対応リストを記憶するデータ放送対応リスト記憶部から前記リスト項目の読み出しを行い、読み出したリスト項目を利用した処理を実行するデータ放送対応リスト処理部と
を備える放送受信装置。
【請求項2】
前記データ放送対応リスト処理部は、
前記データ放送用データ処理部がデータ放送用データにより指定されたデータ放送用データをデータ放送用データ記憶部から読み出すデータ読出処理を実行したことに応じて、前記指定されたデータ放送用データに関連するリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部から読み出す
請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記データ放送対応リスト処理部は、
前記データ読出処理に失敗した場合に、前記指定されたデータ放送用データに関連するリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部から読み出す
請求項2に記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記データ放送対応リスト処理部は、
前記データ放送用データ処理部がデータ放送用データにより指定されたデータ放送用データをデータ放送用データ記憶部から読み出すデータ読出処理にかかわらず、所定のリスト項目の利用態様に応じたリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部から読み出す
請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項5】
テレビジョン放送におけるデータ放送用データについて処理を実行することに応じて、データ放送用データの処理以外の所定機能に対応して実装された受信装置ソフトウェアがアクセス不可のデータ放送用データ記憶部からデータ放送用データを読み出すデータ放送用データ処理ステップと、
前記データ放送用データ処理ステップにより処理されたデータ放送用データに関連する情報を含むリスト項目によるデータ放送対応リストを記憶するデータ放送対応リスト記憶部から前記リスト項目の読み出しを行い、読み出したリスト項目を利用した処理を実行するデータ放送対応リスト処理ステップと
を実行する放送受信方法。
【請求項6】
放送受信装置としてのコンピュータを、
テレビジョン放送におけるデータ放送用データについて処理を実行することに応じて、データ放送用データの処理以外の所定機能に対応して実装された受信装置ソフトウェアがアクセス不可のデータ放送用データ記憶部からデータ放送用データを読み出すデータ放送用データ処理部、
前記データ放送用データ処理部により処理されたデータ放送用データに関連する情報を含むリスト項目によるデータ放送対応リストを記憶するデータ放送対応リスト記憶部から前記リスト項目の読み出しを行い、読み出したリスト項目を利用した処理を実行するデータ放送対応リスト処理部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送受信装置、放送受信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
BS(Broadcasting Satellite)放送、CS(Communications Satellite)放送および地上波デジタル放送などのテレビジョン放送においては、データ放送サービスが提供されている。テレビジョン放送のデータ放送に対応する放送受信装置は、BML(Broadcast Markup Language)ブラウザを実装する。データ放送は、BMLにより記述されたBML文書を含むデータ放送のコンテンツのデータ(データ放送用データ)を伝送する。放送受信装置に実装されたBMLブラウザは、受信されたデータ放送用データに含まれるBML文書の解釈、スクリプト(例えば、ECMAScript)の実行などを行って、データ放送用データの画面を表示させる。ARIB標準規格におけるSTD−B24においては、データ放送用データを送信する仕組みや、データ放送用データを放送受信装置に記憶させる仕組みなどが定義されている。
【0003】
放送受信装置におけるデータ放送用データの記憶は、受信装置が備える永続記憶装置(不揮発性メモリ)に対して行われ、データ放送用データにおけるBML文書によって管理されている。このため、永続記憶装置に記憶されたデータ放送用データへのアクセスは、放送受信装置に実装されたBMLブラウザによって行われる。このことは、放送受信装置において、データ放送用データの処理以外の所定機能に対応して実装されたソフトウェア(受信装置ソフトウェア)によっては、永続記憶装置に記憶されたデータ放送用データにアクセスできないことを意味する。
しかしながら、受信装置ソフトウェアが永続記憶装置に記憶されたデータ放送用データに対応する処理が行えるようになれば、データ放送をさらに有効に活用できる可能性がある。このためには、受信装置ソフトウェアが、データ放送用データにアクセスするのと同等の動作が得られるようにすることが求められる。
【0004】
そこで、データ放送番組で受信され、永続記憶装置に記憶された個人情報について、参照、削除の実行に関する記述を行ったスクリプトを含むデータ放送用データを用意し、このデータ放送用データを放送する。そして、放送受信装置における中央演算プロセッサが、受信されたデータ放送用データに含まれるスクリプトを解釈し、実行することで、永続記憶装置に記憶された個人情報を参照、削除できるようにされた技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−290351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、受信装置ソフトウェアが永続記憶装置に記憶されたデータ放送用データをアクセスできるようにするために、データ放送用データに含まれるスクリプトを変更する必要がある。スクリプトは、データ放送のコンテンツの内容に直接かかわるデータであることから、例えば或る特定のメーカや機種などに対応させた制御に関する記述を含めるような変更は、運用上好ましくない場合がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、データ放送用データにおけるスクリプトの内容を変更することなく、受信装置ソフトウェアが、自己によりアクセス不可の記憶装置に記憶されたデータ放送用データを利用した制御を行うのと同等の環境が得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、テレビジョン放送におけるデータ放送用データについて処理を実行することに応じて、データ放送用データの処理以外の所定機能に対応して実装された受信装置ソフトウェアがアクセス不可のデータ放送用データ記憶部からデータ放送用データを読み出すデータ放送用データ処理部と、前記データ放送用データ処理部により処理されたデータ放送用データに関連する情報を含むリスト項目によるデータ放送対応リストを記憶するデータ放送対応リスト記憶部から前記リスト項目の読み出しを行い、読み出したリスト項目を利用した処理を実行するデータ放送対応リスト処理部とを備える放送受信装置である。
【0009】
本発明の一態様は、テレビジョン放送におけるデータ放送用データについて処理を実行することに応じて、データ放送用データの処理以外の所定機能に対応して実装された受信装置ソフトウェアがアクセス不可のデータ放送用データ記憶部からデータ放送用データを読み出すデータ放送用データ処理ステップと、前記データ放送用データ処理ステップにより処理されたデータ放送用データに関連する情報を含むリスト項目によるデータ放送対応リストを記憶するデータ放送対応リスト記憶部から前記リスト項目の読み出しを行い、読み出したリスト項目を利用した処理を実行するデータ放送対応リスト処理ステップとを実行する放送受信方法である。
【0010】
本発明の一態様は、放送受信装置としてのコンピュータを、テレビジョン放送におけるデータ放送用データについて処理を実行することに応じて、データ放送用データの処理以外の所定機能に対応して実装された受信装置ソフトウェアがアクセス不可のデータ放送用データ記憶部からデータ放送用データを読み出すデータ放送用データ処理部、前記データ放送用データ処理部により処理されたデータ放送用データに関連する情報を含むリスト項目によるデータ放送対応リストを記憶するデータ放送対応リスト記憶部から前記リスト項目の読み出しを行い、読み出したリスト項目を利用した処理を実行するデータ放送対応リスト処理部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、この発明によれば、データ放送用データにおけるスクリプトの内容を変更することなく、受信装置ソフトウェアが、自己によりアクセス不可の記憶装置に記憶されたデータ放送用データを利用した制御を行うのと同等の環境が得られるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態における放送受信装置の構成例を示す図である。
図2】本実施形態におけるEMTの構造例を示す図である。
図3】本実施形態におけるファイルプロファイルの構造例及び内容例を示す図である。
図4】本実施形態における放送受信装置によるデータ放送用データ記憶部へのファイルの書き込みと、データ放送対応リスト記憶部へのリスト項目の書き込みとの概要例を説明する図である。
図5】本実施形態におけるデータ放送対応リストのリスト項目の内容例を示す図である。
図6】本実施形態の放送受信装置がデータ放送対応リスト記憶部へのリスト項目の書き込みに関して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図7】本実施形態における放送受信装置によるデータ放送用データ記憶部からのファイルの読み出しと、データ放送対応リスト記憶部からのリスト項目の読み出しとの概要例を説明する図である。
図8】本実施形態におけるリスト項目の利用態様の第1例に対応するデータ放送対応リストのリスト項目の内容例を示す図である。
図9】本実施形態の放送受信装置がリスト項目の利用態様の第1例に対応して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図10】本実施形態におけるリスト項目の利用態様の第2例に対応するデータ放送対応リストのリスト項目の内容例を示す図である。
図11】本実施形態におけるリスト項目の利用態様の第2例に対応するデータ放送対応リストのリスト項目の遷移後の内容例を示す図である。
図12】本実施形態におけるリスト項目の利用態様の第3例に対応して表示される電子番組表の一態様例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態の放送受信装置100の構成例を示している。同図の放送受信装置100は、BS放送、CS放送あるいは地上波デジタルテレビジョン放送などのデジタルテレビジョン放送を受信し、映像音声を出力することができる。
同図の放送受信装置100は、アンテナANT、チューナ部101、デマルチプレクサ102、映像音声デコード部103、映像処理部104、映像出力部105、音声処理部106、音声出力部107、データ放送用データデコード部108、データ放送対応ブラウザ部109、データ放送用データ記憶部110、放送関連情報処理部111、データ放送対応リスト記憶制御部112、データ放送対応リスト記憶部113、データ放送対応リスト処理部114、ネットワーク対応通信部115、操作受付部116、及びデータ放送用データ処理部117を備える。
【0014】
チューナ部101は、アンテナANTにて受信されたデジタルテレビジョン放送の放送信号を入力して選局を行う。
【0015】
デマルチプレクサ102は、チューナ部101から入力された放送信号について、映像信号、音声信号、データ放送用データ、及び放送関連情報に分離する。
【0016】
映像音声デコード部103は、デマルチプレクサ102によって放送信号から分離された映像信号及び音声信号を入力し、入力された映像信号と音声信号とについて、それぞれ復調を行う。
【0017】
映像処理部104は、映像音声デコード部103により復調された映像信号と、データ放送対応ブラウザ部109から出力された映像信号とを入力することができる。映像処理部104は、入力された映像信号が映像出力部105にて映像として出力されるようにするための処理を実行する。
映像出力部105は、映像処理部104の処理に応じて映像を出力する。映像出力部105は、例えば放送受信装置100が備えるディスプレイデバイスにて映像が表示されるように映像を出力することができる。また、映像出力部105は、映像出力端子を備えることで、外部に映像信号として映像を出力可能なようにされてもよい。
【0018】
音声処理部106は、映像音声デコード部103により復調された音声信号と、データ放送対応ブラウザ部109から出力された音声信号とを入力する。音声処理部106は、入力された音声信号が音声出力部107にて音声として出力されるようにするための処理を実行する。
音声出力部107は、音声処理部106の処理に応じて音声を出力する。音声出力部107は、例えばスピーカから音声を出力させることができる。また、音声出力部107は、音声出力端子を備えることで、外部に音声信号として音声を出力可能なようにされてもよい。
【0019】
データ放送用データデコード部108は、デマルチプレクサ102により放送信号から分離されたデータ放送用データについて復調を行う。
データ放送対応ブラウザ部109(データ放送用データ処理部の一例)は、データ放送用データデコード部108により復調されたデータ放送用データを入力し、データ放送用データについて処理を行ってデータ放送コンテンツの再生を行う。具体的には、データ放送対応ブラウザ部109は、データ放送用データに含まれるBML文書の解釈、スクリプト(例えば、ECMAScript)の実行などを行う。このような処理の結果、データ放送のコンテンツとしての映像信号は映像処理部104に入力され、データ放送のコンテンツとしての音声信号は音声処理部106に入力される。この結果、データ放送のコンテンツの映像、音声が再生出力される。
【0020】
データ放送用データ記憶部110は、データ放送用データを、例えばファイル単位で記憶する永続記憶装置(不揮発性メモリ、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory))である。データ放送用データ記憶部110は、例えばデジタルテレビジョン放送が対応する規格(例えば、ARIB TR B14、ARIB TR B15等)に従って、データ放送対応ブラウザ部109及びデータ放送用データ処理部117の機能に対応するアプリケーション(ソフトウェア)はアクセスできるが、データ放送対応ブラウザ部109を除外したソフトウェア、つまり、データ放送用データの処理以外の所定機能に対応して実装されたソフトウェア(受信装置ソフトウェア)によってはアクセスできないようにされている。
【0021】
データ放送用データ処理部117は、データ放送対応ブラウザ部109がデータ放送のコンテンツの再生出力に際して処理したデータ放送用データのファイルをデータ放送用データ記憶部110に記憶させる。
【0022】
放送関連情報処理部111は、デマルチプレクサ102により放送信号から分離された放送関連情報を入力し、入力された放送関連情報についての処理を実行する。放送関連情報には、例えば電子番組表を構築する情報を含むEIT(Event Information Table)、放送受信装置100にて動作するアプリケーションに放送局側からメッセージを伝送するために用いられるEMT(Event Message Table)が含まれる。
【0023】
データ放送対応リスト記憶制御部112は、データ放送対応ブラウザ部109により処理されたデータ放送用データのファイルに関連する情報を含むリスト項目によるデータ放送対応リストをデータ放送対応リスト記憶部113に記憶させる。
具体的に、本実施形態におけるデータ放送対応リスト記憶制御部112は、データ放送対応ブラウザ部109により処理され、データ放送対応ブラウザ部109に記憶されたファイルについてのプロフィールを、データ放送対応リストのリスト項目として作成する。データ放送対応リスト記憶制御部112は、作成したリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部113が記憶するデータ放送対応リストに追加する。
【0024】
データ放送対応リスト記憶部113は、データ放送対応リストを記憶する永続記憶装置である。データ放送対応リスト記憶部113は、受信装置ソフトウェアがアクセスすることができる記憶装置である。
前述のように、データ放送対応リスト記憶部113が記憶するデータ放送対応リストを構成するリスト項目は、それぞれ、データ放送対応ブラウザ部109により処理されたデータ放送用データのファイルについてのプロフィールである。従って、データ放送対応リスト記憶部113には、データ放送用データ記憶部110に記憶されるデータ放送用データのファイルと同等の情報が記憶されていることになる。これにより、受信装置ソフトウェアは、自己がアクセス不可のデータ放送用データ記憶部110に記憶されるデータ放送用データのファイルと同等の情報を、データ放送対応リスト記憶部113に対するアクセスによって参照することが可能になる。つまり、放送受信装置100において、受信装置ソフトウェアがデータ放送用データ記憶部110に記憶されたデータ放送用データを参照できるのと同等の環境が得られる。
【0025】
なお、データ放送用データ記憶部110とデータ放送対応リスト記憶部113とは、物理的に異なる記憶装置とされてもよいし、同じ記憶装置において論理的に分離された領域とされてもよい。
【0026】
データ放送対応リスト処理部114は、データ放送対応リスト記憶部113から読み出したリスト項目のデータに基づく処理を実行する。
【0027】
ネットワーク対応通信部115は、ネットワーク経由で通信を行う。
操作受付部116は、リモートコントローラRMから出力される無線による操作信号(例えば、赤外線信号あるいは電波等)を受信し、受信された操作信号が示す操作を受け付ける。なお、操作受付部116は、放送受信装置100が備える操作子などに対して行われた操作を受け付けてもよい。
リモートコントローラRMは、ユーザが放送受信装置100に対する操作を行うための操作デバイスとして利用される。リモートコントローラRMは、操作に応じた操作信号を無線により出力する。
【0028】
前述のように、本実施形態の例では、データ放送用データのファイルのデータ放送用データ記憶部110への書き込みと、データ放送用データ記憶部110に書き込まれたファイルに応じたリスト項目のデータ放送対応リスト記憶部113への書き込みとが行われるように構成される。
上記のような構成に対応して、本実施形態においては、放送関連情報の1つであるEMTにおいて、各種の制御情報とともに、データ放送用データのファイルについての管理を可能とするためのファイルプロファイルが格納されるようにする。この点について図2及び図3を参照して説明する。
【0029】
図2(A)は、EMTの構造例を示している。同図においてスクリプト行CL1として示すように、EMTにおいては、「descriptor(イベントメッセージ記述子)」が格納される。イベントメッセージ記述子は、イベントメッセージ一般に関する情報を伝達するために使用される。
図2(B)は、イベントメッセージ記述子の構造例を示している。同図においてスクリプト行CL2として示すように、イベントメッセージ記述子には「private data byte」の領域が含まれる。本実施形態においては、「private data byte」の領域にファイルプロファイルを格納する。
【0030】
図3は、「private data byte」の領域に格納されるファイルプロファイルの構造例及び内容例を示している。
図3(A)は、視聴者参加型のデータ放送のコンテンツとして、じゃんけんゲームが行われるコンテンツのファイルに対応するファイルプロファイルの内容例を示している。同図の管理対象ファイル制御情報は、ファイル名、リスト化可否フラグ、アップロード可否フラグ、共有可否フラグ、及び集計方法の各制御項目を有する構造である。
【0031】
ファイル名は、対応のデータ放送用データのファイルに付与されたファイル名を示す制御項目である。同図では、「じゃんけん」とのファイル名が格納された例が示されている。
【0032】
リスト化可否フラグは、対応のデータ放送用データのファイルに対応するリスト項目をデータ放送対応リストに登録(リスト化)してよいか否かを示すフラグである。ここでは、リスト化可否フラグは、「0」によりリスト化不可(NG)を示し、「1」によりリスト化可能(OK)を示すようにされており、同図では「1」が格納されていることで、リスト化可能であることが示されている。
【0033】
アップロード可否フラグは、データ放送対応リストにおける対応のリスト項目をアップロード先にアップロードしてよいか否かを示すフラグである。ここでは、アップロード可否フラグは、「0」によりアップロード不可(NG)を示し、「1」によりアップロード可能(OK)を示すようにされており、同図では「1」が格納されていることで、アップロード可能であることが示されている。なお、アップロード先については、対応のデータ放送用データのファイルによって指定される。
【0034】
共有可否フラグは、対応のリスト項目の情報について、異なるサービス間での共有が許可されているか否かを示すフラグである。ここでは、共有可否フラグは、「0」により共有不可(NG)を示し、「1」により共有可能(OK)を示すようにされており、同図では「0」が格納されていることで、共有不可であることが示されている。
【0035】
集計方法は、対応のリスト項目に示される情報について、共通機器間での集計を行う場合において、集計方法を指定する制御項目である。ここでの共通機器とは、例えば放送受信装置100と同じ家屋に設置されているなど、放送受信装置100とユーザが共通であるとして扱われる他の放送受信装置である。同図では、「0」が格納されることにより、選択型の集計方法が指定されることを示している。
【0036】
図3(B)は、視聴者参加型のデータ放送のコンテンツとして、ユーザのアクション(例えば、リモートコントローラにおける所定のボタンを操作したことなど)に応じてポイントが付与されるコンテンツのファイルに対応するファイルプロファイルの内容例を示している。
同図のファイルプロファイルの場合、ファイル名の制御項目においては「ポイント」とのファイル名が格納されている。リスト化可否フラグについては、「1」が格納されていることで、リスト化可能であることが示される。アップロード可否フラグについては、「1」が格納されることで、アップロード可能であることが示される。共有可否フラグについては、「1」が格納されることで、共有可能であることが示される。集計方法については、「1」が格納されることにより、加算型の集計方法が指定されることを示している。
なお、同図に示されるファイルプロファイルの定義はあくまでも一例であって適宜変更されてよい。
【0037】
図4を参照して、本実施形態における放送受信装置100によるデータ放送用データ記憶部110へのファイルの書き込みと、データ放送対応リスト記憶部113へのリスト項目の書き込みとの概要に関して説明する。
同図においては、或る視聴者参加型のデータ放送のコンテンツにおけるスクリプト200−1の記述内容例が示されている。例えば、スクリプト200−1の実行を伴うコンテンツの再生に際して、データ放送対応ブラウザ部109は、スクリプト200−1を実行していくことにより、或る段階においてスクリプト行201を実行する。スクリプト行201の実行により、データ放送対応ブラウザ部109は、スクリプト行201により指定されるファイル「savedataA」をデータ放送用データ記憶部110に書き込む制御を実行する(ステップS1)。つまり、データ放送対応ブラウザ部109は、データ放送用データ処理部117に書き込み対象のファイルを渡す。データ放送用データ処理部117は渡されたデータ放送用データ記憶部110へのファイルの書き込みを実行する。
そのうえで、本実施形態においては、データ放送対応ブラウザ部109が、データ放送用データ記憶部110へのファイルの書き込みを行うと、データ放送対応リスト記憶制御部112に対して、データ放送用データ記憶部110に書き込んだファイルに対応するリスト項目の書き込みの指示(リスト項目書込指示)を行う。
そこで、データ放送対応リスト記憶制御部112は、リスト項目書込指示が得られたことに応じて、ステップS1により書き込まれたファイルに対応するプロフィールを示すリスト項目のデータを作成する。データ放送対応リスト記憶制御部112は、作成したリスト項目をデータ放送対応リストに追加するようにデータ放送対応リスト記憶部113に書き込む(ステップS2)。
【0038】
上記のようにスクリプト行201の処理を実行した後において、データ放送対応ブラウザ部109が、さらにスクリプト200−1を実行していくと、或る段階にてスクリプト行202を実行する。スクリプト行202の実行により、データ放送対応ブラウザ部109は、スクリプト行202により指定されるファイル「savedataB」を、データ放送用データ記憶部110に書き込む制御を実行する(ステップS11)。
データ放送対応ブラウザ部109は、データ放送対応リスト記憶制御部112に対して、ステップS11によりデータ放送用データ記憶部110に書き込んだファイルに対応するリスト項目書込指示を行う。
データ放送対応リスト記憶制御部112は、リスト項目書込指示が得られたことに応じて、ステップS11により書き込まれたファイルに対応するプロフィールを示すリスト項目のデータを作成する。データ放送対応リスト記憶制御部112は、作成したリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部113の放送対応リストに追加するように書き込む(ステップS12)。
【0039】
さらに、上記のようにスクリプト行202の処理を実行した後において、データ放送対応ブラウザ部109が、さらにスクリプト200−1を実行していくと、或る段階にてスクリプト行203を実行する。スクリプト行203の実行により、データ放送対応ブラウザ部109は、スクリプト行203により指定されるファイル「savedataC」を、データ放送用データ記憶部110に書き込む制御を実行する(ステップS21)。
データ放送対応ブラウザ部109は、データ放送対応リスト記憶制御部112に対して、ステップS21によりデータ放送用データ記憶部110に書き込んだファイルに対応するリスト項目書込指示を行う。
データ放送対応リスト記憶制御部112は、リスト項目書込指示が得られたことに応じて、ステップS21により書き込まれたファイルに対応するプロフィールを示すリスト項目のデータを作成する。データ放送対応リスト記憶制御部112は、作成したリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部113のデータ放送対応リストに追加するように書き込む(ステップS22)。
【0040】
このようにして、本実施形態においては、データ放送用データにおけるスクリプトの指示に従って、データ放送対応ブラウザ部109が、データ放送用データ記憶部110へのファイルの書き込みを行う。これに伴って、受信装置ソフトウェアにより実現されるデータ放送対応リスト記憶制御部112が、データ放送用データ記憶部110に書き込まれたデータに対応するリスト項目を、データ放送対応リスト記憶部113に書き込む。
【0041】
図5は、上記のステップS2、ステップS12、あるいはステップS22の処理によって、データ放送対応リスト記憶部113に書き込まれたリスト項目の内容例を示している。同図のリスト項目の内容は、図3(A)に示したファイルプロファイルに対応するデータ放送用データのファイルに対応してユーザのアクションが得られた場合に対応する。
同図のリスト項目は、サービスID、イベントID、番組名、保存日時、ファイル名、保存値、サイズ、ユーザ正当性フラグ、視聴者参加型識別フラグ、アップロード可否フラグ、共有可否フラグ、及び集計方法のリスト項目要素を含む。
サービスIDのリスト項目要素は、当該リスト項目が対応するデータ放送用データのファイルが対応するサービスを示すサービスIDを格納する。
イベントIDのリスト項目要素は、当該リスト項目が対応するデータ放送用データのファイルが対応するイベントを示すイベントIDを格納する。ここでのイベントは番組を一意に示す。つまり、イベントIDによっては、当該リスト項目が対応するデータ放送が行われた番組が示される。
番組名のリスト項目要素は、当該リスト項目が対応するデータ放送用データに対応する番組の番組名を格納する。
保存日時のリスト項目要素は、当該リスト項目がデータ放送対応リスト記憶部113に書き込まれた(保存された)日時を示す。
ファイル名のリスト項目要素は、当該リスト項目が対応するデータ放送用データのファイルに付与されたファイル名を格納する。同図においては、図3(A)と同じ「じゃんけん」とのファイル名が格納された状態が示されている。
【0042】
保存値のリスト項目要素は、当該リスト項目に対応するユーザのアクションによって得られた値(保存値)を格納する。同図においては、「ぐー勝」のように、ユーザのアクションとして「ぐー」の選択によりユーザがじゃんけんに勝利したことが表された例が示されている。なお、例えばユーザが特に対応のコンテンツに対するアクションを行わなかった場合には、保存値のリスト項目要素には、その旨を示す値が格納される。
このような保存値をリスト項目要素に加えることにより、本実施形態におけるデータ放送対応リスト記憶部113に記憶されるデータ放送対応リストの情報は、放送受信装置100にて再生出力されたデータ放送のコンテンツに対するユーザのアクションに関する履歴として扱うことができる。つまり、データ放送対応リストの内容により、ユーザがアクションを行ったコンテンツと、アクションを行わなかったコンテンツとがそれぞれ何であるのかが把握される。また、ユーザがアクションを行ったコンテンツに関しては、それぞれのコンテンツについてどのようなアクションを行ったのかが把握される。
【0043】
サイズのリスト項目要素は、当該リスト項目が対応するデータ放送用データのファイルのサイズを示す値を格納する。
ユーザ正当性フラグのリスト項目要素は、視聴者であるユーザがデジタルテレビジョン放送を視聴する正当性を有するか否かを示すフラグを格納する。ここでのユーザ正当性フラグは、「0」により正当でないことを示し、「1」により正当であることを示すようにされ、同図では「1」を格納していることで、ユーザが正当性を有することが示されている。なお、ユーザ正当性フラグは、例えば限定受信方式のもとでユーザに付与された番号などであってもよい。
視聴者参加型識別フラグのリスト項目要素は、当該リスト項目が対応するデータ放送のコンテンツが視聴者参加型であるか否かを示すフラグである。ここでの視聴者参加型識別フラグは、「0」により視聴者参加型でないことを示し、「1」により視聴者参加型であることを示すようにされ、同図では「1」を格納していることで、視聴者参加型であることが示されている。
【0044】
アップロード可否フラグ、共有可否フラグ、及び集計方法の各リスト項目要素については、対応のデータ放送用データについてのファイルプロファイル(図3)において示されていたアップロード可否フラグ、共有可否フラグ、及び集計方法の各制御項目の内容が反映される。
【0045】
続いて、図6のフローチャートを参照して、本実施形態の放送受信装置100がデータ放送対応リスト記憶部113へのリスト項目の書き込みに関して実行する処理手順例について説明する。
【0046】
放送受信装置100において、データ放送対応リスト記憶制御部112は、データ放送用データ記憶部110の記憶内容についての更新指示が得られるのを待機している(ステップS101−NO)。
データ放送対応ブラウザ部109は、データ放送用データが受信されることに応じて、データ放送用データのファイルの処理を実行している。そして、データ放送用データ処理部117は、データ放送用データのファイルの処理の実行の過程において、例えば、図3のスクリプト行201、202、203のように、ファイルの書き込みを指示する記述に対応する処理として、指定されたファイルのデータ放送用データ記憶部110への書き込みを実行する。そのうえで、データ放送対応ブラウザ部109は、データ放送用データ記憶部110へのファイルの書き込みが行われたことに伴い、データ放送対応リスト記憶制御部112に対して、データ放送用データ記憶部110の記憶内容の更新指示を行う。
上記のようにして更新指示が得られると(ステップS101−YES)、データ放送対応リスト記憶制御部112は、データ放送用データ記憶部110への書き込みが行われたファイルについてのファイルプロファイルを取得する(ステップS102)。ファイルプロファイルは、前述のように、EMTの「private data byte」の領域に格納されている。データ放送対応リスト記憶制御部112は、放送関連情報処理部111からファイルプロファイルを取得すればよい。
【0047】
データ放送対応リスト記憶制御部112は、ステップS102により取得したファイルプロファイルにおけるリスト化可否フラグを参照し、リスト化が許可されているか否かについて判定する(ステップS103)。
【0048】
リスト化可否フラグが「1」とされてリスト化が許可されていた場合(ステップS103−YES)、データ放送対応リスト記憶制御部112は、リスト項目の作成に必要なリスト項目要素を取得する(ステップS104)。ステップS104により取得されるリスト項目要素は、図5に示したように、サービスID、イベントID、番組名、保存日時、ファイル名、保存値、サイズ、ユーザ正当性フラグ、視聴者参加型識別フラグ、アップロード可否フラグ、共有可否フラグ、及び集計方法である。これらのリスト項目要素のうち、サービスID、イベントID、番組名、サイズ、視聴者参加型識別フラグ等については放送関連情報処理部111にて得られている放送関連情報から取得できる。ユーザ正当性フラグについては、放送受信装置100について視聴正当性のあるユーザが設定されているか否かに基づいて決定できる。保存日時については、現在日時を取得すればよい。アップロード可否フラグ、共有可否フラグ、及び集計方法については、対応のファイルプロファイル(図3)から取得できる。
データ放送対応リスト記憶制御部112は、ステップS104により取得したリスト項目要素を利用してリスト項目を作成する(ステップS105)。
【0049】
次に、データ放送対応リスト記憶制御部112は、ステップS105により作成したリスト項目が対応するのと同じデータ放送用データのファイルについてのリスト項目が、データ放送対応リスト記憶部113に記憶されるデータ放送対応リストに含まれているか否かについて判定する(ステップS106)。
同じファイルに対応のリスト項目がデータ放送対応リストに含まれていなかった場合(ステップS106−NO)、データ放送対応リスト記憶制御部112は、データ放送対応リスト記憶部113が記憶するデータ放送対応リストに、ステップS105により作成したリスト項目を追加するようにして記憶させる(ステップS107)。
一方、同じファイルに対応のリスト項目がデータ放送対応リストに含まれていた場合(ステップS106−YES)、データ放送対応リスト記憶制御部112は、データ放送対応リスト記憶部113が記憶するデータ放送対応リストに含まれていた、同じファイルに対応のリスト項目を、ステップS105により作成したリスト項目により置換するようにして記憶させる(ステップS108)。
【0050】
次に、図7を参照して、上記のようにデータ放送対応リスト記憶制御部112に記憶されたデータ放送対応リストに対する読み出しの概要に関して説明する。
同図においては、或るデータ放送のコンテンツにおけるスクリプト200−2の記述内容例が示されている。放送受信装置100においてデータ放送対応ブラウザ部109が、スクリプト200−2を実行していくことにより、或る段階においてスクリプト行211を実行する。スクリプト行211の実行により、データ放送対応ブラウザ部109は、スクリプト行211における記述により指定されるファイル「savedataA」を、データ放送用データ処理部117によりデータ放送用データ記憶部110から読み出させる読出処理を実行する(ステップS31)。
【0051】
前述のように、本実施形態では、データ放送用データ記憶部110に記憶されたファイルに対応するリスト項目を有するデータ放送対応リストが、データ放送対応リスト記憶部113に記憶される。
そこで、データ放送対応ブラウザ部109は、ステップS31によりデータ放送用データ記憶部110からファイルの読み出しが行われると、例えば、データ放送対応リスト処理部114に対して、ファイルの読み出しが実行されたことの通知(ファイル読出実行通知)を実行する。
ファイル読出実行通知が得られたことに応じて、データ放送対応リスト処理部114は、データ放送対応リスト記憶部113から、ファイル読出実行通知が示すファイルに関連付けられたリスト項目の読み出しを実行する。(ステップS32)。ここで、データ放送用データ記憶部110に記憶されるファイルと、データ放送対応リスト記憶部113に記憶されるリスト項目との関連付けにあたっては、両者に共通の属性の内容を与えるようにしてよい。一例として、ファイルとリスト項目のそれぞれが有する属性の1つである「ファイル名」について共通化された名称を与えるようにしてよい。
【0052】
上記のようにスクリプト行211の処理を実行した後において、データ放送対応ブラウザ部109が、さらにスクリプト200−2を実行していくと、或る段階にてスクリプト行212を実行する。スクリプト行212の実行により、データ放送対応ブラウザ部109は、スクリプト行212により指定されるファイル「savedataB」を、データ放送用データ処理部117によりデータ放送用データ記憶部110から読み出させる読出処理を実行する(ステップS41)。
データ放送対応ブラウザ部109は、データ放送対応リスト処理部114に対して、ステップS41によりデータ放送用データ記憶部110から読み出されたファイルに対応するファイル読出実行通知を行う。
データ放送対応リスト処理部114は、ファイル読出実行通知が得られたことに応じて、ステップS41により読み出されたファイルに関連付けられたリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部113から読み出す(ステップS42)。
【0053】
さらに、上記のようにスクリプト行212の処理を実行した後において、データ放送対応ブラウザ部109が、さらにスクリプト200−2を実行していくと、或る段階にてスクリプト行213を実行する。スクリプト行213の実行により、データ放送対応ブラウザ部109は、スクリプト行213により指定されるファイル「savedataC」を、データ放送用データ処理部117によりデータ放送用データ記憶部110から読み出させる読出処理を実行する(ステップS51)。
データ放送対応ブラウザ部109は、データ放送対応リスト処理部114に対して、ステップS51によりデータ放送用データ記憶部110から読み出されたファイルに対応するファイル読出実行通知を行う。
データ放送対応リスト処理部114は、ファイル読出実行通知が得られたことに応じて、ステップS51により読み出されたファイルに関連付けられたリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部113から読み出す(ステップS52)。
【0054】
このようにして、本実施形態においては、データ放送用データにおけるスクリプトの指示に従って、データ放送用データ処理部117がデータ放送用データ記憶部110からファイルの読み出しを行う。これとともに、受信装置ソフトウェアにより実現されるデータ放送対応リスト処理部114は、データ放送用データ記憶部110から読み出されたファイルに関連付けられたリスト項目を、データ放送対応リスト記憶部113から読み出す。
【0055】
本実施形態において、上記のように読み出されたデータ放送用データとリスト項目とのうち、データ放送用データのファイルについては、例えば、データ放送対応ブラウザ部109が、実行中のデータ放送用データに含まれるBML文書やスクリプトの記述に従って処理を行う。読み出されたリスト項目については、受信装置ソフトウェアにより実現されるデータ放送対応リスト処理部114が処理することができる。
【0056】
なお、上記の例では、スクリプト200−2に記述されたファイルの読み出しの指示に従って、データ放送用データ記憶部110からのファイルの読み出しとともに、データ放送対応リスト記憶部113からのリスト項目の読み出しを行うようにされている。
しかしながら、例えばファイルとリスト項目の内容、用途などに応じて、データ放送用データ記憶部110からのファイルの読み出しと、データ放送対応リスト記憶部113からのリスト項目の読み出しとのいずれか一方が行われるようにしてもよい。
具体例として、まず、データ放送対応ブラウザ部109は、スクリプト200−2に記述されたファイルの読み出しの指示に従って、データ放送用データ記憶部110からのファイルの読み出しの処理を実行する。ファイルの読み出しの処理を実行した結果、スクリプト200−2の記述によって読み出しが指定されたファイルがデータ放送用データ記憶部110からのファイルの読み出しの処理が成功した場合には、スクリプト200−2に記述されたファイルの読み出しの指示に従った処理が遂行できたとして、関連のリスト項目の読み出しは行わない。
一方、例えばスクリプト200−2の記述によって読み出しが指定されたファイルがデータ放送用データ記憶部110に記憶されていない、あるいは記憶されていたとしても何らかの原因で、読み出しがエラーとなる場合がある。このような場合、データ放送対応リスト処理部114が、指定されたファイルに関連付けられたリスト項目を、データ放送対応リスト記憶部113から読み出すようにしてもよい。
あるいは、スクリプト200−2についてデータ放送対応リスト記憶部113からのリスト項目の読み出しを指示する記述を行うことで、データ放送用データ記憶部110からのファイルの読み出しの処理は行わずに、データ放送対応リスト記憶部113からのリスト項目の読み出しが行われるようにしてもよい。この場合には、データ放送対応ブラウザ部109が、スクリプト200−2の記述によりデータ放送対応リスト記憶部113からのリスト項目の読み出しが指示されていることを解釈すると、データ放送対応リスト処理部114に対して指定されたリスト項目の読み出しを指示すればよい。
【0057】
データ放送対応リスト処理部114がリスト項目の情報をどのように利用するのかについては特に限定されるものではないが、ここでは以下のように4例を挙げて説明する。
【0058】
まず、リスト項目の利用態様の第1例について説明する。本例は、以下のような状況のもとで行われる。本例では、或る特定の日付における特定の時間帯の範囲において各放送局で選挙結果報道番組が放送される。そのうえで、各局の選挙結果報道番組ごとに、データ放送によりユーザへのアンケートを行うようにされている。アンケートは、例えば各局でほぼ同じ番組内の時間帯ごとにおいて共通の設問で実施される。
【0059】
図8は、本例に対応してデータ放送対応リスト記憶部113に記憶されるデータ放送対応リストのリスト項目の内容例の遷移を示している。
図8(A)に示される1行目のリスト項目は、或る1つのチャンネルにおける1つの番組において視聴者参加型のデータ放送として行われた、特定の政策についてどう思うのかをユーザから集計するアンケートとしてのコンテンツに対応する。
具体的に同図における1行目のリスト項目は、番組名「番組X」との番組におけるファイル名「政策Aに関するアンケート」とのファイル名のファイルに対応するリスト項目であり、保存値は「賛成」となっている。つまり、1行目のリスト項目は、ユーザがアクションとして、或る日の21時03分において、政策Aについて「賛成」の回答を選択する操作を行ったことを示している。
ここで、ユーザは、上記のように番組Xを視聴しながら政策Aに関するアンケートに対して「賛成」の回答を選択する操作を行った後において、チャンネルの切り替えを行って、他のチャンネルの番組Yとしての選挙結果報道番組を視聴した。このとき、番組Yにおいてもデータ放送により政策Aに関するアンケートを実施していた。ユーザは、先ほど番組Xを視聴していたときには政策Aについて「賛成」であったが、番組Yを視聴しているうち、政策Aに対する考えが変わってきた。そこで、ユーザは、番組Yにて実施されている政策Aに関するアンケートに対して「ややそう思う」の回答を選択する操作を行った。
上記の操作に応じて、データ放送対応リスト記憶制御部112は、図8(B)に示すリスト項目を作成する。同図のリスト項目には、「番組X」とは異なるチャンネルにて放送されている「番組Y」による番組名の番組における「政策Aに関するアンケート」とのファイル名によるファイルに対応するリスト項目であることが示される。同図のリスト項目によっては、番組Xと同じ日の21時08分において、「政策Aに関するアンケート」に対して、「ややそう思う」との回答がユーザにより得られたことが示される。
ここで、図8(A)の1行目のリスト項目と図8(B)のリスト項目とにおいては、ファイル名の項目が「政策Aに関するアンケート」で共通している。そのうえで、図8(A)の1行目のリスト項目と図8(B)のリスト項目における集計方法は「0」とされて選択型を示している。この場合、データ放送対応リスト記憶制御部112は、図8(C)に示すように、図8(A)のデータ放送対応リストにおける1行目のリスト項目を、図8(B)のリスト項目により書き換える(上書きする)。
【0060】
本例においては、例えば前述のように、選挙結果報道番組を行う複数の放送事業者間で、共通の設問内容のアンケートをデータ放送によりほぼ同じ時間帯で実施する。そのうえで、本例においては、放送受信装置100ごとに得られたアンケートに対するユーザの回答を、ユーザごとのアンケートに対する回答としてネットワーク上の集計サーバにより集計させる。集計サーバは、選挙結果報道番組に対応して放送事業者間で共通に設けられたサーバである。集計サーバによるアンケート回答の集計結果は、例えば各局の選挙結果報道番組にて利用できる。
本例では、上記のように各放送受信装置100から選挙結果報道番組でのアンケートの回答を集計するにあたり、1つの放送受信装置100からは、同じ設問内容については、1のユーザに対応する1つのアンケート回答のみを集計サーバに渡すようにされる。そこで、例えば選挙結果報道番組での各局の運用として、図8により説明したように、同じ設問内容のアンケートのデータ放送については共通のファイル名を付し、集計方法については「0」として選択型を示すようにする。これにより、放送受信装置100は、選挙結果報道番組でのデータ放送により行われた同じ設問内容のアンケートの回答に対応するファイルについては、上記のように上書きを行うことができる。この結果、同じ設問内容のアンケートの回答に対応するファイルは、1つの放送受信装置100ごとに、即ち、1のユーザごとに常に1つとなるように管理できる。
なお、データ放送用データ処理部117は、データ放送用データ記憶部110にデータ放送用データのファイルを記憶させるにあたり、ファイル名が同じで集計方法が選択型を示すファイルについては、上記のリスト項目の場合と同様に上書きを行ってよい。
【0061】
図9を参照して、図8のリスト項目の利用態様例について説明する。図9は、図8のリスト項目の利用に対応して放送受信装置100が実行する処理手順例を示すフローチャートである。
同図は、集計指示の得られたことに応じて、放送受信装置100が、ファイル名「政策Aに関するアンケート」のファイルに対応するデータ放送により実施されたアンケートに対する回答を放送事業者側のサーバにアップロードするための処理となる。
【0062】
放送受信装置100において、データ放送対応ブラウザ部109は、選局中のチャンネルでの選挙結果報道番組におけるデータ放送用データを処理している状態において、アンケート回答の集計指示が得られるのを待機する(ステップS201−NO)。アンケート回答の集計指示は、例えば、放送受信装置100が選局しているチャンネル(現チャンネル)の選挙結果報道番組に対応するデータ放送用データにおけるスクリプトに記述されている。
ここで、スクリプトにおいて記述される集計指示は、以下のような内容を有する。つまり、集計指示の記述として、現チャンネルが選挙結果報道番組において「政策Aに関するアンケート」のファイルによるデータ放送用データにより実施したアンケートに対するアンケート回答のアップロードが指示されている。そのうえで、集計指示の記述には、現チャンネルの選挙結果報道番組にて実施されたアンケートに対する回答を優先してアップロードし、現チャンネルに対応するアンケートの回答が無ければ、他のチャンネルの選挙結果報道番組にて実施されたアンケート回答をアップロードすることの指示が記述されている。
【0063】
アンケート回答の集計指示が得られたことに応じて(ステップS201−YES)、データ放送用データ処理部117は、スクリプトにおける集計指示の記述により指定されるファイルのデータ放送用データ記憶部110からの読み出しを実行する(ステップS202)。具体的に、この場合のステップS202にて読み出しの対象となるファイルは、現チャンネルに対応する「政策Aに関するアンケート」のファイルである。
【0064】
データ放送用データ処理部117は、ステップS202によるファイルの読み出しを実行した結果、読み出し対象のファイルの読み出しに成功したか否かについて判定する(ステップS203)。
現チャンネルのもとで放送されている選挙結果報道番組において実施された「政策Aに関するアンケート」に対してユーザが回答の操作を行っていれば、読み出し対象のファイルはデータ放送用データ記憶部110に記憶されている。従って、この場合にはファイルの読み出しに成功する。これに対して、現チャンネルのもとで放送されている選挙結果報道番組において実施された「政策Aに関するアンケート」に対して未だユーザが回答の操作を行っていないのであれば、読み出し対象のファイルはデータ放送用データ記憶部110に記憶されていない。従って、この場合にはファイルの読み出しに失敗する。
【0065】
ファイルの読み出しに成功した場合(ステップS203−YES)、データ放送対応ブラウザ部109は、データ放送用データ処理部117により読み出されたファイルから保存値(即ち、アンケートに対する回答内容)を抽出する。データ放送対応ブラウザ部109は、保存値として抽出された回答内容を、ネットワーク対応通信部115からネットワーク経由で集計サーバにアップロード(送信)する(ステップS204)。
【0066】
一方、ファイルの読み出しに失敗した場合(ステップS203−NO)、例えばデータ放送対応ブラウザ部109からデータ放送対応リスト処理部114に対して、リスト項目読み出しの指示が行われる。ファイル読出の指示に応じて、データ放送対応リスト処理部114は、データ放送対応リスト記憶部113からのリスト項目の読み出しに用いるリスト指定情報を取得する(ステップS205)。ここで、読み出しの対象となるリスト項目は、ファイル名のリスト項目要素が「政策Aに関するアンケート」を格納するリスト項目である。そこで、この場合には、ファイル読出の指示とともに指定された「政策Aに関するアンケート」のファイル名をリスト指定情報として取得する。
【0067】
なお、ここでの例では、データ放送用データのファイルのファイル名を共通化することにより放送事業者間で共通の用途となるファイルを表すようにしているが、例えばリスト項目要素として共通化コードなどを別途設けて、共通化コードの値により放送事業者間で共通の用途となるファイルを表すようにしてもよい。
【0068】
データ放送対応リスト処理部114は、ステップS205により取得されたリスト指定情報が示すリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部113が記憶するデータ放送対応リストから読み出す処理を実行する(ステップS206)。
【0069】
データ放送対応リスト処理部114は、ステップS206によるリスト項目の読み出しの処理を実行した結果、読み出し対象のリスト項目の読み出しに成功したか否かについて判定する(ステップS207)。
現チャンネルが選局される前において他のチャンネルが選局された状態で選挙結果報道番組にて実施された「政策Aに関するアンケート」に対してユーザが回答の操作を行っていれば、読み出し対象のリスト項目がデータ放送対応リスト記憶部113に記憶されている。従って、この場合にはリスト項目の読み出しに成功する。これに対して、現チャンネルが選局される前において他のチャンネルが選局された状態で選挙結果報道番組にて実施された「政策Aに関するアンケート」に対してユーザが回答の操作を行っていなければ、読み出し対象のリスト項目はデータ放送対応リスト記憶部113に記憶されていない。従って、この場合にはリスト項目の読み出しに失敗する。
【0070】
リスト項目の読み出しに成功した場合(ステップS207−YES)、データ放送対応ブラウザ部109は、データ放送対応リスト処理部114により読み出されたファイルから保存値(即ち、アンケートに対する回答内容)を抽出する。データ放送対応ブラウザ部109は、保存値として抽出された回答内容を、ネットワーク対応通信部115からネットワーク経由で集計サーバにアップロード(送信)する(ステップS204)。
一方、リスト項目の読み出しに失敗した場合(ステップS207−NO)、「政策Aに関するアンケート」に対する回答の操作はこれまでにおいて行われておらず、対応のファイルまたはリスト項目は記憶されていない。そこで、この場合には、特に回答内容のアップロードを行うことなく、同図の処理が終了される。
【0071】
なお、同図の処理は、まず、データ放送用データのファイルの読み出しが失敗した場合において、データ放送用データのファイルに代えてデータ放送対応リストからリスト項目の読み出しを行うようにされている。つまり、同図の処理は、データ放送対応リストに対してデータ放送用データのファイルを優先させた処理となっている。
しかしながら、データ放送の内容によっては、データ放送用データのファイルに対してデータ放送対応リストを優先させた処理としてもよい。この場合には、データ放送用データ記憶部110からのファイルの読み出しを行わずに、指定のファイルに対応するリスト項目の読み出しがデータ放送対応リスト記憶部113にて行われるようにすればよい。
また、データ放送の内容によっては、データ放送用データのファイルとデータ放送対応リストとの双方を同じ優先度で扱ってもよい。この場合には、データ放送用データのファイルの読み出しと、データ放送対応リストからのリスト項目との読み出しとのそれぞれを実行してよい。
【0072】
続いて、リスト項目の利用態様の第2例について説明する。図10は、本例に対応してデータ放送対応リスト記憶部113に記憶されるデータ放送対応リストのリスト項目の内容例を示している。
同図に示される2つのリスト項目は、それぞれ異なるチャンネルにおける別の番組において放送されたCM(Commercial Message)中での視聴者参加型のデータ放送として、ユーザからの所定のアクションを受け付けたことに応じて、ユーザにポイントを付与するようにされたコンテンツに対応する。ここで、ユーザがポイントを付与してもらうために行うアクションがどのようなものかについては特に限定されない。一例として、CMの画面とともに、データ放送のコンテンツとしてユーザが操作するボタンを表示した画面を表示し、ユーザが、CMで紹介された商品に興味があればボタンを操作するというアクションを行うようにしてもよい。また、ユーザが獲得したポイントの用途についても特に限定されないが、一例として、所定のポイントカードのポイント残高への加算などに用いることができる。
【0073】
同図における1行目のリスト項目は、サービスID「SV0001」が示すチャンネルのもとで、番組名「番組01」との番組においてA社の商品αについてのCMが放送されていたときにユーザからのアクションが行われた結果、ユーザに累計で10pのポイントが付与されたことを示している。
また、2行目のリスト項目は、サービスID「SV0011」が示すチャンネルのもとで、番組名「番組02」との番組においてB社の商品βについてのCMが放送されていたときにユーザからのアクションが行われた結果、ユーザに累計で2pのポイントが付与されたことを示している。
また、1行目と2行目のリスト項目のうちのいずれについても、アップロードフラグと共有フラグとが「1」とされ、情報のアップロードと共有とが可能とされている。
【0074】
ここで、1行目のリスト項目が格納されたことを示す保存日時は「16:24(16時24分)」となっている。これは、1行目のリスト項目に対応するデータ放送のコンテンツに対するユーザのアクションが、16時24分に対応するタイミングで行われたことを示している。
また、2行目のリスト項目の保存日時は、1行目のリスト項目の保存日時と同日の「20:14(20時14分)」となっている。これは、2行目のリスト項目に対応するデータ放送のコンテンツに対するユーザのアクションが、1行目のリスト項目に対応する16時24分よりも後の20時14分に対応するタイミングで行われたことを示している。
【0075】
ここで、2行目のリスト項目に対応するデータ放送のコンテンツに対するユーザのアクションが行われた後において、サービスID「SV0001」、「SV0001」のいずれとも異なるサービスID「SV0021」が示すチャンネルのもと、番組名「番組03」との番組において、2行目のリスト項目と同じB社の商品βのCMが放送された。そこで、ユーザは、この際にもアクションのための操作を行った。
【0076】
上記のアクションが受け付けられたことに応じて、まず、データ放送対応ブラウザ部109は、スクリプトによる指示に従って、データ放送用データ記憶部110からのファイルの読出処理を実行する。ここで読出処理の対象となるのは、サービスID「SV0021」が示すチャンネルのもとで放送されたB社の商品βのCMにおいて行われたデータ放送についてのファイルである。また、ここでは、これまでサービスID「SV0021」が示すチャンネルのもとでのB社の商品βのCMは放送されていないことから、データ放送用データ記憶部110には読出処理の対象のファイルは記憶されていない場合を例に挙げる。この場合、データ放送対応ブラウザ部109による読出処理はエラーとなる。
【0077】
データ放送対応ブラウザ部109による読出処理がエラーとなった場合には、データ放送対応リスト処理部114が、データ放送対応ブラウザ部109により読出処理対象とされたファイルと情報を共有可能なリスト項目の読出処理を実行する。この場合、データ放送対応ブラウザ部109が読出処理対象としたファイルと情報を共有可能なリスト項目は、B社の商品βのCMに対応するリスト項目である。つまり、ファイル名として「B社_商品β」を格納するリスト項目である。従って、この場合には、データ放送対応リスト処理部114によって、図10の2行目のリスト項目をデータ放送対応リスト記憶部113から読み出すことができる。
【0078】
データ放送対応リスト処理部114は、読み出された2行目のリスト項目について、今回のユーザからのアクションに応じてポイントが加算されるように変更し、変更後のリスト項目により、データ放送対応リスト記憶部113に記憶されている2行目のリスト項目を書き換える。このようにしてデータ放送対応リスト記憶部113に記憶される2行目のリスト項目についての更新が行われる。
図11は、2行目のリスト項目の更新後においてデータ放送対応リスト記憶部113が記憶するデータ放送対応リストの内容例を示している。同図と図10とを比較して分かるように、2行目のリスト項目において、サービスIDは、「SV0011」から「SV0021」に変更されており、最後にアクションが行われたCMを放送したチャンネルを示している。
番組名は、「番組02」から、最後にアクションが行われたCMを放送した「番組03」に変更されている。
保存日時は、20時14分から、今回のユーザによるアクションが受け付けられたタイミングに応じて、22時34分を示すように変更されている。
ユーザに付与されたポイントを示す保存値については、2pから8pに増加するように変更されている。つまり、この場合には、今回のユーザによるアクションが受け付けられたことに応じて、6pが加算された結果が示されている。
【0079】
このように、リスト項目の利用態様の第2例によっては、異なるチャンネルや番組の間で、同じCMのコンテンツの放送に際してユーザが行ったアクションごとに応じてユーザに付与されるポイントを合算して管理することができる。このように合算されたポイントは、例えば所定のタイミングで、データ放送対応ブラウザ部109により放送事業者またはCMの広告元が運用するサーバなどにアップロードされるようにしてよい。サーバは、一例として、ユーザのポイントカードへのポイント加算処理など、アップロードされたポイントに対応する処理を実行してよい。
【0080】
続いて、リスト項目の利用態様の第3例について説明する。これまでの説明におけるリスト項目の利用態様例では、データ放送対応リスト記憶部113に記憶されるデータ放送対応リストからのリスト項目の読み出しは、データ放送用データ記憶部110に記憶されるファイルの読み出しに伴って行われていた。つまり、リスト項目の読み出しは、データ放送のコンテンツとしてのデータ放送用データに含まれるスクリプトを、データ放送対応ブラウザ部109が実行することに応じて行われていた。
しかしながら、データ放送対応リスト記憶部113が記憶するデータ放送対応リストからのリスト項目の読み出しは、データ放送対応ブラウザ部109のファイル読出処理(データ読出処理の一例)にかかわらず、データ放送対応リスト処理部114が独立して実行してよい。本例は、データ放送対応リスト処理部114が独立してリスト項目の読み出しを行う態様例の1つである。
【0081】
本例においては、放送受信装置100にて電子番組表を表示させた際に、表示された電子番組表において、これまでにデータ放送のコンテンツにおけるイベントへのアクションをユーザが行った結果が反映される。
具体的に、ユーザがリモートコントローラRMを使用して電子番組表の表示を指示する操作を行うと、放送受信装置100における放送関連情報処理部111は、放送関連情報を利用して電子番組表の映像信号を映像処理部104に出力する。
また、データ放送対応リスト処理部114は、電子番組表の映像信号が出力されたことに応じて以下の処理を実行する。つまり、データ放送対応リスト処理部114は、データ放送対応リスト記憶部113に記憶されたデータ放送対応リストから、ユーザによるアクションが行われたデータ放送のコンテンツに対応するリスト項目を検索する。
ここでのリスト項目の検索にあたっては、例えばリスト項目要素としての視聴者参加型フラグ識別フラグが視聴者参加型であることを示し、リスト項目要素としての保存値がアクションに応じた有効値を格納しているリスト項目を検索すればよい。そのうえで、例えば、放送事業者間で政策アンケート回答結果を共有することが取り決められた選挙結果報道番組のように、複数の放送事業者間で提携が取り決められた番組、サービス、イベント等に対応するリスト項目に絞り込んで検索が行われるように検索条件が指定されてもよい。このような検索条件としては、例えば、サービスID、イベントID、放送日時(放送時間帯でもよい)などを指定することができる。
【0082】
データ放送対応リスト処理部114は、検索されたリスト項目が対応する番組、即ちアクションが行われた番組を示すアクション履歴番組情報を映像処理部104に出力する。アクション履歴番組情報は、例えば検索されたリスト項目ごとにおいてリスト項目要素として格納されるイベントIDを示す情報であればよい。そのうえで、アクション履歴番組情報は、アンケート回答などを示す保存値のアップロードが行われた番組については、アップロード済みであることが示されるようにしてよい。
このようにアップロード済みを示す情報を含めるにあたっては、図示は省略するが、リスト項目におけるリスト項目要素の1つとしてアップロードが行われたか否かを示すアップロード済フラグを設ければよい。そして、データ放送対応リスト処理部114は、アップロード済フラグを参照し、番組(例えば、リストIDにより示される)ごとに、アップロード済みであるか否かを判定し、判定結果をアクション履歴番組情報に反映させればよい。
【0083】
映像処理部104は、放送関連情報処理部111から入力した電子番組表の映像信号と、データ放送対応リスト処理部114から入力されたアクション履歴番組情報とを利用して、これまでにユーザによるアクションが受け付けられた番組がユーザにより視認できるようにされた態様の電子番組表を、映像出力部105により表示させる。
【0084】
図12は、本例に対応して表示される電子番組表の一態様例を示している。同図は、例えば、複数の放送事業者間でのアンケート回答の共有による連携が定められた選挙結果報道番組についてのユーザのアクション結果が反映された電子番組表の例を示している。
同図においては、5つの異なるチャンネルにおいて、共通の放送日時hh:mmを含む放送時間帯により放送された5つの番組1〜5のうち、3つの番組1、2、4がハイライトで表示されている。
番組1〜5は、加算型により集計されるクイズやアンケートなどの共有による連携が定められた番組である。そのうち、ハイライト表示が行われている3つの番組1、2、4は、ユーザのアクションとしてアンケートに対する回答の操作が得られた番組であることを表している。そのうえで、番組2及び番組4の各領域にはユーザによるアクション(クイズやアンケートに対する回答)が行われたが、未だ回答内容がアップロードされてはいないことを表すマークMK1が配置され、番組1の領域には回答内容がアップロード済みであることを表すマークMK2が配置されている。
このような態様の電子番組表を見ることで、ユーザは、自分がどのチャンネルの番組でアクションを行い、また、どのチャンネルの選挙結果報道番組で行ったアクションの結果がアップロードされたのかを確認することができる。
なお、例えばEITにおいて番組が連携していることを示す情報を含めるようにすれば、ユーザによるアクションが得られていない番組3、5も番組1、2、4とともに杯等と表示させることが可能である。
【0085】
次に、データ放送対応リストの利用態様の第4例について説明する。例えば、データ放送対応リスト記憶部113に記憶されているデータ放送対応リストのうちに、特定の視聴者参加型の番組についてのリスト項目が存在していれば、ユーザがその視聴者参加型の番組におけるデータ放送にアクションを行った(即ち、番組に参加した)ことが把握される。そこで、このようなリスト項目が存在する場合には、当該リスト項目に対応する番組(帯番組)についてユーザの関心が高いと判定し、例えば、番組の視聴を促すような案内を行うことができる。
【0086】
上記のようなデータ放送対応リストの利用態様の第4例として、以下のような具体例を挙げることができる。
データ放送を用いてユーザにじゃんけん、クイズなどのゲームを毎回提供する帯番組などがある。ユーザが、このような帯番組を視聴しながらゲームに参加する(即ちアクションを行う)ことを毎回楽しみにしているような場合がある。このような場合に、例えばゲームが行われる帯番組が放送される時間帯において、ユーザが、帯番組が放送されていることを忘れて他の番組を視聴していたような場合に、帯番組の開始時刻(あるいはゲームの開始時刻)などに対応させて、ユーザに帯番組の視聴を促すメッセージを画面に表示させることができる。
【0087】
本例の場合、データ放送対応リスト処理部114は、データ放送対応リスト記憶部113に記憶されているデータ放送対応リストを定期的に参照することで、ユーザが毎回アクションを行っている頻度が高い帯番組を判定する。データ放送対応リスト処理部114は、判定された帯番組に対応するイベントIDを、ユーザに視聴を促すべき番組を示す視聴促進番組情報として記憶する。
そして、データ放送対応リスト処理部114は、放送関連情報処理部111にて取得される電子番組表の情報を監視することで、記憶された視聴促進番組情報に含まれるイベントIDの番組が開始されるか否かについて判定する。そして、視聴促進番組情報に含まれるイベントIDの番組が開始されることを判定すると、データ放送対応リスト処理部114は、現在において開始が判定された番組のチャンネルの映像を出力中であるか否かについて判定する。データ放送対応リスト処理部114は、開始が判定された番組のチャンネルの映像が出力中でない、即ち、開始が判定された番組以外の番組の映像が出力中である場合に、開始が判定された番組の視聴を促すメッセージを、現在において出力中の映像に重畳して表示させる。なお、データ放送対応リスト処理部114は、開始が判定された番組の視聴を促すメッセージを、ネットワーク経由でユーザの端末に通知するようにしてもよい。この際の通知の態様としては、プッシュ通知やメール送信などであればよい。
また、上記のように番組の視聴を促すような間接的な案内を省略し、放送受信装置100が番組の放送開始時刻において、その番組のチャンネルを自動で選局するようにしてもよい。これにより、ユーザにとって関心の高い番組を、より確実にユーザに視聴してもらうようにすることができる。
【0088】
上記したデータ放送対応リストの利用態様の各例から理解されるように、本実施形態においては、受信装置ソフトウェアが、自己によるアクセスが不可であるデータ放送用データのファイルを利用した制御と同等の処理を行うことが可能とされている。
【0089】
例えば、参考文献1に記載されているように、データ放送のコンテンツを利用した双方向サービスにおけるユーザからの応答データを以下のように処理する技術が知られている。つまり、放送局は、双方向サービス用のサービスシーン、そのサービスシーンに関連付けられた当該サービスシーン識別用のシーン識別コード及びそのシーン識別コードに対応付けられたサービス識別コードを含むデータ放送番組コンテンツを放送する。データ放送番組コンテンツを出力する受信機に対して、視聴者が応答の操作を行うことに応じて、受信機から応答サーバに対して、応答データが送信される。応答データには、シーン識別コード及びサービス識別コードが含まれる。応答サーバは、受信されたシーン識別コード及びサービス識別コードが対応するサービス処理アプリケーションを実行する。
【0090】
(参考文献1)特願2002−171508号公報
【0091】
しかしながら、上記参考文献1に記載の構成では、ユーザが行った応答の操作に関する情報は受信機にて保存されない。このため、ユーザが応答の操作を行ってから或る時間を経過したタイミングで、受信機が応答データを利用して制御を行うことはできない。これに対して本実施形態は、ユーザが応答の操作を行った後においても、受信装置ソフトウェアがデータ放送対応リスト記憶部113に記憶されているリスト項目のデータを利用して、これまでのデータ放送に対するユーザの応答に応じたアプリケーションを実行できる。
【0092】
なお、上述の放送受信装置100としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の放送受信装置100としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0093】
100 放送受信装置、101 チューナ部、102 デマルチプレクサ、103 映像音声デコード部、104 映像処理部、105 映像出力部、106 音声処理部、107 音声出力部、108 データ放送用データデコード部、109 データ放送対応ブラウザ部、110 データ放送用データ記憶部、111 放送関連情報処理部、112 データ放送対応リスト記憶制御部、113 データ放送対応リスト記憶部、114 データ放送対応リスト処理部、115 ネットワーク対応通信部、116 操作受付部、117 データ放送用データ処理部
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